JP4056233B2 - 二段旋回流動層式焼却炉によって発生した燃焼ガス中のダイオキシン類の合成を抑制する燃焼方法。 - Google Patents

二段旋回流動層式焼却炉によって発生した燃焼ガス中のダイオキシン類の合成を抑制する燃焼方法。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明に属する技術分野】
本発明は、廃棄物の焼却処理に伴って、発生する芳香族系有機塩素化合物で有るダイオキシン類の合成を抑制する、燃焼方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に廃棄物は、植物性又は動物性の食品屑等いわゆる厨芥と紙・繊維・木・竹・プラスチック類・ゴム・皮革・落葉等の雑芥や、その他土砂ガラス・陶磁器・金属類を含む。厨芥と雑芥は60〜80%の水分を含み可燃性のものであるが、土砂・ガラス・陶磁器・金属類は不燃物である。これらの可燃分と不燃分の比率は、地域別の差は殆どなく混合芥では可燃分約80%、不燃分20%程度である。尚、パルプ廃液・石油精製における硫酸滓その他各種の可燃物には多少の差はあっても不燃物を含んでいる。又、化学製品の普及によって焼却処理施設から、発生する焼却灰及び燃焼飛灰の中には、猛毒の芳香族系有機塩素化合物で有るダイオキシン類や多塩化ジベンゾフランが多量に含まれている。これらの有害物質が自然界に流出することによって、自然環境や健康に直接影響を及ぼす生活環境に弊害が現れ、大きな社会問題を誘発している。そこで何らかの方法で有害物質の安定化を図る必要が生じる。然しながら、従来は、固定炉床式、ストーカー(ロストル)式、流動床式及びガス化溶融式等によって、焼却処理されているものの、これらの方式ではダイオキシン類や多塩化ジベンゾフラン等の合成を抑制することは不可能で有る。その理由は、発生する焼却灰中には必ずダイオキシン類・多塩化ジベンゾフラン等や重金属が含有しているし、集塵装置で捕集された燃焼飛灰の中には、焼却灰同様、必ずダイオキシン類・多塩化ジベンゾフラン等や重金属が含有しているため、溶融炉等でエンドレスに再処理が繰り返されているだけで、特段の燃焼方式によってダイオキシン類・多塩化ジベンゾフラン等の合成を抑制する措置は採られていない。
【0003】
従来の焼却装置は、被焼却物に混入している石・ガラス・陶磁器・金属類等の不燃物の処理に関しては一部を除いて何ら考慮されておらず、たとえ焼却装置の前処理工程中に不燃物除去装置や破砕装置を設けても、尚、効率の良い焼却処理が得られないばかりか、塵芥以外の可燃物、例えばパルプ廃液・硫酸滓であっても同様の課題が残されている。更に被焼却物の燃焼によって発生する塩化水素(HCl)・酸素(O)・一酸化炭素(CO)が燃焼飛灰の中の重金属や燃え残った炭素によって合成される猛毒のダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランが発生し、重大な社会問題を引き起こしているが、燃焼方式によって、この問題の解決はなされていない。
【0004】
傾斜した火床上に被焼却物を上方から投入し、その下方からの空気を上方の斜めの邪魔板に沿って吹き上げ、循環の流れを生じさせる燃焼装置、例えば特開昭48−892号公報に記載されているが、この装置では、空気の循環が不充分であり、しかも被焼却物は一段で装置内に投入される一段燃焼方法であるがため、燃焼は必ずしも充分といえない欠点がある。
【0005】
又、炉の頂部の開口部から被焼却物を投入し、充填された被焼却物の上部に設けた散気管からの吹き込み空気によって、充填された被焼却物の上部に流動層を形成し燃焼させた後、不燃物を底部に設けたスクリューコンベアで装置外に排出するようにした一段燃焼方式(例えば特開昭49−108856号公報)もあるが、これでは流動層における燃焼は不充分である。ましてや水分の多い被焼却物にあっては不完全な燃焼となる。
【0006】
更に、パドルフィーダーを炉の底部に設け、被焼却物をその一方から炉内に搬送し、このパドルフィーダートラフの下方からの空気の吹き上げとその上部の散気管によって流動層を形成する一段式の燃焼装置は、本出願人に係る特開昭52−90174号公報に記載されているが、この方法も一段式燃焼装置のために必ずしも完全な燃焼は得られない。
【0007】
一方、本出願人に係る特開昭55−95016号公報の方法は、前記特開昭52−90174号公報の装置とは異なり、被焼却物は炉本体の流動層室の斜め上方から投下され、熱媒体(硅砂等)によって形成された流動層中に落下し、一部が燃焼し流動層を通過してパドルフィーダーに落下したものは、このフィーダーで粉砕されフィーダートラフからの空気の吹き上げと、流動層室の中間部に設けた散気管によって安定した流動層を形成するものである。これは散気管の上方の一方の壁から斜め上方に、更にその対向壁から斜め下方に炉外で熱交換した空気を風箱から吹き込んで旋回流動層を形成する二段燃焼方式である。この場合、被焼却物は旋回流に乗って完全な燃焼が行われるが、炉内に投入された被焼却物の中には、パドル間隔以上の大きな石塊や金属塊等の不燃物が混入することも多く、パドルフーダーの回転停止が起こる。従って、可燃物の粉砕と不燃物の搬送が順調に行われないため充分な二段燃焼が不可能となるばかりか、焼却装置そのものの一時停止を余儀なくされる等の基本的な欠点がある。又、被焼却物の燃焼によって発生する酸性ガス例えば塩化水素によって、特殊な例をの除いて殆どの当該装置は、炉本体内壁の耐火材が著しく劣化され、装置そのものの機能を完全に損ね焼却処理が不可能となる。よって、これらを補うための手間や修繕等にかかる経費は増大する。その上、焼却装置内において、猛毒で有る芳香族系有機塩素化合物で有るダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランの合成を抑制する技術に関しては、殆ど考慮されていない。
【0008】

【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされるもので、被焼却物の燃焼によって発生する猛毒のダイオキシン類や、多塩化ジベンゾフランの合成を抑制する燃焼方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を技術的に解決するための手段として、本発明は、本出願人が所有する特許第2985058号の二段旋回流動層式焼却炉を用いて行うものである。一般的に焼却炉におけるダイオキシン類の生成過程は、二次燃焼室において完全燃焼しないで残留した未燃成分、或いは前駆物質が、二次燃焼室から熱交換器・集塵機を通過するうちに温度・雰囲気・触媒などの諸条件が適当に揃ってしまい、燃焼によって発生した塩化水素と反応して生成されると考えられている。この生成反応には、1)300〜500℃の雰囲気で、ばいじん中の重金属(特に銅の触媒作用が強い)が触媒となり、未燃炭素などから合成される反応経路と、2)クロロフェノールやクロロベンゼンといった前駆物質の分解、合成反応で生成される反応経路が有る。特に1)の合成反応は、関連の薄い物質から新たに合成されると言った意味でDe Novo Synthesisとよばれている。毒性の強いダイオキシン類は、その化学的構造からもわかるように、本質的には一酸化炭素(CO)や各種炭化水素(HC)などと同様、未燃分の一種と考えられている。従って、焼却炉内でのダイオキシン類生成抑制法は、高い燃焼温度(Temperature)・高温での充分な滞留時間(Time)・未燃ガスと空気との良好な乱流混合(Turbulence)が最も重要と成る。そこで、酸素(O)濃度のコントロールを前提とするが、これらの三要素の良好なバランスを図れば殆どのダイオキシン類の抑制が可能となる。但し、燃焼によって発生した塩化水素は、前記の三要素の良好なバランスの図れた燃焼状況で同時に生石灰(CaO)による中和処理を行い安定した無害の塩化カルシウム(CaCI)と水(HO)が生成され、重金属の触媒が燃焼ガス中に存在しても殆ど反応しないため、ダイオキシン類の抑制効果を高めることを要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳説する。図1は本発明に係る焼却炉の概念を示す断面図であり、1は、炉本体でありその底部より硅砂等の熱媒体aを充填する第一段旋回流動層室1−1と、第二段ガス旋回流室1−2と、ガス燃焼室1−3とに区分して構成する。
【0011】
前記第一段旋回流動層室1−1は、すり鉢状になだらかに傾斜する円錐形底板nが設けられ、この円錐形底板nの中央を通って最下部に抜ける熱媒体取出口2を設けると共に、ほぼ前面に亙って多数のオリフィスノズル3を垂直に配列させて設け、これらのオリフィスノズル3は円錐形底板nの下側に設けた風箱4と連通させる。
【0012】
5は風箱4に取り付けられた熱風送気管であり、炉外で空気熱交換器(図略)によって熱交換された加圧空気eは、前記オリフィスノズル3を通過して第一段旋回流動層室1−1内に吹き出され、予め充填された熱媒体aを吹き上げて流動層炉本体1を形成する。
【0013】
6は第一段旋回流動層室1−1の上方の内壁に設けたオリフィスノズルであり、図3に示すように任意の角度を持たせてタンジェンシャルに多数配列し、炉本体1の外板と耐火材fとの間に環状の風箱7を設け、この環状の風箱7とオリフィスノズル6を連通させる。
【0014】
8は炉本体1の外側に配設した環状ヘッダー管であり、炉外で熱交換された加圧空気eを熱風送気管9に送り込むと、上部に複数箇所設けられた熱風送気管10から各ダンパー12及び熱風送気管11を介して、前記環状の風箱7内に送気された加圧空気eは、前記タンジェンシャルのオリフィスノズル6を連通して第一段旋回流動層室1−1内に吹き出され、流動層を形成した熱媒体aを旋回させる。つまり熱媒体aの安定した第一段目の旋回流動層が形成される。
【0015】
13は、第一段旋回流動層室1−1と第二段ガス旋回流室1−2のほぼ中間の内壁部に上方より斜め下方に傾斜して設けられた固形状被焼却物bを投入するための投入口であり、この固形状被焼却物投入口13に隣接させて図1(ロ)のような液状被焼却物cを注入するための注入口14が設けられる。
【0016】
前記固形状被焼却物bは、前処理工程(図略)において一定粒径以下に破砕された後、図示を省略した被焼却物供給装置でロータリーフィーダー(図略)を経由して定量ずつ前記固形状被焼却物投入口13より第一段旋回流動層室1−1内に投入される。一方液状被焼却物cは、図示を省略したがポンプアップし定量的に前記液状被焼却物注入口14より、第一段旋回流動層室1−1内に注入される。
【0017】
このようにして第一段旋回流動層室1−1内に送り込まれた被焼却物は、瞬時に乾燥とガス化及び一部が燃焼して、第一段目の燃焼工程が完了すると共に、不燃物dは、第一段旋回流動層室1−1内で可燃分と分離され、前記円錐形底板n上に一時滞留した後、熱媒体取出口2より、一部の熱媒体aと一緒に搬送機(図略)で炉外に搬出され分級器(図略)に送られる。そして熱媒体aと不燃物dに分離され、熱媒体aは、熱媒体循環装置(図略)でロータリーフィーダー(図略)まで搬送され、第一段旋回流動層室1−1と第二段ガス旋回流室1−2の間の内壁に設けられた熱媒体循環口15(図1(ハ)参照)から第一段旋回流動層室1−1の流動層内に定量づつ戻され循環使用する。一方不燃物dは、不燃物搬送機(図略)によって、不燃物貯留槽(図略)に送られ一時貯留した後系外に搬出される。
【0018】
本発明に係る焼却炉は、定格運転で常に負圧状態で運転する必要性から外気との気密性が要求されている。そこで外気とのシールは前記流動層を形成するために使用される熱媒体aのサンドシール法によってその役割を果たす。
【0019】
尚、熱媒体循環口15の取り付け位置と同じ円周上の他の個所に、斜め下方に傾斜する中和剤投入口16及びバーナー17が設けられる(図1(二)、(イ)参照)。
【0020】
中和剤投入口16は、被焼却物b、cの燃焼によって発生した酸性ガス例えば塩化水素等を化学反応によって、中和処理するための中和剤g(CaO等)を第一段旋回流動層室1−1内の前記旋回流動層内に投入するものであって、投入された中和剤gは、旋回流動層の竜巻流(乱流)に乗って燃焼ガスとの直接混合時間を長く取り、効率良い中和反応が行われダイオキシン類の抑制効果を発揮する。
【0021】
前記バーナー17は、熱媒体aが旋回流動状態において着火し燃焼させる。炉内温度が設定温度に上昇した時点で、被焼却物b、cを単独或いは同時に第一段旋回流動層室1−1内に供給し、竜巻流の外側温度を850℃以上に保持して被焼却物b、cの燃焼を安定させると共に竜巻流のエネルギー即ち、竜巻流の中心軸温度を1300℃以上に維持させるために,重油等の高発熱量の補助燃料mを燃やす必要があるので、このバーナー17が使用される。
【0023】
炉本体1の外側には、環状ヘッター管20が配設され、この環状ヘッター管20には熱風送気管21、22が設けられ、更に熱風送気管22と前記風箱19の熱風送気管23との間にダンパー24が各々配設される。炉外で空気熱交換器(図略)によって熱交換された加圧空気eを熱風送気管21から環状ヘッター管20に送り込むと、この加圧空気eはダンパー24によって平均的な酸素濃度(空気量)を調整し、風箱19に送気され各オリフィスノズル18から吹き出して、前記第一段目の旋回流(竜巻流)より、一層強靭な第二段目の旋回流が形成される。
【0024】
この第二段目の旋回流(竜巻流)は、旋回流の外側に在る物を当該流中心に引き寄せる特性を有している。この特性は、焼却炉1において発生した燃焼ガスを旋回流の中心部に引き寄せるため、焼却炉1の内壁面に用いられる耐火材fに対し、酸性ガスからの腐食を完全に阻止できることと、燃焼ガスの炉内滞留時間を引き延ばすことができると共に、当該流中心部の温度を1300℃以上に保持できることから、酸性ガスの中和処理と被焼却物b、cの完全燃焼をほぼ達成できる。従って、ダイオキシン類の抑制効果も多大なものと成る。
【0025】
第二段目の燃焼完了後の燃焼ガスh及び発生飛灰iは、炉本体1のガス燃焼室1−3の頂部に設けた排ガス出口管25より排出されるが、これらはガス冷却室(濡れ壁式)27に導かれ、陣笠42の中心部に冷却水入口管40より送水された冷却水l,を連続且つ、平均的に送水して、発生飛灰iの50%以上を排水中に浮遊懸濁させるが、発生飛灰iを平均的に浮遊懸濁させるために高圧空気入口管41より高圧空気oを送気して良く混合した後、適当な排水処理装置(図略)に送水して処理される。残りの飛灰を含んだ燃焼ガスhは、冷却水によって400〜500℃に降温した後、ガス冷却室(濡れ壁式)27の上部側面に設けた排ガス出口管28から排出される。尚、ガス燃焼室1−3の頂部には、燃焼ガス緊急放出口管26を設け、未燃ガスによる爆発事故を防止する配慮がなされている。
【0026】
この排ガスjは適当な手段、例えば図示は省略するが、空気熱交換器を経由してダストコレクター等によって、飛灰を捕集した後の排ガスを誘引送風機を経由して排ガスチャンバー29の下部の側面に設けた、排ガス入口管30に送気すると共に、該チャンバー29の排ガス入口管30と同レベルの任意の位置に設けた白煙防止用熱風入口管31から熱風発生炉(図略)で発生した600℃の熱風を送気して混合する。更に、該チャンバー29の頂部に排気筒32を設けるがこの排気筒32の最下部に環状の風箱33を設け、排気筒側板に任意の角度を持たせた多数のオリフィスノズル34をタンジェンシャルに配列させて、連通させる。更に、排気筒32の外側には、環状ヘッダー管35が配設され、この環状ヘッダー管35には熱風送気管36、37が設けられ、熱風送気管37と前記風箱33に設けた熱風送気管36との間にダンパー38が各々配設される。空気熱交換器(図略)によって熱交換された加圧空気eをダンパー38で調整して、熱風送気管39から環状ヘッダー管35に送り、熱風送気管36と風箱33経由してオリフィスノズル34から排気筒32に吹き込まれ、旋回流を発生する。排ガスは、この旋回流に乗って混合され排ガス中の水蒸気を気化して白煙防止を図る。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による二段旋回流動層式焼却炉を用いて焼却処理した燃焼排ガス中のダイオキシン類の処理方法について、従来の処理方法と比較すると大きな相違点が有る。即ち、従来の処理方法は、焼却炉の下部に堆積する焼却灰及び燃焼飛灰中のダイオキシン類と、燃焼排ガス中のダイオキシン類を活性炭に吸着させたものを混合して、溶融炉で処理する方法が主流であるが、ガス化溶融炉によって廃棄物を直接燃焼溶融する方法も行われるようになった。然しながら、直接燃焼溶融するガス化溶融炉であっても燃焼排ガス中にダイオキシン類は混入しているため、燃焼飛灰と活性炭に吸着させたものは、エンドレスに処理しなければならないことから、莫大な建設費とランニングコストを必要とする。一方、本発明は、焼却炉内に旋回流(竜巻流)を構成し、この特性で有る旋回流の外側に、あるものを当該流の中心軸に引き寄せる特性を充分に活用して旋回流の外側温度を850℃以上に保持して、安定した燃焼を継続すると旋回流のエネルギー、即ち、旋回流の中心軸温度を1300℃以上に維持できると共に、炉内における燃焼ガスの滞留時間を大幅に引き延ばし、燃焼によって発生した酸性ガス例えば、塩化水素等の中和反応効率の向上と、被焼却物の完全燃焼が容易に図れることで、ダイオキシン類の合成を抑制でき、更に、建設・修繕費及びランニングコストを著しく軽減させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は、本発明に係る二段旋回流層層式焼却炉を概念的に示す縦断面図、(ロ)〜(二)は、その一部を其々示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線切断平面図で有る。
【図3】図1におけるB−B線切断平面図で有る。
【図4】図1におけるC−C線切断平面図で有る。
【符号の説明】
1・・・炉本体
1−1・・・第一段旋回流動室
1−2・・・第二段ガス旋回室
1−3・・・ガス燃焼室
3・・・熱媒体取出口 3・・・オリフィスノズル 4・・・風箱
5・・・熱風送気管 6・・・オリフィスノズル 7・・・風箱
8・・・環状ヘッダー管 9、10、11・・・熱風送気管
12・・・ダンパー 13・・・固形状被焼却物入口 14・・・液状被焼却物入口 15・・・熱媒体循環口 16・・・中和剤投入口
17・・・バーナー 18・・・オリフィスノズル 19・・・風箱
20・・・環状ヘッダー管 21、22、23・・・熱風送気管
24・・・ダンパー 25・・・排ガス出口管 26・・・燃焼ガス緊急放出口 27・・・ガス冷却室(濡れ壁式) 28・・・排ガス出口管 29・・・排ガスチャンバー 30・・・排ガス入口管
31・・・白煙防止用熱風入口管 32・・・排気筒 33・・・風箱
34・・・オリフィスノズル 35・・・環状ヘッダー管
36、37・・・熱風送気管 38・・・ダンパー 39・・・熱風送気管 40・・・冷却水入口管 41・・・圧力空気入口管
42・・・陣笠
a・・・熱媒体 b・・・固形状被焼却物 c・・・液状被焼却物
d・・・不燃物 e・・・加圧空気 f・・・耐火材 g・・・中和剤
h・・・燃焼ガス I・・・燃焼飛灰 j・・・排ガス k・・・熱風
l・・・冷却水 m・・・補助燃料 n・・・円錐形底板 o・・・高圧空気

Claims (4)

  1. 第一段旋回流動層室と、当該第一段旋回流動層室の上部と流体連通する第二段ガス旋回室と、当該第二段ガス旋回室の上部と流体連通するガス燃焼室と、当該ガス燃焼室の上部に設けられた濡れ壁式ガス冷却室と、を具備する二段旋回流動層式焼却炉であって、
    当該第一段旋回流動層室には、多数のオリフィスノズル及び熱媒体取り出し口が設けられている円錐形底板と、当該円錐形底板の下方に設けられている風箱と、当該風箱に加圧空気を送り込む熱風送気管と、が設けられ、当該円錐形底板の上方には熱媒体が充填されていて、当該熱風送気管から送り込まれた加圧空気を当該多数のオリフィスノズルを通して当該円錐形底板の上方に吹き出すことによって当該熱媒体を吹き上げて流動層を形成するように構成されており、
    当該第一段旋回流動層室上部内壁にはタンジェンシャルに多数配列されたオリフィスノズルが設けられ、当該第一段旋回流動層室上部外壁には当該タンジェンシャルに多数配列されたオリフィスノズルと流体連通する環状の風箱が設けられ、当該風箱には加圧空気を送り込む熱風送気管が取り付けられていて、当該風箱に送り込まれた加圧空気を当該タンジェンシャルに多数配列されたオリフィスノズルを通して当該第一段旋回流動層室に吹き込み、当該流動層を形成している熱媒体を旋回させるように構成されており、
    当該第一段旋回流動層室と当該第二段ガス旋回室との間には、被焼却物投入口、中和剤投入口、熱媒体循環口及びバーナーが設けられ、被焼却物、中和剤及び熱媒体を当該流動層に投入して旋回させながら当該第二段ガス旋回室に上昇させるように構成されており、
    当該第二段ガス旋回室上部内壁にはオリフィスノズルが設けられ、当該第二段ガス旋回室上部外壁には当該オリフィスノズルと流体連通する環状の風箱が設けられ、当該風箱には加圧空気を送り込む熱風送気管が取り付けられていて、当該風箱に送り込まれた加圧空気を当該オリフィスノズルを通して当該第二段ガス旋回室に吹き込み、当該第一段旋回流動層室から上昇してくる旋回流動層をさらに旋回させるように構成されており、
    当該ガス燃焼室上部には、当該濡れ壁式ガス冷却室と流体連通する排ガス出口管が設けられ、燃焼ガス及び発生飛灰を当該濡れ壁式ガス冷却室に導入するように構成されており、
    当該濡れ壁式ガス冷却室には、当該ガス燃焼室の当該排ガス出口管を覆うように陣笠が設けられており、当該陣笠の上面中央部には冷却水入口管が設けられ、当該陣笠の下方で且つ当該排ガス出口管の外周部に高圧空気を送気する高圧空気入口管が当該濡れ壁式ガス冷却室外壁を貫通して設けられており、当該陣笠上面に沿って冷却水を連続且つ平均的に送水して当該陣笠の下端にて当該ガス燃焼室から上昇してくる燃焼ガス及び飛灰と接触して冷却し且つ当該排ガス出口管の外周部と当該濡れ壁式冷却室外壁との間の空間に燃焼ガス及び飛灰を含んだ冷却水を貯留するように構成されている、二段旋回流動層式焼却炉。
  2. 前記濡れ壁式冷却室の上方に設けられた排ガスチャンバーをさらに具備し、
    当該排ガスチャンバーには、飛灰を捕集した後の排ガスを再循環させる排ガス入口管と、白煙防止用熱風入口と、排気筒とが設けられており、
    当該排気筒の最下段に環状の風箱を設け、当該排気筒側板にタンジェンシャルに配列させた多数のオリフィスノズルを設け、当該排気筒の外側に加圧空気を送り込む熱風送気管を設け、加圧空気を当該熱風送気管から当該風箱を経由して当該オリフィスノズルから当該排気筒に吹き込んで旋回流を発生させるように構成されている、請求項1に記載の二段旋回流動層式焼却炉。
  3. 請求項1又は2に記載の二段旋回流動層式焼却炉を用いて焼却する方法であって、
    前記第一段旋回流動層室から旋回上昇してくる熱媒体に、前記被焼却物投入口より被焼却物を投入し、
    前記バーナーによって、前記ガス燃焼室内での旋回流の外側温度を850℃以上に保持し且つ旋回流の中心軸温度を1300℃以上に維持して、被焼却物を完全燃焼させると共 に、被焼却物の燃焼産物である酸性ガスを前記中和剤投入口より投入された中和剤によって中和させ、
    被焼却物の燃焼によって発生する燃焼ガス及び飛灰を前記ガス燃焼室の前記排ガス出口管より前記濡れ壁式冷却室に導入すると同時に、前記冷却水入口管より冷却水を供給して前記陣笠の上面に沿って連続かつ平均的に送水し、当該燃焼ガス及び飛灰と当該冷却水とを接触させて、前記排ガス出口管の外周部と前記濡れ壁式冷却室外壁との間の空間に燃焼ガス及び飛灰を含んだ冷却水を貯留し、前記高圧空気入口管から高圧空気を送気して当該燃焼ガスと当該飛灰とを混合した後排水し、残りの燃焼ガスを排出する工程を含み、
    被焼却物の燃焼によって発生する酸性ガスを中和し且つダイオキシン類の合成を抑制する焼却方法。
  4. 請求項2に記載の二段旋回流動層式焼却炉を用いて焼却する方法であって、前記濡れ壁式冷却室から排出された排ガスを前記排ガスチャンバーに導入し、前記排ガスチャンバー内の旋回流によって排ガス中の水蒸気を気化して白濁を防止する工程をさらに含む、請求項3に記載の焼却方法。
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