JP2007119046A - 易開封性包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装体の開口部を形成するために、蓋材を剥離する際、容易に開封することができる易開封性包装体を提供する。
【解決手段】フィルム状の軟包装材料からなる包装体100であって、前記軟包装材料には、前記包装体から内容物を取出すための、開口部又は開口予定部150が形成され、前記軟包装材料と剥離可能な蓋材200が、前記開口部又は開口予定部150を覆うように、前記軟包装材料の表面に粘着されており、前記蓋材200の周縁の一部には、前記蓋材200の開封契機となる摘み部210が設けられており、この摘み部210には、当該摘み部210を起立可能とするヒンジ部212、又は当該摘み部が前記包装体表面から剥離している浮遊部、が設けられている易開封性包装体100である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ウエットティシュなどの各種内容物を収容する包装体に関し、更に詳しくは、包装体の開口領域を開閉する蓋材の開封構造に関する。
ウエットティシュのように、水分を含んだ内容物を収容する軟包装体においては、携帯に便利で、取り出し易く、かつ、残ったウエットティシュを再度使用する際の乾燥を防止するために再封止ができる軟包装体が検討されている。
このような軟包装体としては、軟包装体に施した切込み線の上に粘着性を有するラベルを圧着し、使用時にはラベルを剥がすことにより、切込み線の先端部から軟包装材を引き裂きながら、開口部を形成する軟包装体が市販されている。この軟包装体は、例えば、ポリプロピレン樹脂などで成型され気密性を有する外装容器と併用することにより、更に内容物の乾燥を防止することができる。
具体的には、ウエットティシュなどの内容物を収納し、繰り返して再密閉可能に構成された化粧用繊維素材の封入袋が、下記の特許文献1に開示されている。この封入袋は、袋本体に切れ目を形成して開口部を形成し、その上から、接着剤を介して剥離可能な蓋部材を設けた軟包装体であり、開口部を有し、かつ、その開口部の再封止ができるフィルム軟包装体である。
また、同様に、ウエットティシュを収納し、気密性を回復しながら、複数回にわたり剥がしたり貼り付けたりすることができるウエットティシュなどのケースが、特許文献2に開示されている。このケースは、包装材に切込みを有し、ラベルの引き剥がしによって形成される開口部が、全て同一のラベル面内に覆われている。これら特許文献1、2に記載された包装体は、ラベルによるリクローズ性が有り、消費者が使用後において、ラベルと包装体を完全に圧着すれば、高い気密性を維持することが可能である。
また、内容物を取り出すための開口部を、開閉自在に覆う蓋材を有する包装体が、特許文献3に開示されている。この包装体の蓋材は、ラベルの端部に指を掛ける部分が形成されているため、使用時の開封性を大きく改善することができる。
実開昭59−99974号公報 特表2001−525300号公報 特開平11−310281号公報
しかしながら、特許文献1、2の包装体は、ウェットティッシュの水分を外に逃がさず、所定回数の開閉に耐えるためには、蓋材と包装体とで、比較的強い接着強度が必要であった。また、これらのラベル素材は、シワにならずに何回も貼り直せ、ラベル自体にもある程度の水分バリアー性が求められため、消費者の摘み代として、ラベル端部も包装体フィルムに圧着している。したがって、フィルムとラベル摘み部分には僅かな隙間しかなく(実質的には限りなくゼロである)、消費者が開ける時に非常に開封し難いという課題があった。
特に非粘着部が短い場合(摘み部分が短い場合)においては、ラベルの剛性によりラベル摘み部分がフィルムに密着する傾向が顕著であり、上述のように外装容器と併せて使用し、製品のコンパクト化を目的とする場合において、ラベルの小型化を図ることができない。
また、特許文献3の包装体は、摘み部分に指を掛ける構造を設けない場合と比較して、摘み部分に要する面積を大きくしなければならないという課題があった。また、開封時の接着強度を上回る力で開封することを想定した場合、「指を掛ける部分」には、破けたりしないような相当の強さに耐えられるような強度としなければならなかった。その為、摘み部において、材質を厚く硬くする、ラベル端部もしくはラベル周部から、「指を掛ける部分」まで、距離を多くとる必要があり、結果として、不必要にコストを必要とし、また、コンパクト化への妨げとなっていた。
更に、特許文献1から3の包装体は、いずれも単独で使用するものであり、内容物の乾燥を防止するため、外装容器と併用して二重包装体として用いることは想定していなかった。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物を取り出すための開口部を有する包装体において、当該包装体の開口部を形成するために、蓋材を剥離する際に、容易に開封することができる易開封性包装体を提供する。更に、当該蓋材は再封止が可能であり、特に、外装容器とともに使用することで、気密性の改善を図ることができる易開封性包装体を提供する。
より具体的には、本発明は、以下の構成からなる易開封性包装体を提供する。
(1) フィルム状の軟包装材料からなる包装体であって、前記軟包装材料には、前記包装体から内容物を取出すための、開口部又は開口予定部が形成され、前記軟包装材料と剥離可能な蓋材が、前記開口部又は開口予定部を覆うように、前記軟包装材料の表面に粘着されており、前記蓋材の周縁の一部には、前記蓋材の開封契機となる摘み部が設けられており、この摘み部には、当該摘み部を起立可能とするヒンジ部、又は当該摘み部が前記包装体表面から剥離している浮遊部、が設けられている易開封性包装体。
本発明の易開封性包装体によれば、蓋材にヒンジ部が設けられている場合、ヒンジ部で蓋材を折り曲げることができる。したがって、摘み部を起立させることができ、摘み部を摘むことで、容易に包装体の開封を行うことができる。また、摘み部が包装体から剥離している浮遊部である場合、この浮遊部を摘むことで、容易に包装体の開封を行うことができる。
(2) 前記ヒンジ部が、前記蓋材に設けられる連続又は不連続の脆弱線によって形成されている(1)記載の易開封性包装体、又は、(3) 前記脆弱線は、貫通切込み線、ハーフカット線、押掛線のいずれか又は組み合わせである(2)記載の易開封性包装体。
この態様では、ヒンジ部が脆弱線によって形成されている。更に、脆弱線が、貫通切込み線、ハーフカット線、押掛線のいずれか又は組み合わせとすることが好ましい。この態様によれば、軟包装材料がヒンジ部で折れ易くなるため、摘み部を起立させ易くなる。
(4) 前記ヒンジ部は、前記摘み部の基部付近に、当該摘み部の突出方向に対して略垂直方向に設けられており、前記ヒンジ部は、前記突出方向の逆側に向かう略コの字状の貫通切込み線と、この略コの字状の両終点から前記摘み部の両側縁に伸びる前記脆弱線と、を有する(2)又は(3)記載の易開封性包装体。
この態様によれば、摘み部をヒンジ部で折り曲げることにより、略コの字状の貫通切込み線を介して、舌片部が形成される。摘み部を完全に折り返した場合、この舌片部を摘むことで、包装体の開封を行うことができる。また、摘み部を折り曲げた場合、舌片部が、摘み部の支持部となり、摘み部を包装体表面から浮き上がらせた状態で保持することが可能とる。したがって、浮き上がらせた摘み部を摘むことで、包装体の開封を行うことができる。
(5) 前記ヒンジ部の脆弱線は、前記摘み部の基部付近で、前記蓋材の積層構成又は厚みを変えることにより形成されている(2)記載の易開封性包装体。
この態様によれば、軟包装材料の積層構成又は厚みを変更することにより、脆弱線を形成している。したがって、ヒンジ部により、蓋材を折り曲げ易くなり、かつ、蓋材本体と摘み部とで厚みが異なるため、摘み部が押し上げられる、又は浮き上がる形状となり、摘み部を持ち易くなる。
(6) 前記包装体の表面に窪み部又は段差部が設けられ、この窪み部又は段差部に前記蓋材の前記摘み部の少なくとも一部を配置することで前記浮遊部が形成されている(1)記載の易開封性包装体。
この態様によれば、包装体表面に設けられている窪み部又は段差部に摘み部の少なくとも一部を配置し浮遊部を形成している。この浮遊部は包装体表面から浮き上がった状態で維持されているため、この浮遊部を摘むことで、包装体の開封を行うことができる。
(7) 前記蓋材は、剥離後においても再封止可能である(1)から(6)いずれか記載の易開封性包装体。
この態様によれば、蓋材は、剥離後においても再封止が可能であるため、複数回の使用においても内容物の乾燥を防止することができ、ウエットティシュ用の包装体として好適に用いることができる。
(8) (1)から(7)いずれか記載の易開封性包装体を、外装容器内に収容してなる二重包装体であって、前記外装容器は、前記易開封性包装体を収容時に前記易開封性包装体の蓋材が露出するように設けられた開口露出部と、この開口露出部を覆うように開閉自在に設けられたキャップ部と、を備え、前記蓋材の摘み部が、前記開口露出部に露出するように配置されている二重包装体。
この態様によれば、本発明の易開封性包装体と外装容器を併用することにより、外装容器に設けられているキャップ部と、包装体の蓋材とで、気密性を確保することができる。また、本発明の易開封性包装体は、起立可能な摘み部、又は包装体から剥離している浮遊部が設けられている。したがって、摘み部を外装容器の開口露出部に露出するように配置することにより、外装容器と併用した場合においても、包装体の蓋材を剥離し易い二重包装体を提供することができる。
(9) 前記蓋材の摘み部が、前記開口露出部の周縁付近に起立状態で配置されている(8)記載の二重包装体。
この態様によれば、蓋材の摘み部が外装容器の開口露出部の周縁付近に配置されているため、包装体の開口部を大きくすることができ、内容物の取り出し易い二重包装体を提供することができる。
本発明によれば、ヒンジ部を設けることにより容易に起立させることができる摘み部、又は摘み部に設けられている浮遊部を摘むことにより、容易に包装体の開封を行うことができる。また、包装体と外装容器とを併用することで、気密性に優れ、かつ、内容物の取り出し易い二重包装体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態の一例について、図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、同一の構成要件については同一符号を付し、その説明は省略もしくは簡略化する。
<易開封性包装体の全体構成>
図1から4は、本発明の易開封性包装体の実施形態の一例を示す図であり、図1は易開封性包装体の概略を示す斜視図、図2は図1における蓋材200の摘み部210付近の拡大図、図3は図1における摘み部210をヒンジ部212で折り返した易開封性包装体の斜視図、図4は易開封性包装体の開封状態を示す斜視図である。
図1に示すように、この包装体100は、軟包装材料からなるフィルム110で構成されたピロー包装体である。包装体100を水平に置いた状態において、フィルム110の上面側には蓋材200が粘着されている。131、132は、それぞれ上下の横シール部であり、背面側の中央部には図示しない背張り部がある。また、図示しないが、適時に折り畳まれたウエットティシュが包装体100中に封入されている。
包装体100のフィルム110の上面側には、図1に示すようにコの字状の第一切込み線111が形成されている。そして、このコの字状の第一切込み線111によって、コの字の内側に開口予定部150が設けられる。この開口予定部150は、後に蓋材200の剥離によって切り起こされて開口部となる部分である。そして、開口予定部150を覆うように、摘み部210を有する蓋材200が粘着されている。摘み部210以外の蓋材200の下面側には、図示しない粘着剤層が設けられている。そして、この粘着剤層を介して、フィルム110と蓋材200とが剥離可能に粘着されている。ここで「粘着」とは、再剥離および再封止が可能な状態をいう。なお、本発明においては、開口予定部150ではなく、完全に切り取られた開口部を形成してもよい。
フィルム110の上面における第一切込み線111のコの字の両終点の延長上には、そこから横シール部131にかけて続く、2本の平行な引き裂き誘導手段160が設けられている。この実施形態においては、引き裂き誘導手段160は仮想線として記載されており、実際には、フィルム110を構成する延伸フィルムの延伸方向が、仮想線の方向に一致しており、この延伸フィルムの配向が引き裂き誘導手段160となっている。
包装体100は、蓋材200と圧着される表面側から順に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、アルミニウム箔、ヒートシール性を有する無延伸プリプロピレン(CPP)などが貼り合わされた複合フィルムを使用するのが一般的である。
また、引き裂き誘導手段160の直線性を向上するため、包装体100の表面に一軸延伸PETを使用しても良い。また、第一切込み線を環状とした場合、この第一切込み線で囲まれた開口部を除去するために、ヒートシール性を有する素材が、イージーピール性(易開封性)のある素材を使用しても良い。
<蓋材>
図2は、蓋材200の摘み部210付近の拡大図である。蓋材200は、包装体100に接し、感圧接着剤が塗布された粘着剤層を有する蓋材本体220と、蓋材本体220の上部側縁から突状に延出されて開封時の契機となる摘み部210とからなっている。摘み部210は、蓋材200と包装体100とが圧着しないように感圧接着剤が塗布されていないか、又は、著しく接着強度が劣化されている。粘着強度を劣化させるためには、例えば、摘み部210にパウダーをかけることにより、粘着強度を落とす方法が挙げられる。また、蓋材本体220の長手方向の摘み部210と反対側の側縁には、包装体100から剥離されない程度に粘着された基端部230を有している。
蓋材200は、可撓性のフィルム又はシートで形成されている。可撓性のフィルムやシートとしては、例えば2軸延伸されたポリプロピレン樹脂の単層構造又は前記ポリプロピレン樹脂に表層が積層された多層構造の第一のシートと第二のシートとが重ねられた構造を持つフィルム等が用いられる。この場合は、第二のシートとはポリプロピレン樹脂のフィルム等が用いられ、第一のシートの表面に施した印刷層を保護するカバーシートとして機能する。
包装体100と接する粘着剤層に塗布する感圧接着剤としては、例えばアクリル系の糊剤、可塑剤を含んだポリ塩化ビニル組成物、エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニルモノマーがクラフト重合されたクラフト重合体などのクラフトマーを主体としたものが用いられる。
<摘み部の構成>
摘み部210には、蓋材200を引き上げる方向と垂直方向に摘み部210の先端が起立するための第二切込み線211と、起立した状態を維持しやすくするためのヒンジ部212が形成されている。第二切込み線211は、摘み部210の先端部に向かって開く略コの字状の非閉鎖状のスリットである。これによって囲まれる領域が舌片部213となる。そして、第二切込み線211の両終点から摘み部210の両側縁に向かってヒンジ部212がそれぞれ形成されている。ヒンジ部212は摘み部210の剥離方向と略垂直になるように形成されている。
本発明においては、ヒンジ部212は、第二切込み線211と任意の箇所で交わることができる。ただし、第二切込み線211のコの字状の内部に押掛が形成されると、舌片部213が折れ曲がり、舌片部213が突出して形成されないため、摘み部210が元に戻ろうとし、摘み部210を起立させることができない。また、舌片部213が舌片部として形成されないため、蓋材200を剥離する際、摘み部としての効果を有さなくなる。
第二切込み線の形状として、本実施形態は略コの字形状の第二切り込み線を一箇所設けたが、安定して舌片部を形成することができればその大きさ、個数、形状は特に限定されない。第二切込み線の他の例を図5、6に示す。図5は、コの字状の第二切込み線211aを二箇所形成した蓋材200aであり、図6は円弧状の第二切込み線211bを形成した蓋材200bである。このような形状とすることにより、舌片部の総面積を広くし、強度を強くすることができるため、数回にわたる剥離に耐えることができる。
本発明におけるヒンジ部は、フィルムに脆弱部を形成する方法であればよく、連続線であってもよく、ミシン目のような不連続線であってもよい。また、脆弱線は、貫通切込み線、ハーフカット線、押掛線のいずれかを単独又は組み合わせることができる。なお、本発明におけるヒンジ部とは、特定の線を中心にして回動可能な構造を意味する。したがって、本発明において、必ずしも第二切込み線211は有していなくてもよく、例えば、摘み部210の剥離方向と略垂直になるように直線状の1本のヒンジ部(脆弱線)のみで構成されていてもよい。
<摘み部の作用>
図3は、蓋材200が包装体100に圧着した状態において、摘み部210をヒンジ部212で折り返した易開封性包装体の斜視図である。図3に示すように、摘み部210をヒンジ部212で折り返すと、第二切込み線211で囲まれた舌片部213が、摘み部210から突出して形成され、舌片部213は、蓋材200の表面側と、包装体100の表面が接する構造となる。したがって、蓋材200の摘み部210を蓋材200、包装体100から浮き上がらせた状態で保持することができる。
図2において、第二切込み線211は、摘み部210に形成されているが、第二切込み線211の一部が、蓋材本体220内に形成されていても良い。ただし、この場合、図3のように折り返して使用する際、舌片部213の一部で、粘着剤が塗布された面が、表に露出することになるため、使用中にホコリ、汚れが付着するおそれがあるため、全て摘み部210に形成することが好ましい。
また、摘み部210は、完全に折り返さず、起立した状態で使用することもできる。この場合、舌片部213が摘み部210を起立させる支持部となるため、摘み部210を浮き上がらせた状態で保持することが可能となり、摘み部210を摘み易くなり、容易に包装体の剥離をすることができる。
<開封作用と基端部の例>
図4は、易開封性包装体の開封状態を示す斜視図である。包装体100において、蓋材200の摘み部210のヒンジ部212で折り返すことにより形成された舌片部213を摘み、蓋材200を剥離する。すると、蓋材200裏面側の粘着剤によって開口予定部150が粘着され、フィルム110の開口予定部150が、第一切込み線111に沿って切り離されて持ち上げられる。更に蓋材200を剥がすと、仮想線である引き裂き誘導手段160に沿ってフィルム110が引き裂かれ始め、基端部230まで引き裂いて、ウエットティシュを取り出す環状の開口部150が形成される。
第一切込み線111を起点とした引き裂き誘導手段160を蓋材200の内部で止め、かつ、蓋材200を適時リクローズさせて使用するために、蓋材200の摘み部210と対向する端部に基端部230が設けられている。この基端部230も、粘着剤層を介してフィルム110に粘着されているが、蓋材本体と異なり、フィルム110から剥離されない程度の強度で粘着されている。
本実施形態においては、包装体をコンパクト化し、更に、ウエットティシュを摘み出す開口部を可能な限り大きく取り、使用簡便性を向上させるという趣旨で、コの字状の第二切り込み線を形成している。しかし、開口部の形成に関しては、特に限定されず、同一の大きさの開口部を形成する場合、製造加工上のズレを考慮し、スリット形式よりも開口部を小さくするか、包装体自体を大きくしなければならない。実開昭59−99974号公報、特開平11−310281号公報に記載されているように、開口部を予め環状に形成し、ラベルを圧着する方法により形成することもできる。
基端部の他の例を図7に示す。図7の包装体100’における基端部230’は、更に、屈曲した第三切込み線240’を有する。これにより、蓋材200の剥離が進むと、第三切込み線240’に沿って蓋材200が切り離され、第三切込み線240’の終点で蓋材200’の剥離を止めることができる。
図8は、蓋材200を横シール部まで剥離した後の状態を示す斜視図である。この包装体は、現在、市販されている外装容器と組み合わせて使用する場合などの、大きな開口部による取り出し簡便性を優先したい場合に用いられる。
図9は、蓋材及び第一切込み線の拡大図である。図9に示す、蓋材200c及び第一切込み線111とすることで、図4又は図8に示すような両形態を、一つの包装体で選択的に用いることができる。この態様においては、蓋材200cの基端部230cに、包装体100に形成される引き裂き誘導手段160と平行に蓋材200を切断しやすくするための切込み線250cを設けている。これにより、図4に示すような再封止可能な形態で用いる場合は、基端部230cまで、蓋材200を剥離する。また、図8に示すように、蓋材200を横シール部まで剥離して使用する場合には、蓋材200に設けられている切込み線250cを越えて、剥離することにより、形成することができる。
図10は、蓋材及び切込み線の他の例を示す拡大図である。図7に示すような基端部230に屈曲した第三切込み線を有する場合においても同様に、第三切込み線240d近傍から、包装体100に形成される引き裂き誘導手段160と平行に蓋材200を切断しやすくするための切込み線250dを設けている。これにより、図9と同様の効果を得ることができる。
<蓋材の摘み部の他の例>
また、本発明は、使用者が蓋材を開封する際に、摘み部を指で摘み易くする事を主眼としている。蓋材の他の例として、図11から図19に蓋材の拡大断面図を示す。
図11の蓋材は、蓋材200eが、包装体100側に位置する第一のシート260eと、包装体の表側に位置する第二のシート261eの二種類のシートから構成されている。摘み部210eの第一のシート260eに、摘み部210eを浮きやすくするため、第一のシート260eを屈曲させることにより、屈曲部262eを形成している。この屈曲部262eを形成している部分は、第二のシート261eのみであるため、折り曲げることができ、ヒンジ部212eとして摘み部210eを起立することができる。この形態によれば、蓋材200eの第一のシート260eのみに施した屈曲部262eを、第二のシート261eが保持する形で、第一のシート260eと第二のシート261eが接合されている。したがって、一度強固に接合された屈曲部262eは、元に戻ろうとせず、屈曲部262eを維持しようとするため、摘み部210eを浮いた状態とさせることができる。
図12は、蓋材200fにおいて、第一のシート260fが、摘み部210fと、感圧接着剤を塗布した蓋材本体220fとの間で切断されている。この形態によれば、切断部263fによって、第一のシート260fの粘着性を異ならせることができるため、摘み部210aの垂直方向への自由度が高くなり、包装体の表面から浮き上がる状態を維持することが可能となる。また、切断部263fは、第二のシート261fのみで形成されているため、折れ曲がり易く、ヒンジ部212fで摘み部210fを起立させることができる。
図13、14は、図12の応用形態である。摘み部に相当し、包装体側に位置する第三のシートの厚みを、蓋材本体に相当する第一のシートと異ならせる事により、包装体に圧着後、摘み部を浮き上がらせる構造としている。
図13は、摘み部210gに相当する第三のシート264gの厚みが、第一のシート260gより厚い構造であり、包装体に圧着後は膜厚の差の分、摘み部210gが押し上げられる形で配置される。図14は、摘み部210hに相当する第三のシート264hの厚みが、第一のシート260hより薄い構造であり、包装体に圧着後は膜厚の差の分、摘み部210hが浮き上がる形で配置される。図13、14の形態についても図12の形態と同様に、第一のシートと第三のシートの切断部は、第二のシートのみで形成されているため、折れ曲がり易く、ヒンジ部で摘み部を起立させることができる。
図15、16は、図13、14の応用形態である。図15は、蓋材200iの摘み部210iに相当する位置に、第三のシート264iを接合した形態である。包装体に圧着後は、第三のシート264iの膜厚の分、摘み部210iが押し上げられる形で配置される。
図16は、蓋材200jの蓋材本体220jに相当する位置に第三のシート264jを接合した形態である。この場合は、第三のシート264jの包装体に圧着する側には、感圧接着剤が塗布されている。包装体に圧着後は第三のシート264jの膜厚の分、摘み部210jが浮き上がる形で配置される。図15、16は摘み部と蓋材本体とでシートの膜厚が異なるため、ヒンジ部で摘み部を起立させることができる。
図17は、蓋材200kの摘み部210kに相当する部分を折り返し、第一のシート260k同士を圧着した形態である。この形態によると、摘み部210kは、折り返された厚みと反発する分、包装体100の表面より、摘み部210kが浮き上がる。また、摘み部210kと蓋材本体220kとで、膜圧が異なるため、ヒンジ部212kで折れ曲がり易く、摘み部210kを起立させることができる。
図18は、蓋材200mの摘み部210mの一部又は全てを包装体100mの表面より突出した形状で圧着した形態である。この形態によると、摘み部210mが包装体100mの表面上に配置されないため、実質的に包装体100m表面から浮き上がる形で配置される。
図19は、蓋材200nの摘み部210nの位置に相当する包装体100nの表面上に、窪み部170を設けた形態である。この形態によると、窪み部170の段差の分、摘み部210nが浮き上がる形で配置される。窪みは、包装体フィルムにエンボス加工などにより、形成することができる。本実施形態は、特に包装フィルムにアルミ箔などの保形性の高い素材が使用されている場合には、窪みが形成しやすく、好適に用いることができる。
また、図18及び19の蓋材の摘み部に設けられる第二切込み線は、第二切込み線全てを貫通させたスリット状でなくても、一定レベルの摘み部の浮き上がりを実現することができれば、押掛線又はミシン目とすることができる。
<外装容器>
本発明の易開封性包装体は、外装容器に収納して用いることにより、気密性に優れ、好適に用いることができる。図20から図23は、本発明の包装体を外装容器に収納して用いる態様の一例を示す図である。図20は外装容器の概略を示す斜視図、図21は包装体を外装容器に収納する状態を示す概略図、図22は包装体を外装容器に収納し、キャップ部を開けた状態を示す斜視図、図23は包装体が収納された外装容器の断面図を示す
外装容器300は、上蓋310、下蓋320、キャップ部330、ボタン340とから構成される。また、図示されていないが、キャップ部330の軸部分に回動用の金属バネが設置されている。ボタン340をキャップ部330と対向する方向に引き下げると、キャップ部330とボタン340との嵌合が外れ、キャップ部330軸部に設置された金属バネの反発により、キャップ部330が開き、上蓋310に形成された開口露出部350を露出する構造である。
外装容器300は、図21に示すように上蓋310と下蓋320を開封して、包装体100を収納する。包装体100は、下蓋320に設けられているリブ370により保持される。
図22は、外装容器300に包装体100が収納され、キャップ部330を開けた状態を示す図である。外装容器300の上蓋310にはキャップ部330に覆われる形で、シート取り出しの為の開口露出部350が予め配置されている。外装容器300の開口露出部350は、外装容器300の、キャップ部330が閉められた状態の時に、中のウェットティッシュが乾燥しないようにキャップ部330に形成されたインナーリングと呼ばれる環状の突起360を収納できるように、一定の厚みを持っている。また、下蓋320に設けられているリブ370は、滑り止めの効果を有するため、包装体100の開口予定部150と、外装容器300の開口露出部350は一致した状態で使用することができる。
図23は、外装容器300に包装体100が収納された状態での断面図である。本発明の包装体は、摘み部210が浮き上がった状態で収納されている。この摘み部210を、開口露出部350の段差に、配置することにより、消費者が使用時に、蓋材200を剥離し易い易開封性包装体機構を提供することができる。なお、摘み部210を折り返すことにより形成される舌片部を開口露出部350の段差に配置しても同様の効果を得ることができる。
また、図22においては、蓋材200の摘み部210が開口露出部350の周縁に配置されているが、摘み部を摘み、蓋材を開封することできれば、位置は限定されず、開口露出部に露出されるように配置されていればよい。
本発明の易開封性包装体の概略を示す斜視図である。 図1における蓋材の摘み部付近の拡大図である。 図1における摘み部をヒンジ部で折り返した易開封性包装体を示す斜視図である。 易開封性包装体の開封状態を示す斜視図である。 第二切込み線の他の例を示す摘み部付近の拡大図である。 第二切込み線の更に他の例を示す摘み部付近の拡大図である。 基端部の他の例を示す包装体の斜視図である。 蓋材を剥離した状態を示す斜視図である。 蓋材の他の例を示す拡大図である。 蓋材の更に他の例を示す拡大図である。 蓋材のシート形状を示す拡大断面図である。 蓋材のシート形状の他の例を示す拡大断面図である。 蓋材のシート形状の更に他の例を示す拡大断面図である。 蓋材のシート形状の更に他の例を示す拡大断面図である。 蓋材のシート形状の更に他の例を示す拡大断面図である。 蓋材のシート形状の更に他の例を示す拡大断面図である。 蓋材のシート形状の更に他の例を示す拡大断面図である。 蓋材と包装体の圧着状態の他の例を示す拡大断面図である。 蓋材と包装体の圧着状態の更に他の例を示す拡大断面図である。 外装容器の概略を示す斜視図である。 包装体を外装容器に収納する状態を示す概略図である。 外装容器のキャップ部を開けた状態を示す斜視図である。 包装体が収納された外装容器の断面図である。
符号の説明
100 包装体
110 フィルム
111 第一切込み線
131、132 横シール部
150 開口予定部、開口部
160 引き裂き誘導手段
170 窪み部
200 蓋材
210 摘み部
211 第二切込み線
212 ヒンジ部
213 舌片部
220 蓋材本体
230 基端部
240 第三切込み線
250 切込み線
260 第一のシート
261 第二のシート
262 屈曲部
263 切断部
264 第三のシート
300 外装容器
310 上蓋
320 下蓋
330 キャップ部
340 ボタン
350 開口露出部
360 突起
370 リブ

Claims (9)

  1. フィルム状の軟包装材料からなる包装体であって、
    前記軟包装材料には、前記包装体から内容物を取出すための、開口部又は開口予定部が形成され、
    前記軟包装材料と剥離可能な蓋材が、前記開口部又は開口予定部を覆うように、前記軟包装材料の表面に粘着されており、
    前記蓋材の周縁の一部には、前記蓋材の開封契機となる摘み部が設けられており、
    この摘み部には、当該摘み部を起立可能とするヒンジ部、又は当該摘み部が前記包装体表面から剥離している浮遊部、が設けられている易開封性包装体。
  2. 前記ヒンジ部が、前記蓋材に設けられる連続又は不連続の脆弱線によって形成されている請求項1記載の易開封性包装体。
  3. 前記脆弱線は、貫通切込み線、ハーフカット線、押掛線のいずれか又は組み合わせである請求項2記載の易開封性包装体。
  4. 前記ヒンジ部は、前記摘み部の基部付近に、当該摘み部の突出方向に対して略垂直方向に設けられており、
    前記ヒンジ部は、前記突出方向の逆側に向かう略コの字状の貫通切込み線と、この略コの字状の両終点から前記摘み部の両側縁に伸びる前記脆弱線と、を有する請求項2又は3記載の易開封性包装体。
  5. 前記ヒンジ部の脆弱線は、前記摘み部の基部付近で、前記蓋材の積層構成又は厚みを変えることにより形成されている請求項2記載の易開封性包装体。
  6. 前記包装体の表面に窪み部又は段差部が設けられ、この窪み部又は段差部に前記蓋材の前記摘み部の少なくとも一部を配置することで前記浮遊部が形成されている請求項1記載の易開封性包装体。
  7. 前記蓋材は、剥離後においても再封止可能である請求項1から6いずれか記載の易開封性包装体。
  8. 請求項1から7いずれか記載の易開封性包装体を、外装容器内に収容してなる二重包装体であって、
    前記外装容器は、前記易開封性包装体を収容時に前記易開封性包装体の蓋材が露出するように設けられた開口露出部と、この開口露出部を覆うように開閉自在に設けられたキャップ部と、を備え、
    前記蓋材の摘み部が、前記開口露出部に露出するように配置されている二重包装体。
  9. 前記蓋材の摘み部が、前記開口露出部の周縁付近に起立状態で配置されている請求項8記載の二重包装体。
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