JP2020111847A - 繊維分散液 - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体中で極細繊維が均一に分散しており、なおかつ優れたチキソトロピー性を発現する繊維分散液を提供する。【解決手段】繊維径が100〜5000nmの極細繊維が水系媒体中に分散し、かつ固形分濃度が0.01〜10重量%である繊維分散液であって、分散指標が20以下揺変係数である繊維分散液。【選択図】図1
Description
本発明は、繊維径が100〜5000nmにある極細繊維が媒体中に均一に分散した繊維分散液に関するものである。
現在では、衣料用途のみならず産業資材用途まで、繊維の用途の多様化が進むに伴い、要求特性も多様なものとなってきており、その要求に応じるべく、多種多様な繊維要素技術に関する提案がなされている。
なかでも、繊維の極細化については、細くて長いといった繊維素材ならではの形態的特徴を活かし、繊維製品に加工した際の特性に対する効果が大きいため、盛んな技術開発が行なわれている。
繊維径が数百nmになるナノファイバーは、その重量当たりの表面積である比表面積や材料のしなやかさが増加するため、一般の汎用繊維やマイクロファイバーでは得ることのできない特異的な特性、いわゆるナノサイズ効果が発現すると言われている。このナノサイズ効果とは、例えば、その比表面積効果による気体吸着性能、また微細な空隙による吸水効果が挙げられる。
ナノファイバーはその繊維1本では加工することができないために、様々な形態で処理、高次加工を施されるものであるが、昨今、シート物や成形加工品のフィラーとしてのナノファイバーの活用に注目が集まりつつあり、この中間素材の形態のひとつとして、所望の長さにカットしたナノファイバーを媒体に均一分散させる繊維分散液がある。
ナノファイバーの繊維分散液は、それ自体が易流動性や吸着性、透明性、構造発色性、さらにはチキソトロピー性などの特異的な性能を有するため、新たな高性能素材として注目を集めている。
なかでも、ナノファイバーは短軸(繊維径)に対する長軸(繊維長)の比であるアスペクト比が大きいため、繊維分散液とした際には優れたチキソトロピー性を示すことから、静置状態(低剪断力下)では高粘性のため分散液状態が保持されやすく、一方で、繊維分散液の加工工程(高剪断力下)では低粘性を示すため取扱性に優れることから、樹脂や塗料、化粧品などのフィラーとして利用することが期待できる。
さらに、この繊維分散液をスプレー等で射出することで、微細な空隙構造を有する3次元構造体としたり、繊維分散液を湿式抄紙法等でシート状物とすることで、高機能な濾材や吸音波長を制御できる次世代の吸音材、また、電池セパレーターなど産業資材分野を中心とした展開への検討も進められている。
しかしながら、ナノファイバーが媒体中で優れた分散状態を確保する場合に限り、上記したような特性を有する繊維分散液となるが、一般的には、ナノサイズ化による比表面積の増大に起因して、分子間力由来の凝集力が圧倒的に高まり、ナノファイバー同士が絡み合って繊維凝集体を形成するために、ナノファイバーが均一に分散した繊維分散液を得ることが難しいとされている。このような現象は一般の機能性粒子にも見られるものであるが、ナノファイバーの場合には、アスペクト比が他の機能性粒子に比べて圧倒的に高く、繊維分散液に求められる均一分散をより困難にするものである。
従来では分散剤をナノファイバー表面に付与して分散性を高めることがなされているが、分散剤の少量添加では十分な分散性向上効果は得られず、逆に多量添加することで分散性の向上を可能とするが、加工工程において泡立ち等の取扱性の低下を引き起こす場合がある。
このような課題に対して、ナノファイバー凝集物を物理的に叩解し、媒体中のナノファイバーの分散性を高めた繊維分散液が特許文献1で提案されており、ミキサーやホモジナイザーおよび超音波型攪拌機等の攪拌機を用いた機械的叩解・解繊処理を施すことで、繊維1本1本まで分散させた繊維分散液を得ることができるとされている。
また、そもそも凝集を起こしにくい繊維形態として、島径(D)が10〜1000nmである海島繊維を、島径(D)に対する繊維長(L)の比(L/D)が100〜2500の範囲内とすることで、水中に極細繊維が良好に分散した繊維分散液を得ることができることが、特許文献2で提案されている。
特許文献1では、繊維分散液を得るために機械的叩解・解繊処理が必要であり、繊維に大きな応力が働くことになるため、繊維が脆化または破断等により、条件によっては不要に繊維が劣化する場合があることに加えて、破断等によりおのずと繊維長が短くなるため、得られる繊維分散液はチキソトロピー性などの特徴的な効果を十分に発揮できない場合がある。
特許文献2では、確かに繊維同士の絡み合いを防ぐことができ、均一に分散した繊維分散液を達成できるものの、一般的な機能性粒子に比べてもアスペクト比としては十分に高いものではなく、得られる繊維分散液はチキソトロピー性の発現は不十分である。
以上のように、媒体中で極細繊維が均一に分散しており、なおかつ優れたチキソトロピー性を発現する繊維分散液は達成されておらず、新たな高性能素材として期待できる繊維分散液が求められていた。
上記した従来技術の課題は、以下によって達成されるものである。すなわち、
(1)繊維径が100〜5000nmの極細繊維が水系媒体中に分散し、かつ固形分濃度が0.01〜10重量%である繊維分散液であって、下記条件で測定した分散指標が20以下であることを特徴とする繊維分散液
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液について、マイクロスコープにて透過照明のもと倍率50倍で画像を撮影し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、級数を256として輝度ヒストグラム化して得られた標準偏差を分散指標として評価する
(2)該繊維分散液において、下記式で定義される分散安定指標が0.70以上であることを特徴とする(1)に記載の繊維分散液
分散安定指標=H0/H1
式中、H0は10分間静置後の容器内の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである
(3)固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%含まれる繊維分散液において、下記式で定義される揺変係数(TI)が7.0以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の繊維分散液
TI=η6/η60
式中、η6は繊維分散液について回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は上記繊維分散液について回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である
(4)前記極細繊維がポリエステルであることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の繊維分散液
(5)該繊維分散液において、分散剤が含まれていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の繊維分散液
である。
(1)繊維径が100〜5000nmの極細繊維が水系媒体中に分散し、かつ固形分濃度が0.01〜10重量%である繊維分散液であって、下記条件で測定した分散指標が20以下であることを特徴とする繊維分散液
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液について、マイクロスコープにて透過照明のもと倍率50倍で画像を撮影し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、級数を256として輝度ヒストグラム化して得られた標準偏差を分散指標として評価する
(2)該繊維分散液において、下記式で定義される分散安定指標が0.70以上であることを特徴とする(1)に記載の繊維分散液
分散安定指標=H0/H1
式中、H0は10分間静置後の容器内の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである
(3)固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%含まれる繊維分散液において、下記式で定義される揺変係数(TI)が7.0以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の繊維分散液
TI=η6/η60
式中、η6は繊維分散液について回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は上記繊維分散液について回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である
(4)前記極細繊維がポリエステルであることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の繊維分散液
(5)該繊維分散液において、分散剤が含まれていることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の繊維分散液
である。
本発明は、媒体中に高いアスペクト比を有した繊維が均等に分散した繊維分散液に関するものである。本発明の繊維分散液は、分散する繊維の繊維径が100〜5000nmという極めて細い極細繊維でありながら、媒体中における繊維の分散性および分散安定性が極めて高いものである。このため、その優れた分散性に起因して、極細繊維の比表面積に由来した吸着性能等を如何なく発揮することができ、なおかつ優れたチキソトロピー性により高い加工性を有するものである。
本発明の繊維分散液であれば、安定的に繊維分散液の塗布やスプレー射出等の加工が可能となり、かつその加工性に伴い高度な繊維構造体等の形成が可能となることから、従来技術では得られ難い複雑な空隙を有する三次元構造体やシート物になったり、フィラーとして添加する場合には、靭性に高い補強効果が得られるものである。
以下、本発明について望ましい実施形態と共に記述する。
本発明の繊維分散液は、繊維径が100〜5000nmの極細繊維が水系媒体中に分散し、かつ固形分濃度が0.01〜10重量%である繊維分散液であって、分散指標が20以下であることを要件としている。
ここで言う繊維径は次のように求めるものである。すなわち、繊維分散液を濾過等の手法により極細繊維からなる繊維構造体とし、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で150〜3000本の極細繊維が観察できる倍率として画像を撮影する。各画像から無作為に抽出した150本の極細繊維について、2次元的に撮影された画像から繊維軸に対して垂直方向の繊維幅を繊維径として測定する。繊維径の値に関しては、nm単位で小数点第1位まで測定し、小数点を四捨五入するものである。以上の操作を、同様に撮影した10画像について行い、10画像の評価結果の単純な数平均値を繊維径とした。
本発明は、極細繊維が生み出す、特に比表面積を活用した濾過や吸着などを訴求する高機能素材の達成を目的にした繊維分散液であり、極細繊維の繊維径が100〜5000nmであることが必要である。係る範囲においては、素材に混合した場合でも、極細繊維が生み出す比表面積効果を優位に発揮することができ、優れた性能の発揮が期待できる。
比表面積の増大という観点で考えると、繊維径は細いほど、特性としては際立つものとなるが、分散液の調製過程や成形加工時の取扱い性を考えると、本発明の実質的な繊維径の下限は100nmである。
繊維径を100nm以上にすることにより、分散液を調製した後に比較的高い剪断をかけて、攪拌等した場合でも、極細繊維が破断等することなく、不必要に劣化することを予防することができる。また、本発明において、一般的な繊維との比表面積の効果が優位に働く範囲として、繊維径の上限を5000nmということにしている。
本発明の目的効果および成形加工時の取扱い性等々を踏まえて考えると、本発明の繊維分散液極細繊維の繊維径は100〜1000nmであることがより好ましく、係る範囲であれば極細繊維の比表面積効果が混合した場合に有効に作用するものである。
本発明で言う水系媒体とは、実質的な主成分が水から構成される媒体のことを言い、液体媒体の総重量に対して、水が50重量%以上のものであれば良く、例えば、イオン交換水や蒸留水、ならびにこれらに水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物が溶解したものや、塩が溶解した水溶液なども含まれる。
また、本発明の繊維分散液は、固形分濃度が0.01〜10重量%であることが必要である。
ここで言う固形分濃度は以下のように求めるものである。すなわち、繊維分散液を濾過等の手法により極細繊維からなる繊維構造体とし、十分に乾燥した後、その重量を測定することで、繊維分散液全量に対する固形分濃度を算出した。
本発明の繊維分散液は、極細繊維が凝集することなく均一分散していることが好適であるが、極細繊維の水系媒体中の分散性を阻害する要因は、極細繊維の形態的特徴とも言える比表面積によって極細繊維同士の間に引力が発生することにあり、媒体中での繊維の存在状態(繊維間距離)に応じて、繊維同士の凝集(絡み合い)が形成されやすくなる場合がある。つまり、繊維分散液中の繊維濃度が高いほど、媒体中では高密度に繊維が配されることとなり、繊維同士の凝集を助長することから、本発明では、固形分濃度の上限値を10重量%とすることで、繊維同士の凝集を抑制することができるのである。また、本発明においては、固形分濃度の下限値を0.01重量%としているが、係る範囲内であれば、極細繊維の比表面積に由来した特性を発現する繊維分散液となるため、好適なのである。
さらに、本発明の目的を達成するためには、媒体中での繊維の分散状態が均一である必要があり、以下のように定義される繊維分散液の分散指標が20以下であることが極めて重要である。
本発明で言う分散指標とは、固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液について、マイクロスコープにて透過照明のもと倍率50倍で画像を撮影し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、級数を256として輝度ヒストグラム化して得られた標準偏差を分散指標として評価するものである。以下、図1を使用して分散指標の測定について詳述する。
図1(a)には、分散性良好な繊維分散液の輝度ヒストグラム(縦軸:頻度(画素の個数)、横軸:輝度)を、図1(b)には分散性が悪く、繊維凝集体を形成した際の輝度ヒストグラムの一例を示す。ここでいう輝度ヒストグラムとは、上述した方法にて得られたものであり、分散指標は、この輝度ヒストグラムのピーク幅から評価するものである。
すなわち、繊維の分散が均一であれば、画像内の明暗に大きな差は無いためにピーク幅は狭くなり標準偏差は小さくなる(図1(a))一方、繊維の分散が不均一であれば局所的に明暗が分かれることとなり、ピーク幅は広くなることで標準偏差が大きくなる(図1(b))ことから、標準偏差を分散指標として繊維の分散性を評価することができる。
ここでいう分散指標が20以下であれば、繊維が均一に分散していると評価することができ、従来技術では得られ難い特異的な性能を有し、成形加工時の取扱い性にも優れたものとなる。また、理想的な均一分散という観点で考えると、分散指標の値が小さいほど均一分散を達成するものとなるため、本発明の分散指標の下限値は1.0である。係る範囲であれば、繊維分散液を湿式抄紙等の手法により繊維構造体とした場合にも、極細繊維が均一に配された微細な空隙を有する構造体となり、極細繊維の比表面積に由来した吸着性能等を如何なく発揮することができるのである。以上から、本発明の目的に鑑みると、繊維分散液の分散指標が該範囲にあることが好適なのである。
さらに、本発明の繊維分散液は、下記式で定義される分散安定指標が0.70以上を満たすことが好適である。
分散安定指標=H0/H1
式中、H0は10分間静置後の容器内の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである。
分散安定指標=H0/H1
式中、H0は10分間静置後の容器内の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである。
分散安定指標とは以下のようにして求めるものである。すなわち、固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調製した繊維分散液45gを50mLスクリュー管瓶(例えば、アズワン(株)製)に入れ、10分間静置後および7日間静置後のスクリュー管瓶を同じアングルから撮影して画像化し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、スクリュー管瓶内の繊維分散液について自動2値化処理することで、例えば、繊維分散体部分を緑、水媒体部分を黒のように2値化し、繊維分散体(緑)の高さを測定することで、上記式により分散安定指標を算出して評価するものである。
ここでいう分散安定指標が0.70以上であれば、その繊維分散液は長時間放置後でも分散性を損なうことなく、高い分散安定性を示すと評価することができ、取扱性や品質安定性に優れる繊維分散液となるのである。特に、繊維分散液の品位を保つという観点では、分散安定指標は大きいほど好ましく、0.90以上であることがより好ましい。また、本発明においては、静置中での繊維分散液の全量は不変であることから、分散安定指標の上限値は1.00である。
以上のような分散性および分散安定性に優れる繊維分散液について、成形加工時の取扱性といった観点から考えると、繊維分散液をスプレー等で射出したり、塗布するような高剪断時には低粘性を示し、液垂れ等を防止するために低剪断時(静置時)には高粘性を示す特性、いわゆるチキソトロピー性を有することが好ましい形態として挙げられる。
すなわち、本発明の繊維分散液は、固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%含まれるように調整した繊維分散液において、下記式で定義される揺変係数(TI)が7.0以上であることが好適である。
TI=η6/η60
式中、η6は固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%含まれるように調整した繊維分散液について回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は上記繊維分散液について回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である。
TI=η6/η60
式中、η6は固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%含まれるように調整した繊維分散液について回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は上記繊維分散液について回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である。
具体的には、揺変係数(TI)は、固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調製した繊維分散液250gを250mLポリプロピレン容器に入れ、25℃で30分静置後、B型粘度計を用いて所定の回転数(6rpmおよび60rpm)で1分間ローター攪拌を行い、その際の粘度を測定することで算出し、小数点第2位を四捨五入するものである。
一般的に、チキソトロピー性を評価するパラメーターの一つとして揺変係数(TI)が用いられており、この値が大きいほど優れたチキソトロピー性を示すものである。繊維分散液におけるチキソトロピー性は、媒体中に分散する極細繊維のアスペクト比に大きく依存するものである。すなわち、アスペクト比の大きい極細繊維が均一に分散している繊維分散液は、低剪断時(静置状態)において、媒体中で繊維同士の接触点が多いことに起因して、いわゆる橋架け構造を形成することから高粘性を示す。一方で高剪断時には、この橋架け構造が破壊されることで低粘性を発現するものである。
本発明における揺変係数(TI)が7.0以上とは、従来技術で得られる繊維分散液では達成し得ない範囲であり、優れたチキソトロピー性を有する繊維分散液として成形加工時の取扱性が良好なものとなるのである。また、本発明においては、低剪断時の粘度が大きすぎると取扱性が悪化するという点を考慮すると、揺変係数(TI)の上限値は20.0であることが好ましい。
以上の要件を満たす本発明の繊維分散液は、媒体中における繊維の分散性および分散安定性は十分に高いものでありながら、優れたチキソトロピー性を示すものであり、高性能素材として期待できるものである。
また、本発明の繊維分散液において、極細繊維の経時での凝集を抑制したり、媒体の粘度を増大させるために、必要に応じて繊維分散液に分散剤を含んでいてもよい。分散剤の種類としては、天然ポリマー、合成ポリマー、有機化合物および無機化合物等が挙げられる。例えば、繊維同士の凝集を抑制する添加剤は、カチオン系化合物、ノニオン系化合物、アニオン系化合物などが挙げられ、なかでも分散性を向上させる目的とした場合には、水媒体中での電気的反発力の観点から、アニオン系化合物を用いることが好ましい。また、これら分散剤の添加量は、極細繊維に対して0.001〜10等量であることが好ましく、係る範囲であれば繊維分散液としての特性を損なうことなく、十分に機能を付与することができる。
本発明の繊維分散液は上記の通り従来技術にはない優れた極細繊維の分散性と分散安定性を達成するものであるが、以下にその製造方法の一例を詳述する。
本発明の繊維分散液における極細繊維は、溶剤に対する溶解速度が異なる2種類以上のポリマーからなる海島繊維を利用することで製造することができる。ここで言う海島繊維は、難溶解性ポリマーからなる島成分が、易溶解性ポリマーからなる海成分の中に点在する構造を有している繊維を言う。
この海島繊維を製糸する方法としては、溶融紡糸による海島複合紡糸が生産性を高めるという観点から好適であり、繊維径および断面形状の制御に優れるという観点で、海島複合口金を用いる方法が好ましい。
該溶融紡糸による手法を用いる理由は、生産性が高く連続して製造が可能であることにあるが、この連続的に製造する際には、いわゆる海島複合断面が安定的に形成できることが好適であり、この断面の経時的な安定性という観点では、これを形成するポリマーの組み合わせを考慮することがポイントとなり、本発明においては、ポリマーAの溶融密度ηAとポリマーBの溶融粘度ηBとの溶融粘度比(ηB/ηA)が0.1〜5.0の範囲になる組み合わせでポリマーを選択することが好ましい。
ここで言う溶融粘度とは、チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、キャピラリーレオメーターによって、測定できる溶融粘度を指し、紡糸温度での同剪断速度の際の溶融粘度を意味する。
本発明の繊維分散液に用いる繊維は、その用途に応じてポリマーを選択すればよいが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸、熱可塑性ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイドなどの溶融成形可能なポリマーおよびそれらの共重合体の中から選択すると良い。これらの極細繊維に用いるポリマーには、本発明の目的を阻害しない範囲で、酸化チタン、シリカ、酸化バリウムなどの無機質、カーボンブラック、染料や顔料などの着色剤、難燃剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、あるいは紫外線吸収剤などの各種添加剤をポリマー中に含んでいてもよい。
これらのポリマーの中でも海島繊維および極細繊維の力学特性や取扱性、さらには高次加工における工程通過性を考えると、上記ポリマーの中でも、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリアクリレートなどのポリエステルは融点が165℃以上あり、耐熱性が高いため、本発明には好ましく用いられる。また、本発明において、極細繊維に採用するポリマーはポリエステルであることが好適である。以下に理由を詳述する。
媒体中での極細繊維の均一分散を阻害する要因は、極細繊維同士の間で働く引力によるものであり、従来技術においては、極細繊維の形態に制約を設けたりする手法が採用されているものであったが、このような手法では極細繊維の均一分散を達成する根本的な解決にはならない場合がある。このため、極細繊維の均一分散を達成するためには、極細繊維がある程度以上のカルボキシル基を有することにより、極細繊維が水媒体中でマイナスの電荷を帯び、電気的な反発力が働くことで、媒体中の極細繊維の分散性および分散安定性を飛躍的に向上させることが可能となる。
本発明の繊維分散液は、繊維径が100〜5000nmの極細繊維が、固形分濃度が0.01〜10重量%で媒体中に分散するものであるが、本発明者らの検討によれば、極細繊維のカルボキシル末端基量が40eq/ton以上であることにより、従来技術では大きな制約のあったアスペクト比等の極細繊維の仕様に関係なく、分散指標20以下といった極めて高い分散性を確保することが容易になる。
これは、水媒体中において、カルボキシル基由来の電気的反発力が無数に存在する極細繊維間に働き、互いに反発し合うことで、極細繊維同士が凝集することなく、水系媒体中に浮遊し続けるといった特異的な現象によるものであり、長時間の分散安定性を確保するのである。
また、従来技術では、繊維をより細くするほど制約となっていたアスペクト比を下げることなく、均一分散性を達成することができるため、優れたチキソトロピー性を示す繊維分散液を達成できるのである。
更に、分散性確保の観点では、弾性率の大きい、つまり剛性に優れるポリマーから構成されることが好適であり、この観点からも本発明の極細繊維はポリエステルとすることが好ましい。
極細繊維をポリエステルとすることにより、外力による変形が加えられた際の塑性変形を抑制することができ、本発明の繊維分散液の製造工程および高次加工工程において、繊維同士の絡み合いを抑制する効果を生み、繊維の分散性を維持することが可能となる。
ここで言うポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステルまたはその共重合体から構成されるものであり、本発明の実施において好ましいポリマーの例としてあげることができる。
また、これらポリエステルは、例えば最終重合温度を変更することで、カルボキシル末端基量を調節することが可能であるという点も本発明には好適である。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)は、テレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化反応によって得た反応性生物を重縮合反応する方法、またはテレフタル酸ジメチルに代表される低級アルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応によって得た反応性生物を重縮合反応する方法、のいずれの手法によっても得ることができる。例えば、一般的なエステル交換反応として、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとを140〜240℃の温度でエステル交換反応して得られた反応性生物を、230〜300℃減圧下で重縮合反応を行うことでPET組成物を得ることができる。エステル交換反応においては、リチウム、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の化合物を触媒に用いて進行させ、エステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加したほうが良い。また、効率的に反応を進行させることを目的として、重縮合反応触媒であるアンチモン系化合物、チタン系化合物、ゲルマニウム系化合物などの化合物等を添加することが好ましい。
PETのカルボキシル末端基量を40eq/ton以上にするためには、上述した金属化合物およびリン化合物の添加量、添加量比、添加順序、添加間隔等を調整することで達成でき、さらに重合条件、つまり重合時の減圧度を下げ重合時間を長くすることや重合温度を高くすることでも達成することができる。例えば、リン化合物の添加量をポリエステルに対して1000ppm以下、重合温度を280〜320℃とすれば良い。また、オキサゾリン系などの末端封鎖剤を添加しても良い。
本発明の繊維分散液における極細繊維を製造するのに適した海島繊維の易溶解性ポリマーとは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸、熱可塑性ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイドなどの溶融成形可能なポリマーおよびそれらの共重合体から選択される。特に、海成分の溶出工程を簡便化するという観点では、海成分は、水系溶剤あるいは熱水などに易溶出性を示す共重合ポリエステル、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールなどが好ましく、特に、ポリエチレングリコール、ナトリウムスルホイソフタル酸が単独あるいは組み合わされて共重合したポリエステルやポリ乳酸を用いることが取扱性および低濃度の水系溶剤に簡単に溶解するという観点から好ましい。
ここで言う易溶解性とは、溶解処理に用いる溶剤に対して難溶解性ポリマーを基準とした際に、溶解速度比(易溶解性ポリマー/難溶解性ポリマー)が100以上であることを意味する。高次加工における溶解処理の簡略化や時間短縮を考慮すると、この溶解速度比は大きいことが好適であり、本発明の極細繊維を製造するにおいては、溶解速度比が1000以上であることが好ましく、更に好ましくは10000以上とすることである。係る範囲においては、溶解処理を短時間で終了することができるため、難溶解成分を不要に劣化させることなく、本発明の繊維分散液における極細繊維を得ることができる。
また、本発明者らの検討では、水系溶剤に対する溶解性および溶解の際に発生する廃液処理の簡易化という観点では、ポリ乳酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が3mol%から20mol%が共重合されたポリエステルおよび前述した5−ナトリウムスルホイソフタル酸に加えて重量平均分子量500から3000のポリエチレングリコールが5wt%から15wt%の範囲で共重合されたポリエステルが特に好ましい。
以上の観点から、本発明の繊維分散液における極細繊維を製造するのに適した海島繊維の好適なポリマーの組み合わせとしては、海成分を5−ナトリウムスルホイソフタル酸が3mol%から20mol%が共重合され、かつ重量平均分子量500から3000のポリエチレングリコールが5wt%から15wt%の範囲で共重合されたポリエステルおよびポリ乳酸、島成分をポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体とすることが好適な例として挙げられる。
本発明の繊維分散液における極細繊維を製造するのに適した海島繊維を紡糸する際に用いる海成分と島成分の比率は、吐出量を基準に海/島比率で5/95〜95/5の範囲で選択することができる。この海/島比率のうち、島比率を高めると極細繊維の生産性という観点から、好ましいと言える。但し、海島複合断面の長期安定性という観点から、本発明の極細繊維を効率的に、かつ安定性を維持しつつ製造する範囲として、この海島比率は、10/90〜50/50が好ましい。
本発明の繊維分散液における極細繊維を製造するのに適した海島繊維における島数は、実質的に実施可能な範囲として、2〜10000島が好ましい範囲である。この海島繊維を無理なく満足する範囲としては、100〜10000島が更に好ましい範囲であり、島充填密度は、0.1〜20島/mm2の範囲であれば良い。この島充填密度という観点では、1〜20島/mm2が好ましい範囲である。ここで言う島充填密度とは、単位面積当たりの島数を表すものであり、この値が大きい程多島の海島繊維の製造が可能であることを示す。ここで言う島充填密度は、吐出孔から吐出される島数を吐出導入孔の面積で除することによって求めた値である。
本発明の繊維分散液における極細繊維を製造するのに適した海島繊維における紡糸温度は、前述した観点から決定した使用ポリマーのうち、主に高融点や高粘度のポリマーが流動性を示す温度とすることが好適である。この流動性を示す温度とは、ポリマー特性やその分子量によっても異なるが、そのポリマーの融点が目安となり、融点+60℃以下で設定すればよい。この温度であれば、紡糸ヘッドあるいは紡糸パック内でポリマーが熱分解等することなく、分子量低下が抑制され、良好に海島繊維を製造することができる。
本発明の繊維分散液における極細繊維を製造するのに適した海島繊維を紡糸する際の海島複合ポリマーの吐出量は、安定性を維持しつつ溶融吐出できる範囲として、吐出孔当たり0.1g/min/holeから20.0g/min/holeを挙げることができる。この際、吐出の安定性を確保できる吐出孔における圧力損失を考慮することが好ましい。ここで言う圧力損失は、0.1MPa〜40MPaを目安にポリマーの溶融粘度、吐出孔径、吐出孔長との関係から吐出量を係る範囲より決定することが好ましい。
吐出孔から溶融吐出された糸条は、冷却固化され、油剤等を付与することにより収束し、周速が規定されたローラーによって引き取られる。ここで、この引取速度は、吐出量および目的とする繊維径から決定するものであるが、海島繊維を安定に製造するという観点から、100m/minから7000m/minが好ましい範囲として挙げられる。この紡糸された海島繊維は、熱安定性や力学特性を向上させるという観点から、延伸を行うことが好ましく、紡糸したマルチフィラメントを一旦巻き取った後に延伸を施すことも良いし、巻き取ることなく紡糸に引き続いて延伸を行っても良い。
この海島繊維を、数十本〜数百万本単位に束ねたトウにして、ギロチンカッターやスライスマシンおよびクライオスタットなどの切断機等を使用して、所望の繊維長にカット加工を施すことが好ましい。
以上のように得られた海島繊維について、海成分を溶解除去することで、本発明の繊維分散液を製造することができる。
本発明の繊維分散液を得るためには、易溶解成分(海成分)を溶解可能な溶剤などに、上述したカット加工後の海島繊維を浸漬して、易溶解成分を除去すればよい。易溶解成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどが共重合された共重合ポリエチレンテレフタレートおよびポリ乳酸の場合には、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を用いることができる。この際、海島繊維とアルカリ水溶液の浴比(海島繊維重量(g)/アルカリ水溶液重量(g))は1/10000〜1/5であることが好ましく、さらに好ましくは1/5000〜1/10であることが好ましい。該範囲内とすることで、海成分の溶解時に不要に極細繊維同士が絡み合うことを抑制することができ、特に本発明の特徴である揺変係数(TI)が7.0以上である高アスペクト比の極細繊維が分散した繊維分散液では極細繊維の均一分散に有効に作用するのである。
この際、アルカリ水溶液のアルカリ濃度は、0.1〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3重量%であることが好ましい。係る範囲内とすることで、海成分の溶解は短時間で完了させることができ、島成分を不要に劣化させることなく、極細繊維が均一に分散した繊維分散液を得ることができる。また、アルカリ水溶液の温度は特に限定されるものではないが、50℃以上とすることで、海成分の溶解の進行を早めることができる。
本発明においては、海島繊維から易溶解成分(海成分)を溶解したものをそのまま使用することも可能であるし、一旦極細繊維を濾過などすることで分離し、水洗後、凍結乾燥などした後、再度水系媒体中に分散させることも可能である。また、本発明の繊維分散液は、使用する高次加工やその際の取扱い性を考慮し、酸やアルカリを追加することで、媒体のPHを調整することや、水で希釈して使用することも可能である。
以上のように、本発明の繊維分散液は、媒体中で均質に分散することで、湿式抄紙等によりシート状物として高機能濾材や次世代の吸音素材、電池セパレーターなどへ展開できるだけでなく、樹脂や塗料、化粧品などのフィラー、増粘剤、光学素材など、従来の機能性粒子分散液では達成できなかった用途へ展開可能な素材として期待できる。
以下実施例を挙げて、本発明の繊維分散液について具体的に説明する。実施例および比較例については、下記評価を行った。
A.ポリマーの溶融粘度
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフ1Bによって、歪速度1216s−1の溶融粘度を測定した。なお、実施例および比較例では、測定温度は紡糸温度と同等とし、窒素雰囲気下で加熱炉にサンプルを投入してから測定開始まで5分として溶融粘度を測定している。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフ1Bによって、歪速度1216s−1の溶融粘度を測定した。なお、実施例および比較例では、測定温度は紡糸温度と同等とし、窒素雰囲気下で加熱炉にサンプルを投入してから測定開始まで5分として溶融粘度を測定している。
B.繊維径
繊維分散液を濾過して極細繊維からなる繊維構造体とし、その表面をHITACHI製 走査型電子顕微鏡(SEM)にて150〜3000本の単繊維が観察できる倍率で画像を撮影した。撮影した画像から無作為に抽出した150本の繊維を抽出し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて繊維径を測定し、平均値を算出した。この操作を10ヶ所の各写真について測定を行い、得られた結果の平均値をnm単位で求め、小数点以下を四捨五入した値とした。
繊維分散液を濾過して極細繊維からなる繊維構造体とし、その表面をHITACHI製 走査型電子顕微鏡(SEM)にて150〜3000本の単繊維が観察できる倍率で画像を撮影した。撮影した画像から無作為に抽出した150本の繊維を抽出し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて繊維径を測定し、平均値を算出した。この操作を10ヶ所の各写真について測定を行い、得られた結果の平均値をnm単位で求め、小数点以下を四捨五入した値とした。
C.繊維長
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液をガラス基板上に滴下し、(株)キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000マイクロスコープにて全長を測定できる極細繊維が10〜100本観察できる倍率として画像を撮影した。この画像から無作為に選定した10本の極細繊維を抽出し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて繊維長(L)を測定した。測定はmm単位で小数点第2位までを測定し、同じ操作を10画像について行い、これらの単純な数平均値の小数点第2位以下を四捨五入した値とした。
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液をガラス基板上に滴下し、(株)キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000マイクロスコープにて全長を測定できる極細繊維が10〜100本観察できる倍率として画像を撮影した。この画像から無作為に選定した10本の極細繊維を抽出し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて繊維長(L)を測定した。測定はmm単位で小数点第2位までを測定し、同じ操作を10画像について行い、これらの単純な数平均値の小数点第2位以下を四捨五入した値とした。
D.カルボキシル末端基量(eq/ton)
繊維分散液を濾過して得られた繊維構造体を純水にて洗浄した後、0.5gを精秤し、オルトクレゾール40mlを加えて90℃で溶解し、0.04N水酸化カリウムエタノール溶液を用いて滴定することで単位をeq/tonとして算出した。同じ操作を5回繰返し、その単純平均した値の小数点第1位を四捨五入した値とした。
繊維分散液を濾過して得られた繊維構造体を純水にて洗浄した後、0.5gを精秤し、オルトクレゾール40mlを加えて90℃で溶解し、0.04N水酸化カリウムエタノール溶液を用いて滴定することで単位をeq/tonとして算出した。同じ操作を5回繰返し、その単純平均した値の小数点第1位を四捨五入した値とした。
E.分散指標
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液について、(株)キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000にて透過照明のもと倍率50倍で画像を撮影した。この画像を画像処理ソフト(WINROOF)を用いてモノクロ画像に変換し、級数を256とした輝度ヒストグラム(縦軸:頻度(画素の個数)、横軸:輝度)を得ることで、標準偏差を得た。同じ操作を10画像について行い、これらの単純な数平均値の小数点第2位以下を四捨五入した値を分散指標とした。
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液について、(株)キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000にて透過照明のもと倍率50倍で画像を撮影した。この画像を画像処理ソフト(WINROOF)を用いてモノクロ画像に変換し、級数を256とした輝度ヒストグラム(縦軸:頻度(画素の個数)、横軸:輝度)を得ることで、標準偏差を得た。同じ操作を10画像について行い、これらの単純な数平均値の小数点第2位以下を四捨五入した値を分散指標とした。
F.分散安定指標
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調製した繊維分散液45gを50mLスクリュー管瓶(アズワン(株)製)に入れ、7日間静置後のスクリュー管瓶を同じアングルから撮影して画像化し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、スクリュー管瓶内の繊維分散液について自動2値化処理することで、例えば、繊維分散体部分を緑、水媒体部分を黒のように2値化し、繊維分散体(緑)の高さを測定することで、下記式により小数点第3位を四捨五入したものとした。
分散安定指標=H0/H1
H0は容器内の10分間静置後の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである。
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調製した繊維分散液45gを50mLスクリュー管瓶(アズワン(株)製)に入れ、7日間静置後のスクリュー管瓶を同じアングルから撮影して画像化し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、スクリュー管瓶内の繊維分散液について自動2値化処理することで、例えば、繊維分散体部分を緑、水媒体部分を黒のように2値化し、繊維分散体(緑)の高さを測定することで、下記式により小数点第3位を四捨五入したものとした。
分散安定指標=H0/H1
H0は容器内の10分間静置後の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである。
G.揺変係数(TI)
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調製した繊維分散液250gを250mLポリプロピレン容器に入れ、25℃で30分静置後、(株)トキメック社製B型粘度計を用いて所定の回転数(6rpmおよび60rpm)で1分間ローター攪拌を行い、その際の粘度を測定することで、下記式により小数点第2位を四捨五入したものとした。
TI=η6/η60
式中、η6は回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である。
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調製した繊維分散液250gを250mLポリプロピレン容器に入れ、25℃で30分静置後、(株)トキメック社製B型粘度計を用いて所定の回転数(6rpmおよび60rpm)で1分間ローター攪拌を行い、その際の粘度を測定することで、下記式により小数点第2位を四捨五入したものとした。
TI=η6/η60
式中、η6は回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である。
実施例1
島成分として、ポリエチレンテレフタレート(PET1、溶融粘度160Pa・s)、海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸8.0mol%および分子量1000のポリエチレングリコール10wt%が共重合したポリエチレンテレフタレート(共重合PET、溶融粘度121Pa・s)(溶融粘度比:1.3、溶解速度比:30000以上)を使用し、島成分の形状が丸である海島複合口金(島数2000)を用いて、海/島成分の複合比率を50/50として溶融吐出した糸条を冷却固化した後、油剤を付与し、紡糸速度1000m/minで巻き取ることで未延伸糸を得た(総吐出量12g/min)。さらに、未延伸糸を85℃と130℃に加熱したローラー間で3.4倍延伸を行い(延伸速度800m/min)、海島繊維を得た。
島成分として、ポリエチレンテレフタレート(PET1、溶融粘度160Pa・s)、海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸8.0mol%および分子量1000のポリエチレングリコール10wt%が共重合したポリエチレンテレフタレート(共重合PET、溶融粘度121Pa・s)(溶融粘度比:1.3、溶解速度比:30000以上)を使用し、島成分の形状が丸である海島複合口金(島数2000)を用いて、海/島成分の複合比率を50/50として溶融吐出した糸条を冷却固化した後、油剤を付与し、紡糸速度1000m/minで巻き取ることで未延伸糸を得た(総吐出量12g/min)。さらに、未延伸糸を85℃と130℃に加熱したローラー間で3.4倍延伸を行い(延伸速度800m/min)、海島繊維を得た。
この海島繊維の力学特性は、強度2.4cN/dtex、伸度36%とカット加工を行うのに十分な力学特性を有しており、繊維長が0.6mmとなるようにカット加工を施した。
この海島繊維を90℃に加熱した1重量%の水酸化ナトリウム水溶液(浴比1/100)にて処理することで繊維分散液を得た。この繊維分散液から極細繊維を抽出し、評価したところ、繊維径が200nm、アスペクト比が3000、カルボキシル末端基量が52eq/tonであった。
固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製した繊維分散液をマイクロスコープにて画像を撮影し、画像解析することで輝度ヒストグラムを得た。この際、繊維の分散が均一であれば明暗に大きな差は無いために標準偏差は小さくなる一方、繊維の分散が不均一であれば局所的に明暗が分かれることとなり、標準偏差が大きくなる。実施例1の繊維分散液の分散性を評価したところ、極細繊維同士の絡み合いによる凝集は観察されず、分散指標は10.1と分散性に優れたものであった。
次いで、固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%である繊維分散液について、7日間静置前後の繊維分散体の高さを比較した。実施例1の繊維分散液は、7日間静置後でも極細繊維の沈殿が見られず、分散安定指標は1.00と分散安定性に優れたものであった。
さらに、固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%である繊維分散液について、回転数6rpmおよび60rpm時の粘度を測定し、チキソトロピー性を評価した。実施例1の繊維分散液は、高剪断時(60rpm)に粘度が大きく低下し、揺変係数(TI)は8.5とチキソトロピー性を良好に発現するものであった。
以上のことから、実施例1の繊維分散液は、極細繊維が均一に分散し、分散安定性も高く、なおかつ優れたチキソトロピー性を示すものであった。
実施例2、3
総吐出量を24g/minとし、繊維長を1.2mm(実施例2)、1.8mm(実施例3)となるようにカット加工したこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
総吐出量を24g/minとし、繊維長を1.2mm(実施例2)、1.8mm(実施例3)となるようにカット加工したこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
実施例2、3の繊維分散液における極細繊維の繊維径は300nmであり、カルボキシル末端基量は52eq/tonであった。これら極細繊維からなる繊維分散液は、アスペクト比が実施例1対比増大し、繊維凝集体を形成しやすくなるものの、分散指標は20以下と分散性に優れるものであり、分散安定指標も1.00と分散安定性に優れるものであった。
また、チキソトロピー性はアスペクト比に依存するものであるため、得られた揺変係数(TI)は実施例1対比大きい値を示すものであった。結果を表1に示す。
実施例4
島数1000の海島複合口金を用いて、総吐出量を42g/minとしたこと以外は実施例1に従い実施した。
島数1000の海島複合口金を用いて、総吐出量を42g/minとしたこと以外は実施例1に従い実施した。
実施例4にて得られた繊維分散液は、揺変係数(TI)は実施例1と比較して低いものであるが、実用には問題なく、繊維同士の凝集を抑制することによって、分散指標は11.0、分散安定指標も1.00と優れた分散性を示すものであった。結果を表1に示す。
比較例1
繊維長を5.0mmとなるようにカット加工したこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
繊維長を5.0mmとなるようにカット加工したこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
比較例1にて得られた繊維分散液は、繊維同士の絡み合いによる凝集・沈殿が局所的に発生し、分散指標は35.2と分散性が著しく低いものであった。このため、分散安定指標および揺変係数(TI)も著しく低いものであった。結果を表1に示す。
実施例5
島成分として、実施例1とは異なるポリエチレンテレフタレート(PET2、溶融粘度:140Pa・s)を用いたこと以外は、実施例1に従い実施した。
島成分として、実施例1とは異なるポリエチレンテレフタレート(PET2、溶融粘度:140Pa・s)を用いたこと以外は、実施例1に従い実施した。
実施例5の繊維分散液における極細繊維のカルボキシル末端基量は40eq/tonであり、実施例1と比較してカルボキシル末端基量が低いものであったが、カルボキシル基由来の電気的な反発力は十分に働いているため、分散指標は12.0、分散安定指標は0.72と分散性および分散安定性は良好であった。結果を表1に示す。
比較例2
島成分として、実施例1、4とは異なるポリエチレンテレフタレート(PET3、溶融粘度120Pa・s)を用いたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
島成分として、実施例1、4とは異なるポリエチレンテレフタレート(PET3、溶融粘度120Pa・s)を用いたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
比較例2の繊維分散液における極細繊維のカルボキシル末端基量は28eq/tonであり、実施例1、4と比較してカルボキシル基由来の電気的な反発力が十分でないため、繊維同士の絡み合いによる凝集が部分的に観察され、分散指標および分散安定指標は実施例1に劣る結果であった。また、分散性が不十分なことに起因し、揺変係数(TI)も劣る結果であった。結果を表1に示す。
実施例6
島数1000の海島複合口金を用いて、総吐出量を42g/min、繊維長(L)を1.8mmとなるようにカット加工した後、第一工業製薬(株)社製アニオン系分散剤(シャロールAN−103P:分子量10000)を極細繊維に対して1等量添加し、固形分濃度を10%としたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
島数1000の海島複合口金を用いて、総吐出量を42g/min、繊維長(L)を1.8mmとなるようにカット加工した後、第一工業製薬(株)社製アニオン系分散剤(シャロールAN−103P:分子量10000)を極細繊維に対して1等量添加し、固形分濃度を10%としたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
実施例6の繊維分散液における極細繊維は、繊維径が600nm、アスペクト比が3000、カルボキシル末端基量が52eq/tonであった。結果を表2に示す。
実施例7
島数500の海島複合口金を用いて、総吐出量を42g/min、繊維長(L)を2.7mmとなるようにカット加工したこと以外は、全て実施例6に従い実施した。
島数500の海島複合口金を用いて、総吐出量を42g/min、繊維長(L)を2.7mmとなるようにカット加工したこと以外は、全て実施例6に従い実施した。
実施例7の繊維分散液における極細繊維は、繊維径が900nm、アスペクト比が3000、カルボキシル末端基量が52eq/tonであった。結果を表2に示す。
実施例8
島数1000の海島複合口金を用いて、総吐出量64g/minとし、海/島成分の複合比率を20/80とし、繊維長が3.0mmとなるようにカット加工を施したこと以外は、実施例6に従い実施した。
島数1000の海島複合口金を用いて、総吐出量64g/minとし、海/島成分の複合比率を20/80とし、繊維長が3.0mmとなるようにカット加工を施したこと以外は、実施例6に従い実施した。
実施例8の繊維分散液における極細繊維は、繊維径が1000nm、アスペクト比が3000、カルボキシル末端基量が52eq/tonであった。結果を表2に示す。
実施例9
島数15の海島複合口金を用いて、総吐出量24g/minとし、繊維長が15mmとなるようにカット加工を施したこと以外は、実施例6に従い実施した。
島数15の海島複合口金を用いて、総吐出量24g/minとし、繊維長が15mmとなるようにカット加工を施したこと以外は、実施例6に従い実施した。
実施例9の繊維分散液における極細繊維は、繊維径が5000nm、L/Dが3000、カルボキシル末端基量が52eq/tonであった。結果を表2に示す。
実施例6〜9のいずれにおいても、繊維分散液における極細繊維の繊維径および固形分濃度が増大したにもかかわらず、優れた分散性を示すものであり、分散安定性および揺変係数(TI)も良好なものであった。
実施例10
島成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET2)、島成分2として、ポリブチレンテレフタレート(PBT、溶融粘度:160Pa・s)、海成分として共重合PETを使用し、3成分紡糸可能な海島複合口金を用いて、1本の海島複合繊維に250島のサイドバイサイド型の複合形態を有した島成分が形成されるものを使用した。島1/島2/海の複合比は、重量比で15/15/70となるように吐出量で調整した(総吐出量25g/min)。溶融吐出した糸条を冷却固化した後油剤付与し、紡糸速度3000m/minで巻き取ることで未延伸繊維を得た。更に、未延伸繊維を80℃と130℃に加熱したローラー間で1.4倍延伸を行い(延伸速度800m/min)、海島複合繊維を得た。
島成分1として、ポリエチレンテレフタレート(PET2)、島成分2として、ポリブチレンテレフタレート(PBT、溶融粘度:160Pa・s)、海成分として共重合PETを使用し、3成分紡糸可能な海島複合口金を用いて、1本の海島複合繊維に250島のサイドバイサイド型の複合形態を有した島成分が形成されるものを使用した。島1/島2/海の複合比は、重量比で15/15/70となるように吐出量で調整した(総吐出量25g/min)。溶融吐出した糸条を冷却固化した後油剤付与し、紡糸速度3000m/minで巻き取ることで未延伸繊維を得た。更に、未延伸繊維を80℃と130℃に加熱したローラー間で1.4倍延伸を行い(延伸速度800m/min)、海島複合繊維を得た。
この海島繊維を繊維長が1.2mmとなるようにカット加工を施した後、水酸化ナトリウム水溶液にて海成分を除去したところ、繊維分散液が得られ、この繊維分散液における極細繊維は、繊維径が300nm、アスペクト比が4000、カルボキシル末端基量が40eq/tonであった。
この極細繊維はサイドバイサイド構造に起因した3次元的なスパイラル構造が発現するものであり、媒体との接触面積が大きくなることによる電荷反発力の増大のため、媒体中での分散性および分散安定性は良好な繊維分散液であった。結果を表2に示す
Claims (5)
- 繊維径が100〜5000nmの極細繊維が水系媒体中に分散し、かつ固形分濃度が0.01〜10重量%である繊維分散液であって、下記条件で測定した分散指標が20以下であることを特徴とする繊維分散液。
分散指標=固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.01重量%となるように調製して、マイクロスコープにて透過照明のもと倍率50倍で画像を撮影し、画像処理ソフトを用いてこの画像をモノクロ画像に変換後、級数を256として輝度ヒストグラム化して得られた標準偏差 - 下記式で定義される分散安定指標が0.70以上であることを特徴とする請求項1に記載の繊維分散液。
分散安定指標=H0/H1
式中、H0は10分間静置後の容器内の繊維分散液高さであり、H1は7日間静置後の容器内の繊維分散液の分散体高さである。 - 下記式で定義される揺変係数(TI)が7.0以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維分散液。
TI=η6/η60
式中、η6は固形分濃度が繊維分散液全量に対して0.5重量%となるように調整した繊維分散液について回転数6rpmで測定した粘度(25℃)であり、η60は上記繊維分散液について回転数60rpmで測定した粘度(25℃)である。 - 前記極細繊維がポリエステルからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維分散液。
- 分散剤が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維分散液。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022158544A1 (ja) * | 2021-01-22 | 2022-07-28 | 東レ株式会社 | 湿式不織布シート |
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- 2019-01-11 JP JP2019003418A patent/JP2020111847A/ja active Pending
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WO2022158544A1 (ja) * | 2021-01-22 | 2022-07-28 | 東レ株式会社 | 湿式不織布シート |
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