JP4802450B2 - 耐hic性に優れた厚手熱延鋼板とその製造方法 - Google Patents

耐hic性に優れた厚手熱延鋼板とその製造方法 Download PDF

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本発明は、耐HIC性に優れた厚手熱延鋼板とその製造方法に関し、特に硫化水素を含む湿潤環境(サワー環境と呼ぶ)および低温環境での天然ガス・石油輸送パイプラインなどの電縫溶管に適した強度クレードAPI 5L X65以上の耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板とその製造方法に関するものである。
HICの発生は、サワー環境において鋼材表面の電気化学的な化学反応により、鋼材内部へ水素が拡散し、介在物とマトリックスとの異相界面に水素集積が起こり、水素濃度が高くなるとガス化し、そのガス圧力により割れが発生する。この割れが伝播・拡大することにより水素誘起割れとなる。
従来、割れ防止対策として以下の手段が用いられている。
1)鋼材表面の電気化学的な化学反応を抑制させる目的でCu、Ni、Crを添加し、腐食あるいは水素の内方拡散を抑制する方法(例えば特許文献1)。
2)非金属介在物を球状に形態制御し粗大なMnSの形成を抑制するため、Ca、REMなどを添加する方法(例えば特許文献2)。
3)凝固過程に生じる中心偏析部による硬化組織を低減させるために、Mn、Pなどの含有量を低減させる方法(例えば特許文献3)、あるいは、MnおよびNbの偏析度を制限する方法(例えば特許文献4)。
4)圧延後、再加熱を行い、焼入れ・焼戻しまたは焼きならしを行い、中心偏析部のミクロ組織を改善する方法(特許文献5、6)。
5)S量含有量を低下させ、CaまたはREMなどの添加により硫化物のサイズおよび個数を制限する方法(特許文献7)。
6)低C鋼へ硼素を添加し、粒内の固溶C量が4ppm以下となるフェライト(ベイニティックフェライトを含む)単相組織とすることで、割れの伝播・拡大を抑制する方法(特許文献8)。
特開昭50−97515号公報 特開昭54−38214号公報 特開昭52−111815号公報 特開平14−363689号公報 特公昭58−18967号公報 特開平5−255745号公報 特開昭58−221261号公報 特開平8−319538号公報
しかし、これらの従来技術では以下の問題がある。
1)については、Cu、Ni等の添加による水素の内方拡散を抑制する効果はライトサワー(pH〜5)環境においては効果があるが、ヘビーサワー環境(低pH〜3)では十分な効果がない。2)については、MnS粗大析出物を抑制する方法であり割れ起点を低減させる効果はあるが、割れ伝播・拡大を抑制する方法ではなく特に厚肉材では効果が不十分である。
3)については、スラブ連続鋳造の制御によりMnとNb偏析度を低減することで硬質相が原因となる割れ伝播・拡大を抑制する方法であるが、Mn偏析は大きなMnS粗大析出物によるもので、Nb偏析はスラブ加熱処理時のNb炭窒化物の溶体化が不十分なことに起因する。Mn偏析は2)と同様であり、Nb偏析低減のためのスラブ加熱処理での溶体化は通常、行われる必須条件である。HIC性を損なう原因となる合金元素偏析現象は、オーステナイト/フェライト変態での合金元素分配挙動に大きな影響を受けるため、この方法だけでは十分な効果が得られない。後述するように本発明では、オーステナイト/フェライト変態での合金元素分配挙動に着眼している。
4)については、熱延鋼板をさらに焼入れ後焼戻しまたは焼戻し処理を行う方法であり、耐HIC性の改善効果はあるものの工業生産へ適用すると多大なコストアップとなる。5)については、S含有量を低下させ、CaまたはREMなどの添加により硫化物のサイズおよび個数を制限する方法であるが、表面近傍の介在物を工業生産規模で抑制する操業技術が伴っておらず課題が多い。
6)については、電縫鋼管製造時のシームアニール時の入熱量は厚肉材では大きくなるため、高濃度のNbおよび高濃度のB添加を行う6)では、シーム部の硬度が高くなるため耐HIC性が損なわれる問題や、電縫溶接のアプセットにより形成される余肉を除去することが電縫鋼管では必須な工程であるが、これも高Nbおよび高Bのために余肉が著しく硬化し、余肉除去処理に工業的な課題を抱えている。
本発明は、このような背景に鑑み、ヘビーサワー環境においても優れた耐HIC性を有し、かつ高強度と低温靭性をともに具備した、耐HIC性に優れた厚手熱延鋼板とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し、以下の知見を得た。
耐HIC性を向上させるためには、(1)鋼材表面の電気化学的反応による水素の内方拡散の抑制、(2)拡散した水素の集積箇所となり割れの起点となる介在物の抑制、(3)割れの伝播・拡大の原因となる硬化組織の発生抑制が重要であり、電縫鋼管製造プロセスでは、絞り加工により成形が行われ、かつサイジングにより真円度を出すため、UOE鋼管よりも大きな歪(6%以上の造管歪であり、板厚が厚いほど大きくなる。)を受けるため、介在物周辺への造管歪集積、ひいては硬化組織へも造管歪集積が起こり、硬化組織も割れ起点発生となる場合があり、硬化組織形成の低減が極めて重要である。また、硬化組織の形成は、スラブ鋳造時の凝固偏析に起因することがあるが、むしろ熱延鋼板製造時のオーステナイト/フェライト変態での合金元素分配挙動の影響を強く受けるという知見を得た。
特に、板厚19mm以上の厚手熱延鋼板では、仕上圧延後に強冷却を実施しても、表層と中心層の温度差が大きくなるだけで板厚中央部での冷却速度を増加させることは工業生産上困難を伴う(薄手熱延鋼板ではかかる困難はない。)。従って、仕上圧延後の冷却過程において進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配に伴うオーステナイトへの合金元素濃化が進行し、組織の硬質化が進行することがHIC特性へ影響を及ぼすことになる。このことを新たに発見した。
合金元素の分配現象は、添加された合金元素により挙動が異なり、オーステナイトへ凝縮する元素や初析フェライトへ濃縮する元素があり、各合金元素の分配挙動を考慮する必要がある。さらには合金元素により組織硬化能(組織の強化量)が異なることから、各合金元素の分配挙動と組織硬化能を抑制することにより硬化組織の強度や硬化組織の体積率を制限することにより割れ伝播・拡大または割れ起点の発生を抑制できる。
このことにより、板厚が19mm以上と厚く造管歪が大きい電縫鋼管の耐HIC特性を優れたものとなしうる造管用素材としての熱延鋼板を安定的に製造できる。
本発明は、上述の知見を基になされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(発明項1) 質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.020%以下、S:0.0010%以下、Al:0.010〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.001〜0.025%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下、N:0.005%以下を含み、かつ
V:0.01〜0.10%、Cr:0.01%以上0.3%未満、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜0.5%のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下記式(1)で示されるPzが0.02〜0.08であり、かつ下記式(2)で示されるPyが1.2〜3.6であり、かつ下記式(3)で定義されるNb析出率が30〜70%であり、かつ鋼組織におけるパーライトの体積率が3%以下、残部がフェライトからなることを特徴とする耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板。

Pz=(Mn+0.08Cr+0.37Mo+0.58Ni+0.37Cu+0.17Si+0.17V)×C ・・・(1)
Py={Ca−(130Ca+0.18)×O}/(1.25×S)
・・・(2)
Nb析出率=鋼板中の析出Nb量(質量%)/鋼板中の全Nb量(質量%)×100(%)
・・・(3)
式(1)、式(2)の右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。
(発明項2) 前記鋼組織が、パーライト、ベイナイトおよびマルテンサイトの体積率の合計が3%以下、残部がフェライトからなることを特徴とする発明項1記載の耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板。
(発明項3) 質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.020%以下、S:0.0010%以下、Al:0.010〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.001〜0.025%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下、N:0.005%以下を含み、かつ
V:0.01〜0.10%、Cr:0.01%以上0.3%未満、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜0.5%のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、
さらに、下記式(1)で示されるPzが0.02〜0.08であり、かつ下記式(2)で示されるPyが1.2〜3.6であり、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを1050〜1300℃の温度範囲に加熱し、1000℃以下の累積圧下量60%以上で熱間圧延後、Ar点以上の温度域から冷却速度5〜20℃/sで冷却し、450〜650℃で巻き取ることを特徴とする耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板の製造方法。

Pz=(Mn+0.08Cr+0.37Mo+0.58Ni+0.37Cu+0.17Si+0.17V)×C ・・・(1)
Py={Ca−(130Ca+0.18)×O}/(1.25×S) ・・・(2)
式(1)、式(2)の右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。
本発明によれば、板厚が19mm以上と厚く造管歪が大きい電縫鋼管の耐HIC特性を優れたものとなしうる造管用素材としての熱延鋼板を安定的に製造できるという優れた効果を奏する。
まず、本発明における熱延鋼板の化学組成限定理由について述べる。成分含有量の単位記号の%は質量%を意味する。
C:0.02〜0.06%
Cは、硬化組織の硬度へ影響を及ぼし、かつ電縫鋼管の強度、シーム靭性およびパイプライン施工時の円周溶接部靭性に影響を及ぼす元素である。また、熱間仕上圧延後の冷却制御によりフェライト変態核の発生頻度を高め微細なフェライト粒を形成させ、靭性を向上させる働きを有する。
含有量が0.02%未満では、炭化物形成が不足し強度を得るためには不十分であり、またフェライト粒の粗大化に伴い靭性が低下する。一方、0.06%を超えて含有させると、仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配に伴う合金元素リッチなオーステナイトのC含有量が増加し、著しく組織が硬化するため、耐HIC特性が低下する。従って、C:0.02〜0.06%とする。好ましくは0.03〜0.05%である。
Si:0.05〜0.50%
Siは、フェライト相中のC活量を増加させフェライト相生成を促す働きがあり、また固溶強化による強度増加に寄与する。また、電縫溶接時、接合界面にMnSiOなどの低融点酸化物を形成させてアプセット時に酸化物が排出されやすくする働きも有する。しかしながら、0.50%を超える添加では、MnSiO以外に高融点のSiO酸化物形成量が多くなり電縫溶接部の靭性低下を引き起こすだけでなく、仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配に伴う合金元素リッチなオーステナイトへの炭素拡散を助長するため、硬化組織が形成されやすい。従って、0.50%以下を添加する。下限については、製鋼上のコストの問題から0.05%以上とした。好ましくは、0.10〜0.50%である。なお、製鋼上のコストの問題がなければ0.05%未満でも良い。
Mn:0.5〜1.5%
Mnは、仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、オーステナイトへの分配が顕著な元素であるとともに硬化組織を形成させる働きを有する。また、オーステナイト/フェライト変態開始温度に大きな影響を与え、変態開始温度を低下させる働きがあり、パイプボディおよび溶接部の靭性に影響を及ぼす。
含有量が0.5%未満では、変態点低下の効果が不十分となり粗大なフェライトが形成し靭性が低下する。一方、1.5%を超えた含有ではオーステナイトへの分配が顕著となり硬化組織を形成させて耐HIC性が低下する。従って、0.5〜1.5%添加する。好ましくは0.8〜1.3%である。
P:0.020%以下
Pは、固溶強化元素として有効であるが、オーステナイト/フェライト変態開始温度を大幅に上昇させる働きがあり粗大なフェライト粒を形成しやすくすること、偏析により硬化組織が形成されて耐HIC性が低下することから含有量の上限を0.020%とした。好ましくは0.010%以下の含有が良く、製鋼コストの大幅な増加がなければもっと低くても良い。
S:0.0010%以下
Sは、粗大な介在物を形成しやすい元素であり、靭性低下やクラック進展を助長することから、できるだけ低いことが望ましい。従って、0.0010%以下とした。好ましくは0.0005%以下である。
Ti:0.001〜0.025%
Tiは、窒化物形成能が強い元素であり、スラブ凝固過程でのN固着に有効な元素である。また、炭化物形成に伴い強度増加に寄与する。これらの効果は0.001%以上で発現する。しかしながら、Tiはオーステナイト/フェライト変態開始温度を著しく上昇させるため、フェライト粒の粗大化を招きやすい。よってTi:0.001〜0.025%とした。好ましくは0.005〜0.020%である。
Nb:0.01〜0.10%
Nbは、微細なフェライト粒(低温変態フェライト:ベイニティックフェライトを含む)を制御圧延により得るために有効な添加元素であり、仕上げ熱間圧延過程でのオーステナイト再結晶を遅延させる働きを有する。また、炭化物を形成することにより強度増加に寄与する。含有量が0.01%未満ではこの効果を発揮できない。一方、0.10%を超える含有量では、焼入れ性が著しく上昇しシーム靭性が低下する。従って、0.01〜0.10%の添加量とした。好ましくは0.03〜0.09%である。
本発明鋼板では、鋼を高強度化する手段として、巻取り処理過程に進行するNb炭窒化物析出による析出強化も併用る。鋼板により高い強度を付与するためには、Nb炭窒化物を多量に析出させることが有利である。ただし、このようなNb炭窒化物の多量の析出は鋼の靭性を低下させるため、Nb析出率(=鋼板中の析出Nb量(質量%)/鋼板中の全Nb量(質量%)×100(%))を70%以下とする。ただし、鋼板に十分な強度を付与するために、当該Nb析出率30%以上とする。なお、より好ましい範囲は40〜60%である。
Ca:0.001〜0.005%
Caは、硫化物の形態制御のために添加する。鋼中のS量に対して過度に添加するとCaOクラスターおよび単体のCaSが発生し、不足する場合はMnSが発生し靭性低下を招く。従って、0.001〜0.005%を添加する。また、S量が多いとCaSクラスターが発生するため、同時にS量も制御することが好ましい。すなわち、鋼中のS量およびO量に応じて、次式(2)で定義されるPyの値が1.2〜3.6となる範囲にCa量を制御することにより介在物による耐HIC性の低下を防止する。
Py={Ca−(130Ca+0.18)×O}/(1.25×S)・・・(2)
ここで、式(2)の右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。なお、より望ましいPyの値の範囲は、1.4〜3.4である。
Al:0.010〜0.10%
Alは、製鋼時の脱酸目的で添加される。0.10%を超える過度な添加は電縫溶接部にアルミナまたはアルミナ酸化物を含む複合酸化物の形成が助長され、電縫溶接部の靭性を損なう。従って、0.010%〜0.10%とする。好ましくは0.015〜0.05%である。
N:0.005%以下
Nは固溶状態では時効劣化を引き起こす原因となるため、Ti、Alなどの窒化物として固定される。しかしながら、N量が多いとTi、Alなどの添加量を増加せねばならなくなるため、0.005%以下とする。好ましくは0.004%以下である。
O:0.003%以下
Oは、酸化物系介在物として鋼中に残存し、過度に多くなると低温靭性低下やCTOD(Crack tip opening displacement)特性の低下を招くだけではなく、耐HIC性を低下させる。従って、O:0.003%以下とする。好ましくは0.002%以下であり、製鋼上のコストアップの問題がなければもっと低くてもよい。
上記各元素に加え、V:0.01〜0.10%、Cr:0.01%以上0.3%未満、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜0.5%のうちから選んだ1種または2種以上を含有するものとする。
V:0.01〜0.10%
Vは、Ti、Nbと同様に微量添加により析出物を形成し強度増加に寄与するが、V炭化物のフェライトへの溶解度が大きいので、固溶強化能も有する。仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、フェライトへの分配が顕著な元素であり、硬化組織を形成させることなく高強度化に寄与する。これらの硬化は0.01%以上で顕著になるが、0.10%を超える過剰な添加は合金コストの上昇や効果が飽和する。さらに円周溶接部の靭性低下へ繋がるため、0.01〜0.10%とした。好ましくは0.02〜0.09%の範囲である。
Cr:0.010%以上0.3%未満
Crは、Mnと同様な効果を有し、仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、オーステナイトへの分配する元素であるとともに硬化組織を形成させる働きを有し、さらにオーステナイト/フェライト変態開始温度を下げる効果を有する。これらの効果は、0.010%以上で発現する。しかしながら、Mnよりも酸素との親和力が強いため、0.3%以上の過度に添加すると電縫溶接部に酸化物が残存しやすくなる。よって、0.010%以上0.3%未満とした。好ましくは0.05%以上0.3%未満である。
Cu:0.01〜0.5%および/またはNi:0.01〜0.5%
CuおよびNiは、それぞれ単独で、好ましくは複合して、添加することにより、フェライト相に固溶し固溶強化することから強度増加に寄与する。また、熱間圧延後の冷却過程におけるフェライト変態に競合するパーライト変態の開始を遅延化する働きがあり、バンド状パーライトの生成を抑制するので靭性向上に寄与する。しかしながら、仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、オーステナイトへの分配する元素であるため、硬化組織を形成する働きがある。バンド状パーライトの生成を抑制する効果は0.01%以上で発揮される。しかしながら、0.5%を超える過剰な添加は合金コストの上昇を招くだけではなく、硬質組織の形成が助長されて耐HIC性が低下する。従って、Cu、Niともに0.01〜0.5%とする。好ましくは0.1〜0.4%である。
Mo:0.01〜0.5%
Moは、CuやNiと同様にフェライト相に固溶し固溶強化することから強度増加に寄与する。また、熱間圧延後の冷却過程におけるフェライト変態に競合するパーライト変態の開始を遅延化しうる働きがあり、バンド状パーライトの生成を抑制するので靭性向上に寄与する。また、円周溶接部のHAZ(熱影響部)での結晶粒粗大化を防止する働きもある。また、Moは仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配において、分配が顕著に起こらない元素であり、硬化組織の形成を助長しない。しかしながら、0.5%を超える過剰な添加は合金コストの上昇を招き、逆に溶接部の靭性を低下させる。従って、0.01〜0.5%とする。好ましくは0.1〜0.4%である。
次に、各合金元素の仕上圧延後の冷却過程に進行する初析フェライトと未変態オーステナイト間での合金元素分配と各合金元素による硬化量から各合金元素に重み付けを行った結果、硬化組織の初析フェライトに対する硬度上昇量は以下に近似される。また、合金元素分配現象に伴う硬質組織形成は、UOE鋼管素材である厚板製造プロセスでは、仕上圧延後の冷却工程では所望の冷却停止温度(350〜550℃が一般的)後、板形状のまま放冷されるが、熱延鋼板ではコイル状に巻取り処理を行うため高温での滞留時間が厚板に比較して非常に長時間となる。それ故、合金元素分配が進行しやすく、硬質組織が形成されやすい。また、巻取り中にも変態が進行する場合があるため、巻取り前の鋼板表面温度よりも巻取り後の材料温度が高くなることもある。
硬化組織の硬度上昇量(ビッカース硬度)PzHは、次式(3)で近似される。
PzH=100Mn+8Cr+37Mo+58Ni+37Cu+17Si+17V ・・・(3)
これをMnで規格化し、合金元素の分配による硬質組織の硬度上昇量は以下に整理される。
PzS=Mn+0.08Cr+0.37Mo+0.58Ni+0.37Cu+0.17Si+0.17V ・・・(4)
ここで、Nbは析出強化に寄与するため合金元素分配による強化から除外、Tiは主にNの固定に消費されるため除外、Pはできるだけ低減することが望ましく、積極的に添加しないので除外した。
一方、合金元素が分配されたオーステナイトから変態生成するフェライトまたはパーライトの硬度に、炭素は大きな影響を及ぼすことから、次式(1)により成分規制を行うことにより初析フェライトと硬質組織との硬度差を小さくすることにより、板厚19mm以上の耐HIC性に優れた電縫溶接鋼管用の熱延鋼板となる。
Pz=(Mn+0.08Cr+0.37Mo+0.58Ni+0.37Cu+0.17Si+0.17V)×C ・・・(1)
上記式(1)のPzが0.02以上0.08以下となるように制御する。Pzが0.08を超えると耐HIC性が低下する。C濃度が0.02%未満の場合で、Pzが0.02未満となる場合は所望の強度が得られない場合と耐HIC特性が低下する場合がある。なお、式(1)では、右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。
UOE鋼管素材を得る厚板製造工程と電縫溶接鋼管素材を得る熱延鋼板製造工程を比較した場合、熱延鋼板製造工程ではコイル状に巻取り処理を行なうため、高温での滞留時間が著しく長時間となる。この巻取り処理中に未変態オーステナイトからのフェライト変態によるフェライト形成に並行して、変態したフェライトからオーステナイトへの合金元素分配が進行する。また、フェライト変態に伴い固溶限以上の余剰CはNb、Vなどの炭化物形成(析出物)に消費される一方、オーステナイトへ濃縮する。また、C以外の合金元素はフェライト、オーステナイトへ分配される。このとき、オーステナイトの合金元素濃化が高くなるとパーライト変態が進行する。巻取り温度が低い場合は、パーライト変態以外にベイナイト変態やマルテンサイト変態が進行する。このような合金元素分配現象に伴い、第2相が形成する。
電縫鋼管の場合、この第2相は耐HIC性に多大な影響をもつ。板厚を鋼管径で割ったt/Dが同一条件で電縫鋼管の造管歪とUOE鋼管のそれを比較すると、電縫鋼管の造管歪はUOE鋼管の造管歪の2倍以上となる。このため、電縫鋼管の場合は、UOE鋼管では問題とならないような第2相分率でも耐HIC性が大きく低下する。
電縫鋼管の場合は、耐HIC性を阻害しない第2相分率は3%以下であることを見出した。第2相としては、パーライト相、ベイナイト相、マルテンサイト相が挙げられる。なかでもパーライト相が最も形成しやすい。
次に、熱延鋼板の製造方法を述べる。
スラブ加熱温度:1050〜1300℃の温度範囲
スラブ加熱では、スラブ凝固過程で生成するTi、Nb、Vの析出物を溶体化することが重要であり、少なくとも1050℃以上の加熱温度が必要である。一方、1300℃を超える加熱温度ではオーステナイト粒の粗大化が顕著になり、熱延鋼板のフェライト粒も粗大化するため低温靭性の低下が起こる。従って、1050〜1300℃とする。好ましくは1100〜1250℃である。
熱間圧延での圧下量(=圧下率):1000℃以下の累積圧下量を60%以上
1000℃以下の累積圧下量を60%以上とすることにより、オーステナイト粒の整粒化と引き続くオーステナイト未再結晶域でのオーステナイト粒界への歪蓄積やアスペクト比の増大が十分に行われ、組織の微細化が進行し、靭性が改善する。1000℃以下での累積圧下量が60%未満では、オーステナイト粒の整粒化とオーステナイト未再結晶域でのオーステナイト粒径への歪蓄積が不十分となり、その後のフェライト変態により生成するフェライト粒の粗大化や混粒化が起こり、靭性低下を招く。
冷却速度:Ar点以上の温度域から板厚中心部での冷却速度5℃/s以上、20℃/s以下で冷却
熱間圧延後、Ar点以上の温度域から冷却を開始し、フェライト変態の過冷度を大きくすることにより組織の微細化を図る。Ar点未満の温度より冷却を開始すると十分な効果が得られない。冷却速度5℃/s以上で冷却(好ましくは水冷)することにより粗大なポリゴナルフェライトの生成を抑える。一方、冷却速度が20℃/s超えでは、冷却過程での表面と板厚中心部の温度差が大きくなり、特に表面側にて低温変態相が生成するため、20℃/sを上限とした。板厚中央部の冷却速度は、水冷時の熱伝達係数、フェライト変態潜熱、温度・時間を考慮したフェライト変態率を用いることから求められた計算上の冷却速度である。
予測されるAr点は、次式(5)から算出される値を用いる。
Ar=880−40C+25Si−70Mn−35Ni−20Cu−25Cr+30Mo+300Ti ・・・(5)
ここで、右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。
冷却後の熱履歴:450〜650℃で巻取り、その後放冷
450℃未満での巻取り処理を行うと、合金元素が濃化したオーステナイトから形成する硬化組織としてベイナイト相またはマルテンサイト相、またはこれらが混在した相が体積率で3%以上形成し、耐HIC性が低下する。一方、650℃を超える巻取り温度ではパーライト体積率が3%を超えるため、耐HIC性が低下する。
(実施例1)
鋼組織中のパーライトおよびベイナイトの体積率は、鋼板の断面組織写真におけるパーライトおよびベイナイト占有面積率を画像処理により求め、これをもって同相の占有体積率とした。なお、この組織写真は、鋼板の幅の縁から板幅の1/4位置の圧延方向断面において、鋼板の表面から板厚1/4の深さの位置にて撮影した。
鋼板中のNb析出率は、溶解残渣分析により鋼板中の析出Nb量(質量%)を測定し、この値を鋼板中の全Nb量(質量%)に対する百分率に換算して算出した。なお、溶解残渣分析では、鋼板をマレイン酸系電解液(10%マレイン酸−2%アセチルアセトン−5%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノール)中で低電流電解(約20mA/cm)し、溶解残渣をメンブランフィルター(孔径:0.2μmφ)で捕集し、次いで捕集した残渣を灰化した後、ホウ酸リチウムと過酸化ナトリウムの混合融剤を用いて融解し、この融成物を塩酸で溶解して水で希釈した後、ICP発光分析法により析出量を定量化した。
鋼板の強度は、ASTM規格E8の規定に準拠して引張試験により調査した。試験方向が圧延方向に直角となるように採取した標点間距離2インチ、平行部板幅1/2インチの板状試験片を用いて、室温における引張強度(TS)を測定した。
鋼板の靭性は、ASTM規格E1290の規定に準拠してCTOD試験により調査した。試験片の長手方向が鋼板の圧延方向に直角となるように、鋼板および溶接継手から母材部および溶接部の試験片を採取し、−10℃において試験に供した。試験荷重は三点曲げ方式で負荷し、各試験片に設けた図4に示す形状の切欠に変位計を取り付けてCTOD値を測定した。このCTOD値が0.25mm以上である場合には、鋼板の靭性が良好であると判断できる。
鋼板の耐HIC性は、NACE規格TM0284の規定に準拠して評価した。試験片の長手方向が鋼板の圧延方向に平行となるように、鋼板および溶接継手から母材部および溶接部の試験片を採取し、前記規格に規定のA溶液中に浸漬した後、CSR値を測定した。なお、溶接部の試験片は、溶接線が圧延方向に平行になるように鋼板を電縫溶接した継手から、溶接線が試験片の中央になるように採取した。CSR値が0%となっている鋼板は、HICの発生が認められず、耐HIC性が良好であることを意味する。
表1に示す化学成分組成になる鋼スラブを1200℃にてスラブ加熱ののち、1000℃以下での累積圧下率量を65%とし、かつ仕上圧延温度を各鋼スラブのAr点以上として熱間圧延し、引続き、各鋼スラブのAr点以上の温度域から14℃/sの冷却速度で冷却して550℃で巻き取った鋼板について、圧延方向に対して90度方向の熱延鋼板YS、TS、および析出Nb量、パイプの(外径20インチ)パイプ周方向のYS、TS、およびHIC、CTOD特性を調査した結果を表2に示す。
Figure 0004802450
Figure 0004802450
図1はPzとPyの対応を示すもので、0.02≦Pz≦0.08かつ1.2≦Py≦3.6の領域(本発明範囲1)に囲まれる発明例(試験No.1〜9)は、表2に示すように、X65級以上の強度(YS≧448MPa)を有し、HIC特性CSR=0%で割れ無し、および靭性CTOD≧0.25mmと優れた特性を示す。比較例(試験No.10〜21)は、強度、HIC特性、靭性のいずれかが悪化している。
(実施例2)
表1に示した鋼No.A〜Iの鋼スラブを素材に用いて表3に示す熱延条件で製造した熱延鋼板の機械的特性およびパイプの機械的特性、NACE液によるHIC特性:CSR試験値を同表3に示す。
Figure 0004802450
発明例は、パーライト相、ベイナイト相およびマルテンサイト相の合計の体積率が3%以下、かつNb析出率が30〜70%の範囲内にあり、パイプ(外径24インチ)のHIC特性:CSR値は0%、CとD値は0.25mm以上の値を示し、強度YS≧448MPaを同時に満足している。図2は、パーライト相、ベイナイト相およびマルテンサイト相の合計の体積率との関係を示すもので、該体積率が3%以下であればHIC特性が良好であることがわかる。図3は巻取り温度CTとNb析出率の関係を示すもので、Nb析出率を30〜70%の範囲内とするには巻取り温度CTを450〜650℃にする必要があることがわかる。
本発明の鋼板は、厚肉電縫鋼管の製造に利用することができる。本発明の方法は、熱間圧延ミルに適用することが最も好ましいが、厚板ミルにも適用できる。この方法で、製造された厚手熱延鋼板を用いることにより耐HIC性に優れた厚肉電縫鋼管を製造できる。なお、厚板ミルへの適用にあたっては、450〜650℃で巻き取る代わりに、圧延後の強制冷却を450〜650℃で停止して、保温、徐冷あるいは加熱等の手段により、巻取り後の鋼帯コイルの熱履歴と同等な熱履歴を厚鋼板に付与すればよい。
(Pz,Py)平面内での発明例および比較例の位置を示す分布図である。 パーライト相、ベイナイト相およびマルテンサイト相の合計の体積率とCSR値との関係を示すグラフである。 巻取り温度CTとNb析出率の関係を示すグラフである。 CTOD試験の切欠形状を示す図である。
符号の説明
1 本発明範囲

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.020%以下、S:0.0010%以下、Al:0.010〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.001〜0.025%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下、N:0.005%以下を含み、かつ
    V:0.01〜0.10%、Cr:0.01%以上0.3%未満、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜0.5%のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、下記式(1)で示されるPzが0.02〜0.08であり、かつ下記式(2)で示されるPyが1.2〜3.6であり、かつ下記式(3)で定義されるNb析出率が30〜70%であり、かつ鋼組織におけるパーライトの体積率が3%以下、残部がフェライトからなることを特徴とする耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板。

    Pz=(Mn+0.08Cr+0.37Mo+0.58Ni+0.37Cu+0.17Si+0.17V)×C ・・・(1)
    Py={Ca−(130Ca+0.18)×O}/(1.25×S)
    ・・・(2)
    Nb析出率=鋼板中の析出Nb量(質量%)/鋼板中の全Nb量(質量%)×100(%)
    ・・・(3)
    式(1)、式(2)の右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。
  2. 前記鋼組織が、パーライト、ベイナイトおよびマルテンサイトの体積率の合計が3%以下、残部がフェライトからなることを特徴とする請求項1記載の耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板。
  3. 質量%で、C:0.02〜0.06%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜1.5%、P:0.020%以下、S:0.0010%以下、Al:0.010〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.001〜0.025%、Ca:0.001〜0.005%、O:0.003%以下、N:0.005%以下を含み、かつ
    V:0.01〜0.10%、Cr:0.01%以上0.3%未満、Cu:0.01〜0.5%、Ni:0.01〜0.5%、Mo:0.01〜0.5%のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、
    さらに、下記式(1)で示されるPzが0.02〜0.08であり、かつ下記式(2)で示されるPyが1.2〜3.6であり、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを1050〜1300℃の温度範囲に加熱し、1000℃以下の累積圧下量60%以上で熱間圧延後、Ar点以上の温度域から冷却速度5〜20℃/sで冷却し、450〜650℃で巻き取ることを特徴とする耐HIC性に優れた板厚19mm以上の厚手熱延鋼板の製造方法。

    Pz=(Mn+0.08Cr+0.37Mo+0.58Ni+0.37Cu+0.17Si+0.17V)×C ・・・(1)
    Py={Ca−(130Ca+0.18)×O}/(1.25×S)
    ・・・(2)
    式(1)、式(2)の右辺の元素記号は同号元素の含有量(質量%)を表す。
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