JP2007146033A - 光学透明材料、これを含有してなる複合材料、その成形品及び光学部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学透明性、耐熱性に優れ、更に低吸水性と金属密着性にも優れるノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料、これからなる成形品及び光学部品を提供する。
【解決手段】 ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料。ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体又はその架橋体からなる光学透明材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料。ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体又はその架橋体からなる光学透明材料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光学透明性、耐熱性、寸法安定性及び密着性に優れる、ノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料に関する。更に詳しくは、光学透明性、耐熱性、寸法安定性及び密着性に優れる、ノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料、これを含有してなる複合材料、これからなる成形品及び光学部品に関する。
レンズ等の光学部品、液晶表示素子、カラーフィルターやEL表示素子基板等のディスプレイ基板、バックライト、導光板等の光学材料の分野では、従来、無機ガラスが一般的に用いられている。しかし、無機ガラスには、割れやすい、柔軟性に欠ける、比重が大きい、加工性が悪い等の欠点があり、近年の軽量化、小型・高密度化の要求に応えるには不充分であり、従って、透明樹脂による代替が強く求められている。
透明樹脂を光学材料の用途に用いるにあたっては、透明性以外にも耐熱性、耐薬品性、低吸水性、他材料との密着性等の面において非常に高い性能が求められる。例えば、樹脂を液晶表示素子用基板の材料として用いる場合、金属又は金属酸化物薄膜を積層させる工程における高温加工時に熱変形がないこと、着色による透明性の低下がないこと、及び金属等と密着することが要求される。更に、吸水による寸法変動がないことも重要である。
透明樹脂を光学材料の用途に用いるにあたっては、透明性以外にも耐熱性、耐薬品性、低吸水性、他材料との密着性等の面において非常に高い性能が求められる。例えば、樹脂を液晶表示素子用基板の材料として用いる場合、金属又は金属酸化物薄膜を積層させる工程における高温加工時に熱変形がないこと、着色による透明性の低下がないこと、及び金属等と密着することが要求される。更に、吸水による寸法変動がないことも重要である。
これらの要求に対して、ノルボルネン化合物付加重合体は、ガラス転移温度(Tg)が、250℃以上と高く、高温加工時の耐熱変形性に優れた材料であるので、この重合体を液晶表示基板材料等の光学材料として使用することが提案されている(特許文献1)。しかしながら、ノルボルネン化合物付加重合体は、一般溶剤に対する溶解性が低く、また、金属密着性にも劣るという課題があった。
そこで、溶剤溶解性及び金属密着性を改善する方策として、特許文献2には、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基等の極性基を有するノルボルネン化合物付加共重合体が報告されている。また、特許文献3には、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、酸無水物基、シリル基等の極性基を有するノルボルネン化合物付加共重合体が報告されている。更に、特許文献4には、シリル基を有するノルボルネン化合物付加共重合体架橋物を含む光学透明材料が報告されている。しかしながら、これらの極性基含有ノルボルネン化合物付加重合体は、金属に対する密着性が向上しているものの、同時に吸水率が増加しているので吸水による寸法変形が大きいという問題を有している。
そこで、溶剤溶解性及び金属密着性を改善する方策として、特許文献2には、水酸基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基等の極性基を有するノルボルネン化合物付加共重合体が報告されている。また、特許文献3には、エステル基、シアノ基、アミド基、イミド基、酸無水物基、シリル基等の極性基を有するノルボルネン化合物付加共重合体が報告されている。更に、特許文献4には、シリル基を有するノルボルネン化合物付加共重合体架橋物を含む光学透明材料が報告されている。しかしながら、これらの極性基含有ノルボルネン化合物付加重合体は、金属に対する密着性が向上しているものの、同時に吸水率が増加しているので吸水による寸法変形が大きいという問題を有している。
従って、優れた光学透明性と高い耐熱性を維持しつつ、低吸水性及び金属密着性にも優れる光学透明材料の開発が強く望まれていた。
従って、本発明の目的は、光学透明性及び耐熱性に優れ、更に低吸水性と金属密着性にも優れるノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料、これを含有してなる複合体、これらからなる成形品及び光学部品を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、特定のオレフィン性炭素−炭素二重結合を特定の箇所に有するノルボルネン化合物付加重合体は、低吸水性かつ溶剤に対する溶解性に優れており、驚くべきことに、極性基を持たないにも拘わらず高い金属密着性を示すことを見出した。更に、このノルボルネン化合物付加重合体のエポキシ変性物及びその架橋物は、低吸水性と金属密着性のバランスに優れ、しかも光学透明性及び耐熱性にも優れていることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であって、一般式(1)で表されるノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料が提供される。
一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R1〜R4は、任意の組合せで互いに結合して単環又は縮合環を形成していてもよく、また、R1とR2とが又はR3とR4とが共同して、アルキリデン基を形成していても構わない。但し、アルキリデン基が形成されていないときは、R1〜R4のうち少なくとも一つがオレフィン性炭素−炭素二重結合を含有しているか又はR1〜R4が任意の組合せで結合して形成された単環又は縮合環のうち少なくとも一つがオレフィン性炭素−炭素二重結合を含有していることが必要である。mは0〜2の整数である。
本発明によれば、また、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料が提供される。
本発明によれば、更に、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体からなる光学透明材料が提供される。
本発明によれば、更に、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体からなる光学透明材料が提供される。
本発明によれば、上記の光学透明材料を含有してなる複合体が提供される。
更に本発明によれば、上記光学材料又は複合体からなる成形品が提供される。
本発明の成形品は、フィルム又はシートの形状であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記成形品からなる光学部品が提供される。
上記光学部品は、フィルム又はシートと透明導電膜との積層体であってもよい。
上記光学部品は、表示素子用基板及び光学素子封止材として好適である。
更に本発明によれば、上記光学材料又は複合体からなる成形品が提供される。
本発明の成形品は、フィルム又はシートの形状であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記成形品からなる光学部品が提供される。
上記光学部品は、フィルム又はシートと透明導電膜との積層体であってもよい。
上記光学部品は、表示素子用基板及び光学素子封止材として好適である。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料は、光学透明性、耐熱性、低吸水性及び金属密着性に優れるので、光学レンズ等の光学部品、光学フィルム、光ファイバー、光伝送用導波路、光回路基板、液晶素子表示用基板、カラーフィルター用基板、EL素子表示用基板等のディスプレイ基板、LED封止等の光学素子封止材等の光学成形品に広く使用できる。
〔ノルボルネン化合物付加重合体〕
本発明の光学透明材料は、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であって、一般式(1)で表されるノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる。
ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体とは、ノルボルネン化合物のみを付加重合して得られる重合体及びこれと同等の構造を有する重合体をいう。
本発明の光学透明材料は、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であって、一般式(1)で表されるノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる。
ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体とは、ノルボルネン化合物のみを付加重合して得られる重合体及びこれと同等の構造を有する重合体をいう。
また、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)とは、ノルボルネン化合物を付加重合して得られる繰返し単位であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する繰返し単位及びこれと同等の構造を有するものをいい、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物を付加重合して得られるもののほか、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有しないノルボルネン化合物を付加重合した後、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を形成して得られるものをも含む。
ここで、「ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する」とは、一般式(2)で示されるノルボルナン炭素骨格構造部分以外の部分、即ち、この炭素骨格構造を形成する炭素原子上の置換基中に若しくはこの炭素骨格構造を形成する炭素原子上の置換基として、又はこれらの置換基が互いに結合して形成した環中に、オレフィン性炭素−炭素二重結合を有することをいう。
ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)(以下、単に「繰返し単位(a)」ということがある。)は、一般式(1)で示される。
一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R1〜R4は、任意の組合せで互いに結合して単環又は縮合環を形成していてもよく、また、R1とR2とが又はR3とR4とが共同して、アルキリデン基を形成していても構わない。但し、アルキリデン基が形成されていないときは、R1〜R4のうち少なくとも一つがオレフィン性炭素−炭素二重結合を含有しているか又はR1〜R4が任意の組合せで結合して形成された単環又は縮合環のうち少なくとも一つがオレフィン性炭素−炭素二重結合を含有していることが必要である。mは0〜2の整数である。
ここで、オレフィン性炭素−炭素二重結合とは、芳香族性二重結合以外の二重結合である。
なお、オレフィン性炭素−炭素二重結合がR1〜R4に含有されているときは、R1〜R4の末端にあってもよく、内部にあってもよい。
また、一つの炭化水素基中のオレフィン性炭素−炭素二重結合の数は、複数であってもよい。
なお、オレフィン性炭素−炭素二重結合がR1〜R4に含有されているときは、R1〜R4の末端にあってもよく、内部にあってもよい。
また、一つの炭化水素基中のオレフィン性炭素−炭素二重結合の数は、複数であってもよい。
末端にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する炭化水素基の例としては、ビニル基、2−プロペニル基、i−プロペニル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基等を挙げることができる。
内部にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する炭化水素基の例としては、1−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
更に、R1〜R4が任意の組合せで互いに結合して形成する環の例としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環等の不飽和の単環;シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の飽和の単環;ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環;等を挙げることができる。
内部にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する炭化水素基の例としては、1−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
更に、R1〜R4が任意の組合せで互いに結合して形成する環の例としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環等の不飽和の単環;シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の飽和の単環;ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環;等を挙げることができる。
また、R1とR2とが又はR3とR4とが共同して形成するアルキリデン基の例としては、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基等を挙げることができる。
また、炭素数1〜20の炭化水素基の上記以外のものの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族基;等を挙げることができる。
また、炭素数1〜20の炭化水素基の上記以外のものの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族基;等を挙げることができる。
上記一般式(1)で表される繰返し単位(a)は、一般式(3)で示される、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物(A)をビニル付加重合することにより形成される。
一般式(3)中、R1〜R4及びmは、一般式(1)と同様である。
一般式(3)で示されるノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物(A)において、m=0であるものの具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン等の、R1〜R4の何れか一つがオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン等の、R1〜R4が任意の組合せで互いに結合して形成された環内にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の、R1とR2又はR3とR4が共同して形成するアルキリデン基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;を挙げることができる。
また、一般式(3)で示されるノルボルネン環以外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物(A)において、m=1であるものの具体例としては、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−(2−プロペニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の、R1〜R4の何れか一つがオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン単量体;9−メチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の、R1とR2又はR3とR4が共同して形成するアルキリデン基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン単量体;等を挙げることができる。
本発明で使用するノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体は、前記繰返し単位(a)以外の、一般式(4)で表されるノルボルネン化合物由来の繰返し単位(b)(以下、単に「繰返し単位(b)」ということがある。)を有するものであってもよい。
このとき、ノルボルネン化合物付加重合体における繰返し単位(a)/繰返し単位(b)の比率は、モル比で、100/0〜5/95であることが好ましく、100/0〜10/90であることがより好ましく、100/0〜20/80であることが特に好ましい。
繰返し単位(a)/繰返し単位(b)の比率がこの範囲にあるとき、得られるノルボルネン化合物付加重合体の低吸水性、金属密着性及び溶剤溶解性のバランスがよいので、光学透明材料として好適に使用することができる。
このとき、ノルボルネン化合物付加重合体における繰返し単位(a)/繰返し単位(b)の比率は、モル比で、100/0〜5/95であることが好ましく、100/0〜10/90であることがより好ましく、100/0〜20/80であることが特に好ましい。
繰返し単位(a)/繰返し単位(b)の比率がこの範囲にあるとき、得られるノルボルネン化合物付加重合体の低吸水性、金属密着性及び溶剤溶解性のバランスがよいので、光学透明材料として好適に使用することができる。
一般式(4)中、R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、周期律表第14〜16族原子を有する極性基、又はハロゲン原子もしくは周期律表第14〜16族原子を有する極性基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、オレフィン性炭素−炭素二重結合を含有しない。R5〜R8は、任意の組合せで互いに結合して単環又は縮合環を形成していても構わないが、このとき、形成された環はオレフィン性炭素−炭素二重結合を含有しない。nは、0〜2の整数である。なかでも、R5〜R8が極性基を有しない炭素数1〜20の炭化水素基であると、得られるノルボルネン化合物付加重合体が低吸水性に優れるので好ましい。
一般式(4)で表される繰返し単位(b)は、一般式(5)で示される、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有しないノルボルネン化合物(B)をビニル付加重合することにより形成される。
一般式(5)中、R5〜R8及びnは、一般式(4)と同様である。
一般式(5)で表されるノルボルネン化合物の具体例としては、2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン)等のアルキル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンともいう)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンともいう)等の芳香環を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物等のヒドロキシカルボニル基又は酸無水物基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−ヒドロキシ−2−ノルボルネン、5−ヒドロキシメチル−2−ノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)−2−ノルボルネン、5−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−2−ノルボルネン、5−メチル−5−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)−2−ノルボルネン等のヒドロキシル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル等のアルコキシカルボニル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−ノルボルネン−2−カルバルデヒド等のヒドロカルボニル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;3−メトキシカルボニル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸等のアルコキシルカルボニル基とヒドロキシカルボニル基とを有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;酢酸5−ノルボルネン−2−イル、酢酸2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イル等のカルボニルオキシ基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;
5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルボキサミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む官能基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−クロロ−2−ノルボルネン等のハロゲン原子を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン等のケイ素原子を含む官能基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン;9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等のアルキル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の芳香環を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル等のアルコキシカルボニル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン単量体;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物等のヒドロキシカルボニル基又は酸無水物基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン単量体;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−メタノール、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−オール等のヒドロキシル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン単量体;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルバルデヒド等のヒドロカルボニル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン単量体;酢酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル、酢酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル、アクリル酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル、メタクリル酸9−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エニル等のカルボニルオキシ基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン単量体;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボニトリル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボキサミド、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸イミド等の窒素原子を含む官能基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン単量体;9−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等のハロゲン原子を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン単量体;4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等のケイ素原子を含む官能基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン単量体;等を挙げることができる。
これらのノルボルネン化合物(B)の中でも、アルキル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体、芳香環を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体、アルキル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類、芳香環を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類を用いると、得られるノルボルネン化合物付加重合体が低吸水性に優れるので、好ましい。
これらのノルボルネン化合物(B)の中でも、アルキル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体、芳香環を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単量体、アルキル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類、芳香環を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類を用いると、得られるノルボルネン化合物付加重合体が低吸水性に優れるので、好ましい。
本発明で使用するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなり、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算分子量で、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは100,000〜800,000、特に好ましくは300,000〜700,000である。また、数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜800,000、特に好ましくは100,000〜500,000である。
本発明で使用するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなり、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体は、一般式(3)で表されるノルボルネン化合物(A)を必須成分として含有し、一般式(5)で表されるノルボルネン化合物(B)を含有していてもよい一種又は複数種のノルボルネン化合物を重合触媒の存在下に重合させることによって得ることができる。
重合触媒は、特に限定されないが、例えば、特表平11−505880号公報記載の[6−メトキシノルボルネン−2−イル−5−パラジウム(シクロオクタジエン)]ヘキサフルオロホスフェート等の重合触媒;国際公開第2000/20472号パンフレット記載の(アリル)パラジウムクロリドダイマー/トリシクロヘキシルホスフィン/リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート・2.5エーテル等の重合触媒;特開2001−098035号公報記載の(フェニル)パラジウムビス(トリフェニルホスフィン)イオダイド/メチルアルミノキサン等の重合触媒;等の第10族遷移金属触媒からなる重合触媒を好適なものとして挙げることができる。
重合後に、反応系から触媒を除去するには、重合体溶液をシリカ、アルミナ、活性炭等の吸着剤により処理する吸着除去法、イオン交換樹脂により除去する法、キレート剤を加えて触媒残渣を不溶化させてろ過する方法、重合体溶液を多量のメタノール、アセトン等に添加して凝固する方法等を用いることができる。
また、ノルボルネン化合物付加重合体の回収は、重合体溶液から直接溶剤を除去する方法、上記メタノール等の貧溶媒で凝固・分離する等の公知の方法により行なうことができる。また、重合反応後の溶液や触媒除去後の溶液をそのままキャスト成形に用いて成形品を製造しても構わない。
〔エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体〕
本発明の光学透明材料は、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体(以下、「エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体」ということがある。)からなるものであってもよい。
本発明の光学透明材料は、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体(以下、「エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体」ということがある。)からなるものであってもよい。
ノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)とは、ノルボルネン化合物を付加重合して得られる繰返し単位であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有する繰返し単位及びこれと同等の構造を有するものをいい、ノルボルネン環外にオレフィン性エポキシ結合を有するノルボルネン化合物(C)を付加重合して得られるもののほか、ノルボルネン環外にエポキシ結合を有しないノルボルネン化合物を付加重合した後、ノルボルネン環外にエポキシ結合を形成して得られるものをも含む。
ノルボルネン環外にエポキシ結合を含むノルボルネン化合物(C)の具体例としては、5−エポキシエチル−2−ノルボルネン、5−(3,4−エポキシブチル)−2−ノルボルネン、5−(5,6−エポキシヘキシル)−2−ノルボルネン、5−(7,8−エポキシオクチル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−2−ノルボルネン、5−グリシドキシメチル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−グリシドキシカルボニル−2−ノルボルネン等のノルボルネン環外にエポキシ基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;9−エポキシエチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−(3,4−エポキシブチル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−(5,6−エポキシヘキシル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−(7,8−エポキシオクチル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−(3,4−エポキシシクロヘキシル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−グリシドキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチル−9−グリシドキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等のノルボルネン環外にエポキシ基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類などを挙げることができる。
ノルボルネン環外にエポキシ結合を有しないノルボルネン化合物を付加重合した後、ノルボルネン環外にエポキシ結合を形成するには、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物付加重合体の該オレフィン性炭素−炭素二重結合をエポキシ化するのが簡便である。
ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物付加重合体としては、上述の、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体を、好適に使用することができる。
ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物付加重合体としては、上述の、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体を、好適に使用することができる。
エポキシ化反応は、一般的に知られている方法、例えば、特開平6−172423号公報、特開2001−98035号公報等に記載されている方法を用いることができる。具体的には、(i)過蟻酸、過酢酸、過安息香酸等の過酸による酸化反応、(ii)マンガンポルフィリン錯体等の金属ポルフィリン錯体の存在下又は非存在下での次亜塩素酸ナトリウム等による酸化反応、(iii)バナジウム,タングステン,モリブデン化合物等の触媒の存在下又は不存在下での過酸化水素、ヒドロ過酸化物等による酸化反応、(iv)アルカリ性過酸化水素による酸化等の方法がある。
オレフィン性炭素−炭素二重結合のエポキシ化比率は、0〜100モル%の間で任意に選択することができるが、低吸水性と金属密着性とのバランスのよい光学透明材料を得るには、重合体の全繰り返し単位の0〜50モル%がエポキシ化されたオレフィン性炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、この比率は、0〜40%がより好ましく、0〜30モル%が特に好ましい。
エポキシ化の比率は、エポキシ化の条件を適宜設定することにより調整することができる。
エポキシ化の比率は、エポキシ化の条件を適宜設定することにより調整することができる。
〔エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体の架橋体〕
本発明の光学透明材料は、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなり、ノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体(エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体)の架橋体(以下、「エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体の架橋体」ということがある。)であってもよい。
本発明の光学透明材料は、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなり、ノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体(エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体)の架橋体(以下、「エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体の架橋体」ということがある。)であってもよい。
エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体の架橋体は、エポキシ結合含有ノルボルネン化合物付加重合体を、その含有するエポキシ基を介して架橋させたものである。
架橋は、通常、架橋剤を用いて行なう。架橋剤は、特に限定されず、例えば、加熱によりその能力を発揮する硬化剤や光反応性物質等を用いることができる。架橋剤の具体例としては、ビスアジド及び酸無水物を挙げることができる。また、このような架橋剤に適した硬化助剤や増感剤のような架橋助剤を添加することもできる。このような架橋剤の具体例としては、特開平8−259784号公報に記載されている架橋剤を用いることができる。
架橋は、通常、架橋剤を用いて行なう。架橋剤は、特に限定されず、例えば、加熱によりその能力を発揮する硬化剤や光反応性物質等を用いることができる。架橋剤の具体例としては、ビスアジド及び酸無水物を挙げることができる。また、このような架橋剤に適した硬化助剤や増感剤のような架橋助剤を添加することもできる。このような架橋剤の具体例としては、特開平8−259784号公報に記載されている架橋剤を用いることができる。
〔光学透明材料〕
本発明の光学透明材料は、上述の、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体、又はノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体からなる。
本発明の光学透明材料は、上述の、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体、ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体、又はノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体からなる。
上記光学透明材料は、単独で使用してもよく、他の透明樹脂、例えば、環状オレフィン付加重合体、水素化された環状オレフィン開環重合体、α−オレフィンと環状オレフィンとの付加共重合体、結晶性のα−オレフィン重合体、ゴム状のエチレン/炭素数が3以上のα−オレフィン共重合体、水素化されたブタジエン重合体、水素化されたブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素化されたイソプレン重合体等と、任意の割合で、併用してもよい。
本発明の光学透明材料には、必要に応じて各種の添加剤を配合しても構わない。
このような添加剤としては、充填材、酸化防止剤、蛍光体、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤等が挙げられる。
このような添加剤としては、充填材、酸化防止剤、蛍光体、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤等が挙げられる。
充填材としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の金属の酸化物等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。
蛍光体は、光を受けて励起し、励起波長よりも長い波長の光を発光するものであり、例えば、光学素子を封止する場合に、光学素子が発光する青色領域から紫外線領域の波長を受けて、可視領域の波長を発光させるのに用いられる。
これらの添加剤の配合方法は、特に限定されない。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。
蛍光体は、光を受けて励起し、励起波長よりも長い波長の光を発光するものであり、例えば、光学素子を封止する場合に、光学素子が発光する青色領域から紫外線領域の波長を受けて、可視領域の波長を発光させるのに用いられる。
これらの添加剤の配合方法は、特に限定されない。
〔複合体〕
本発明の光学透明材料は、金属密着性に優れているので、金属又は金属酸化物等の無機材料との複合体として好適に用いることができる。
この複合体は、タッチパネル、透明電極用基板、TFT用基板、カラーフィルター用基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板等や光伝送用導波路、LED等の光学素子封止材等に好適に使用される。
また、本発明の光学透明材料は、ガラスクロス等の織布又は不織布との複合体とすることもできる。
本発明の光学透明材料は、金属密着性に優れているので、金属又は金属酸化物等の無機材料との複合体として好適に用いることができる。
この複合体は、タッチパネル、透明電極用基板、TFT用基板、カラーフィルター用基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板等や光伝送用導波路、LED等の光学素子封止材等に好適に使用される。
また、本発明の光学透明材料は、ガラスクロス等の織布又は不織布との複合体とすることもできる。
〔成形品〕
本発明の光学透明材料又はこれを含有してなる複合体は、成形品とすることができる。
成形品の形態は、特に限定されないが、フィルム又はシート形状で好適に使用することができる。
本発明の光学透明材料又はこれを含有してなる複合体から成形品を得る方法は、特に限定されず、例えば、以下のような方法を示すことができる。
(1)有機溶媒溶液を、スチールベルトやキャリアーフィルム等の上に塗工又は流延し、その後、乾燥工程を経て成形品を得る溶液キャスト法により、薄膜、フィルム又はシートとする。
(2)有機溶媒で膨潤させた後、押出機で溶媒を蒸発させながら、薄膜、フィルムやシートに成形・加工する。
(3)他の熱可塑性樹脂と配合した重合体ブレンド組成物とし、これから、溶融押出機等を使用する溶融押出法により、フィルム又はシートとする。
(4)有機溶媒溶液を型内に流し込んだ後、溶媒を蒸発させて成形する。
(5)有機溶媒溶液を特定の部品や基材に付着させた後、溶媒を蒸発させて成形する。
(6)有機溶媒溶液をガラスクロス等の織布又は不織布に含浸後、乾燥させてシートに成形する。
本発明の光学透明材料又はこれを含有してなる複合体は、成形品とすることができる。
成形品の形態は、特に限定されないが、フィルム又はシート形状で好適に使用することができる。
本発明の光学透明材料又はこれを含有してなる複合体から成形品を得る方法は、特に限定されず、例えば、以下のような方法を示すことができる。
(1)有機溶媒溶液を、スチールベルトやキャリアーフィルム等の上に塗工又は流延し、その後、乾燥工程を経て成形品を得る溶液キャスト法により、薄膜、フィルム又はシートとする。
(2)有機溶媒で膨潤させた後、押出機で溶媒を蒸発させながら、薄膜、フィルムやシートに成形・加工する。
(3)他の熱可塑性樹脂と配合した重合体ブレンド組成物とし、これから、溶融押出機等を使用する溶融押出法により、フィルム又はシートとする。
(4)有機溶媒溶液を型内に流し込んだ後、溶媒を蒸発させて成形する。
(5)有機溶媒溶液を特定の部品や基材に付着させた後、溶媒を蒸発させて成形する。
(6)有機溶媒溶液をガラスクロス等の織布又は不織布に含浸後、乾燥させてシートに成形する。
シート又はフィルムの厚さは、使用目的によって選択できるが、通常、1〜1,000μm、好ましくは2〜500μmである。フィルムの厚さがこの範囲内であるとき、フィルム形成に要する時間が短く、得られるフィルムは強度に優れている。
〔光学部品〕
本発明の光学透明材料又はこの光学透明材料を含有してなる複合体からなる成形品は、導光板、保護フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極用基板、CD、MD、DVD等の光学記録用基板、TFT用基板、カラーフィルター用基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板等や光伝送用導波路、光回路基板、光学レンズ類、光学素子封止材等の光学部品に好適に使用することができる。
上記の光学部品は、本発明の光学透明材料又はこの光学透明材料を含有してなる複合体を、公知の成形方法により、成形することにより得られる。
本発明の光学透明材料又はこの光学透明材料を含有してなる複合体からなる成形品は、導光板、保護フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、タッチパネル、透明電極用基板、CD、MD、DVD等の光学記録用基板、TFT用基板、カラーフィルター用基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板等や光伝送用導波路、光回路基板、光学レンズ類、光学素子封止材等の光学部品に好適に使用することができる。
上記の光学部品は、本発明の光学透明材料又はこの光学透明材料を含有してなる複合体を、公知の成形方法により、成形することにより得られる。
〔透明導電膜積層フィルム又はシート〕
本発明の光学透明材料からなるフィルム又はシートの成形品に透明導電膜を積層することによって、本発明の光学透明材料からなるフィルム又はシートと透明導電膜との積層体(以下、「透明導電膜積層フィルム又はシート」ということがある。)を得ることができる。
具体的には、無機酸化物、無機窒化物又は無機硫化物等の無機物を用いてフィルム又はシート上に、透明導電膜を製膜積層する。透明導電膜の膜厚は、50〜4,000Åの範囲内で適宜選択することが可能である。
無機物としては、例えば、酸化インジウム・スズ(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、硫化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛等を用いることができる。
本発明の光学透明材料からなるフィルム又はシートの成形品に透明導電膜を積層することによって、本発明の光学透明材料からなるフィルム又はシートと透明導電膜との積層体(以下、「透明導電膜積層フィルム又はシート」ということがある。)を得ることができる。
具体的には、無機酸化物、無機窒化物又は無機硫化物等の無機物を用いてフィルム又はシート上に、透明導電膜を製膜積層する。透明導電膜の膜厚は、50〜4,000Åの範囲内で適宜選択することが可能である。
無機物としては、例えば、酸化インジウム・スズ(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、硫化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛等を用いることができる。
また、製膜の方法としては、真空製膜法、例えば、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の製膜法を用いることができる。
本発明で使用するノルボルネン化合物付加重合体等は、高い耐熱性を有し、金属密着性に優れるので、200〜300℃の高い製膜温度でも、フィルムが変形したり、黄変したり、クラックが発生することがない。
本発明で使用するノルボルネン化合物付加重合体等は、高い耐熱性を有し、金属密着性に優れるので、200〜300℃の高い製膜温度でも、フィルムが変形したり、黄変したり、クラックが発生することがない。
本発明の透明導電膜積層フィルム又はシートにおいて、両層の間に、フィルムの平滑性や透明導電膜との密着性向上を目的として、接着層を設けてもよい。接着層は、樹脂ワニスを塗布し乾燥により溶剤を除去することで得られる。この際、樹脂としては、溶剤除去後成膜性を有する樹脂、即ち固形の樹脂を添加したワニスが均一塗布という観点から好ましく、具体的には光硬化性樹脂としてエポキシジアクリレート、ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート等のいわゆるアクリルプレポリマー、熱硬化性樹脂として、o−クレゾールノボラック型、ビスフェノール型のエポキシ系や、ウレタン系、アクリル系、尿素系、メラミン系、不飽和ポリエステル系や、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。生産性及びコストの点から光硬化性樹脂が一般的に見て好ましい。基板に当該硬化樹脂被膜を形成させる方法としてはグラビアコート法、リバースロールコート法、キスロールコート法等があるが、いずれの方法を用いてもよい。
本発明の透明導電膜積層フィルム又はシートは、透明導電膜とは反対側にガスバリア層を有していてもよい。ガスバリア層は、無機材料で形成しても有機材料で形成してもよい。使用可能な無機材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム等を、有機材料としてはポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド等を挙げることができる。
ガスバリア層の膜厚は、無機材料の場合100〜2,000Å、有機材料の場合は500〜10,000Åにすることが望ましい。これらの無機材料はスパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱法、CVD法等の公知の手段により製膜することができる。また、有機材料の場合は、これを溶剤に溶解し、前記のようなコーティング法によって塗布して乾燥することにより製膜することができる。
また、透明導電膜層の場合と同様に、フィルム又はシートとガスバリア層との間に接着層を設けてもよい。
更に、ガスバリア層上に、これを保護するための保護コート層を積層してもよい。保護コート層は、前記接着層と同様の方法によって製膜することが好ましい。
ガスバリア層の膜厚は、無機材料の場合100〜2,000Å、有機材料の場合は500〜10,000Åにすることが望ましい。これらの無機材料はスパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱法、CVD法等の公知の手段により製膜することができる。また、有機材料の場合は、これを溶剤に溶解し、前記のようなコーティング法によって塗布して乾燥することにより製膜することができる。
また、透明導電膜層の場合と同様に、フィルム又はシートとガスバリア層との間に接着層を設けてもよい。
更に、ガスバリア層上に、これを保護するための保護コート層を積層してもよい。保護コート層は、前記接着層と同様の方法によって製膜することが好ましい。
本発明の透明導電膜積層フィルム又はシートは、光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であるので、光学用フィルム又はシートとして有用である。具体的には、液晶表示素子基板、カラーフィルター基板、有機EL表示素子基板等の表示素子用基板、タッチパネル、太陽電池用基板等として使用することができる。
また、本発明の光学透明材料は、その有機溶媒溶液を、例えば、LED素子に塗布して乾燥させることにより、LED素子を封止することができる。特に、青色LED素子、紫外発光LED素子や白色LED素子等の面実装型LEDの封止材として好ましい。
以下に、重合例、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
(1)重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)
テトラヒドロフラン又はクロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定する。
(2)重合体の共重合比及びエポキシ変性率
1H−NMR測定により求める。
(3)全光線透過率
ノルボルネン化合物付加重合体をトルエンに溶解した10重量%トルエン溶液を平坦なテトラフルオロエチレンポリマーのシート上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、80℃で24時間、真空乾燥して、膜厚50μmのフィルムを作製する。ASTM−D1003に準拠し、このフィルムの全光線透過率(%)を測定する。
(4)吸水率
フィルム片を23℃の水中に24時間浸漬させた後の重量変化より求める。
テトラヒドロフラン又はクロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定する。
(2)重合体の共重合比及びエポキシ変性率
1H−NMR測定により求める。
(3)全光線透過率
ノルボルネン化合物付加重合体をトルエンに溶解した10重量%トルエン溶液を平坦なテトラフルオロエチレンポリマーのシート上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、80℃で24時間、真空乾燥して、膜厚50μmのフィルムを作製する。ASTM−D1003に準拠し、このフィルムの全光線透過率(%)を測定する。
(4)吸水率
フィルム片を23℃の水中に24時間浸漬させた後の重量変化より求める。
(5)アルミニウムに対する密着性
全光線透過率測定用と同様にして作製したフィルムにアルミニウムを蒸着し、カッターを用いて、この蒸着膜に1mm×1mmの碁盤目が5×5個形成されるように切り込みを入れる。この碁盤目上にセロハンテープを貼付し、次いで剥離する剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定する。
(6)銅に対する密着性
ノルボルネン化合物付加重合体の5重量%トルエン溶液を、平坦な銅板上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、80℃で24時間、真空乾燥して、銅板上に膜厚10μmのフィルムを作製する。このフィルムについて、上記と同様に剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定する。
なお、ノルボルネン環外にエポキシ基を有するノルボルネン付加共重合体の架橋体については、ノルボルネン環外にエポキシ基を有するノルボルネン付加共重合体の5重量%トルエン溶液に4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノンを0.6重量%となるように添加した後、平坦な銅板上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、窒素中にて250℃で3時間キュア−を行ない、銅板上に膜厚10μmのフィルムを作製し、このフィルムについて、上記と同様に剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定する。
全光線透過率測定用と同様にして作製したフィルムにアルミニウムを蒸着し、カッターを用いて、この蒸着膜に1mm×1mmの碁盤目が5×5個形成されるように切り込みを入れる。この碁盤目上にセロハンテープを貼付し、次いで剥離する剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定する。
(6)銅に対する密着性
ノルボルネン化合物付加重合体の5重量%トルエン溶液を、平坦な銅板上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、80℃で24時間、真空乾燥して、銅板上に膜厚10μmのフィルムを作製する。このフィルムについて、上記と同様に剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定する。
なお、ノルボルネン環外にエポキシ基を有するノルボルネン付加共重合体の架橋体については、ノルボルネン環外にエポキシ基を有するノルボルネン付加共重合体の5重量%トルエン溶液に4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノンを0.6重量%となるように添加した後、平坦な銅板上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、窒素中にて250℃で3時間キュア−を行ない、銅板上に膜厚10μmのフィルムを作製し、このフィルムについて、上記と同様に剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定する。
(触媒調製例1)
〔触媒液(1)の調製〕
窒素置換したガラス反応器に、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリド0.077部及びリチウムテトラキス〔ペンタフルオロフェニル〕ボレート0.114部を入れ、続けてトルエン2部を加え触媒液(1)を調製した。
〔触媒液(1)の調製〕
窒素置換したガラス反応器に、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリド0.077部及びリチウムテトラキス〔ペンタフルオロフェニル〕ボレート0.114部を入れ、続けてトルエン2部を加え触媒液(1)を調製した。
(合成例1)
(繰返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン165部、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン90部、分子量調整剤としてスチレン26部及び重合溶媒としてトルエン594部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始し、60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、繰返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体(1)227部を得た。
得られた重合体(1)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(1)の重量平均分子量(Mw)は608,000、数平均分子量(Mn)は196,000で、重合体(1)中の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位組成比は、30/70(モル/モル)であった。
(繰返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン165部、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン90部、分子量調整剤としてスチレン26部及び重合溶媒としてトルエン594部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始し、60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、繰返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体(1)227部を得た。
得られた重合体(1)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(1)の重量平均分子量(Mw)は608,000、数平均分子量(Mn)は196,000で、重合体(1)中の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位組成比は、30/70(モル/モル)であった。
(合成例2)
(繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、上記合成例1で得たノルボルネン化合物付加重合体(1)30部をトルエン900部に溶解させた溶液を入れ、55℃に加熱した。次いで、この溶液にm−クロロ過安息香酸23部を加え、55℃、3時間反応させた。反応後、反応溶液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体(2)27部を得た。得られた重合体(2)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(2)の重量平均分子量(Mw)は662,000、数平均分子量(Mn)は184,000で、重合体(2)中の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位中のエチリデン基のエポキシ変性率は96モル%であった。
(繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、上記合成例1で得たノルボルネン化合物付加重合体(1)30部をトルエン900部に溶解させた溶液を入れ、55℃に加熱した。次いで、この溶液にm−クロロ過安息香酸23部を加え、55℃、3時間反応させた。反応後、反応溶液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体(2)27部を得た。得られた重合体(2)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(2)の重量平均分子量(Mw)は662,000、数平均分子量(Mn)は184,000で、重合体(2)中の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位中のエチリデン基のエポキシ変性率は96モル%であった。
(合成例3)
(繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン210部、ジシクロペンタジエン99部、分子量調整剤としてスチレン52部及び重合溶媒としてトルエン721部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始した。60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体(3)186部を得た。
得られた重合体(3)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(3)の重量平均分子量(Mw)は357,000、数平均分子量(Mn)は160,000で、重合体(3)中のジシクロペンタジエン単位/5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/組成比は、20/80(モル/モル)であった。
(繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン210部、ジシクロペンタジエン99部、分子量調整剤としてスチレン52部及び重合溶媒としてトルエン721部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始した。60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体(3)186部を得た。
得られた重合体(3)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(3)の重量平均分子量(Mw)は357,000、数平均分子量(Mn)は160,000で、重合体(3)中のジシクロペンタジエン単位/5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/組成比は、20/80(モル/モル)であった。
(合成例4)
(繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、上記合成例3で得たノルボルネン化合物付加重合体(3)30部をトルエン900部に溶解させた溶液を入れ、55℃に加熱した。次いで、この溶液にm−クロロ過安息香酸23部を加え、55℃、3時間反応させた。反応後、反応溶液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体(4)28部を得た。得られた重合体(4)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(4)の重量平均分子量(Mw)は366,000、数平均分子量(Mn)は154,000で、重合体(4)中のジシクロペンタジエン単位における炭素−炭素二重結合のエポキシ変性率は98モル%であった。
(繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、上記合成例3で得たノルボルネン化合物付加重合体(3)30部をトルエン900部に溶解させた溶液を入れ、55℃に加熱した。次いで、この溶液にm−クロロ過安息香酸23部を加え、55℃、3時間反応させた。反応後、反応溶液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して繰り返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体(4)28部を得た。得られた重合体(4)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(4)の重量平均分子量(Mw)は366,000、数平均分子量(Mn)は154,000で、重合体(4)中のジシクロペンタジエン単位における炭素−炭素二重結合のエポキシ変性率は98モル%であった。
(合成例5)
(繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン180部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン182部、分子量調整剤としてスチレン39部及び重合溶媒としてトルエン1000部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始した。60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体(5)230部を得た。
得られた重合体(5)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(5)の重量平均分子量(Mw)は413,000、数平均分子量(Mn)は182,000で、重合体(5)中の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン単位組成比は、60/40(モル/モル)であった。
(繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン180部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン182部、分子量調整剤としてスチレン39部及び重合溶媒としてトルエン1000部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始した。60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して繰り返し単位(a)を有するノルボルネン化合物付加重合体(5)230部を得た。
得られた重合体(5)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(5)の重量平均分子量(Mw)は413,000、数平均分子量(Mn)は182,000で、重合体(5)中の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン単位組成比は、60/40(モル/モル)であった。
(合成例6)
(繰返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体の調製)
合成例2で得たエポキシ変性重合体(2)10部と4,4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン1.2部とをトルエン100部中に溶解させた溶液を平坦なテトラフルオロエチレンポリマーのシート上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、このフィルムを窒素中にて250℃で3時間キュア−を行ない、膜厚50μmの架橋フィルムを作製した。作製したフィルムの一部をトルエンに浸したところ、フィルムはトルエン中で膨潤するが、溶解しないことから、このフィルムが繰返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体(6)であることを確認した。
(繰返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体の調製)
合成例2で得たエポキシ変性重合体(2)10部と4,4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン1.2部とをトルエン100部中に溶解させた溶液を平坦なテトラフルオロエチレンポリマーのシート上に流延し、室温で24時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、このフィルムを窒素中にて250℃で3時間キュア−を行ない、膜厚50μmの架橋フィルムを作製した。作製したフィルムの一部をトルエンに浸したところ、フィルムはトルエン中で膨潤するが、溶解しないことから、このフィルムが繰返し単位(c)を有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体(6)であることを確認した。
(合成例7)
(ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を持たない、ノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換したガラス反応器に、N,N’−ビス−(2−メチルフェニル)ベンズアミジネートニッケル(トリフェニルホスフィン)クロリド8.2部及びアルミニウム分が9.0%であるメチルアルミノキサンのトルエン溶液825部を入れ、続けてトルエン500部を加え触媒液(2)を調製した。
次いで、窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン1,175部、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(分子量=178)2,230部、重合溶媒としてトルエン4,000部を仕込み、上記の触媒液(2)を添加して重合を開始した。60℃で2.5時間反応させた後、重合反応液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥してノルボルネン化合物付加重合体(7)2,834部を得た。得られた重合体(7)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(7)の重量平均分子量(Mw)は314,000、数平均分子量(Mn)は134,000で、重合体(7)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位組成比は、51/49(モル/モル)であった。
(ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を持たない、ノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換したガラス反応器に、N,N’−ビス−(2−メチルフェニル)ベンズアミジネートニッケル(トリフェニルホスフィン)クロリド8.2部及びアルミニウム分が9.0%であるメチルアルミノキサンのトルエン溶液825部を入れ、続けてトルエン500部を加え触媒液(2)を調製した。
次いで、窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン1,175部、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(分子量=178)2,230部、重合溶媒としてトルエン4,000部を仕込み、上記の触媒液(2)を添加して重合を開始した。60℃で2.5時間反応させた後、重合反応液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥してノルボルネン化合物付加重合体(7)2,834部を得た。得られた重合体(7)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(7)の重量平均分子量(Mw)は314,000、数平均分子量(Mn)は134,000で、重合体(7)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位組成比は、51/49(モル/モル)であった。
(合成例8)
(ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を持たない、ノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン165部、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン150部、分子量調整剤としてスチレン26部及び重合溶媒としてトルエン594部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始し、60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、ノルボルネン化合物付加重合体(8)312部を得た。
得られた重合体(8)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(8)の重量平均分子量(Mw)は475,000、数平均分子量(Mn)は195,000で、重合体(8)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位組成比は、75/25(モル/モル)であった。
(ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を持たない、ノルボルネン化合物付加重合体の調製)
窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン165部、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン150部、分子量調整剤としてスチレン26部及び重合溶媒としてトルエン594部を仕込み、触媒液(1)を添加して重合を開始し、60℃で3時間反応させた。トルエン1,000部を加えて希釈した後、ハイドロタルサイト(協和化学工業社製、商品名「キョーワード500SN」)20部を加えて、攪拌機付きオートクレーブに導入し、水素圧1MPa、200℃の条件で5時間攪拌を行った。この重合体溶液を吸引ろ過し、ハイドロタルサイトを除去した。ろ液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して、ノルボルネン化合物付加重合体(8)312部を得た。
得られた重合体(8)はトルエン、クロロホルム等に可溶であった。重合体(8)の重量平均分子量(Mw)は475,000、数平均分子量(Mn)は195,000で、重合体(8)中のビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位/5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン単位組成比は、75/25(モル/モル)であった。
(実施例1〜6、比較例1、2)
合成例1〜8で、それぞれ、得られたノルボルネン化合物付加重合体(1)〜(8)について、全光線透過率、吸水率、アルミニウムに対する金属密着性及び銅に対する金属密着性を評価した。これらの結果を表1に示す。
合成例1〜8で、それぞれ、得られたノルボルネン化合物付加重合体(1)〜(8)について、全光線透過率、吸水率、アルミニウムに対する金属密着性及び銅に対する金属密着性を評価した。これらの結果を表1に示す。
表1の結果から、ノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有しないノルボルネン化合物付加重合体は、極性基をも有しないときは吸水率が低いものの金属密着性が非常に劣り(比較例1)、極性基を有するときは金属密着性に優れるものの吸水率が高い(比較例2)ことが分かる。これに対して、本発明実施例のノルボルネン化合物付加重合体は、吸水率が低く金属密着性が優れている。ノルボルネン環外にエポキシ基を導入すると吸水率がやや高くなるが(実施例1→実施例2、実施例3→実施例4)が、金属密着性が向上する(実施例3→実施例4)。また、ノルボルネン環外にエポキシ基を有するものは、架橋により吸水率も優れたものとなる(実施例2→実施例6)。
Claims (10)
- ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であって、一般式(1)で表されるノルボルネン環外にオレフィン性炭素−炭素二重結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(a)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料。
- ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体からなる光学透明材料。
- ノルボルネン化合物由来の繰り返し単位のみからなるノルボルネン化合物付加重合体であってノルボルネン環外にエポキシ結合を有するノルボルネン化合物由来の繰り返し単位(c)を含有するノルボルネン化合物付加重合体の架橋体からなる光学透明材料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学透明材料を含有してなる複合体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光学透明材料又は請求項4に記載の複合体からなる成形品。
- フィルム又はシートの形状である請求項5に記載の成形品。
- 請求項5又は6に記載の成形品からなる光学部品。
- フィルム又はシートと透明導電膜との積層体である請求項7に記載の光学部品。
- 表示素子用基板である請求項8に記載の光学部品。
- 光学素子封止材である請求項8に記載の光学部品。
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