JP5314332B2 - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents
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Description
このような燃料電池システムによれば、システム停止のSOCが、最低SOC以上であり、起動可能であると判定されている場合において、このSOCが第1SOC以上でなくても、掃気手段が乾燥掃気モードで作動しないのみである。つまり、システム停止時のSOCが、第1SOC以上でなくても、最低SOC以上であれば、乾燥掃気モードの実行を省略するので、掃気及び起動が不可となりにくくなる。
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、掃気時に掃気ガスをアノード系に導入する掃気ガス導入系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費する電力消費系と、IG61と、これらを電子制御するECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セル11が積層されることで構成されたスタックであり、複数の単セル11は電気的に直列で接続されている。単セル11は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータ及びカソードセパレータと、を備えている。
カソードセパレータには、各MEAのカソードに対して空気を給排するため単セル11の積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セル11の面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔及び溝がカソード流路13(酸化剤ガス流路)として機能している。
2H2→4H++4e− …(1)
O2+4H++4e−→2H2O …(2)
アノード系は、水素が高圧で封入された水素タンク21(燃料ガス源)と、常閉型の遮断弁22と、エゼクタ26と、常閉型のパージ弁27(燃料ガス排出弁)と、掃気ガス排出弁28とを備えている。
なお、配管26bには気液分離器(図示しない)が設けられており、この気液分離器によって、循環する水素に同伴する水分が分離されるようになっている。
なお、ECU70は、例えば、複数の単セル11の電圧を検出するセル電圧モニタ(図示しない)から入力される最低セル電圧が所定セル電圧以下の場合、不純物を排出する必要があると判定し、パージ弁27を開く設定となっている。
なお、燃料電池システム1の停止中において、燃料電池スタックの温度T1が所定温度T0(例えば0℃)以下である場合、燃料電池スタック10を掃気する必要があると判定される。
カソード系は、コンプレッサ31と、背圧弁33と、希釈器34と、温度センサ35(温度検出手段)とを備えている。
コンプレッサ31は、配管31aを介してカソード流路13の入口に接続されており、ECU70(コンプレッサ制御手段)からの指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込み、これをカソード流路13に供給するようになっている。また、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10を掃気する場合に作動し、掃気ガスを供給する掃気ガス供給手段として機能するようになっている。
背圧弁33は、バタフライ弁等から構成された常開型の弁であり、その開度はECU70によって制御される。
掃気ガス導入系は、アノード流路12の掃気時に、コンプレッサ31からの掃気ガスをアノード系に導く系であり、掃気時にECU70により開かれる常閉型の掃気ガス導入弁41を備えている。そして、掃気ガス導入弁41の上流側は、配管41aを介して、配管31aに接続されており、掃気ガス導入弁41の下流側は、配管41bを介して配管22aに接続されている。
電力消費系は、走行モータ51と、VCU52(Voltage Control Unit、電流制御手段)と、コンタクタ53と、バッテリ54と、SOCセンサ55(SOC検出手段)とを備えている。走行モータ51は、VCU52、コンタクタ53を介して、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続されており、バッテリ54はVCU52に接続されている。なお、走行モータ51とVCU52との間に配置されているインバータ(PDU:Power Drive Unit)は省略している。
VCU52は、ECU70から送られる指令電流に従って、燃料電池スタック10の発電電力(出力電流、出力電圧)を制御(制限)すると共に、バッテリ54の充放電を制御する機器であり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータ等の電子回路を備えている。つまり、コンタクタ53がONされた状態において、VCU52が適宜に制御され、燃料電池スタック10から電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
コンタクタ53は、ECU70の指令に従って、燃料電池スタック10とVCU52との電気的接続をON/OFFするスイッチである。
その他、SOCセンサ55が、電圧及び電流をECU70に出力し、ECU70がSOCを算出する構成でもよい。
IG61は、燃料電池自動車及び燃料電池システム1の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。そして、IG61は、そのON信号(システムの起動要求)、OFF信号(システムの停止要求)を、ECU70に出力するようになっている。
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されている。そして、ECU70は、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を適宜に制御するようになっている。
ECU70は、IG61のOFF後、燃料電池スタック10内が直ちに凍結(これを停止直後凍結とする)する虞があるか否か判定する機能を備えている。
具体的には、ECU70は、直前の発電開始時(IG61、コンタクタ53のON時、図3参照)における燃料電池スタック10の温度T1と、判定時である発電停止時(IG61、コンタクタ53のOFF時、図3参照)における燃料電池スタック10の温度T1と、図2(a)のマップとに基づいて、図2(a)の「停止直後凍結の虞あり」の領域にある場合、停止直後凍結の虞があると判定し、「停止直後凍結の虞なし」の領域にある場合、停止直後凍結の虞がないと判定するように設定されている。なお、境界線上は、停止直後凍結の虞がないと判定するように設定されている。
図2(b)の「停止直後凍結の虞なし」の領域は、発電開始時に着目したものであり、発電開始時の温度T1が、所定温度T2以上ならば、発電停止時の温度T1に関わらず、停止直後凍結の虞はないことを示している。このような所定温度T2は、例えば0〜5℃に設定される。
次に、図2(d)の「停止直後凍結の虞なし」の領域は、発電開始時の温度T1が所定温度T2よりも低く、発電停止時の温度T1が所定温度T3よりも低くても、停止までの発電に伴う自己発熱により、停止時において燃料電池スタック10内に氷は存在せず、その後、直ちに、燃料電池スタック10が凍結することはないと判断される領域に設定される。
ECU70は、IG61のOFF後(発電停止後)において、燃料電池システム1を、希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モード、又は、停止直後凍結防止モードで作動させる機能を備えている。すなわち、前記各モードで作動し、燃料電池スタック10を掃気する掃気手段は、本実施形態では、掃気ガス排出弁28と、掃気ガス導入弁41と、コンプレッサ31と、背圧弁33と、これらを制御するECU70とを備えて構成されている。
具体的には、希釈器掃気モードで作動する場合、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、希釈器34に導入するように設定されている。
具体的には、液滴掃気モードで作動する場合、ECU70は、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13に導入するように設定されている。
ただし、アノード流路12及びカソード流路13を同時に並行して掃気する構成に限定されず、例えば、(1)掃気ガス導入弁41及び掃気ガス排出弁28を開き、背圧弁33を閉じた状態で、アノード流路12を掃気(アノード掃気)した後、(2)掃気ガス導入弁41及び掃気ガス排出弁28を閉じ、背圧弁33を開いた状態で、カソード流路13を掃気(カソード掃気)するように、アノード流路12とカソード流路13とを別々に掃気する構成でもよい。
具体的には、乾燥掃気モードで作動する場合、ECU70は、液滴掃気モードと同様に、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13に導入するように設定されている。
ただし、アノード流路12とカソード流路13とを別々に掃気する構成でもよい。
具体的には、直後凍結防止モードで作動する場合、ECU70は、液滴掃気モード、乾燥掃気モードと同様に、コンプレッサ31を作動させると共に、掃気ガス導入弁41、掃気ガス排出弁28及び背圧弁33を開き、コンプレッサ31からの掃気ガスを、アノード流路12及びカソード流路13に導入するように設定されている。
ただし、アノード流路12とカソード流路13とを別々に掃気する構成でもよい。
また、システム停止後において、電解質膜に含まれる水分は、徐々に、アノード、カソードに浸み出すので、乾燥掃気モードの実行時間は、液滴掃気モードの実行時間よりも長く設定される。さらに、小流量(少ない流量)で掃気ガスを導入することにより、MEA等を速やかに乾燥できるという発明者の知見に基づいて、乾燥掃気モードにおけるコンプレッサ31の回転速度は、液滴掃気モードにおける回転速度よりも低く設定される。
ECU70(起動可否判定手段)は、IG61のOFF時(システム停止時)におけるバッテリ54のSOCと、判定基準となる最低SOC等とに基づいて、その後、システムの起動可否を判定する機能を備えている。
また、ECU70は、IG61のOFF時におけるバッテリ54のSOCと、判定基準となる最低SOC等とに基づいて、その後、いずれのパターンで燃料電池スタック10を掃気するかを設定する機能を備えている。つまり、ECU70(乾燥モード可否判定手段)は、最低SOC等とに基づいて、乾燥掃気モードの実行の可否を判定する機能を備えている。
まず、IG61のOFF後、停止直後凍結の虞がない場合の起動可否の判定機能、掃気パターンの設定機能について、図4を参照して説明する。
この場合、ECU70は、IG61のOFF時のSOCと、最低SOC、第1SOC、第2SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定し、掃気パターンA〜Bのいずれで掃気するかを設定するようになっている。
また、最低SOC、第1SOC、第2SOCは、「第1SOC(例えば35%)>第2SOC(例えば30%)>最低SOC(例えば25%)」のように設定される。
システムを1回起動するために必要な起動1回分電力量とは、IG61がONされた後、アノード流路12を水素に、カソード流路13を空気に置換し、発電可能な所定のOCVを発生させるまでに作動する遮断弁22、パージ弁27、コンプレッサ31等が消費する消費電力量であり、事前試験等により求められる。
次に、IG61のOFF後、停止直後凍結の虞がある場合の起動可否の判定機能、掃気パターンの設定機能について、図5を参照して説明する。
なお、この場合、ECU70は、IG61のOFF時のSOCと、最低SOC、第1SOC´、第2SOC´、第3SOC´とに基づいて、システムの起動可否を判定し、掃気パターンC〜Eのいずれで掃気するかを設定するようになっている。
また、最低SOC、第1SOC´、第2SOC´、第3SOC´は、「第1SOC´(例えば40%)>第2SOC´(例えば35%)>第3SOC´(例えば30%)>最低SOC(例えば25%)」のように設定されている。さらに、第1SOC´、第2SOC´は、第1SOC、第2SOCに対して、それぞれ、停止直後凍結防止モードでの消費電力量(SOCで5%)を上乗せして設定されている。
次に、燃料電池システム1の動作と共に、その運転方法について、図6を主に参照して説明する。
なお、初期状態において、IG61はONされており、燃料電池システム1は作動、つまり、燃料電池スタック10は発電している。また、前回起動時における燃料電池スタック10の温度T1(図3参照)は、ECU70に記憶されている。そして、燃料電池自動車(燃料電池システム1)を停止させるため、運転者によりIG61がOFFされると、図6に示す処理が開始する。
現在のSOCが最低SOC以上であると判定した場合(S102・Yes)、ECU70の処理はステップS104に進む。このように進む場合は、少なくとも後記する希釈器掃気モード(S107)及び液滴掃気モード(S111)を実行可能であると共に、燃料電池システム1を少なくとも1回起動可能であると判定される場合である。
一方、現在のSOCが最低SOC以上でないと判定した場合(S102・No)、ECU70の処理はステップS103に進む。
直ちに凍結する虞があると判定した場合(S104・Yes)、ECU70の処理はステップS300に進む。一方、直ちに凍結する虞はないと判定した場合(S104・No)、ECU70の処理はステップS200に進む。
このような判定方法の他、例えば、外気温度センサ(図示しない)から入力される外気温度が、凍結する虞のない所定温度(例えば10℃)以上である場合や、内部クロックから求められる現在の季節(月)が、凍結する虞のある冬(例えば11〜3月)以外である場合、ECU70は、その後直ちに凍結する虞はない、と判定する構成としてもよい。
この他、直後凍結防止モードが選択される場合、この後、直後凍結防止モードで運転されることにより(S108)、希釈器34に掃気ガスが導入され、希釈器34が掃気されるので、希釈器掃気モード(S106)を省略する構成としてもよい。したがって、このように省略する構成とする場合、図5の第1SOC´〜第3SOC´は、希釈器掃気モードでの消費電力量を減じたSOCに設定すればよい。
停止直後凍結モードが選択されていると判定した場合(S107・Yes)、ECU70の処理はステップS108に進む。一方、凍結防止掃気モードが選択されていないと判定した場合(S107・No)、ECU70の処理はステップS109に進む。
所定時間経過したと判定した場合(S110・Yes)、ECU70の処理はステップS109に進む。一方、所定時間経過していないと判定した場合(S110・No)、ECU70は、ステップS110の判定を繰り返す。
これにより、ステップS109の判定結果がNoであったとしても、所定時間経過毎に(S110・Yes)、ステップS109の判定処理が実行されるので、燃料電池スタック10の凍結を防止できる。
乾燥掃気モードが選択されていると判定した場合(S112・Yes)、ECU70の処理はステップS113に進む。一方、乾燥掃気モードが選択されていないと判定した場合(S112・No)、ECU70の処理はENDに進み、システム停止時の制御処理を終了する。
次に、ステップS200における掃気パターンの設定処理、つまり、停止直後凍結の虞がない場合における掃気パターンの設定処理の具体的内容について、図7を参照して説明する。
ステップS201において、ECU70は、SOCセンサ55から入力される現在のSOCが、第1SOC以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第1SOC以上である場合(S201・Yes)、乾燥掃気モードを実行可能と判定し、ECU70の処理はステップS202に進む。一方、現在のSOCが第1SOC以上でない場合(S201・No)、乾燥掃気モードを実行不可と判定し、ECU70の処理はステップS203に進む。
現在のSOCが第2SOC以上である場合(S203・Yes)、この後、燃料電池システム1を2回起動可能あると判定し、ECU70の処理はステップS204に進む。一方、現在のSOCが第2SOC以上でない場合(S203・No)、この後、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であると判定し、ECU70の処理はステップS205に進む。
ステップS206において、ECU70は、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であることを運転者に報知するため、起動ランプ(図示しない)を点灯させる。そして、次回起動後において、運転ランプが点灯していることを検知した運転者は、バッテリ54のSOCが低いので、仮にIG61を直ちにOFFした場合、その後、システムを起動できないと認識できる。
その他、IG61がONされ、燃料電池システム1が起動した後、IG61が直ちにOFFされたとしても、バッテリ54の充電が完了するまで、燃料電池スタック10の発電を停止しない構成としてもよい。
その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS105に進む。
次に、ステップS300における掃気パターンの設定処理、つまり、停止直後凍結の虞がある場合における掃気パターンの設定処理の具体的内容について、図8を参照して説明する。
ステップS301において、ECU70は、SOCセンサ55から入力される現在のSOCが、第1SOC´以上であるか否か判定する。
現在のSOCが第1SOC´以上である場合(S301・Yes)、乾燥掃気モードを実行可能と判定し、ECU70の処理はステップS302に進む。一方、現在のSOCが第1SOC´以上でない場合(S301・No)、乾燥掃気モードを実行不可と判定し、ECU70の処理はステップS303に進む。
現在のSOCが第2SOC´以上である場合(S303・Yes)、この後、燃料電池システム1を2回起動可能あると判定し、ECU70の処理はステップS304に進む。一方、現在のSOCが第2SOC´以上でない場合(S303・No)、この後、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であると判定し、ECU70の処理はステップS305に進む。
現在のSOCが第3SOC´以上である場合(S305・Yes)、ECU70の処理はステップS306に進む。一方、現在のSOCが第3SOC´以上でない場合(S305・No)、ECU70の処理はステップS308に進む。
ステップS307において、ECU70は、図7のステップS206と同様に、燃料電池システム1を1回のみ起動可能であることを運転者に報知するため、起動ランプ(図示しない)を点灯させる。
その後、ECU70の処理は、ENDを経由して、図6のステップS106に進む。
その後、ECU70の処理は、ステップS307に進む。
このような燃料電池システム1によれば、次の効果を得る。
IG61OFF時(システム停止時)のSOCが、第1SOC又は第1SOC´未満であっても、OFF時のSOCに対応して、掃気パターンを選択、つまり、掃気モード(希釈器掃気モード、液滴掃気モード、乾燥掃気モード、停止直後凍結防止モード)を選択して実行するので、OFF時のSOCに対応した掃気モードで掃気しつつ、システムが起動不能となることを防止できる。
10 燃料電池スタック(燃料電池)
11 単セル(燃料電池)
28 掃気ガス排出弁(掃気手段)
31 コンプレッサ(掃気手段)
33 背圧弁(掃気手段)
41 掃気ガス導入弁(掃気手段)
54 バッテリ
55 SOCセンサ(SOC検出手段)
70 ECU(掃気手段、起動可否判定手段、乾燥モード可否判定手段)
Claims (7)
- 反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
前記燃料電池の発電電力を蓄えるバッテリと、
前記バッテリのSOCを検出するSOC検出手段と、
システム停止直後、直前のシステム開始時における燃料電池温度と、システム停止時における燃料電池温度とに基づいて、前記燃料電池について停止直後凍結の虞があるか否かを判定する停止直後凍結判定手段と、
システム停止後、システム停止状態における燃料電池温度に基づいて、前記燃料電池について凍結の虞があるか否かを判定する停止後凍結判定手段と、
前記停止後凍結判定手段が前記燃料電池について凍結の虞があると判定した場合に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する液滴掃気モード、前記液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで前記燃料電池内を乾燥する乾燥掃気モード、及び、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合にシステム停止直後に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する停止直後凍結防止モード、を作動モードとして有すると共に、前記バッテリを電源として作動し、システム停止後に前記燃料電池内を掃気する掃気手段と、
システム停止時における前記バッテリのSOCと、システム停止から次回起動までに最低必要とされる電力量から設定された最低SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定する起動可否判定手段と、
前記乾燥掃気モードの実行の可否を判定する乾燥モード可否判定手段と、
を備え、
システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上であり、前記起動可否判定手段が起動可能であると判定した場合において、
当該SOCが、前記最低SOCよりも高く、前記掃気手段が前記液滴掃気モード及び前記乾燥掃気モードで作動するために必要な第1SOC以上でないとき、
前記乾燥モード可否判定手段は前記乾燥掃気モードを実行できないと判定し、
前記掃気手段は当該乾燥掃気モードで作動せず、
前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合の前記第1SOCは、停止直後凍結の虞がないと判定した場合の前記第1SOCよりも高い
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記最低SOCは、少なくとも、前記液滴掃気モードで作動する前記掃気手段が消費する液滴掃気電力量と、システムを1回起動するために必要な起動1回分電力量と、に基づいて設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記起動可否判定手段は、
システム停止時における前記SOCが、システムを複数回にて起動可能な第2SOC以上である場合、複数回にてシステムを起動可能であると判定し、
システム停止時における前記SOCが、前記最低SOC以上であり前記第2SOC未満である場合、1回のみシステム起動可能であると判定し、
前記第2SOCは、前記最低SOCよりも高く、かつ、前記第1SOCよりも低く設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記掃気手段は、
システム停止時における前記SOCが、前記最低SOC以上であり、前記停止直後凍結防止モードで作動可能な第3SOC未満である場合、前記停止直後凍結防止モードで作動せず、
前記第3SOCは、前記最低SOCよりも高く、かつ、前記第2SOCよりも低く設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。 - システム停止時における燃料電池温度が低くなるほど、前記停止直後凍結防止モードの実行時間が長いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 反応ガスは、燃料ガスと酸化剤ガスとを含み、
前記燃料電池から排出された燃料オフガスを酸化剤オフガスで希釈する希釈器を備え、
前記掃気手段は、
システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上の場合に、システム停止後に前記希釈器を掃気ガスで掃気する希釈器掃気モードを作動モードとして有し、
前記停止直後凍結防止モードで作動する場合、前記希釈器掃気モードで作動しないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
前記燃料電池の発電電力を蓄えるバッテリと、
前記バッテリのSOCを検出するSOC検出手段と、
システム停止直後、直前のシステム開始時における燃料電池温度と、システム停止時における燃料電池温度とに基づいて、前記燃料電池について停止直後凍結の虞があるか否かを判定する停止直後凍結判定手段と、
システム停止後、システム停止状態における燃料電池温度に基づいて、前記燃料電池について凍結の虞があるか否かを判定する停止後凍結判定手段と、
前記停止後凍結判定手段が前記燃料電池について凍結の虞があると判定した場合に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する液滴掃気モード、前記液滴掃気モードよりも少ない流量の掃気ガスで前記燃料電池内を乾燥する乾燥掃気モード、及び、前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合にシステム停止直後に掃気ガスで前記燃料電池内の液滴を除去する停止直後凍結防止モード、を作動モードとして有すると共に、前記バッテリを電源として作動し、システム停止後に前記燃料電池内を掃気する掃気手段と、
システム停止時における前記バッテリのSOCと、システム停止から次回起動までに最低必要とされる電力量から設定された最低SOCとに基づいて、システムの起動可否を判定する起動可否判定手段と、
前記乾燥掃気モードの実行の可否を判定する乾燥モード可否判定手段と、
を備える燃料電池システムの運転方法であって、
システム停止時における前記SOCが前記最低SOC以上であり、前記起動可否判定手段が起動可能であると判定した場合において、
当該SOCが、前記最低SOCよりも高く、前記掃気手段が前記液滴掃気モード及び前記乾燥掃気モードで作動するために必要な第1SOC以上でないとき、
前記乾燥モード可否判定手段は前記乾燥掃気モードを実行できないと判定し、
前記掃気手段は当該乾燥掃気モードで作動せず、
前記停止直後凍結判定手段が前記燃料電池について停止直後凍結の虞があると判定した場合の前記第1SOCは、停止直後凍結の虞がないと判定した場合の前記第1SOCよりも高い
ことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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