JP2002304716A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2002304716A
JP2002304716A JP2001107226A JP2001107226A JP2002304716A JP 2002304716 A JP2002304716 A JP 2002304716A JP 2001107226 A JP2001107226 A JP 2001107226A JP 2001107226 A JP2001107226 A JP 2001107226A JP 2002304716 A JP2002304716 A JP 2002304716A
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JP2001107226A
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Nobuo Yamazaki
信夫 山崎
Shinji Saito
真二 斉藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁変換特性、特に高密度記録特性が格段に改
良され、耐久性能が実用上充分な高密度記録用磁気記録
媒体を提供すること。 【解決手段】支持体上に実質的に非磁性である下層と六
方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層
をこの順に設けた磁気記録媒体において、磁性層中の磁
気的空隙率が15〜30体積%であり、前記磁性層厚み
変動率が30%以下であり、かつ磁性層表面の中心面平
均表面粗さRaが0.5〜4nmである磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布型の高記録密度
の磁気記録媒体に関する。特に磁性層と実質的に非磁性
の下層を有し、最上層に六方晶系フェライト微粉末を含
む高密度記録用の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクの分野において扱うデータ
容量が急激に増加している今日、フロッピー(登録商
標)ディスクの大容量化が望まれている。また磁気テー
プの分野においても近年、ミニコンピューター、パーソ
ナルコンピューター、ワークステーションなどのオフィ
スコンピューターの普及に伴って、外部記憶媒体として
コンピューターデータを記録するための磁気テープ(い
わゆるバックアップテープ)の研究が盛んに行われてい
る。このような用途の磁気テープの実用化に際しては、
とくにコンピューターの小型化、情報処理能力の増大と
相まって、記録の大容量化、小型化を達成するために、
記録容量の向上が強く要求される。
【0003】従来、電磁誘導を動作原理とする磁気ヘッ
ド(誘導型磁気ヘッド)が用いられ普及している。だが
更に高密度記録再生領域で使用するには限界が見え始め
ている。すなわち、大きな再生出力を得るためには再生
ヘッドのコイル巻数を多くする必要があるがインダクタ
ンスが増加し高周波での抵抗が増加し結果として再生出
力が低下する問題があった。近年MR(磁気抵抗)を動
作原理とする再生ヘッドが提案され、ハードデイスク等
で使用され始めている。MRヘッドは誘導型磁気ヘッド
に比較して数倍の再生出力が得られ、かつ誘導コイルを
用いないため、インピーダンスノイズ゛等の機器ノイズ
が大幅に低下し、磁気記録媒体のノイズを下げることで
大きなSN比を得ることが可能になってきた。換言すれ
ば従来機器ノイズに隠れていた磁気記録媒体ノイズを小
さくすれば良好な記録再生が行え、高密度記録特性が飛
躍的に向上できることになる。従来から使用されている
生産性に優れ、低価格で提供できる塗布型磁気記録媒体
とMRヘッドを組み合わせた場合にも、ノイズの低い高
密度特性に優れる磁気記録媒体が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電磁変換特
性、特に高密度記録特性が格段に改良され、耐久性能が
実用上充分な高密度記録用磁気記録媒体を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高密度記録
領域での電磁変換特性と耐久性が良好な磁気記録媒体を
得るために鋭意検討した結果、以下のような媒体とする
ことで、本発明の目的である優れた高密度記録特性が得
られることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0006】即ち、本発明は以下の通りである。 (1)支持体上に実質的に非磁性である下層と六方晶系
フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの
順に設けた磁気記録媒体において、磁性層中の磁気的空
隙が15〜30体積%であり、前記磁性層厚み変動率が
30%以下である磁性層表面粗さRaが0.5〜4nm
である磁気記録媒体。 (2)MRヘッド再生用である上記磁気記録媒体。 (3)前記磁性層の磁化反転体積が3×10-18〜15
×10-18mlである上記磁気記録媒体。 (4)前記磁性層中の磁性体粉末の充填密度が2.5〜
3.0g/mlである上記磁気記録媒体 (5)前記磁気記録媒体が磁気テープである上記磁気記
録媒体。 (6)前記磁気記録媒体が磁気ディスクである上記磁気
記録媒体。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は上記構成とすること、特
に磁気的空隙率及び磁性層厚み変動率を特定範囲とする
ことにより従来の技術では得ることができなかった優れ
た高密度記録領域でのSN比が格段に改良された磁気記
録媒体が得られることを見いだしたものである。
【0008】ところで、本発明者は高密度記録を達成す
るためには出力向上よりノイズ低減の方が効果が大き
く、改善余地も多いと考えた。塗布型磁気記録媒体のノ
イズには多くの要因がある。磁性体の大きさ、磁性層の
欠陥(表面凹凸、空隙、磁性体凝集、磁性層と下層の界
面乱れ、磁性層厚み変動更に各種物理特性の分布)等で
ある。これらの要因とノイズへの寄与の大きさを見積も
った結果、磁性層中に添加する非磁性粉体が空隙、磁性
層厚み変動、表面凹凸等に大きく影響を及ぼしているこ
とをつきとめた。
【0009】磁気的空隙は溶剤中に分散された六方晶系
フェライト粉末(以下、単に磁性体ともいう)、カーボ
ンブラックや研磨剤等の非磁性粉体等を含む塗料を塗布
・乾燥する際に発生する磁性層中の空気穴に加えて、非
磁性粉体自体も磁気的な空隙となりノイズの原因とな
る。磁性体・非磁性粉体を塗膜とするに必要な結合剤樹
脂は塗布型磁性層に必須であり、かつ樹脂中に均一に磁
性体が分散された状態はノイズへの影響が少なく磁気的
空隙から除外する。即ち、磁気的空隙率とは、以下によ
り算出される値を言う。磁気記録媒体の超薄切片を作成
し透過型電子顕微鏡写真を作成し、5nmおきに磁性層
の厚みを2000点測定する。この磁性層厚み平均値d
と媒体飽和磁化から最大磁束密度Bmを計算し、媒体処
方の固形分体積と、処方内磁性体量と磁性体σsから計
算される空隙が0の場合のBmとの差を空隙率として求
める。この空隙率に処方のカーボンブラックと研磨剤の
空隙率を加えて磁気的空隙とする。 磁気的空隙率={(P+V1)/(V0+P)}×10
0[%] 空隙体積P=(M・σs・4π/V0−Bm)V0/B
m V0:処方の固形分体積ml、V1:カーボン+研磨剤
の体積ml M:処方磁性体量g、σs:磁性体飽和磁化 Bm:最大磁束密度(ガウス) 本発明では特に磁気的空隙率を15〜30体積%とする
ことが好ましい。
【0010】また、本発明は磁性層厚み変動率を30%
以下に制御したものである。上記磁気的空隙率と磁性層
厚み変動率をコントロールすることにより、一方のみの
改善では得られないノイズ改善への相乗効果を示すこと
が分かった。磁性層厚み変動率は上記磁気的空隙率算出
に用いる超薄切片の2000点の磁性層厚みの標準偏差
を磁性層厚みの平均値で除して100倍した値である。
磁性層厚み変動率は30%以下に制御するが、小さけれ
ば小さい程好ましく、20%以下が更に好ましい。
【0011】本発明の磁気記録媒体は、磁性層の中心面
平均表面粗さRaを0.5〜4nm、好ましくは3nm
以下とする。5nm以上ではメデイアとヘッドのスペー
シングが大きくなり、出力が低く、ノイズが高くなり、
本発明の磁気記録媒体が有する媒体性能を発揮出来な
い。RaはWYKO社製TOPO3Dを用いて、約25
0μm×250μmの面積のRa値を測定し、測定波長
約650nmにて球面補正、円筒補正を加えて得られ
る。本装置は光干渉にて測定する非接触表面粗さ計であ
る。
【0012】本発明において、上記特性値を得るための
手段としては、研磨剤あるいはカーボンブラックの選
定、塗布液の調整、塗布法の選択、塗布・乾燥条件の選
定、カレンダー処理条件の選定などが挙げられる。
【0013】また、本発明の磁気記録媒体は、磁性層の
磁化反転体積が3×10-18〜15×10-18mlである
ことが好ましい。3×10-18mlより小さいと、熱ゆ
らぎによる記録磁化の保持が困難になり、15×10
-18mlより大きいとMRヘッドを用いてもノイズの影
響が大きく高密度記録に向かない。磁化反転体積は、V
SM(東英工業社製)を用いて抗磁力Hc測定部の磁場
スイープ速度を5分と30分で測定し、以下の熱揺らぎ
によるHcと磁化反転体積の関係式から計算して得られ
る値である。 Hc=2K/Ms{1−[(kT/KV)ln(At/
0.693)]1/2} K:異方性定数 Ms:飽和磁化 k:ボルツマン定数 T:絶対温度 V:磁化反転体積 A:スピン歳差周波数 t:磁界反転時間
【0014】本発明の磁気記録媒体は、磁性層中の磁性
体粉末の充填密度が2.5〜3.0g/mlであること
が好ましい。2.5g/mlより小さいと、出力が低く
なると共に記録したBit当りの粒子数が少なくなるた
めノイズが大きくなる傾向があり、3.0g/mlより
大きいと塗布膜としてもろくなり耐久性能を確保し難く
なる傾向がある。磁性体粉末の充填密度(PD)は媒体
飽和磁化Bと磁性体の飽和磁化σsより計算される。 PD=B/4πσs[g/ml]
【0015】次に本発明の磁気記録媒体について詳述す
る。 [磁性層]本発明の磁気記録媒体は、六方晶系フェライ
ト粉末を有する磁性層を支持体の片面だけでも、両面に
設けても良い。その片側に設けられている磁性層は単層
でも互いに組成の異なる複層でもよい。また、本発明は
支持体と磁性層の間に実質的に非磁性である下層(非磁
性層または下層ともいう)を設ける。磁性層を上層また
は上層磁性層ともいう。上層は下層を同時または逐次塗
布後、下層が湿潤状態の内に設けるウェット・オン・ウ
ェット(W/W)でも、下層が乾燥した後に設けるウェ
ット・オン・ドライ(W/D)にでも形成できる。生産
得率の点からW/Wが好ましが、デイスクの場合は乾燥
後塗布も十分使用できる。W/Wでは上層/下層が同時
に形成できるため、カレンダー工程などの表面処理工程
を有効に活用でき、薄層でも上層磁性層の表面粗さを良
化できる。 [六方晶系フェライト粉末]本発明の磁性層に含まれる
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロン
チウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライ
トの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネ
トプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチ
ウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネ
トプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含
有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及
びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定
の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V,Cr、
Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag、Sn、Sb、T
e、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、
La、Ce、Pr、Nd、P,Co,Mn,Zn、N
i、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわ
ない。一般にはCo−Zn、Co−Ti,Co−Ti−
Zr、Co−Ti−Zn,Ni−Ti−Zn,Nb−Z
n−Co、SbーZn−Co、Nb−Zn等の元素を添
加した物を使用することができる。原料・製法によって
は特有の不純物を含有するものもある。
【0016】本発明に用いる六方晶系フェライト粉末の
平均板径は、記録密度によって異なるが、通常、10〜
50nm、好ましくは10〜40nmであり、特に好ま
しくは10〜35nmである。ここで板径とは六方晶系
フェライト磁性粉の六角柱底面の六角径の最大径を意味
し、平均板径とはその算術平均である。特にトラック密
度を上げるため、磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低
ノイズにする必要があり、板径は35nm以下が好まし
いが、10nmより小さいと熱揺らぎのため安定な磁化
が望めない。50nm超ではノイズが高く、いずれも高
密度磁気記録には向かない。板状比(板径/板厚)は1
〜15が望ましい。好ましくは1〜7である。板状比が
小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、十分
な配向性が得られない。15より大きいと粒子間のスタ
ッキングによりノイズが大きくなる。この粒子サイズ範
囲のBET法による比表面積は30〜200m2/gを示
す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と
符号する。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好まし
い。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒
子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布
ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標
準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0であ
る。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応
系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布
改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中
で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られてい
る。磁性体で測定される抗磁力Hcは500Oe〜50
00Oe(≒40〜400kA/m)程度まで作成でき
る。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘ
ッドの能力で制限される。Hcは粒子サイズ(板径・板
厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生
成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは30〜
80A・m2/kgである。微粒子になるほど小さくな
る傾向がある。製法では結晶化温度、または熱処理温度
時間を小さくする方法、添加する化合物を増量する、表
面処理量を多くする方法等がある。またW型六方晶フェ
ライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際
に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処
理することも行われている。表面処理材は無機化合物、
有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、A
l、P、等の酸化物または水酸化物、各種シランカップ
リング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。
量は磁性体に対して0.1〜10%である。磁性体のp
Hも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポ
リマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保
存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる
水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値
があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。六方晶フ
ェライトの製法としては、酸化バリウム・酸化鉄・鉄
を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ
素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶
融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した
後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得ガ
ラス結晶化法、バリウムフェライト組成金属塩溶液を
アルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上
で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェラ
イト結晶粉体を得る水熱反応法、バリウムフェライト
組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去し
た後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウム
フェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は
製法を選ばない。
【0017】[下層]次に下層に関する詳細な内容につ
いて説明する。下層としては非磁性無機粉末と結合剤を
主体とするものが好ましい。下層に用いられる非磁性無
機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金
属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の
無機質化合物から選択することができる。無機化合物と
しては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−ア
ルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲ
ータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、
酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウ
ム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ
素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組み合わ
せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小さ
さ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましい
のは二酸化チタン、α酸化鉄である。これら非磁性無機
粉末の平均粒子径は0.005〜2μmが好ましいが、
必要に応じて平均粒子径の異なる非磁性無機粉末を組み
合わせたり、単独の非磁性無機粉末でも粒径分布を広く
して同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ま
しいのは非磁性無機粉末の平均粒子径は0.01μm〜
0.2μmである。特に、非磁性無機粉末が粒状金属酸
化物である場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ま
しく、針状金属酸化物である場合は、平均長軸長が0.
3μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好まし
い。タップ密度は通常、0.05〜2g/ml、好まし
くは0.2〜1.5g/mlである。非磁性無機粉末の
含水率は通常、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜
3質量%、更に好ましくは0.3〜1.5質量%であ
る。非磁性無機粉末のpHは通常、2〜11であるが、
pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性無機粉
末のSBETは通常、1〜100m2/g、好ましくは5〜
80m2/g、更に好ましくは10〜70m2/gであ
る。非磁性無機粉末の結晶子サイズは0.004μm〜
1μmが好ましく、0.04μm〜0.1μmが更に好
ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量
は通常、5〜100ml/100g、好ましくは10〜
80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/
100gである。比重は通常、1〜12、好ましくは3
〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいず
れでも良い。モース硬度は4以上、10以下のものが好
ましい。非磁性無機粉末のSA(ステアリン酸)吸着量
は1〜20μmol/m2、好ましくは2〜15μmo
l/m2、さらに好ましくは3〜8μmol/m2であ
る。pHは3〜6の間にあることが好ましい。これらの
非磁性無機粉末の表面には表面処理によりAl23、S
iO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、Zn
O、Y23が存在するが好ましい。特に分散性に好まし
いのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2である
が、更に好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2であ
る。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用
いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面
処理層を用いても良いし、先ずアルミナを存在させた後
にその表層をシリカを存在させる方法、またはその逆の
方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応
じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が
一般には好ましい。本発明の下層に用いられる非磁性粉
末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友
化学製HIT−100,ZA−G1、戸田工業社製αヘ
マタイトDPN−250,DPN−250BX,DPN
−245,DPN−270BX,DPN−500BX、
DBN−SA1,DBN−SA3、石原産業製酸化チタ
ンTTO−51B,TTO−55A,TTO−55B,
TTO−55C,TTO−55S,TTO−55D,S
N−100、αヘマタイトE270,E271,E30
0,E303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D,
STT−30D,STT−30,STT−65C、αヘ
マタイトα−40、テイカ製MT−100S,MT−1
00T,MT−150W,MT−500B,MT−60
0B,MT−100F,MT−500HD、堺化学製F
INEX−25,BF−1,BF−10,BF−20,
ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y,DEFIC−
R、日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25、宇
部興産製100A,500A、及びそれを焼成したもの
が挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタン
とα−酸化鉄である。
【0018】下層にカーボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率
を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビ
ッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボン
ブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらす
ことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用フ
ァーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチ
レンブラック、等を用いることができる。下層のカーボ
ンブラックは所望する効果によって、以下のような特性
を最適化すべきであり、併用することでより効果が得ら
れることがある。
【0019】下層のカーボンブラックのSBETは通常、
100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2
/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好
ましくは30〜400ml/100gである。カーボン
ブラックの平均粒子径は通常、5nm〜80nm、好ま
しくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40n
mである。平均粒子径が80nmより大きいカーボンブ
ラックを少量含んでもかまわない。カーボンブラックの
pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度
は0.1〜1g/mlが好ましい。本発明に用いられる
カ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製
BLACKPEARLS 2000,1300,10
00,900,800,880,700、VULCAN
XC−72、三菱化成工業社製 #3050B,#3
150B,#3250B,#3750B,#3950
B,#950,#650B,#970B,#850B,
MA−600,MA−230,#4000,#401
0、コンロンビアカ−ボン社製CONDUCTEX S
C、RAVEN 8800,8000,7000,57
50,5250,3500,2100,2000,18
00,1500,1255,1250、アクゾー社製ケ
ッチェンブラックECなどがあげられる。カ−ボンブラ
ックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化
して使用しても、表面の一部をグラファイト化したもの
を使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを塗
料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわ
ない。これらのカーボンブラックは上記非磁性無機粉末
(カーボンブラックは包含しない)に対して50質量%
を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範
囲で使用できる。これらのカ−ボンブラックは単独、ま
たは組合せで使用することができる。本発明で使用でき
るカ−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」
(カ−ボンブラック協会編)を参考にすることができ
る。
【0020】また下層には有機質粉末を目的に応じて、
添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹
脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号、特開昭60−255827号に記され
ているようなものが使用できる。
【0021】下層あるいは後述のバック層の結合剤樹
脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は
以下に記載する磁性層のそれが適用できる。特に、結合
剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関し
ては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0022】[結合剤]本発明に使用される結合剤とし
ては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹
脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂として
は、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子
量が1,000〜200,000、好ましくは10,0
00〜100,000、重合度が約50〜1000程度
のものである。このような例としては、塩化ビニル、酢
酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル
酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニル
アセタール、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む
重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリ
オールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの
樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブ
ック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬
化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの
例とその製造方法については特開昭62−256219
に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組み
合わせて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸
ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニ
ル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1
種とポリウレタン樹脂の組み合わせ、またはこれらにポ
リイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
【0023】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COO
M,−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−
O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、ま
たはアルカリ金属塩基)、−NR2、−N+3(Rは炭
化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN、などから選
ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付
加反応で導入したものを用いることが好ましい。このよ
うな極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ま
しくは10-2〜10-6モル/gである。これら極性基以
外にポリウレタン分子末端に少なくとも1個ずつ、合計
2個以上のOH基を有することが好ましい。OH基は硬
化剤であるポリイソシアネートと架橋して3次元の網状
構造を形成するので、分子中に多数含むほど好ましい。
特にOH基は分子末端にある方が硬化剤との反応性が高
いので好ましい。ポリウレタンは分子末端にOH基を3
個以上有することが好ましく、4個以上有することが特
に好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる場
合はガラス転移温度が通常、−50〜150℃、好まし
くは0℃〜100℃、特に好ましくは30〜100℃、
破断伸びが100〜2000%、破断応力は通常、0.
05〜10Kg/mm2(≒0.49〜98MPa)、
降伏点は0.05〜10Kg/mm2(≒0.49〜9
8MPa)が好ましい。このような物性を有することに
より、良好な機械的特性を有する塗膜が得られる。
【0024】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としては塩化ビニル系共重合体としてユニオンカ
−バイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAG
F、VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMC
C,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKH
C,PKFE,日信化学工業社製、MPR−TA、MP
R−TA5,MPR−TAL,MPR−TSN,MPR
−TMF,MPR−TS、MPR−TM、MPR−TA
O、電気化学社製1000W、DX80,DX81,D
X82,DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−
104、MR−105、MR110、MR100、MR
555、400X−110A、ポリウレタン樹脂として
日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N230
2、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5
105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD
−400、D−210−80、クリスボン6109,7
209,東洋紡社製バイロンUR8200,UR830
0、UR−8700、RV530,RV280、大日精
化社製ポリカ−ボネートポリウレタン、ダイフェラミン
4020,5020,5100,5300,9020,
9022、7020,三菱化成社製ポリウレタン、MX
5004,三洋化成社製ポリウレタン、サンプレンSP
−150、旭化成社製ポリウレタン、サランF310,
F210などが挙げられる。
【0025】非磁性層に用いられる結合剤は非磁性無機
粉末に対し、また磁性層に用いられる結合剤は六方晶系
フェライト粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好まし
くは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル
系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹
脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネート
は2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いる
ことが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド
腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレ
タンとイソシアネートのみを使用することも可能であ
る。
【0026】本発明の磁気記録媒体は二層以上からな
る。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるい
はそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子
量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性など
を必要に応じ各層とで変えることはもちろん可能であ
り、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関
する公知技術を適用できる。例えば、各層でバインダー
量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには
磁性層のバインダー量を増量することが有効であり、ヘ
ッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁
性層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせることが
できる。
【0027】本発明に用いられるポリイソシアネートと
しては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、
これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成
物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポ
リイソシアネート等が挙げられる。これらのイソシアネ
ート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレ
タン社製、コロネートL、コロネートHL,コロネート
2030、コロネート2031、ミリオネートMR,ミ
リオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD−10
2,タケネートD−110N、タケネートD−200、
タケネートD−202、住友バイエル社製、デスモジュ
ールL,デスモジュールIL、デスモジュールN,デス
モジュールHL,等がありこれらを単独または硬化反応
性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合わせで
各層とも用いることができる。
【0028】[カーボンブラック、研磨剤]本発明の磁
性層に使用されるカーボンブラックはゴム用ファーネ
ス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブ
ラック、等を用いることができる。S BETは5〜500
2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100
g、平均粒子径は5nm〜300nm、pHは2〜1
0、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1
g/cc、が好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブ
ラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLAC
KPEARLS 2000、1300、1000、90
0、905、800,700、VULCAN XC−7
2、旭カ−ボン社製、#80、#60,#55、#5
0、#35、三菱化成工業社製、#2400B、#23
00、#900,#1000#30,#40、#10
B、コロンビアンカ−ボン社製、CONDUCTEX
SC、RAVEN 150、50,40,15、RAV
EN−MT−P、日本EC社製、ケッチェンブラックE
C、などがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤など
で表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、
表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかま
わない。また、カ−ボンブラックを磁性塗料に添加する
前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これら
のカ−ボンブラックは単独、または組合せで使用するこ
とができる。カ−ボンブラックを使用する場合は磁性体
に対する量の0.1〜30%でもちいることが好まし
い。カ−ボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低
減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これら
は用いるカ−ボンブラックにより異なる。従って本発明
に使用されるこれらのカ−ボンブラックは上層磁性層、
下層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油
量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的
に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ
各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用
できるカ−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便
覧」(カ−ボンブラック協会編)、WO98/3534
5に記載のものを参考にすることができる。
【0029】本発明は研磨剤を磁性層等に用いることが
好ましい。本発明では、ダイアモンド微粉を用いること
が好ましい。ダイアモンド微粉は平均粒子径0.01〜
0.5μmが好ましく、0.05〜0.25μmが更に
好ましい。平均粒子径が0.01μm未満では添加量に
対する耐久性向上効果が低くなる傾向がある。0.5μ
m超では耐久性は優れるもののノイズが高くなる傾向が
ある。また好ましくは平均粒子径の200%以上の粒子
が全粒子の5%以下であり、平均粒子径の50%以下の
粒子が20%以下である。ダイアモンド微粉はその粒度
分布も耐久性とノイズに影響する。粒度分布が広いと設
定した平均粒子径に相当する効果がずれる。また極端に
粒度分布の狭いものはダイアモンド微粉の価格が高くな
り汎用製品としての商品価値が低くなる。ダイアモンド
の添加量は磁性体に対して0.01〜5.0質量%が好
ましい。0.01質量%未満では耐久性の確保が困難に
なる。5.0質量%超ではダイアモンドを添加のノイズ
低減効果が少なくなる。ノイズの観点からダイアモンド
添加量は少ない方が好ましいが磁気記録再生装置にあっ
た添加量、平均粒子径を選択する必要がある。
【0030】ダイアモンドは従来使用されているアルミ
ナ研磨剤等と併用することもできる。耐久性とSN比の
ポテンシャルは少量のダイアモンド粉末のみの方が良好
だが、コスト他の理由でアルミナを磁性体に対して1〜
30質量%加えることも可能である。この場合もダイア
モンドを含むためにアルミナ単体で耐久性確保に必要な
添加量よりかなり減量する方がノイズの観点から好まし
い。
【0031】本発明に用いられるダイアモンドとして
は、天然ダイアモンドは高価であり通常人工ダイアモン
ドが使用される。ダイアモンドの製法としては黒鉛と
鉄、Co、Ni等を介し高温高圧下で生成する方法、黒
鉛またはフラン樹脂炭素を高温高圧下で反応させる静的
合成法と呼ばれるものの他動的合成法、気相合成法等が
ある。本発明はダイアモンドの製法を選ばない。工業的
には切削、研磨として使用したダイアモンドを不純物を
弁別洗浄したものを用い、2次使用することも可能であ
る。本発明はダイアモンド粒子の分布が上記範囲である
ことが好ましい。ダイアモンド粒子を分級する方法とし
ては分散液から遠心力を用いる方法、特殊なメッシュフ
ィルターを用いる方法等がある。
【0032】ダイアモンド微粉は、上述したように他の
研磨剤を組み合わすこともできる。他の研磨剤としては
上記アルミナ研磨剤、例えば、α化率90%以上のα−
アルミナ、β−アルミナ、その他、炭化ケイ素、酸化ク
ロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、炭化珪素チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪
素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公知
の材料が単独または組合せで使用される。また、これら
の研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処
理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主
成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主
成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら
研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましく、特
に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い
方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じ
て粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の
研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせるこ
とも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含
水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜
30m2/g、が好ましい。本発明に用いられる研磨剤
の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良い
が、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好まし
い。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−1
5、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HI
T20、HIT−30、HIT−55、HIT60、H
IT70、HIT80、HIT100、レイノルズ社
製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、
不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社製、U
B20、日本化学工業社製、G−5、クロメックスU
2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF100、T
F140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファ
イン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。これら
の研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもでき
る。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、
研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これ
ら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろ
ん最適値に設定すべきものである。
【0033】[添加剤]本発明の磁性層と非磁性層に使
用される、添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分
散効果、可塑効果、などをもつものが使用され、組み合
わせることにより総合的な性能向上が図れる。潤滑効果
を示すものとしては物質の表面同士の摩擦の際、生じる
凝着を著しく作用を示す潤滑剤が使用される。潤滑剤に
は2つの型のものがある。磁気記録媒体に使用される潤
滑剤は完全に流体潤滑か境界潤滑であるか判定すること
はできないが、一般的概念で分類すれば流体潤滑を示す
高級脂肪酸エステル、流動パラフィン、シリコン誘導体
などや境界潤滑を示す長鎖脂肪酸、フッ素系界面活性
剤、含フッ素系高分子などに分類される。塗布型媒体で
は潤滑剤は結合剤に溶解した状態また一部は六方晶系フ
ェライト粉末表面に吸着した状態で存在するものであ
り、磁性層表面に潤滑剤が移行してくるが、その移行速
度は結合剤と潤滑剤との相溶性の良否によって決まる。
結合剤と潤滑剤との相溶性が高いときは移行速度が小さ
く、相溶性の低いときには早くなる。相溶性の良否に対
する一つの考え方として両者の溶解パラメ−タ−の比較
がある。流体潤滑には非極性潤滑剤が有効であり、境界
潤滑には極性潤滑剤が有効である。
【0034】本発明においてはこれら特性の異なる流体
潤滑を示す高級脂肪酸エステルと境界潤滑を示す長鎖脂
肪酸とを組み合わせることが好ましく、少なくとも3種
組み合わせることが更に好ましい。これらに組み合わせ
て固体潤滑剤を使用することもできる。固体潤滑剤とし
ては例えば二硫化モリブデン、二硫化タングステングラ
ファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛などが使用される。
境界潤滑を示す長鎖脂肪酸としては、炭素数10〜24
の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていてもかまわない)、および、これらの金属塩(L
i、Na、K、Cuなど)が挙げられる。フッ素系界面
活性剤、含フッ素系高分子としてはフッ素含有シリコ−
ン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、フッ
素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩
などが挙げられる。流体潤滑を示す高級脂肪酸エステル
としては、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和
結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭
素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価ア
ルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また
分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エス
テルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステ
ル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエ−テル
の脂肪酸エステルなどが挙げられる。また流動パラフィ
ン、そしてシリコン誘導体としてジアルキルポリシロキ
サン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリ
シロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアル
キルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数
1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポ
リシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキ
ルは炭素数1〜5個)などのシリコ−ンオイル、極性基
をもつシリコ−ン、脂肪酸変性シリコ−ン、フッ素含有
シリコ−ンなどが挙げられる。
【0035】その他の潤滑剤として炭素数12〜22の
一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽
和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、
炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合
を含んでも、また分岐していてもかまわない)、フッ素
含有アルコールなどのアルコール、ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレング
リコール、ポリエチレンオキシドワックスなどのポリグ
リコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金
属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、ポリフェニルエ−テル、炭素数8〜22の脂肪酸ア
ミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが挙げられ
る。
【0036】帯電防止効果、分散効果、可塑効果などを
示すものとしてフェニルホスホン酸、具体的には日産化
学(株)社の「PPA」など、αナフチル燐酸、フェニ
ル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン
酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有
アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、など
が使用できる。
【0037】本発明において使用される潤滑剤は特に脂
肪酸と脂肪酸エステルが好ましく、具体的にはWO98
/35345に記載のものが挙げられる。これらに加え
て別異の潤滑剤、添加剤も組み合わせて使用することが
できる。
【0038】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフ
ォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、など
の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミ
ノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エ
ステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等
も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面
活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載さ
れている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも1
00%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、
副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さら
に好ましくは10%以下である。本発明は脂肪酸エステ
ルとしてWO98/35345に記載のようにモノエス
テルとジエステルを組み合わせて使用することも好まし
い。
【0039】本発明の磁気記録媒体、特にディスク状磁
気記録媒体の磁性層表面のオージェ電子分光法によるC
/Feピーク比は、好ましくは5〜100、特に好まし
くは5〜80である。オージェ電子分光法の測定条件
は、以下の通りである。 装置:Φ社製PHI−660型 測定条件:1次電子線加速電圧3KV 試料電流130nA 倍率250倍 傾斜角度30° 上記条件で、運動エネルギ−(KineticEner
gy)130〜730eVの範囲を3回積算し、炭素の
KLLピークと鉄のLMMピークの強度を微分形で求
め、C/Feの比をとることで求める。
【0040】一方、本発明の磁気記録媒体の上層及び下
層の各層に含まれる潤滑剤量は、それぞれ六方晶系フェ
ライト粉末又は非磁性無機粉末100質量部に対し5〜
30質量部が好ましい。
【0041】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、
その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併
用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。
非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への
滲み出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステ
ル類を用い表面への滲み出しを制御する、界面活性剤量
を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の
添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させるなど考
えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。一般には潤滑剤の総量として六方晶系フェライト粉
末または非磁性粉末に対し、0.1質量%〜50質量
%、好ましくは2〜25質量%の範囲で選択される。
【0042】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料および非磁性塗料製造のどの
工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁
性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練
工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後
に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐
次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することによ
り目的が達成される場合がある。また、目的によっては
カレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面
に潤滑剤を塗布することもできる。本発明で用いられる
有機溶剤は公知のものが使用でき、例えば特開昭6−6
8453に記載の溶剤を用いることができる。
【0043】[層構成]本発明の磁気記録媒体の厚み構
成は支持体が通常、2〜100μm、好ましくは2〜8
0μmである。コンピューターテープの支持体は、3.
0〜6.5μm(好ましくは、3.0〜6.0μm、更
に好ましくは、4.0〜5.5μm)の範囲の厚さのも
のが使用される。支持体、好ましくは非磁性可撓性支持
体と非磁性層または磁性層の間に密着性向上のための下
塗り層を設けてもかまわない。本下塗層厚みは0.01
〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.5μmであ
る。帯電防止やカール補正などの効果を出すために磁性
層が設けられている側と反対側の支持体にバック層を設
けてもかまわない。この厚みは通常、0.1〜4μm、
好ましくは0.3〜2.0μmである。これらの下塗
層、バック層は公知のものが使用できる。
【0044】本発明の下層及び上層構成の磁性層の厚み
は用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録
信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には
0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.05〜
0.20μmである。下層の厚みは通常、0.2〜5.
0μm、好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好まし
くは1.0〜2.5μmである。なお、下層は実質的に
非磁性であればその効果を発揮するものであり、たとえ
ば不純物としてあるいは意図的に少量の磁性粉を含んで
も、本発明の効果を示すものであり、本発明と実質的に
同一の構成と見なすことができることは言うまでもな
い。実質的に非磁性層とは下層の残留磁束密度が10m
T以下または抗磁力が100エルステッド(≒8kA/
m)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と
抗磁力をもたないことを示す。又、下層に磁性粉を含む
場合は、下層の全無機粉末の1/2未満含むことが好ま
しい。また、軟磁性粉末と結合剤を含む軟磁性層を形成
してもよい。
【0045】[バック層]本発明の磁気記録媒体は、バ
ック層を設けることができる。磁気ディスクでもバック
層を設けることはできるが、一般に、コンピュータデー
タ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテ
ープに比較して、繰り返し走行性が強く要求される。こ
のような高い走行耐久性を維持させるために、バック層
には、カーボンブラックと無機粉末が含有されているこ
とが好ましい。
【0046】カーボンブラックは、平均粒子径の異なる
二種類のものを組み合わせて使用することが好ましい。
この場合、平均粒子径が10〜20nmの微粒子状カー
ボンブラックと平均粒子径が230〜300nmの粗粒
子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好
ましい。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラ
ックの添加により、バック層の表面電気抵抗を低く設定
でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置に
よっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使
用しているものが多くあるため、このような場合には特
に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。ま
た微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保持
力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与す
る。一方、平均粒子径が230〜300nmの粗粒子状
カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有して
おり、またバック層の表面に微小突起を形成し、接触面
積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。
【0047】本発明に用いられる微粒子状カーボンブラ
ック及び粗粒子状カーボンブラックとして、市販のもの
を用いる場合、具体的な商品としては、WO98/35
345に記載のものを挙げることができる。バック層に
おいて、平均粒子径の異なる二種類のものを使用する場
合、10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと23
0〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率
(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範
囲にあることが好ましく、更に好ましくは、95:5〜
85:15の範囲である。バック層中のカーボンブラッ
ク(二種類のものを使用する場合には、その全量)の含
有量は、結合剤100質量部に対して、通常30〜80
質量部の範囲であり、好ましくは、45〜65質量部の
範囲である。
【0048】無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを
併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜
4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉
末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.
5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行によ
る摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範
囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもな
い。またこの無機粉末の平均粒子径は、30〜50nm
の範囲にあることが好ましい。モース硬度が3〜4.5
の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウム、炭
酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げることがで
きる。これらは、単独で、あるいは二種以上を組み合わ
せて使用することができる。バック層内の軟質無機粉末
の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して1
0〜140質量部の範囲にあることが好ましく、更に好
ましくは、35〜100質量部である。
【0049】モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加
することにより、バック層の強度が強化され、走行耐久
性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラックや
前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺動に対
しても劣化が少なく、強いバック層となる。またこの無
機粉末の添加により、適度の研磨力が付与され、テープ
ガイドポール等への削り屑の付着が低減する。特に軟質
無機粉末と併用すると、表面の粗いガイドポールに対し
ての摺動特性が向上し、バック層の摩擦係数の安定化も
図ることができる。硬質無機粉末の平均粒子径は80〜
250nmが好ましく、100〜210nmの範囲にあ
ることが更に好ましい。モース硬度が5〜9の硬質無機
質粉末としては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、
及び酸化クロム(Cr23)を挙げることができる。こ
れらの粉末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるい
は併用しても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα
−アルミナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カー
ボンブラック100質量部に対して通常3〜30質量部
であり、好ましくは、3〜20質量部である。
【0050】バック層に前記軟質無機粉末と硬質無機粉
末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉末との
硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以上、特
に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無機粉末
とを選択して使用することが好ましい。バック層には、
前記それぞれ特定の平均粒子径を有するモース硬度の異
なる二種類の無機粉末と、前記平均粒子径の異なる二種
類のカーボンブラックとが含有されていることが好まし
い。
【0051】バック層には、潤滑剤を含有させることが
できる。潤滑剤は、前述した非磁性層、あるいは磁性層
に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から適宜選
択して使用できる。バック層において、潤滑剤は、結合
剤100質量部に対して通常1〜5質量部の範囲で添加
される。
【0052】[支持体]本発明に用いられる支持体は、
非磁性可撓性支持体であることが好ましく、支持体の面
内各方向に対し、100℃30分での熱収縮率が0.5
%以下であり、80℃30分での熱収縮率が0.5%以
下、更に好ましくは0.2%以下であることが好まし
い。更に前記支持体の100℃30分での熱収縮率及び
80℃30分での熱収縮率が前記支持体の面内各方向に
対し、10%以内の差で等しいことが好ましい。支持体
は非磁性であることが好ましい。これら支持体はポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等
のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−ストリ
アセテート、ポリカ−ボネート、芳香族又は脂肪族ポリ
アミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォ
ン、ポリアラミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知
のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、
ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好まし
い。また必要に応じ、磁性面とベ−ス面の表面粗さを変
えるため特開平3−224127に示されるような積層
タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体
にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着
処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。ま
た本発明の支持体としてアルミまたはガラス基板を適用
することも可能である。
【0053】本発明の目的を達成するには、支持体とし
てWYKO社製の表面粗さ計TOPO−3Dで測定した
中心面平均表面粗さRaは通常、8.0nm以下、好ま
しくは4.0nm以下、更に好ましくは2.0nm以下
のものを使用することが好ましい。これらの支持体は単
に中心面平均表面粗さが小さいだけではなく、0.5μ
m以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗
さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大
きさと量により自由にコントロールされるものである。
これらのフィラーとしては一例としてはCa,Si、T
iなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機粉
末があげられる。支持体の最大高さRmaxは1μm以
下、十点平均粗さRzは0.5μm以下、中心面山高さ
Rpは0.5μm以下、中心面谷深さRvは0.5μm
以下、中心面面積率Srは10%以上、90%以下、平
均波長λaは5μm以上、300μm以下が好ましい。
所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、これら支持体
の表面突起分布をフィラーにより任意にコントロールで
きるものであり、0.01〜1μmの大きさのもの各々
を0.1mm2あたり0〜2000個の範囲でコントロ
ールすることができる。
【0054】本発明に用いられる支持体のF−5値は好
ましくは5〜50Kg/mm2(≒49〜490MP
a)、また、支持体の100℃30分での熱収縮率は好
ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、8
0℃30分での熱収縮率は好ましくは0.5%以下、さ
らに好ましくは0.1%以下である。破断強度は5〜1
00Kg/mm2(≒49〜980MPa)、弾性率は
100〜2000Kg/mm2(≒0.98〜19.6
GPa)が好ましい。温度膨張係数は10-4〜10-8
℃であり、好ましくは10-5〜10-6/℃である。湿度
膨張係数は10-4/RH%以下であり、好ましくは10
-5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特性、機
械強度特性は支持体の面内各方向に対し10%以内の差
でほぼ等しいことが好ましい。
【0055】[製法]本発明の磁気記録媒体の磁性塗料
を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、お
よびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程
からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれて
いてもかまわない。本発明に使用する磁性粉末、非磁性
粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止
剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初ま
たは途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を
2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例え
ば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度
調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発
明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を
一部の工程として用いることができる。混練工程ではオ
ープンニーダ、連続ニ−ダ、加圧ニ−ダ、エクストルー
ダなど強い混練力をもつものを使用することが好まし
い。ニ−ダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と
結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30
%以上が好ましい)および磁性粉末100部に対し15
〜500部の範囲で混練処理される。これらの混練処理
の詳細については特開平1−106338、特開平1−
79274に記載されている。また、磁性層液および非
磁性層液を分散させるにはガラスビーズを用いることが
できるが、高比重の分散メディアであるジルコニアビー
ズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。こ
れら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられ
る。分散機は公知のものを使用することができる。
【0056】本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布す
る場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第
一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態のうちに特公平1−46186や特開昭60−238
179,特開平2−265672に開示されている支持
体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布
する方法。第二に特開昭63−88080、特開平2−
17971,特開平2−265672に開示されている
ような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘ
ッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法。第三に特
開平2−174965に開示されているバックアップロ
ール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほ
ぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集に
よる磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するた
め、特開昭62−95174や特開平1−236968
に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗
布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布
液の粘度については、特開平3−8471に開示されて
いる数値範囲を満足する必要がある。本発明の構成を実
現するには下層を塗布し乾燥させたのち、その上に磁性
層を設ける逐次重層塗布を用いてもむろんかまわず、本
発明の効果が失われるものではない。ただし、塗布欠陥
を少なくし、ドロップアウトなどの品質を向上させるた
めには、前述の同時重層塗布を用いることが好ましい。
【0057】ディスクの場合、配向装置を用いず無配向
でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コ
バルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで
交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用い
ることが好ましい。六方晶フェライトは、一般的に面内
および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内
2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向
磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周
方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に
高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、ス
ピンコートを用い円周配向してもよい。
【0058】磁気テープの場合はコバルト磁石やソレノ
イドを用いて長手方向に配向する。乾燥風の温度、風
量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御で
きる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜
1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好まし
い、また磁石ゾ−ンに入る前に適度の予備乾燥を行うこ
ともできる。カレンダー処理ロールとしてエポキシ、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性の
あるプラスチックロールまたは金属ロールで処理する
が、特に両面磁性層とする場合は金属ロール同志で処理
することが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以
上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は好
ましくは200kg/cm(≒196kN/m)以上、
さらに好ましくは300kg/cm(≒294kN/
m)以上である。カレンダー処理後、磁気記録媒体は所
望の形状に打ち抜きまたは裁断される。必要に応じディ
スク形状に打ち抜いたあと高温でのサーモ処理(通常5
0℃〜90℃)を行ない塗布層の硬化処理を促進させ
る、研磨テープでバーニッシュ処理を行うことができ
る。また、磁気テープの場合、スリット品の送り出し、
巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレ−ド
が磁性面に押し当たるように取り付け、テ−プクリ−ニ
ング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行うことがで
きる。
【0059】[物理特性]本発明になる磁気記録媒体の
磁性層の飽和磁束密度は、好ましくは、100〜300
mTである。抗磁力HcおよびHrは1800〜500
0エルステッド(≒144〜400kA/m)が好まし
く、1800〜3000エルステッド(≒144〜24
0kA/m)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が
好ましく、SFD(スイッチング・フィールド・ディス
トリビューション)およびSFDrは0.6以下が好ま
しい。
【0060】角形比は磁気ディスクの場合、ランダム配
向で0.45〜0.55、2次元ランダム配向の場合
0.5〜0.64である。3次元ランダムの場合は0.
45〜0.55が好ましく、垂直配向の場合は垂直方向
に通常、0.6以上、好ましくは0.7以上、反磁界補
正を行った場合は通常、0.7以上、好ましくは0.8
以上である。2次元ランダム、3次元ランダムとも配向
度比は0.8以上が好ましい。2次元ランダムの場合、
垂直方向の角形比、垂直方向のBr、垂直方向のHcお
よび垂直方向のHrは面内方向の0.1〜0.5倍以内
とすることが好ましい。磁気テープの場合、角形比は
0.5以上である。垂直配向した場合、0.5以上であ
る。
【0061】本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩
擦係数は温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲に
おいて通常0.5以下、好ましくは0.3以下、表面固
有抵抗は好ましくは磁性面104〜1012オ−ム/s
q、帯電位は−500V〜+500Vが好ましい。磁性
層の0.5%伸びでの弾性率は面内各方向で好ましくは
100〜2000Kg/mm2(≒980〜19600
N/mm2)、破断強度は好ましくは10〜70Kg/
mm2(≒98〜686N/mm2)、磁気記録媒体の弾
性率は面内各方向で好ましくは100〜1500Kg/
mm2(≒980〜14700N/mm2)、残留のびは
好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度
での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは
0.5%以下、もっとも好ましくは0.1%以下であ
る。磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動
的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上12
0℃以下が好ましく、下層のそれは0℃〜100℃が好
ましい。損失弾性率は1×10 3〜1×104N/cm2
の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下で
あることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障
が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面
内各方向で10%以内でほぼ等しいことが好ましい。磁
性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m
2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗
布層が有する空隙率は下層、上層とも好ましくは30容
量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空
隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、
目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。
例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空
隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
【0062】磁性層の最大高さRmaxは0.5μm以
下、十点平均粗さRzは0.3μm以下、中心面山高さ
Rpは0.3μm以下、中心面谷深さRvは0.3μm
以下、中心面面積率Srは20%以上、80%以下、平
均波長λaは5μm以上、300μm以下が好ましい。
磁性層の表面突起は0.01〜1μmの大きさのものを
0〜2000個の範囲で任意に設定することが可能であ
り、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化するこ
とが好ましい。これらは支持体のフィラ−による表面性
のコントロールや磁性層に添加する粉体の粒径と量、カ
レンダー処理のロール表面形状などで容易にコントロー
ルすることができる。カールは±3mm以内とすること
が好ましい。本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ下層
と上層でこれらの物理特性を変えることができるのは容
易に推定されることである。例えば、上層の弾性率を高
くし走行耐久性を向上させると同時に下層の弾性率を上
層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くす
るなどである。
【0063】
【実施例】以下に、実施例を用いてさらに本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。尚、「部」は「質量部」を示す。 磁気ディスクの作成 試料1D(比較例) <塗料の作成> 磁性塗料 バリウムフェライト磁性粉: 100部 (平均板径:30nm、Hc:2700Oe(216kA/m)) 塩化ビニル共重合体 MR555(日本ゼオン社製) 10部 カーボンブラック #50(旭カーボン社製) 0.5部 フェニルホスホン酸 2部 ダイアモンド微粉末(平均粒子径:0.15μm) 0.1部 ブチルステアレート 2部 ブトキシエチルステアレート 2部 イソヘキサデシルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 溶剤 250部 メチルエチルケトン(MEK)/シクロヘキサノン=1(質量比)
【0064】 非磁性塗料(下層) 非磁性粉末:主成分α−Fe23 80部 平均長軸長:0.1μm、SBET:50m2/g pH:7、表面にAl23としてが粒子全体の8質量%存在 カーボンブラック コンダクテックスSC−U(コロンビアンカーボン社製) 20部 塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製) 12部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部 フェニルホスホン酸 4部 ブチルステアレート 10部 ブトキシエチルステアレート 5部 イソヘキサデシルステアレート 2部 ステアリン酸 3部 溶剤 250部 メチルエチルケトン(MEK)/シクロヘキサノン=8/2混合液
【0065】<同時重層塗布>上記の塗料のそれぞれに
ついて、各成分をニ−ダで混練したのち、サンドミルを
用いて5時間分散させた。得られた磁性分散液に、研磨
剤αアルミナHIT55の塩化ビニル樹脂分散物(住友
化学社製SLH55)を20部(アルミナ換算で10
部)加え、更にポリイソシアネ−トを5部を加え、磁性
液は固形分濃度38質量%となるようにMEK)/シク
ロヘキサノン=1/1混合液を加えて調整し、さらに下
層液にポリイソシアネ−ト10部及びシクロヘキサノン
40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを
用いて濾過し、下層形成用および磁性層形成用の塗布液
をそれぞれ調製した。得られた下層塗布液を、乾燥後の
厚さが1.5μmになるようにさらにその直後にその上
に磁性層の厚さが0.15μmになるように、厚さ62
μmで中心面平均表面粗さが3nmのポリエチレンテレ
フタレート支持体上に同時重層塗布を行った後、2段に
温度設定できる乾燥ゾーンを通過させた。乾燥ゾーン内
温度を前段は80℃、後段を100℃とした。乾燥ゾー
ンの長さは前段で30m、後段で70mであり、搬送速
度は5m/秒である(この乾燥条件は表1中、乾燥の欄
中、「80→100」で示す)。乾燥後、7段のカレン
ダー(樹脂ロールと金属ロール対)で温度90℃、線圧
300Kg/cm(294kN/m)にて処理を行い、
3.5吋に打ち抜き表面研磨処理を施してディスク媒体
を得た。
【0066】試料2D(比較例) 試料1Dの作成において、<同時重層塗布>を下記の<
逐次重層塗布>に変更した以外は、試料1Dの作成と同
様にして磁気ディスクを作成した。 <逐次重層塗布>上記と同様に磁性塗料と下層塗料を調
製し、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが3nmのポ
リエチレンテレフタレ−ト支持体上に乾燥後の厚さが
1.5μmになるように下層の単層塗布を行い、乾燥さ
せた。さらにその上に磁性層の厚さが0.15μmにな
るように、磁性層塗布をおこない、上記2段の乾燥ゾー
ンを通過させて乾燥させた。以後の処理は上記と同様に
行った。
【0067】試料3D〜13D 試料1Dの作成において、表1上欄に記載の条件を同表
の通り変更した以外は、試料1Dまたは2Dと同様に磁
気ディスクを作成した。試料9Dは下層のカーボンブラ
ックを30部に増量した。試料10Dは下層のカーボン
ブラックを25部に増量した。尚、試料9D及び10D
の非磁性塗料におけるMEK/シクロヘキサノン混合液
の総量は試料1Dと同じである。また、乾燥の欄の60
→100は、比較例1の乾燥条件において、前段が60
℃、後段が100℃を意味し、他の条件は比較例1と同
じである。また、カレンダーの欄の樹脂とは、比較例1
と同じものを意味し、金属とは、金属ロールと金属ロー
ル対を意味する。また、同欄の金属強とは上記金属ロー
ル対を用いて95℃で処理したことを示す。
【0068】コンピュ−タ−テープの作成 試料1T(比較例) <同時重層塗布>試料1Dの作成で用いた下層塗布液
を、乾燥後の厚さが1.7μmになるようにさらにその
直後にその上に磁性層の厚さが0.10μmになるよう
に、厚さ4.4μmで中心面平均表面粗さが2nmの芳
香族ポリアミド(商品名:ミクトロン)支持体上に同時
重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にあるうちに
600mTの磁力を持つコバルト磁石と600mTの磁
力を持つソレノイドにより配向させた後、試料1Tの作
成と同様な乾燥条件及びカレンダー条件で処理を行い、
その後、厚み0.5μmのバック層(カ−ボンブラック
平均粒子径:17nm 100部、炭酸カルシウム
平均粒子径:40nm 80部、αアルミナ平均粒子
径:200nm 5部をニトロセルロ−ス樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリイソシアネ−トに分散)を塗布した。
3.8mmの幅にスリットし、スリット品の送り出し、
巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレ−ド
が磁性面に押し当たるように取り付け、テ−プクリ−ニ
ング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行い、テープ
試料1Tを得た。
【0069】試料2T(比較例) 試料1Tの作成において、<同時重層塗布>を下記の<
逐次重層塗布>に変更した以外は、試料1Tの作成と同
様にして磁気テープを作成した。 <逐次重層塗布>上記と同様に磁性塗料と下層塗料を調
製し、厚さ4.4μmで中心面平均表面粗さが2nmの
上記芳香族ポリアミド゛支持体上に乾燥後の厚さが1.
7μmになるように下層の単層塗布を行い、乾燥させ
た。さらにその上に磁性層の厚さが0.10μmになる
ように、磁性層塗布をおこない、上記2段の乾燥ゾーン
を通過させて乾燥させた。以後の処理は上記と同様に行
った。
【0070】試料3T〜13T 試料1Tの作成において、表1上欄に記載の条件を同表
の試料3D〜14Dの通り変更した以外は、試料1Tま
たは2Tと同様に磁気テープを作成した。
【0071】得られた試料の特性は以下の方法により測
定し、結果を表2及び3に示した。 <磁気的空隙率>前記方法によった。 <磁性層厚み変動率>前記方法によった。 <磁化反転体積>前記方法によった。 <Ra>前記方法によった。 <磁性体充填率>前記方法によった。 <出力、DCノイズ、SN比> (1)SN比(ディスク):記録ヘッド(MIG、ギャ
ップ0.15μm、1.8T)と再生用MRヘッドをス
ピンスタンドに取り付けて測定した。回転数3600r
pm、半径30mm、出力は120kfci、ノイズは
DCノイズを求めた。 (2)SN比(テープ):記録ヘッド(MIG、ギャッ
プ0.15μm、1.8T)と再生用MRヘッドをドラ
ムテスターに取り付けて測定した。ヘッド−メデイア相
対速度5m/min、記録波長0.2μmである。ノイ
ズはDCノイズを測定した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】上記のごとく、本発明による磁気記録媒体
はDCノイズが低く、SNRが格段に高いことが分か
る。
【0076】
【発明の効果】本発明は支持体上に実質的に非磁性であ
る下層と六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散して
なる磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体において、磁
性層中の磁気的空隙率を15〜30体積%、前記磁性層
厚み変動率を30%以下、かつ磁性層表面の中心面平均
表面粗さRaを0.5〜4nmとしたことにより、MR
ヘッドを組み合わせた場合にも、ノイズの低い高密度特
性に優れ、耐久性能が実用上充分な高密度記録用磁気記
録媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BA06 BA19 BA20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に実質的に非磁性である下層と
    六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散してなる磁性
    層をこの順に設けた磁気記録媒体において、磁性層中の
    磁気的空隙率が15〜30体積%であり、前記磁性層厚
    み変動率が30%以下であり、かつ磁性層表面の中心面
    平均表面粗さRaが0.5〜4nmである磁気記録媒
    体。
JP2001107226A 2001-04-05 2001-04-05 磁気記録媒体 Pending JP2002304716A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004213773A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
JP2007273040A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Fujifilm Corp 磁気記録媒体
JP2016177851A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 富士フイルム株式会社 磁気テープ

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