JPH10176811A - 粒子床式焼却炉及びその焼却方法 - Google Patents

粒子床式焼却炉及びその焼却方法

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JPH10176811A
JPH10176811A JP35327096A JP35327096A JPH10176811A JP H10176811 A JPH10176811 A JP H10176811A JP 35327096 A JP35327096 A JP 35327096A JP 35327096 A JP35327096 A JP 35327096A JP H10176811 A JPH10176811 A JP H10176811A
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JP
Japan
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particle bed
bed layer
incinerator
combustion
air
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JP35327096A
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English (en)
Inventor
Michitoshi Shimizu
通俊 清水
Seiji Akeki
精治 明木
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NITSUSHIYOO KIKO KK
Original Assignee
NITSUSHIYOO KIKO KK
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Publication date
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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で雑多な廃棄物を完全燃焼できる
だけでなく難燃性の廃棄物をも短時間で燃焼でき燃焼性
に優れるとともに悪臭や黒煙の発生のない低原価で量産
性に適した粒子床式焼却炉を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明の粒子床式焼却炉は、焼却炉1の炉床
2aに厚さが3〜50cmに充填され敷設された不燃性
無機物の粒子床層5と、粒子床層5内に埋設され燃焼用
空気の3〜80vol%を通気する通気手段6と、を備
えた構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可燃性の被焼却物
を含む都市雑芥や産業廃棄物などを焼却する粒子床式焼
却炉及びその焼却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の焼却炉としては、例えば廃紙類,
ダンボール箱,木チップなどの焼却に用いられる直火式
焼却炉や、廃棄プラスチック類,廃タイヤ,ゴム類(以
下、廃プラという)などの焼却に用いられるガス化式焼
却炉や、汚泥やスラッジなどの焼却に用いられる特開平
3−244910号公報に示すような流動層式焼却炉が
知られている。直火式焼却炉は、炉内に被焼却物を投入
して直火により焼却するもので、比較的炉体が小さく、
事務所や学校などで一般塵芥の焼却用として普及してい
る。また、ガス化式焼却炉は、1次燃焼室で焼却された
被焼却物の排ガスを2次燃焼室で完全燃焼させ、クリー
ンなガスとして外部排気するものであり、環境汚染が問
題になる地域での焼却や、煤や悪臭が発生し易い廃プラ
の焼却に適していることから、各種の製造業や工場など
に普及している。更に、流動層式焼却炉は、炉内に供給
したけい砂などの流動媒体上に被焼却物を投入し、両者
を炉内に配設された複数の散気管からそれぞれ噴出量を
調整して空気を噴出させることにより循環状態で流動さ
せ、この間に被焼却物を乾燥,熱分解,燃焼し、発生し
た分解ガスなどの可燃ガスを2次空気により燃焼させて
焼却処理するもので、含水率の高い汚泥の焼却用に検討
されている。以上のように、可燃物の焼却炉は、被焼却
物の特性により種々の形式のものが開発されている。こ
のため、個々の焼却炉に適した被焼却物の特性が限定さ
れ、例えば、廃油用,建築廃木材用,木チップ用,紙系
塵芥用,脱水有機汚泥ケーキ用,廃プラ用など、それぞ
れ特徴のある構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の焼却炉には、以下に述べるような、専用炉問題、
不完全燃焼問題、溶融問題、分別問題、複合大
型化問題、反応問題及び燃焼用バーナー問題を有し
ていた。 専用炉問題:被焼却物の特性により、直火式焼却炉や
ガス化式焼却炉,流動層式焼却炉など種々の形式のもの
が専用炉として存在し、専用品には好適であるが種々の
廃棄物が混在した一般廃棄物や産業廃棄物には適応でき
ないという問題点を有していた。 不完全燃焼問題:最近の廃棄物は種々雑多で複雑化
し、被焼却物の内容も変化し、種々の被焼却物が混じっ
た状熊のものとなり、その材質,寸法,水分,混在比な
どが多岐に亘って変化するので、従来の専用炉では対応
が困難になり、炉内の閉塞・融着によって、不完全燃焼
による黒煙,悪臭,有害物質が発生したり、部分燃焼に
よる焼却炉の焼損などの問題点が生じていた。 溶融問題:特に最近の一般雑芥では、プラスチック類
やゴム類などである廃プラの混入割合が急増し、従来方
式の焼却炉では炉内で溶融して不完全燃焼し多量の黒煙
を出し易いという問題点を有していた。特に、廃プラの
大部分は射出成型品等の熱可塑性樹脂であり、炉内で容
易に溶融・液化して、炉底に溜まって固化し、炉の運転
を非常に困難にし、損傷させるという問題点を有してい
た。
【0004】分別問題:廃棄物の選別・分別を行い、
リサイクルするか又はその特性に合致した焼却炉により
焼却すればよいのであるが、選別・分別に人力と時間、
分別場所の敷地面積を必要とし、実現が困難という問題
点を有していた。 複合大型化問題:都市の大型焼却炉では、一般雑塵芥
用とはいうものの多大の費用をかけて、例えば、破砕機
+選別機+乾燥炉+流動床炉+二次燃焼炉+熱回収器な
どの複合大型焼却設備を設置してこれらに対処している
が、これらの維持、管理に多大の労力を要すとともに立
地が困難という問題点を有していた。 反応問題:廃プラ,食品系や家庭雑廃棄物などには、
充填剤,食塩,苦汁などが含まれ、これらの主成分には
アルカリ金属やアルカリ土類金属及びそれらの塩類が含
まれており、焼却炉内で灰分として濃縮され、その溶融
・固化や、炉内耐火物との反応・ガラス化による耐火物
の損傷、並びに重金属が含まれている廃棄物では塩化物
などによる反応,気化,逸脱等の環境汚染の問題点を有
していた。 燃焼用バーナー問題:多くの場合焼却物の燃焼を助け
るために、新規な流体燃料を用いるバーナーを設置する
必要があるとともに、バーナーの火炎が不安定で火炎が
消えたりし危険が伴うことから種々の安全設備を要すと
いう問題点があった。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、簡単な構造で雑多な廃棄物を完全燃焼できるだけで
なく難燃性の廃棄物をも短時間で燃焼でき燃焼性に優れ
るとともに悪臭や黒煙の発生の極めて少ない低原価で量
産性に適した粒子床式焼却炉を提供すること、及び燃焼
速度が早く省エネルギー性に優れ悪臭や黒煙等の2次公
害の発生のない粒子床式焼却炉の焼却方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明における粒子床式焼却炉及びその焼却方法は、
炉内から火格子を取り去って、炉床に形成された断熱性
を有する粒子床層上に可燃物を置き、この粒子床層及び
炉壁から燃焼用の空気を所定割合で供給しながら、粒子
床の表面で可燃物である被焼却物の乾燥・焼却・灰化処
理を円滑に行なえるように構成したので、多岐に亘る特
性の可燃物を、単一の焼却炉で安定して迅速な焼却処理
ができるという作用を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は上記目的を達成するため
に、以下の構成を有する。本発明の請求項1に記載の粒
子床式焼却炉においては、焼却炉の炉床に厚さが3〜5
0cmに敷設された不燃性無機物の粒子床層と、粒子床
層内に埋設され燃焼用空気を通気する1乃至複数の通気
管と、を備えた構成を有している。この構成により、不
燃性無機物の粒子からなる粒子床層の表面で被焼却物を
燃焼・灰化するので、取り扱いが困難で難燃性の可燃
物、例えば含水廃油,有機汚泥,大塊廃プラ,粉末廃プ
ラ,炭化・コークス化物等(以下、難燃物という)又は
これらの混在物でも、被焼却物は粒子床層により支持さ
れ粒子床層内に埋設された通気管で空気が供給されるの
で、乾燥・燃焼・灰化され、後述の不完全燃焼問題及
び溶融問題の解決の効果と相まって、単一の炉で幅広
い特性の被焼却物が扱える汎用性を向上させ、の専用
炉問題、の分別問題が軽減・解消されるという作用を
有する。また、粒子床層にガスや燈軽油等の流体燃料を
ノズルで該炉内に注入させると、粒子床層表面がいわゆ
るパイロットバーナーの働きをし、特別にバーナー室や
バーナーを要さずに燃焼を継続させることができる。燃
焼効率が極めて高いので、廃棄物を特に選別・分別を行
わなくてもよく、そのまま焼却できるので、前述の分
別問題に対処できるという作用を有する。また、複合
大型化問題については、本発明の炉を大型化すれば、選
別機や乾燥機等の装置が省略され、全体の単純化が可能
になるという作用を有する。更に、近年、可燃性の廃棄
物は燃料化などが図られているが、廃棄物の発生箇所で
そのまま燃焼・エネルギー化して利用できれば、流通に
係る社会的な負担が低減され、その方が総合的な効率化
になることが多い。その第1段階に当たる汎用性のある
安価な燃焼炉(焼却炉)に、本願の焼却炉が適正であ
る。その場合、水冷壁からの熱水・蒸気の利用、排気系
にボイラー,熱交換器,空気予熱器,温度差発電器,熱
水貯蔵槽,熱冷房機などを接続した構造が容易に採用で
きる。
【0008】通気管としては、開口断面が7〜50mm
で、鉄やアルミ等の金属管、陶器や磁器等のセラミック
管の円管、楕円管、角管が用いられる。通気管に形成さ
れる通気孔部は円形、楕円形、多角形又は通気管の長手
方向と平行な長円形(スリット)の形状に形成される。
通気孔部の径としては、円形や多角形の場合0.5〜7
mm、好ましくは1.5〜5mmに形成される。1.5
mmより小さくなるにつれ、燃焼に必要な通気量が得ら
れ難くまた通気量を得ようとするとブロワー等の送気機
器に背圧がかかり易くなる傾向があり、また粒子床層の
粒子を噴き上げる傾向が認められ、また、5mmよりも
大きくなるにつれ通気速度が遅く好適な燃焼性が得られ
難くなる傾向があるので、いずれも好ましくない。ま
た、楕円形や長円形(スリット)の場合は短径が1〜5
mmに形成されることにより上記作用効果が得られるの
で好ましい。通気孔部は通気管が円管、楕円管の場合、
粒子床層に配置した際、水平面よりも5°〜90°下側
の位置に通気管の名が手方向に沿って1乃至複数列形成
される。特に斜め下45°の対称位置で2列で該孔部が
交互に形成されると被焼却物の踊りがなく好適に燃焼す
ることができるとともに、合成樹脂の液化物で孔部がつ
ぶれるのを防ぐことができる。尚、液化し易い焼却物等
が多い場合や通気孔部の間隔が大きい場合等、焼却条件
によっては、通気孔部に別途ノズルを配設してもよい。
【0009】通気管の埋設位置は、通気管の外周の上面
が粒子床層の表面から10〜100mm、好ましくは2
0〜70mmの位置にくるように埋設させる。20mm
よりも浅いと通気量を増やした際に粒子床層の粒子が噴
き上げられ粒子床層による被焼却物の支持効果が得られ
難くなる傾向があり、また、70mmよりも深くなるに
つれブロワー等の送気手段に背圧がかかる傾向が認めら
れるので、いずれも好ましくない。20〜70mmの位
置に埋設することにより、粒子床層全体から空気が緩や
かに通気される通気状態が得られるので極めて高い燃焼
効果が得られる。また、合成樹脂が液化しても粒子床層
の表面から10mmぐらいで流化現象がとまり、後は下
からの空気と炉内の高温でガス化され完全に燃焼させる
ことができる。
【0010】通気管の埋設は、投入口に対し直角方向に
配設すると、焼却炉内全体の燃焼性を高めることができ
るので好ましい。尚、通気管を投入口に対し平行に配列
してもよい。この場合、粒子床層の表面から噴出する空
気を順次移動させて、被焼却物の燃焼ゾーンを変更し、
これにより粒子床層上の被焼却物を回分焼却するように
してもよい。例えば炉体の粒子床に通気管を投入口と平
行に複数本を並列に並べた状態で埋め込み、各通気管の
通気を通気管入口の電磁弁の開閉を制御しながら逐次移
動させて、粒子床表面の燃焼ゾーンを限定すると共に移
動させることにより、炉内に投入された焼却物を、一気
に燃焼せずに逐次燃焼・焼却・灰化することで、中形以
下の小規模焼却炉に要求される廃棄物の貯蔵庫を兼ねた
回分方式、すなわち排出される種々の廃棄物を、その都
度貯蔵庫としての焼却炉に人れ込み、一杯になれば点火
し、翌日には、灰化しているような回分焼却炉の要求に
対応できる。ただし、粒子床層の上部空間は焼却物で占
められているため、二次燃焼空間を二次燃焼室として別
に設ける必要がある。尚、小型炉では、通気管の通気の
移動をやめ、貯蔵庫となる炉本体の燃焼室のみを大きく
し、粒子床・二次燃焼空間・排気系統をそのままにし
て、焼却時間を長くする構造がよい。被焼却物が粒子床
層上で乾燥・燃焼・灰化される際、粒子床層に埋め込ま
れた通気管から燃焼用空気を粒子床層に通気するので、
仮に溶融し易い難燃物でも粒子床層の表面に保持され、
また仮に溶融液化しても粒子床層の中に保持されて、粒
子の断熱効果と灯心効果(ここでは、粒子床層の中に保
持された油状物が毛細管現象で表面に吸い上げられ、そ
の粒子表面で燃焼を行う効果を略称する)と、粒子の中
からの燃焼用空気の供給と相まって粒子床層表面の高温
で完全に燃焼することができるとともに、難燃物でも通
気手段により空気が炉床から強制的に供給されるので、
焼却・灰化が容易になり、の不完全燃焼問題が解消さ
れるという作用を有する。なお、粒子床層自体の溶融
は、灰と接する表面層を除き燃焼用空気の層内供給によ
り冷却されるので、防止することができる。
【0011】尚、炉体としては、焼却室の粒子床層上で
焼却した被焼却物の燃焼ガスを直接排気する直火式焼却
炉や、1次燃焼室で焼却された被焼却物の燃焼ガスを2
次燃焼室で2次燃焼させるガス化式焼却炉などが採用で
きる。また、不燃性無機物の粒子としては、川砂等の
砂、石灰岩、ドロマイト、シリカ砂、石炭灰、スラグ等
が用いられる。該粒子の粒径は可能な限り粒の揃ったも
のが好ましいが、粒子を篩分けした場合には、篩目開き
10mm目を通過し、3mm目に留まる粒径が一般雑芥
の焼却炉に適している。更に、粒子床層の粒子の粒径
は、1mm以下では、通気の圧力損失が大きく、通気の
分散効果も小さく、また30mmを超えると断熱効果と
灯心効果か無くなるので好ましくない。
【0012】粒子床層の層厚は、3cm以下では通気管
の径が小さく十分な通気量が得られ難い傾向が生じ易
く、また、断熱効果が不足で、50cmを超えると層厚
さの効果はほぼ一定となるので、それ以上の必要は少な
い。ところで、類似の焼却炉として、不燃粒子である流
動媒体を流動状態に保った流動層を用い、この層内で可
燃物を燃焼する流動層燃焼炉があるが、本発明の炉とは
次の点で異なる。すなわち、流動層は、可能な限り粒径
の揃った粒径が1〜5mmの不燃粒子を気流中で浮遊・
懸濁状態に保った層であり、この気流の流速は、最低流
動化速度と粒子が全部飛び出してしまう粒子終末速度の
範囲内であることが必須であるが、本発明では、この流
動化は不必要であり、不燃粒子は粒度分布の制限も少な
く、単なる被焼却物の断熱支持物と空気の通路として作
用し、粒子床表面において被焼却物を燃焼するものであ
るので、本質的に異なることは明らかである。
【0013】本発明の請求項2に記載の粒子床式焼却炉
は、請求項1において、焼却炉の側壁が、粒子床層の表
面から3〜80cmの上方位置から天井方向に形成され
た複数の通気孔を有する側壁通気部を備えた構成を有し
ている。この構成により、炉体の側壁からも通気するの
で、仮に可燃物が溶融状態となって滞留しても、前述し
た断熱・灯心・フイゴ燃焼効果(ここでは、粒子床層の
表面で可燃物が炭化してコークス状の塊となっても、粒
子床層からの通気によって燃焼・灰化する効果を略称す
る)に横風効果が加わり、この粒子床層の表面で急速燃
焼し、先程の不完全燃焼問題だけでなく、溶融閉塞
問願も解消されるという作用を有する。尚、この被焼却
物が滞留する粒子床層の表面は、機械的に転動・揺動
(連続炉では、プッシャーで横移動)させれば燃焼速度
を高め好ましいが、静止層でも同様な作用が得られる。
尚、数10cmを超える大塊の廃プラでも、小片の可燃
物(好ましくは木片)を共存させることで燃焼・灰化で
き、また燃焼の末期には炭化・塊状化する難燃物(ピッ
チ、タール、コークスやフェノール系樹脂等)でも、フ
イゴ燃焼効果により燃焼・灰化できる。また、側面から
も空気を供給するので側面部の燃え残りを防止し燃焼効
率を高めるという作用を有する。及び、粒子床層表面で
の炉内熱負荷(燃焼速度)を高める作用があり、燃焼室
を従来炉より約1/2程度に小さくすることができる。
特に、粒子床層から燃焼室に供給される燃焼用空気の通
気量は、単位面積当たり0.5〜60m3 /分m2 で炉
内へ噴出する一方、残りを炉壁から風速1〜20m/秒
で炉内へ噴出しながら、粒子床層上の被焼却物を焼却す
ると、上記作用を一層高めることができるので好まし
い。
【0014】本発明の請求項3に記載の粒子床式焼却炉
は、請求項1又は2において、不燃性無機物の粒子床層
が、融点600〜1700℃の無機質粒子又は被焼却物
の灰分と溶融し共融混合物の形成能を有する無機質粒子
からなる構成を有している。近年急増した廃プラ,食品
系廃棄物や家庭雑廃棄物などには、充填剤(炭酸カル,
タルク,シリカ,石膏等)や食塩,苦汁,などを含み、
塩化物,硝酸塩,硫酸塩などの塩が多量に含まれてい
る。これらの主成分は、アルカリ金属,アルカリ土類金
属の塩類であり、これが焼却に伴い、金属成分は灰分と
して濃縮される。その際炉内で溶融・固化したり、耐火
物と反応して組成変化を生じり、ガラス化などにより炉
壁や炉床に大きな損傷を生じる。非金属成分は、焼却に
伴い酸性ガスなどを生じ、その一部は炉体の金属と反応
して、装置腐食を起こし、更に気化・逸脱を起して環境
汚染となる問題が生じていたが、本請求項の発明によれ
ば、被焼却物の灰の成分に適合した無機物粒子を選定し
て共存させるか粒子床層に用いると、これらの金属や塩
類は、粒子床層の表面で反応・スラグ化して不動態化
し、炉の損傷や環境汚染を低減させることができるとい
う作用を有する。
【0015】無機質粒子としては、充填剤(炭カルな
ど)を含む廃プラ,食塩を含む食品系の廃棄物では、シ
リカ(SiO2 )成分を主成分とする粒子(岩石の砕
石,砂,砂利,軽石,けい石,玉石,陶磁器,粘土素焼
き,ガラス片や回収ガラス屑(カレット),セラミック
焼結品片,もしくは、これらの回収品など)を用いれ
ば、燃焼・焼却によって生じる微細な充填物の灰や塩類
は、無機物の粒子と反応し、ガラス化,固溶体化して、
スラグとなる。又、素塩化ビニル系の廃プラや、酸性ガ
スを発生する塩類を含む廃棄物では、石灰石,石灰,セ
ラミック焼結品,金属片,もしくは、これらの回収品を
無機物の粒子を選定して送入の際に混入し共存さすと、
反応して、酸性ガスによる装置腐食の防止ができ、前述
の 反応問題を解決できるとともに、重金属の気化・逸
脱や酸性ガスの逸脱を減少して排ガス処理装置の負荷を
低減でき環境汚染を低減することができる。また、炉床
の一部にバーナー加熱・溶融排出部を設けることによ
り、バーナーの加熱により灰と粒子とを共溶融し、スラ
グ状として流出するので、焼却と共に灰の溶融安定化が
でき、灰の安定廃棄が実施できる。
【0016】本発明の請求項4に記載の粒子床式焼却炉
は、請求項1乃至3の内いずれか1項において、焼却炉
が、被焼却物を焼却する1次燃焼室と、1次燃焼室から
排出された燃焼ガスを燃焼する2次燃焼室とを有し、焼
却炉に供給される全燃焼用空気のうち、1次燃焼用の空
気の通気量が3〜100vol%、2次燃焼用の空気の
通気量が97〜0vol%である構成を有している。こ
の構成により、2次燃焼で1次燃焼室での煙分を完全に
燃焼させ無煙化することができるという作用を有する。
この粒子床通気方式における焼却炉の好ましい燃焼状態
は、粒子床層の粒子表面上に[灰化層+炭燃焼層+ガス
化層+着火層+乾燥層]を形成し(以下、焼却ベットと
略す)、この焼却ベットから発生する可燃ガスを炉の2
次燃焼空間で十分に空気で包み、完全燃焼する構造であ
る。尚、大型炉では、2次燃焼炉を別に築炉し、2次燃
焼空間とした方がよい。粒子床層および側壁からの燃焼
用空気(以下、1次空気という)と焼却炉の2次燃焼空
間用の燃焼用空気(以下、2次空気という)の割合は、
ガス化が容易な廃プラ・廃油類は、燃焼用空気の3〜3
0vol%でガス化し、このガスが2次燃焼空間で燃焼
することが燃焼実験で確認することができたので、1次
空気をこの範囲にし、残りを2次空気にすると効果的で
ある。これに対し、容易に炭化する焼却物、例えば木材
系の場合は、30〜80vol%を1次空気とし残りを
2次空気にする(木炭・コークスでは、50〜100v
ol%を1次空気とする)。ただし通常の雑芥の場合、
1次空気を約30vol%に設定して廃プラ混入に対処
し、木質系の若干の燃焼速度低下を犠牲にし、2次燃焼
を促進して黒煙発生を防ぐ方法が好ましい。この粒子床
式焼却炉では、1次空気と2次空気量の設定により廃プ
ラ・廃油からコークス類まで対処できる。このことは大
きな進歩であり、従来、焼却炉形式を二分していたガス
化炉と直火炉の特徴を生かした方式の炉となる。すなわ
ち、ガス化・直火焼却炉と呼べるものである。特に、2
次燃焼室を別室に分け、この室の粒子床に燃料を送って
2次燃焼室の燃焼ガスを650〜850℃、0.3秒以
上に保つ様に燃料を制御すると、脱臭炉となり、ガス化
・直火焼却・脱臭炉と呼べる焼却炉となる。
【0017】本発明の請求項5に記載の粒子床式焼却炉
は、請求項1乃至4の内いずれか1項において、粒子床
層が上面に埋設されたグリズリーを備えた構成を有して
いる。この構成により、焼却が終われば、粒子床層の表
面に焼却灰が残り、この焼却灰を排出しなければならな
いが、粒子床層の上面付近にグリズリーを埋設したの
で、スコップやレーキで灰を除去する際に作業がし易い
と共に、粒子床層の粒子を掻き出されないという作用を
有する。尚、グリズリーは5〜30cm間隔で予め埋め
込んで置くと作業性が良好であり、しかも粒子の掻き出
し量が少ないので好ましい。連続運転の場合は、灰を排
出する機構例えばプッシャーなどを付加すればよい。た
だし、この場合、焼却物に少量の粒子を加え、材料移動
を円滑化するとよい。なお、吸引集塵機で灰を吸い上げ
たり、ブロア装置により灰を吹き飛ばしたりする方法も
ある。また、グリズリーに代えて仕切り板を粒子床層内
に埋め込んでもよい。
【0018】本発明の請求項6に記載の粒子床式焼却炉
は、請求項1乃至5の内いずれか1項において、粒子床
層内に配設され燃料油を粒子床に供給する種火用の燃焼
補助ノズル(以下、補助ノズルという)と、燃焼補助ノ
ズルのノズル口の上方に配設された種火保護部材と、を
備えた構成を有している。この構成により、粒子床層の
表面において、補助ノズル口に灯された種火が金網状又
は金属枠状の種火保護部材により常時保護されるので、
仮に炉内に投入された被焼却物が多量でも、種火保護部
材により種火が確保されるので火が絶えることがなく連
続焼却ができるという作用を有する。また、被焼却物の
焼却後、次の被焼却物を投入するだけで焼却でき連続使
用することができ点火バーナーとしての作用を有する。
また、廃油類,廃ガスや難燃物を焼却する場合には、炉
温の維持や安全のため種火としてパイロットバーナーと
しての作用を有する。また、積極的に補助ノズルを多数
つけて、廃油類を補助ノズルから炉内へ供給し、燃焼、
焼却することも可能であり、廃油燃焼炉として兼用する
こともできる。なお、補助ノズルへの燃料の供給量は、
炉床の単位面積当たり0.1〜5万kcal/hm2
好ましく、この範囲外では燃焼の継続が不安定になるの
で好ましくない。種火保護部材としては、線径がある程
度太い金属製の金網で上面が種火の外炎よりも数cm上
にくるように下面が開口した箱状に形成するか、又は補
助ノズルを側壁側に配置し補助ノズル上を覆うように側
壁に金網を立てかけて固定するか、又は金属棒で頂部が
火炎上の数cmにくるように枠状に形成し、箱状又は枠
内で補助ノズルを囲むように形成するのが好ましい。こ
の構成により、被焼却物が多量に投入されても種火が消
えるのを防止できる。
【0019】本発明の請求項7に記載の粒子床式焼却炉
は、請求項1乃至6の内いずれか1項において、焼却炉
の側壁が水冷式の炉壁部を備えている構成を有してい
る。側壁に水冷式の炉壁部を備えているので、例えば炉
壁内に分厚い耐火物を敷設したものに比べて炉壁が薄く
なり、その分炉内容積が大きくすることができ一度によ
り多くの被焼却物を焼却できる。耐火物を用いない水冷
方式の炉壁部を備えることにより、耐火物を全く用いる
必要がなく、施工性及び工期の極端な短縮化が図れると
ともに、低原価で焼却炉を生産できるという作用を有す
るなお、焼却炉は大型の都市用を除き長期間の連続運転
はされず、例えば出て来た廃棄物を毎日その都度焼却す
るのが一般的である。この場合、レンガ等を用いた耐火
物では、炉内の灰出し、再投入のために長時間の休止が
必要で稼働効率が半減するが、側壁が冷却されるので灰
出しや再投入をすぐに行うことができるとともに側壁が
冷却されているので火傷等の危険性もなく安全性を向上
できるという作用を有する。
【0020】本発明の請求項8に記載の粒子床式焼却炉
の焼却方法は、炉床に粒径が1〜30mmの不燃性無機
物の粒子を敷設して粒子床層を形成し、粒子床層を有す
る燃焼室に供給される燃焼用空気の通気量の3〜80v
ol%を粒子床層内に埋設された通気管から燃焼室内へ
給気する一方、残りを炉壁に形成された複数の通気孔を
有す側壁通気部から燃焼室内へ給気しながら、粒子床層
上の被焼却物を焼却する構成を有している。この構成に
より、炉床及び側壁から燃焼を持続させるに十分な空気
が燃焼中常に供給されるので、あたかも風の吹く日に野
焼きするかのような高い燃焼効率を得ることができると
いう作用を有する。また、前述した請求項1及び請求項
2に記載の作用を得ることができる。尚、通気管からの
燃焼用空気の通気空気量は、全燃焼用空気の3〜80v
ol%、好ましくは全燃焼用空気の8〜60vol%で
あり、8vol%よりも少なくなるにつれ、粒子床層表
面での燃焼が不十分で、灰化が遅れ灰化むらを生じる傾
向があり、また、60vol%を超えるにつれ、粒子床
層表面での燃焼層の生成が不安定となり灰化むらや灰の
飛散を生じる傾向があり、特に3vol%未満又は80
vol%を超えるとこの傾向が著しいので好ましくな
い。
【0021】粒子床層からの通気空気量は、焼却炉の炉
内燃焼空間熱負荷10〜30万Kcal/m3 ・hから
推定される燃焼速度に相当する空気必要量の3〜80v
ol%、又は粒子床層の単位面積当たり0.5〜60m
3 /分m2 が好適である。3vol%又は0.5m3
分m2 以下では、粒子表面での燃焼が不十分で、灰化が
遅れ灰化むらを生じ、80vol%または60m3 /分
2 を超えると、粒子表面での燃焼・灰化層の生成が不
安定となり灰化むらや灰の飛散を生じ好ましくない。
【0022】本発明の請求項9に記載の粒子床式焼却方
法は、請求項8において、粒子床層内又はその表面に、
燃料を単位面積当たり0.1〜500万kcal/hm
2 で供給して、粒子床層の表面で燃焼させる構成を有し
ている。この構成により、被焼却物の焼却時に燃料を粒
子床層側へ供給するので、粒子床表面で常に燃焼し、焼
却物の乾燥、着火、燃焼を助けるパイロットバーナーの
役目をはたす。そのため、難燃物の場合又は可燃物を炉
内に多量に投入した場合でも良好に焼却できるという作
用を有する。なお、廃油、廃ガスなどの流体焼却物の焼
却は、このパイロットバーナーを大きくした方式で安定
に焼却できる。すなわち、粒子床通気構造を生かして、
炉床の粒子床層内もしくはその表面への、燃料供給量を
炉床の単位面積当たり0.1〜5万kcal/hm2
パイロットバーナー方式に適正で、また、5〜500万
kcal/hm2 が大型パイロットバーナー方式に好ま
しく、この範囲外では燃焼の継続が不安定になる。燃料
は、流体が好ましく、廃油類,廃ガス,燃料油,燃料ガ
スが用いられ、粒子層内の細管を通じて粒子床表面近く
に埋め込んだ小皿やトレイに供給する構造とする(以
下、燃料ノズルと略す)。なお、固体燃料の場合にも適
応され、粒子床の表面に押し出す構造とするのが好まし
い。
【0023】(実施の形態1)以下本発明の実施の形態
1の粒子床式焼却炉について、図1乃至図4を用いて説
明する。図1は本実施の形態1における粒子床式焼却炉
の要部断面図であり、図2は粒子床層の要部断面図であ
り、図3は粒子床層の要部平面図であり、図4は直火型
に応用した実施の形態1の粒子床式焼却炉の要部正面図
である。図1乃至図4において、1は本実施の形態1の
粒子床式焼却炉、2は下流側が2次燃焼室に形成され被
焼却物を焼却する炉体、2aは不定型耐火物で炉体2の
内部が覆われた炉床、3は炉体2の内部に形成された被
焼却物の燃焼室、4は直径1〜30mmの川砂等からな
る不燃性無機物の粒子、5は炉床2a上に粒子4を30
〜200mmの厚さに敷設した粒子床層、6は粒子床層
5内に埋設された通気管、7は燃焼室3の側壁、8は側
壁7に形成された水冷炉壁部の1つであるウォータージ
ャケット、8aはウォータージャケット8の上部の側面
に開口された冷却水のオーバーフロー部、9はウォータ
ージャケット8に注水された冷却水、10はウォーター
ジャケット8の炉内側壁に貫通して形成された多数の壁
側空気噴出口、11は炉体2の前側の開閉扉、12は炉
体2の側面側の側壁開閉扉、13は通気管6に連結され
た送風管、14は炉体2の側壁通気路部や2次燃焼室等
に空気を供給する空気管、15は炉体2の後部に配置さ
れた支柱、16は炉体2の後部上に形成された煙道、1
7は炉体2の前部上に配設されて、その元部がオーバー
フロー部8aと連通する水封蒸発管、18は粒子床層5
の表面に上面を揃えて粒子床層5内に埋設されたグリズ
リー、19は通気管6の左右側面の斜下45°の位置に
所定ピッチで多数形成された床側空気噴出口、である。
図4において、20は空気管14に接続され側壁7から
壁側空気噴出口11に空気を供給する壁側空気供給室、
21は炉体2の外側部に配設され排ガスの灰や未燃焼物
を回収するサイクロン、21aはサイクロン21の排煙
筒、22は煙道16の排煙をサイクロン21に排気する
排気管である。
【0024】以上のように構成された本実施の形態1の
粒子床式焼却炉について、以下その焼却方法を説明す
る。被焼却物を炉体2の前側の開閉扉11から燃焼室3
の粒子床層5上にコンテナごと又は作業員の手作業で個
別に投入し、次いで被焼却物に着火後、ファンにより通
気管6の床側空気噴出口19から3〜80vol%を通
気する一方、残部の97〜20vol%を空気管14を
経て壁側空気供給部20の壁側空気噴出口10から通気
しながら、粒子床層5の表面で被焼却物を燃焼・灰化す
る。燃焼ガスは煙道16を介してサイクロン21へ送ら
れ、ここで遠心分離により燃焼ガス中に含まれる一部の
灰などが除去されて排煙筒21aから大気開放される。
焼却後に僅かに粒子床層5の表面に残った被焼却物の灰
は、開放された開閉扉11から作業者がスコップなどを
用いて掻き出す。この際、粒子床層5の表面に上面を揃
えたグリズリー18が埋設されているので、それほど粒
子4を掬い出さずに灰の掻き出し作業ができる。
【0025】以上のように本実施の形態1の粒子床式直
火焼却炉によれば、このように炉内から火格子を取り去
って、炉床に形成された断熱性を有する粒子床層上に可
燃物を置き、この粒子床層及び炉壁から燃焼用の空気を
所定割合で供給しながら、粒子床の表面で可燃物である
被焼却物の乾燥・焼却・灰化処理を円滑に行なえるよう
に構成したので、多岐にわたる特性の可燃物を、単一の
焼却炉で安定かつ迅速な焼却処理が可能となり、焼却炉
の低コスト化が図れ、廃棄物の発生場所での完全焼却処
理が可能になるという作用を有する。また、炉壁には、
ウォータージャケットが設けられているので、発生する
熱エネルギーの有効利用も図ることができ、エネルギー
のリサイクルが実現し、流通コストの低減と、資源の有
効利用や公害の低減に役立つという作用を有する。更
に、炉体前側の開閉扉が大きく形成でき、かつ炉内の燃
焼室の容積も図外のコンテナを出し入れできる大きさで
あるので、木製の大型パレットをそのまま投入すること
ができるとともに、被焼却物をいちいち手作業で炉内に
投入しなくても、耐熱性金属からなるコンテナごと焼却
できるという作用を有する。更にまた、ウォータージャ
ケットには水封蒸発管が連結されているので、ウォータ
ージャケット内での水蒸気突沸を防ぎ安全性を確保でき
るという作用を有する。炉内で発生した燃焼ガスは、サ
イクロンを通過することによりガス中の灰が除去された
後に大気開放されるという作用を有する。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の粒子床式焼却炉に
よれば、以下の優れた効果を実現できる。 a.多岐に渡る特性の可燃物を、単一の焼却炉で安定し
て迅速な焼却処理が可能となり、廃棄物の焼却処理に大
きく貢献できる。 b.酸性物質や金属塩を生じる可燃物には、この粒子の
材質を選定することにより、装置の損傷や環境汚染を低
減できる。 c.グリズリーを埋設したので、焼却後、粒子床層の表
面に残った灰をスコップやレーキで排出する際に、粒子
床層の表面付近に埋設されたグリズリーが排出ガイドに
なって作業性が向上すると共に、粒子床層の粒子の排出
が少なく、粒子の継ぎ足しが少なくて済みメンテナンス
特性を向上できる。 d.粒子床層内に種火用の燃焼補助ノズルを設け、また
燃焼補助ノズルのノズル口の上方に、種火保護部材を配
設したので、粒子床層の表面において、炉内に多量の被
焼却物が投入されても、ノズル口に灯された種火が種火
保護部材により確保され、従って被焼却物の焼却後、次
の被焼却物を自動投入して連続焼却できる。 e.炉体の側壁が水冷式のものであるので、例えば炉壁
内に分厚い耐火物を敷設したものに比べて炉壁が薄くな
り、炉内容積が大きくなって一度により多くの被焼却物
を焼却できる。しかも、粒子床通気方式の炉では、耐火
物を用いない水冷方式の炉壁の利用が容易であり、例え
ば粒子床層の粒子以外は、耐火物を全く用いない簡単な
構造の炉も製作できるので、安価な冷却機能を有する焼
却炉とすることができる。
【0027】また、本発明の粒子床式焼却方法によれ
ば、以下の優れた効果を実現できる。 f.炉床の一部にバーナー加熱・溶融排出部を設け、バ
ーナーの加熱により灰と粒子とを共溶融し、スラグ状と
して流出するので、焼却と共に灰の溶融安定化ができ、
灰の安定廃棄が実施できる。 g.粒子床層内又はその表面に、燃料を単位面積当たり
0.1〜500万kcal/hm2 で供給して、粒子床
層の表面で燃焼させるようにしたので、燃料供給の自動
化が図れ、難燃物の場合又は可燃物を炉内に多量に投入
した場合でも良好に焼却できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1における粒子床式焼却炉の要部
断面図
【図2】粒子床層の要部断面図
【図3】粒子床層の要部平面図
【図4】直火型に応用した実施の形態1の粒子床式焼却
炉の要部正面図
【符号の説明】
1 粒子床式焼却炉 2 炉体 2a 炉床 3 燃焼室 4 不燃性無機物の粒子 5 粒子床層 5′ 粒子床層 5″ 粒子床層 6 通気管 7 側壁 8 ウォータージャケット 8a オーバーフロー部 9 冷却水 10 壁側空気噴出口 11 開閉扉 12 側面開閉扉 13 送風管 15 支柱 16 煙道 17 水封蒸発管 18 グリズリー 19 床側空気噴出口 20 壁側空気供給室 21 サイクロン 21a 排煙筒 22 排気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 5/44 ZAB F23G 5/44 ZABF F23L 1/00 F23L 1/00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉の炉床に厚さが3〜50cmに敷
    設された不燃性無機物の粒子床層と、前記粒子床層内に
    埋設され燃焼用空気を通気する1乃至複数の通気管と、
    を備えたことを特徴とする粒子床式焼却炉。
  2. 【請求項2】 前記焼却炉の側壁が、前記粒子床層の表
    面から3〜80cmの上方位置から天井方向に形成され
    た複数の通気孔を有する側壁通気部を備えていることを
    特徴とする請求項1に記載の粒子床式焼却炉。
  3. 【請求項3】 前記粒子床層が、mp600〜1700
    ℃の無機質粒子又は前記被焼却物の灰分と溶融して共融
    混合物の形成能を有する無機質粒子からなることを特徴
    とする請求項1又は2の内いずれか1項に記載の粒子床
    式焼却炉
  4. 【請求項4】 前記焼却炉が、被焼却物を焼却する1次
    燃焼室と、前記1次燃焼室から排出された燃焼ガスを燃
    焼する2次燃焼室とを有し、前記焼却炉に供給される全
    燃焼用空気のうち、1次燃焼用の通気量が3〜100v
    ol%、2次燃焼用の空気の通気量が97〜0vol%
    であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1
    項に記載の粒子床式焼却炉。
  5. 【請求項5】 前記粒子床層が上面に埋設されたグリズ
    リーを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の内
    いずれか1項に記載の粒子床式焼却炉。
  6. 【請求項6】 前記粒子床層内に配設され燃料油を前記
    粒子床に供給する種火用の燃焼補助ノズルと、前記燃焼
    補助ノズルのノズル口の上方に配設された種火保護部材
    と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の内
    いずれか1項に記載の粒子床式焼却炉。
  7. 【請求項7】 前記焼却炉の側壁が水冷式の炉壁部を備
    えていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか
    1項に記載の粒子床式焼却炉。
  8. 【請求項8】 炉床に粒径が1〜30mmの不燃性無機
    物の粒子を敷設して粒子床層を形成し、前記粒子床層を
    有する燃焼室に供給される燃焼用空気の通気量の3〜8
    0vol%を前記粒子床層内に埋設された通気管から前
    記燃焼室へ給気する一方、残りを炉壁に形成された複数
    の通気孔を有する側壁通気部から前記燃焼室内へ給気し
    ながら、前記粒子床層上の被焼却物を焼却することを特
    徴とする粒子床式焼却炉の焼却方法。
  9. 【請求項9】 前記粒子床層内又はその表面に、燃料を
    単位面積当たり0.1〜500万kcal/hm2 で供
    給して、前記粒子床層の表面で燃焼させることを特徴と
    する請求項8に記載の粒子床式焼却炉の燃焼方法。
JP35327096A 1996-12-15 1996-12-15 粒子床式焼却炉及びその焼却方法 Withdrawn JPH10176811A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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