JP2007139396A - 廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で以って溶融炉のスラグ排出口の閉塞を防止することができ、安定した運転を行うことができるガス化溶融装置を提供する。
【解決手段】廃棄物のガス化により発生した熱分解ガスを炉内に導入する熱分解ガスバーナ5a、5bと、炉内に補助燃料を常時導入する補助燃料バーナ6a、6bと、を備え、前記熱分解ガスバーナ5a、5bが炉内の熱分解ガス旋回流により形成される仮想円8a、8bの接線方向に熱分解ガスを導入するように配置され、前記補助燃料バーナ6a、6bが前記仮想円の接線方向に補助燃料を導入するとともに前記熱分解ガスバーナの近傍で且つ前記熱分解ガス旋回流の旋回方向に対して前記熱分解ガスバーナより上流側に配置されるようにした廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉13であって、前記熱分解ガスバーナ5a、5b及び前記補助燃料バーナ6a、6bが上下方向に夫々複数段設けられ、下段側のバーナ高さにおける仮想円径Dが上段側のバーナ高さにおける仮想円径Dより小となるように夫々のバーナを配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物をガス化して発生した熱分解ガスを燃焼させ灰分を溶融スラグ化するガス化溶融装置に関し、特に、溶融炉のスラグ排出口が閉塞することを防止する構成を備え、安定運転を可能とした廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉に関する。
従来より、都市ごみを始めとして不燃ごみ、焼却残渣、汚泥、埋立ごみ等の廃棄物まで幅広く処理できる装置としてガス化溶融装置が知られている。ガス化溶融装置は、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、該ガス化炉の下流側に設けられ、ガス化炉にて生成された熱分解ガスを高温燃焼し、ガス中の灰分を溶融スラグ化する溶融炉と、該溶融炉から排出される排ガスを燃焼する二次燃焼室とを備えており、廃棄物の資源化、減容化及び無害化を図るために、溶融炉からスラグを取り出して路盤材等の土木資材として再利用したり、二次燃焼室から排出される排ガスから廃熱を回収して発電を行うなどしている(特許文献1等)。
図6及び図7に従来のガス化溶融装置の溶融炉を示す。該溶融炉50の一例として、軸線がほぼ鉛直な円筒状で上部が円錐状に絞られた炉本体51と、該炉本体51の下部に設けられ、炉本体51の切線方向に向いたノズルを有するバーナ55と、炉本体51の下端に設けられたスラグ排出口53と、炉本体51の上端に接続され、炉本体51よりも小径で上方に延びるガス出口54とを備え、炉本体51の上部円錐角θが45°を超え75°未満、ガス出口54の内径Dと炉本体51の内径dとの比が0.2を超え0.6未満である縦型旋回流方式の溶融炉がある。
このような溶融炉では、前段のガス化炉で廃棄物をガス化して発生した熱分解ガス及び微細なチャーを、前記バーナ55より炉内に噴出させ、溶融炉50内でガスの旋回流Aを形成させながら燃焼する。このとき、熱分解ガスの熱量が不足する場合には補助燃料バーナを1つ以上設ける。
熱分解ガス及び補助燃料は、炉内径より小さい径を有する仮想円の接線方向に吹出すように炉内に導入される。旋回流Aに搬送される灰分は炉壁51に衝突して、灰分が溶融したスラグは壁面を流下する。従って、旋回流を決定する仮想円は炉壁に近い位置に設定されている。燃焼排ガスは溶融炉内壁面に沿って旋回しながら上昇し、上部中央に設置したガス出口54より排出され、二次燃焼室60に導入される。
一方、スラグは炉内壁面に付着し、図中矢印Bに示すごとく壁面を流下しながら下部中央に設置したスラグ排出口53より排出される。溶融炉50の底面52はスラグが流下し易いようにスラグ排出口53に向けて下方に傾斜している。
このような溶融炉においては、火炎及び高温の燃焼排ガスは炉壁に沿って上昇し、上部の排ガス出口から排出されるため、炉底中央のスラグ排出口53の温度はガスの流れる部分に比べて低くなり、溶融したスラグが排出口付近で冷却され、固体となって付着し、スラグ排出口53を閉塞させるといった問題がある。特に処理規模が大きくなるほど炉壁とスラグ排出口53との距離が離れるため、この現象が顕著になってくる。
この対策として、特許文献2(特開昭63−204012号公報)、特許文献3(特開平11−63436号公報)、特許文献4(特開平11−294749号公報)には、図6に示すようにスラグ排出口53下部より溶融炉50内の高温の燃焼排ガスの一部若しくは全量をファン57などで吸引し、スラグ排出口53を通過させることで高温を維持する方法が提案されている。
一方、特許文献5(特開平2−150611号公報)には、旋回流径が(廃棄物バーナ装置)>(助燃バーナ装置)となるよう廃棄物バーナ装置の各ノズルの噴射方向を助燃バーナ装置の各ノズルの噴射方向よりも炉壁寄りとした廃棄物の溶融炉が開示されている。また、炉内径Dに対する旋回流径は、廃棄物バーナ装置の旋回流径が0.7D、助燃バーナ装置の旋回流径が0.3D程度となるようにし、助燃バーナ装置から噴射する火炎をスラグ流出孔に近付ける構成が開示され、この構成によりスラグ流出孔の温度低下を防いでいる。さらに、廃棄物バーナ装置は助燃バーナ装置より上段に配置し、スラグ流出孔に火炎を近づけるため噴射方向を角度θだけ下に傾けており、助燃バーナ装置も同様に噴射方向を下向きに傾ける構成についても提案している。
特開2004−144402号公報 特開昭63−204012号公報 特開平11−63436号公報 特開平11−294749号公報 特開平2−150611号公報
しかしながら、特許文献2乃至4に記載される構成では、ファン等の燃焼排ガスを吸引するための設備が増加し、維持管理が煩雑となるなどの問題があった。また、燃焼排ガス中には未溶融ダストが含まれており、これが吸引中に溶融してダクト内に付着・堆積し、閉塞するという問題もあり運転が困難である。
また、特許文献5については、一般的にガス化溶融炉においては助燃バーナ装置は常時使用するものではなく、ごみカロリーが低下して溶融炉の温度を1300℃以上に維持できなくなった場合に助燃バーナ装置を使用することになるため、通常時においてはスラグ流出孔の近傍に火炎を維持することができなくなり、スラグ流出孔の加熱が困難になるという問題がある。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、簡単な構造で以って確実に溶融炉のスラグ排出口の閉塞を防止することができ、安定した運転を行うことを可能としたガス化溶融装置の溶融炉を提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、廃棄物のガス化により発生した熱分解ガスを炉内に導入する熱分解ガスバーナと、炉内に補助燃料を常時導入する補助燃料バーナと、を備え、前記熱分解ガスバーナが炉内の熱分解ガス旋回流により形成される仮想円の接線方向に熱分解ガスを導入するように配置され、前記補助燃料バーナが前記仮想円の接線方向に補助燃料を導入するとともに前記熱分解ガスバーナの近傍で且つ前記熱分解ガス旋回流の旋回方向に対して前記熱分解ガスバーナより上流側に配置されるようにした廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉であって、
前記熱分解ガスバーナ及び前記補助燃料バーナが上下方向に夫々複数段設けられ、下段側のバーナ高さにおける仮想円径が上段側のバーナ高さにおける仮想円径より小となるように夫々のバーナを配置したことを特徴とする。
本発明によれば、炉本体の上下方向に熱分解ガスバーナ及び補助燃料バーナを複数段設け、下段側に設置した熱分解ガスバーナ及び補助燃料バーナの旋回径を上段側より小さくし、炉の底部に設置されるスラグ排出口の近傍に火炎及び高温の燃焼排ガスが集まるようにすることで、スラグ排出口が冷却することを防止し、スラグ排出口の閉塞を防止することを可能としている。よって、スラグ排出口の温度低下を防ぐことができ、設備費の低減、運転の簡易化につながる。尚、上段側のバーナは旋回径を大きくしてあるため、炉内の熱分解ガスの旋回や灰分の回収に支障をきたすことなく円滑な運転が可能である。また、熱分解ガスバーナの他に、補助燃料を常時導入する補助燃料バーナについても同様に下段側の旋回径を小さくしているため、スラグ排出口近傍に対して常に十分な熱量を送ることができ、スラグ排出口を確実に保温することができる。
さらに、前記溶融炉の内径をDとした場合、前記上段側のバーナ高さにおける仮想円径DがD/D=0.6〜0.8、且つ前記下段側のバーナ高さにおける仮想円径DがD/D=0.3〜0.5となるように夫々のバーナを配置したことを特徴とする。
上段側の仮想円径が0.8より大きくなり1.0に近くなると熱分解ガスバーナから噴出する固形粒子が溶融炉壁面に衝突し、溶融炉の耐火材を損耗する。逆に仮想円径が0.6未満となると溶融スラグが壁面で捕集されずに、排ガスとともに二次燃焼室へ排出されてしまう。従って、仮想円径の内径を上記範囲内とすることにより耐火材の損耗を軽減し、かつ溶融スラグの捕集効率を維持することが可能となる。
一方、スラグ排出口径をDとした場合、D/D=0.3〜0.5であることから、下段側の仮想円径Dをこれと同等とすることで、スラグ排出口を効果的に保温できる。
さらにまた、前記溶融炉の円筒部高さをHとした場合、前記溶融炉円筒部の上端から前記上段側のバーナまでの高さHがH/H=0.6〜0.8、且つ前記溶融炉円筒部の上端から前記下段側のバーナまでの高さHがH/H=0.8〜0.9となるように夫々のバーナを配置することを特徴とする。
このように、上段側及び下段側のバーナ位置を設定することにより、炉底部を効果的に保温することができるとともに、熱分解ガスバーナの外径から決まる施工上の制約も考慮した好適な構成とすることが可能となる。
また、前記溶融炉へ供給する熱量をQとした場合、前記上段側のバーナから供給する熱量QがQ/Q=0.7〜0.9、前記下段側のバーナから供給する熱量QがQ/Q=0.1〜0.3となるように設定したことを特徴とする。
下段側のバーナに多くの熱分解ガスを導入した場合には、仮想円径が小さいために溶融スラグの捕集効率が低下する。従って、溶融スラグの捕集効率を高めるためには、できるだけ多くの熱分解ガスを上段側のバーナから溶融炉へ導入する必要がある。また、下段側のバーナの位置は炉底に近いため、施工上も熱分解ガスバーナの口径は小さくする必要があり、吹出流速の制約からも導入できる熱分解ガスの量は少なくする必要がある。これらの観点から、上段側のバーナから供給する熱量QをQ/Q=0.7〜0.9、前記下段側のバーナから供給する熱量QをQ/Q=0.1〜0.3とすることで、溶融スラグの捕集効率を維持するとともに、構造的制約をクリアした好適な構造を有する溶融炉を提供することが可能となる。
さらに、前記下段側の熱分解ガスバーナ及び前記下段側の補助燃料バーナの少なくとも何れか一方を炉中央に向けて下方に傾斜するように配設したことを特徴とする。
このとき、前記バーナの傾斜角度は、水平方向に対して10〜20°であることが好ましい。
このように、下段側の熱分解ガスバーナ及び下段側の補助燃料バーナの少なくとも何れか一方をやや下方に傾け、火炎及び高温の排ガスがスラグ排出口付近に集まるようにすることで、炉中央部をより効果的に保温することができ、スラグ付着による閉塞を確実に防止することができる。
以上記載のごとく本発明によれば、熱分解ガスバーナ及び補助燃料バーナを炉本体の上下方向に複数段設け、下段側のバーナにより形成される旋回流が上段側のバーナにより形成される旋回流より小さくなるように夫々のバーナを配置することにより、炉の底部中央付近に火炎及び高温の燃焼排ガスが集まり易くなり、炉底中央に設置されたスラグ排出口が冷却することを防止し、スラグ排出口の閉塞を防止することができる。また、熱分解ガスバーナ若しくは補助燃料バーナをやや下方に傾け、火炎及び高温の排ガスがスラグ排出口付近に集まるようにすることで、より効果的な保温が可能となる。
これらの構成により、スラグ排出口の温度低下を防ぐことが可能となり、スラグ排出口の閉塞を防止し、設備費の低減、運転の簡易化が達成できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例1に係る溶融炉を示す側断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は本発明の実施例2に係る溶融炉を示す側断面図、図5は本発明の実施例に係るガス化溶融装置を備えたシステムの全体構成図である。
まず、図5を参照して、本実施例のガス化溶融装置における処理フローの一例につき説明する。ホッパ10から投入された廃棄物は、必要に応じて破砕された後に給じん機11を介して流動床式ガス化炉12へ定量供給される。ガス化炉12では、温度約120〜230℃、空気比0.2〜0.7程度の燃焼空気21が炉下部から吹き込まれ、炉内砂層温度が550〜650℃程度に維持されている。
破砕ごみはガス化炉12でガス化され、ガス、タール、チャー(炭化物)に分解される。タールは、常温では液体となる成分であるが、ガス化炉内ではガス状で存在する。
チャーは砂層内で徐々に微粉化され、ガス及びタールに同伴して溶融炉13へ導入される。以下、溶融炉13へ導入されるこれらの成分を総称して熱分解ガス22と呼ぶ。
前記ガス化炉12の炉頂部より排出された熱分解ガス22は、ライニングダクトを経て前記溶融炉13の熱分解ガスバーナ5(図1参照)へ導入される。該熱分解ガスバーナ5で、熱分解ガス22は燃焼空気25と混合されて炉内に導入され、旋回流を形成する。このとき、燃焼空気25は空気比0.9〜1.1、好ましくは1.0程度であると良い。
前記溶融炉13では、熱分解ガス22と燃焼空気25の混合ガスが燃焼することにより炉内温度が1300〜1500℃に維持され、熱分解ガス中の灰分が溶融、スラグ化される。溶融したスラグは、溶融炉13の内壁面に付着、流下し、炉底部のスラグ出滓口から排出される。前記溶融炉13から排出されたスラグは、スラグ水砕水槽23で急冷され、スラグコンベア24により搬出されて水砕スラグとして回収される。回収された水砕スラグは、路盤材等に有効利用することが可能である。
尚、前記溶融炉13の内壁は、水冷管を埋設した水冷構造とし、水冷により冷却・固化したスラグのセルフコート層を炉内壁面に形成することにより、耐火材の侵食を防止するようになっている。
一方、溶融炉13から排出された燃焼排ガスは、円錐状の広がり部を経由して、二次燃焼室14へ導入される。二次燃焼室14では、燃焼空気26が空気比1.2〜1.5となるように供給され、前記燃焼排ガス中の未燃分はここで完全燃焼される。
燃焼排ガスは、ボイラ15で熱回収されて、250℃程度まで冷却される。ボイラ15から排出された燃焼排ガスは、減温塔16へ導入され、直接水噴霧により150℃程度まで冷却される。減温塔16から排出された燃焼排ガスは、必要に応じて煙道で消石灰、活性炭が噴霧され、反応集塵装置17に導入される。反応集塵装置17では、燃焼排ガス中の煤塵、酸性ガス、DXN類等が除去される。反応集塵装置17から排出された集塵灰は薬剤処理して埋立処分され、燃焼排ガスは蒸気式加熱器18で再加熱され、触媒反応装置19でNOが除去された後、煙突20より大気放出される。
図1乃至図3に本実施例1に係る廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉を示す。溶融炉13は、略円筒状の炉壁1と、炉壁上部に設けられ二次燃焼室14に連通するガス排出口4と、炉壁下部に設けられたスラグ排出口3を有する。スラグ排出口3は炉底2の中央付近に設けられ、該炉底2はスラグ排出口3に向けて下方に傾斜されている。
また、炉壁1には一の水平断面上に一又は複数の熱分解ガスバーナ5a、5bが取付けられている。図2及び図3に示すように、熱分解ガスバーナ5a、5bは、炉内の熱分解ガス旋回流により形成される仮想円8a、8bの接線方向に熱分解ガス22を噴出するように配置される。
また、本実施例では、炉壁1の一の水平断面上に一又は複数の補助燃料バーナ6a、6bが設置されている。補助燃料バーナ6a、6bは、熱分解ガスバーナ5a、5bの近傍で且つ該熱分解ガスバーナ5a、5bより旋回流の旋回方向に対して上流側に設けられ、さらに前記熱分解ガスバーナ5a、5bと同様に、仮想円8a、8bの接線方向に補助燃料を噴出するように配置される。
さらに本実施例の特徴的な構成として、熱分解ガスバーナ5及び補助燃料バーナ6は、炉本体1の上下方向に複数段設けられる。一例として本実施例では上下に夫々のバーナを2段設置した構成につき説明する。上段の熱分解ガスバーナは5a、同様に上段の補助燃料バーナは6a、下段の熱分解ガスバーナは5b、同様に下段の補助燃料バーナは6bで示される。
上段の熱分解ガスバーナ5a及び上段の補助燃料バーナ6aは何れもガス噴出方向が仮想円8aの接線上となるように配置される。上段のバーナ高さにおける仮想円8aの仮想円径をDとする。
下段の熱分解ガスバーナ5b及び上段の補助燃料バーナ6bは何れもガス噴出方向が仮想円8bの接線上となるように配置される。下段のバーナ高さにおける仮想円8bの仮想円径をDとする。
このとき、(仮想円径D)>(仮想円径D)となるように、夫々のバーナが配置される。これにより、炉本体1の底面近傍における熱分解ガス旋回流は上方より小さくなってスラグ排出口3の近傍に火炎及び高温の燃焼排ガスが集まり、スラグ排出口が保温されてスラグ排出口3の閉塞を防止することができる。よって、設備費の低減、運転の簡易化につながる。尚、上段側のバーナは旋回径を大きくしてあるため、炉内の熱分解ガス22の旋回に支障をきたすことなく円滑な運転が可能である。また、熱分解ガスバーナ5とともに補助燃料を常時導入する補助燃料バーナ6a、6bについても同様に下段側の旋回径を小さくしているため、スラグ排出口近傍に対して常に十分な熱量を送ることができ、スラグ排出口3を確実に保温することができる。
尚、本実施例において、熱分解ガスバーナ5a、5b及び補助燃料バーナ6a、6bを一の水平断面上に2つ以上設ける場合には、図2及び図3に示すように夫々が対称となる位置に設けることが好ましい。
また本実施例において、溶融炉の内径をDとした場合、上段の仮想円径DがD/D=0.6〜0.8で且つ下段の仮想円径DがD/D=0.3〜0.5となるように夫々のバーナを配置することが好ましい。尚、前記内径Dは、底面2と、排ガス出口4へ向けて傾斜する炉本体天井を除いた炉本体の円筒部の内径をいう。
このように、上段の仮想円径Dが内径Dに対して0.6〜0.8の範囲内となるように設定することにより、炉壁に近い位置に旋回流が形成され、炉内の熱分解ガス旋回流に含まれる灰分が壁面に衝突して灰分が溶融したスラグが壁面を流下し易くなり、効果的にスラグを回収できる。一方、下段の仮想円径Dが内径Dに対して0.3〜0.5となるように設定することにより、スラグ排出口3に近い位置に熱分解ガス及び補助燃料が吹き込まれるため、スラグ排出口3の保温効果を高めることができる。
即ち、上段の仮想円径が0.8以上より大きくなり1.0に近くなると熱分解ガスバーナ5a、5bから噴出する固形粒子が溶融炉壁面に衝突し、溶融炉の耐火材を損耗する。逆に仮想円径が0.6未満となると溶融スラグが壁面で捕集されずに、排ガスとともに二次燃焼室へ排出されてしまう。従って、仮想円径の内径を上記範囲内とすることにより耐火材の損耗を軽減し、かつ溶融スラグの捕集効率を維持することが可能となる。
一方、スラグ排出口径をDとした場合、D/D=0.3〜0.5であることから、下段側の仮想円径Dをこれと同等とすることで、スラグ排出口を効果的に保温できる。
さらに、溶融炉の高さをHとした場合、熱分解ガスバーナ5a、5b及び補助燃料バーナ6a、6bの接続位置は上段位置HがH/H=0.6〜0.8で且つ下段位置HがH/H=0.8〜0.9となるようにすることが好ましい。尚、溶融炉高さHは、底面2と、排ガス出口4へ向けて傾斜する天井を除いた炉本体の円筒部の高さをいい、上段位置Hは円筒部の上端からバーナまでの高さ、下段位置Hは円筒部の上端からバーナまでの高さをいう。
このように上段及び下段のバーナ位置H、Hを設定することにより、炉底部を効果的に保温することができるとともに、熱分解ガスバーナ5a、5bの外径から決まる施工上の制約も考慮した好適な構成とすることが可能である。
さらにまた、前記溶融炉へ供給する熱量をQとした場合、前記上段のバーナから供給する熱量QはQ/Q=0.7〜0.9、前記下段のバーナから供給する熱量QはQ/Q=0.1〜0.3となるように設定することが好ましい。このように、上段のバーナから供給する熱量QをQ/Q=0.7〜0.9、下段のバーナから供給する熱量QをQ/Q=0.1〜0.3とすることで、溶融スラグの捕集効率を維持するとともに、構造的制約をクリアした好適な構造を有する溶融炉を提供することが可能となる。ここで、熱量Qは熱分解ガスと補助燃料を合計した熱量をいう。このとき、熱分解ガスと補助燃料の導入量の割合を上下段で一定に保つことで、適正な旋回流の形成、適正な燃焼場の形成、溶融スラグの捕集効率の維持が可能となる。
図4に本実施例2に係る溶融炉を示す。尚、本実施例2において、上記した実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
本実施例2の溶融炉13は、実施例1に記載した構成に加えて、下段側の熱分解ガスバーナ5b及び下段側の補助燃料バーナ6bの少なくとも何れか一方を、炉中央に向けて下方に傾斜させて取り付けている。好ましくは、バーナの傾斜角度θを10〜20°程度とする。さらに好ましくは、バーナの傾斜角度θを炉底2の傾斜角度とほぼ同様の角度とする。
下段側の熱分解ガスバーナ5bのみを傾斜させる場合には、熱分解ガスバーナ5bからの熱分解ガスの燃焼熱により炉中央付近が保温され、スラグの付着を防止できる。また、ガス圧により炉底を流れるスラグをスラグ排出口3へ押し込み、流下することを促進できる。
下段側の補助燃料バーナ6bのみを傾斜させる場合には、熱量の大きい補助燃料を炉中央に吹き込むことでスラグ排出口3近傍が効果的に保温され、スラグの付着を防止できる。
また、下段側の熱分解ガスバーナ5b及び下段側の補助燃料バーナ6bの両方を下方傾斜させる構成としてもよく、これにより上記2つの効果を併せもつことができる。
本発明の実施例1に係る溶融炉を示す側断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である 本発明の実施例2に係る溶融炉を示す側断面図である。 本発明の実施例に係るガス化溶融装置を備えたシステムの全体構成図である。 従来の溶融炉を示す側断面図である。 従来の溶融炉を示す側断面図である。
符号の説明
1 炉壁
2 炉底面
3 スラグ排出口
4 排ガス出口
5a、5b 熱分解ガスバーナ
6a、6b 補助燃料バーナ
8a、8b 仮想円
12 ガス化炉
13 溶融炉
14 二次燃焼室
15 ボイラ
16 減温塔
23 冷却水槽
24 スラグコンベア
33 燃焼空気
34 熱分解ガス
35 燃焼空気

Claims (5)

  1. 廃棄物のガス化により発生した熱分解ガスを炉内に導入する熱分解ガスバーナと、炉内に補助燃料を常時導入する補助燃料バーナと、を備え、前記熱分解ガスバーナが炉内の熱分解ガス旋回流により形成される仮想円の接線方向に熱分解ガスを導入するように配置され、前記補助燃料バーナが前記仮想円の接線方向に補助燃料を導入するとともに前記熱分解ガスバーナの近傍で且つ前記熱分解ガス旋回流の旋回方向に対して前記熱分解ガスバーナより上流側に配置されるようにした廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉であって、
    前記熱分解ガスバーナ及び前記補助燃料バーナが上下方向に夫々複数段設けられ、下段側のバーナ高さにおける仮想円径が上段側のバーナ高さにおける仮想円径より小となるように夫々のバーナを配置したことを特徴とする廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉。
  2. 前記溶融炉の内径をDとした場合、前記上段側のバーナ高さにおける仮想円径DがD/D=0.6〜0.8、且つ前記下段側のバーナ高さにおける仮想円径DがD/D=0.3〜0.5となるように夫々のバーナを配置したことを特徴とする請求項1記載の廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉。
  3. 前記溶融炉の円筒部高さをHとした場合、前記溶融炉円筒部の上端から前記上段側のバーナまでの高さHがH/H=0.6〜0.8、且つ前記溶融炉円筒部の上端から前記下段側のバーナまでの高さHがH/H=0.8〜0.9となるように夫々のバーナを配置したことを特徴とする請求項1記載の廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉。
  4. 前記溶融炉へ供給する熱量をQとした場合、前記上段側のバーナから供給する熱量QがQ/Q=0.7〜0.9、前記下段側のバーナから供給する熱量QがQ/Q=0.1〜0.3となるように設定したことを特徴とする請求項1記載の廃棄物ガス化溶融装置の溶融炉。
  5. 前記下段側の熱分解ガスバーナ及び前記下段側の補助燃料バーナの少なくとも何れか一方を炉中央に向けて下方に傾斜するように配設したことを特徴とする請求項1記載の廃棄物ガス化溶融装置。
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