JP2007138290A - 厚手高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】板厚18mm以上の厚手材において、耐HIC性の低下を招くことなしに、靭性の優れた高強度熱延鋼板および、その有利な製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.0050%以下、B:0.0001〜0.0020%、Ti:0.005〜0.03%、Nb:0.030〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下を含み、かつ、0.8Si≦Mn≦Si+1.2、0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0、1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成と、ベイニティックフェライトおよび/またはフェライトからなる金属組織を有する厚手熱延鋼板とする。なお、析出B量を10ppm以下に調整することにより、強度および溶接部靭性の顕著な向上をもたらすとともに、シームアニール後の電縫溶接部の靭性、硬さ変動を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐HIC仕様のラインパイプ用電縫鋼管をはじめ、油井管のコンダクターケーシングに用いられる厚手電縫鋼管、建築・土木用の鋼管およびカラム、その他一般の構造材などの用途に用いて好適な、耐HIC性および靭性に優れる板厚18mm以上の厚手高強度熱延鋼板およびその製造方法に関するものである。なお、鋼板には、鋼帯をも含むものとする。
耐HIC仕様のラインパイプ用電縫鋼管、油井管のコンダクターケーシングに用いられる厚手電縫鋼管、建築・土木用の鋼管およびカラムなどの鋼管素材として用いられる熱延鋼板には、構造材として必要な強度および靭性などの特性を具備することが要求されている。
このような用途に用いられる熱延鋼板の製造技術について、これまでに多くの提案がなされてきた。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、優れた強度と靭性を両立させる技術として、TMCP(Thermo-Mechanical Control Process)と呼ばれる加工熱処理と、熱間圧延後の急冷(制御冷却)を組み合わせ技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載された技術では、以下に示す、(a)、(b)のような問題があった。また、今後のニーズに必ずしも対応できないという問題もあった。
(a)TMCPでは、圧延による変形が板厚方向で均一にならず、特に板厚が厚くなると顕著となり、板厚方向の材質不均一が発生しやすい。すなわち、TMCPでは厚み方向、幅方向、長手方向の材質不均一が発生しやすい。特に圧延速度が速い熱間圧延ミルで、板厚が厚い場合には問題となる。また、熱間圧延後の制御冷却による強冷却では、コイル長手方向の材質差を生じ易く、さらに、板厚方向での冷却履歴が表層部と中心部では異なるため材質制御が困難となる。すなわち、制御冷却では、急冷された鋼板(鋼帯)をコイル状に巻取る際、板厚が厚くなるとコイル巻取り時の負荷が甚大になり、巻取りが困難になるうえ、厚み方向、幅方向、長手方向の材質不均一により巻き形状が崩れやすい。
(b)TMCPにおいては、Mn、V、Moなどの強化元素への依存度が高く、これらの強化元素量が多くなると鋼の焼入れ性が増し、溶接部の硬度が上昇し易く、島状マルテンサイト発生による溶接部靭性の劣化が生じ易い。特に板厚が厚い場合にはその傾向が強くなる。
このような問題に対し、例えば特許文献5には、C:0.005〜0.030%未満とし、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量に調整して含有するとともに、B:0.0002〜0.0100%含有し、さらにTi:0.20%以下、Nb:0.25%以下のうちの1種または2種を、(Ti+Nb/2)/C:4以上を満足するように含有する鋼を熱間圧延したのち、5℃/s以上20℃/s以下の速度で冷却し、引続き550℃超〜700℃の温度範囲で巻き取る、靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板の製造方法が記載されている。特許文献5に記載された技術によれば、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトからなる組織となり、粒内固溶C量が1.0〜4.0ppmに適正化され、析出炭化物を強度の向上に有効に利用でき、固溶Cが低い場合に従来見られた粒径粗大化に起因する強度低下を抑制でき、靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特公昭62‐23056号公報 特開昭62‐112722号公報 特開平7‐34125号公報 特開2000‐8124号公報 特許第3390596号公報
しかし、特許文献5に記載された技術で製造された熱延鋼板は、高靭性でかつ低降伏比を有する鋼板であるが、固溶C量が極度に低いため、パイプライン建設時の現地溶接、すなわち円周溶接性に問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、API規格の5L−X56級以上の高強度電縫溶接鋼管用素材として、電縫溶接鋼管の円周溶接部靭性の向上を考慮した、溶接部靭性に優れ、母材靭性および耐HIC性に優れた板厚18mm以上の高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを主目的とし、さらには、厚み方向、幅方向、長さ方向における材質の不均一性、また材質不均一によるコイル巻き形状不良や溶接性の低下を招くことなしに、しかも耐HIC性の低下を招くことなしに、溶接部靭性、母材靭性および耐HIC性に優れた高強度熱延鋼板の有利な製造方法を提供することを目的とする。
なお、X56級以上の電縫溶接鋼管向け熱延鋼板の具体的な材料目標値として、
板厚:18mm以上
強度:引張強さTSが490MPa以上
母材及び溶接部靭性:シャルピー衝撃試験の破面遷移温度vTrsが−30℃以下(溶接部靭性は電縫溶接(ERW)部と円周溶接部とを含む)
板厚方向の硬度バラツキ:(最高硬さ−最低硬さ)が60HV以下、望ましくは40HV以下
耐HIC性:母材およびあるいは溶接部のNACE試験にてCLR(Crack Length Ratio)が15%以下
が例示できる。
本発明者らは、板厚18mm以上の厚手熱延鋼板にて、板厚方向、幅方向、およびコイル長手方向の材質変動を抑制し、かつ巻き形状を改善し、電縫溶接(シーム溶接)部および円周溶接部の靱性を良好にすることを目的に、化学成分および製造条件の影響について鋭意検討した。その結果、低C系鋼をベースとして、Nb、Ti等の炭化物形成元素の添加およびBの微量添加、Si‐Mnバランスの調整によるフェライト変態温度と炭化物析出温度の適正化、Nb、Ti、Cバランスの適正化、さらに仕上圧延から巻取りまでの冷却速度や、巻取り温度などの製造条件の適正化を行うことにより、組織をフェライトおよび/またはベイニティックフェライト組織とすることができ、母材靭性および円周溶接部を含めた溶接部靭性が向上し、しかも良好な耐HIC性を得ることができるという知見を得た。
以下に、本発明に至った経緯について更に詳細に説明する。
まず、質量%で、C:0.008〜0.080%、Si:0.25%、Mn:0.50〜1.4%、P:0.008%、S:0.0005%、Al:0.035%、Ti:0.009〜0.089%、Nb:0.025〜0.155%、N:0.0025%、B:0.0007%、Ca:0.0020%、O:0.0018%を含み、Mn含有量が0.8Si〜(Si+1.2)を満足し、{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)を1.9とし、(Ti+Nb/2)/C:0.4〜9.0の範囲で変化させた鋼スラブを、スラブ加熱温度1200℃、熱間仕上圧延開始温度1050℃、熱間圧延仕上温度880℃、熱延後の冷却速度を3〜5℃/sとし、コイル巻取り温度を700℃として、板厚25.4mmの熱延鋼板(鋼帯)を製造した。すなわち、いわゆるTMCPとその後の急冷処理の組合せになる従来の製造方法とは異なる方法で製造した。この方法は格段特別にミルパワーが大きな熱延ミルでなくとも、板厚25.4mm材を巻き取ることが可能である。
ついで、得られた熱延鋼板を素材として、造管ラインにて外径26インチの電縫鋼管を製造した。なお、電縫溶接部については、シームアニーラーを用いて、加熱温度:1150〜1200℃とするシームアニールを行った。
母材靱性を評価するために、得られた熱延鋼板の靭性を調査した。また電縫溶接部靱性を評価するために、電縫鋼管の電縫溶接部の靭性を調査した。さらに、円周溶接部の靱性を評価するために、入熱4.5kJ/mmの溶接部の粗粒域HAZ(CGHAZ)相当の熱サイクルを付与した試験片を作製し、靭性を調査した。試験片に付与した熱サイクルを図4に示す。
靭性はシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求めて評価した。なお、破面遷移温度vTrsは脆性破面率が50%になる温度である。得られたvTrsを、(Ti+Nb/2)/Cとの関係で整理し、図1に示す。なお、図1には、熱延鋼板の板厚を15.6mmとする以外は、上記と同様にして、熱延鋼板、電縫鋼管を製造して、母材靭性、電縫溶接部靭性、円周溶接部靭性を評価した結果についても合わせて示す。
図1から、板厚15.6mm、25.4mmのいずれの場合においても、(Ti+Nb/2)/Cが0.5以下の場合は、母材靭性、電縫溶接部靭性および円周溶接部靭性が共に低下していることがわかる。また、板厚15.6mmの場合には、(Ti+Nb/2)/Cが4.0以上の場合であっても、優れた母材靭性、電縫溶接部靭性および円周溶接部靭性が得られる。一方、板厚が25.4mmとなると、(Ti+Nb/2)/Cが4.0以上の場合に、母材では優れた靭性が得られるが、電縫溶接部ではvTrsが−40℃より高い温度を示し、また、円周溶接部ではvTrsが−25℃より高い温度を示し、いずれも靭性が低下している。すなわち、板厚が25.4mmと厚くなっても、(Ti+Nb/2)/Cが0.5超え4.0未満となる場合には、製造条件を高温巻取りでかつ緩冷却条件としても、母材靭性および溶接部靭性がともに優れ、バランスが良い特性を有する鋼板が得られることがわかった。
板厚が25.4mmの厚い場合で、(Ti+Nb/2)/Cが0.5以下の場合に、母材靭性および溶接部靭性が低下する理由は、熱間圧延時の仕上圧延温度が高いため、TMCPの効果がなく、かつ緩冷却での冷却が行われるため、パーライトがバンド状に析出あるいは、粗大なマルテンサイトが形成されるため、母材靭性が低下したものと考えられる。また、溶接部靭性が低下する理由も同様であると推察される。一方、(Ti+Nb/2)/Cが4.0以上の場合には、余剰なCが無くなるため、パーライトのバンド状析出や粗大なマルテンサイトの形成が起こりにくくなる。このため、母材靭性は著しく向上する。しかし、電縫溶接部では、板厚が厚いため、シームアニールの入熱量が薄手材よりも多くなる傾向にあり、シームアニールに際し粒成長が起こり、靭性低下が起こるものと考えられる。さらに、円周溶接部では、シームアニールよりも入熱量が大きいため、CGHAZの靭性が低下しやすい。その理由としては、余剰Cがないため、析出物のオストワルド成長が進行しやすく、結晶粒界のピン止め力の低下が起こり、結晶粒粗大化が生じたためと考えられる。
このような理由から、本発明では、Nb、Ti、Cバランスを、次(2)式
0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%)
を満足するように制御することとした。
次に、質量%で、C:0.020〜0.035%、P:0.015%、S:0.0006%、Al:0.035%、Ti:0.009〜0.013%、Nb:0.05〜0.06%、N:0.0025%、B:0.0005〜0.0008%、Ca:0.0022%、O:0.0020%を含み、{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S):1.7、(Ti+Nb/2)/C:1.0〜2.2とし、SiとMn量をSi:0.20〜1.1%、Mn:0.20〜1.8%の範囲に変化させた鋼スラブに、スラブ加熱温度1200℃、熱間仕上圧延開始温度1050℃、熱間圧延仕上温度880℃とする熱間圧延を施し、熱間圧延後の冷却速度を3〜5℃/sとして冷却し、コイル巻き取り温度を700℃として巻取り、板厚25.4mmの熱延鋼板(鋼帯)とした。この製造方法は、いわゆるTMCPとその後の急冷処理の組合せになる従来の製造方法とは異なる方法である。
ついで、得られた熱延鋼板を素材として、造管ラインにて外径26インチの電縫鋼管を製造した。なお、電縫溶接部については、シームアニーラーを用いて、加熱温度:1160℃とするシームアニールを行った)。
得られた熱延鋼板について、母材引張強さTS、および得られた電縫鋼管について、電縫溶接部靭性vTrsを求めた。得られた結果を、Mn含有量とSi含有量の関係で図2に示す。図2中の円中心がSi、Mn量(質量%)に対応し、円中の上段は母材引張強さTS(MPa)、下段は電縫溶接部の靭性vTrsを示す。
また、得られた熱延鋼板について、板厚方向の硬さをビッカース硬度計(試験力:9.8N)で0.5mmピッチで測定し,最高硬さと最低硬さを求め、その差ΔHVを算出した。また、得られた熱延鋼板からHIC試験片を採取し、NACEによるHIC試験を実施し、耐HIC性を評価した。HIC試験は、NACE TM0284−96の規定に準拠して行い、試験液はNACE TM0177-90に規定されているNACE液を用いた。耐HIC性の評価はNACE TM0284-96の規定に準拠してCLRを用いた。得られた結果を、Mn含有量とSi含有量の関係で図3に示す。図3中の円中心がSi、Mn含有量に対応し、円中の上段はNACEによるHIC試験後のCLRを示し、下段は板厚方向の硬度ばらつきΔHVを示す。
Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%の範囲でかつ次(1)式
0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
(ここで、Si、Mn:各元素の含有量(質量%))
を満足する範囲の、Si、Mnバランスであれば、図2から、母材のTS:490MPa以上の高強度と、電縫溶接部の靭性vTrs:−30℃以下、の電縫溶接部の高靭性とが両立し、かつ図3から、NACEによるHIC試験後のCLRが15%以下と優れた耐HIC性と、かつΔHVが40以下と、板厚方向の硬度バラツキが小さいことを満足することがわかる。
高強度と高靭性を両立させるためには、オーステナイト相の結晶粒粗大化を抑えて細粒フェライトを得ることが必要であり、そのためには、仕上圧延後のオーステナイト相へのNbC析出開始温度とAr3変態点を調整することが重要となる。オーステナイト相へのNbC析出開始温度とAr3変態点を調整するためにはSi、Mnバランスを適正範囲に制御することが肝要である。
TMCPフリーで高生産性を目的とする本発明の場合には、熱間圧延の仕上圧延温度が高くかつ圧延後の冷却速度が遅い。このような場合に、オーステナイト相の結晶粒粗大化を抑えて細粒フェライトを得るためには、オーステナイト相へのNbCの析出を進行させオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制させたのち、フェライト変態を起こさせることが必要となる。そのためには、Mn は0.3質量%以上でかつ0.8Si以上とすることが必要である。一方、Mnが(Si+1.2)を超える場合は、溶接部に硬質相が形成されやすくなるため、溶接部靭性が低下する。また、Mnが1.5%を超える場合には、熱間仕上圧延後の冷却過程における板厚方向での冷却速度差、すなわち表裏面側では急速に冷却されるが、板厚中心部では緩冷却されること、による耐HIC性の低下が特に顕著となる。また、Siが1.0%超の場合には、溶接部にペネトレータと呼ばれる酸化物が残存しやすいため、溶接部靱性が低下する。
このような理由から、本発明では、Si、Mnバランスを、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%で、かつ前記(1)式を満足するように調整することとした。
また、更なる研究により、本発明者らは、Cを0.01〜0.035質量%の狭い範囲内に調整し、Bのうち析出B量を0.0010質量%以下(0質量%を含む)に低減し、組織を適正量のポリゴナルフェライトを含み残部がベイニティックフェライトである複合組織とすることにより、靭性が顕著に向上し、さらには電縫溶接鋼管としたのちのシームアニールによる電縫溶接(シーム溶接)部の硬さ増加が少なく、シームアニール温度の変動による電縫溶接(シーム溶接)部の硬さが少ないという知見を得た。
本発明は、上記した知見に基づき、更に検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.0050%以下、B:0.0001〜0.0020%、Ti:0.005〜0.03%、Nb:0.030〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下を含み、かつ、Si、Mnが次(1)式
0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
ここで、Si、Mn:各元素の含有量(質量%)
を、Ti、Nb、Cが次(2)式
0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%)
を、Ca、O、Sが次(3)式
1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
ここで、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%)
をそれぞれ満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成と、さらにベイニティックフェライトおよび/またはフェライトからなる金属組織とを有し、板厚18mm以上であることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板。
(2)質量%で、C:0.01〜0.035%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.0050%以下、B:0.0001〜0.0020%、Ti:0.005〜0.03%、Nb:0.030〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下を含み、かつ、Si、Mnが次(1)式
0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
(ここで、Si、Mn:各元素の含有量(質量%))
を、Ti、Nb、Cが次(2)式
0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
(ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%))
を、Ca、O、Sが次(3)式
1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
(ここで、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%))
をそれぞれ満足するように含有し、前記Bのうち析出Bが0〜0.0010%であり、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成と、さらに体積率で20〜80%のフェライトと残部がベイニティックフェライトからなる金属組織とを有し、板厚18mm以上であることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記鋼組成に加えてさらに、質量%で、V:0.01〜0.10%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼組成とすることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記金属組織が、前記ベイニティックフェライトおよび/またはフェライトに加えてさらに、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で5体積%以下含有する金属組織であることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板。
(5)質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.0050%以下、B:0.0001〜0.0020%、Ti:0.005〜0.03%、Nb:0.030〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下を含み、かつ、Si、Mnが次(1)式
0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
(ここで、Si、Mn:各元素の含有量(質量%))
を、Ti、Nb、Cが次(2)式
0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
(ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%))
を、Ca、O、Sが次(3)式
1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
(ここで、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%))
をそれぞれ満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成をもつ鋼素材を、熱間圧延工程にて板厚18mm以上とする仕上圧延を行い、該仕上圧延後、巻き取るまでの冷却速度を1℃/s以上15℃/s以下とすることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板の製造方法。
(6)(5)において、前記仕上圧延後の巻き取りの温度を600℃以上800℃以下とすることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板の製造方法。
(7)質量%で、C:0.01〜0.035%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.001%以下、Al:0.005〜0.10%、N:0.0050%以下、B:0.0001〜0.0020%、Ti:0.005〜0.03%、Nb:0.030〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下を含み、かつ、Si、Mnが次(1)式
0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
(ここで、Si、Mn:各元素の含有量(質量%))
を、Ti、Nb、Cが次(2)式
0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
(ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%))
を、Ca、O、Sが次(3)式
1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
(ここで、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%))
をそれぞれ満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成をもつ鋼素材を、熱間圧延工程にて板厚18mm以上とする仕上圧延を行い、該仕上圧延後、巻き取るまでの冷却速度を3℃/s以上15℃/s以下とし、600〜750℃で巻き取ることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板の製造方法。
(8)(5)ないし(7)のいずれかにおいて、前記鋼組成に加えてさらに、質量%で、V:0.01〜0.10%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼組成とすることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板の製造方法。
(9)(2)ないし(4)のいずれかに記載の厚手高強度熱延鋼板を略円筒形状に造管してオープン管となし、該オープン管の端部同士を電縫溶接してなる電縫鋼管であって、シームアニール後に、前記電縫溶接部の硬さが、{(電縫溶接部の平均硬さ)−(母材硬さ)}で30HV以下であることを特徴とする高強度電縫鋼管。
本発明によれば、板厚18mm以上の厚手材において、溶接部靭性および耐HIC性に優れた熱延鋼板を得ることができ、さらには、厚み方向、幅方向、長さ方向における材質の不均一性、また材質不均一によるコイル巻き形状不良や溶接性の低下を招くことについても防止できる。
本発明によれば、板厚18mm以上の厚手材において、X56級の電縫溶接鋼管用として好適な、母材及び溶接部靭性に優れ、さらには耐HIC性も良好である高強度熱延鋼板を得ることができ、シーム溶接部靭性および円周溶接部靭性に優れ、耐HIC性も良好である電縫溶接鋼管を容易にしかも安価に製造できるという効果を奏する。また、本発明になる板厚18mm以上の厚手高強度熱延鋼板は、耐HIC性、母材靭性および溶接熱影響部靭性に優れ、耐HIC仕様のラインパイプ用電縫鋼管、油井管のコンダクターケーシング用厚手電縫鋼管、建築・土木用鋼管およびカラム、その他一般の構造材などの用途に好適である。
本発明の熱延鋼板は、板厚18mm以上、好ましくは25.4mm(1inch)以上の厚手熱延鋼板である。まず、本発明熱延鋼板の組成限定理由について説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量%は全て質量%を意味する。
C:0.01〜0.05%
Cは、Nb、Ti、Vなどと炭化物を形成し強度上昇に寄与する元素である。0.01%未満の含有ではその効果が乏しいだけではなく、著しく結晶粒の粗大化を招き、母材の強度低下および溶接部の靭性低下を引き起こす。一方、0.05%を超える過剰な含有は、ベイニティックフェライトおよびフェライトの主相以外に、第2相としてパーライト、ベイナイトあるいはマルテンサイトのうちの1種または2種以上が5体積%を超えて多量に生成し、耐HIC性が低下する。また、溶接部にマルテンサイトなどの硬質相が形成されやすく、靭性低下の原因となる。従って、Cは0.01〜0.05%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.015%〜0.045%、さらに好ましくは0.035%以下である。C含有量が0.035%を超えると、Bのうち析出B量が増加し、靭性が低下するとともに、シームアニール後の電縫溶接部の硬さ増加や硬さ変動が著しくなり、電縫溶接部と母材との硬度差が30HVを超えて大きくなり、熱影響部破断の危険性が増大する。
Si:1.0%以下
Siは強化元素として有効であり、本発明では0.01%以上含有することが望ましいが、1.0%を超える場合は、溶接部へ珪酸、Mn珪酸などの酸化物が残存しやすくなり、溶接部靭性が低下する。従って、Siは1.0%以下に限定した、なお、好ましくは0.7%以下である。
Mn:0.3〜1.5%
Mnは、強化元素として有効な元素であるが、1.5%を超えて含有すると溶接部硬さが上昇し、溶接割れを引き起こす。また、1.5%を超えて含有すると、島状マルテンサイトが形成され易くなるため、耐HIC性の低下および靭性の低下の原因となる。更に、1.5%を超えて含有すると、板厚方向の硬度バラツキ:ΔHVが増加する。一方、0.3%未満ではフェライト変態開始温度が高くなり、十分にオーステナイトヘのNbC析出が進行する前にフェライト変態が起こる。このため、結晶粒粗大化を招き、強度低下及び靭性低下を引き起こす。従って、Mnは0.3〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.4%〜1.4%である。
SiとMnバランス:次(1)式
0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
ここで、Si、Mn:各元素の含有量(質量%)
強度と靭性を両立させるためには、仕上圧延後のオーステナイト相へのNbC析出開始温度とAr3変態点を調整することが重要であり、SiとMnのバランスを適正範囲に制御することが肝要である。Mn含有量が、0.8Si以上とすることにより、熱間圧延時の仕上圧延後の冷却過程において、オーステナイト相へNbC析出を進行させてオーステナイト結晶粒粗大化を抑制させたのち、フェライト変態が進行する。一方、Mn含有量が、Si+1.2超える場合は、溶接部に硬質相が形成されやすくなるため、耐HIC性や溶接部靱性が低下する。このような理由から、SiとMnバランスは(1)式を満足するように調整することにした。
P:0.025%以下
Pは、強度を増加し靭性を低下させる元素であるが、0.025%以下では著しい靭性低下は起こらないが、0.025%を超えて含有すると、結晶粒界へのP偏析が顕著となり、靭性が低下する。従って、Pは0.025%以下に限定した。なお、好ましくは0.020%以下である。
S:0.001%以下
Sは、硫化物を形成し耐サワー性を低下させるため、極力低減することが望ましいが、
0.001%以下であれば許容できる。従って、Sは0.001%以下に限定した。なお、好ましくは0.0008%以下である。
Al:0.005〜0.10%
Alは、鋼の脱酸素剤として機能し、かつN固定のために有効な元素である。その効果を得るためには、0.005%以上の含有が必要である。一方、0.10%を超える含有では、製鋼コストの増加を招く。このため、Alは0.005〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010%〜0.08%である。
N:0.0050%以下
Nは、固溶状態では靭性の低下や降伏比YRの上昇を招くため、Al、Ti、Bなどの窒化物として固定することが好ましい。しかしながら、N量が多くなるとAl、Ti、Bなどの窒化物固定用元素の多量含有を必要とし、材料コストの上昇を招くだけでなく、溶接時の窒化物の再溶解、冷却時の再析出による溶接部硬さの上昇が生じ、溶接割れの危険性が高くなる。従って、Nは0.0050%以下に限定した、なお、好ましくは0.0040%以下である。
B:0.0001〜0.0020%
Bは、結晶粒成長を抑制し、強度と靭性を両立させるために有効な元素である。この効果を得るためには0.0001%以上の含有を必要とする。一方、0.0020%を超える含有は、過剰な焼入れ作用により、特に溶接部靭性を低下させるとともに、耐HIC性をも低下させる。従って、Bは0.0001〜0.0020%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.0002〜0.0020%であり、より好ましくは0.0002〜0.0013%である。また、更なる靭性向上のためには、Bのうち析出物となっているB量、析出B量を10ppm以下(0ppmを含む)に限定することが好ましい。なお、より好ましくは7ppm以下である。析出Bは、ホウ炭化物、Fe23(C,B)6、であると考えられ、析出B量を10ppm以下(0ppmを含む)とするには、Cを0.035%以下に限定することが必要となる。
Ti:0.005〜0.03%
Tiは、固溶C量の制御に重要な役割を果たし、また有効なN固定元素であり、その効果は0.005%以上の含有で発揮される。一方、0.03%を超える含有は、著しくフェライト変態点を上昇させ、熱間圧延時の仕上げ圧延後の冷却過程でのオーステナイトヘのNbC析出が阻害され、フェライト粒の粗大化を招く。従って、Tiは0.005〜0.03%の範囲に限定した。
Nb:0.030〜0.10%
Nbは、固溶C量の制御に重要な役割を果たし、またNbC析出により強度上昇に寄与する元素である。さらに、Nbは、熱間圧延時の仕上圧延後の冷却過程において、オーステナイト相へのNbC析出を進行させてオーステナイト結晶粒粗大化を抑制する働きを有する。このような効果を得るためには0.030%以上の含有が必要である。一方、0.10%超える含有は、溶接部の硬度上昇を招き溶接不良の原因となるだけでなく、NbCの凝集体が形成されやすくなり耐HIC性の低下を招く。従って、Nbは0.030〜0.10%%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.035〜0.095%である。
Ti、Nb、Cバランス:次(2)式
0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
(ここで、Ti、Nb、C:各元素の含有量(質量%))
Ti、Nb、Cバランス:(Ti+Nb/2)/Cが、0.5以下では、母材靭性および溶接部靭性が低下する。これは、パーライトがバンド状に析出するか、あるいは、粗大マルテンサイトが形成するためである。Ti、Nb、Cバランス:(Ti+Nb/2)/Cが4.0以上では、余剰なCが無くなり、パーライトのバンド状析出や粗大マルテンサイトの形成が起こりにくくなるため、母材靭性は著しく向上するが、電縫溶接部では、板厚が厚いため、シームアニールの入熱量が薄手材よりも多くなる傾向にあり、シームアニールに際し粒成長が起こり、電縫溶接部靭性が低下する。また、NbCやTiCなどの炭化物の凝集体が形成されやすくなり、耐HIC性の低下を招く危険性がある。このため、Ti、Nb、Cバランス:(Ti+Nb/2)/Cを、0.5超え4.0未満に限定した。
Ca:0.001〜0.005%
Caは硫化物の形態制御のために含有する。0.005%を超えて、鋼中のS量に対して過度に含有するとCaOクラスターおよび単体のCaSが発生する。一方、0.001%未満と、鋼中のS量に対して不足する場合MnSが発生し靱性低下を招く。従って、Caは0.001〜0.005%の範囲に限定する。なお、S量が多いとCaSクラスターが発生するため、同時にS量も制御することが好ましい。すなわち、鋼中のS量およびO量に応じて、(3)式の範囲にCa量を制御する。これにより介在物による耐HIC性の低下を防止できる。
O:0.003%以下
Oは、酸化物系介在物として鋼中に残存する。0.003%を超えて過度に含有すると、低温靭性低下やCTOD(Crack tip opening disp1acement)特性の低下を招くとともに、耐HIC性を低下させる。従って、Oは0.003%以下に限定した。なお、好ましくは0.002%以下である。なお、製鋼上のコストアップの問題がなければもっと低くしてもよい。
Ca、O、Sバランス:次(3)式
1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
(ここで、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%))
本発明では、介在物による耐HIC性の低下を防止するために、Ca、O、Sバランス:{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)が(3)式を満足するように、鋼中のS量およびO量に応じて、Ca含有量を制御する。なお、より望ましくは、Ca、O、Sバランス:{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)が1.4〜3.4の範囲となるように調整することが好ましい。
以上の成分が、基本成分であるが、基本組成に加えてさらに、選択元素として、V:0.01〜0.10%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を、必要に応じて選択して含有できる。
V、Cr、Cu、Ni、Moはいずれも、強度増加に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。
Vは、Ti、Nbと同様に、微量添加により析出物を形成し、析出硬化を介して強度増加に寄与する元素である。また、Vは、V炭化物のフェライトヘの溶解度が大きいため、固溶強化能を有し、固溶強化による強度増加にも寄与する。また、Vは、初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配に際し、フェライトヘの分配が顕著な元素であり、硬化組織を形成させることなく高強度化に寄与する。これらの効果は0.01%以上の含有で顕著になるが、0.10%を超える過剰な含有は、合金コストが上昇するうえ、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できない。更には、0.10%を超える過剰な含有は、円周溶接部の靭性低下へ繋がる。このため、Vは、含有する場合には0.10%以下に限定することが好ましい。なお、強度に応じて、0.02〜0.09%の範囲で選択して含有することがより好ましい。
Crは、Mnと同様な効果を有し、初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、オーステナイトヘ分配される元素であるともに、硬化組織を形成させる働きを有し強度増加に寄与する元素である。また、Crは、さらにオーステナイト/フェライト変態開始温度を下げる効果を有する。このような効果は、0.01%以上の含有で顕著になる。CrはMnよりも酸素との親和力が強いため、0.50%を超えて過剰に含有すると、電縫溶接部に酸化物が残存しやすくなる。このようなことから、Crは0.01%以上、0.50%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.05%以上0.45%以下である。
CuとNiはいずれも、フェライト相に固溶し、固溶強化により強度増加に寄与する元素である。また、CuとNiはいずれも、フェライト変態に競合するパーライト変態の開始を遅延化する働きがあり、バンド状パーライトの生成を抑制し、靭性および耐HIC性の向上に寄与する。なお、CuとNiは、複合含有とすることが好ましい。このような、バンド状パーライトの生成を抑制する効果はCu、Niをそれぞれ 0.01%以上、含有することにより発揮される。しかしながら、Cu、Niが、それぞれ0.5%を超えて過剰に含有すると、合金コストの上昇を招くとともに、硬質組織の形成が助長されて耐HIC性が低下する。従って、CuとNiはいずれも、0.01〜0.5%の範囲それぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜0.4%である。
Moは、CuやNiと同様に、フェライト相に固溶し、固溶強化により強度増加に寄与する元素である。また、Moは、熱間圧延後の冷却から巻取り過程におけるフェライト変態に競合するパーライト変態の開始を遅延化する働きがあり、バンド状パーライトの生成を抑制し、靭性および耐HIC性の向上に寄与する。また、Moは、円周溶接部のHAZでの結晶粒粗大化を防止する働きもある。また、Moは、仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、分配が顕著に起こらない元素であり、硬化組織の形成を助長しないという効果も有する。このような効果は、0.01%以上の含有で顕著となるが、0.5%を超える過剰な含有は、合金コストの上昇を招くとともに、溶接部の靭性を低下させる。従って、Moは0.01〜0.5%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.05〜0.4%の範囲である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
つぎに、本発明熱延鋼板における組織の限定理由について説明する。
本発明の熱延鋼板では、組織はベイニティックフェライトおよび/またはフェライトとする。なかでも、ベイニティックフェライトとフェライト(ポリゴナルフェライト)からなる二相複合組織とすることが好ましい。これにより、強度が上昇するとともに、靭性が顕著に向上する。なお、二相複合組織では、フェライト(ポリゴナルフェライト)は体積率で20〜80%とすることが、靭性向上の観点からより好ましい。フェライト(ポリゴナルフェライト)が80%を超えて多くなると、強度が低下する。一方、フェライト(ポリゴナルフェライト)が20%未満では、靭性の顕著な向上が期待できない。このような組織は、Nb、Ti、Cバランス:(Ti+Nb/2)/Cを0.5超え〜4.0未満に制御し、パーライト及び島状マルテンサイトなどの形成を低減させることにより確保できる。また、ベイニティックフェライトとフェライト(ポリゴナルフェライト)以外のその他の相は体積率で5%以下に限定することが靭性向上の観点から好ましい。なお、耐HIC性を向上させるとい観点からは、パーライト、ベイナイト及びマルテンサイトのうちから選ばれる1種または2種以上を合計で、体積率で5%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは3%以下である。
つぎに本発明熱延鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明の熱延鋼板の製造方法は、高温の仕上圧延開始温度、高温の仕上圧延終了温度、緩冷却、高温の巻取りといったTMCPフリーの製造方法である。
本発明の製造方法で使用する鋼素材の製造方法は、特に限定されないが、上記した組成の溶鋼を、転炉等の常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。
本発明では、得られた鋼素材に、熱間圧延工程を施し、熱延鋼板とする。熱間圧延工程は、鋼素材の加熱工程、粗圧延工程、および仕上圧延工程からなることが好ましい。鋼素材の温度が高い場合には、鋼素材の加熱工程を省略して、例えば、連続鋳造後直ちに熱間圧延工程を行ってもよい。一方、鋼素材の温度が低い場合には、加熱温度SRT:1100〜1300℃として、鋼素材を加熱する加熱工程を施すことが好ましい。なお、省エネルギーの観点から、加熱温度は1200℃以下1150℃以上の温度範囲とすることが好ましい。なお、連続鋳造後直ちに熱間圧延を行う場合は、保熱もしくは端部の加熱を行うことが好ましい。
加熱された鋼素材は、粗圧延工程を施される。粗圧延工程の条件は、所望の寸法形状のシートバーとすることができる条件であれば、とくに限定されない。
粗圧延工程後、シートバーは、ついで仕上圧延工程を施される。なお、仕上圧延開始までの滞留時間については、特に規制されない。
仕上圧延開始温度FETは、1000〜1100℃の範囲の温度とすることが好ましい。FETが1000℃未満と低くなると、仕上圧延開始までの滞留時間が長くなり、熱間圧延の時間当りの処理重量が低下し生産性が低下する。一方、1100℃を超えて高温となると、オーステナイト粒の微細化が達成できなくなる。また、仕上圧延終了温度FTは、800〜950℃の範囲の温度とすることが好ましい。FTが800℃未満と低くなると、オーステナイトとフェライトの2相域圧延となり、圧延方向に伸張したフェライトが混在する組織となり好ましくない。また、FTが950℃を超えて高くなると、オーステナイト粒の粗大化を招く。従って、仕上圧延終了温度FTは、800〜950℃とすることが好ましい。なお、この仕上圧延で、板厚が18mm以上、好ましくは25.4mm以上の鋼板に仕上げられる。
熱間圧延工程を終了したのち、鋼板は冷却され、巻き取られるが、巻取りまでの冷却過程では、冷却速度を板厚中心位置で冷却開始から冷却停止までの平均冷却速度で1℃/s以上15℃/s以下とする。冷却速度が1℃/s未満ではオーステナイト相の結晶粒粗大化が進行し、その結果、強度低下を招く。一方、15℃/sを超える冷却速度では、ベイナイトが生成し、ベイニティックフェライトおよび/またはフェライト(ポリゴナルフェライト)からなる組織とすることができない。さらに、15℃/sを超える冷却速度では、オーステナイト相へのNbC析出が不十分となり、フェライト粒内へ歪が残存しフェライト相の靭性低下や円周溶接の溶接熱影響部HAZの軟化の原因となり、更には、板厚方向での硬度バラツキが大きくなり耐HIC性の低下を招き易い。また、板厚18mm以上の厚手熱延鋼帯の全長にわたり、15℃/sを超える冷却速度を付与することは非常に困難であり、また鋼板の表裏層と板厚中心部で材質の変動が生じ易い。従って、熱間圧延後巻取りまでの冷却速度は1℃/s以上15℃/s以下に限定した。好ましくは3℃/s以上10℃/s以下である。なお、冷却速度は冷却開始から巻取り開始までの平均の冷却速度とする。また、温度は、板厚中心温度を用いるものとする。
巻取り温度CTは、600℃以上800℃以下とすることが好ましい。炭化物NbCの析出による粒内の固溶Cの低減量や、析出強化の程度は、巻取り温度CTの影響が大きい。粒内の固溶Cの低減や析出硬化は、コイル巻取り後の徐冷過程で主に進行する。CTが600℃未満では板厚方向での表裏側と板厚中心部での温度差が大きくなり、熱延鋼板の材質ばらつきの原因となるだけでなく、コイラー能カによっては巻き取ることができない場合も生ずる。一方、巻取り温度CTが800℃を超えると、フェライト変態開始が遅れ、粗大な結晶粒が形成されるだけでなく、固溶C量が無くなり、IF化されるため、靭性低下を招く。従って、巻取り温度CTは600℃〜800℃の範囲の温度とすることが好ましい。なお、さらに好ましくは630〜780℃である。
上記した製造方法で製造された厚手高強度熱延鋼板は、ついで、略円筒形状に造管してオープン管となし、該オープン管の端部同士を電縫溶接して高強度電縫鋼管とされる。とくに、C:0.010〜0.035%に調整され、析出B量を0.0010%以下とした熱延鋼板を用いて製造された電縫鋼管では、シームアニール温度の変化によっても、電縫溶接部の靭性変化は少なく、また電縫溶接部の硬さ(最高)の変化を20HV以下とすることができる。また、シームアニール後の、電縫溶接部の硬さは、{(電縫溶接部の平均硬さ)−(母材硬さ)}で30HV以下とすることができる。
表1に示す種々の成分組成からなるスラブ(鋼素材)を加熱温度1100〜1200℃で再加熱した後、粗圧延終了温度を1030〜1090℃、仕上圧延開始温度を1020〜1080℃、仕上圧延終了温度を850〜910℃、仕上圧延後の冷却速度を3〜6℃/s、巻取り温度を670〜730℃の範囲に制御した熱間圧延を行った。仕上サイズは25mm厚×2040mm幅の熱延鋼帯とした。
かくして得られた熱延鋼板について、組織観察、引張試験、衝撃試験、硬さ試験を実施し、組織、引張強さ、靭性、硬さばらつきを評価した。試験方法は次の通りとした。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向に直角な断面(C断面)を研磨、腐食して、光学顕微鏡(倍率:500倍)を用いて組織を観察し、組織の種類、分率を測定した。
(2)引張試験
得られた熱延鋼板から、引張方向が圧延方向に直角となるように板状試験片(平行部幅:0.5inch、標点間距離:2inch)を採取し、ASTM E8の規定に準拠して、引張試験を実施し、引張強さTSを求めた。
(3)衝撃試験
得られた熱延鋼板の板厚の1/2t位置から、試験片の長さ方向が圧延方向と直角方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、シャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求めた。
(4)硬さ試験
得られた熱延鋼板から硬さ測定用試験片を採取し、板厚方向にビッカース硬度計(試験力:9.8N)で1mmピッチで全厚にわたり測定し,最高硬さと最低硬さを求め、その差ΔHVを算出した。
また、得られた熱延鋼板を用いて造管し、外径26インチの電縫鋼管を作製した。これら電縫鋼管について、電縫溶接部の衝撃試験を実施し、電縫溶接部靭性を評価した。また、電縫鋼管について、HIC試験を実施し、耐HIC性を評価した。試験方法は次の通りとした。
(5)電縫溶接部衝撃試験
得られた電縫鋼管の板厚中央部から、ノッチ部が電縫溶接部となるようにVノッチ試験片を採取し、シャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求め、電縫溶接部靭性を評価した。
(6)HIC試験
得られた電縫鋼管からHIC試験片を採取し、NACEによるHIC試験を実施し、耐HIC性を評価した。HIC試験は、NACE TM0284-96の規定に準拠して行い、試験液はNACE TM0177−90に規定されているNACE液を用いた。耐HIC性の評価はNACE TM0284-96の規定に準拠してCLRを用いた。
また、円周溶接部の靭性について調査した。
(7)円周溶接部靭性試験
得られた熱延鋼板から熱サイクル試験片を採取し、該熱サイクル試験片に、図4に示す、約4.5kJ/mmの円周溶接のCGHAZに相当する模擬熱サイクルを付与したのち、シャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求め、円周溶接部靭性を評価した。
得られた結果を表2に合わせて示す。
Figure 2007138290
Figure 2007138290
本発明例(鋼板No.3〜No.8、No.14、No.16、No.18、No.20〜22)はいずれも、ベイニティックフェライト、フェライト(ポリゴナルフェライト)またはそれらの2相複合組織を有し、かつTS:490MPa以上の高強度と、ΔHVが40以下と少ない板厚方向の硬度ばらつきと、vTrsが−30℃未満と優れた母材靭性、電縫溶接部靭性および円周溶接部靭性を有し、さらにHIC試験のCLRが15%以下と優れた耐HIC性を有していることがわかる。
また、Ti、Nb、Cバランスが(2)式を、および/または、Si、Mnバランスが(1)式を満足しない鋼板は、溶接部靭性が低下している。
(1)式および/または、(2)式を満足しない鋼板No.1、No.2、No.9、No.10、No.12、No.13、No.24(比較例)はいずれも、溶接部靭性が低下している。更に、鋼板No.1、No.2は、フェライト、ベイニティックフェライト以外の相であるパーライトが体積率で5%を超えて析出しているため、CLRが15%を超え、耐HIC性が低下している。鋼板No.11、No.15およびNo.17(比較例)は、Ca、O、Sバランスが(2)式を満足しないため、CLRが15%を超え、耐HIC性が低下している。鋼板No.19(比較例)は、B含有量が本発明の範囲を高く外れているため、焼入能が高くなり、フェライト、ベイニティックフェライト以外の相である硬質なベイナイト相が体積率で5%を超えて析出したため、耐HIC特性低下し、さらに、溶接部にも硬質相が析出しやすいため、溶接部靭性も低下している。鋼板No.23(比較例)は、Si含有量が本発明の範囲を高く外れているため、溶接部にペネトレータが形成し著しく溶接部靭性が低下している。
表1に示す鋼No.5の組成からなるスラブ(鋼素材)を加熱温度1100〜1200℃で再加熱した後、粗圧延終了温度を1030〜1090℃、仕上圧延開始温度を1020〜1080℃、仕上圧延終了温度を850〜910℃、仕上圧延後の冷却速度を0.5〜20℃/s、巻取り温度を450〜850℃の範囲に制御した熱間圧延を行った。仕上サイズは25mm厚×2040mm幅の熱延鋼板(鋼帯)とした。なお、熱間圧延、冷却、巻取り条件を表3に示す。
かくして得られた熱延鋼板について、組織観察、引張試験、衝撃試験、硬さ試験を実施し、組織、引張強さ、靭性、板厚方向の硬さばらつきを評価した。試験方法は、実施例1と同様にした。
また、得られた熱延鋼板を用いて、外径26インチの電縫鋼管を作製した。これら電縫鋼管について、電縫溶接部の衝撃試験を実施し、電縫溶接部靭性を評価した。また、これら電縫鋼管について、HIC試験を実施し、耐HIC性を評価した。試験方法は実施例1と同様とした。
また、円周溶接部の靭性について実施例1と同様に調査した。
得られた結果を表4に合わせて示す。
Figure 2007138290
Figure 2007138290
仕上圧延後の冷却速度が1〜15℃/sの範囲内にある鋼板No.5B、5C、5E、5G〜5K(本発明例)は、フェライトおよび/またはベイニティックフェライト組織となっているか、あるいはフェライトおよび/またはベイニティックフェライトに加えてさらに、フェライト、ベイニティックフェライト以外の相である、パーライトやベイナイトが体積率で5%以下混入している組織となっており、靱性を確保しつつ、良好な耐HIC性を有している。一方、好適範囲である巻取り温度CT:600℃〜800℃を満足しない鋼板No.5A、5F(本発明例)は、母材TSが低くなっているか、あるいは母材靭性が低下している。また、冷却速度が15℃/sで、5%のベイナイト相が混入した組織を有する鋼板No.5K(本発明例)は、硬度バラツキが若干大きくなっている。
一方、冷却速度が0.4℃/sと本発明の範囲を外れる鋼板No.5Aは、フェライト相に、6体積%のパーライト相が混入し組織が本発明範囲を外れ、耐HIC性が低下している。また、冷却速度が25℃/sと本発明の冷却速度範囲を高く外れる鋼板No.5Lは、8体積%のベイナイト相が混入し組織が本発明範囲を外れ、耐HIC性が低下し、さらに、硬度バラツキも大きくなっている。
表5に示す組成のスラブ(鋼素材)を加熱温度1200℃で再加熱した後、表7に示す条件で、粗圧延、仕上圧延を行い、仕上圧延後、表7に示す冷却条件で冷却し、表6に示す巻取り温度で巻取り、25mm厚×2040mm幅の熱延鋼帯とした。
得られた熱延鋼板について、組織観察、引張試験、衝撃試験、硬さ試験を実施し、組織、引張強さ、靭性、硬度ばらつきを評価した。試験方法は実施例1と同様とした。
なお、得られた各熱延鋼板について、析出B量を測定した。得られた各熱延鋼板から電解抽出用試験片を採取した。試験片を電解液中で電解し、残渣を抽出した。得られた抽出残渣について、B含有量を分析し、析出B量とした。
また、得られた熱延鋼板を用いて、外径26インチの電縫鋼管を作製した。これら電縫鋼管について、電縫溶接部の衝撃試験を実施し、電縫溶接部靭性を評価した。また、これら電縫鋼管について、HIC試験を実施し、耐HIC性を評価した。試験方法は実施例1と同様とした。
また、円周溶接部の靭性について実施例1と同様に調査した。
また、得られた熱延鋼板を用いて、再現熱サイクル試験により、シームアニール後の電縫溶接部近傍の硬さを測定した。測定方法は次のとおりとした。
(8)シームアニール後の硬さ分布測定試験
また、得られた熱延鋼板から熱サイクル試験片を採取し、熱サイクル試験片の長さ方向中央部に、図5に示すパターンの、電縫溶接とその後のシームアニール相当の熱サイクルを長さ方向に20mmに亘り付与し、シールアニール後の電縫溶接部相当とした。シームアニール温度:1180℃として、熱サイクルを付与した試験片について、板厚中央部からVノッチ試験片(3/4サイズ)を採取し、シャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−40℃における吸収エネルギーを測定し、シームアニール後の電縫溶接部の靭性を評価した。また、熱サイクル付与後の試験片について、電縫溶接部相当を挟み、試験片長手方向にビッカース硬度計(試験力:9.8N)を用いて、試験片長手方向に1mmピッチでビッカース硬さHV を測定した。得られた結果から、電縫溶接部相当部の平均硬さを求め、母材硬さとの差ΔHVを算出した。また、得られた結果から、付与したシームアニール温度範囲での電縫溶接部相当部の硬さ変動ΔHVを算出した。
得られた結果を表7に示す。
Figure 2007138290
Figure 2007138290
Figure 2007138290
C含有量が0.035%以下でかつ析出B量が0〜0.0010%となる本発明例(鋼板No.32〜No.36)はいずれも、組織が20〜80体積%のポリゴナルフェライトとベイニティックフェライトとからなる複合組織となり、強度、および母材靭性、電縫溶接部靭性、円周溶接部靭性に優れ、さらに電縫溶接部のシームアニールによる硬さ変動、靭性変動も少なく、また母材との硬度差も少ない。析出B量が0.0010%を超えて多くなると、電縫溶接部のシームアニールによる硬さ変動も大きく、また各シームアニール温度においても、電縫溶接部と母材との硬度差も大きくなる。
(Ti+Nb/2)/Cと母材靭性、溶接部靭性の関係を示すグラフである。 母材強度及び溶接部靭性に及ぼすSi量とMn量との関係を示すグラフである。 HIC試験のCLR、および板厚方向の硬度ばらつきΔHVに及ぼすSi量とMn量との関係を示すグラフである。 円周溶接を模擬した熱サイクルを示す説明図である。 電縫溶接とその後のシームアニールを模擬した熱サイクルを示す説明図である。

Claims (9)

  1. 質量%で、
    C:0.01〜0.05%、 Si:1.0%以下、
    Mn:0.3〜1.5%、 P:0.025%以下、
    S:0.001%以下、 Al:0.005〜0.10%、
    N:0.0050%以下、 B:0.0001〜0.0020%、
    Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.030〜0.10%、
    Ca:0.001〜0.005%、 O:0.003%以下
    を含み、かつ、Si、Mnが下記(1)式を、Ti、Nb、Cが下記(2)式を、Ca、O、Sが下記(3)式をそれぞれ満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成と、さらにベイニティックフェライトおよび/またはフェライトからなる金属組織とを有し、板厚18mm以上であることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板。

    0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
    0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
    1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
    ここで、Si、Mn、Ti、Nb、C、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%)
  2. 質量%で、
    C:0.01〜0.035%、 Si:1.0%以下、
    Mn:0.3〜1.5%、 P:0.025%以下、
    S:0.001%以下、 Al:0.005〜0.10%、
    N:0.0050%以下、 B:0.0001〜0.0020%、
    Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.030〜0.10%、
    Ca:0.001〜0.005%、 O:0.003%以下
    を含み、かつ、Si、Mnが下記(1)式を、Ti、Nb、Cが下記(2)式を、Ca、O、Sが下記(3)式をそれぞれ満足するように含有し、前記Bのうち析出Bが0〜0.0010%であり、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成と、さらに体積率で20〜80%のフェライトと残部がベイニティックフェライトからなる金属組織とを有し、板厚18mm以上であることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板。

    0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
    0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
    1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
    ここで、Si、Mn、Ti、Nb、C、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%)
  3. 前記鋼組成に加えてさらに、質量%で、V:0.01〜0.10%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の厚手高強度熱延鋼板。
  4. 前記金属組織が、前記ベイニティックフェライトおよび/またはフェライトに加えてさらに、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で5体積%以下含有する金属組織であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の厚手高強度熱延鋼板。
  5. 質量%で、
    C:0.01〜0.05%、 Si:1.0%以下、
    Mn:0.3〜1.5%、 P:0.025%以下、
    S:0.001%以下、 Al:0.005〜0.10%、
    N:0.0050%以下、 B:0.0001〜0.0020%、
    Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.030〜0.10%、
    Ca:0.001〜0.005%、 O:0.003%以下
    を含み、かつ、Si、Mnが下記(1)式を、Ti、Nb、Cが下記(2)式を、Ca、O、Sが下記(3)式をそれぞれ満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成をもつ鋼素材を、熱間圧延工程にて板厚18mm以上とする仕上圧延を行い、該仕上圧延後、巻き取るまでの冷却速度を1℃/s以上15℃/s以下とすることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板の製造方法。

    0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
    0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
    1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
    ここで、Si、Mn、Ti、Nb、C、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%)
  6. 前記仕上圧延後の巻き取りの温度を600℃以上800℃以下とすることを特徴とする請求項5に記載の厚手高強度熱延鋼板の製造方法。
  7. 質量%で、
    C:0.01〜0.035%、 Si:1.0%以下、
    Mn:0.3〜1.5%、 P:0.025%以下、
    S:0.001%以下、 Al:0.005〜0.10%、
    N:0.0050%以下、 B:0.0001〜0.0020%、
    Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.030〜0.10%、
    Ca:0.001〜0.005%、 O:0.003%以下
    を含み、かつ、Si、Mnが下記(1)式を、Ti、Nb、Cが下記(2)式を、Ca、O、Sが下記(3)式をそれぞれ満足するように含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼組成をもつ鋼素材を、熱間圧延工程にて板厚18mm以上とする仕上圧延を行い、該仕上圧延後、巻き取るまでの冷却速度を3℃/s以上15℃/s以下とし、600〜750℃で巻き取ることを特徴とする厚手高強度熱延鋼板の製造方法。

    0.8Si ≦ Mn ≦ Si+1.2 ……(1)
    0.5<(Ti+Nb/2)/C<4.0 ……(2)
    1.2≦{Ca−(130×Ca+0.18)×O}/(1.25×S)≦3.6 ……(3)
    ここで、Si、Mn、Ti、Nb、C、Ca、O、S:各元素の含有量(質量%)
  8. 前記鋼組成に加えてさらに、質量%で、V:0.01〜0.10%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%、Mo:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する鋼組成とすることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の厚手高強度熱延鋼板の製造方法。
  9. 請求項2ないし4のいずれかに記載の厚手高強度熱延鋼板を略円筒形状に造管してオープン管となし、該オープン管の端部同士を電縫溶接してなる電縫鋼管であって、シームアニール後に、前記電縫溶接部の硬さが、{(電縫溶接部の平均硬さ)−(母材硬さ)}で30HV以下であることを特徴とする高強度電縫鋼管。
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