JP6444238B2 - 駆動ユニット、レンズ鏡筒、及び光学機器 - Google Patents

駆動ユニット、レンズ鏡筒、及び光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、駆動ユニット、レンズ鏡筒、及び光学機器に関する。
従来から、デジタルカメラ等の光学機器において、撮影時の手振れによる像振れ補正を行う手段として、手振れ補正レンズを光軸と直交する面内においてシフト(平行移動)させる手振れ補正(光学防振)装置が知られている。
例えば、特許文献1で提案されたレンズ鏡筒における手振れ補正装置では、可動群側にコイル・固定群側にマグネットが配置された、所謂ムービングコイル方式を採用している。可動群のシフト位置検出は、ホール素子(磁気センサ)を用いて行う。ホール素子は、コイルの中心付近に位置決め治具を用いて位置決めされ、可動群に接着固定される。ホール素子は、固定群に配置されたマグネットにより発生する磁界を検出する。可動群がシフトすると、ホール素子とマグネットの相対位置がずれ、ホール素子によって検出される磁束密度が変化する。このホール素子が検出する磁束密度から、光学機器制御部が可動群の現在位置を算出し、可動群位置を制御する。
特開2010−8982号公報
しかしながら、特許文献1では、可動群の可動範囲を規定する壁部の外側に、磁気反発力に抗してマグネットを付勢する突起部が形成されている。すなわち、可動範囲を規定する壁部と、マグネットを付勢する突起と、がそれぞれ別に形成されている。これによって、可動群の可動範囲に対して固定群の外形寸法が大型化してしまう。
本発明は、上記課題を鑑みて、可動群の可動範囲に対して固定群の外形寸法を小型化した駆動ユニットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の駆動ユニットは、コイルが固定されている可動部材と、前記コイルに対応する位置にマグネットが固定されている固定部材と、を備え、前記コイルに通電することによって、前記可動部材を前記固定部材に対して移動させる駆動ユニットであって、前記固定部材には、前記マグネットを前記固定部材に固定する際に、前記マグネットを当接させるマグネット当接部が形成されており、前記マグネットを挟んで前記マグネット当接部の反対側に、前記可動部材を可動範囲の端まで移動させた際に前記可動部材が当接する可動部材当接部が形成されており、前記可動部材当接部の近傍にて、前記マグネット当接部に当接する前記マグネットの第1の面の裏面となる前記マグネットの第2の面を露出させる切り欠き部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、可動群の可動範囲に対して固定群の外形寸法を小型化することが可能となる。
レンズ鏡筒の外観図である。 レンズ鏡筒の断面図である。 固定群の分解斜視図である。 固定群の正面図である。 固定群の背面図である。 シフトベースにマグネットとボールを組み込んだ固定群の背面図である。 図5における円a部の詳細図と、t−t断面図である。 図6における円a部の詳細図と、t−t断面図である。 図6におけるs−s断面図である。 可動群の分解斜視図である。 可動群の正面図である。 図11における円c部の詳細図である。 シフトFPCの正面斜視図である。 コイルユニットにシフトFPC取り付けた状態を示す図である。 コイルとシフトFPC取り付けた可動群の正面図である。 図15における円c部の詳細図である。 固定群と可動群の組立図である。 固定群と可動群を組み立てた状態で押さえ板金を組み込む組立図である。 手振れ補正装置の背面図である。 手振れ補正装置の正面図である。 手振れ補正装置の背面斜視図とその円f部の詳細図である。 図19におけるw−w断面図である。 図19におけるx−x断面図である。 図19におけるy−y断面図である。 可動群が左端に移動した状態を示す図である。 図25におけるz−z断面図である。 図26における円h部の詳細図である。 可動群が右端に移動した状態を示す図である。 図28におけるr−r断面図である。 図29における円j部の詳細図である。 手振れ補正レンズ位置と磁気センサ出力の関係を示すグラフである。 手振れ補正装置を移動部材に取り付けた状態を示す図である。 第2実施形態に係る固定群の背面図である。 図33における円k部の詳細図である。 シフトベースにマグネットとボールを組み込んだ固定群の背面図である。 図35におけるq−q断面図である。 図35における円k部の詳細図である。 図37におけるp−p断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面などを参照して説明する。本発明は、デジタル一眼レフカメラやデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置(光学機器)に適用可能である。
(第1実施形態)
図1(A)は、本実施形態に係るレンズ鏡筒100の正面側斜視図であり、図1(B)は、レンズ鏡筒100の正面図であり、図1(C)は、レンズ鏡筒100の右側面図である。なお、本実施形態では、図1(B)に示す面視を正面と定義し、正面と対向する面を背面、正面に対して右側から見た面を右側面、正面に対して左側から見た面を左側面、正面に対して上側から見た面を天面、正面に対して下側から見た面を底面、と各々称する。また、図1(C)における、レンズ鏡筒の左側を物体側、右側を撮像素子側と称する。レンズ鏡筒100は、MZ(マニュアルズーム)リング11と、MF(マニュアルフォーカス)リングを備える。
(レンズ鏡筒断面図の説明)
図2に、レンズ鏡筒100の断面図を示す。図2を参照して、レンズ鏡筒100の構成と各構成要素の機能について説明する。レンズ鏡筒100の撮影光学系は、1群レンズL1、2群レンズL2、3群レンズL3a、手振れ補正レンズ(補正手段)L3b、フォーカスレンズL4、5群レンズL5、絞りユニット7から構成される。
図2において、1群移動部材1aは、1群レンズL1を移動可能に保持し、2群移動部材2aは、2群レンズL2を移動可能に保持し、3群移動部材3aは、3群レンズL3aを移動可能に保持する。また、手振れ補正装置4は、手振れ補正レンズL3bを移動可能に保持し手振れ補正を行う。
(変倍動作の説明)
レンズ鏡筒100における変倍動作に関して簡単に説明する。レンズ鏡筒100は、撮影者が手動でMZ(マニュアルズーム)リング11を回転操作し、撮影光学系の変倍動作を行うマニュアルズーム機構を有するレンズ鏡筒である。1群レンズL1、2群レンズL2、3群レンズL3a、手振れ補正レンズL3bは、各々光軸(Optical Axis)方向に移動可能に構成され、各レンズ群が光軸方向に移動することにより、変倍動作を行う。手振れ補正装置4は、3群移動部材3aに固定されており、3群移動部材3aと共に光軸方向へ移動する。
(光軸移動方向のガイド)
図2において、案内筒9は、5群固定部材6に固定されれ、案内筒9不図示の光軸と平行な案内溝が設けられる。また、3群移動部材3aには不図示の3群直進カムフォロアが設けられ、3群直進カムフォロアが案内溝と嵌合することで、3群移動部材3aが光軸移動方向にガイドされる。
3群押さえ部材3bは、3群移動部材3aに固定される。3群移動部材3aと3群押さえ部材3bの間には、2群ガイドバー2bを含む2本の2群ガイドバーが光軸と平行に設けられる。2群移動部材2aは、2本の2群ガイドバーと嵌合し、光軸移動方向にガイドされる。
1群押さえ部材1bは、1群移動部材1aに固定される。1群移動部材1aと1群押さえ部材1bの間には、不図示の2本の1群ガイドバーが光軸と平行に設けられる。また、3群移動部材3aの外周には、不図示のスリーブ穴およびU溝が設けられる。2本の1群ガイドバーは、3群移動部材3aのスリーブ穴およびU溝と各々嵌合し、1群移動部材1aが光軸移動方向にガイドされる。
(光軸方向への駆動方法)
カム環10は、案内筒9の外周と嵌合し定位置回転する。不図示だが、カム環10には複数のカム溝が設けられ、カム環10を定位置回転させることで、1群移動部材1a、2群移動部材2a、および3群移動部材3aが光軸方向へ移動可能に保持される。また、1群移動部材1aには不図示の複数の1群カムフォロアが設けらている。1群カムフォロアは、カム環10に設けられた1群用のカム溝と嵌合する。2群移動部材2aには不図示の2群カムフォロアが設けられている。2群カムフォロアは、カム環10に設けられた2群用カム溝と嵌合する。また、3群移動部材3aには3群カムフォロア3cを含む、複数の3群カムフォロアが設けられている。そして、3群カムフォロアは、カム環10に設けられた3群用カム溝と嵌合する。カム環10が定位置回転するで、各カムフォロアによりカム溝のガイドに従って各群の移動部材が光軸方向に移動する。なお、光軸移動方向のガイドは、前述の通りである。
上記の構成により、撮影者は、MZリング11を回転操作することで、レンズ鏡筒100を変倍動作させることができる。MZリング11は、複数の連結機構により、カム環10と連結されており、MZリング11の回転操作によりカム環10を回転させる。
(その他の構成要素の説明)
フォーカス移動部材5は、フォーカスレンズL4を保持する。フォーカスレンズL4は、不図示の光軸と平行な2本のガイドバーによる光軸移動方向ガイド機構と、コイルおよびマグネットからなる電磁アクチュエーターにより、他のレンズ群に対して独立して光軸方向へ移動可能に構成され、焦点調節を行う。MFリング12は、不図示の回転検出部によって、回転方向と回転角が検出される。例えば、撮影者がMFリング12を操作すると、回転検出部が検出した回転情報に合わせ、不図示のカメラ本体制御部がフォーカスレンズL4の光軸方向位置を制御し、焦点位置を調節する。
5群固定部材6は、5群レンズL5を保持する。絞りユニット7は、撮影光学系の開口径を変化させる絞り装置であり、不図示の駆動部により絞り羽根を光軸直交面内で動作させ、撮影光学系への入射光量調節を行う。絞りユニット7は、3群移動部材3aに固定されており、3群移動部材3aと共に光軸方向へ移動する。
撮像素子8は、撮影光学系より射出される光を受光し光電変換を行う。撮像素子8は、不図示の撮像素子基板に実装された後、不図示の撮像素子板金に固定され撮像素子ユニットを形成する。撮像素子基板は、伝送部を有し、撮像素子8が出力する画像情報をカメラ本体制御部へ伝送する。なお、撮像素子8を含む撮像素子ユニットは、5群固定部材6に固定される。
(手振れ補正装置の説明)
次に、本実施形態に係るレンズ鏡筒の手振れ補正装置4について説明する。手振れ補正装置4は、撮影者が撮影時にカメラに対して手振れを起こした際、その手振れ量を検知し、手振れによる像振れをキャンセルする方向に手振れ補正レンズL3bを移動させることで手振れ補正を行う、光学式手振れ補正方式を適用する振れ補正装置である。
一般的に、撮影時におけるカメラの手振れは、9Hz前後の振動成分であることが知られている。カメラ本体内部には、不図示のジャイロセンサ等の角速度センサが備えられ、手振れによる振動成分を検知する。検知した手振れの情報は、不図示のカメラ本体制御部へと伝送される。カメラ本体制御部は、伝送された手振れ情報を元に、手振れによる像振れをキャンセルする為の手振れ補正レンズ移動量を算出する。そして、カメラ本体制御部は、算出した手振れ補正レンズ移動量に応じて、手振れ補正装置へ所定の電流が流れるように制御し、手振れ補正レンズを駆動させることで、手振れ補正動作を行う。
(手振れ補正装置の構造の説明)
次に、手振れ補正装置4の構造について説明する。手振れ補正装置4は、3群移動部材3aに固定される固定群と、固定群に対して光軸直交方向へ移動可能に保持される可動群から構成される。なお、手振れ補正装置4は、本発明の駆動ユニットの一例である。可動群は、本発明の可動部材の一例である。固定群は、本発明の固定部材の一例である。図3〜図9に、固定群を構成する各要素を図示し、固定群の構成および各構成要素の機能について説明する。
(固定群の説明)
図3は、手振れ補正装置4の固定群を背面側の斜視分解図である。図3において、固定群40は、手振れ補正装置4の固定群であり、シフトベース(固定部材)41は、固定群40の各構成要素を保持する樹脂モールド部材である。また、マグネットR(401)およびマグネットL(402)は、手振れ補正レンズL3bを横方向(ヨー方向)へ駆動させる電磁アクチュエーターの構成要素である。マグネットU(403)およびマグネットD(404)は、手振れ補正レンズL3bを縦方向(ピッチ方向)へ駆動させる電磁アクチュエーターの構成要素である。なお、マグネットR(401)またはマグネットU(403)は、本発明の第1のマグネットの一例である。マグネットL(402)またはマグネットD(404)は、本発明の第2のマグネットの一例である。
ヨーク405は、マグネットR(401)およびマグネットL(402)より発生する磁束の磁路を閉じる鉄製のヨークであり、ヨーク406は、マグネットU(403)およびマグネットD(404)より発生する磁束の磁路を閉じる鉄製のヨークである。ボール43は、固定群40と可動群の間に保持され固定群・可動群間で転動する3つのボールである。開口部421は、シフトベース41の中心部に形成された貫通孔であるところの開口部である。詳細は後述するが、手振れ補正装置4の可動群は、開口部421の内側において移動可能であり、開口部421の上下左右の各辺の中央部は、可動群の中心出しに用いられる。
図4(A)は、シフトベース41を正面側から見た正面図である。図4(A)において、面410は、シフトベース41に平面で形成されたヨーク受け面である。ヨーク405および406は、このヨーク受け面410に接地するように組み付けられる。図4(B)は、図4(A)の状態から、面410にヨーク405および406を組み付けた場合正面図である。
図5は、シフトベース41の背面図である。図5において、OA(Optical Axsis)は、本実施形態に係るレンズ鏡筒100の光軸を示す。図中の円aは、ヨー側のマグネット収納部位、円bはピッチ側のマグネット収納部位を示す。本実施形態では、各マグネット収納部位には、マグネットを所定の位置に収納するための凹形状が各々2つずつ設けられる。
図5において、仕切り壁413は、シフトベース41に対して、マグネットR(401)およびマグネットL(402)を固定する際に、各々のマグネットの第1の面を当接させることで各々のマグネットの位置を決める基準となる。マグネットR(401)およびマグネットL(402)の長辺側が仕切り壁413に当接するように、仕切り壁413が形成されている。なお、仕切り壁413は、本発明のマグネット当接部の一例である。図5において、寸法βは、光軸中心OAから仕切り壁413の右側面までの寸法を示し、寸法αは、仕切り壁413の右側面から左側面までの寸法を示す。すなわち、寸法αは、仕切り壁413の幅を示す。凹部411は、シフトベース41に円筒状に設けられたボール413を受けるボール受け凹部である。
図6は、図5の状態から、シフトベース41にマグネットR(401)およびマグネットL(402)、マグネットU(403)およびマグネットD(404)、および凹部411にボール43を組み込んだ状態を示す。図6に示すように、円a部(ヨー側のマグネット収納部位)と円b部(ピッチ側のマグネットを収納部位)は、光軸OAを中心に約90°位相を回転させた(略90度位相が異なる)構成となっている。位相が90°異なる以外は、同様の構成であるため、以下の説明では、ヨー側のみ説明するものとする。
図7(A)は、図5における円a部の詳細図である。図7(B)は、図5における線t−tで断面を切り、図中の矢印方向から見た断面図である。図7において、マグネット受け面412は、マグネット収納部位の4隅に平面で形成されたマグネット受け面である。可動端壁414は、一方面が可動群44を可動範囲の端まで移動させた際に可動群44が当接し、他方面がシフトベース41に固定されたマグネットR(401)およびマグネットU(403)に対向するように、シフトベース41に立設される壁部である。
可動端壁414は、マグネットR(401)の長辺側で、光軸側の一側面(一部)を覆い開口部421の一辺を成す可動端壁である。なお、本実施形態では、仕切り壁413は、可動端壁414と略平行に設けられる。チャージ壁415は、比較的薄い壁で形成され、チャージ凸部416は、チャージ壁415に形成された凸部である。マグネット接着凹部417は、マグネットの短辺側で、マグネット収納部位の上下に形成された4か所の凹部であり、本実施形態では袋状に形成されている。切り欠き部418は、可動群の可動端部以外で可動端壁414の両端に形成された2つの切り欠き部である。すなわち、切り欠き部418は、可動端壁414を挟むように複数形成されている。また、マグネット接着凹部417は、切り欠き部418の近傍に形成されている。可動群当接部419は、切り欠き部418の間で可動群の中心出しの際に可動群44が当接する部位であり平面で形成される。可動群当接部419は、本発明の可動部材当接部の一例である。なお、可動群中心出しの動作については、後述する。
マグネット受け面412は、ヨーク受け面410と表裏で同一平面に形成される。ヨーク405は、図4(B)で示したように、シフトベース41に組み付けられた状態であるが、マグネット受け面412とヨーク受け面410が同一平面であるため、図7においてマグネット受け面412とヨーク405は、同一平面をなす。
図8(A)は、図6における円a部の詳細図である。図8(B)は、図6における線t−tで断面を切り、図中の矢印方向から見た断面図である。図8(A)に示すように、可動端壁414は、マグネットR(401)を挟んで仕切り壁413の反対側に、形成されている。図8(A)に示すように、マグネットR(401)とマグネットL(402)は、ヨー側のマグネット収納部位に収納される。このとき、マグネット受け面412とヨーク405は、同一平面を成すため、マグネット受け面412とヨーク405に、マグネットR(401)とマグネットL(402)が接地するように組み付けられる。なお、ヨーク405は、鉄製であるため、マグネットR(401)とマグネットL(402)に磁力により吸着される。マグネットとヨークが引き合った状態で、ヨーク405は、ヨーク受け面410へ、マグネットは、マグネット受け面412へ突き当たり、各々の光軸方向位置が決まり保持される。
なお、仕切り壁413からチャージ凸部416までの幅寸法は、マグネットL(402)の幅寸法より所定量小幅に設定される。このため、マグネットL(402)をマグネット収納部に組み付ける際、チャージ凸部416がマグネットL(402)にチャージし、マグネットL(402)を図中L方向へ付勢する。このとき、チャージ壁415は、矢印L方向とは逆方向へ所定量変形する。マグネットL(402)は、チャージ凸部416の付勢より、仕切り壁413の左側面に突き当たったところで位置が決まり、ヨーク405との磁力吸着により仮保持される。
図8(A)に示すように、マグネットR(401)と可動端壁414の左側面との間には、所定の隙間寸法γとなる隙間が形成される。このため、マグネットR(401)は、所定隙間寸法γ分、図中矢印R方向へ移動することが可能である。図8(B)に示すように、可動端壁414の左右には、切り欠き418が設けられる。切り欠き418より、マグネットR(401)の右側面が露出する。可動端壁414の中心付近は、平面で構成された可動群当接部419が設けられる。
マグネットR(401)は、マグネット収納部に組み付けられた後、切り欠き418を用いて、不図示のマグネット中心寄せ治具によって矢印R方向へ押圧(圧接)され、仕切り壁413の右側面へと付き当てられる。このとき、マグネットR(401)は、ヨーク405との磁力吸着により仮保持される。この状態で、4か所のマグネット接着凹部417へマグネット接着剤420を供給する。マグネット接着剤420は、例えば、紫外線硬化樹脂等であってよい。マグネットR(401)およびマグネットL(402)は、この段階で、シフトベース41に対して固定される。マグネットR(401)が仕切り壁413の第1の面に当接し、マグネットL(402)が仕切り壁413の第1の面の裏面となる第2の面に当接するように、マグネットR(401)およびマグネットL(402)がシフトベース41に固定されている。
(マグネット間距離)
マグネットR(401)は、仕切り壁413の右側面に、マグネットL(402)は、仕切り壁413の左側面に、必ず突き当たった状態で、固定される。このため、マグネットR(401)とマグネットL(402)のマグネット間距離は、寸法αで決まる。また、光軸中心とマグネットR(401)との距離は、図5に示すように、寸法βで決まる。このように、マグネットR(401)およびマグネットL(402)を仕切り壁413に突き当てた状態で固定する構成をとることで、マグネット間距離の寸法αを、安定して精度良く位置決めすることが可能となる。また、光軸OAから、マグネットR(401)の距離は、シフトベース41の寸法関係のみで決めることが可能なため、光軸OAとマグネットR(401)の距離も安定して精度良く位置決めすることが可能となる。
(手振れ補正装置小型化)
以上、図6〜図8を用いて説明したように、光軸OA側に配置されるマグネットR(401)は、可動群の可動端を成す可動端壁414と近接した配置としている。この配置は、可動群を駆動するための電磁アクチュエーターを成すマグネットを、可動群可動範囲のぎりぎりの位置まで光軸に対して寄せた配置である。このような配置を実現することで、手振れ補正装置4の光軸OAを中心とした半径方向に対して小型化を図ることが可能である。また、可動端壁414は、中央部に平面である可動群当接部419を形成し、左右部には切り欠き418を設けている。このような構成をとることにより、可動群当接部419を用いて可動群の中心出しを良好に行うことができる(その詳細については後述する)。また、それと同時に、マグネットR(401)を、可動群の切り欠き418を用いて、仕切り壁413へ寄せた後、接着固定することが可能である。また、マグネットR(401)と可動端壁414の間には所定寸法γの隙間が設けられる。このため、可動端壁414は、マグネットR(401)によって変形されることなく、図6における寸法Y及び寸法Pを、精度良く保つことが可能である。
(マグネットが発生させる磁束の磁力線に関して)
図9は、図6における線s−sで断面を切り、図中の矢印方向からみた断面図である。図9において、一点鎖線Cは、マグネットR(401)とマグネットL(402)間の中心を示す中心線、太破線は、マグネットR(401)およびマグネットL(402)より発生する磁束の方向を模式的に示す磁力線と磁力線の向きを表している。
図9に示すように、マグネットR(401)およびマグネットL(402)は、図中に示すN極・S極の磁極を、図中、上下に有するように着磁されたマグネットである。マグネットR(401)とマグネットL(402)は、図9に示すように、上下が各々逆の極性となるように配置される。マグネットにより発生する磁束は、N極からS極へ向かって発せられるため、図9に破線で示すような磁力線の向きとなる。ここで、中心線C上での磁束の方向性について述べる。矢印Hは、中心線C上のある一点における磁束の向く方向を示す矢印である。中心線C上における磁束は、理論上、矢印Hの方向(水平方向)にのみ発生する。このとき、矢印Hと垂直な方向(垂直方向)に向かう磁束は発生しない。本実施形態に係る手振れ補正装置4では、図9に示すようなマグネットから発生する磁束を磁気センサを用いて検出することで、可動群の位置を検出する。なお、その詳細については、後述する。
(可動群符号の説明)
次に、図10〜図16を参照して、本実施形態に係る手振れ補正装置4における可動群を構成する各要素の機能を説明する。図10は、手振れ補正装置4における可動群を、正面斜視より見た分解図である。手振れ補正装置4は、可動群44と、シフトバレル45と、コイルユニットY(441)と、コイルユニットP(442)と、FPC443と、を備える。シフトバレル45は、可動群44の各構成要素を保持する樹脂モールド部材である。また、シフトバレル45は、3カ所のボール受け凸450と、レンズ開口部457と、外周リブ458を備える。ボール受け凸450は、円筒状に形成され可動群44側にて3つのボール43を受ける。レンズ開口部457は、シフトバレル45の中心部における円形の貫通孔であり、そのレンズ開口部457の外周に、外周リブ458が円周状に形成される。
コイルユニットY(441)は、マグネットR(401)およびマグネットL(402)と対応する位置に固定されるコイルユニットであり、手振れ補正レンズL3bを横方向(ヨー方向)へ駆動させる電磁アクチュエーターの構成要素である。コイルユニットP(442)は、マグネットU(403)およびマグネットD(404)と対応する位置に固定されるコイルユニットであり、手振れ補正レンズL3bを縦方向(ピッチ方向)へ駆動させる電磁アクチュエーターの構成要素である。FPC443は、コイルユニットY(441)およびコイルユニットP(442)と電気的に接続し2つの磁気センサ(ホール素子)を実装するシフトFPC(Flexible Printed Circuit)である。
図11は、シフトバレル45の正面図である。図11において、取り付け部Y(451)は、コイルユニットY(441)の取り付け部であり、取り付け部P(452)は、コイルユニットP(442)の取り付け部である。コイル接着部455は、コイルユニットY(441)およびコイルユニットP(442)をシフトバレル44に接着するために6カ所(各コイルユニットに3カ所ずつ)に設けられる。
図11において、手振れ補正レンズL3bは、シフトバレル45のレンズ開口部457を覆うように組み込まれ、不図示のレンズ接着部により接着固定される。外周リブ458は、手振れ補正レンズL3bと同心円(光軸OAを中心とした円)上に形成される。本実施形態での外周リブ458は、上下左右およびその間の合計8カ所に設けられ各リブ458によって光軸OAを中心とした円形を形成する。外周リブ458は、シフトバレル45の可動域端において、シフトベース40の可動群当接部419(開口部421)と当接する部位である。
図11に示すように、3カ所のボール受け凸450は、光軸を中心に半径方向へバランスよく配置されるのが望ましい。なお、本実施形態では、3カ所のボール受け凸450を、ボール受け凸450の中心を通る円m上に120°等分で配置している。これは、固定群との一体化時後に可動群44を駆動させる際、可動群44が3つのボール43によって支持されるためである。
(可動群の小型化)
ボール受け凸450をバランスよく配置しつつ、可動群44を小型化するためには、3カ所のボール受け凸450の内の1つを、コイルユニットY(441)およびコイルユニットP(442)の間に配置することが必須となる。なぜなら、コイルの外側にボール受け凸450を配置したのでは、可動群44の大型化を招くからである。また、ボール受け凸450を光軸方向へ寄せて配置することで、小型化を図ることができる。本実施形態では、ボール受け凸450と対向するシフトベースのボール受け凹411が、開口部421と重ならない位置まで、ボール受け凸450を光軸へ寄せて配置している。
図12は、図11における円c部の詳細図である。図12において、FPC押さえリブ453は、1つのボール受け凸450より延出される2カ所のFPCを押さえるためのリブであり、FPCガイドリブ454は、2つのコイル接着部455より延出される2カ所のFPCをガイドするためのリブである。なお、各々のリブの機能については、図16および図17を用いて後述する。
図13は、シフトFPC443単体の正面側斜視図である。シフトFPC443は、磁気センサ445と、磁気センサ446と、Y側FPC447と、P側FPC448と、を備える。磁気センサ445は、シフトFPC443に実装され、可動群44のヨー方向の位置を検出する磁気センサであり、磁気センサ446は、シフトFPC443に実装され可動群44のピッチ方向の位置を検出する磁気センサである。Y側FPC447は、コイルユニットY(441)と電気的に接続され、P側FPC448は、コイルユニットP(442)電気的に接続される。Y側FPC447とP側FPC448は、接続部4435によって電気的に接続されている。接続部4435には、折り曲げ部4431〜4435が設けられ、図13に示すように折り曲げられる。折り曲げ部4431と4432の間、折り曲げ部4433と4434の間には、各々補強板を設けることで、容易にFPC折り曲げを行うことができる。Y側FPC部447からは、揺動部449が延出され、シフトFPC443は、揺動部449のさらに先において不図示のカメラ本体制御部と電気的に接続される。
図14(A)は、コイルユニットY(441)にシフトFPC443のY側FPC447を取り付けた状態を示す図である。なお、コイルユニットに関してもマグネットの説明同様、ヨー側とピッチ側で光軸OAを中心に90°回転させた構成である(略90度位相が異なる)ため、その詳細な説明については、ヨー側のみ行うものとする。
コイルユニットY(441)は、コイル部4410とモールド部4411で構成される。コイル部4410は、銅線をモールド部4411に所定量巻きつけることで形成される。銅線の巻き始めおよび巻き終わりは、半田部4415まで延出される。磁気センサチャージ部4412は、モールド部4411に比較的薄肉に形成され、磁気センサ突き当て部4413は、磁気センサチャージ部4412と対向した位置に平面的に設けられる。磁気センサ接着孔4414は、モールド部4411を貫通し、半田部4415は、コイル部4410から引き出される銅線とY側FPC447より延出される腕部を半田付けにより導通させる。
コイルユニットY(441)とY側FPC447の取り付けは、磁気センサ445を基準にして行われる。図14(A)に示す円d部において、磁気センサチャージ部4412は、磁気センサ445に対して、図中矢印J方向にチャージする。矢印J方向へチャージされた磁気センサ445は、チャージ部4412と対向する位置に形成された磁気センサ突き当て部4413に当接し、モールド部4411と磁気センサ445(Y側FPC447)の図中左右方向の位置が決まった状態で仮固定される。この状態で、モールド部4411に形成された磁気センサ接着孔4414に接着剤を塗布し、Y側FPC447とコイルユニットY441を固定する。
コイル部4410の巻き始めと巻き終わりの銅線は、半田部4415にてモールド部4411に圧入された不図示の2カ所のスタッド(金属)に絡げられ、予め半田付けされている。Y側FPC447の腕部は半田部4415まで延出され、不図示の2カ所の穴部を有し、スタッド2カ所に挿通される。この状態で、半田部4415にてコイル部4410から延出された銅線をY側FPC447の腕部に半田付けし、コイルユニットY441とシフトFPC443を電気的に導通させる。コイルユニットY441の銅線の接続は、巻き始めと巻き終わりであり、半田部4415のどちらか一方を+、もう一方を−として電圧をかけることで、図14(A)の両矢印Iの方向(コイル部4410内で時計回りor反時計回り)へ電流が流れる。
図14(B)は、図14(A)における線u−uで断面を切り、図中矢印方向から見た断面図である。図14(B)において、感磁面Fは、磁気センサ445に設けられた感磁面であり、その位置を太線で示される。本実施形態に係る磁気センサ443は、感磁面Fの中心位置において、磁力線が通過する両矢印V方向の磁束密度を検出する。磁力線が感磁面Fに対して斜めに通過する場合、磁気センサは、通過磁束の両矢印V方向成分を検出する。磁気センサの出力は、磁束が両矢印V方向のどちらの方向を向いているかで極性(+または−)が決まり、磁束密度の大きさで出力の大きさが決まる。
図15は、シフトバレル45に、コイルユニットおよびシフトFPCを組み付けた状態を示す図である。コイルユニットは、シフトFPC443と予め接着固定されているため、シフトバレル45に対して一体的に組み込まれる。コイルユニットY(441)は、不図示の位置決めボスを有し、取り付け部Y(451)の不図示の位置決め穴と嵌合し、シフトバレル45に対して位置が決まる。
磁気センサ445は、シフトFPC443等を介さず、直接コイルユニットY(441)に位置決めされている。このため、シフトバレル45と磁気センサ445の位置も合いやすく、光軸OAと磁気センサ445の距離を示す寸法δを、安定して精度良く保つことが可能である。
コイルユニットY(441)をシフトバレル45に位置決めした後、シフトFPC443のフレキ処理を行う。なお、詳細については、後述する。そして、3カ所のコイル接着部455に対し、コイル接着剤456を塗布し、コイルユニットとシフトFPC443を接着固定する。なお、ピッチ側についても、同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。また、図15より、本実施形態に係る可動群44は、光軸OAから見て、コイルユニット部が可動群44の最大外形となっていることがわかる。領域eは、本構成によって生み出すことが出来た板金挿通スペースである。本構成において、領域eは、折り曲げられてボール受け凸450の外周に沿って配置される接続部4435と、揺動部449の間に作られるスペースである。領域eの活用方法に関しては後述する。
図16(A)は、図15における円c部の詳細図である。図16(B)は、図15における円c部の斜視図である。図13に示すように、シフトFPC443の接続部4435では、折り曲げ部4431〜4434によって折り癖が付けられており、この状態でシフトバレル45に組み込まれる。
図16(A)に示すように、接続部4435は、コイルユニットから引き出された直後に、FPCガイドリブ454によって位置規制される。図16(A)では、折り曲げ部4431と4432の間の補強板部、折り曲げ部4433と4434の間の補強部が、各々FPCガイドリブ454と当接した状態となる。また、寸法nは、FPCガイドリブ454の先端とFPC押さえリブ453の先端の間のスリットの寸法を示す。補強板の先では、接続部4435が円筒を成すボール受け凸450の外周に沿って配置される。このとき、接続部4435は、FPC押さえリブ453が接続部4435と必ずオーバーラップするように、接続部4435を寸法nのスリットを通して組み込まれる。そして、図16(B)に示すように、補強板部がFPCガイドリブ454に当接した状態で、押さえリブ453の下に収まることとなる。これにより、接続部4435は、ボール受け凸450のボール受け面上に浮いてくることがなくなり、シフトFPC443が、ボール転動による動作を阻害することを防止できる。
(固定群と可動群の組立て)
図17は、固定群40に対して可動群44を組み込む際の様子を背面側から見た斜視図である。図17において、シフトバネ47は、固定群40に可動群44を付勢するための引っ張りバネである。なお、3つのボール43は、シフトベース41のボール受け凹411に挿入された状態である。固定群40に対して可動群44を組み込む際、シフトバレル45の外周リブ458を、シフトベース41の開口部421に挿通させる。このとき、光軸OA方向では、シフトベース41の3カ所のボール受け凹411とシフトバレル44の3カ所のボール受け凸450が各々3つのボール43と当接し、可動群44の光軸方向位置が決まる。なお、この詳細については図23で後述する。
可動群44の可動領域は、開口部421と外周リブ458によって決まる。この状態で、シフトベース41およびシフトバレル45に設けられたバネ掛け部に対して、シフトバネ47を引っかける。シフトバネ47の引っ張り力によって、可動群44は固定群40に対して付勢される。なお、この詳細については図24で後述する。
図18は、シフトバネ47を固定群40および可動群44に組み込んだ後、押さえ板金を組み込む際の様子を背面側から見た斜視図である。図18において、押さえ板金48は、薄板状の板金から成り、立ち曲げ部480は、押さえ板金48から光軸方向へ立ち曲げられる。板金固定部481は、押さえ板金48に設けられた2カ所の貫通孔の板金固定部であり、共締め部482は、立ち曲げ部480の先でシフトベース41と共に3群移動部材3aに共締めされる貫通孔の共締め部である。板金ビス483は、板金固定部481において押さえ板金48をシフトベース41に対して固定するための2本のビスである。先端受け部484は、一方の板金固定部481の先で衝撃時に可動群44を受け、ベース面485は、シフトバレル45の所定範囲を平面で覆い衝撃時に可動群44を受ける。
押さえ板金48は、不図示のシフトベース41の位置決めボスと不図示の押さえ板金48の位置決め穴によって、光軸垂直方向の位置が決まる。押さえ板金48をシフトベース41に対して組み込んだ後、押さえ板金48は、2本の板金ビス483によってシフトベース41に締結固定される。
図19は、押さえ板金48をシフトベース41に対して締結固定し、手振れ補正装置4の組立てを完了した状態の背面図であり、図20は、図19の正面図である。また、図21(A)は、図19の状態を背面側から見た際の斜視図であり、図21(B)は、図21(A)における円fの詳細図である。まず、図19は、2本の板金ビス483は、2カ所の板金固定部481の孔を挿通し、押さえ板金48をシフトベース41に対して締結固定した状態の手振れ補正装置4を示す。
次に、図20に示すように、シフトバレル44に円周状に設けられた外周リブ458は、シフトベース41に設けられた八角形状の開口部421の内周に収まる。図20において、外周リブ458と開口部421とのクリアランス分(全周)が、可動部44の可動領域となる。なお、この状態において、可動群44は、シフトバネ47に付勢され、おおよそ光軸中心に位置することとなる。
(押さえ板金の説明)
次に、押さえ板金48の役割について説明する。前述のように、固定群40と可動群44は、2本のシフトバネ47によって光軸方向へ付勢され、3つのボール43の転動によって移動可能に構成される。可動群44は、光軸前方(固定群40の方向)に付勢され、ボール43に当接することで光軸方向位置が決まっているが、光軸後方には規制がない状態である。このため、手振れ補正装置4が光軸方向に衝撃力を受けた場合、可動群44は、2本のシフトバネ47の伸長を伴いながら光軸後方へ移動する。この可動群44の光軸後方への移動量が、ボール43の直径よりも大きくなってしまった場合、ボール43が手振れ補正装置4より脱落してしまい、手振れ補正動作ができなくなる。そこで、衝撃等により可動群44が光軸後方へ移動した場合の光軸後方位置規制として、押さえ板金48のような、可動群44の押さえ部材としての構成要素が必要となる。
押さえ板金48には、可動群44の光軸後方への移動を規制する役割があるが、手振れ補正装置4を光軸方向に小型に構成するためには、押さえ板金48を光軸方向に対して薄く構成することが望ましい。手振れ補正装置4においては、押さえ板金48を薄板の板金で形成しているため、手振れ補正装置4の光軸方向の薄型化に適している。しかしながら、押さえ板金48を薄板板金で形成する場合、衝撃により可動群44が押さえ板金48に激突した際、押さえ板金48が変形し、結果、ボール43が脱落してしまう可能性がある。特に、押さえ板金48の固定部の配置位置により、押さえ板金48が片持ちの状態となっていると、押さえ板金は非常に変形しやすくなる。このため、押さえ板金48の固定位置は、可動群44が衝撃により激突した時でも、変形を抑えられるようにバランスよく配置することが重要である。
(板金固定部の配置と小型化)
本実施形態に係る手振れ補正装置4は、光軸を中心とした半径方向の小型化を目標としている。このため、例えば、可動群44の最大外形となるコイルユニットの半径方向外側に、押さえ板金48の固定部を配置したのでは、手振れ補正装置4の小型化を達成が難しい。そこで、本実施形態では、まず、コイルユニット部と略同心円上で、コイルユニットを避けた2カ所に、押さえ板金48の板金固定部481を設けている。この2カ所の板金固定部481の配置にならば、板金固定部が最大外形となることによる手振れ補正ユニット4の小型化の阻害を避けることが可能となる。
しかしながら、2カ所の板金固定部481だけでは板金固定部配置のバランスを安定的に保つことが難しい。すなわち、可動群44が押さえ板金48に激突した際、2カ所の板金固定部481を軸に、板金固定部481と遠い部位(コイルユニットとコイルユニットとの間付近)が光軸後方へ変形してしまい、ボール43が脱落してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態に係る手振れ補正装置4では、押さえ板金48に立ち曲げ部480を設け、板金を光軸前方へ延出し、その先端において折り曲げ部を作り、共締め部482を形成している。後述するが、共締め部482では、押さえ板金48とシフトベース41とが、3群移動部材3aに対して固定される。共締め部482を設置することによって、2カ所の板金固定部481と合わせて、光軸中心から3カ所に角度等分された固定部を設置することができ、バランスよく押さえ板金48を固定することが可能となる。
本構成において、衝撃により可動群44が光軸後方へ移動した場合、押さえ板金48のベース面485がシフトバレル45をL字状に受け、L字状の受け部と光軸を挟んで対向した位置にある先端受け部484においてもシフトバレル45を受ける。このとき、押さえ板金48の固定部がバランス良く設置されているため、衝撃時、可動群44が押さえ板金48に激突しても、押さえ板金48は変形することなく、良好に可動群44の光軸後方の位置規制が可能である。
また、図19および図21に示すように、立ち曲げ部480は、図15および図16に示す領域eにて光軸前方へ挿通される。前述したように、領域eは、シフトバレル45のボール受け凸450、FPC押さえリブ453およびガイドリブ454、シフトFPC443の折り曲げ構成によって生み出される領域である。この領域eを用いてコイルユニットY(441)とコイルユニットP(442)の間に立ち曲げ部480を挿通することで、手振れ補正装置4の最大径を大型化することなく、共締め部482を形成することができる。また、立ち曲げ部480は、板金の肉厚方向が光軸を中心とする半径方向と略垂直となるように形成する。これにより、立ち曲げ部480を光軸方向へ挿通させる構成を、光軸を中心とする半径方向に対して、小型に形成することが可能となる。
また、図32(D)を参照して後述するが、共締め部482は、シフトFPC443の揺動部449(可動群)よりも光軸方向前方に設けられる。共締め部482と揺動部449が光軸方向に重ならない位置に配置されることにより、可動群44の移動の際も、固定部と可動部が干渉することなく、小型に共締め部482を形成することができる。
(手振れ補正装置の動作の説明)
図22は、図19における線w−wにおいて断面を切り、図中の矢印方向から見た際の断面図である。前述したように、手振れ補正装置4における可動群44は、マグネットとコイルを用いた電磁アクチュエーターにより駆動される。図22に示すように、固定群41側に備えられたマグネットR(401)、マグネットL(402)、およびヨーク405は、可動群44に備えられたコイルユニットY(441)と対向して配置される。マグネットR(401)、マグネットL(402)、およびヨーク405により発生する磁界に対し、シフトFPC443より給電されコイルユニットY(441)へ電流が流れることで、マグネットとコイルによる磁力線相互の反発によるローレンツ力が発生する。
これによって、コイルに通電することによって、可動群44をシフトベース41に対して移動させることができる。そのため、可動群44は、光軸と垂直な面内を移動可能となる。磁気センサ445による、可動群44の位置検出については後述する。なお、ピッチ側も同様の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
図23は、図19における線x−xで断面を切り、図中の矢印方向から見た際の断面図である。図23に示すように、シフトベース41に形成されたボール受け凹411にボール43が挿入され、ボール受け凹411とシフトバレル45に形成されたボール受け凸450との間でボール43が転動する。なお、他の2カ所のボール受け部についても同様の構成である。
図24は、図19における線y−yで断面を切り、図中の矢印方向から見た際の断面図である。図24に示すように、シフトバネ47は、シフトベース41に設けられたバネ掛け部に一端が係合し、シフトバレル45に設けられたバネ掛け部に他端が係合される。シフトバネ47は、図中に示す矢印k方向(光軸と平行に被写体側方向)に可動群44を付勢し、可動群44が光軸垂直面内を駆動中、3カ所のボール43を、ボール受け凹411とボール受け凸450と常に接地させ、摺動させる。このように、可動群44の駆動中、常にボール43の転動による摺動を行うことで、可動群44を滑らかに駆動させることが可能である。
(左端での磁気センサの磁気検知)
図25は、図20の状態から可動群44を、光軸と垂直な方向の矢印L方向(図中左方向)へ駆動させた状態の手振れ補正装置4を示す図である。図25に示すように、光軸方向から見て可動群44が矢印L方向に駆動されている。
図26は、図25における線z−zで断面を切り、図中矢印方向から見た際の断面図である。図26において二点鎖線で描かれる円gに示すように、シフトバレル45の外周リブ458の一部とシフトベース41の開口部421の一辺が、可動群44の可動範囲の左端(メカ端)にて当接した状態である。
図27は、図26における円h部の詳細図である。図27に示すように、可動群44に備えられたコイルユニットY(441)と、固定群40に備えられたマグネットR(401)およびマグネットL(402)は、可動群44の駆動により、相対的位置が図中左方向へズレている状態である。図27における太破線は、マグネットR(401)、マグネットL(402)、およびヨーク405によって発生する磁力線を示す。また、太破線上の矢印はNからSへの磁界の方向を示す。
図27において、磁気センサ445は、図14(B)で説明した感磁面Fの中心部において、感磁面直交方向を通過する磁束密度を検出する。このため、磁気センサ445は、感磁面中心位置において、太破線で示す磁力線の垂直方向成分(図中出力Mの矢印方向成分)を検出する。このとき(すなわち、可動群44が図中左端にいるとき)の磁気センサ445の出力(出力M)は、シフトFPC443により不図示のカメラ制御部へ伝送され、カメラ本体制御部が記憶する。
(右端での磁気センサ磁気検知)
図28は、図20の状態から可動群44を、光軸と垂直な方向の矢印N方向(図中右方向)へ駆動させた状態の手振れ補正装置4を示す図である。図28に示すように、光軸方向から見て可動群44が矢印N方向に駆動されている。
図29は、図28における線r−rで断面を切り、図中の矢印方向から見た際の断面図である。図29における二点鎖線で描かれる円iにて示すように、シフトバレル45の外周リブ458の一部とシフトベース41の開口部421の一辺を形成する可動群当接部419が、可動群44の可動範囲の右端(メカ端)にて当接した状態である。
図30は、図29における円j部の詳細図である。図30に示すように、可動群44に備えられたコイルユニットY(441)と、固定群40に備えられたマグネットR(401)およびマグネットL(402)は、可動群44の駆動により、相対位置が図中右方向へズレている状態である。図30における太破線は、マグネットR(401)、マグネットL(402)、およびヨーク405によって発生する磁力線を表している。また、太破線上の矢印はNからSへの磁界の方向を示す。
図30において、磁気センサ445は、図14(B)にて説明した感磁面Fの中心部において、感磁面直交方向を通過する磁束密度を検出する。このため、磁気センサ445は、感磁面中心位置において、太破線で示す磁力線の垂直方向成分(図中出力Oの矢印方向成分)を検出する。このとき(すなわち、可動群44が図中右端にいるとき)、図27に示す出力Mと図30に示す出力Oとは、検出される磁束の方向が逆となり、磁気センサ445の出力Mと出力Oの極性(+または−)が逆となる。図27の状態と同様に、可動群44が右端にいる際の磁気センサ445の出力(出力O)は、シフトFPC443により不図示のカメラ制御部へ伝送され、カメラ制御部が記憶する。
(可動群中心出し制御)
不図示のカメラ制御部では、図27における図中左端での出力Mと図30における図中右端での出力Oを基に、可動群44の中心位置と磁気センサ445出力との整合性を算出する。すなわち、例えば、左端出力Mが(−4)、右端出力Oが(+5)である場合、可動群44の中心位置における磁気センサ445の出力は、{(−4)+(+5)}/2=(+0.5)となる。可動群44の中心出しの動作は、図20(略光軸中心)、図25(左端)、図28(右端)という流れで行われる。中心出しの動作を行う際、ピッチ側(図中上下方向)は、位置が変わらないようにコイルユニットP(442)へ流れる電流が制御される。
ピッチ方向の位置は、図20の位置(略光軸中心)から変化がなく、ヨー側のアクチュエーターの駆動方向にのみ駆動し、左右の可動端と当接する。このため、可動群44は、必ず外周リブ458の一部が、右端では可動群動接部419の中心付近、左端では可動群当接部419と対向する開口部421の一辺の中心付近、と当接することとなる。これにより、本実施形態に係る可動群当接部419は、アクチュエーターの中心付近と光軸とを結んだラインと垂直な所定の領域に平面を成して形成している。なお、図20の状態では、シフトバネ47のみによって、可動群44の位置が決まった状態であるため、シフトバネ47の係合位置によって、可動群44の位置は、所定量バラつく。
(手振れ補正レンズ位置と磁気センサ出力の関係)
図31は、手振れ補正レンズ(可動群44)と磁気センサの出力の関係を示すグラフである。横軸は、手振れ補正レンズの位置、縦軸は、磁気センサの出力示す。図31における線Aは、マグネット中心間距離やマグネット位置が理想的な位置に配置されている場合の理論曲線である。点Cは、線A上において、手振れ補正レンズの位置が0(光軸上)にいる場合を示す。理想曲線である線Aにおいては、点C上で磁気センサ出力が0となる。これは、図9を用いて説明したように、マグネット間隔およびマグネット位置が理想的な位置に配置されている場合、理論上、磁気センサの感磁面中心を感磁面垂直方向に通過する磁束が発生しないためである。
(磁気センサ出力リニアリティー)
線Aにおいて、点Dから点Eの区間では、手振れ補正レンズの位置と磁気センサ出力の関係が直線的に変化している。点Dおよび点Eは、線Aにおける変局点を表し、点Dより左端側、点Eより右端側では、点DE間に対して傾きが変化している。これは、一対のマグネットにより発生する磁界の磁束密度変化量が、マグネット端に向かう程小さくなる為である。なお、図31では図示を分かりやすくするため、点Dおよび点Eの変局点において磁気センサ出力の変化を折れ線で示すが、実際は、緩やかにS字を描く曲線となる。点Eと点Dの位置は、マグネットが理想的な位置に配置される場合、手振れ補正レンズ中心位置に対して左右対称となる。
ここで、手振れ補正レンズの位置と磁気センサの出力との関係を示す直線の直進性を、リニアリティーと称する。図31において、点D〜点E間では、リニアリティーが良いと表現する。本実施形態に係る手振れ補正装置では、手振れ補正レンズを制御する際、この理想曲線Aを基に様々な制御パラメータを作成する。例えば、磁気センサの出力に対する手振れ補正レンズ位置算出では、この理想曲線のリニアリティーを考慮し、磁気センサ出力から手振れ補正レンズの位置4を算出することとなる。
(実際の出力と補正)
図31における一点鎖線で示す曲線Bは、マグネット間距離およびマグネット位置が理想の位置から外れている場合の、手振れ補正レンズの位置と磁気センサの出力を示す曲線である。点Fは、手振れ補正レンズの位置が中心にある場合の、磁気センサの出力を示す。曲線Bでは、マグネットが理想的な位置にいないため、中心での出力が0にならない。例えば、本実施形態では、手振れ補正レンズが光学中心にある時、磁気センサ出力が(+0.5)となっている。
点Gと点Hは、曲線Bのリニアリティーが変化し、手振れ補正レンズ位置に対する磁気センサの出力の変化量が変化する、変局点を示す。曲線Bでは、マグネット間隔およびマグネット位置が理想の位置から外れているため、変局点G、Hの位置が、手振れ補正レンズ中心に対して左右対称ではない。
この手振れ補正レンズの中心位置と磁気センサの出力のズレに対して、手振れ補正レンズの中心位置における磁気センサ出力が0となるように、制御上補正をする。具体的には、図31における、点Fの位置が点Cの位置にくるように、線Bをオフセットさせる。このような補正を行うことで、マグネット間距離およびマグネット位置が理想の位置から外れている場合でも、手振れ補正レンズの中心位置と磁気センサ出力の整合性をとることが可能である。
例え、このような補正を行ったとしても、線Bにおける点Gおよび点Hは、左右非対称のずれた位置となる(すなわち、オフセットしても点Gと点D、点Hと点Eが一致しない)。このため、左端および右端付近では、理想曲線Aと重ならない磁気センサの出力が得られることとなる。このため、手振れ補正レンズの位置を磁気センサでは正確に把握できず、手振れ補正装置4の機能を発揮できなくなってしまう。
以上、説明してきたように、手振れ補正レンズ中心出しと補正方法から、マグネット間距離とマグネット位置は、手振れ補正装置4の性能を保つために非常に重要な要素である。本実施形態に係る手振れ補正装置4では、図8を用いて説明したように、光軸側に配置されるマグネットが、可動群当接部419の左右に設けられた切り欠き418を使って、マグネットを仕切り壁に必ず付き当てられた状態で接着固定できる。このため、図5に示す寸法αおよび寸法βを安定して精度良く保つことが可能である。このような構成により、図31における理想曲線Aのような特性を得ることが可能となり、手振れ補正装置4の性能を保つことができる。なお、ピッチ方向も、同様の構成であるため、その説明を省略する。
(手振れ補正装置の取り付け)
図32(A)〜(D)は、手振れ補正装置4を3群移動部材3aに取り付けた状態を示す図である。図32(A)および(B)は、手振れ補正装置4の取り付け状態の背面斜視図であり、図32(C)は、背面図であり、図32(D)は、底面図である。図32(A)および(B)に示すように、押さえ板金48は、立ち曲げ部480が光軸前方方向へ延出されて配置される。
また、図32(C)に示すように、手振れ補正装置4は、2本のビスであるシフト締結ビス490と1本のビスである共締めビス491によって、3群移動移動部材3aに締結固定される。共締めビス491は、シフトベース41と押さえ板金48を共締めする。そして、図32(D)に示すように、シフトFPC443の補強板部は、底面側よりFPC締結ビス492によってシフトベース41に固定される。これにより、可動群44の駆動に合わせて、揺動部449が所定の範囲内で揺動可能となる。
また、図32に示すように、共締めビス491は、可動群44の可動範囲と光軸方向にズレらして配置される。すなわち、本実施形態では、揺動部449の前方(被写体側)に共締めビス491が配置される。このため、可動群44と固定部が干渉することなく、手振れ補正装置4を小型化することができる。
以上、本実施形態によれば、手振れ補正装置4の可動群44を駆動するためのアクチュエーターであるマグネットを光軸方向へ寄せて配置することで、手振れ補正装置4の光軸を中心とする半径方向の小型化を実現している。また、マグネットと近接する可動端壁には、可動群44の中心出しを行う平面で形成された可動群当接部419と、可動群当接部419の両端にマグネット側面を露出させる切り欠き418を設けている。このため、マグネットを光軸方向へ寄せて配置した場合でも、切り欠き418を利用しマグネットの中心寄せが可能であり、マグネット間距離および配置位置寸法を安定して精度よく保つことが可能である。また、マグネットと可動端壁には所定寸法の隙間が確保されるため、可動群当接部419が変形することなく、可動群44の中心出しを良好に行うことができる。
(第2実施形態)
第2の実施形態について、カメラに備えられたレンズ鏡筒について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態において説明した構成要素と類似する(または同一の)構成要素については同一の呼称とし、その詳細な説明を省略する。また、本実施形態では、固定群のシフトベースとマグネットの構成のみについて説明する。
図33は、本実施形態に係るシフトベースの背面図である。図33において、本実施形態に係るシフトベース51は、中心部に八角形状に形成された貫通孔であるところの、開口部521が設けられる。本実施形態に係るシフトベース51においても、ヨー側およびピッチ側に各々一対のマグネットが収納される収納部位が設けられる。なお、ヨー側とピッチ側は、光軸中心に90°回転させてた回転対称の構成である(略90度位相が異なる)ため、ヨー側のみ説明するものとする。
図34は、図33における円k部の詳細図である。シフトベース51の収納部は、一対のマグネット収納部の仕切り壁513と、マグネットRの光軸側の一側面を覆い、開口部521の一辺を成す可動端壁514と、マグネット収納部位の上下に形成された2か所のマグネット接着凹(接着部)517とを有する。また、マグネット接着凹517一側面より延出される一対の位置決め凸部515と、マグネット接着凹517に設けられた接着貫通孔516とを有する。さらに、可動端壁514の両端に形成された2つの切り欠き518と、切り欠き518の間で可動群中心出しの際に可動群が当接する部位である平面を成す可動群当接部519とを有する。なお、本実施形態では、ヨーク505は、シフトベース51に既に取り付けられた状態である。
図35は、図33の状態からマグネットR(501)およびマグネットL(502)を取り付けた状態を示す図である。図33に示すように、マグネットR(501)とマグネットL(502)は、ヨー側のマグネット収納部位に収納される。マグネットR(501)は、寄せ治具503により、切り欠き518を通して仕切り壁513へ押圧し当接される。
図36は、図35における線q−qにおいて断面を切り、図中の矢印方向から見た断面図である。図36に示すように、マグネットR(501)の光軸側の側面は、可動端壁514に設けられた切り欠き518によって露出している。そして、この部分に円筒状の寄せ治具503を用いてマグネットR(501)を仕切り壁513方向へ押圧し、マグネットR(501)を仕切り壁513へつき当てる。切り欠き518の中央部には、平面で形成される可動群当接部519が形成される。第1実施形態で説明したように、可動群当接部519は、可動群の中心出しを行う際に可動群が当接する部位である。
図37は、図35における円k部の詳細図である。マグネットR(501)は、マグネット接着凹517の光軸側の一側面より延出された一対の位置決め凸部515によって、図中の上下方向の位置が決まる。マグネット接着凹517は、マグネットR(501)およびマグネットL(502)に跨って形成される。第1実施形態同様、マグネットR(501)の収納部は、所定寸法γ分マグネットR(501)より大きく設定される。
寄せ治具503によってマグネットR(501)が仕切り壁513に当接している状態で、マグネット接着剤520をマグネット接着凹517に塗布する。このとき、マグネットR(501)は、位置決め凸部515で上下方向の位置(寸法ω)が決まっているため、マグネットR(501)と位置決め凸部515との間には隙間がなく、マグネット接着剤520が光軸側へ流れ出るのを防止できる。また、マグネット接着凹517は、マグネットR(501)およびマグネットL(502)に跨って形成されているため、一度の接着剤塗布で両マグネットの固定が可能である。
位置決め凸部515より光軸中心側では、切り欠き518が設けられ、寸法θは、位置決め凸部の寸法ωより所定量大きく設定される。このような寸法設定を行うことで、切り欠き518へ寄せ治具503を挿通させやすくなり、マグネット寄せの作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、仕切り壁513をマグネットより長手方向で短く設定している。このように構成することで、接着剤520が一対のマグネットの間にも流入し(二点鎖線l部)、マグネット長手方向側の面と仕切り壁513の間でも接着され、接着強度を向上させることができる。
図38は、図37における線p−pにおいて断面を切り、図中矢印方向から見た断面図である。図38に示すように、マグネット接着剤520は、接着貫通孔516に流入し、ヨーク505とシフトベース51の接着も可能となり、マグネットの接着固定と同時にヨーク505の接着固定ができる。
以上、本実施形態によれば、一対のマグネットおよびヨークを同時に接着固定することができ、また、マグネット接着凹517の側壁を延長した位置決め凸部515の設置により、接着剤の流出を防止可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
4 手振れ補正装置(駆動ユニット)
401 マグネットR(第1のマグネット)
402 マグネットL(第2のマグネット)
41 シフトベース(固定部材)
413 仕切り壁(マグネット当接部)
414 可動端壁(壁部)
417 マグネット接着凹(接着部)
418 切り欠き部
419 可動群当接部(可動部材当接部)
44 可動群(可動部材)
441 コイルユニットY(コイル)

Claims (9)

  1. コイルが固定されている可動部材と、前記コイルに対応する位置にマグネットが固定されている固定部材と、を備え、前記コイルに通電することによって、前記可動部材を前記固定部材に対して移動させる駆動ユニットであって、
    前記固定部材には、前記マグネットを前記固定部材に固定する際に、前記マグネットを当接させるマグネット当接部が形成されており、前記マグネットを挟んで前記マグネット当接部の反対側に、前記可動部材を可動範囲の端まで移動させた際に前記可動部材が当接する可動部材当接部が形成されており、前記可動部材当接部の近傍にて、前記マグネット当接部に当接する前記マグネットの第1の面の裏面となる前記マグネットの第2の面を露出させる切り欠き部が形成されていることを特徴とする駆動ユニット。
  2. 前記可動部材当接部は、一方面が前記可動部材を可動範囲の端まで移動させた際に前記可動部材が当接し、他方面が前記固定部材に固定された前記マグネットに対向するように、前記固定部材に立設される壁部であって、
    前記マグネットが前記固定部材に固定された後、前記固定部材に固定された前記マグネットと前記壁部の他方面との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。
  3. 前記切り欠き部は、前記可動部材当接部を挟むように複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動ユニット。
  4. 前記切り欠き部の近傍に、前記マグネットを前記固定部材に接着する接着剤が供給される接着部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動ユニット。
  5. 前記マグネット当接部は、前記マグネットの長辺側が前記マグネット当接部に当接するように形成されており、
    前記接着部は、前記接着剤が前記マグネットの短辺側を接着するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の駆動ユニット。
  6. 前記マグネットは、第1および第2のマグネットを含み、
    前記第1および第2のマグネットは、前記マグネット当接部を挟むように、前記固定部材に配置されており、
    前記第1のマグネットが前記マグネット当接部の第1の面に当接し、前記第2のマグネットが前記マグネット当接部の前記第1の面の裏面となる第2の面に当接するように、前記第1および第2のマグネットが前記固定部材に固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の駆動ユニット。
  7. 前記可動部材は、レンズを保持していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動ユニット。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の駆動ユニットを備えるレンズ鏡筒。
  9. 請求項8に記載のレンズ鏡筒を備える光学機器。
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