JPH11257622A - 廃棄物処理方法及び処理設備 - Google Patents

廃棄物処理方法及び処理設備

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JPH11257622A
JPH11257622A JP10062499A JP6249998A JPH11257622A JP H11257622 A JPH11257622 A JP H11257622A JP 10062499 A JP10062499 A JP 10062499A JP 6249998 A JP6249998 A JP 6249998A JP H11257622 A JPH11257622 A JP H11257622A
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JP
Japan
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waste
pyrolysis
char
furnace
supplied
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Pending
Application number
JP10062499A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Taniguchi
正行 谷口
Yoshinobu Kobayashi
啓信 小林
Toshiaki Arato
利昭 荒戸
Tsuyoshi Shibata
強 柴田
Shin Tamada
愼 玉田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Filing date
Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

(57)【要約】 【課題】水分含有率の異なる廃棄物が持ち込まれても、
安定かつ効率良く処理設備を運転できる廃棄物の処理方
法と処理設備を提供する。 【解決手段】廃棄物はゴミSTから最終処理設備50へ
集める。水分含有率が高い廃棄物は、第一集積所20に
集め、一旦乾燥した後、熱分解する。RDF等の水分含
有率が低い廃棄物は第二集積所21に集め、直接熱分解
する。熱分解後のチャー7は、粉砕後、溶融炉5で燃焼
し、不燃物を溶融スラグとして取り出す。粉体RDF等
の微粒化された廃棄物は、第三集積所71に集め、直接
溶融炉5で燃焼することもできる。水分含有率の異なる
廃棄物が持ち込まれても、安定かつ効率良く処理設備を
運転できる。また、廃棄物の燃焼熱を用いて発電する場
合、電力需要に合わせた発電がしやすい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の処理方法
と処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物を、加熱した水蒸気でまず乾燥
し、乾燥させた後の廃棄物を450℃で熱分解させ、可
燃ガスとチャーを生成し、生成したチャーを燃焼炉で燃
焼させ、このときのチャーの燃焼熱でチャー中の不燃物
を溶融させる技術が特開平8−135935号公報に公開され
ている。この方法では、廃棄物中に含まれる水分が燃焼
炉へ送られることがなく、燃焼炉の温度を高く保つこと
ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ただし、廃棄物には、
水分含有率の多いものと少ないものがある。特に、広い
地域から廃棄物を集め、処理するときには、水分含有率
の異なるさまざまな廃棄物が持ち込まれる。これは、廃
棄物処理装置を安定に運転するための障害となる。たと
えば、水分含有率が多すぎるときには、熱分解による可
燃ガスの生成量が不足する可能性がある。一方、水分を
ほとんど含まない廃棄物が持ち込まれたときには、乾燥
炉中で発火する可能性がある。従来技術では、水分含有
率の異なるさまざまな廃棄物が持ち込まれたときにも、
安定に乾燥炉と熱分解炉を運転する方法は開示されてい
ない。
【0004】本発明の目的は、水分含有率の異なるさま
ざまな廃棄物が持ち込まれても、安定かつ効率良く処理
設備を運転できる、廃棄物の処理方法と処理設備を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、廃棄物を熱分
解炉に供給して乾留ガスと熱分解残留物とに分離し、熱
分解残留物から分別したチャーを溶融炉に供給してチャ
ー中に含まれる不燃物を溶融させる廃棄物処理方法にお
いて、水分含有率の高い廃棄物は予め乾燥して水分含有
率を低くしてから熱分解炉へ供給し、水分含有率の低い
廃棄物は直接熱分解炉へ供給するようにしたことを特徴
とする廃棄物処理方法にある。
【0006】また、廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガ
スと熱分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別し
たチャーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物
を溶融させる廃棄物処理方法において、廃棄物を予め乾
燥,減容し固形燃料化して水分含有率を低くしてから熱
分解炉へ供給するようにしたことを特徴とする廃棄物処
理方法にある。
【0007】熱分解炉へ供給するときの水分含有率の目
安は10重量%とし、10重量%以下のものを熱分解炉
へ供給することが望ましい。
【0008】また、廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガ
スと熱分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別し
たチャーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物
を溶融させる廃棄物処理方法において、廃棄物を予め乾
燥,減容し固形燃料化して水分含有率を低くし、固形燃
料化された廃棄物のうちで粒径の大きいものは熱分解炉
へ供給し、粒径の小さいものは直接溶融炉へ供給するよ
うにしたことを特徴とする廃棄物処理方法にある。粒径
の目安は1mmとし、1mm以下のものを溶融炉へ供給する
ことが望ましい。
【0009】また、廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガ
スと熱分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別し
たチャーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物
を溶融させる廃棄物処理方法において、前記熱分解炉に
供給する廃棄物の水分含有率を設定し、水分含有率が高
く熱分解炉に供給する廃棄物の条件を満たさないものは
予め乾燥して水分含有率を低くしてから熱分解炉へ供給
するようにしたことを特徴とする廃棄物処理方法にあ
る。水分含有率の設定値は10重量%あるいはそれ以下
が望ましい。
【0010】また、廃棄物を集積する設備と、廃棄物を
乾燥する乾燥器と、廃棄物を乾留して乾留ガスと熱分解
残留物とに分離する熱分解炉と、該熱分解炉で発生した
熱分解残留物から分別したチャーを燃焼してチャー中に
含まれる不燃物をチャーの燃焼熱により溶融させる溶融
炉とを有する廃棄物処理設備において、前記廃棄物を集
積する設備を水分含有率の高い廃棄物を集積する設備と
水分含有率の低い廃棄物を集積する設備とに分けて独立
して設けたことを特徴とする廃棄物処理設備にある。水
分含有率の高低を示す目安は10重量%とし、10重量
%より高いか低いかによって集積設備を分けることが望
ましい。
【0011】また、前記廃棄物処理設備において、水分
含有率の低い廃棄物を集積する設備を更に粒径の大きい
廃棄物を集積する設備と粒径の小さい廃棄物を集積する
設備とに分けて独立して設けたことを特徴とする廃棄物
処理設備にある。
【0012】また、廃棄物を集積する設備と、廃棄物を
乾燥する乾燥器と、廃棄物を乾留して乾留ガスと熱分解
残留物とに分離する熱分解炉と、該熱分解炉で発生した
熱分解残留物から分別したチャーを燃焼してチャー中に
含まれる不燃物をチャーの燃焼熱により溶融させる溶融
炉とを有する廃棄物処理設備において、前記廃棄物の水
分含有率を測定する測定器と、水分含有率により廃棄物
を分別する分別器と、分別した廃棄物毎に独立して集積
する廃棄物集積設備とを備えたことを特徴とする廃棄物
処理設備にある。
【0013】本発明の実施態様の例を以下に示す。
【0014】(1)廃棄物を収集して処理施設に運搬
し、処理施設にて集積後、当該廃棄物を加熱して乾燥,
熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留物に分離し、前
記熱分解残留物から分別したチャーを燃焼させ、チャー
中に含まれる不燃物をチャーの燃焼熱により溶融させる
廃棄物の処理方法において、水分含有率の多い廃棄物と
水分含有率の少ない廃棄物を一つの処理施設内の異なる
場所に分けて集積し、集積後、前記廃棄物を乾燥,熱分
解させる、廃棄物の処理方法。
【0015】(2)廃棄物を収集して処理施設に運搬
し、処理施設にて集積後、当該廃棄物を加熱して乾燥,
熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留物に分離し、前
記熱分解残留物から分別したチャーを燃焼させ、チャー
中に含まれる不燃物をチャーの燃焼熱により溶融させる
廃棄物の処理方法において、水分含有率の少ない廃棄物
と水分含有率の少ない廃棄物を異なる場所に集積し、集
積後、前記水分含有率の多い廃棄物を乾燥させ、乾燥
後、前記水分含有率の少ない廃棄物と混合したのち熱分
解させることを特徴とする廃棄物の処理方法。
【0016】(3)廃棄物を加熱して熱分解し、乾留ガ
スと固体の熱分解残留物に分離し、前記熱分解残留物か
ら分別したチャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不燃
物を溶融固化させる廃棄物の処理方法において、一部の
廃棄物は予め乾燥させた後熱分解させ、残りの廃棄物は
乾燥させずに直接熱分解させる、廃棄物の処理方法。
【0017】(4)廃棄物を加熱して熱分解し、乾留ガ
スと固体の熱分解残留物に分離し、前記熱分解残留物か
ら分別したチャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不燃
物をチャーの燃焼熱で溶融固化させる廃棄物の処理方法
において、一部の廃棄物を予め乾燥させた後、残りの廃
棄物と混合して熱分解させる廃棄物の処理方法。
【0018】(5)廃棄物を収集して処理施設に運搬
し、当該廃棄物を乾燥させた後加熱して熱分解し、乾留
ガスと固体の熱分解残留物に分離し、前記熱分解残留物
から分別したチャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不
燃物をチャーの燃焼熱により溶融固化させる廃棄物の処
理方法において、一部の廃棄物は複数の廃棄物処理施設
において予め乾燥,減容し、固形燃料化させた後、最終
処理施設に運搬し、残りの廃棄物は前記最終処理施設に
直接運搬して乾燥し、乾燥した廃棄物を前記固形燃料と
混合して熱分解させる、廃棄物の処理方法。
【0019】(6)廃棄物を集積する設備と、当該廃棄
物を加熱して熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留物
に分離する加熱炉と、前記熱分解残留物から分別したチ
ャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不燃物を溶融させ
る溶融炉と、前記廃棄物集積設備に保管された廃棄物
を、前記加熱炉へ搬送する手段を備えた、廃棄物の処理
設備において、水分含有率の多い廃棄物を集積する設備
と、水分含有率の少ない廃棄物を集積する設備を独立し
て設け、それぞれの廃棄物集積設備に、廃棄物の搬送手
段を独立して設けた、廃棄物の処理設備。
【0020】(7)廃棄物を集積する設備と、当該廃棄
物を加熱して熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留物
に分離する加熱炉と、前記熱分解残留物から分別したチ
ャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不燃物を溶融させ
る溶融炉と、前記廃棄物集積設備に保管された廃棄物
を、前記加熱炉へ搬送する手段を備えた、廃棄物の処理
設備において、水分含有率の多い廃棄物を集積する設備
と、水分含有率の少ない廃棄物を集積する設備を独立し
て設け、それぞれの廃棄物集積設備に、廃棄物の搬送量
を独立に制御できる搬送手段を設けた、廃棄物の処理設
備。
【0021】(8)廃棄物を集積する設備と、当該廃棄
物を乾燥させる乾燥器と、加熱して熱分解し、乾留ガス
と固体の熱分解残留物に分離する熱分解炉と、前記熱分
解残留物から分別したチャーを燃焼させ、チャー中に含
まれる不燃物を溶融させる溶融炉と、前記廃棄物集積設
備に保管された廃棄物を、前記加熱炉へ搬送する手段を
備えた、廃棄物の処理設備において、水分含有率の多い
廃棄物を集積する設備と、水分含有率の少ない廃棄物を
集積する設備を独立して設け、水分含有率の多い廃棄物
を集積する設備から前記乾燥器に廃棄物を搬送する手段
と、水分含有率の少ない廃棄物を集積する設備から前記
熱分解炉に廃棄物を搬送する手段とを設けた、廃棄物の
処理設備。
【0022】(9)廃棄物およびゴミ固形化燃料を集積
する設備と、当該廃棄物を乾燥させる乾燥器と、加熱し
て熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留物に分離する
熱分解炉と、前記熱分解残留物から分別したチャーを燃
焼させ、チャー中に含まれる不燃物を溶融させる溶融炉
と、前記廃棄物集積設備に保管された廃棄物を、前記加
熱炉へ搬送する手段を備えた、廃棄物の処理設備におい
て、前記廃棄物を集積する設備と、前記ゴミ固形化燃料
を集積する設備を独立して設け、前記廃棄物を集積する
設備から前記乾燥器に廃棄物を搬送する手段と、前記ゴ
ミ固形化燃料を集積する設備から前記熱分解炉にゴミ固
形化燃料を搬送する手段とを設けた、廃棄物の処理設
備。
【0023】(10)廃棄物を略200℃以下であって
脱水しうる温度に加熱して乾燥する乾燥器と、当該可燃
性廃棄物を加熱して熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解
残留物に分離する熱分解反応器と、前記熱分解残留物か
ら分別したチャーを燃焼させる燃焼器とを備えたことを
特徴とする、廃棄物処理装置において、前記乾燥器の入
口と前記熱分解反応器の入口の双方に、乾燥前の前記廃
棄物を供給する手段を設けた、廃棄物の処理設備。
【0024】(11)粒径の大きい廃棄物と粒径の小さ
い廃棄物を一つの処理施設内の異なる場所に分けて集積
し、集積後、前記粒径の大きい廃棄物を熱分解させ、乾
留ガスと固体の熱分解残留物に分離し、前記熱分解残留
物から分別したチャーを燃焼させ、前記粒径の小さい廃
棄物は熱分解させずに直接燃焼させ、前記チャー及び前
記粒径の小さい廃棄物中の不燃物を、チャーおよび廃棄
物の燃焼熱により溶融させる、廃棄物の処理方法。
【0025】(12)廃棄物を集積する設備と、当該廃
棄物を加熱して熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留
物に分離する熱分解炉と、前記熱分解残留物から分別し
たチャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不燃物を溶融
させる溶融炉と、前記廃棄物集積設備に保管された廃棄
物を、前記加熱炉へ搬送する手段を備えた、廃棄物の処
理設備において、粒径の大きい廃棄物を集積する設備
と、粒径の小さい廃棄物を集積する設備を独立して設
け、粒径の大きい廃棄物を集積する設備から前記熱分解
炉に廃棄物を搬送する手段と、粒径の小さい廃棄物を集
積する設備から、前記溶融炉に粒径の小さい廃棄物を供
給する手段を設けた廃棄物の処理設備。
【0026】(13)廃棄物を加熱して熱分解し、乾留
ガスと固体の熱分解残留物に分離し、前記熱分解残留物
から分別したチャーを燃焼させる、廃棄物の燃焼装置に
おいて、前記チャーを気流で搬送し、前記燃焼装置内へ
噴出し、燃焼させるチャー燃焼用バーナと、粒径の小さ
い廃棄物を気流で搬送し、前記燃焼装置内へ噴出し、燃
焼させる粉体廃棄物燃焼用バーナとを設けた、廃棄物の
燃焼装置。
【0027】(14)前記(13)において、チャー燃
焼用バーナと、粉体廃棄物燃焼用バーナを燃焼装置内の
同一平面上に配置した廃棄物の燃焼装置。
【0028】(15)廃棄物を集積する設備と、当該廃
棄物を加熱して熱分解し、乾留ガスと固体の熱分解残留
物に分離する熱分解炉と、前記熱分解残留物から分別し
たチャーを燃焼させ、チャー中に含まれる不燃物を溶融
させる溶融炉と、前記廃棄物集積設備に保管された廃棄
物を、前記加熱炉へ搬送する手段を備えた、廃棄物の処
理設備において、廃棄物の一部を粉砕,分級し、粒径の
大きい廃棄物を前記熱分解炉へ供給する手段と、粒径の
小さい廃棄物を前記溶融炉へ供給する手段を設けた、廃
棄物の処理設備。
【0029】(16)(1)〜(15)のいずれか一つ
において、乾燥器に供給される廃棄物、乾燥器から排出
される廃棄物、熱分解炉に供給される廃棄物、および、
溶融炉に供給される廃棄物のうち少なくともひとつにつ
いて、廃棄物中に含まれる水分含有率を測定する手段を
備えた廃棄物の処理設備。
【0030】(17)廃棄物の受け入れ設備と、廃棄物
を集積する設備と、当該廃棄物を加熱して熱分解し、乾
留ガスと固体の熱分解残留物に分離する熱分解炉と、前
記熱分解残留物から分別したチャーを燃焼させ、チャー
中に含まれる不燃物を溶融させる溶融炉と、前記廃棄物
集積設備に保管された廃棄物を、前記加熱炉へ搬送する
手段を備えた、廃棄物の処理設備において、受け入れた
廃棄物の水分含有率を測定する手段と、水分含有率によ
り前記廃棄物を分別する手段と、分別した廃棄物を分け
て集積する集積設備を備えた、廃棄物の処理設備。
【0031】廃棄物の水分含有率は地域により異なる。
生ゴミの多い地域では水分含有率が多く、生ゴミの少な
い地域では水分含有率が少ない。また、廃棄物を固形燃
料(RDF)化した場合の水分含有率は、通常10重量
%以下であり、乾燥の必要がない程度である。これらの
廃棄物を一ヶ所に集積し、処理をすると、水分含有率が
運転中に変動し、装置の制御が難しくなる。これは、集
積した廃棄物をさらに混合し、水分含有率のムラをなく
すことが困難なためである。このため、あるときは生ゴ
ミの多い廃棄物が投入され、その直後に水分をほとんど
含まないRDFが投入されることが起こり得る。また、
この水分含有率の変動は予測困難である。
【0032】一方、廃棄物の水分含有率が異なると、乾
燥炉や熱分解炉の運転条件を変えなければいけない。こ
れは、廃棄物の加熱と熱分解に必要なエネルギーより
も、水分を蒸発させるときの蒸発潜熱のほうが大きいた
めである。このため、水分含有量に応じて、乾燥炉や熱
分解炉へ投入する入熱量、及び/或いは、乾燥炉や熱分
解炉での廃棄物の滞留時間を制御しなければいけない。
水分含有率の変動を予測することは困難なため、制御は
困難である。
【0033】乾燥炉や熱分解炉の運転状態を容易に制御
するためには、水分含有率の変動を少なくし、時間的な
変動を予測できるようにすればよい。このためには、予
め水分含有率の少ない廃棄物と多い廃棄物を分けて集積
し、供給量を個別に制御すればよい。また、水分含有率
の少ない廃棄物は乾燥の必要がないので、水分含有率の
多い廃棄物のみを乾燥器へ供給するとよい。この場合、
熱分解炉へは常に水分をあまり含まない廃棄物のみが供
給されるので、熱分解炉の制御は容易である。また、乾
燥器には、水分の少ない廃棄物は供給されない。このた
め、乾燥時に温度が上がりすぎ、廃棄物が自然発火する
可能性は少なくなる。
【0034】廃棄物中の水分は、大部分が生ごみに由来
する。したがって、廃棄物中の水分が少なくなる理由
は、主に以下の2点である。
【0035】1)廃棄物中に生ごみがほとんど含まれな
い。
【0036】2)廃棄物がいったん乾燥されている。
【0037】オフィス街など、紙やプラスチックの廃棄
量が多い地域,生ごみと他の可燃ごみを分別している地
域,生ごみ処理装置が普及している地域では、1)の理
由により水分含有率の少ない廃棄物が得られる。また、
ごみ固形燃料(RDF)化設備を導入している地域で
は、2)の理由により水分含有率の少ない廃棄物が得ら
れる。
【0038】これらの点を考慮すると、収集した廃棄物
中の水分含有率が多いか少ないかは、収集した地域から
わかる。従って、廃棄物中の水分含有率が多い地域から
収集した廃棄物と、廃棄物中の水分含有率が少ない地域
から収集した廃棄物とを分けて集積すれば、水分量の制
御は容易であり、収集した廃棄物を改めて分別する必要
はない。
【0039】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1に、本発明の一
実施例である、廃棄物の処理方法と、廃棄物処理設備の
概略構成を示す。廃棄物はまず、ゴミST(ゴミステー
ション)に集められ、ここから廃棄物運搬車等で最終処
理設備50へ集められる。最終処理設備50の近くにあ
るゴミSTからは、直接最終処理設備50へ廃棄物を持
ち込む。最終処理設備近くのゴミSTから持ち込まれた
廃棄物には生ゴミが含まれることが多いので、水分含有
率が高い。これらの廃棄物は、第一集積所20に集め
る。最終処理設備では、廃棄物の広域処理を想定してい
るので、遠隔地からも廃棄物が持ち込まれる。しかし、
遠隔地から少量の廃棄物を運ぶのは、輸送コストの面で
不利なことがある。この場合は、廃棄物をRDF製造所
52へいったん集め、乾燥,固形燃料化する。ある程度
固形化燃料がたまった段階で、最終処理設備50へ輸送
する。
【0040】ごみ固形化燃料(RDF)には、燃料の粒
径や加工の程度に関し、さまざまな種類がある。ただ、
処理前の廃棄物に比べ、水分含有率が少ない点はほぼ共
通している。これらのごみ固形化燃料は第二集積所21
に集める。
【0041】遠隔地であっても、廃棄物の輸送に問題が
ないときもある。このときは、最終処理場に直接運び、
第一集積所20に集める。
【0042】スーパー等では、生ごみからコンポストが
製造されていることがある。これらのコンポストも最終
処理場へ運んでよい。特開平8−135935 号公報による
と、都市ゴミの水分含有率はおよそ30−60重量%で
ある。これより水分が少ないとき即ち30重量%以下の
ときには、第二集積所21に集める。30重量%よりも
水分含有率が多いときには第一集積所20に集める。
【0043】廃棄物の水分含有率は、地域によっても特
徴がある。たとえば、オフィス街では紙やプラスチック
屑が多く、生ごみは少ないので、水分含有率が少ない。
また、生ごみのコンポスト化装置が普及している地域
や、生ごみと他の可燃ごみの分別収集が進んでいる地域
でも同様である。廃棄物中の水分含有率が少ないことが
判明しているときには、加工されていない廃棄物でも、
第二集積所21に集める。
【0044】最終処理設備50は、第一,第二集積所の
他に、乾燥器1,熱分解炉4,溶融炉5、等で構成され
ている。乾燥器1では、廃棄物を100℃程度に加熱
し、廃棄物中の水分を除く。熱分解炉4では、廃棄物を
250−500℃程度に加熱,熱分解し、乾留ガスと固
体の熱分解残留物を生成する。熱分解残留物から鉄,ア
ルミニウム,ガレキ等を取り除いたチャー7を微粉砕し
て溶融炉5に送り燃焼させる。このとき、乾留ガスも合
わせて溶融炉5に送り、燃焼させてもよい。溶融炉5で
はチャー中の不燃物を溶融し、スラグとして取り出す。
溶融炉5から排出される燃焼ガス51をボイラ9に送
る。ボイラ9では、燃焼ガスの熱により蒸気13を発生
させ、図示しない蒸気タービンを駆動させて発電する。
【0045】第一集積所20に集められた廃棄物は水分
が多いので、第一搬送装置2により乾燥器1に送る。乾
燥した廃棄物24を熱分解炉4に送り、乾留ガスと固体
の熱分解残留物を生成する。第二集積所21に集められ
た廃棄物は水分が少ないので、第二搬送装置3により直
接熱分解炉4に送り、乾留ガスと固体の熱分解残留物を
生成する。
【0046】廃棄物を乾燥するとき、水分含有率が変動
すると下記の問題が生じる。まず、水分含有率の変動に
応じて乾燥器1への入熱量と廃棄物の滞留時間を変えな
くてはいけない。もし、入熱量や滞留時間を制御しない
と、熱分解炉4に送られる廃棄物中の水分量が変動する
ので、熱分解炉4への入熱量や滞留時間を制御しなけれ
ばいけない。また、水分含有率の少ない廃棄物を乾燥器
1に投入すると、この廃棄物を加熱するためのエネルギ
ーが無駄になる。さらに、廃棄物中に水分が含まれてい
るときは、乾燥器内での廃棄物温度は約100℃に保た
れるが、水分がなくなると、温度が高くなり、自然発火
するおそれがある。
【0047】本発明の方法では、水分含有率に応じて複
数の集積所を設けているので、それぞれの集積所の中で
の水分含有率の変動は少ない。したがって、乾燥器1や
熱分解炉4の制御が容易である。また、水分が少ない廃
棄物は乾燥器1に供給されないので、エネルギーの無駄
が少なく、自然発火のおそれも少ない。
【0048】また、廃棄物を広域処理する方法として、
各自治体で廃棄物から固形燃料(RDF)を製造し、こ
れを1ケ所に集めて、循環流動層燃焼炉などで集中処理
する方法が、エネルギー学会誌75号797ページ(1
996年)に紹介されている。この方法の欠点は、RD
Fの粒径等の規格を統一しなければならないこと、RD
F製造設備を一度に導入しなければいけないこと、等で
ある。これに対して本発明の方法では、RDFの規格を
統一する必要はない。また、加工しない廃棄物とRDF
が混在しても処理できるので、RDF製造設備を一度に
導入する必要もない。
【0049】図2は、本発明の廃棄物処理設備のシステ
ム系統図である。第一集積所20に集められた水分の多
い廃棄物22は、第一搬送装置2により、乾燥器1へ送
られる。乾燥器1へは、高温の乾燥用流体31を送り、
廃棄物を乾燥する。乾燥した廃棄物24は、熱分解炉4
へ送られる。第二集積所21に集められた水分の少ない
廃棄物23は、第二搬送装置3により、熱分解炉4へ送
られる。廃棄物の供給は、水分の少ない廃棄物23と乾
燥した廃棄物24をそれぞれ別個に熱分解炉4に送る方
法としてもよいし、これらの廃棄物をいったん混ぜたの
ち、熱分解炉4に送る方法としてもよい。
【0050】熱分解炉4では、およそ250℃ー500
℃の温度で、廃棄物が熱分解し、熱分解ガス6と固体6
1が生成する。固体61中には、可燃性物質を多く含む
チャー7と粒径の大きな不燃物質が含まれる。粒径の大
きな不燃物質は主に、鉄くず,アルミニウムくず,ガレ
キ等からなる。固体61は、分別装置17にて鉄くず,
アルミニウムくず,ガレキ等に分別する。粒径の大きな
不燃物質を除去した後のチャー7は、図示しない粉砕器
で微粉砕したのち溶融炉5へ送り、空気11と混ぜて燃
焼させる。熱分解炉で生成した熱分解ガス6は溶融炉5
で燃焼させる、または、図示しない他のバーナで燃焼さ
せる、等の方法で処理する。
【0051】熱分解炉4は、加熱用ガス25で加熱す
る。加熱用ガス25には、溶融炉5、あるいは他の燃焼
器で発生した燃焼排ガス等を用いることができる。乾燥
器1は、乾燥用流体31で加熱する。乾燥用流体には、
燃焼排ガス,ボイラ9で発生した蒸気13の一部、等、
加熱されたガスを用いるのがよい。加熱後の加熱用ガス
25および乾燥用流体31は、大気中に放出するか、溶
融炉5、または煙道66中に放出する。これらのガスを
溶融炉5に放出すると、溶融炉5内の温度が制御でき
る。
【0052】溶融炉5には、固体用バーナ68と液体,
ガス用バーナ67が設けけられている。固体用バーナ6
8からはチャー7を供給し、燃焼させる。液体,ガス用
バーナ67は装置の起動時に用いる。ただ、チャー7の
燃焼のみでは溶融炉5内の温度が充分高くならないとき
には、定常運転時にも液体,ガス用バーナ67を使用す
る。液体,ガス用バーナ67の燃料は、軽油,重油,天
然ガス等であり、図示しないタンクから供給する。ま
た、熱分解ガスも燃料として使用できる。
【0053】溶融炉5内の温度は、燃料の燃焼熱によ
り、約1200℃−1400℃に保たれる。チャーに含
まれる不燃物質はこの熱で溶かされ、溶融スラグ16と
して炉外へ取り出される。
【0054】溶融炉5内で発生した燃焼ガスは、煙道6
6を通り、ボイラ9へ導かれる。ボイラ内9では、燃焼
ガスの熱により水14から蒸気13が発生する。この蒸
気13により、図示しない蒸気タービンと蒸気タービン
に接続された発電機を駆動する。ボイラ9から排出され
た燃焼ガス中に含まれる粉塵は、バグフィルタ8で除去
される。バグフィルタで除去された粉塵27は、チャー
7と混合し、溶融炉5内へ再び供給される。バグフィル
タ8を通過した燃焼ガスは、排ガス浄化装置18により
NOxあるいはSOxを除去した後、煙突19より大気
中へ放出される。
【0055】また、煙道中の燃焼ガスの一部は、排ガス
再循環ライン26を通して溶融炉5内に供給してもよ
い。これにより、溶融炉5内の温度と気体の流動状態を
制御できる。
【0056】[実施例2]図3は、乾燥器を用いないと
きの、廃棄物処理設備の構成である。この方法では、装
置の数が少なく、構成が簡便になる。ただし、熱分解ガ
ス6中に含まれる水分が多くなるので、加熱用ガス25
や溶融炉5の温度が充分に上がらない可能性がある。温
度が充分に上がらないときには、重油等を助燃剤として
用いるとよい。
【0057】本発明の設備では、水分の多い廃棄物22
と水分の少ない廃棄物23を異なる集積所に集め、異な
る搬送装置を用いて熱分解炉へ供給する。それぞれの搬
送装置は、独立した制御装置すなわち第一搬送装置の制
御装置41と第二搬送装置の制御装置42を用いて制御
信号43,44により運転し、供給量を独立に制御す
る。
【0058】水分の多い廃棄物と、少ない廃棄物を同じ
集積所に集めたとき、廃棄物中の水分含有率が均一にな
るように混合されていることはない。したがって、熱分
解炉に供給される廃棄物の水分含有率は変動する。ま
た、どのように変動するか予測できない。本発明のよう
に、水分含有率の多い廃棄物と少ない廃棄物を分けて供
給する場合には、個々の供給量を変えることで廃棄物の
水分含有率を人為的に制御できる。また、水分含有率の
変動も予測できるので、熱分解炉の制御が容易になる。
【0059】[実施例3]RDFのなかには、単に乾
燥,成形しただけでなく、鉄,アルミニウム,ガレキ等
を分別した後、1mm以下に粉砕されたものもある。この
ような粉体RDFは、熱分解せずに直接溶融炉5で燃焼
することもできる。
【0060】図4に、収集される廃棄物のなかに、粉体
RDFが含まれるときの、廃棄物処理方法と処理設備の
構成を示す。ここでは、水分含有率の高い廃棄物を集積
する第一集積所20,水分含有率の低い廃棄物を集積す
る第二集積所21、の他に粒径の小さな廃棄物を集積す
る第三集積所71を設ける。ここに、粉体RDF製造所
82で製造された粉体RDFを搬入し、集積する。粉体
RDF製造所82では、廃棄物を乾燥し、鉄くず等の粒
径の大きな不燃物を取り除いた後、1mm以下に微粉砕す
る。得られたRDFの平均粒径はおよそ200−500
μmである。微粉砕されたRDFは燃え切り時間が短い
ので、熱分解せずに、直接溶融炉5で燃焼させる。
【0061】粒径の大きな廃棄物は、第二集積所21に
集める。第一集積所20に集められた水分含有率の高い
廃棄物は、乾燥器1でまず乾燥させる。ここで、乾燥器
1への廃棄物供給系の途中に水分測定器102を設ける
と、乾燥器1への入熱量の制御が容易である。乾燥後の
廃棄物を熱分解炉4へ供給する。同時に、第二集積所2
1から水分含有率の少ない廃棄物を供給する。熱分解炉
4へ供給する廃棄物についても、水分含有率を測定する
と、熱分解炉4への入熱量の制御が容易である。熱分解
後に得られる固体は、粗粉砕機72へ送る。鉄,アルミ
ニウムくず,ガレキ等は粉砕されないので、分別装置1
7で、粒径の大きな粒子を取り除き、チャー7を得る。
チャー7は微粉砕機73で200μm以下に粉砕した
後、溶融炉5で燃焼させる。このときのチャー7の平均
粒径は約50μmである。熱分解炉4で発生した熱分解
ガスは、乾燥器1と熱分解炉4の加熱用燃料として用い
る。あるいは、溶融炉5へ供給し、燃焼させる。
【0062】チャー7と粉体RDF110はそれぞれ別の設備
を用いて溶融炉5へ供給するのがよい。これは、チャー
7と粉体RDF110では粒径が5−10倍違うからである。
いずれの粉体も、空気等で気流搬送して溶融炉5へ供給
するが、粒径により、最適な搬送気体の流速,粉体濃度
等は異なる。チャー7の粒径を粉体RDF110と同程度に粗
くして、混合する方法もあるが、この場合には、溶融炉
5での燃焼が難しくなる。一方、粉体RDF110の粒径をチ
ャー7と同程度にすることは出来ない。発明者らは、廃
棄物の熱分解温度を変えて、得られた固体の粉砕性能を
検討した。熱分解温度が300℃以上のときは、容易に
200μm以下に粉砕できた。ただし、この温度では、
可燃ガスが発生するので、RDF製造の温度としては高
すぎる。一方、250℃以下では可燃ガスはあまり発生
しないが、残留固体の粉砕は難しかった。粉砕後の粒径
は粉体RDFと同程度であった。
【0063】粉体RDFおよびチャー7にも水分は含ま
れる。この水分量の変化により、溶融炉5の温度は変動
する。粉体RDFおよびチャー7の水分含有率を測定す
ると、溶融炉の温度の制御も容易になる。
【0064】図5および図6に、溶融炉5の構造を示
す。図5は、縦断面図である。溶融炉5は円筒系であ
り、周囲にはキャスタが張られている。チャー燃焼用バ
ーナ103と粉体廃棄物燃焼用バーナ104が溶融炉5の
上部に設けられている。それぞれのバーナには、粉体の
供給部と燃焼用空気の供給部から構成されている。それ
ぞれの粉体は空気搬送し、溶融炉5へ供給する。粉体供
給部の周囲から、空気11を供給する。チャー燃焼用バ
ーナ103と粉体廃棄物燃焼用バーナ104は同一面上
に設置し、バーナから供給された気体により、ひとつの
旋回流を形成させる。供給され気体と粉体は下降旋回流
75を形成する。粉体は燃焼しながら溶融炉5の下部へ
向かう。燃焼熱により溶けた不燃物は、溶融スラグ16
として、溶融炉5の下部から取り出す。燃焼した気体は
その後上昇流74となり、燃焼ガス出口76から放出さ
れる。この溶融炉5では、下降旋回流75を形成するこ
とにより、溶融炉5内での粉体の滞留時間が長くなる。
このため、燃焼ガス出口から放出される燃焼灰や固体の
未燃焼成分の量が少なくなる。
【0065】図6は、バーナ設置面での横断面図であ
る。バーナは、同一面上に複数本配置する。起動用バー
ナ106および熱分解ガス燃焼用バーナ105を同時に
配置してもよい。それぞれのバーナから供給された燃料
と空気は、燃焼しながら混合し、ひとつの旋回流を形成
する。それぞれのバーナから供給される燃料は燃焼性が
異なる。最も燃焼しやすいのは起動用燃料81である。
起動用燃料には、軽油,重油等が用いられるが、これ
は、溶融炉5が冷えた状態でも自然できる。次に燃焼し
やすいのはチャー7である。溶融炉5が加熱されていれ
ば自然できる。熱分解ガス6には、廃棄物中の水分が含
まれる。水分量が多い時には自然は困難である。粉体廃
棄物は粒径が大きいので、自然は困難である。しかし、
それぞれのバーナから供給される気体を混合し、ひとつ
の旋回流を形成することで、燃焼が容易な起動用燃料と
チャーの燃焼熱により、燃焼が困難な熱分解ガス6と粉
体廃棄物の燃焼を促進することができる。
【0066】なお、図6には4本のバーナが示されてい
るが、全てのバーナを同時に運転する必要はない。少な
くとも1本のバーナが運転されていればよい。使用しな
いバーナには、空気のみを流す。
【0067】[実施例4]図7は、粉体廃棄物を使用す
る廃棄物処理設備の変形例である。ここでは、搬入され
たRDFを処理設備内で粉砕する。RDFの中には比較
的粉砕しやすい成分としにくい成分が含まれている。第
四集積所91に搬入されたRDFを、粉砕,分級機92
に供給する。1mm以下に粉砕された成分は、微粉として
分離し、溶融炉5へ直接供給し、燃焼させる。1mm以上
の成分は、熱分解炉4へ供給する。 [実施例5]図8は、本発明の変形例のひとつである。
ここでは、搬入された廃棄物の一部を、さらに分別す
る。
【0068】廃棄物をまず、受け入れ設備101へ搬入
する。次に、水分測定,分別器100により、搬入された
廃棄物の水分を測定し、水分の多い廃棄物と少ない廃棄
物に分別し、それぞれの集積所へ運ぶ。なお、RDF
等、水分含有率が少ないことが明らかな廃棄物は、水分
測定,分別器100を通さずに、直接第二集積所21へ
運ぶ。
【0069】廃棄物の燃焼熱を用いて発電する場合、電
力需要の多い時期と少ない時期で発電量を変動させるこ
とが望ましい。このためには、廃棄物を一時保管し、電
力需要にあわせて処理量を変動させることが望ましい。
しかし、廃棄物を一時保管すると、腐敗する。廃棄物を
水分量により分別することで、廃棄物を腐敗させずに、
一時保管できる。廃棄物が腐敗するのは、廃棄物中に水
分が多く含まれるからである。そこで、分別された廃棄
物のうち水分の多いものは、保管せずにすぐ乾燥させ
る。一方、水分の少ない廃棄物は一時保管し、電力需要
にあわせて熱分解炉に供給し、処理する。
【0070】
【発明の効果】本発明により、水分含有率の異なるさま
ざまな廃棄物が持ち込まれても、安定かつ効率良く処理
設備を運転できる、廃棄物の処理方法と処理設備が提供
される。また、廃棄物の広域処理を促進することができ
る。また、廃棄物の燃焼熱を用いて発電する場合、電力
需要にあわせた発電をしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である、廃棄物処理方法と設
備の構成を示す図。
【図2】本発明の一実施例である、廃棄物処理設備の系
統図。
【図3】本発明の一実施例である、廃棄物処理設備の変
形例の系統図。
【図4】本発明の一実施例である、廃棄物処理設備の他
の変形例の系統図。
【図5】本発明の一実施例である溶融炉の縦断面図。
【図6】本発明の一実施例である溶融炉の横断面図。
【図7】本発明の一実施例である、RDFの粉砕,分級
機を備えた廃棄物処理設備の系統図。
【図8】本発明の変形例のひとつである、搬入された廃
棄物を水分含有率で分別する廃棄物処理方法と設備の構
成を示す図。
【符号の説明】
1…乾燥器、2…第一搬送装置、3…第二搬送装置、4
…熱分解炉、5…溶融炉、6…熱分解ガス、7…チャ
ー、8…バグフィルタ、9…ボイラ、10…加熱用燃焼
器、11,28…空気、12…乾燥用空気、13,30
…蒸気、14…水、16…溶融スラグ、17…分別装
置、18…排ガス浄化装置、19…煙突、20…第一集
積所、21…第二集積所、22…水分の多い廃棄物、2
3…水分の少ない廃棄物、24…乾燥した廃棄物、25
…加熱用ガス、26…排ガス再循環ライン、27…粉
塵、31…乾燥用流体、32…乾燥後の燃焼ガス、41
…第一搬送装置の制御装置、42…第二搬送装置の制御
装置、43,44…制御信号、50…最終処理設備、5
1…燃焼ガス、52…RDF製造所、54…コンポスト
製造所、60…熱交換器、61…固体、63…乾燥用燃
焼ガス、66…煙道、67…液体,ガス用バーナ、68
…固体用バーナ、71…第三集積所、72…粗粉砕機、
73…微粉砕機、74…上昇流、75…下降旋回流、7
6…燃焼ガス出口、77…チャーと搬送空気、78…粉
体廃棄物と搬送空気、79…キャスタ、80…スラグ取
り出し口、81…起動用燃料、82…粉体RDF製造
所、91…第四集積所、92…粉砕,分級機、100…
水分測定,分別器、101…受け入れ設備、102…水
分測定器、103…チャー燃焼用バーナ、104…粉体
廃棄物燃焼用バーナ、105…熱分解ガス燃焼用バー
ナ、106…起動用バーナ、110…粉体RDF。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 5/04 ZAB F23G 5/14 ZABD 5/14 ZAB B09B 3/00 302G (72)発明者 柴田 強 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉田 愼 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガスと熱
    分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別したチャ
    ーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物を溶融
    させる廃棄物処理方法において、水分含有率の高い廃棄
    物は予め乾燥して水分含有率を低くしてから熱分解炉へ
    供給し、水分含有率の低い廃棄物は直接熱分解炉へ供給
    するようにしたことを特徴とする廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガスと熱
    分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別したチャ
    ーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物を溶融
    させる廃棄物処理方法において、廃棄物を予め乾燥,減
    容し固形燃料化して水分含有率を低くしてから熱分解炉
    へ供給するようにしたことを特徴とする廃棄物処理方
    法。
  3. 【請求項3】廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガスと熱
    分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別したチャ
    ーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物を溶融
    させる廃棄物処理方法において、廃棄物を予め乾燥,減
    容し固形燃料化して水分含有率を低くし、固形燃料化さ
    れた廃棄物のうちで粒径の大きいものは熱分解炉へ供給
    し、粒径の小さいものは直接溶融炉へ供給するようにし
    たことを特徴とする廃棄物処理方法。
  4. 【請求項4】廃棄物を熱分解炉に供給して乾留ガスと熱
    分解残留物とに分離し、熱分解残留物から分別したチャ
    ーを溶融炉に供給してチャー中に含まれる不燃物を溶融
    させる廃棄物処理方法において、前記熱分解炉に供給す
    る廃棄物の水分含有率を設定し、水分含有率が高く熱分
    解炉に供給する廃棄物の条件を満たさないものは予め乾
    燥して水分含有率を低くしてから熱分解炉へ供給するよ
    うにしたことを特徴とする廃棄物処理方法。
  5. 【請求項5】廃棄物を集積する設備と、廃棄物を乾燥す
    る乾燥器と、廃棄物を乾留して乾留ガスと熱分解残留物
    とに分離する熱分解炉と、該熱分解炉で発生した熱分解
    残留物から分別したチャーを燃焼してチャー中に含まれ
    る不燃物をチャーの燃焼熱により溶融させる溶融炉とを
    有する廃棄物処理設備において、前記廃棄物を集積する
    設備を水分含有率の高い廃棄物を集積する設備と水分含
    有率の低い廃棄物を集積する設備とに分けて独立して設
    けたことを特徴とする廃棄物処理設備。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の廃棄物処理設備におい
    て、前記水分含有率の低い廃棄物を集積する設備を更に
    粒径の大きい廃棄物を集積する設備と粒径の小さい廃棄
    物を集積する設備とに分けて独立して設けたことを特徴
    とする廃棄物処理設備。
  7. 【請求項7】廃棄物を集積する設備と、廃棄物を乾燥す
    る乾燥器と、廃棄物を乾留して乾留ガスと熱分解残留物
    とに分離する熱分解炉と、該熱分解炉で発生した熱分解
    残留物から分別したチャーを燃焼してチャー中に含まれ
    る不燃物をチャーの燃焼熱により溶融させる溶融炉とを
    有する廃棄物処理設備において、前記廃棄物の水分含有
    率を測定する測定器と、水分含有率により廃棄物を分別
    する分別器と、分別した廃棄物毎に独立して集積する廃
    棄物集積設備とを備えたことを特徴とする廃棄物処理設
    備。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006266619A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Nippon Steel Corp 廃棄物ガス化で発生する可燃性ガスの燃焼バーナ
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