JP2007121556A - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】像振れ補正装置により光軸と垂直な2方向に移動可能なレンズ群を含む撮像光学系において、シャッタ羽根等をレンズ群の被写体よりも遠い側に配置する。また、像振れ補正装置の2つのアクチュエータと、シャッタアクチュエータおよびNDフィルタアクチュエータとを光軸を中心にして対向する位置に配置する。
【選択図】図13
Description
(1)磁石を用いた像振れ補正装置をレンズ鏡筒に搭載する場合、その磁石から漏れる磁束がシャッタアクチュエータをはじめとする電磁式アクチュエータや周辺の磁気センサなどに影響を及ぼし、周辺の駆動装置が正常に動作しなくなるという不具合が発生しやすい。
この構成により、例えば、移動レンズ群の光軸方向前後に少なくとも1つ以上のレンズ群が配置される場合には、光量調節手段がアクチュエータおよび移動レンズ群に対して光の入射側に配置される場合に比べて、移動レンズ群を光軸方向入射側のレンズ群により近接させることが可能となる。これにより、光学全長を短くすることが可能であり、より高いズーム比を確保することが可能なレンズ鏡筒を提供することができる。
図1〜8は、本発明の実施の形態1に係るレンズ鏡筒の構造、特に、レンズ鏡筒が備える像振れ補正装置およびシャッタ装置、およびそれらを保持するレンズ枠の概略構成を示す図である。以下、レンズ枠に対する像振れ補正装置およびシャッタ装置の組み付け手順について説明するとともに、それらの構造を示す。
図4は、図3(c)に示す本発明のヨー枠5とコイル基板8との組み立て状態を示している。2つのコイル9a,9bが形成されたコイル基板8は、ヨー枠5のピッチ枠6側に配置されている。ヨー枠5とコイル基板8とが組み立てられた状態では、ヨー枠5においてピッチ枠6側に突出して形成されるポール固定部5dは、コイル基板8を超えてピッチ枠6側に突出している。この時、コイル基板8においてコイル9aが形成される第1部分8aと、コイル9bが形成される第2部分8bとを連結する連結部8cは、ポール固定部5dの一方51dに対して、光軸の放射方向外側に配置されている。
次に、図6に示すように、永久磁石1a,1bと光軸方向に略重なり、かつコイル基板8と所定の光軸方向隙間を有する位置にバックヨーク14を配置する。
そして、図7に示すように、羽根格納部12eがピッチ枠6と所定の光軸方向隙間を有するようにネジ13によりネジ穴部12cと雌ネジ部3fとを固定し、シャッタユニット12をレンズ枠3に固定する。なお、12a,12bは、それぞれシャッタ駆動アクチュエータ、NDフィルタ駆動アクチュエータが格納されている部位である。12eは、不図示のシャッタ羽根およびNDフィルタ羽根が格納されている羽根格納部である。各羽根はシャッタ駆動アクチュエータ12a、NDフィルタ駆動アクチュエータ12bにより開口部12dを開閉するように駆動され、開口部12dを通過する光量を調節する。
図8は、永久磁石1a、磁石ヨーク2a、コイル9a、バックヨーク14の模式図、およびこれらにより構成されるリニアアクチュエータ40aの磁束の流れQ、コイルの電流の流れRを示している。コイル9aに対して、図示のR方向に電流を流すと、フレミングの法則に従って、永久磁石1aとコイル9aとの間に電磁的な力が発生する。永久磁石1aはレンズ枠3に固定されているため、コイル9aは矢印Fの方向に力を受け、ピッチ枠6と一体的にガイドポール7に沿って駆動される。同様の原理で、永久磁石1b、磁石ヨーク2b、コイル9b、バックヨーク14により構成されるリニアアクチュエータ40bによって、ピッチ枠6は、ヨー枠5と一体的に、ガイドポール4に沿って駆動される。以上より、ピッチ枠6に保持されたレンズ群50は光軸Pと垂直な2方向に駆動される。
図8に示すように、永久磁石1a,1bから放出される磁束は、磁石ヨーク2a,2bおよびバックヨーク14の中を通過し、再び永久磁石1a,1bに流入する。しかし、永久磁石1a,1bが放出する磁束がある程度以上多い場合、あるいは、形状や寸法の制約等の要因から、磁石ヨーク2a,2bおよびバックヨーク14の厚みを充分に確保していない場合、磁石ヨーク2a,2bおよびバックヨーク14の永久磁石1a,1bとは反対側の大気中に磁束が漏れるという状況が発生する。
なお、本実施の形態において、レンズ群50は、複数のレンズ(例えば3枚のレンズ)から構成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも1枚以上のレンズを備えていればよい。
(実施の形態2)
図11〜13は、本発明の実施の形態2に係るレンズ鏡筒の概略構成を示す図である。本実施の形態に係るレンズ鏡筒は、実施の形態1とほぼ等しい構成を持つが、リニアアクチュエータ40a,40bとシャッタ駆動アクチュエータ12a、NDフィルタ駆動アクチュエータ12bとが光軸P方向に部分的あるいは全体的に重なる位置に配置される点に特徴を有する。また、レンズ枠3が保持するレンズ群を撮像光学系の第2群に含み、レンズ枠3が保持するレンズ群以外の複数のレンズ群を備えている点に特徴を有する。そこで本実施の形態では、実施の形態1と異なる点についてのみ説明し、重複する部分についてはその詳細な説明を省略する。
しかしながら、図11(a)に示す従来の像振れ補正装置を備えたレンズ鏡筒では、光軸方向から見て第2レンズ群50’よりも被写体側にシャッタユニット12’が配置されており、第1レンズ群20’と第2レンズ群50’との間に羽根格納部12e’が配置されている。この結果、第1レンズ群20’と第2レンズ群50’との距離L’をある値以上小さくすることができず、大きいズーム比を確保することができない。
以下に、羽根格納部12eを第2レンズ群50と第3レンズ群30との間に配置する方法を説明する。
しかしながら、図11(b)に示すように羽根格納部12eを第2レンズ群50と第3レンズ群30との間に配置する場合、従来の位置にシャッタ駆動アクチュエータ12aやNDフィルタ駆動アクチュエータ12bを配置すると、お互いの間に像振れ補正装置が配置されるため連結が困難である。また、シャッタ駆動アクチュエータ12aやNDフィルタ駆動アクチュエータ12bを第3レンズ群30の外周に配置する場合には、一般に第3レンズ群30は、第1レンズ群20よりもレンズ枚数が少ないもしくはレンズ群としての厚みが薄いため、シャッタ駆動アクチュエータ12aやNDフィルタ駆動アクチュエータ12bの方が第3レンズ群30よりも厚く、それらの厚みによってレンズ鏡筒の厚みが決定される。つまり従来の位置に配置する場合よりも第1レンズ群を含めたレンズ鏡筒の厚みが光軸P方向に大型化してしまう。
本実施の形態では、板部3aを光軸P方向の第1レンズ群20側に配置し、被写体側から、板部3a、ヨー枠5、ピッチ枠6の順に配置している。これにより、従来の構成のように板部3aを光軸P方向の第3レンズ群30側に配置する場合に発生する、板部3aと羽根格納部12eとの位置的な干渉が回避可能となる。これにより、羽根格納部12eを第2レンズ群50と第3レンズ群30との間に搭載することが可能となる。
従来の位置に配置した場合、シャッタ駆動アクチュエータ12aと位置的に干渉してしまい、リニアアクチュエータ40a,40bとシャッタ駆動アクチュエータ12a、NDフィルタ駆動アクチュエータ12bとが光軸P方向に対して垂直方向に部分的あるいは全体的に重なる位置に配置することが不可能となる。
従来の構成においては、図14(b)に示すように、光軸Pと垂直方向には、光軸Pから順に、レンズ群50’、レンズ保持部6c’、所定の隙間60’、ヨー枠5’、所定の隙間61’、スリーブ部6d’、所定の隙間62’、回転止め部5e’が存在する。このため、レンズ鏡筒は、光軸Pと垂直方向には、これらの構成を収納するだけの寸法を必要とし、光軸Pと垂直な方向の小型化が困難である。
次に、図15を用いて、フレキシブル基板11の配置について説明する。実施の形態2では、以下に説明する、レンズ枠3にバックヨーク14、シャッタユニット12を取り付ける際の手順が、実施の形態1で説明したものと異なる。
なお、本実施の形態において、シャッタ駆動アクチュエータ12aとNDフィルタ駆動アクチュエータ12bとを備えているが、これに限ることはなく、いずれか一方のみを備えていてもよい。また、シャッタ駆動アクチュエータ12aおよびNDフィルタ駆動アクチュエータ12bの位置は、互いに入れ替えた配置としてもよい。
図16は、本発明の実施の形態3に係るレンズ鏡筒の概略構成を示す図である。本実施の形態に係るレンズ鏡筒は、実施の形態1および2とほぼ等しい構成を持つが、レンズ枠3に少なくとも1つ以上のカムピンを備えている点に特徴を有する。そこで本実施の形態では、実施の形態1および2と異なる点についてのみ説明し、重複する部分についてはその詳細な説明を省略する。
以上のような構成により、レンズ枠3の内側に部材同士の連結部、たとえばレンズ枠3とシャッタユニット12との連結部を設ける十分なスペースがなくとも、レンズ枠3の外周に配置されたレンズ枠21を切り欠くことなく、また、レンズ枠3およびレンズ枠21を大型化することなく、連結部のスペースを確保することが可能となり、小型なレンズ鏡筒を実現することができる。
なお、本実施の形態に係るレンズ鏡筒は、連結部を、レンズ枠3とシャッタユニット12との連結部としたが、これに限ることはなく、その他の部材同士の連結部をカムピンと同位相に配置してもよい。
以上の各実施の形態では、像振れ補正装置においてリニアアクチュエータを用いる例を示したが、レンズを駆動するためのアクチュエータはこれに限られない。例えば、圧電素子を用いた圧電アクチュエータを用いて駆動してもよい。
これについて、図18を用いて説明する。図18は、圧電アクチュエータを用いた像振れ補正装置の構成を示す斜視図である。
次に、像振れ補正装置の動作について説明する。圧電素子75a,75cは、いわゆるバイモルフであり、電圧が印加されると微小に伸縮する素子である。圧電素子75a,75cは、電圧の印加を制御することにより、固定する作用部材75b,75dをそれぞれヨー方向、ピッチ方向に変位させるとともに、光軸方向にも変位させる。この変位作用により変位された作用部材75b,75dは、それぞれ板状部材74a,76cに対して接触するとともに、ヨー方向、ピッチ方向への駆動力を与える。これにより、ヨー枠75は、板状部材74aからのヨー方向への反作用を受け、ガイドポール74に沿った方向へと駆動される。また、ピッチ枠76は、板状部材76aと一体的にピッチ方向への駆動を受け、ガイドポール77に沿った方向へと駆動される。以上により、ピッチ枠76に固定されたレンズは、レンズ枠3に対して、光軸に垂直な平面上を移動する。
2a,2b 磁石ヨーク
3 レンズ枠
3g,3h,3i カムピン
4,7 ガイドポール
5 ヨー枠
6 ピッチ枠
8 コイル基板
9a,9b コイル
10a,10b 位置検出手段
11 フレキシブル基板
12 シャッタユニット
14 バックヨーク
20 第1レンズ群
21b,21c,21d カムピン
30 第3レンズ群
50 レンズ群
Claims (9)
- 駆動方向と垂直に磁化されたマグネットと、前記マグネットと所定の間隙を有して配置され、前記マグネットの発生する磁束と直交するように電流を通電することにより前記駆動方向に移動可能なコイルと、を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータにより前記駆動方向に前記コイルと一体的に駆動される移動レンズ群と、
前記移動レンズ群を通過する光の光量を調節する光量調節手段と、
を備え、
前記駆動方向は、前記移動レンズ群を通過する光の光軸に垂直な方向であり、
前記光量調節手段は、前記アクチュエータおよび前記移動レンズ群に対して、前記移動レンズ群を通過する光の出射側に配置されていることを特徴とする、
レンズ鏡筒。 - 駆動方向と垂直に磁化されたマグネットと、前記マグネットと所定の間隙を有して配置され、前記マグネットの発生する磁束と直交するように電流を通電することにより前記駆動方向に移動可能なコイルと、を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータにより前記駆動方向に前記コイルと一体的に駆動される移動レンズ群と、
前記移動レンズ群を通過する光の光量を調節する光量調節機構と、前記光量調節機構を駆動する光量調節機構用アクチュエータと、を有する光量調節手段と、
を備え、
前記駆動方向は、前記移動レンズ群を通過する光の光軸に垂直な方向であり、
前記光量調節機構用アクチュエータは、前記アクチュエータに対して、前記光軸を挟んで対向する位置に配置されていることを特徴とする、
レンズ鏡筒。 - 前記マグネットを挟んで前記コイルと反対側および前記コイルを挟んで前記マグネットと反対側のうちの少なくともいずれかには磁性体が配置されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記アクチュエータと前記光量調節機構用アクチュエータとは、光軸方向に少なくとも一部が重なるように配置されていることを特徴とする、
請求項2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記移動レンズ群を保持する第1の保持枠と、
前記第1の保持枠を保持する第2の保持枠と、
前記第1の保持枠と前記第2の保持枠とを実質的に保持する第3の保持枠と、
をさらに備え、
前記第1の保持枠は、前記第2の保持枠に対して、前記駆動方向のうちの第1の駆動方向に移動可能に取り付けられ、
前記第2の保持枠は、前記第3の保持枠に対して、前記駆動方向のうちの、前記第1の駆動方向に交差する第2の駆動方向に移動可能に取り付けられ、
前記第1〜第3の保持枠は、光軸方向に重複する部位を有しており、
前記第1〜第3の保持枠は、前記移動レンズ群への光の入射側から、前記第3の保持枠、前記第2の保持枠、前記第1の保持枠の順番に配置されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記コイルと結線されたフレキシブル基板、
をさらに備え、
前記フレキシブル基板は前記移動レンズ群を通過する光の光量を調節する光量調節手段の少なくとも一部に対して、前記移動レンズ群を通過する光の出射側に配置されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記コイルが配置されるコイル基板と、
前記移動レンズ群を保持するレンズ保持枠と、
前記レンズ保持枠を案内する案内棒と、
前記案内棒の両端を固定する固定部と、
を備え、
前記コイル基板の少なくとも一部は、前記固定部の少なくとも一部に対して、光軸の放射方向外側に配置されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記移動レンズ群を保持する第1の保持枠と、
前記第1の保持枠を、前記駆動方向のうちの第1の駆動方向に移動可能に保持する第2の保持枠と、
前記第2の保持枠を、前記駆動方向のうちの前記第1の駆動方向に交差する第2の駆動方向に移動可能に保持し、外周面において前記移動レンズ群を通過する光の光軸の放射方向に突出した少なくとも1つ以上のカムピンが形成される第3の保持枠と、
を備え、
前記光量調節手段は、前記カムピンの前記放射方向内側に略隣接して形成された連結部により、前記第3の保持枠に対して固定されることを特徴とする、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。 - 前記移動レンズ群を保持する第1の保持枠と、
前記第1の保持枠を、前記駆動方向に移動可能に保持する第2の保持枠と、
を備え、
前記第2の保持枠は、前記第1の保持枠を前記駆動方向に案内する案内手段と、前記第1の保持枠の前記駆動方向以外の方向への移動を制限する制限手段とを有し、
前記第1の保持枠は、前記移動レンズ群を保持する円筒形状のレンズ保持手段と、前記案内手段との前記駆動方向の相対位置が変更可能に係合する第1係合手段と、前記制限手段との前記駆動方向の相対位置が変更可能に係合する第2係合手段とを有し、
前記第2係合手段は、前記レンズ保持手段の外周面に形成されていることを特徴とする、
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。
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