JP5314332B2 - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システム及びその運転方法に関する。
近年、水素(燃料ガス、反応ガス)がアノードに、酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)がカソードに、それぞれ供給されることで発電する固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池を備える燃料電池システムが着目され、例えば、燃料電池車両に搭載される。
このような燃料電池が発電すると、そのカソードで水分(水蒸気)を生成する。また、燃料電池のMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)を構成する電解質膜(固体高分子膜)を湿潤させ、そのプロトン伝導性を確保するため、例えば、燃料電池に供給される空気は、加湿器等によって加湿される。
ところが、燃料電池システムの停止後、燃料電池内に水分が残留したまま放置され、そして、燃料電池が低温環境下に曝されると、燃料電池内が凍結する虞があるので、このように凍結する虞がある場合、掃気ガスによって燃料電池を掃気する技術が提案されている。燃料電池の掃気とは、非加湿の空気や窒素等の掃気ガスによって、燃料電池に残留する水分(結露水、水蒸気)を外部に押し出すことである。
そして、このように掃気する場合、発電時に空気を燃料電池に供給するコンプレッサを作動させ、コンプレッサからの空気を加湿せずに、掃気ガスとして燃料電池に供給する技術が提案されている(特許文献1参照)。このように掃気のためにコンプレッサを作動させる場合、燃料電池は発電停止中であるので、コンプレッサは、バッテリ(蓄電装置)を電源として作動する。
一方、外部から発電要求があった場合、燃料電池に水素、空気を供給し、発電可能な状態となった後、燃料電池の発電が開始される。すなわち、発電開始前に、コンプレッサ等を作動させ、燃料電池に空気等を供給し、燃料電池を発電可能とする必要があり、このように作動するコンプレッサは、前記バッテリを電源とする。つまり、燃料電池の発電開始前において、バッテリのSOC(State Of Charge、充電状態(残量))が十分でなければ、コンプレッサを作動できず、燃料電池システムは起動できないことになる。
特開2007−324071号公報
しかしながら、従来、燃料電池を掃気する必要がある場合において、バッテリのSOCが、掃気に必要な電力量と、次回起動時に必要な電力量とに基づいて、予め設定された所定SOC未満である場合、掃気及び次回起動は不可能と判定していた。
そこで、本発明は、掃気及び起動が不可となりにくい燃料電池システム及びその運転方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、前記燃料電池の発電電力を蓄えるバッテリと、前記バッテリのSOCを検出するSOC検出手段と、システム停止直後、直前のシステム開始時における燃料電池温度と、システム停止時における燃料電池温度とに基づいて、前記燃料電池について停止直後凍結の虞があるか否かを判定する停止直後凍結判定手段と、システム停止後、システム停止状態における燃料電池温度に基づいて、前記燃料電池について凍結の虞があるか否かを判定する停止後凍結判定手段と、前記停止後凍結判定手段が前記燃料電池について凍結の虞があると判定した場合に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する液滴掃気モード前記液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで前記燃料電池内を乾燥する乾燥掃気モード、及び、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合にシステム停止直後に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する停止直後凍結防止モード、を作動モードとして有すると共に、前記バッテリを電源として作動し、システム停止後に前記燃料電池内を掃気する掃気手段と、システム停止時における前記バッテリのSOCと、システム停止から次回起動までに最低必要とされる電力量から設定された最低SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定する起動可否判定手段と、前記乾燥掃気モードの実行の可否を判定する乾燥モード可否判定手段と、を備え、システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上であり、前記起動可否判定手段が起動可能であると判定した場合において、当該SOCが、前記最低SOCよりも高く、前記掃気手段が前記液滴掃気モード及び前記乾燥掃気モードで作動するために必要な第1SOC以上でないとき、前記乾燥モード可否判定手段は前記乾燥掃気モードを実行できないと判定し、前記掃気手段は当該乾燥掃気モードで作動せず、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合の前記第1SOCは、停止直後凍結の虞がないと判定した場合の前記第1SOCよりも高いことを特徴とする燃料電池システムである。
ここで、システムの起動までとは、燃料電池に適切に反応ガスが供給され、燃料電池が発電可能となるまで、例えば、OCV(Open Circuit Voltage)が所定OCVとなるまでを意味する。
このような燃料電池システムによれば、システム停止のSOCが、最低SOC以上であり、起動可能であると判定されている場合において、このSOCが第1SOC以上でなくても、掃気手段が乾燥掃気モードで作動しないのみである。つまり、システム停止時のSOCが、第1SOC以上でなくても、最低SOC以上であれば、乾燥掃気モードの実行を省略するので、掃気及び起動が不可となりにくくなる。
また、前記最低SOCは、少なくとも、前記液滴掃気モードで作動する前記掃気手段が消費する液滴掃気電力量と、システムを1回起動するために必要な起動1回分電力量と、に基づいて設定されることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、最低SOCが、少なくとも、液滴掃気電力量と、起動1回分電力量とに基づいて設定されるので、システム停止のSOCが、最低SOC以上である場合、液滴掃気モードで作動する掃気手段によって、燃料電池内の液滴を除去し、凍結を防止しつつ、システムを1回起動することができる。
また、前記起動可否判定手段は、システム停止時における前記SOCが、システムを複数回にて起動可能な第2SOC以上である場合、複数回にてシステムを起動可能であると判定し、システム停止時における前記SOCが、前記最低SOC以上であり前記第2SOC未満である場合、1回のみシステム起動可能であると判定し、前記第2SOCは、前記最低SOCよりも高く、かつ、前記第1SOCよりも低く設定されていることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、システム停止時のSOCと、第2SOCとに基づいて、システムを1回のみ起動可能であるか否か、複数回にて起動可能であるか否か、適切に判定できる。
また、前記掃気手段はシステム停止時における前記SOCが、前記最低SOC以上であり、前記停止直後凍結防止モードで作動可能な第3SOC未満である場合、当該停止直後凍結防止モードで作動せず、前記第3SOCは、前記最低SOCよりも高く、かつ、前記第2SOCよりも低く設定されていることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、システム停止時のSOCと、第3SOCとに基づいて、停止直後凍結防止モードによる作動の可否が設定される。すなわち、システム停止時のSOCが、第3SOC未満である場合、掃気手段が、停止直後凍結防止モードで作動しないので、バッテリのSOCが確保され、掃気及び起動が不可となりにくくなる。
また、反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、前記燃料電池の発電電力を蓄えるバッテリと、前記バッテリのSOCを検出するSOC検出手段と、システム停止直後、直前のシステム開始時における燃料電池温度と、システム停止時における燃料電池温度とに基づいて、前記燃料電池について停止直後凍結の虞があるか否かを判定する停止直後凍結判定手段と、システム停止後、システム停止状態における燃料電池温度に基づいて、前記燃料電池について凍結の虞があるか否かを判定する停止後凍結判定手段と、前記停止後凍結判定手段が前記燃料電池について凍結の虞があると判定した場合に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する液滴掃気モード前記液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで前記燃料電池内を乾燥する乾燥掃気モード、及び、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合にシステム停止直後に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する停止直後凍結防止モード、を作動モードとして有すると共に、前記バッテリを電源として作動し、システム停止後に前記燃料電池内を掃気する掃気手段と、システム停止時における前記バッテリのSOCと、システム停止から次回起動までに最低必要とされる電力量から設定された最低SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定する起動可否判定手段と、前記乾燥掃気モードの実行の可否を判定する乾燥モード可否判定手段と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上であり、前記起動可否判定手段が起動可能であると判定した場合において、当該SOCが、前記最低SOCよりも高く、前記掃気手段が前記液滴掃気モード及び前記乾燥掃気モードで作動するために必要な第1SOC以上でないとき、前記乾燥モード可否判定手段は前記乾燥掃気モードを実行できないと判定し、前記掃気手段は当該乾燥掃気モードで作動せず、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合の前記第1SOCは、停止直後凍結の虞がないと判定した場合の前記第1SOCよりも高いことを特徴とする燃料電池システムの運転方法である。
このような燃料電池システムの運転方法によれば、システム停止のSOCが、最低SOC以上であり、起動可能であると判定されている場合において、このSOCが第1SOC以上でなくても、掃気手段が乾燥掃気モードで作動しないのみである。つまり、システム停止時のSOCが、第1SOC以上でなくても、最低SOC以上であれば、乾燥掃気モードの実行を省略するので、掃気及び起動が不可となりにくくなる。
本発明によれば、掃気及び起動が不可となりにくい燃料電池システム及びその運転方法を提供する。
本発明の一実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、掃気時に掃気ガスをアノード系に導入する掃気ガス導入系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、IG61と、これらを電子制御するECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セル11が積層されることで構成されたスタックであり、複数の単セル11は電気的に直列で接続されている。単セル11は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータ及びカソードセパレータと、を備えている。
MEAは、1価の陽イオン交換膜(例えばパーフルオロスルホン酸型)からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソードとを備えている。アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体から主に構成されると共に、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)を含んでいる。
アノードセパレータには、各MEAのアノードに対して水素を給排するため単セル11の積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セル11の面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔及び溝がアノード流路12(燃料ガス流路)として機能している。
カソードセパレータには、各MEAのカソードに対して空気を給排するため単セル11の積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セル11の面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔及び溝がカソード流路13(酸化剤ガス流路)として機能している。
そして、アノード流路12を介して各アノードに水素が供給されると、式(1)の電極反応が起こり、カソード流路13を介して各カソードに空気が供給されると、式(2)の電極反応が起こり、各単セル11で電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、燃料電池スタック10と走行モータ(図示しない)等の外部回路とが電気的に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
2H→4H+4e …(1)
+4H+4e→2HO …(2)
<アノード系>
アノード系は、水素が高圧で封入された水素タンク21(燃料ガス源)と、常閉型の遮断弁22と、エゼクタ26と、常閉型のパージ弁27(燃料ガス排出弁)と、掃気ガス排出弁28とを備えている。
水素タンク21は、水素が高圧で封入されたタンクであり、配管21a、遮断弁22、配管22a、エゼクタ26、配管26aを介して、アノード流路12の入口に接続されている。そして、ECU70によって、遮断弁22が開かれると、水素タンク21の水素が配管22a等を介してアノード流路12に供給されるようになっている。なお、配管22aには、水素の圧力を所定圧力に減圧させる減圧弁(図示しない)が設けられている。
アノード流路12の出口は、配管26b(燃料ガス循環ライン)を介して、燃料電池スタック10の上流のエゼクタ26の吸込口に接続されている。これにより、アノード流路12(アノード)から排出された未消費の水素を含むアノードオフガスは、エゼクタ26に戻され、その結果、水素が循環するようになっている。
なお、配管26bには気液分離器(図示しない)が設けられており、この気液分離器によって、循環する水素に同伴する水分が分離されるようになっている。
配管26bは、配管27a、パージ弁27、配管27bを介して、希釈器34に接続されている。パージ弁27は、燃料電池スタック10の発電中において、配管26bを循環する水素に同伴する不純物(水蒸気、窒素等)を排出(パージ)する場合や、システム起動時において、アノード流路12を水素に置換する場合、ECU70によって開かれる設定となっている。
なお、ECU70は、例えば、複数の単セル11の電圧を検出するセル電圧モニタ(図示しない)から入力される最低セル電圧が所定セル電圧以下の場合、不純物を排出する必要があると判定し、パージ弁27を開く設定となっている。
また、配管26bは、配管28a、掃気ガス排出弁28、配管28bを介して、希釈器34に接続されている。掃気ガス排出弁28は、燃料電池スタック10のアノード流路12を掃気する必要がある場合、コンプレッサ31が作動した状態で、ECU70によって、後記する掃気ガス導入弁41と共に開かれる弁である。そして、このように掃気ガス導入弁41及び掃気ガス排出弁28が開かれると、コンプレッサ31からの掃気ガスがアノード流路12に導入され、アノード流路12の水分(水蒸気、結露水等)が押し出されるようになっている。
なお、燃料電池システム1の停止中において、燃料電池スタックの温度T1が所定温度T0(例えば0℃)以下である場合、燃料電池スタック10を掃気する必要があると判定される。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31と、背圧弁33と、希釈器34と、温度センサ35(温度検出手段)とを備えている。
コンプレッサ31は、配管31aを介してカソード流路13の入口に接続されており、ECU70(コンプレッサ制御手段)からの指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込み、これをカソード流路13に供給するようになっている。また、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10を掃気する場合に作動し、掃気ガスを供給する掃気ガス供給手段として機能するようになっている。
なお、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10や、燃料電池スタック10の発電電力を充電するバッテリ54を電源として作動する。つまり、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10の発電停止中、バッテリ54を電源として作動する。その他、アノード系の遮断弁22、パージ弁27及び掃気ガス排出弁28、カソード系の背圧弁33、後記する掃気ガス導入弁41も、燃料電池スタック10の発電停止中、バッテリ54を電源として作動する。
配管31aには、カソード流路13に向かう空気を加湿する加湿器(図示しない)が設けられている。この加湿器は、水分交換可能な中空糸膜を備えており、この中空糸膜を介して、カソード流路13に向かう空気と、多湿のカソードオフガスとの間で水分交換させるようになっている。なお、この加湿器をバイパスするようにバイパス配管(図示しない)が設けられており、燃料電池スタック10の掃気時には、コンプレッサ31からの掃気ガスが前記加湿器をバイパスするようになっている。
カソード流路13の出口は、配管33a、背圧弁33、配管33bを介して、希釈器34に接続されている。そして、カソード流路13(カソード)から排出された多湿のカソードオフガスは、配管33a等を介して希釈器34に排出され、希釈器34は、カソードオフガスによって、配管27bから導入されるアノードオフガス中の水素を希釈した後、配管34aを介して、車外に排出するようになっている。
背圧弁33は、バタフライ弁等から構成された常開型の弁であり、その開度はECU70によって制御される。
温度センサ35は、燃料電池スタック10の温度を検出するためのものであり、配管33aの上流側に取り付けられている。そして、温度センサ35は、配管33a内の温度を、燃料電池スタック10の温度として検出し、ECU70に出力するようになっている。ただし、温度センサ35の位置は、これに限定されず、温度センサ35が、配管26bや、燃料電池スタック10から排出された冷媒が通る配管や、燃料電池スタック10自体に取り付けられた構成でもよい。
<掃気ガス導入系>
掃気ガス導入系は、アノード流路12の掃気時に、コンプレッサ31からの掃気ガスをアノード系に導く系であり、掃気時にECU70により開かれる常閉型の掃気ガス導入弁41を備えている。そして、掃気ガス導入弁41の上流側は、配管41aを介して、配管31aに接続されており、掃気ガス導入弁41の下流側は、配管41bを介して配管22aに接続されている。
<電力消費系>
電力消費系は、走行モータ51と、VCU52(Voltage Control Unit、電流制御手段)と、コンタクタ53と、バッテリ54と、SOCセンサ55(SOC検出手段)とを備えている。走行モータ51は、VCU52、コンタクタ53を介して、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続されており、バッテリ54はVCU52に接続されている。なお、走行モータ51とVCU52との間に配置されているインバータ(PDU:Power Drive Unit)は省略している。
走行モータ51は、燃料電池自動車の動力源となる外部負荷である。
VCU52は、ECU70から送られる指令電流に従って、燃料電池スタック10の発電電力(出力電流、出力電圧)を制御(制限)すると共に、バッテリ54の充放電を制御する機器であり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータ等の電子回路を備えている。つまり、コンタクタ53がONされた状態において、VCU52が適宜に制御され、燃料電池スタック10から電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
コンタクタ53は、ECU70の指令に従って、燃料電池スタック10とVCU52との電気的接続をON/OFFするスイッチである。
バッテリ54は、例えば、複数のリチウムイオン型の二次電池を備えて構成されており、燃料電池スタック10の過剰電力、走行モータ51からの回生電力を充電したり、燃料電池スタック10の不足電力をアシスト(補助)するものである。また、バッテリ54は、燃料電池スタック10の発電停止中において、遮断弁22、パージ弁27及び掃気ガス排出弁28と、コンプレッサ31及び背圧弁33と、掃気ガス導入弁41等の電源として機能している。なお、バッテリ54とコンプレッサ31等とを接続する電源ラインは省略している。
SOCセンサ55は、バッテリ54のSOC(充電状態、残量)を検出するセンサであり、例えば、バッテリ54の出力電圧を検出する電圧センサと、バッテリ54に充放電される電流を検出する電流センサと、を備えている。そして、SOCセンサ55は、検出した電圧と電流とに基づいて、バッテリ54のSOCを算出し、算出したSOCを、ECU70に出力するようになっている。
その他、SOCセンサ55が、電圧及び電流をECU70に出力し、ECU70がSOCを算出する構成でもよい。
<IG>
IG61は、燃料電池自動車及び燃料電池システム1の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。そして、IG61は、そのON信号(システムの起動要求)、OFF信号(システムの停止要求)を、ECU70に出力するようになっている。
<ECU>
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されている。そして、ECU70は、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を適宜に制御するようになっている。
<ECU−停止直後凍結の虞の有無の判定機能>
ECU70は、IG61のOFF後、燃料電池スタック10内が直ちに凍結(これを停止直後凍結とする)する虞があるか否か判定する機能を備えている。
具体的には、ECU70は、直前の発電開始時(IG61、コンタクタ53のON時、図3参照)における燃料電池スタック10の温度T1と、判定時である発電停止時(IG61、コンタクタ53のOFF時、図3参照)における燃料電池スタック10の温度T1と、図2(a)のマップとに基づいて、図2(a)の「停止直後凍結の虞あり」の領域にある場合、停止直後凍結の虞があると判定し、「停止直後凍結の虞なし」の領域にある場合、停止直後凍結の虞がないと判定するように設定されている。なお、境界線上は、停止直後凍結の虞がないと判定するように設定されている。
さらに説明すると、図2(a)の「停止直後凍結の虞なし」の領域は、事前試験等により求められたものであり、図2(b)〜図2(d)の「停止直後凍結の虞なし」の領域の和で与えられる。
図2(b)の「停止直後凍結の虞なし」の領域は、発電開始時に着目したものであり、発電開始時の温度T1が、所定温度T2以上ならば、発電停止時の温度T1に関わらず、停止直後凍結の虞はないことを示している。このような所定温度T2は、例えば0〜5℃に設定される。
次に、図2(c)の「停止直後凍結の虞なし」の領域は、発電停止時に着目したものであり、発電停止時の温度T1が、所定温度T3以上ならば、発電開始時の温度T1に関わらず、停止直後凍結の虞はないことを示している。このような所定温度T3は、例えば、燃料電池スタック10の暖機完了温度である50〜80℃に設定される。
次に、図2(d)の「停止直後凍結の虞なし」の領域は、発電開始時の温度T1が所定温度T2よりも低く、発電停止時の温度T1が所定温度T3よりも低くても、停止までの発電に伴う自己発熱により、停止時において燃料電池スタック10内に氷は存在せず、その後、直ちに、燃料電池スタック10が凍結することはないと判断される領域に設定される。
<ECU−運転制御機能>
ECU70は、IG61のOFF後(発電停止後)において、燃料電池システム1を、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モード、又は、停止直後凍結防止モードで作動させる機能を備えている。すなわち、前記各モードで作動し、燃料電池スタック10を掃気する掃気手段は、本実施形態では、掃気ガス排出弁28と、掃気ガス導入弁41と、コンプレッサ31と、背圧弁33と、これらを制御するECU70とを備えて構成されている。
希釈器掃気モードとは、IG61のOFF前にパージ弁27が開かれたことによって、OFF時に希釈器34内に残留する水素が、その後、高濃度のまま車外に排出されることを防止するため、希釈器34に掃気ガスを導入し、水素を希釈しつつ、希釈器34内の水分を押し出し、希釈器34を掃気するモードである。
具体的には、希釈器掃気モードで作動する場合、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、希釈器34に導入するように設定されている。
液滴掃気モードとは、発電停止後、外気温度が低下した等によって、このままでは燃料電池スタック10が凍結する虞のある場合、燃料電池スタック10内の液滴(結露水)を、燃料電池スタック10の外に押し出し、燃料電池スタック10を掃気するモードである。
具体的には、液滴掃気モードで作動する場合、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13に導入するように設定されている。
ただし、アノード流路12及びカソード流路13を同時に並行して掃気する構成に限定されず、例えば、(1)掃気ガス導入弁41及び掃気ガス排出弁28を開き、背圧弁33を閉じた状態で、アノード流路12を掃気(アノード掃気)した後、(2)掃気ガス導入弁41及び掃気ガス排出弁28を閉じ、背圧弁33を開いた状態で、カソード流路13を掃気(カソード掃気)するように、アノード流路12とカソード流路13とを別々に掃気する構成でもよい。
乾燥掃気モードとは、外気温度が低下した等によって、このままでは燃料電池スタック10が凍結する虞のある場合、システム停止(IG61のOFF)後において、電解質膜から浸み出し、多孔質体からなるアノード及びカソードに含まれる水分や、アノード及びカソードの表面に薄膜状で付着する水分を除去し、アノード及びカソードを適度に乾燥させるモードである。そして、この乾燥掃気モードを実行することにより、凍結等によるMEAの劣化が防止されるようになっている。
具体的には、乾燥掃気モードで作動する場合、ECU70は、液滴掃気モードと同様に、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13に導入するように設定されている。
ただし、アノード流路12とカソード流路13とを別々に掃気する構成でもよい。
停止直後凍結防止モードとは、IG61のOFF後、直ちに、燃料電池スタック10内が凍結(停止直後凍結)する虞があるので、この凍結を防止するべく、燃料電池スタック10内の水分(結露水、水蒸気等)を、IG61のOFF後、直ちに、外部に押し出し、燃料電池スタック10を掃気するモードである。
具体的には、直後凍結防止モードで作動する場合、ECU70は、液滴掃気モード、乾燥掃気モードと同様に、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13に導入するように設定されている。
ただし、アノード流路12とカソード流路13とを別々に掃気する構成でもよい。
このような希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モード、停止直後凍結防止モードにおける作動条件(コンプレッサ31の回転速度等)や、各モードを実行する所定時間は、事前試験等により求められ、予めECU70に記憶されている。したがって、各モードを実行するために必要な電力量(希釈器掃気電力量、液滴掃気電力量、乾燥掃気電力量、凍結防止掃気電力量)も事前試験等により求められている。また、各モードを実行する場合、燃料電池スタック10は発電しておらず、バッテリ54を電源としてコンプレッサ31等が作動するので、各モードを実行するための電力量(希釈器掃気電力量等)に基づいて、必要とされるバッテリ54のSOCも事前試験等により求められている。
ここで、液滴掃気モード、停止直後凍結防止モードでは、アノード流路12、カソード流路13に残留する液滴状の水分を押し出す必要があるため、掃気ガスは大流量であることが好ましい。そのため、液滴掃気モード、停止直後凍結防止モードにおけるコンプレッサ31の回転速度は、希釈器掃気モード、乾燥掃気モードにおける回転速度よりも、高く設定される。
また、システム停止後において、電解質膜に含まれる水分は、徐々に、アノード、カソードに浸み出すので、乾燥掃気モードの実行時間は、液滴掃気モードの実行時間よりも長く設定される。さらに、小流量(少ない流量)で掃気ガスを導入することにより、MEA等を速やかに乾燥できるという発明者の知見に基づいて、乾燥掃気モードにおけるコンプレッサ31の回転速度は、液滴掃気モードにおける回転速度よりも低く設定される。
さらに、希釈器掃気モード及び液滴掃気モードは、乾燥掃気モード及び停止直後凍結防止モードよりも優先して実行するように設定されており、停止直後凍結防止モードは、乾燥掃気モードよりも優先して実行するように設定されている(図4、図5参照)。
<ECU−起動可否判定機能、掃気パターン設定機能>
ECU70(起動可否判定手段)は、IG61のOFF時(システム停止時)におけるバッテリ54のSOCと、判定基準となる最低SOC等とに基づいて、その後、システムの起動可否を判定する機能を備えている。
また、ECU70は、IG61のOFF時におけるバッテリ54のSOCと、判定基準となる最低SOC等とに基づいて、その後、いずれのパターンで燃料電池スタック10を掃気するかを設定する機能を備えている。つまり、ECU70(乾燥モード可否判定手段)は、最低SOC等とに基づいて、乾燥掃気モードの実行の可否を判定する機能を備えている。
<停止直後凍結の虞がないケース>
まず、IG61のOFF後、停止直後凍結の虞がない場合の起動可否の判定機能、掃気パターンの設定機能について、図4を参照して説明する。
この場合、ECU70は、IG61のOFF時のSOCと、最低SOC、第1SOC、第2SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定し、掃気パターンA〜Bのいずれで掃気するかを設定するようになっている。
また、最低SOC、第1SOC、第2SOCは、「第1SOC(例えば35%)>第2SOC(例えば30%)>最低SOC(例えば25%)」のように設定される。
最低SOCは、IG61のOFFから次回のシステム起動までに最低必要とされる電力量に基づいて設定されたSOCである。具体的には、最低SOCは、IG61のOFF後、希釈器掃気モードで作動する際に消費される消費電力量(希釈器掃気電力量)と、液滴掃気モードで作動する際に消費される消費電力量(液滴掃気電力量)と、その後にシステムを1回起動するために必要な起動1回分電力量と、に基づいて設定される。
システムを1回起動するために必要な起動1回分電力量とは、IG61がONされた後、アノード流路12を水素に、カソード流路13を空気に置換し、発電可能な所定のOCVを発生させるまでに作動する遮断弁22、パージ弁27、コンプレッサ31等が消費する消費電力量であり、事前試験等により求められる。
第1SOCは、最低SOCよりも高く設定されたSOCであり、IG61のOFF後、希釈器掃気モードでの消費電力量(希釈器掃気電力量)と、液滴掃気モードでの消費電力量(液滴掃気電力量)と、乾燥掃気モードでの消費電力量(乾燥掃気電力量)と、その後にシステムを2回起動するために必要な起動2回分電力量(起動複数回分電力量)と、に基づいて設定される。
第2SOCは、最低SOCよりも高く、かつ、第1SOCよりも低く設定されたSOCであり、希釈器掃気モードでの消費電力量(希釈器掃気電力量)と、液滴掃気モードでの消費電力量(液滴掃気電力量)と、その後にシステムを2回起動するために必要な起動2回分電力量と、に基づいて設定される。
そして、ECU70は、OFF時のSOCが最低SOC未満である場合(SOC<最低SOC)、ECU70はいずれの掃気パターンで掃気することもできず、かつ、システムを起動できないと(掃気・起動不可)と判定するように設定されている。
また、ECU70は、OFF時のSOCが、最低SOC以上であり、かつ、第2SOC未満である場合(最低SOC≦SOC<第2SOC)、希釈器掃気モード、及び、液滴掃気モードを実行し、乾燥掃気モードを実行しない掃気パターンBを選択するように設定されている。この場合、システムを1回のみ起動可能と判定するように設定されている。
さらに、ECU70は、OFF時のSOCが、第2SOC以上であり、かつ、第1SOC未満である場合(第2SOC≦SOC<第1SOC)、希釈器掃気モード、及び、液滴掃気モードを実行し、乾燥掃気モードを実行しない掃気パターンBを選択するように設定されている。この場合、システムを2回起動可能と判定するように設定されている。
さらにまた、ECU70は、OFF時のSOCが、第1SOC以上である場合(第1SOC≦SOC)、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、及び、乾燥掃気モードを実行する掃気パターンAを選択するように設定されている。この場合、システムを2回起動可能と判定するように設定されている。
すなわち、停止直後凍結の虞がないケースにおいて、バッテリ54のSOCを確保する優先度は、「希釈器掃気モード、液滴掃気モード、及び、システム1回起動」、「システム2回起動」、「乾燥掃気モード」の順で設定されている(図4参照)。
<停止直後凍結の虞があるケース>
次に、IG61のOFF後、停止直後凍結の虞がある場合の起動可否の判定機能、掃気パターンの設定機能について、図5を参照して説明する。
なお、この場合、ECU70は、IG61のOFF時のSOCと、最低SOC、第1SOC´、第2SOC´、第3SOC´とに基づいて、システムの起動可否を判定し、掃気パターンC〜Eのいずれで掃気するかを設定するようになっている。
また、最低SOC、第1SOC´、第2SOC´、第3SOC´は、「第1SOC´(例えば40%)>第2SOC´(例えば35%)>第3SOC´(例えば30%)>最低SOC(例えば25%)」のように設定されている。さらに、第1SOC´、第2SOC´は、第1SOC、第2SOCに対して、それぞれ、停止直後凍結防止モードでの消費電力量(SOCで5%)を上乗せして設定されている。
第1SOC´は、最低SOCよりも高く設定されたSOCであり、IG61のOFF後、希釈器掃気モードでの消費電力量(希釈器掃気電力量)と、液滴掃気モードでの消費電力量(液滴掃気電力量)と、乾燥掃気モードでの消費電力量(乾燥掃気電力量)と、停止直後凍結防止モードでの消費電力量(停止直後凍結防止電力量)と、その後にシステムを2回起動するために必要な起動2回分電力量と、に基づいて設定される。
第2SOC´は、最低SOCよりも高く、かつ、第1SOC´よりも低く設定されたSOCであり、希釈器掃気モードでの消費電力量(希釈器掃気電力量)と、液滴掃気モードでの消費電力量(液滴掃気電力量)と、停止直後凍結防止モードでの消費電力量(停止直後凍結防止電力量)と、その後にシステムを2回起動するために必要な起動2回分電力量と、に基づいて設定される。
第3SOC´は、最低SOCよりも高く、かつ、第2SOC´よりも低く設定されたSOCであり、希釈器掃気モードでの消費電力量(希釈器掃気電力量)と、液滴掃気モードでの消費電力量(液滴掃気電力量)と、停止直後凍結防止モードでの消費電力量(停止直後凍結防止電力量)と、その後にシステムを1回起動するために必要な起動1回分電力量と、に基づいて設定される。
そして、ECU70は、OFF時のSOCが最低SOC未満である場合(SOC<最低SOC)、ECU70はいずれの掃気パターンで掃気することもできず、かつ、システムを起動できないと(掃気・起動不可)と判定するように設定されている。
また、ECU70は、OFF時のSOCが、最低SOC以上であり、かつ、第3SOC´未満である場合(最低SOC≦SOC<第3SOC´)、希釈器掃気モード、及び、液滴掃気モードを実行し、乾燥掃気モード、及び、停止直後凍結防止モードを実行しない掃気パターンEを選択するように設定されている。この場合、システムを1回のみ起動可能と判定するように設定されている。
さらに、ECU70は、OFF時のSOCが、第3SOC´以上であり、かつ、第2SOC´未満である場合(第3SOC´≦SOC<第2SOC´)、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、及び、停止直後凍結防止モードを実行し、乾燥掃気モードを実行しない掃気パターンDを選択するように設定されている。この場合、システムを1回のみ起動可能と判定するように設定されている。
さらにまた、ECU70は、OFF時のSOCが、第2SOC´以上であり、かつ、第1SOC´未満である場合(第2SOC´≦SOC<第1SOC´)、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、及び、停止直後凍結防止モードを実行し、乾燥掃気モードを実行しない掃気パターンDを選択するように設定されている。この場合、システムを2回起動可能と判定するように設定されている。
また、ECU70は、OFF時のSOCが、第1SOC´以上である場合(第1SOC´≦SOC)、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モード、及び、停止直後凍結防止モードを実行する掃気パターンCを選択するように設定されている。この場合、システムを2回起動可能と判定するように設定されている。
すなわち、停止直後凍結の虞があるケースにおいて、バッテリ54のSOCを確保する優先度は、「希釈器掃気モード、液滴掃気モード、及び、システム1回起動」、「停止直後凍結防止モード」、「システム2回起動」、「乾燥掃気モード」の順で設定されている(図5参照)。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム1の動作と共に、その運転方法について、図6を主に参照して説明する。
なお、初期状態において、IG61はONされており、燃料電池システム1は作動、つまり、燃料電池スタック10は発電している。また、前回起動時における燃料電池スタック10の温度T1(図3参照)は、ECU70に記憶されている。そして、燃料電池自動車(燃料電池システム1)を停止させるため、運転者によりIG61がOFFされると、図6に示す処理が開始する。
ステップS101において、ECU70は、コンタクタ53をOFFし、燃料電池スタック10の発電を停止する。これと共に、ECU70は、遮断弁22を閉じ、水素タンク21からアノード流路12への水素供給を停止する。
ステップS102において、ECU70は、SOCセンサ55から入力される現在(OFF時)のSOCが、最低SOC以上であるか否か判定する。
現在のSOCが最低SOC以上であると判定した場合(S102・Yes)、ECU70の処理はステップS104に進む。このように進む場合は、少なくとも後記する希釈器掃気モード(S107)及び液滴掃気モード(S111)を実行可能であると共に、燃料電池システム1を少なくとも1回起動可能であると判定される場合である。
一方、現在のSOCが最低SOC以上でないと判定した場合(S102・No)、ECU70の処理はステップS103に進む。
ステップS103において、ECU70は、警告ランプ(図示しない)を点灯させ、現在のSOCが最低SOC以上でないため、燃料電池スタック10を掃気できず、また、燃料電池システム1を再起動できないことを、運転者に報知する。このように報知された場合、運転者は家庭用電源等からバッテリ54に充電し、バッテリ54のSOCを回復させることが好ましい。そして、SOCが回復したと判定された場合、ECU70の処理がステップS104に進むような構成としてもよい。
その他、最低SOC以上でなかったとしても、バッテリ54を電源としてコンプレッサ31を作動させ、停止直後凍結防止モード(S108)、希釈器掃気モード(S105、S106)、液滴掃気モード(S111)、乾燥掃気モード(S113)を適宜に実行する構成としてもよい。このように希釈器掃気モード等を実行すれば、バッテリ54が過放電してしまい、その劣化が進むが、高濃度の水素が排出されることを防止すると共に、燃料電池スタック10の凍結を防止できる。
ステップS104において、ECU70は、IG61のON時の温度T1と、OFF時の温度T1と、図2(a)とに基づいて、停止直後凍結、つまり、この後、直ちに、燃料電池スタック10が凍結する虞があるか否か判定する。
直ちに凍結する虞があると判定した場合(S104・Yes)、ECU70の処理はステップS300に進む。一方、直ちに凍結する虞はないと判定した場合(S104・No)、ECU70の処理はステップS200に進む。
このような判定方法の他、例えば、外気温度センサ(図示しない)から入力される外気温度が、凍結する虞のない所定温度(例えば10℃)以上である場合や、内部クロックから求められる現在の季節(月)が、凍結する虞のある冬(例えば11〜3月)以外である場合、ECU70は、その後直ちに凍結する虞はない、と判定する構成としてもよい。
ステップS200において、ECU70は、燃料電池スタック10が停止直後凍結する虞はない場合における掃気パターンA〜Bを設定する(図4参照)。具体的な設定処理は、後で説明する。その後、ECU70の処理は、ステップS105に進む。
ステップS105において、ECU70は、燃料電池システム1を希釈器掃気モードで作動させる。具体的には、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、カソード流路13等を介して希釈器34内に導入する。これにより、システム停止前(IG61のOFF前)に、パージ弁27が開かれ、希釈器34内にパージされた水素が残留していたとしても、希釈器34内に導入される掃気ガスによって希釈され、高濃度の水素がそのまま車外に排出されることは防止される。また、このように導入される掃気ガスによって、希釈器34内の水分が押し出され、希釈器34が掃気される。
所定時間経過後、ECU70は希釈器掃気モードでの運転を終了させる。そして、ECU70の処理はステップS109に進む。なお、希釈器掃気モードを実行する前記所定時間は、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
ステップS300において、ECU70は、燃料電池スタック10が停止直後凍結する虞がある場合における掃気パターンC〜Eを設定する(図5参照)。具体的な設定処理は、後で説明する。その後、ECU70の処理は、ステップS106に進む。
ステップS106において、ECU70は、ステップS105と同様に、燃料電池システム1を希釈器掃気モードで作動させる。所定時間経過後、ECU70は希釈器掃気モードでの運転を終了させ、ECU70の処理はステップS107に進む。
この他、直後凍結防止モードが選択される場合、この後、直後凍結防止モードで運転されることにより(S108)、希釈器34に掃気ガスが導入され、希釈器34が掃気されるので、希釈器掃気モード(S106)を省略する構成としてもよい。したがって、このように省略する構成とする場合、図5の第1SOC´〜第3SOC´は、希釈器掃気モードでの消費電力量を減じたSOCに設定すればよい。
ステップS107において、ECU70は、停止直後凍結モードが選択されているか否か判定する。ここで、ステップS300に係る掃気パターンの設定処理において、停止直後凍結防止モードを含む掃気パターンC、Dが設定されている場合、停止直後凍結モードが選択されていると判定される。
停止直後凍結モードが選択されていると判定した場合(S107・Yes)、ECU70の処理はステップS108に進む。一方、凍結防止掃気モードが選択されていないと判定した場合(S107・No)、ECU70の処理はステップS109に進む。
ステップS108において、ECU70は、直ちに、燃料電池システム1を停止直後凍結モードで作動させる。具体的には、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開く。そうすると、コンプレッサ31からの掃気ガスが、アノード流路12及びカソード流路13に導入され、アノード流路12及びカソード流路13に残留する水分(水蒸気、結露水等)が押し出される。これにより、燃料電池スタック10の停止直後凍結は防止される。
所定時間経過後、ECU70は停止直後凍結モードでの作動を終了させる。そして、ECU70の処理はステップS109に進む。なお、停止直後凍結モードを実行する前記所定時間は、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
この他、IG61のOFF時における燃料電池スタック10の温度T1に基づいて、直後に凍結する虞の程度を推定し、停止直後凍結モードの実行時間を設定する構成としてもよい。この構成の場合、燃料電池スタック10の温度T1が低くなるほど、実行時間は長くなり、停止直後凍結モードにおける消費電力量が変化することになる。したがって、この構成の場合、設定された実行時間に基づいて、停止直後凍結モードでの消費電力量が算出され、算出された消費電力量に基づいて、第1SOC〜第3SOC´が設定される(図5参照)。これと同様に、OFF時の温度T1に基づいて、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モードでの消費電力量を算出し、第1SOC等を設定してもよい。
ステップS109において、ECU70は、燃料電池スタック10を掃気する必要があるか否か判定する。具体的には、温度センサ35から入力される燃料電池スタック10の温度T1が所定温度T0以下である場合、掃気は必要であると判定され、所定温度T0以下でない場合、掃気は必要でないと判定される。所定温度T0は、燃料電池スタック10の温度T1がこの温度以下に下がると、燃料電池スタック10内が凍結する虞があると判断される温度(例えば0℃)であり、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
そして、燃料電池スタック10を掃気する必要があると判定した場合(S109・Yes)、ECU70の処理はステップS111に進む。一方、燃料電池スタック10を掃気する必要がないと判定した場合(S109・No)、ECU70の処理はステップS110に進む。
ステップS110において、ECU70は、内部クロックを利用して、ステップS109の判定の後、所定時間(例えば30分〜1時間)経過したか否か判定する。
所定時間経過したと判定した場合(S110・Yes)、ECU70の処理はステップS109に進む。一方、所定時間経過していないと判定した場合(S110・No)、ECU70は、ステップS110の判定を繰り返す。
これにより、ステップS109の判定結果がNoであったとしても、所定時間経過毎に(S110・Yes)、ステップS109の判定処理が実行されるので、燃料電池スタック10の凍結を防止できる。
ステップS111において、ECU70は、燃料電池システム1を液滴掃気モードで作動させる。具体的には、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13にそれぞれ導入する。そうすると、導入された掃気ガスが、アノード流路12、カソード流路13に残留する液滴(結露水等)を燃料電池スタック10から押し出し、燃料電池スタック10が掃気される。
所定時間経過後、ECU70は液滴掃気モードでの作動を終了させる。そして、ECU70の処理はステップS112に進む。なお、液滴掃気モードを実行する前記所定時間は、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
ステップS112において、ECU70は、乾燥掃気モードが選択されているか否か判定する。ここで、ステップS200、S300のおける掃気パターンの設定処理において、乾燥掃気モードを含む掃気パターンA、Cが設定されている場合、乾燥掃気モードが選択されていると判定される。
乾燥掃気モードが選択されていると判定した場合(S112・Yes)、ECU70の処理はステップS113に進む。一方、乾燥掃気モードが選択されていないと判定した場合(S112・No)、ECU70の処理はENDに進み、システム停止時の制御処理を終了する。
ステップS113において、ECU70は、燃料電池システム1を乾燥掃気モードで作動させる。具体的には、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13にそれぞれ導入する。そうすると、電解質膜から浸み出し、多孔質体からなるアノード及びカソードに含まれる水分や、アノード及びカソードの表面に薄膜状で付着する水分が、アノード流路12、カソード流路13を通流する掃気ガスに、持ち去られ、アノード及びカソードの乾燥が進む。
所定時間経過後、ECU70は乾燥掃気モードでの作動を終了させる。そして、ECU70の処理はステップENDに進み、システム停止時の制御処理を終了する。なお、乾燥掃気モードを実行する前記所定時間は、事前試験等により求められ、ECU70に予め記憶されている。
<掃気パターン設定処理S200>
次に、ステップS200における掃気パターンの設定処理、つまり、停止直後凍結の虞がない場合における掃気パターンの設定処理の具体的内容について、図7を参照して説明する。
ステップS201において、ECU70は、SOCセンサ55から入力される現在のSOCが、第1SOC以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第1SOC以上である場合(S201・Yes)、乾燥掃気モードを実行可能と判定し、ECU70の処理はステップS202に進む。一方、現在のSOCが第1SOC以上でない場合(S201・No)、乾燥掃気モードを実行不可と判定し、ECU70の処理はステップS203に進む。
ステップS202において、ECU70は、掃気パターンA(図4参照)を設定する。その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS105に進む。
ステップS203において、ECU70は、現在のSOCが第2SOC以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第2SOC以上である場合(S203・Yes)、この後、燃料電池システム1を2回起動可能あると判定し、ECU70の処理はステップS204に進む。一方、現在のSOCが第2SOC以上でない場合(S203・No)、この後、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であると判定し、ECU70の処理はステップS205に進む。
ステップS204において、ECU70は、掃気パターンB(図4参照)を設定する。その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS105に進む。
ステップS205において、ECU70は、掃気パターンB(図4参照)を設定する。
ステップS206において、ECU70は、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であることを運転者に報知するため、起動ランプ(図示しない)を点灯させる。そして、次回起動後において、運転ランプが点灯していることを検知した運転者は、バッテリ54のSOCが低いので、仮にIG61を直ちにOFFした場合、その後、システムを起動できないと認識できる。
その他、IG61がONされ、燃料電池システム1が起動した後、IG61が直ちにOFFされたとしても、バッテリ54の充電が完了するまで、燃料電池スタック10の発電を停止しない構成としてもよい。
その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS105に進む。
<掃気パターン設定処理S300>
次に、ステップS300における掃気パターンの設定処理、つまり、停止直後凍結の虞がある場合における掃気パターンの設定処理の具体的内容について、図8を参照して説明する。
ステップS301において、ECU70は、SOCセンサ55から入力される現在のSOCが、第1SOC´以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第1SOC´以上である場合(S301・Yes)、乾燥掃気モードを実行可能と判定し、ECU70の処理はステップS302に進む。一方、現在のSOCが第1SOC´以上でない場合(S301・No)、乾燥掃気モードを実行不可と判定し、ECU70の処理はステップS303に進む。
ステップS302において、ECU70は、掃気パターンC(図5参照)を設定する。その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS106に進む。
ステップS303において、ECU70は、現在のSOCが第2SOC´以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第2SOC´以上である場合(S303・Yes)、この後、燃料電池システム1を2回起動可能あると判定し、ECU70の処理はステップS304に進む。一方、現在のSOCが第2SOC´以上でない場合(S303・No)、この後、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であると判定し、ECU70の処理はステップS305に進む。
ステップS304において、ECU70は、掃気パターンD(図5参照)を設定する。その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS106に進む。
ステップS305において、ECU70は、現在のSOCが第3SOC´以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第3SOC´以上である場合(S305・Yes)、ECU70の処理はステップS306に進む。一方、現在のSOCが第3SOC´以上でない場合(S305・No)、ECU70の処理はステップS308に進む。
ステップS306において、ECU70は、掃気パターンD(図5参照)を設定する。
ステップS307において、ECU70は、図7のステップS206と同様に、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であることを運転者に報知するため、起動ランプ(図示しない)を点灯させる。
その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS106に進む。
ステップS308において、ECU70は、掃気パターンE(図5参照)を設定する。
その後、ECU70の処理は、ステップS307に進む。
≪燃料電池システムの効果≫
このような燃料電池システム1によれば、次の効果を得る。
IG61OFF時(システム停止時)のSOCが、第1SOC又は第1SOC´未満であっても、OFF時のSOCに対応して、掃気パターンを選択、つまり、掃気モード(希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モード、停止直後凍結防止モード)を選択して実行するので、OFF時のSOCに対応した掃気モードで掃気しつつ、システムが起動不能となることを防止できる。
また、掃気・起動の可否の最低判定基準である最低SOCは、希釈器掃気モード及び液滴掃気モードの消費電力量と、システム1回起動分の起動1回分電力量とに基づいて設定されるので、OFF時のSOCが最低SOC以上である場合、希釈器掃気モードでの作動により、希釈器34内の水素を希釈し、液滴掃気モードでの作動により、燃料電池スタック10内の液滴を除去し、凍結を防止しつつ、システム1回起動分のSOCを確保できる。
さらに、OFF時のSOCに対応して、システムの起動可能回数(1回又は2回)を適切に選択できる。すなわち、SOCが少ない場合、システムの起動可能回数を2回から1回に減らしつつ、燃料電池スタック10の掃気を優先的に実行できる。
さらにまた、IG61のOFF直後、燃料電池スタック10が直ちに凍結する虞がある場合において、SOCが第3SOC´未満であるとき、直後凍結防止モードを実行しないので、システムが起動不可となることを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更することができる。
前記した実施形態では、発電開始時の温度T1と発電停止時の温度T1とに基づいて、停止直後凍結の虞があるか否か判定する構成を例示したが、その他に例えば、発電開始時の温度T1と、発電停止時までの燃料電池スタック10の積算発電量、積算発熱量等とに基づいて、停止直後凍結の虞があるか否か判定する構成でもよい。
前記した実施形態に係る掃気モード(希釈器掃気モード等)に加えて、例えば、発電停止から所定時間(例えば1.5時間)経過した場合、前記した液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで、アノード流路12の水蒸気を掃気しつつ、空気に置換する空気置換掃気モードを備える構成としてもよい。このように空気置換掃気モードを備える場合、空気置換掃気モードを実行する際の消費電力量に基づいて、第1SOC等を設定すればよい。
前記した実施形態では、燃料電池自動車に搭載された燃料電池システム1に、本発明を適用した場合を例示したが、その他に例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された燃料電池システム、家庭用や業務用の据え置き型の燃料電池システムや、給湯システムに組み込まれた燃料電池システムに適用してもよい。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 (a)は、IGのOFF直後、燃料電池スタック10内が凍結するか否か判定する際に参照するマップであり、(b)〜(d)は、(a)を展開したものである。 発電開始時から発電停止時までのIG、コンタクタ、燃料電池スタックの温度T1のタイムチャートである。 停止直後凍結の虞がないケースにおいて、SOCと、システムの起動可否と、掃気のパターンとの関係を示す図である。 停止直後凍結の虞があるケースにおいて、SOCと、システムの起動可否と、掃気のパターンとの関係を示す図である。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 図6の掃気パターン設定処理S200の内容を示すフローチャートである。 図6の掃気パターン設定処理S300の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック(燃料電池)
11 単セル(燃料電池)
28 掃気ガス排出弁(掃気手段)
31 コンプレッサ(掃気手段)
33 背圧弁(掃気手段)
41 掃気ガス導入弁(掃気手段)
54 バッテリ
55 SOCセンサ(SOC検出手段)
70 ECU(掃気手段、起動可否判定手段、乾燥モード可否判定手段)

Claims (7)

  1. 反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の発電電力を蓄えるバッテリと、
    前記バッテリのSOCを検出するSOC検出手段と、
    システム停止直後、直前のシステム開始時における燃料電池温度と、システム停止時における燃料電池温度とに基づいて、前記燃料電池について停止直後凍結の虞があるか否かを判定する停止直後凍結判定手段と、
    システム停止後、システム停止状態における燃料電池温度に基づいて、前記燃料電池について凍結の虞があるか否かを判定する停止後凍結判定手段と、
    前記停止後凍結判定手段が前記燃料電池について凍結の虞があると判定した場合に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する液滴掃気モード前記液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで前記燃料電池内を乾燥する乾燥掃気モード、及び、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合にシステム停止直後に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する停止直後凍結防止モード、を作動モードとして有すると共に、前記バッテリを電源として作動し、システム停止後に前記燃料電池内を掃気する掃気手段と、
    システム停止時における前記バッテリのSOCと、システム停止から次回起動までに最低必要とされる電力量から設定された最低SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定する起動可否判定手段と、
    前記乾燥掃気モードの実行の可否を判定する乾燥モード可否判定手段と、
    を備え、
    システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上であり、前記起動可否判定手段が起動可能であると判定した場合において、
    当該SOCが、前記最低SOCよりも高く、前記掃気手段が前記液滴掃気モード及び前記乾燥掃気モードで作動するために必要な第1SOC以上でないとき、
    前記乾燥モード可否判定手段は前記乾燥掃気モードを実行できないと判定し、
    前記掃気手段は当該乾燥掃気モードで作動せず、
    前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合の前記第1SOCは、停止直後凍結の虞がないと判定した場合の前記第1SOCよりも高い
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記最低SOCは、少なくとも、前記液滴掃気モードで作動する前記掃気手段が消費する液滴掃気電力量と、システムを1回起動するために必要な起動1回分電力量と、に基づいて設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記起動可否判定手段は、
    システム停止時における前記SOCが、システムを複数回にて起動可能な第2SOC以上である場合、複数回にてシステムを起動可能であると判定し、
    システム停止時における前記SOCが、前記最低SOC以上であり前記第2SOC未満である場合、1回のみシステム起動可能であると判定し、
    前記第2SOCは、前記最低SOCよりも高く、かつ、前記第1SOCよりも低く設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記掃気手段は
    システム停止時における前記SOCが、前記最低SOC以上であり、前記停止直後凍結防止モードで作動可能な第3SOC未満である場合、前記停止直後凍結防止モードで作動せず、
    前記第3SOCは、前記最低SOCよりも高く、かつ、前記第2SOCよりも低く設定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. システム停止時における燃料電池温度が低くなるほど、前記停止直後凍結防止モードの実行時間が長いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  6. 反応ガスは、燃料ガスと酸化剤ガスとを含み、
    前記燃料電池から排出された燃料オフガスを酸化剤オフガスで希釈する希釈器を備え、
    前記掃気手段は、
    システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上の場合に、システム停止後に前記希釈器を掃気ガスで掃気する希釈器掃気モードを作動モードとして有し、
    前記停止直後凍結防止モードで作動する場合、前記希釈器掃気モードで作動しないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  7. 反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の発電電力を蓄えるバッテリと、
    前記バッテリのSOCを検出するSOC検出手段と、
    システム停止直後、直前のシステム開始時における燃料電池温度と、システム停止時における燃料電池温度とに基づいて、前記燃料電池について停止直後凍結の虞があるか否かを判定する停止直後凍結判定手段と、
    システム停止後、システム停止状態における燃料電池温度に基づいて、前記燃料電池について凍結の虞があるか否かを判定する停止後凍結判定手段と、
    前記停止後凍結判定手段が前記燃料電池について凍結の虞があると判定した場合に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する液滴掃気モード前記液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで前記燃料電池内を乾燥する乾燥掃気モード、及び、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合にシステム停止直後に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する停止直後凍結防止モード、を作動モードとして有すると共に、前記バッテリを電源として作動し、システム停止後に前記燃料電池内を掃気する掃気手段と、
    システム停止時における前記バッテリのSOCと、システム停止から次回起動までに最低必要とされる電力量から設定された最低SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定する起動可否判定手段と、
    前記乾燥掃気モードの実行の可否を判定する乾燥モード可否判定手段と、
    を備える燃料電池システムの運転方法であって、
    システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上であり、前記起動可否判定手段が起動可能であると判定した場合において、
    当該SOCが、前記最低SOCよりも高く、前記掃気手段が前記液滴掃気モード及び前記乾燥掃気モードで作動するために必要な第1SOC以上でないとき、
    前記乾燥モード可否判定手段は前記乾燥掃気モードを実行できないと判定し、
    前記掃気手段は当該乾燥掃気モードで作動せず、
    前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合の前記第1SOCは、停止直後凍結の虞がないと判定した場合の前記第1SOCよりも高い
    ことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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