JP2007118495A - プリントヘッドおよび画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDプリントヘッドにおいて、使用光量レンジ全域における各LEDの発光光量の適正化を高精度に実現する。
【解決手段】ライン状に配列された複数のLED各々の光量を補正するための濃度ムラ補正データCorrを記憶する濃度ムラ補正データ部112と、LEDの発光光量を設定する際の基準となる基準クロックを生成する基準クロック発生部116と、基準クロックと補正データとに基づいて、LED各々を駆動する点灯パルス幅を設定するPDOMV160と、PDOMV160により設定された点灯パルス幅に、点灯パルス幅に対応して定められた所定のオフセット量Offsetを加算する直線性補正部162とを備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置の印字ヘッドに用いられるプリントヘッド等に関し、より詳しくは発光素子としてLEDを用いたプリントヘッド等に関する。
近年、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる印字ヘッドとして、自己走査型LED(SLED:Self-scanning LED)アレイにより構成されたLEDプリントヘッド(LPH:LED Print Head)が開発されている。かかるSLEDは、発光素子であるLEDを選択的にオン/オフさせるスイッチング部にサイリスタ構造を採用することにより、スイッチング部とLEDとを同一のチップ上に配置することが可能である。また、スイッチング部に対してLEDをオン/オフ状態に設定するタイミング信号を送信する2本の信号線と、LEDに画像信号を送信する1本の信号線とによりLEDを駆動させることができるので、配線を簡素化することも可能である。そのため、SLEDを用いたLPHは、装置の小型化を図るには極めて効果的な印字ヘッドである。
このようなSLEDを用いたLPHでは、サイリスタ構造を有するスイッチング部により各LEDにおける点灯可能状態(オン状態)を次々に転送(走査)させながら、それに同期させてパルス幅変調された点灯信号を送信することで各LEDを点灯させている。そして、画像信号における点灯パルス幅について、LPH全体の光量を調整する全体光量制御と、各LED毎の光量のバラツキを調整する光量補正制御とが実行されることで、各LEDでの発光光量の適正化が図られている。
ここで、全体光量制御は、全LEDの光量を一律に制御するものである。すなわち、LPHによって露光される感光体の感度の経時変化や、温湿度等の環境条件に基づいて生じる静電潜像の電位変動、さらには静電潜像を現像する現像装置内の現像剤量の変動等が要因となって、形成される画像には濃度変動が生じる。そこで、全体光量制御は、このような要因による濃度変動を抑えるために実行される。また、光量補正制御は、各LED毎にそれぞれ独立に光量を制御するものである。すなわち、各LEDの発光特性差や配列位置の誤差等に起因して生じる各LED毎の光量の誤差は、画像上での濃度ムラを生じさせる。そこで、光量補正制御は、このような画像濃度ムラを抑えるため、すべてのLEDの光量を所定の範囲内に設定するために実行される。
このようなLPHにおける点灯パルス幅の制御に関する従来技術としては、LPHの全体光量を制御するための点灯時間基準値を設定し、この点灯時間基準値を画像の濃度ムラを補正するための各LED毎の補正量に基づいて補正して、各LED毎の点灯時間(点灯パルス幅)を設定するという技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−36628号公報(第5−8頁)
ところで、上記したLPHでの光量補正制御は、各LEDでの発光光量を設定する基準点灯パルス幅を各LED毎に補正し、同一の大きさの基準点灯パルス幅が入力されたLED各々が略同一の発光光量を出力するように調整するものである。そして、このような光量補正制御においては、基準点灯パルス幅とLEDの発光光量との関係を表す光量特性の変動幅が、使用光量レンジの全域において設計上の目標となる光量特性(目標光量特性)に対して所定の範囲(例えば、目標光量特性の0.5%)内となるように設定する必要がある。
しかしながら、LEDに対して点灯信号を出力するドライバ出力部は、通常、LEDが所定個(例えば、128個)ずつ搭載されたSLEDチップ毎にそれぞれ(例えば、58個)設けられている。そして、各ドライバ出力部においては、出力特性の線形性がそれぞれ異なり、また、発光するLED数に従って電源電圧変動(クロストーク)も発生する。そのために、実際に光量補正制御を行なっても、使用光量レンジの全域において各LEDの光量特性の変動幅を所定範囲内に設定することは難しい。特に、副走査方向の解像度を高解像度と低解像度とに切り替える必要がある場合には、使用光量レンジを広く設定する必要があるため、光量特性の変動幅を使用光量レンジ全域で所定範囲内に抑えることは極めて困難となる。
そして、各LEDにおける光量特性の変動幅を目標光量特性に対して所定範囲内に抑えることができない場合には、上記した画像濃度ムラの発生を充分に抑制することができないという問題が生じる。加えて、全体光量の設定精度も低下するので、感光体感度の経時変化や環境条件の変動等による画像濃度の変化に対して充分に対応することも困難となる。このような不都合は、特に高精細画像の形成時において顕著となる傾向がある。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、LEDプリントヘッドにおいて、使用光量レンジ全域における各LEDの発光光量の適正化を高精度に実現することにある。
かかる目的のもと、本発明のプリントヘッドは、画像形成装置にて像担持体を露光するプリントヘッドであって、ライン状に配列された複数の発光素子と、発光素子各々の光量を補正するための補正データを記憶する補正データ記憶部と、発光素子の発光光量を設定する際の基準となる基準クロックを生成する基準クロック発生部と、基準クロックと補正データとに基づいて、発光素子各々を駆動する点灯パルス幅を設定する点灯パルス幅設定部と、点灯パルス幅設定部により設定された点灯パルス幅に、点灯パルス幅に対応して定められた所定の定数を加算する定数加算処理部とを備えたことを特徴としている。
ここで、定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部にて点灯パルス幅が設定されるレンジ内における所定の領域毎に、異なる値の定数が設定されたことを特徴とすることができる。また、定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部にて点灯パルス幅が設定されるレンジ内における画像形成装置の解像度に対応して分割された所定の領域毎に、異なる値の定数が設定されたことを特徴とすることもできる。
さらに、定数加算処理部にて点灯パルス幅に加算される定数をかかる点灯パルス幅に対応付けて記憶するメモリをさらに備えたことを特徴とすることもできる。特に、定数加算処理部は、メモリから点灯パルス幅設定部により設定された点灯パルス幅に対応した定数がダウンロードされることを特徴とすることもできる。
また、発光素子は所定数毎に複数のチップ部材に配置されるとともに、チップ部材に対して一の点灯パルス幅設定部が配設され、定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部毎に対応させた定数が設定されていることを特徴とすることもできる。
さらに、本発明を画像形成装置として捉え、本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体を露光するプリントヘッドと、プリントヘッドの全体光量を指示する指示信号を出力する制御部とを有し、プリントヘッドは、ライン状に配列された複数の発光素子と、発光素子各々の光量を補正するための補正データを記憶する補正データ記憶部と、制御部からの指示信号に基づいて、発光素子の発光光量を設定する際の基準となる基準クロックを生成する基準クロック発生部と、基準クロックと補正データとに基づいて、発光素子各々を駆動する点灯パルス幅を設定する点灯パルス幅設定部と、点灯パルス幅設定部により設定された点灯パルス幅に所定の定数を加算する定数加算処理部とを備え、定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部にて点灯パルス幅が設定されるレンジ内における所定の領域毎に、異なる値の前記定数が設定されたことを特徴としている。
ここで、プリントヘッドによる印字解像度を切り替えるための解像度切替信号を出力する解像度切替制御部をさらに備え、プリントヘッドの定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部にて点灯パルス幅が設定されるレンジ内における解像度切替制御部からの解像度切替信号に基づいて分割された所定の領域毎に、異なる値の定数が設定されたことを特徴とすることができる。
また、プリントヘッドの定数加算処理部に設定される定数を所定の領域毎に対応させて記憶するメモリをさらに有することを特徴とすることができる。
さらに、定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部にて設定可能な点灯パルス幅のレンジ内で、点灯パルス幅に対する発光素子の光量特性の変動幅が設計上の目標とする光量特性に対して所定の範囲内となるように定数が設定されることを特徴とすることができる。また、定数加算処理部は、点灯パルス幅設定部にて設定可能な点灯パルス幅のレンジ内で、点灯パルス幅に対する発光素子の光量特性の変動幅が設計上の目標とする光量特性に対して所定の範囲内となるように領域が設定されたことを特徴とすることもできる。
本発明によれば、LEDプリントヘッドでの各LEDの光量特性を使用光量レンジの全域にて目標光量特性に精度良く一致させることができるので、画像濃度ムラの発生を極めて小さく抑えることができる。また、全体光量を高精度に調整することも可能となるので、感光体感度の経時変化や環境条件の変動等に対応させて、画像濃度の一様性を維持することもできる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態にて測定対象となるLEDプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタ1であり、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成プロセス部10、画像形成プロセス部10を制御する制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)2や画像読取装置(IIT)3に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部(IPS:Image Processing System)40を備えている。
画像形成プロセス部10は、一定の間隔を置いて並列的に配置される4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kを備えている。画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、静電潜像を形成してトナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を所定電位で一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を露光する露光器としてのLEDプリントヘッド(LPH)14、LPH14によって得られた静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16を備えている。
さらに、現像器15の下流側近傍には、感光体ドラム12に対向して、感光体ドラム12上に形成されたテスト用パッチ(濃度見本)のトナー像濃度を検出する濃度検出回路17が備えられている。この濃度検出回路17は制御部30に接続され、トナー像濃度検出値を出力する。
ここで、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、現像器15に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト21、各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各色トナー像を中間転写ベルト21に順次転写(一次転写)させる一次転写帯電器としての一次転写ロール22、中間転写ベルト21上に転写された重畳トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写帯電器としての二次転写ロール23、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器25を備えている。
本実施の形態のデジタルカラープリンタ1では、画像形成プロセス部10は、制御部30から供給された同期信号等の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。その際に、PC2やIIT3から入力された画像データは、画像処理部40によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kに供給される。そして、例えばイエローの画像形成ユニット11Yでは、帯電器13により所定電位で一様に帯電された感光体ドラム12の表面が、画像処理部40から得られた画像データに基づいて発光するLPH14により露光されて、感光体ドラム12上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上にはイエローのトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11M,11C,11Kにおいても、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kで形成された各色トナー像は、図1の矢印A方向に回動する中間転写ベルト21上に、一次転写ロール22により順次静電吸引され、中間転写ベルト21上に重畳されたトナー像が形成される。重畳トナー像は、中間転写ベルト21の移動に伴って二次転写ロール23が配設された領域(二次転写部)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、トナー像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて用紙Pが二次転写部に供給される。そして、二次転写部にて二次転写ロール23により形成される転写電界により、重畳トナー像は搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト21から剥離され、搬送ベルト24により定着器25まで搬送される。定着器25に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器25によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に搬送される。
図2は、露光器であるLEDプリントヘッド(LPH)14の構成を示した図である。図2において、LPH14は、支持体としてのハウジング61、発光部を構成する自己走査型LEDアレイ(SLED)63、SLED63やSLED63を駆動する駆動信号発生手段としての駆動回路(信号発生回路)100(後段の図3参照)等を搭載するLED回路基板62、SLED63からの光を感光体ドラム12表面に結像させる光学部材であるロッドレンズアレイ64、ロッドレンズアレイ64を支持するとともにSLED63を外部から遮蔽するホルダー65、ハウジング61をロッドレンズアレイ64方向に付勢する板バネ66を備えている。
ハウジング61は、アルミニウム、SUS等のブロックまたは板金で形成され、LED回路基板62を支持している。また、ホルダー65は、ハウジング61およびロッドレンズアレイ64を支持し、SLED63の発光点とロッドレンズアレイ64の焦点とが一致するように設定している。さらに、ホルダー65はSLED63を密閉するように構成されている。そのため、SLED63に外部からゴミが付着することを防ぐことができる。一方、板バネ66は、SLED63およびロッドレンズアレイ64の位置関係を保持するように、ハウジング61を介してLED回路基板62をロッドレンズアレイ64方向に付勢している。
このように構成されたLPH14は、調整ネジ(図示せず)によってロッドレンズアレイ64の光軸方向に移動可能に構成され、ロッドレンズアレイ64の結像位置(焦点面)が感光体ドラム12表面上に位置するように調整される。
LED回路基板62には、図3(LED回路基板62の平面図)に示したように、例えば58個のSLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)からなるSLED63が、感光体ドラム12の軸線方向と平行になるように精度良くライン状に配置されている。この場合、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に配置されたLEDアレイの端部境界において、各LEDアレイがSLEDチップ同士の連結部で連続的に配列されるように、SLEDチップは交互に千鳥状に配置されている。
また、LED回路基板62には、信号発生回路100、レベルシフト回路104、電源電圧を出力する3端子レギュレータ101、SLED63における光量補正値データ等を記憶するEEPROM102、デジタルカラープリンタ1本体との間で信号の送受信を行なうハーネス103が備えられている。
次に、LED回路基板62上の配線構成について説明する。
図4は、LED回路基板62上に形成されている配線図を示した図である。図4に示したように、LED回路基板62上には、各SLEDチップに電力を供給する+3.3Vの電源ライン105および接地(GND)された電源ライン106、信号発生回路100から各SLEDチップに対して点灯信号ΦI(ΦI1〜ΦI58)を送信する信号ライン107(107_1〜107_58)、転送信号CK1(CK1_1〜1_6)を送信する信号ライン108(108_1〜108_6)、転送信号CK2(CK2_1〜2_6)を送信する信号ライン109(109_1〜109_6)が配線されている。
そして、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)には、信号ライン107を介して、CHIP1〜CHIP58に対する点灯信号ΦIが入力される。また、信号ライン108を介して転送信号CK1(CK1_1〜1_6)、信号ライン109を介して転送信号CK2(CK2_1〜2_6)がそれぞれCHIP1〜CHIP58に入力される。
続いて、SLED63の回路構成を説明する。
図5は、SLED63の回路構成を説明する図である。本実施の形態のSLED63は、レベルシフト回路104を介して信号発生回路100に接続されている。レベルシフト回路104は、抵抗R1BとコンデンサC1、および抵抗R2BとコンデンサC2がそれぞれ並列に配置された構成を有し、それぞれの一端がSLED63の入力端子に接続され、他端が信号発生回路100の出力端子に接続されている。そして、信号発生回路100から出力される転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cに基づいて、転送信号CK1および転送信号CK2をSLED63に出力するように構成されている。
なお、本実施の形態のSLED63には、58個のSLEDチップが直列に配列されているが、図5では、1つのSLEDチップだけを示している。そして、以下の説明では、便宜上SLEDチップをSLED63と称することとする。
図5に示したように、SLED63は、スイッチ素子としての128個のサイリスタS1〜S128、発光素子としての128個のLED L1〜L128、128個のダイオードD1〜D128、128個の抵抗R1〜R128、さらには信号ラインΦ1、Φ2に過剰な電流が流れるのを防止する転送電流制限抵抗R1A、R2Aで構成されている。
なお、ここでは、LED L1〜L128への電流の供給を制御するサイリスタS1〜S128とダイオードD1〜D128とで主に構成される部分を転送部と呼ぶ。
本実施の形態のSLED63では、各サイリスタS1〜S128のアノード端子(入力端)A1〜A128は電源ライン105に接続されている。この電源ライン105には電源電圧VDD(=+3.3V)が供給される。
奇数番目サイリスタS1、S3、…、S127のカソード端子(出力端)K1、K3、…、K127には、信号発生回路100からレベルシフト回路104および転送電流制限抵抗R1Aを介して転送信号CK1が送信される。
また、偶数番目のサイリスタS2、S4、…、S128のカソード端子(出力端)K2、K4、…、K128には、信号発生回路100からレベルシフト回路104および転送電流制限抵抗R2Aを介して転送信号CK2が送信される。
一方、各サイリスタS1〜S128のゲート端子(制御端)G1〜G128は、各サイリスタS1〜S128に対応して設けられた抵抗R1〜R128を介して電源ライン106に各々接続されている。なお、電源ライン106は接地(GND)されている。
また、各サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128と、各サイリスタS1〜S128に対応して設けられたLED L1〜L128のゲート端子とは各々接続される。
さらに、各サイリスタS1〜S128のゲート端子G1〜G128には、ダイオードD1〜D128のカソード端子が接続されている。そして、サイリスタS1〜S127のゲート端子G1〜G127には、次段のダイオードD2〜D128のアノード端子に各々接続されている。すなわち、各ダイオードD1〜D128はゲート端子G1〜G127を挟んで直列接続されている。
ダイオードD1のアノード端子は転送電流制限抵抗R2Aおよびレベルシフト回路104を介して信号発生回路100に接続され、転送信号CK2が送信される。また、LED L1〜L128のカソード端子は、信号発生回路100に接続されて、点灯信号ΦIが送信される。
さらには、SLED63には、転送部においてサイリスタS1〜S128およびダイオードD1〜D128を覆うように遮光マスク50を配置している。これは、画像形成動作中に、オン状態にあって電流が流れている状態におけるサイリスタS1〜S128や、電流が流れている状態におけるダイオードD1〜D128からの発光を遮断し、不要光が感光体ドラム12を露光することを抑制するために設けられている。
次に、信号発生回路100およびレベルシフト回路104から出力されるSLED63を駆動する信号(駆動信号)について説明する。
図6は、信号発生回路100およびレベルシフト回路104から出力される駆動信号を示すタイミングチャートである。なお、図6に示すタイミングチャートでは、すべてのLEDが光書き込みを行う(発光する)場合について表記している。
(1)まず、画像形成装置から信号発生回路100にリセット信号(RST)が入力されることによって、信号発生回路100では、転送信号CK1Cをハイレベル(以下、「H」と記す。)、転送信号CK1Rを「H」として、転送信号CK1が「H」に設定され、また、転送信号CK2Cをローレベル(以下、「L」と記す。)、転送信号CK2Rを「L」として、転送信号CK2がローレベル「L」に設定されて、すべてのサイリスタS1〜S128がオフの状態に設定される(図6(a))。
(2)リセット信号(RST)に続いて、信号発生回路100から出力されるライン同期信号Lsyncが「H」になり(図6(A))、SLED63の動作を開始する。そして、このライン同期信号Lsyncに同期して、図6(E)、(F)、(G)に示すように、転送信号CK2Cおよび転送信号CK2Rを「H」として、転送信号CK2を「H」とする(図6(b))。
(3)次に、図6(C)に示すように、転送信号CK1Rを「L」にする(図6(c))。
(4)これに続いて、図6(B)に示すように、転送信号CK1Cを「L」にする(図6(d))。
この状態においては、サイリスタS1のゲート電流が流れ始める。その際に、信号発生回路100のトライステートバッファB1Rをハイインピーダンス(Hiz)にすることで、電流の逆流防止を行う。
その後、サイリスタS1のゲート電流により、サイリスタS1がオンし始め、ゲート電流が徐々に上昇する。それとともに、レベルシフト回路104のコンデンサC1に電流が流れ込むことで、転送信号CK1の電位も徐々に上昇する。
(5)所定時間(転送信号CK1電位がGND近傍になる時間)の経過後、信号発生回路100のトライステートバッファB1Rを「L」にする(図6(e))。そうすると、ゲートG1電位が上昇することによって信号ラインΦ1電位の上昇および転送信号CK1電位の上昇が生じ、それに伴いレベルシフト回路104の抵抗R1B側に電流が流れ始める。その一方で、転送信号CK1電位が上昇するのに従い、レベルシフト回路104のコンデンサC1に流れ込む電流は徐々に減少する。
そして、サイリスタS1が完全にオンし、定常状態になると、サイリスタS1のオン状態を保持するための電流がレベルシフト回路104の抵抗R1Bに流れるが、コンデンサC1には流れない。
なお、このとき、図6(B)に示すように、信号発生回路100のトライステートバッファB1Cをハイインピーダンス(Hiz)に設定する(図6(e))。
(6)サイリスタS1が完全にオンした状態で、図6(H)に示すように、点灯信号IDを「L」にする(図6(f))。このとき、ゲートG1電位>ゲートG2電位であるため、サイリスタ構造のLED L1のほうが早くオンし、点灯する。LED L1がオンするのに伴って、信号ラインΦ1の電位が上昇するため、LED L2以降のLEDはオンすることはない。すなわち、LED L1、L2、L3、L4、…は、最もゲート電圧の高いLED L1のみがオン(点灯)することになる。
(7)次に、図6(F)に示すように、転送信号CK2Rを「L」にすると(図6(g))、図6(c)の場合と同様に電流が流れ、レベルシフト回路104のコンデンサC2の両端に電圧が発生する。
(8)図6(E)に示すように、この状態で転送信号CK2Cを「L」にすると(図6(h))、サイリスタスイッチS2がターンオンする。
(9)そして、図6(B)、(C)に示すように、転送信号CK1C、CK1Rを同時に「H」にすると(図6(i))、サイリスタスイッチS1はターンオフし、抵抗R1を通って放電することによってゲートG1電位は除々に下降する。その際、サイリスタスイッチS2は完全にオンする。したがって、点灯信号端子IDからの画像データに対応した点灯信号ΦIを「L」/「H」することで、LED L2を点灯/非点灯させることが可能となる。なお、この場合ゲートG1の電位はすでにゲートG2の電位より低くなっているため、LED L1がオンすることはない。
(10)上記した動作を順次行い、LED L1〜L128を順次点灯させる。そして、終端のLED L128が消灯した図6中の「転送動作期間」の後においては、転送信号CK1C、CK1Rを「H」として転送信号CK1を「H」とし、さらに転送信号CK2C、CK2Rを「H」として転送信号CK2を「H」として、転送信号CK1および転送信号CK2を共に所定の時間だけ「H」の状態に保つ(図6中、「転送サイリスタをオフ」)。それによって、すべてのサイリスタS1〜S128がオフする。したがって、この状態においては、すべてのサイリスタS1〜S128に電流が流れることはないので、サイリスタS1〜S128は消灯(非点灯)の状態に保持される。
(11)さらに、転送信号CK1、CK2を共に所定の時間だけ「H」の状態に保った後、転送信号CK2C、CK2Rを「L」として転送信号CK2を「L」とする(図6中、「転送部に電流を流さない期間」)。これによって、ダイオードD1〜D128にも電流が流れることがないので、すべてのダイオードD1〜D128も非点灯の状態が保持される。
それにより、点灯信号ΦIが出力されて画像形成が終了した後の、感光体ドラム12(図1参照)が回転を停止した状態を含んだ非定常動作時においては、SLED63の転送部に対して電流が印加されない。そのため、感光体ドラム12が回転を停止している状態では、LED L1〜L128とともに、転送部に配置されたサイリスタS1〜S128およびダイオードD1〜D128にも電流が流れることはなく、サイリスタS1〜S128およびダイオードD1〜D128から光が出射されることがないので、感光体ドラム12が不要に露光されることが抑えられている。
続いて、信号発生回路100の構成を詳細に説明する。
図7は、信号発生回路100の構成を示すブロック図である。信号発生回路100は、画像データ展開部110、濃度ムラ補正データ部112、タイミング信号発生部114、基準クロック発生部116、各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に対応して設けられた点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58により主要部が構成されている。
画像データ展開部110には、画像処理部(IPS)40から画像データがシリアルに送信されてくる。画像データ展開部110は、送信された画像データを1〜128ドット目、129〜256ドット目、…、7297〜7424ドット目と各SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)毎の画像データに分割する。画像データ展開部110は点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58と接続されており、分割した画像データを各々対応する点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。
濃度ムラ補正データ部112は、SLED63内の各LED毎の光量のバラツキ等に起因する画像形成時の画像濃度ムラを修正するための濃度ムラ補正データCorrが記憶されている。そして、濃度ムラ補正データ部112からのデータ読出し信号に同期して、濃度ムラ補正データを点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力する。この濃度ムラ補正データCorrは、各LED毎に、各LEDによる光量のバラツキ等に応じて設定されたデータであって、本実施の形態では8ビット(0〜255)のデータとして形成される。
EEPROM102には、各LED毎の光量補正値データが格納されている。そして、マシン電源投入時に、EEPROM102から濃度ムラ補正データ部112に対して、各LED毎の光量補正値データがダウンロードされる。それにより、濃度ムラ補正データ部112には、光量補正値データが濃度ムラ補正データCorrとして記憶される。
ここで、EEPROM102に格納されている各LED毎の光量補正値データは、次のようにして求められる。LED毎の光量補正値データは、光プロファイル測定装置等により各LEDの光量を測定し、測定された光量データに基づいて生成される。
まず、LPH14を光プロファイル測定装置(不図示)に設置し、各LEDを点灯させて各LEDの光量分布データを測定する。そして、測定された光量分布データに関して、LEDの配列方向(主走査方向)の各座標位置における主走査方向とは直交する方向(副走査方向)の積分値を算出し、主走査方向での光量分布(光プロファイル)を得る。
続いて、光プロファイルにおける谷から谷までの光量を積分し、この積分値を谷から谷までの距離で割算することで谷と谷との間の領域の光量(露光エネルギ)密度を算出する。このようにして求められた各領域の露光エネルギ密度を各LEDの補正特性値とする。さらに、この補正特性値を所定の目標値に合わせるように、目標値との誤差分に応じて光量を増減して、すべての領域における補正特性値がフラット(平坦)になるようにする。このような平坦化処理された各領域毎の光量補正値を各LEDについての光量補正値とする。そして、全LEDについての光量補正値が光量補正値データとしてEEPROM102に格納される。
次に、基準クロック発生部116は、本体の制御部30、タイミング信号発生部114、および点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58と接続されている。
図8(基準クロック発生部116の構成を説明するブロック図)に示したように、基準クロック発生部116は、水晶発振器140、分周器1/M142、分周器1/N144、位相比較器146、および電圧制御発振器148からなるPLL回路134と、ルックアップテーブル(LUT)132とを含んで構成されている。
LUT132には制御部30からの光量調整データに基づいて分周比M、Nを決定するためのテーブルが記憶されている。水晶発振器140は分周器1/N144と接続されており、所定の周波数で発振し、発振した信号を分周器1/N144へと出力する。分周器1/N144はLUT132および位相比較器146と接続されており、LUT132からの光量調整データにより決定された分周比Nに基づいて水晶発振器140で発振された信号を分周する。位相比較器146は、分周器1/M142、分周器1/N144、および電圧制御発振器148と接続されており、分周器1/M142からの出力信号と、分周器1/N144からの出力信号とを比較する。この位相比較器146による比較結果(位相差)に応じて、電圧制御発振器148に供給するコントロール電圧が制御される。電圧制御発振器148はコントロール電圧に基づく周波数で、基準クロック信号を出力する。本実施の形態では、点灯可能期間を256に分割する周波数に相当するコントロール電圧が供給され、この周波数の基準クロック信号を生成して、すべての点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58へ出力する。また、電圧制御発振器148は分周器1/M142とも接続されており、電圧制御発振器148から出力された基準クロック信号は、分周器1/M142にも分岐されて入力される。分周器1/M142は、LUT132からの光量調整データにより決定された分周比Mに基づいて、電圧制御発振器148からフィードバックされた基準クロック信号を分周する。
タイミング信号発生部114は、制御部30および基準クロック発生部116と接続されており、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からの水平同期信号(Lsync)と同期して、転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cを生成する。転送信号CK1R,CK1Cおよび転送信号CK2R,CK2Cは、レベルシフト回路104を介することにより転送信号CK1および転送信号CK2となってLPH14に出力される。
また、タイミング信号発生部114は、濃度ムラ補正データ部112および画像データ展開部110と接続されており、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からのLsync信号と同期して、画像データ展開部110から各画素(各LED)に対応した画像データを読み出すためのデータ読出し信号、および濃度ムラ補正データ部112から各画素に対応した濃度ムラ補正データを読み出すためのデータ読出し信号を各々に対して出力している。さらに、タイミング信号発生部114は、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58とも接続されており、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を基に、制御部30からのLsync信号と同期して、SLED63の点灯開始のトリガ信号を出力している。
点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58は、各画素(各LED)の点灯時間(点灯パルス幅)を濃度ムラ補正データCorrおよび直線性補正値データOffsetに基づいて設定し、SLED63の各LEDを点灯するための制御信号(点灯信号)ΦI1〜ΦI58を生成する。そして、SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)に対して、それぞれ点灯信号ΦI1〜ΦI58を出力する。
具体的には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58は、図9(点灯時間制御・駆動部118の構成を説明するブロック図)に示したように、点灯パルス幅設定部の一例であるプリセッタブルデジタルワンショットマルチバイブレータ(PDOMV)160、定数加算処理部の一例である直線性補正部162、AND回路170を含んで構成されている。
AND回路170は、画像データ展開部110およびタイミング信号発生部114と接続されており、画像データ展開部110からの画像データが1(ON)のときには、タイミング信号発生部114からのトリガ信号(TRG)をPDOMV160に出力し、画像データが0(OFF)のときには、トリガ信号を出力しないように設定されている。
PDOMV160は、AND回路170、直線性補正部162、濃度ムラ補正データ部112、および基準クロック発生部116と接続されている。そして、AND回路170からのトリガ信号に同期して、基準クロック発生部116からの基準クロック信号を濃度ムラ補正データ部112からの濃度ムラ補正データCorrに応じて補正(ゲイン補正)された点灯パルス信号を発生し、直線性補正部162に出力する。
具体的には、PDOMV160では、次の(1)式の演算が行なわれて、ゲイン補正された点灯パルス幅(ゲイン補正済み点灯パルス幅)Pgが設定される。
Pg=BASE・(1+Corr/128) ……(1)
なお、(1)式において、「BASE」は基準クロック信号により生成される基準パルス幅である。また、本実施の形態の濃度ムラ補正データCorrは8ビットデータ(0〜255)であることから、(1)式では、濃度ムラ補正(ゲイン補正)に関する光量補正幅(調整レンジ)を最大補正値/最小補正値=3に設定した場合を示している。
次に、直線性補正部162は、SLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)毎に生じるLEDの発光開始時間のバラツキを補正するために、PDOMV160からの点灯パルス信号を補正して出力する。具体的には、直線性補正部162は、複数の遅延回路164(本実施の形態では、164−0〜164−7の8個)、遅延選択レジスタ166、遅延信号選択部165、AND回路167、OR回路168、点灯信号選択部169を含んで構成されている。
遅延回路164−0〜164−7は、PDOMV160と接続されており、各々がPDOMV160からの点灯パルス信号を遅延させるための異なる時間が設定されている。遅延選択レジスタ166は、遅延信号選択部165および点灯信号選択部169と接続されている。そして、遅延選択レジスタ166には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58毎に設定される遅延時間に対応する直線性補正値データOffset、および点灯信号選択データが格納されている。ここで、直線性補正値データOffsetは、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58毎に設定される所定の定数である。点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58毎の直線性補正値データOffsetおよび点灯信号選択データは予め測定され、メモリの一例としてのEEPROM102に格納されている。EEPROM102に格納された直線性補正値データOffsetおよび点灯信号選択データは、マシン電源投入時に遅延選択レジスタ166にダウンロードされる。なお、メモリとしてフラッシュROMを用いることもでき、その場合には、フラッシュROM自体を遅延選択レジスタ166として機能させることができる。
遅延信号選択部165は、AND回路167およびOR回路168と接続されており、遅延選択レジスタ166に格納された直線性補正値データ(以下、「オフセット量」とも表す。)Offsetに基づいて、遅延回路164−0〜164−7からの出力のいずれか1つを選択する。AND回路167は、PDOMV160からの点灯パルス信号と遅延信号選択部165により選択された遅延点灯パルス信号の論理積、すなわち、遅延前の点灯パルス信号と遅延後の点灯パルス信号との両方が点灯状態であれば点灯パルスを出力する。OR回路168は、PDOMV160からの点灯パルス信号と遅延信号選択部165により選択された遅延点灯パルス信号の論理和、すなわち、遅延前の点灯パルス信号と遅延後の点灯パルス信号の少なくとも一方が点灯状態であれば点灯パルスを出力する。
点灯信号選択部169は、遅延選択レジスタ166に格納された点灯選択データに基づいて、AND回路167またはOR回路168からの出力のいずれか一方を選択する。そして、選択された点灯パルスが点灯信号ΦIとしてMOSFET172を介してLPH14内のSLEDチップ(CHIP1〜CHIP58)へと出力される。
すなわち、遅延信号選択部165では、ゲイン補正済み点灯パルス幅Pgに所定のオフセット量Offsetを加算する次の(2)式の演算が行なわれる(オフセット補正)。そして、最終的な点灯信号ΦIにおける点灯パルス幅Poutが設定される。
Pout=BASE・(1+Corr/128)+Offset ……(2)
また、図7に示したように、LPH14には3端子レギュレータ101が接続され、LPH14に対して3端子レギュレータ101から安定した+3.3Vの電圧が供給されている。
続いて、EEPROM102に格納されている直線性補正値データ(オフセット量)Offsetについて説明する。
まず、図10は、直線性補正部162を機能させない場合、すなわちオフセット補正が実施されない場合において、異なる3つの点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−M(K、L、Mは1〜58の整数)から出力される点灯パルス信号の点灯パルス幅Poutと、その点灯パルス信号を受信したLEDが出力する露光エネルギ(=光強度×点灯パルス幅)との関係(この関係を、「光量特性」という。)の一例を示した図である。なお、図10では、直線性補正部162を機能させないので、点灯パルス幅Poutはゲイン補正済み点灯パルス幅Pgとなる。
また、図10では、各光量特性曲線毎に点灯パルス幅Pout(横軸)を正規化パルス幅に換算して表記している。すなわち、LPH14の使用露光エネルギレンジの最大値を3mJ/mとして、露光エネルギが3mJ/mとなるように設定した際のそれぞれの点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mから出力される点灯パルス幅Poutを基準(Pout=1)とする正規化を行なっている。これは、ゲイン補正時に用いる濃度ムラ補正量CorrがそれぞれのLEDで異なる値であることに対応させて、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58での点灯パルス幅Poutと露光エネルギとの関係を統一的な尺度により比較するために行なったものである。また、破線は、かかる点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58からの点灯パルス信号によってLEDが実際に駆動される際に要求される目標となる光量特性(目標光量特性)である。
図10に示したように、直線性補正部162を機能させない場合のLEDの光量特性は、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−M毎に異なった曲線を描くこととなる。このような光量特性差は、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58それぞれが有する固有の特性により生じるものである。すなわち、まず第1として、LEDから実際に光が出射される際には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58と各LEDとを接続する信号線のインダクタンスやキャパシティ等の影響を受けて、点灯信号ΦIの出力波形が完全な矩形とはならない。このことが主な要因となって、発光開始時間にはそれぞれ通常3〜15nsec程度の遅延時間が生じる。また第2として、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58においては、出力特性の線形性がそれぞれ異なる。また、発光するLED数に従って電源電圧変動(クロストーク)も発生する。そのために、光量特性の線形性にそれぞれ特有のバラツキが発生する。
このように、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58それぞれが有する異なった遅延時間と線形性のバラツキとが光量特性差を生じさせる。
そこで、本実施の形態のLPH14では、使用される露光エネルギ領域(使用露光エネルギレンジ)の全領域において各LEDの光量特性が目標光量特性とほぼ一致するように、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58毎に対応させて、上記した(2)式による演算に用いるオフセット量Offsetを設定している。そして、このオフセット量Offsetは、使用露光エネルギレンジを複数の領域に分割して、その分割された領域毎に異なるオフセット量Offsetが設定されている。
ここで、使用露光エネルギレンジでの分割された領域毎のオフセット量Offsetの設定について述べる。まず、本実施の形態のLPH14において、使用露光エネルギレンジの調整幅を約3倍(使用露光エネルギの最大値/使用露光エネルギの最小値≒3)に設定することを想定する。すなわち、具体的には、本実施の形態のLPH14での使用露光エネルギレンジは、一例として0.9〜3(mJ/m)の範囲であるものとする。
そうすると、図10において、使用露光エネルギレンジを2分割した際の第1領域および第2領域の全域で、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる各LEDの光量特性曲線が目標光量特性(破線)とほぼ一致するようにオフセット量Offsetを設定する必要がある。ところが、図10に示したように、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線は、第1領域では直線性が高いが、第1領域よりも低パルス幅領域側である第2領域では直線性が低い。そのため、第1領域および第2領域の全域において1つのオフセット量Offsetを設定することでは、LEDの光量特性を目標光量特性にほぼ一致させようとすることは困難である。すなわち、1つのオフセット量Offsetによりオフセット補正を行なおうとすると、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅は、第1領域および第2領域のいずれかにおいて許容値(例えば、目標光量特性の0.5%)を超えることは不可避である。
そのため、本実施の形態のLPH14では、まず、直線性の高い第1領域において、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となる第1オフセット量Offset1を設定する。図11は、第1オフセット量Offset1を用いてオフセット補正を実施した場合の点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる各LEDの光量特性の一例を示した図である。図11に示したように、第1オフセット量Offset1を用いてオフセット補正を実施することにより、第1領域において光量特性曲線の変動幅を許容範囲内に設定することが可能となる。この第1領域は、制御部30からの光量調整データに対応する第1使用露光エネルギレンジとなる。
具体的には、次のように第1オフセット量Offset1が設定される。まず、直線性補正部162によるオフセット補正を行なえば、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−M(実際には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58)による各LEDの光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲(例えば、目標光量特性の0.5%)内となるような第1領域を求める。すなわち、第1段階として、直線性補正部162によって光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内に設定可能な領域である第1領域が選定される。図11に示した例では、そのような第1領域は、露光エネルギが1.5〜3(mJ/m)の範囲であって、それに対応する正規化パルス幅がm〜1(0<m<1)であるとした場合を示している。
そして、第2段階として、第1領域の低パルス領域側の下限である、露光エネルギが1.5(mJ/m)であって正規化パルス幅がmである点(下限点)Qにおいて、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線が目標光量特性(破線)に一致するように、各点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mでの第1オフセット量Offset1を設定する。
次に、直線性の低い第2領域において、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる各LEDの光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となる第2オフセット量Offset2を設定する。この第2オフセット量Offset2を設定するに際しては、図12に示すように、直線性補正部162を機能させない場合の点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる各LEDの光量特性曲線について、それぞれ第1オフセット量Offset1を設定する際に用いた第1領域の下限点Qにて点灯パルス幅Pout(=Pg)を正規化する。すなわち、図12に示した例では、露光エネルギが1.5mJ/mとなるように設定した際のそれぞれの点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mから出力される点灯パルス幅Poutを基準(Pout=1)とする正規化を行なう。
そして、露光エネルギが1.5mJ/m以下である正規化された領域で、第1オフセット量Offset1を設定した場合と同様に、第2オフセット量Offset2を設定する。図13は、第2オフセット量Offset2を用いてオフセット補正を実施した場合の点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる各LEDの光量特性の一例を示した図である。図13に示したように、第2オフセット量Offset2を用いてオフセット補正を実施することにより、第2領域において光量特性曲線の変動幅を許容範囲内に設定することが可能となる。この第2領域は、制御部30からの光量調整データに対応する第2使用露光エネルギレンジとなる。
具体的には、次のように第2オフセット量Offset2が設定される。まず、露光エネルギが1.5mJ/m以下である正規化された領域において、直線性補正部162によるオフセット補正を行なえば、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−M(実際には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58)による各LEDの光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲(例えば、目標光量特性の0.5%)内となるような第2領域を求める。すなわち、第1段階として、直線性補正部162によって光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内に設定可能な領域である第2領域が選定される。図13に示した例では、そのような第2領域は、露光エネルギが0.9〜1.5(mJ/m)の範囲であって、それに対応する正規化パルス幅がn〜1(0<n<1)であるとした場合を示している。
そして、第2段階として、第2領域の低パルス領域側の下限である、露光エネルギが0.9(mJ/m)であって正規化パルス幅がnである点(下限点)Rにおいて、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線が目標光量特性(破線)に一致するように、各点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mでの第2オフセット量Offset2を設定する。
このように、使用露光エネルギレンジ内の露光エネルギ領域(第1使用露光エネルギレンジおよび第2使用露光エネルギレンジ)毎に第1オフセット量Offset1および第2オフセット量Offset2が設定された場合には、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58では、次のような(3)式、(4)式の演算が行なわれて、点灯信号ΦIの点灯パルス幅Poutが設定される。すなわち、制御部30からの光量調整データに基づいて使用露光エネルギレンジ内の第1使用露光エネルギレンジ(第1領域)が指定された場合には、
Pout=BASE・(1+Corr/128)+Offset1 ……(3)
また、制御部30からの光量調整データに基づいて使用露光エネルギレンジ内の第2使用露光エネルギレンジ(第2領域)が指定された場合には、
Pout=BASE・(1+Corr/128)+Offset2 ……(4)
ところで、上述したように、本実施の形態のLPH14においては、露光エネルギは0.9〜3(mJ/m)の範囲で調整可能に設定されることを想定している。したがって、露光エネルギが0.9〜3(mJ/m)の範囲で、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線が目標光量特性(破線)に一致するように、各点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mでのオフセット量Offsetを設定することとなる。
したがって、第2オフセット量Offset2を設定する第2領域が露光エネルギが0.9(mJ/m)よりも大きな範囲での領域である場合、すなわち、第1領域の下限点Qにて点灯パルス幅Poutを正規化して、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−M(実際には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58)による光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となるような第2領域を求めた際に、第2領域の下限点Rでの露光エネルギが0.9(mJ/m)以上であった場合には、第2領域の下限点Rと露光エネルギが0.9(mJ/m)との間の領域でさらに第3オフセット量Offset3を設定する必要がある。
この場合においても、第1オフセット量Offset1や第2オフセット量Offset2を設定した方法と同様に、直線性補正部162を機能させない場合の点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線を、各光量特性曲線毎に第2オフセット量Offset2を設定する際に用いた第2領域の下限点Rにて点灯パルス幅Pout(=Pg)を正規化する。そして、第2領域よりも低パルス側の正規化された領域で、直線性補正部162によるオフセット補正を行なえば、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−M(実際には、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58)による光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となるような第3領域を求める。さらに、第3領域の下限点において、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線が目標光量特性(破線)に一致するように、各点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mでの第3オフセット量Offset3を設定する。
このようにして、正規化された領域で、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となるような領域の下限点が、露光エネルギとして使用露光エネルギレンジの最小値である0.9(mJ/m)以下となるまでオフセット量Offsetを設定する。したがって、オフセット量Offsetは、使用露光エネルギレンジに対応して3以上の複数が設定される場合も当然に想定される。
なお、図13に示した例では、第2領域が使用露光エネルギレンジの最小値0.9(mJ/m)を含む場合を示しており、この場合には、第1領域での第1オフセット量Offset1および第2領域での第2オフセット量Offset2の設定により、露光エネルギレンジ0.9〜3(mJ/m)の全領域で、点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mによる光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅を許容範囲内に抑えることが可能となる。
使用露光エネルギレンジ内の露光エネルギ領域(第1使用露光エネルギレンジおよび第2使用露光エネルギレンジ)毎に設定された第1オフセット量Offset1および第2オフセット量Offset2は、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58毎に点灯パルス幅に対応付けられて、予めEEPROM102に記憶されている。ここで、第1オフセット量Offset1および第2オフセット量Offset2を設定する際においては、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58毎に、点灯パルス幅をそれぞれ第1使用露光エネルギレンジおよび第2使用露光エネルギレンジにて正規化処理している。そのため、正規化パルス幅から点灯パルス幅に変換することにより、それぞれのオフセット量Offsetは点灯パルス幅に対応付けられてEEPROM102に記憶される。
したがって、制御部30からの光量調整データ(指示値)に基づいて基準クロック発生部116において基準クロック信号が生成され、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58に出力された際に、その基準クロック信号に基づいて生成された点灯パルス幅に対応したオフセット量Offsetが、EEPROM102から各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58にダウンロードされることとなる。
このように、本実施の形態のLPH14においては、露光エネルギ領域(第1使用露光エネルギレンジおよび第2使用露光エネルギレンジ)毎に第1オフセット量Offset1および第2オフセット量Offset2を設定するので、使用露光エネルギレンジ内のほぼすべての領域において、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58による各LEDでの光量特性曲線は、目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となるように設定される。そのため、画像濃度ムラの発生を極めて小さく抑えることができる。また同時に、以下で述べるように、全体光量を精度良く調整することも可能となる。
すなわち、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(図1参照)では、所定のタイミングで感光体ドラム12上にテスト用パッチ(濃度見本)が形成され、濃度検出回路17はそのトナー像濃度を検出する。濃度検出回路17で検出されたトナー像濃度データは、制御部30に出力され、制御部30では、入力されたトナー像濃度データからLPH14での光量を演算して光量調整データを生成する。そして、生成された光量調整データは、基準クロック発生部116へ出力される。
光量調整データは、例えば感光体ドラム12の感度の変動、潜像電位(暗部電位Vや明部電位V)の変動、さらには現像器15内の現像剤量の変動等が要因となってトナー像濃度に変動が生じることから、これを一定に維持するために、LPH14での全体光量(LPH14内のLED全体の光量)を調整するために用いるデータである。そのため、光量調整データは、LPH14のSLED63内の各LEDの光量を一律に調整するための指示値として出力される。そして、基準クロック発生部116では光量調整データに対応した基準クロック信号が生成される。
そして、本実施の形態のLPH14では、露光エネルギ領域(第1使用露光エネルギレンジおよび第2使用露光エネルギレンジ)毎に第1オフセット量Offset1および第2オフセット量Offset2が設定されている。それにより、基準クロック発生部116から基準クロック信号を受信した各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58では、使用露光エネルギレンジ内のほぼすべての領域において、各LEDの光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となるように設定される。そのため、図14(指示値とLPH14の露光エネルギとの関係を示した図)に示したように、光量調整データ(指示値)とLPH14の露光エネルギとのリニアな関係を形成することができる。その結果として、ほぼすべての使用露光エネルギレンジ内において光量調整データに対応したLPH14の全体光量の設定を精度高く行なうことができるので、全体光量の調整前後での各画像間に明確な濃度差が生じることを抑制して、画像濃度の一様性を維持することが可能となる。
また、本実施の形態のLPH14では、デジタルカラープリンタ1が1200dpiといった通常画像を形成するモードと、写真画像等のグラフィックアーツ市場で要求される例えば4800dpiといった高精細画像を形成するモードとを切り替え可能に設定されている場合においても、各解像度毎のオフセット量Offsetを設定し、EEPROM102に記憶しておくことにより、解像度に対応したオフセット補正を行なうこともできる。
例えば、通常画像(1200dpi)モードでは、点灯パルス幅の大きい領域が使用されるため、上記した第1領域(第1使用露光エネルギレンジ)を対応させる。また、高精細画像(4800dpi)モードでは、点灯パルス幅の小さい領域が使用されるため、上記した第2領域(第2使用露光エネルギレンジ)を対応させる。そして、LPH14が解像度切替制御部としても機能する制御部30により解像度切替信号を受けた際には、制御部30からの制御信号により、EEPROM102からかかる解像度に対応した第1オフセット量Offset1または第2オフセット量Offset2を読み出し、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58の遅延選択レジスタ166に書き込むように設定することもできる。それにより、解像度が切り替えられた際に使用される露光エネルギレンジにおいても、点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58による各LEDでの光量特性曲線において、目標光量特性に対する変動幅を許容範囲内に抑えることが可能となる。そのため、高精細画像形成時においても、全体光量の調整前後での各画像間に明確な濃度差が生じることを抑制できる。
以上説明したように、本実施の形態のLPH14では、使用露光エネルギレンジを複数の露光エネルギ領域に分割する。その際に、分割される各露光エネルギ領域は、直線性補正部162でのオフセット補正により、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58による光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲内となるように設定可能な領域である。そして、分割された露光エネルギ領域(第1使用露光エネルギレンジおよび第2使用露光エネルギレンジ)毎に第1オフセット量Offset1および第2オフセット量Offset2を設定している。それにより、使用する露光エネルギ領域に応じて、第1オフセット量Offset1と第2オフセット量Offset2とを切り替えて使用することにより、使用露光エネルギレンジ内のほぼすべての領域において、各点灯時間制御・駆動部118−1〜118−58による光量特性曲線の目標光量特性に対する変動幅が許容範囲(例えば、目標光量特性の0.5%)内となるように設定することが可能となる。
そのため、画像濃度ムラの発生を極めて小さく抑えることができる。また、全体光量を精度良く調整することも可能となるので、感光体感度の経時変化や環境条件の変動等に対応させて、画像濃度の一様性を維持することもできる。
特に、例えば1200dpiといった通常画像を形成するモードと、写真画像等のグラフィックアーツ市場で要求される例えば4800dpiといった高精細画像を形成するモードとを切り替え可能な画像形成装置においても、各解像度毎にオフセット量Offsetを切り替えることで、ほぼすべての使用露光エネルギレンジにおいて光量調整データに対応したLPH14の全体光量の設定を精度高く行なうことができる。そのため、高精細画像形成時においても、全体光量の調整前後での各画像間に明確な濃度差が生じることを抑制し、一様な画像を提供することが可能となる。
本実施の形態のLEDプリントヘッドが用いられた画像形成装置の全体構成を示した図である。 LEDプリントヘッド(LPH)の構成を示した図である。 LED回路基板の平面図である。 LED回路基板上に形成されている配線図を示した図である。 SLEDの回路構成を説明する図である。 信号発生回路およびレベルシフト回路から出力される駆動信号を示すタイミングチャートである。 信号発生回路の構成を示すブロック図である。 基準クロック発生部の構成を説明するブロック図である。 点灯時間制御・駆動部の構成を説明するブロック図である。 点灯時間制御・駆動部118−K、118−L、118−Mから出力される点灯パルス信号の正規化パルス幅と、その点灯パルス信号を受信したLEDが出力する露光エネルギとの関係(光量特性)の一例を示した図である。 第1オフセット量を用いてオフセット補正を実施した場合の異なる点灯時間制御・駆動部による各LEDの光量特性の一例を示した図である。 異なる点灯時間制御・駆動部による各LEDの光量特性曲線について、各光量特性曲線毎に第1領域の下限点Qにて点灯パルス幅を正規化して表した図である。 第2オフセット量を用いてオフセット補正を実施した場合の異なる点灯時間制御・駆動部による各LEDの光量特性の一例を示した図である。 指示値とLPHの露光エネルギとの関係を示した図である。
符号の説明
1…デジタルカラープリンタ、10…画像形成プロセス部、11Y,11M,11C,11K…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、14…LEDプリントヘッド(LPH)、30…制御部、40…画像処理部(IPS)、62…LED回路基板、63…自己走査型LEDアレイ(SLED)、64…ロッドレンズアレイ、100…駆動回路(信号発生回路)、101…3端子レギュレータ、102…EEPROM、104…レベルシフト回路、110…画像データ展開部、112…濃度ムラ補正データ部、114…タイミング信号発生部、116…基準クロック発生部、118−1〜118−58…点灯時間制御・駆動部、160…プリセッタブルデジタルワンショットマルチバイブレータ(PDOMV)、162…直線性補正部、164−0〜164−7…遅延回路、165…遅延信号選択部、166…遅延選択レジスタ、167…AND回路、168…OR回路、169…点灯信号選択部

Claims (11)

  1. 画像形成装置にて像担持体を露光するプリントヘッドであって、
    ライン状に配列された複数の発光素子と、
    前記発光素子各々の光量を補正するための補正データを記憶する補正データ記憶部と、
    前記発光素子の発光光量を設定する際の基準となる基準クロックを生成する基準クロック発生部と、
    前記基準クロックと前記補正データとに基づいて、前記発光素子各々を駆動する点灯パルス幅を設定する点灯パルス幅設定部と、
    前記点灯パルス幅設定部により設定された前記点灯パルス幅に、当該点灯パルス幅に対応して定められた所定の定数を加算する定数加算処理部と
    を備えたことを特徴とするプリントヘッド。
  2. 前記定数加算処理部は、前記点灯パルス幅設定部にて前記点灯パルス幅が設定されるレンジ内における所定の領域毎に、異なる値の前記定数が設定されたことを特徴とする請求項1記載のプリントヘッド。
  3. 前記定数加算処理部は、前記点灯パルス幅設定部にて前記点灯パルス幅が設定されるレンジ内における前記画像形成装置の解像度に対応して分割された所定の領域毎に、異なる値の前記定数が設定されたことを特徴とする請求項1記載のプリントヘッド。
  4. 前記定数加算処理部にて前記点灯パルス幅に加算される前記定数を当該点灯パルス幅に対応付けて記憶するメモリをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のプリントヘッド。
  5. 前記定数加算処理部は、前記メモリから前記点灯パルス幅設定部により設定された前記点灯パルス幅に対応した前記定数がダウンロードされることを特徴とする請求項4記載のプリントヘッド。
  6. 前記発光素子は所定数毎に複数のチップ部材に配置されるとともに、当該チップ部材に対して一の前記点灯パルス幅設定部が配設され、前記定数加算処理部は、当該点灯パルス幅設定部毎に対応させた前記定数が設定されていることを特徴とする請求項1記載のプリントヘッド。
  7. 感光体と、
    前記感光体を露光するプリントヘッドと、
    前記プリントヘッドの全体光量を指示する指示信号を出力する制御部とを有し、
    前記プリントヘッドは、
    ライン状に配列された複数の発光素子と、
    前記発光素子各々の光量を補正するための補正データを記憶する補正データ記憶部と、
    前記制御部からの前記指示信号に基づいて、前記発光素子の発光光量を設定する際の基準となる基準クロックを生成する基準クロック発生部と、
    前記基準クロックと前記補正データとに基づいて、前記発光素子各々を駆動する点灯パルス幅を設定する点灯パルス幅設定部と、
    前記点灯パルス幅設定部により設定された前記点灯パルス幅に所定の定数を加算する定数加算処理部とを備え、
    前記定数加算処理部は、前記点灯パルス幅設定部にて前記点灯パルス幅が設定されるレンジ内における所定の領域毎に、異なる値の前記定数が設定されたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記プリントヘッドによる印字解像度を切り替えるための解像度切替信号を出力する解像度切替制御部をさらに備え、
    前記プリントヘッドの前記定数加算処理部は、前記点灯パルス幅設定部にて前記点灯パルス幅が設定されるレンジ内における前記解像度切替制御部からの前記解像度切替信号に基づいて分割された所定の領域毎に、異なる値の前記定数が設定されたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記プリントヘッドの前記定数加算処理部に設定される前記定数を前記所定の領域毎に対応させて記憶するメモリをさらに有することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  10. 前記定数加算処理部は、前記点灯パルス幅設定部にて設定可能な前記点灯パルス幅のレンジ内で、当該点灯パルス幅に対する前記発光素子の光量特性の変動幅が設計上の目標とする光量特性に対して所定の範囲内となるように前記定数が設定されることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  11. 前記定数加算処理部は、前記点灯パルス幅設定部にて設定可能な前記点灯パルス幅のレンジ内で、当該点灯パルス幅に対する前記発光素子の光量特性の変動幅が設計上の目標とする光量特性に対して所定の範囲内となるように前記領域が設定されたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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