JP2007141304A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックコート層の分散性を高め、電磁変換特性および走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体の一方の面に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、他方の面にカーボンブラックおよび結合剤を含むバックコート層を有する磁気記録媒体。前記バックコート層に含まれる結合剤は、ポリオール成分と有機ジイソシアネートと鎖延長剤を重合させることによって得られたポリウレタン樹脂を含み、前記鎖延長剤は、質量平均分子量500以下の脂環族多環式構造またはスピロ構造を有するジオールである。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い電磁変換特性および走行耐久性を有する磁気記録媒体に関する。
近年、録音用磁気テープ、ビデオ用磁気テープ、またはコンピュータデータを記録するための磁気テープ(バックアプテープ)などの磁気記録媒体用の磁気記録再生システムは、高密度で記録することができ、また記録再生を高速度で処理することができるように改良が進められている。一方、磁気テープ自体は、より大きな記録容量を達成するために益々薄型化する傾向にある。従って、このような薄型化された磁気テープであっても従来に増して高い走行耐久性が必要とされる。
一般に磁気テープは、合成樹脂などの可撓性の支持体上に磁性層が設けられた構成である。また、より高い記録密度を達成させるために、支持体上に非磁性層を設け、更にこの上に薄い磁性層を設けた構成の磁気テープも提案されている。そして一般に良好な感度を維持させるためには磁性層の表面は平滑であることが好ましいが、この平滑化による巻き乱れや走行性の悪化を防止するために、支持体の磁性層とは反対側の面にバックコート層が設けられている。近年、バックコート層の改良のため、バックコート層に使用する結合剤について種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1にはバックコート層の結合剤として、グリコールの30モル%以上が、特定構造の三環式グリコールからなるポリエステルポリオールからなるウレタンを含有した磁気記録媒体が提案されている。
また、特許文献2には、バックコート層の結合剤として特定構造の三環式グリコールと炭素数が8以上のグリコールおよびエチレングリコールからなるポリエステルポリオールからなるウレタンを含有した磁気記録媒体が提案され、特定構造の三環式グリコールに起因する分散性への悪影響を改善するべく、炭素数が8以上のグリコールおよびエチレングリコールを特定の組成比率で併用したポリエステルポリオールからなるウレタンの記載がある。
特開平4−67313号公報 特開平4−188428号公報
ところが、特許文献1に記載のポリウレタンは、脂環族ジオールを用いたポリエステルポリオールからなるウレタンであり、ウレタン中にエステル結合を持つために有機溶剤への溶解性に乏しくカーボンブラック等の固体粒子の分散性が不十分であり、所望の表面性を有するバックコート層を得ることはできない。また、特許文献2に記載のポリウレタンによっても、バックコート層の分散性を十分改善するには至らなかった。そのため、例えばテープ状の磁気記録媒体を巻き取った状態で保存した場合に、当該バックコート層の表面形状が磁性層表面に転写され、磁性層の表面性を劣化させるため、良好な電磁変換特性や走行耐久性が得られないという問題があった。
かかる状況下、本発明は、バックコート層の分散性を高め、電磁変換特性および走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、バックコート層の結合剤として、脂環族多環式構造またはスピロ構造を有する短鎖ジオール成分を鎖延長剤として導入したポリウレタン樹脂を用いることにより、バックコート層塗布液の分散安定性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1] 非磁性支持体の一方の面に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、他方の面にカーボンブラックおよび結合剤を含むバックコート層を有する磁気記録媒体であって、
前記バックコート層に含まれる結合剤は、ポリオール成分と有機ジイソシアネートと鎖延長剤を重合させることによって得られたポリウレタン樹脂を含み、
前記鎖延長剤は、質量平均分子量500以下の脂環族多環式構造またはスピロ構造を有するジオールであることを特徴とする磁気記録媒体。
[2] 前記鎖延長剤は、下記式(1)〜(3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を含む、[1]に記載の磁気記録媒体。
Figure 2007141304
[3] 前記ポリウレタン樹脂は、脂環族多環式構造またはスピロ構造を0.1〜5.5mmol/g含む、[1]または[2]に記載の磁気記録媒体。
[4] 前記ポリオール成分は、脂環族多環式構造およびスピロ構造を有さない、[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、高い電磁変換特性と走行耐久性を有する磁気記録媒体を得ることができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。

本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の一方の面に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、他方の面にカーボンブラックおよび結合剤を含むバックコート層を有する磁気記録媒体である。前記バックコート層に含まれる結合剤は、ポリオール成分と有機ジイソシアネートと鎖延長剤を重合させることによって得られたポリウレタン樹脂を含み、前記鎖延長剤は、質量平均分子量500以下の脂環族多環式構造またはスピロ構造を有するジオール(以下、「短鎖ジオール」ともいう)である。
前記ポリウレタン樹脂は、溶剤への溶解性に優れるため、バックコート層塗布液の分散性を高めることができる。よって、かかるポリウレタン樹脂をバックコート層の結合剤として使用することにより、磁性層表面性に影響を与えるバックコート層上の突起を低減し、電磁変換特性および走行耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。また、前記ポリウレタン樹脂は、バックコート層塗布液の分散安定性を高め、塗布液のポットライフを長くすることができるというメリットもある。また、脂環族多環式構造またはスピロ構造の作用により、塗膜強度が高まり、繰り返し摺動での塗膜の塑性変形を抑制できるという作用もある。
以下、前記短鎖ジオールについて説明する。
短鎖ジオール
本発明において、「脂環族多環式構造」とは、2個以上の原子を共有している環を複数有する脂肪族炭化水素骨格をいい、「スピロ構造」とは、複数の環が1個の原子を共有している構造をいう。前記鎖延長剤は、脂環族多環式構造またはスピロ構造として、下記式(1)〜(3)からなる群から選ばれる少なくとも1つの構造を有することが好ましい。
Figure 2007141304
本発明において鎖延長剤として使用される短鎖ジオールの質量平均分子量は、500以下であり、好ましくは500未満、更に好ましくは400未満である。分子量が500を超える短鎖ジオールでは、分子量が大きくなりやすく、所望のウレタン基濃度、脂環族多環式構造、スピロ構造の濃度および分子量の設計が困難となる。なお、前記短鎖ジオールの質量平均分子量の下限値は、例えば50である。
前記短鎖ジオールとして使用可能な脂環族多環式ジオールとしては、2環式化合物または3環式化合物を挙げることができる。
前記2環式化合物の具体例としては、以下の化合物を例示できる;
ビシクロ[1.1.0]ブタンジオール、ビシクロ[1.1.1]ペンタンジオール、ビシクロ[2.1.0]ペンタンジオール、ビシクロ[2.1.1]ヘキサンジオール、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジオール、ビシクロ[3.2.0]ヘプタンジオール、ビシクロ[3.1.1]ヘプタンジオール、ビシクロ[2.2.2]オクタンジオール、ビシクロ[3.2.1]オクタンジオール、ビシクロ[4.2.0]オクタンジオール、ビシクロ[5.2.0]ノナンジオール、ビシクロ[3.3.1]ノナンジオール、ビシクロ[3.3.2]デカンジオール、ビシクロ[4.2.2]デカンジオール、ビシクロ[4.3.3]ドデカンジオール、ビシクロ[3.3.3]ウンデカンジオール、ビシクロ[1.1.0]ブタンジメタノール、ビシクロ[1.1.1]ペンタンジメタノール、ビシクロ[2.1.0]ペンタンジメタノール、ビシクロ[2.1.1]ヘキサンジメタノール、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[3.2.0]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[3.1.1]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[2.2.2]オクタンジメタノール、ビシクロ[3.2.1]オクタンジメタノール、ビシクロ[4.2.0]オクタンジメタノール、ビシクロ[5.2.0]ノナンジメタノール、ビシクロ[3.3.1]ノナンジメタノール、ビシクロ[3.3.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.2.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.3.3]ドデカンジメタノール、ビシクロ[3.3.3]ウンデカンジメタノール。
また、3環式化合物としては、以下の化合物を例示できる;
トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジオール、トリシクロ[4.2.1.27,9]ウンデカンジオール、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデカンジオール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジオール、トリシクロ[4.4.1.1]ドデカンジオール、トリシクロ[7.3.2.05,13]テトラデカンジオール、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデカンジオール、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、トリシクロ[4.2.1.27,9]ウンデカンジメタノール、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデカンジメタノール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジメタノール、トリシクロ[4.4.1.1]ドデカンジメタノール、トリシクロ[7.3.2.05,13]テトラデカンジメタノール、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデカンジメタノール。
上記脂環族多環式ジオールのなかでも好ましいものは、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、ビシクロ[3.3.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.2.2]デカンジメタノールである。特に好ましいものは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールである。
前記短鎖ジオールとして使用可能なスピロ構造を有する短鎖ジオールの具体例としては、スピロ[3,4]オクタンジメタノール、スピロ[3,4]ヘプタンジメタノール、スピロ[3,4]デカンジメタノール、ジスピロ[5,1,7,2]ヘプタデカンジメタノール、シクロペンタンスピロシクロブタンジメタノール、シクロヘキサンスピロシクロペンタンジメタノール、スピロビシクロヘキサンジメタノール、ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等を挙げることができる。なかでも、ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが好ましい。
ポリオール成分
前記ポリウレタン樹脂の原料となるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポリオールを用いることができる。なかでもポリエーテルポリオールが好ましく、特にビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物が好ましい。前記ポリオール成分の質量平均分子量は、好ましくは400〜5000であり、より好ましくは1000〜5000である。また、バックコート層塗布液の分散性を高めるためには、前記ポリオール成分は、脂環族多環式構造またはスピロ構造をもたないことが好ましい。
有機ジイソシアネート
前記ポリウレタン樹脂の原料となる有機ジイソシアネートとしては、ウレタン化合物の製造に使用されている各種のものを用いることができる。具体的には、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが好ましい。
併用可能な成分
前記ポリウレタン樹脂の原料としては、前述の短鎖ジオール、ポリオール成分、有機ジイソシアネートに加え、脂環族多環式構造およびスピロ構造を持たない短鎖ジオールを併用することもできる。併用可能な短鎖ジオールとしては、質量平均分子量500以下の低分子ジオールを用いることができるが、好ましくは質量平均分子量300以下のものである。そのような短鎖ジオールとしては、下記のものを挙げることができる;エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、シクロヘキサンジオール(CHD)、水素化ビスフェノールA(H−BPA)等の脂環族グリコールおよびこれらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールFなど芳香族グリコールおよびこれらのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物を挙げることができる。なかでも特に好ましいものは水素化ビスフェノールA、ビスフェノ−ルAのプロピレンオキシド付加物。
バックコート層の結合剤として使用されるポリウレタン樹脂は、前述の成分を用いて、公知の方法で合成することができる。前記ポリウレタン樹脂において、前記鎖延長剤の含有量は、好ましくは5〜50質量%であり、更に好ましくは20〜40質量%である。5質量%以上であれば、高い溶剤溶解性を得ることができ、50質量%以下であれば、高い塗膜強度を有するバックコート層を得ることができる。また、前記ポリウレタン樹脂における脂環族多環式構造またはスピロ構造の含有量は、0.1〜5.5mmol/gであることが好ましく、0.1〜3.0mmol/gであることが更に好ましい。上記範囲内であれば、バックコート層塗布液の分散性を高めることができる。
また、前記ポリウレタン樹脂におけるポリオール成分の含有量は好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%であり、有機ジイソシアネートの含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%である。
前記ポリウレタン樹脂において、ウレタン基濃度は、好ましくは、2.0mmol/g〜6.0mmol/gであり、更に好ましくは3.0mmol/g〜4.0mmol/gである。2.0mmol/g以上であればガラス転移温度Tgが高く、良好な耐久性を有する塗膜を得ることができ、6.0mmol/g以下であれば、塗布液の粘度を適切な範囲に維持することができ、溶液粘度が高くなり分子量の調整がしにくい等の合成上の不都合を回避することができる。また、前記ポリウレタン樹脂の質量平均分子量は、30000〜70000であることが好ましい。さらに好ましくは40000〜60000である。30000以上であれば、高強度で耐久性に優れたバックコート層を得ることができる。また、7万以下であれば、溶剤への溶解性が高く、良好な分散性を得ることができる。
前記ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、40℃〜200℃であることが好ましく、より好ましくは70℃〜180℃であり、更に好ましくは80℃〜170℃である。40℃以上であれば、高温での塗膜強度が良好であり、高い耐久性、保存性を得ることができる。また、200℃以下であれば、カレンダー成型性が高く、電磁変換特性を高めることができる。
前記ポリウレタン樹脂には、極性基を含むことができる。極性基は、−SO3M、−OSO3M、−PO32、−COOMが好ましく、更に好ましくは−SO3M、−OSO3Mである。また、極性基含有量は、1×10-5eq/g〜2×10-4eq/gであることが好ましい。極性基含有量が上記範囲内であれば、カーボンブラックへの吸着や溶剤への溶解性が高く、分散性が良好となる。
前記ポリウレタン樹脂には、OH基が含まれていてもよい。OH基含有量は、2個/分子〜20個/分子であることが好ましく、更に好ましくは3個/分子〜15個/分子である。2個/分子以上であれば、イソシアネート硬化剤との反応性が高く、高強度で良好な耐久性を有するバックコート層を得ることができる。また、20個/分子以下であれば、溶剤への溶解性が高く分散性が良好である。
併用可能な結合剤
バックコート層の結合剤としては、前記ポリウレタン樹脂とともに、他に各種の合成樹脂を用いることができる。併用可能な樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂を挙げることができる。これらは、単独でも組み合わせでも使用することができる。他の合成樹脂を併用する場合には、バックコート層に含まれる前記ポリウレタン樹脂は、結合剤中に10〜90質量%含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは25〜60質量%である。また塩化ビニル系樹脂を併用する場合、塩化ビニル系樹脂は、バックコート層結合剤中に10〜80質量%含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜70質量%、特に好ましくは30〜60質量%である。併用可能な塩化ビニル系樹脂の重合度は200〜600が好ましく、250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共重合させたものでもよい。
また、前記結合剤とともに、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤を使用することができる。ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応性生物(例、デスモジュールL−75(バイエル社製))、キシリレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘキサメチレンジイソシアネート3モルとのビューレット付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイソシアヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3モルとヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシアヌレート付加化合物、イソホロンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙げることができる。バックコート層に含まれるポリイソシアネート化合物は、バックコート層結合剤中に10〜50質量%の範囲で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%の範囲である。
また、電子線照射による硬化処理を行う場合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結合を有する化合物を使用することができる。樹脂成分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の質量は、カーボンブラック100質量部に対して、通常15〜40質量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30質量部である。
カーボンブラック、無機粉末
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して、繰り返し走行性が強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させるために、バックコート層には、カーボンブラックが含まれ、更に、無機粉末を含有させることもできる。
カーボンブラックは、平均粒子径の異なる二種類のものを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、平均粒子径が10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バックコート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラックを単独で用いると、過酷な走行系では、テープ摺動により、バックコート層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大につながる場合がある。本発明では、以上の点を考慮して、バックコート層に使用するカーボンブラックを選択することが好ましい。
微粒子状カーボンブラックの具体的な商品としては、以下のものを挙げることができる。カッコ内に平均粒子径を示す。RAVEN2000B(18nm)、RAVEN1500B(17nm)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP800(17nm)(キャボット社製)、PRINNTEX90(14nm)、PRINTEX95(15nm)、PRINTEX85(16nm)、PRINTEX75(17nm)(以上、デグサ社製)、#3950(16nm)(三菱化成工業(株)製)。
また粗粒子カーボンブラックの具体的な商品の例としては、サーマルブラック(270nm)(カーンカルブ社製)、RAVEN MTP(275nm)(コロンビアカーボン社製)を挙げることができる。
バックコート層において、平均粒子径の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと230〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲である。
バックコート層中のカーボンブラック(二種類のものを使用する場合には、その全量)の含有量は、結合剤100質量部に対して、通常30〜80質量部の範囲であり、好ましくは、45〜65質量部の範囲である。
無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行による摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもない。またこの無機粉末の平均粒子径は、30〜50nmの範囲にあることが好ましい。
モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、および酸化亜鉛を挙げることができる。これらは、単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
バックコート層内の軟質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して10〜140質量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、35〜100質量部である。
モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加することにより、バックコート層の強度が強化され、走行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺動に対しても劣化が少なく、強いバックコート層となる。またこの無機粉末の添加により、適度の研磨力が付与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減する。特に軟質無機粉末と併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特性が向上し、バックコート層の摩擦係数の安定化も図ることができる。硬質無機粉末の平均粒子サイズは80〜250nm(更に好ましくは、100〜210nm)の範囲にあることが好ましい。
モース硬度が5〜9の硬質無機質粉末としては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、および酸化クロム(Cr23)を挙げることができる。これらの粉末は、それぞれ単独で用いても良いし、または併用しても良い。これらの内では、α−酸化鉄またはα−アルミナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して通常3〜30質量部であり、好ましくは、3〜20質量部である。
バックコート層に前記軟質無機粉末と硬質無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉末との硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以上、特に好ましくは3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無機粉末とを選択して使用することが好ましい。バックコート層には、前記それぞれ特定の平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無機粉末と、前記平均粒子サイズの異なる二種類のカーボンブラックとが含有されていることが好ましい。
バックコート層には、潤滑剤を含有させることができる。潤滑剤は、前述した非磁性層、または磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から適宜選択して使用できる。バックコート層において、潤滑剤は、結合剤100質量部に対して通常1〜5質量部の範囲で添加される。
磁性層
次に、本発明の磁気記録媒体が有する磁性層について説明する。
磁性層に使用される強磁性粉末は、コバルト含有強磁性酸化鉄または強磁性合金粉末であることができる。そのSBET比表面積は40〜80m2/gであることが好ましく、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは12〜25nmであることが好ましく、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は0.05〜0.25μmであることが好ましく、より好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。強磁性粉末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対するイットリウム原子の比(Y/Fe)が0.5原子%〜20原子%であることが好ましく、更に好ましくは5〜10原子%である。0.5原子%以上よりも少ないと強磁性粉末の高σS化できないために磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。20原子%よりも大きいと鉄の含有量が少なくなるので磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、少量の水、水酸化物または酸化物を含む強磁性金属粉末を用いることもできる。
以下に、磁性層において使用可能なコバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宣選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
前記強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用しても良い。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用される。特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。
前記強磁性粉末および後述する樹脂成分、硬化剤を、通常磁性層塗布液の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性層塗布液を調製することができる。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。なお、磁性層塗布液中には、上記成分以外に、α−Al23、Cr23等の研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている添加剤または充填剤を含むこともできる。
磁性層に使用されるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、平均粒子径は5〜300nm、好ましくは10〜250nm、更に好ましくは20〜200nmであることがそれぞれ好ましい。pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ccであることがそれぞれ好ましい。本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社製#2400B、#2300、#900、#1000#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50、40、15、RAVEN−MT−P、日本EC社製ケッチェンブラックEC等が挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを磁性層塗布液に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合は強磁性粉末に対する量の0.1〜30%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは上層磁性層、下層非磁性層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明において、磁性層に使用できるカーボンブラックは、例えば、「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
下層非磁性層、下層磁性層
次に本発明の磁気記録媒体が、非磁性支持体と磁性層との間に下層(非磁性層または磁性層)を有する場合の下層について説明する。非磁性支持体と磁性層との間に設けられる下層は、無機粉末と結合剤を含む層であることができる。下層に用いられる無機粉末は、磁性粉末、非磁性粉末を問わない。例えば非磁性粉末の場合、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特に好ましいものは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいものは二酸化チタンである。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmであることが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイス゛は0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100gであることが好ましく、より好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12であることが好ましく、より好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。
これらの非磁性粉末の表面には、表面処理によってAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいものはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であり、更に好ましいものはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
下層にカーボンブラックを混合させて公知の効果であるRsを下げることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。このためにはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/gであることが好ましく、より好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100gであることが好ましく、より好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの平均粒径は5〜80nmであることが好ましく、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlであることがそれぞれ好ましい。下層に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、3150B、3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
下層には、強磁性粉末を用いることもできる。強磁性粉末としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−Feを主成分とする合金、CrO2等を用いることができ、特に、Co変性γ−Fe23が好ましい。下層に用いられる強磁性粉末は、上層磁性層に用いられる強磁性粉末と同様な組成、性能のものが好ましい。ただし、目的に応じて、上下層で性能を変化させることができることは公知の通りである。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定することが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層のそれより高くする事が有効である。それ以外にも、公知の重層構成を採ることによる利点を付与させることができる。
結合剤
磁性層および下層(非磁性層または磁性層)の結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が挙げられる。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものを用いることができる。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用することができる。好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gとすることができ、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
磁性層および非磁性層に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310、F210などが挙げられる。
非磁性層、磁性層に用いられる結合剤は非磁性粉末または強磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いることができる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。磁性層、非磁性層において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、更に好ましくは30℃〜90℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)のものを用いることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体は二層以上から構成され得る。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、またはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、または先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ各層で変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
磁性層、非磁性層に用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つまたはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
研磨剤
磁性層および非磁性層に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜1.0μm、特に好ましくは0.05〜0.5μmの範囲である。特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるためには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/g、であることがそれぞれ好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT20、HIT−30、HIT−55、HIT60、HIT70、HIT80、HIT100、レイノルズ社製ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化学工業社製G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデン社製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
添加剤
磁性層および非磁性層には、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつ添加剤を使用することができる。具体的には、二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。
これらの具体例としては、脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2ーエチルヘキシルステアレート、2ーオクチルドデシルパルミテート、2ーヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、などが挙げられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量は、強磁性粉末または非磁性粉末に対し、0.1〜50質量%、好ましくは2〜25質量%の範囲とすることができる。
また、本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層塗布液および非磁性層塗布液製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはカレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。本発明は、公知の有機溶剤を使用することができ、例えば特開昭6−68453に号公報記載の溶剤を用いることができる。
非磁性支持体
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものを挙げることができる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行っても良い。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく、1μ以上の粗大突起がないことが好ましい。
層構成
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体の厚さは、例えば2〜100μm、好ましくは2〜80μmである。コンピューターテープの場合、非磁性支持体としては、3.0〜6.5μm(好ましくは、3.0〜6.0μm、更に好ましくは、4.0〜5.5μm)の範囲の厚さのものを使用することができる。
非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に密着性向上のための下塗層を設けてもかまわない。本下塗層厚みは、例えば0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。下塗層は、公知のものを用いることができる。また、磁性層側と反対側に設けられるバックコ−ト層の厚みは、例えば0.1〜4μm、好ましくは0.3〜2.0μmである。
磁性層の厚みは用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであり、好ましくは0.05〜1.00μm、より好ましくは0.07〜0.5μmである。
下層の厚みは通常、0.2〜5.0μm、好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好ましくは1.0〜2.5μmである。なお、下層が非磁性層の場合、この非磁性層は実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、または意図的に少量の磁性体を含んでも、本発明の効果を示すものであり、本発明と実質的に同一の構成と見なすことができることは言うまでもない。
製造方法
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に下層用の塗布液を塗布した後に、または同時に磁性層塗布液を塗布し、磁性層の乾燥後の層厚が好ましくは0.05〜1.00μm、より好ましくは0.07〜0.5μmになるように塗布し、下層の乾燥後の厚さが好ましくは0.5〜2.0μmとなるように、より好ましくは1.0〜1.5μmとなるように塗布する。更に、磁性層を設けた面とは反対側に、バックコート層塗布液を塗布、乾燥させてバックコート層を形成する。
各層用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した後に乾燥される。このようにして乾燥された後、通常塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用することができる。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、磁性層表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。例えば前述の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層に上記カレンダー処理を施すことにより、優れた平滑性を有する磁性層を形成することができる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲とし、線圧を980〜4900N/cmの範囲、好ましくは1960〜4412N/cmの範囲、特に好ましくは2940〜3930N/cmの範囲として作動させることによって行われることが好ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
また、本発明では、バックコート層の結合剤として前述のポリウレタン樹脂を用いることにより、バックコート層塗布液の分散性を高め、平滑性に優れたバックコート層を得ることができる。本発明の磁気記録媒体におけるバックコート層の中心線平均粗さは、例えば30nm以下、好ましくは25nm以下、更に好ましくは20nm以下である。その下限値は、例えば3nmである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中の「部」の表示は特に断らない限り「質量部」を示す。
ポリウレタン樹脂の合成
表1に示した組成のジオール、ポリオ−ルを還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にシクロヘキサノンに30質量%の溶液となるように窒素気流下60℃で溶解した。次いで触媒として、ジ−n−ブチルスズジラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。更に表1に示したジイソシアネートを加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂溶液A〜Hを得た。得られたポリウレタンの質量平均分子量およびガラス転移温度Tgを表1に示す。また、質量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(東ソー製HLC8020)を用い、テトラヒドロフラン溶媒流量1ml/minの条件で、標準ポリスチレン換算で求めた。
[実施例1(単層構成磁気記録媒体)]
磁性層塗布液
強磁性金属粉末 100部
(Co/Fe=30原子%、Hc:2350エルステッド(187kA/m)、SBET:55m2/g、表面処理層:Al23、SiO2、Y23、平均長軸長:50nm、平均針状比:7、σs:120A・m2/kg)
塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製) 12部
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部
ポリイソシアネート 5部
α−Al23 5部
モ−ス硬度9(平均粒子径:0.1μm)
カーボンブラック(平均粒子径:0.08μm) 0.5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 5部
メチルエチルケトン 90部
シクロヘキサノン 30部
トルエン 60部
上記の塗布液について、各成分をオープンニ−ダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にそれぞれにメチルエチルケトン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルタ−を用いて濾過し、磁性層塗布液を調製した。
次いで得られた磁性層塗布液を乾燥後の厚さが1.5μmになるように、リバースロールを用いて、予めコロナ処理を施して、ベース表面を親水性にしたポリアミド樹脂支持体上に塗布した。磁性層塗布液が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で0.5Tの磁力をもつコバルト磁石と0.4Tの磁力をもつソレノイドにより配向させ乾燥後、金属ロールとエポキシ樹脂ロールから構成される7段のカレンダで温度100℃にて分速200m/minで処理を行い、その後、予めコロナ処理を施した他方の支持体面に厚み0.3μmのバックコート層を下記バックコート層処方の塗布液を用いて塗布した。3.8mm幅にスリットしてデジタル記録用テ−プを作製した。
バックコート層処方
混練物(a)
カーボンブラック BP−800 キャボット製 100部
ニトロセルロース (旭化成製RS1/2) 30部
ポリウレタン樹脂 A 100部
分散剤 オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
沈降性硫酸バリウム 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
混練物(b)
カーボンブラック 100部
(SBET:8.5m2/g、平均粒径:270nm、DBP吸油量:36ml/100g、pH:10)
ポリウレタン樹脂 A 100部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 300部
上記混練物(a)をロールミルで予備混練した後、混練物(a)と混練物(b)とをサンドグラインダーで分散して、完成後、以下の成分を加えて、バックコート層用塗布液とした。
ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン300) 5部
ポリイソシアナート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 5部
[実施例2〜8]
バックコート層に使用するポリウレタン樹脂をB〜Gに変更した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。
[比較例1〜3]
バックコート層のポリウレタン樹脂をI〜Kに変更した以外は、実施例1と同様に試料を作製した。比較例3は、特開平4−188428の実施例記載のポリウレタンを使用した。
測定方法
(1)表面平滑性
走行安定性の評価として、バックコート層の表面突起密度の測定を行った。
走査プローブ顕微鏡(Digital Instrument社製Nanoscope II)を用い、トンネル電流10nA、バイアス電流400mVで30μm×30μmの範囲を走査して100nm以上の突起数を求めた比較例1を10としたときの相対値で示した。10以下であることが望ましい。
(2)バック層の摩擦係数:μ値の測定、ガイド棒の汚れ観察
4mmφのSUS420Jのバック層面を接触させるように180度の角度でテープを渡し、荷重20g、秒速14mmの条件で摺動させて、下記オイラーの式に基づいてバック層の摩擦係数を求めた。
μ=(1/π)ln(T2/T1)
[T2:摺動抵抗値(g)、T1:荷重]
測定は、繰り返し500パスまで行い、10パス目と500パス目の摩擦係数を求めた。摩擦係数は0.20以下であることが望ましい。
また、測定後のガイド棒の汚れを微分干渉光学顕微鏡で観察し、以下の評価基準で評価した。
良好:汚れが全くみられない。
不良:汚れがある。
(3)電磁変換特性
DDS3ドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を最適記録電流で記録し、その再生出力を測定した。比較例1の再生出力を0dBとした相対値で示した。

以上の結果を、表2に示す。
[実施例9(重層構成磁気記録媒体)]
下層(非磁性層)塗布液
非磁性無機粉末 α−Fe23:ヘマタイト 80部
(平均長軸長:0.10μm、SBET:52m2/g、pH:6、タップ密度:0.8、DBP吸油量:27〜38ml/100g、表面処理層:Al23、SiO2
カーボンブラック 20部
(平均粒子径:16nm、DBP吸油量:80ml/100g、pH:8.0、SBET:250m2/g、揮発分:1.5%)
塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製) 17部
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部
ポリイソシアネート 5部
α−Al23(平均粒子径:0.2μm) 5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
上記の塗布液について、各成分を20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層塗布液を調製した。次いで接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ10μmのアラミド支持体の表面に塗布した。次いで、その上に得られた下層塗布液を塗布し、さらにその直後に上層磁性層塗布液を表3に示す上層および下層の乾燥後の厚さとなるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。上層用磁性層塗布液は実施例1と同様のものを用いた。
磁性層塗布液が塗布された非磁性支持体を、磁性層塗布液が未乾燥の状態で0.5Tのコバルト磁石と0.4Tのソレノイド磁石で磁場配向を行った後に金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を、速度100m/min、線圧294.2kN/m、温度90℃で行った。その後、予めコロナ処理を施した他方の支持体面に厚み0.3μmのバックコート層を単層媒体と同様にポリウレタン樹脂の種類のみを変更した塗布液を用いて塗布した。3.8mm幅にスリットしてデジタル記録用テ−プを作製、実施例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例10〜11、比較例4〜6]
バックコート層のポリウレタンを表3に示したポリウレタンに変更した以外は実施例9と同様の方法で、実施例10〜11および比較例4〜6の試料を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2007141304
Figure 2007141304
Figure 2007141304
評価結果
質量平均分子量500以下の脂環族多環式構造またはスピロ構造を有するジオールを鎖延長剤として用いて得られたポリウレタン樹脂をバックコート層の結合剤として使用した実施例1〜11の磁気テープは、高いバックコート層平滑性を有していた。また、前記ポリウレタン樹脂は、繰り返し走行後の摩擦係数の変化およびガイド棒汚れが少なく、高い走行安定性および走行耐久性を有していた。これは、バックコート層の分散性が高いことに加え、結合剤に含まれる脂環族多環式構造またはスピロ構造の作用により、塗膜強度が高まり、繰り返し摺動での塗膜の塑性変形を抑制されたことに起因するものと考えられる。また、実施例1〜11の磁気テープは、再生出力が高く、良好な電磁変換特性を有していた。これは、バックコート層が平滑であるため、バックコート層の表面性が磁性層表面に転写されることが抑制されたことに起因すると考えられる。
それに対し、バックコート層の結合剤として、上記環状構造を含まないポリウレタン樹脂を使用した比較例2、5は、バックコート層の平滑性に劣り、繰り返し走行後のガイド汚れが顕著であり、再生出力も低下した。また、比較例2、5では、繰り返し走行により磁気テープのハリツキが発生し、走行不能となった。
また、バックコート層の結合剤として、ポリオール成分に上記環状構造を含むポリウレタン樹脂を用いた比較例1、3、比較例4、6は、バックコート層の平滑性に劣り、繰り返し走行前後の摩擦係数変化およびガイド汚れが顕著であり、再生出力も低下した。
以上の結果から、バックコート層の結合剤として、質量平均分子量500以下の脂環族多環式構造またはスピロ構造を有するジオールを鎖延長剤として用いて得られたポリウレタン樹脂を用いることにより、高い走行安定性、走行耐久性、電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得ることができることがわかる。
本発明の磁気記録媒体は、高密度記録再生システムにおいて好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 非磁性支持体の一方の面に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、他方の面にカーボンブラックおよび結合剤を含むバックコート層を有する磁気記録媒体であって、
    前記バックコート層に含まれる結合剤は、ポリオール成分と有機ジイソシアネートと鎖延長剤を重合させることによって得られたポリウレタン樹脂を含み、
    前記鎖延長剤は、質量平均分子量500以下の脂環族多環式構造またはスピロ構造を有するジオールであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記鎖延長剤は、下記式(1)〜(3)からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を含む、請求項1に記載の磁気記録媒体。
    Figure 2007141304
  3. 前記ポリウレタン樹脂は、脂環族多環式構造またはスピロ構造を0.1〜5.5mmol/g含む、請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記ポリオール成分は、脂環族多環式構造およびスピロ構造を有さない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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