JP2007138309A - リサイクルポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維、フィルム、ボトル等の成形品から回収された回収ポリエステル樹脂を高い割合で原料に使用しているにも関わらず、くすみがなく色調に優れたリサイクルポリエステル繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】回収ポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂において、酸化性物質または還元性物質を用いて接触処理を行うことにより、色調b値に優れたリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】回収ポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂において、酸化性物質または還元性物質を用いて接触処理を行うことにより、色調b値に優れたリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル繊維に関する。詳しくは、繊維、フィルム、ボトル等の成形品から回収された回収ポリエステル樹脂を原料に使用しているにも関わらず、くすみがなく色調に優れたリサイクルポリエステル繊維の製造方法に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステルは、優れた力学的特性、耐熱性、成形性、耐薬品性を有しており、また低コストのために、繊維、フィルム、成型品等の分野において幅広い用途に用いられている。これらのポリエステル製品は使用後に廃棄処分されているが、焼却処分を行うと燃焼時に高熱が発生してしまい焼却炉の損傷の原因となる問題が発生する。また焼却せずに廃棄する場合は、腐敗分解しないため土中や水中に永久的に残ることになり、環境保全の面からも問題となっている。
そこで、資源の再利用、環境保全の面から、廃棄されたポリマー製品を回収し再利用することが求められてきている。特に使用量が多く、今後も使用量の増加が予想されるポリエチレンテレフタレートを主に使用した食用液体用ボトル(ペットボトル)をはじめとして、成型品を再溶融、チップ化し、再び繊維、フィルム、成型品にするというリサイクルの試みが始まっている(特許文献1)。また、ポリエステル繊維においても、繊維を所定の大きさに切断し、溶融、チップ化することによって再び繊維、フィルム、成型品とすることが試みられている。しかしその回収品は、種々の形態、種々の重合度のポリマーが混在して溶融混合されるため、得られるポリエステル樹脂はくすみや黄色味を帯びてしまうため、リサイクルポリエステルを繊維として使用する場合、用途が限定されてしまうといった問題があった。そのため、くすみや黄色味を抑えるためには、回収ポリエステル原料の配合割合を大幅に減らす必要があった。かかる問題に対し、特許文献2では、白度の高い回収ポリエステルを多い割合で回収ポリエステル原料に用いる方法を挙げているが、この方法を用いるとリサイクルできる回収ポリエステルの量は大幅に制限されてしまう。また特許文献3では、リサイクルポリエステルの製造工程で蛍光増泊剤を添加する方法を挙げているが、リサイクルポリエステルの物性によっては蛍光増泊剤による色むらの発生が引き起こされてしまうといった問題が発生する。
特開平5−279921号公報(請求項1)
特開2000−63557号公報(請求項1)
特開2002−146670号公報(請求項1)
本発明の目的は上記従来の問題点を解決し、廃棄回収された使用済みのポリエステルを高い割合で原料として用いても、くすみのない色調に優れたリサイクルポリエステル繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記問題を鑑みて鋭意検討した結果、回収ポリエステル樹脂を原料として含有するポリエステル樹脂において、酸化性物質または還元性物質を用いて接触処理を行うことにより、色調b値に優れたリサイクルポリエステル繊維の製造方法を見出し本発明に到達した。
本発明は、繊維、フィルム、ボトル等の成形品から回収された回収ポリエステル樹脂を原料に使用しているにも関わらず、くすみがなく色調に優れたリサイクルポリエステル繊維を製造する方法を提供するものである。
ポリエステルには、通常、二重結合を有したポリエステルやモノマー由来の化合物、金属原子が配位したポリエステルやモノマー、触媒由来の化合物等が含まれており、これらが着色成分となって、後述する色調(b値)が大きくなる傾向にある。特に、ポリエステルをリサイクルする際には、加熱溶融工程が必要であり、この溶融時にポリエステルが熱分解し、着色成分の増加や重合度低下を引き起こしてしまう。本発明では、これら着色成分を含むポリエステル樹脂に酸化性物質や還元性物質を作用(接触)させて着色成分を低減し、色調b値を改善させたリサイクルポリエステル樹脂を得ようとするものである。
本発明における色調とは、ハンター型色差計を用いて測定したものであり、明度の指標としてはL値、黄色度の指標としてはb値のことを指す。L値が大きい場合には明度が高いことを示し、b値が大きい場合には黄色度が高いことを意味する。リサイクルポリエステル繊維を衣料用途に用いる場合には、明度が高く黄色度が低い方がより多くの用途に用いることが出来る。リサイクルポリエステル繊維の色調b値は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下、特に好ましくは6以下である。リサイクルポリエステル繊維の色調L値は、好ましくは65以上であり、より好ましくは67.5以上、特に好ましくは70以上である。
本発明で用いる酸化性物質、還元性物質とは、処理対象となる物質を酸化したり還元したりする特性を有するものであり、酸化性物質としては標準電極電位が+300mV以上であることが好ましく、さらに好ましくは+500mV、特に好ましくは+1,000mV以上である。還元性物質としては標準電極電位が−300mV以下であることが好ましく、さらに好ましくは−500mV、特に好ましくは−1,000mV以下である。
このような酸化性物質としては、過酸化水素、オゾン、次亜塩素酸化合物、二酸化硫黄、硫酸、硝酸、過炭酸ナトリウムおよび過カルボン酸をあげることが出来る。また、過カルボン酸としては過酢酸、過プロピオン酸、過ブチリック酸をあげることが出来る。中でも過酸化水素や過酢酸は、着色性物質を効率よく分解し、ポリエステル樹脂にほとんど影響を与えないため好ましい。このような酸化性物質は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
還元性物質としては、二酸化チオ尿素、チオ硫酸塩、シュウ酸金属塩、硫化水素、過酸化水素、二酸化硫黄をあげることが出来る。これら還元性物質も単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
酸化性物質または還元性物質は、気化性のものはガス状でポリエステル樹脂または繊維に接触しても良いし、溶液としてポリエステル樹脂または繊維に接触させても良い。効果の点から、溶液としてポリエステル繊維に含浸接触させることが好ましい。溶液として含浸させる際には、溶液中に他の添加剤、例えば、界面活性剤、精練剤、pH調整剤、顔料、染料などを含んでいても良い。
酸化性物質または還元性物質を水溶液として用いる場合は、どんな濃度でも用いることが出来るが、酸化性物質または還元性物質が0.1g〜50g/lの範囲であることが色調改善効果の面で好ましい。好ましくは、0.5〜25g/lであり、より好ましくは1.0〜20g/lである。このときの樹脂または繊維と水溶液の浴比は、1:5〜1:200で行うことが好ましい。より好ましくは、1:10〜1:100であり、特に好ましくは、1:20〜1:50である。
本発明において、ポリエステル樹脂または繊維と酸化性物質または還元性物質を接触させる工程は特に限定されないが、従来のポリエステル樹脂およびポリエステル繊維の製造工程で用いている装置で処理することが、合理的で経済的にも有利である。
本発明における、回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を溶融紡糸してリサイクルポリエステル繊維を製造する工程において、下記式(1)を満たすことが好ましい。
Rb−Yb≧1.5 ・・・式(1)
(Rb:回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を用いたリサイクルポリエステル繊維の色調b値、Yb:回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を用いたリサイクルポリエステル繊維において、リサイクルポリエステル樹脂またはリサイクルポリエステル繊維と酸化性物質または還元性物質とを任意の段階において接触させた後のリサイクルポリエステル繊維の色調b値)
Rb−Ybの値が大きいほど、黄色度は小さくなりその効果が大きいことを意味する。Rb−Ybの値は好ましくは2.5以上で、特に好ましくは3.0以上である。
(Rb:回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を用いたリサイクルポリエステル繊維の色調b値、Yb:回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を用いたリサイクルポリエステル繊維において、リサイクルポリエステル樹脂またはリサイクルポリエステル繊維と酸化性物質または還元性物質とを任意の段階において接触させた後のリサイクルポリエステル繊維の色調b値)
Rb−Ybの値が大きいほど、黄色度は小さくなりその効果が大きいことを意味する。Rb−Ybの値は好ましくは2.5以上で、特に好ましくは3.0以上である。
酸化性物質または還元性物質とポリエステル樹脂または繊維を接触させる条件は、温度や圧力が高い程、短時間で処理出来る。水溶液で処理する場合には、20〜200℃の温度で処理することが十分な色調改善と過度の処理による色調の変色を抑制できるので好ましい。より好ましくは50〜175℃であり、さらに好ましくは75〜150℃である。100℃以上で行う際は、スチーム加圧下が好ましい。
処理時間は、酸化性物質または還元性物質の種類や処理温度などで決定できるが、30秒〜24時間であることが十分な色調改善効果を効率よく行う点で好ましい。ガス状で処理する場合には、20〜250℃以上の温度、1〜10気圧の圧力で30分〜24時間処理することが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂または繊維と接触させる酸化性物質または還元性物質は、5wt%以上の溶液を新たに追加することで、くり返し使用することが出来る。追加する酸化性物質または還元性物質を含む溶液が5wt%以下の場合には、くり返し使用するとその効果は徐々に小さくなってしまう。好ましくは5〜50wt%であり、さらに好ましくは20〜40wt%である。
本発明でいうポリエステルとはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等からなる芳香族ポリエステルやポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルが好ましく、さらに、これらのポリエステルには本発明の目的、効果を損なわない範囲であれば、第三成分が共重合されたものであっても良く、共重合成分の例としては、イソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やセバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコールや1,4−ブタンジオール等のジオール化合物、5−スルホイソフタル酸金属塩、含リン化合物などを挙げることができるがこれに限定されることはない。しかし、繊維としての汎用性、物性、回収ポリエステルの経済性の観点から、実質的に90モル%以上がポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレートであることが好ましい。また、再生ポリエステルの形状は、繊維、フィルム、ボトル等のいずれのでも良く、また、繊維であれば、その形態は長繊維状、短繊維状、長繊維状不織布、短繊維状不織布、編み物状等のいずれの形状でも良い。
本発明のリサイクルポリエステル樹脂は、原料となる回収ポリエステル樹脂を50wt%以上含有することが好ましい。資源の再利用、環境問題といった観点から再生ポリエステル繊維は回収ポリエステル樹脂を可能な限り多く含有することが重要である。好ましくは70wt%以上であり、特に好ましくは80wt%以上である。
以下に、本発明のリサイクルポリエステル樹脂を得るための製造方法の一例を示すが、本発明はもちろんこれに限定されるものではない。
本発明において、回収されたポリエステルを溶融混合してチップ化する際に使用する装置は、通常のベント式押出機を用いることが出来る。このベント式押出機によって、ポリエステル繊維、ボトル、フィルム等を融点以上に加熱溶融し、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化させ、フィルター等を介して異物や変性した樹脂をろ過した後にストランド状に押し出して、次いで冷却した後、カッティングすることによってチップが形成される。
次に酸化性物質や還元性物質のガスや水溶液を得られたポリエステル樹脂に接触させてポリエステル樹脂の色調を調整する。例えば過酸化水素1%水溶液にポリエステル樹脂を浸漬し、40〜150℃程度に加熱して撹拌しながら1〜180分ほど処理する方法が挙げられる。また、得られるリサイクルポリエステル樹脂の色調を良好にするため、上記の任意の段階で酸化性物質や還元性物質を添加しても構わない。
次にリサイクルポリエステル繊維を製造する方法としては、上記によって得たリサイクルポリエステル樹脂を用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは減圧下で行い、紡糸機に供して口金より紡出を行う。このとき、ポリマーの熱による劣化を防ぐために、紡糸機内におけるポリマーの滞留時間は短いほど好ましく、通常20分以内とすればよい。また、紡糸温度は250℃〜300℃であれば良い。
紡出された糸条は、冷風で冷却固化され、次いで油剤が付与された後、紡糸速度を制御する引取りロールで引取られる。引取りロールに引取られた未延伸糸条は、通常連続して延伸されるが、一旦巻取った後に別工程で延伸しても良い。紡糸速度は、通常300〜3000m/分、好ましくは500〜2500m/分であれば良い。得られた糸条は必要に応じて熱を加えながら仮撚り加工を行い、ポリエステル加工糸を得た後、該加工糸を丸編機を用いて編み地を作成することができる。
得られた編み地を、精練剤に加え過酸化水素を1%水溶液になるよう添加した処理浴中に浸漬させて、40〜150℃程度に加熱して1〜180分ほど処理を行うことにより、リサイクルポリエステル繊維の色調を良好にすることが出来る。なお、本発明の酸化性物質や還元性物質との接触の後に、帯電防止加工、柔軟加工等の後処理加工処理を常法に準じて実施できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例の測定値は下記の方法に従った。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリマーの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(2)ポリマー、布帛の色調
ポリマーの色調は、色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、ハンター値(L、b値)として測定した。布帛の色調は、筒編布帛を5回折りたたんだ後、多光源分光測色計(MINOLTA社製、SPECTROPHOTOMETER CM−3700d)を用いて、基準光源D65、視野角10°、反射光無しの条件にて、ハンター値(L、b値)として測定した。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)ポリマーの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(2)ポリマー、布帛の色調
ポリマーの色調は、色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、ハンター値(L、b値)として測定した。布帛の色調は、筒編布帛を5回折りたたんだ後、多光源分光測色計(MINOLTA社製、SPECTROPHOTOMETER CM−3700d)を用いて、基準光源D65、視野角10°、反射光無しの条件にて、ハンター値(L、b値)として測定した。
参考例1
平均b値が13.0、固有粘度が0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)長繊維(予め3cmに切断、原料Aとする)80kgと、b値が1.0 、固有粘度が0.70のヴァージンPETチップ(原料Bとする)20kgをホッパーに投入し、ホッパーからベント式押出機のシリンダー内に繊維を供給し、押出温度285 ℃、押出機内圧力12hPa 、吐出量150kg/h で押し出しを行い、チップ化した。得られたチップの色調はL=67.3、b=11.3 、固有粘度=0.64であった。
平均b値が13.0、固有粘度が0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)長繊維(予め3cmに切断、原料Aとする)80kgと、b値が1.0 、固有粘度が0.70のヴァージンPETチップ(原料Bとする)20kgをホッパーに投入し、ホッパーからベント式押出機のシリンダー内に繊維を供給し、押出温度285 ℃、押出機内圧力12hPa 、吐出量150kg/h で押し出しを行い、チップ化した。得られたチップの色調はL=67.3、b=11.3 、固有粘度=0.64であった。
得られたチップを水分率50ppmに乾燥後、紡糸機に供し、溶融部にて290℃で溶融した後、計量し紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取った。得られた未延伸糸を80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)で熱セットし、83デシテックス36フィラメントの延伸糸を得た。この延伸糸を筒編機で筒編を行った。色調は、L=70.2、b=11.5、固有粘度=0.64であった。
参考例2
原料A70kg、原料B30kgを原料とした以外は参考例1と同様にしてチップ化した。得られたチップの色調はL=68.2、b=10.5 、固有粘度=0.65であった。
原料A70kg、原料B30kgを原料とした以外は参考例1と同様にしてチップ化した。得られたチップの色調はL=68.2、b=10.5 、固有粘度=0.65であった。
得られたチップを参考例1と同様にして紡糸・延伸・筒編を行った。色調は、L=70.5、b=10.9、固有粘度=0.65であった。
参考例3
原料A50kg、原料B50kgを原料とした以外は参考例1と同様にしてチップ化した。得られたチップの色調はL=70.2、b=8.5 、固有粘度=0.66であった。
原料A50kg、原料B50kgを原料とした以外は参考例1と同様にしてチップ化した。得られたチップの色調はL=70.2、b=8.5 、固有粘度=0.66であった。
得られたチップを参考例1と同様にして紡糸・延伸・筒編を行った。色調は、L=70.9、b=9.4、固有粘度=0.65であった。
参考例4 平均b値が8.0、固有粘度が0.70のPET長繊維(予め3cmに切断、原料Cとする)80kgと、原料B20kgを原料とした以外は参考例1と同様にしてチップ化した。得られたチップの色調はL=70.5、b=8.0 、固有粘度=0.66であった
得られたチップを参考例1と同様にして紡糸・延伸・筒編を行った。色調は、L=72.5、b=8.9、固有粘度=0.65であった。
得られたチップを参考例1と同様にして紡糸・延伸・筒編を行った。色調は、L=72.5、b=8.9、固有粘度=0.65であった。
実施例1
参考例1のポリエステル樹脂を、酸化性物質(過酸化水素水(濃度35%)4.5g/l(過酸化水素に換算すると1.58g/l)を浴比1:20で撹拌翼、還流冷却器付きの反応槽に仕込んだ。撹拌しながら内容物の温度を85℃に維持して30分間処理をおこなった。処理後のポリエステル樹脂を過酸化水素水と分離し、十分な水洗い後に乾燥した。処理後のポリマーの固有粘度は0.64、色調L値は69.4、b値は8.1と、色調の改善されたリサイクルポリエステル樹脂を得ることが出来た。
参考例1のポリエステル樹脂を、酸化性物質(過酸化水素水(濃度35%)4.5g/l(過酸化水素に換算すると1.58g/l)を浴比1:20で撹拌翼、還流冷却器付きの反応槽に仕込んだ。撹拌しながら内容物の温度を85℃に維持して30分間処理をおこなった。処理後のポリエステル樹脂を過酸化水素水と分離し、十分な水洗い後に乾燥した。処理後のポリマーの固有粘度は0.64、色調L値は69.4、b値は8.1と、色調の改善されたリサイクルポリエステル樹脂を得ることが出来た。
この得られたチップを水分率50ppmに乾燥後、紡糸機に供し、溶融部にて290℃で溶融した後、計量し紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取った。得られた未延伸糸を80℃で2.8倍に延伸した後、ローラー(125℃)で熱セットし、75デニール36フィラメントの延伸糸を得た。この延伸糸を筒編機で筒編を行った結果、固有粘度は0.64、色調L値は71.0、b値は8.9と、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることが出来た。
比較例1
実施例1の処理浴を水にした以外は実施例1と同様に処理を行った結果、リサイクルポリエステル樹脂の色調b値は11.2、溶融紡糸後の延伸糸の色調b値は11.5と色調に改善は見られなかった。
実施例1の処理浴を水にした以外は実施例1と同様に処理を行った結果、リサイクルポリエステル樹脂の色調b値は11.2、溶融紡糸後の延伸糸の色調b値は11.5と色調に改善は見られなかった。
実施例2〜3
処理温度・処理時間を変更した以外は実施例1と同様に処理を行った。実施例1と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
処理温度・処理時間を変更した以外は実施例1と同様に処理を行った。実施例1と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例4〜7
酸化性物質である過酸化水素を、表2記載の通りに変更した以外は実施例1と同様に処理を行った。実施例1と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
酸化性物質である過酸化水素を、表2記載の通りに変更した以外は実施例1と同様に処理を行った。実施例1と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例8〜10
原料ポリエステル樹脂を参考例1から、表2記載の通りに変更した以外は実施例1と同様に処理を行った。原料ポリエステル樹脂を変更しても、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
原料ポリエステル樹脂を参考例1から、表2記載の通りに変更した以外は実施例1と同様に処理を行った。原料ポリエステル樹脂を変更しても、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例11
参考例1にて作成したポリエステル繊維を、水酸化ナトリウム40g/Lの処理液に浸し、85℃で30分の熱浴処理を行い、その後徐冷した後、酸化性物質(過酸化水素水(濃度35%)4.5g/l(過酸化水素に換算すると1.58g/l)、過酸化水素安定剤(メタケイ酸ソーダ)4.0g/l)、pH調整剤(水酸化ナトリウム)3.0g/lからなる処理浴に浴比1:20でポリエステル繊維を浸し、処理浴を85℃に維持したまま30分の処理を行った。処理後のポリエステル樹脂を過酸化水素水と分離し、十分な水洗い後に乾燥した。処理後の処理後の固有粘度は0.64、色調L値は72.0、b値は6.1と、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることが出来た。
参考例1にて作成したポリエステル繊維を、水酸化ナトリウム40g/Lの処理液に浸し、85℃で30分の熱浴処理を行い、その後徐冷した後、酸化性物質(過酸化水素水(濃度35%)4.5g/l(過酸化水素に換算すると1.58g/l)、過酸化水素安定剤(メタケイ酸ソーダ)4.0g/l)、pH調整剤(水酸化ナトリウム)3.0g/lからなる処理浴に浴比1:20でポリエステル繊維を浸し、処理浴を85℃に維持したまま30分の処理を行った。処理後のポリエステル樹脂を過酸化水素水と分離し、十分な水洗い後に乾燥した。処理後の処理後の固有粘度は0.64、色調L値は72.0、b値は6.1と、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることが出来た。
比較例2
実施例11の処理浴を水にした以外は実施例1と同様に処理を行った結果、色調b値は10.4と色調に改善は見られなかった。
実施例11の処理浴を水にした以外は実施例1と同様に処理を行った結果、色調b値は10.4と色調に改善は見られなかった。
実施例12〜14
処理温度・処理時間を表3記載の通りに変更した以外は実施例11と同様に処理を行った。実施例11と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
処理温度・処理時間を表3記載の通りに変更した以外は実施例11と同様に処理を行った。実施例11と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例15〜17
酸化性物質である過酸化水素を、表3記載の通りに変更した以外は実施例11と同様に処理を行った。実施例11と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
酸化性物質である過酸化水素を、表3記載の通りに変更した以外は実施例11と同様に処理を行った。実施例11と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例18〜20
ポリエステル繊維を参考例1から、表3記載の通りに変更した以外は実施例11と同様に処理を行った。原料ポリエステル樹脂を変更しても、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
ポリエステル繊維を参考例1から、表3記載の通りに変更した以外は実施例11と同様に処理を行った。原料ポリエステル樹脂を変更しても、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例21
参考例1にて作成したポリエステル繊維を、精練剤(非イオン界面活性剤(日華化学社製、SUNMORL BK−80))0.2g/l、酸化性物質(過酸化水素水(濃度35%)4.5g/l(過酸化水素に換算すると1.58g/l)からなる処理浴に浴比1:20でポリエステル繊維を浸し、処理浴を85℃に維持したまま30分の処理を行った。処理後のポリエステル樹脂を過酸化水素水と分離し、十分な水洗い後に乾燥した。処理後の固有粘度は0.64、色調L値は71.5、b値は6.9と、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることが出来た。
参考例1にて作成したポリエステル繊維を、精練剤(非イオン界面活性剤(日華化学社製、SUNMORL BK−80))0.2g/l、酸化性物質(過酸化水素水(濃度35%)4.5g/l(過酸化水素に換算すると1.58g/l)からなる処理浴に浴比1:20でポリエステル繊維を浸し、処理浴を85℃に維持したまま30分の処理を行った。処理後のポリエステル樹脂を過酸化水素水と分離し、十分な水洗い後に乾燥した。処理後の固有粘度は0.64、色調L値は71.5、b値は6.9と、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることが出来た。
比較例3
実施例21の処理浴を水にした以外は実施例21と同様に処理を行った結果、色調b値は11.5と色調に改善は見られなかった。
実施例21の処理浴を水にした以外は実施例21と同様に処理を行った結果、色調b値は11.5と色調に改善は見られなかった。
実施例22〜24
処理温度・処理時間を表4の通りに変更した以外は実施例21と同様に処理を行った。実施例21と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
処理温度・処理時間を表4の通りに変更した以外は実施例21と同様に処理を行った。実施例21と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例25〜27
酸化性物質である過酸化水素を、表4の通りに変更した以外は実施例21と同様に処理を行った。実施例21と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
酸化性物質である過酸化水素を、表4の通りに変更した以外は実施例21と同様に処理を行った。実施例21と比べると得られた色調改善効果は小さかったが、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
実施例28〜30
ポリエステル樹脂を参考例1から、表4の通りに変更した以外は実施例21と同様に処理を行った。原料ポリエステル樹脂を変更しても、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
ポリエステル樹脂を参考例1から、表4の通りに変更した以外は実施例21と同様に処理を行った。原料ポリエステル樹脂を変更しても、色調の改善されたリサイクルポリエステル繊維を得ることができた。
Claims (6)
- 回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を溶融紡糸してリサイクルポリエステル繊維を製造する工程において、リサイクルポリエステル樹脂またはリサイクルポリエステル繊維と酸化性物質または還元性物質とを任意の段階において接触させることを特徴とするリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
- リサイクルポリエステル繊維を製造する工程において、リサイクルポリエステル樹脂を溶融紡糸して繊維形状にする工程から高次加工を行う工程までの任意の段階において酸化性物質または還元性物質と接触させることを特徴とする請求項1記載のリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
- リサイクルポリエステル繊維を製造する工程におけるポリエステル繊維のアルカリ減量処理工程後のすすぎ工程において、ポリエステル繊維のアルカリ減量処理工程後のすすぎと同時に酸化性物質または還元性物質と接触させることを特徴とする請求項2に記載のリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
- リサイクルポリエステル繊維を製造する工程におけるポリエステル繊維の精練処理工程において、ポリエステル繊維の精練と同時に酸化性物質または還元性物質と接触させることを特徴とする請求項2に記載のリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
- 回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を溶融紡糸してリサイクルポリエステル繊維を製造する工程において、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のリサイクルポリエステル繊維の製造方法。
Rb−Yb≧1.5 ・・・式(1)
(Rb:回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を用いたリサイクルポリエステル繊維の色調b値、Yb:回収ポリエステル樹脂を原料として含有するリサイクルポリエステル樹脂を用いたリサイクルポリエステル繊維において、リサイクルポリエステル樹脂またはリサイクルポリエステル繊維と酸化性物質または還元性物質とを任意の段階において接触させた後のリサイクルポリエステル繊維の色調b値) - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により得られたリサイクルポリエステル繊維。
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2005
- 2005-11-15 JP JP2005330059A patent/JP2007138309A/ja active Pending
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