JP2007100409A - 舗装用保水マット及びこれを使用した舗装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】舗装体の保水性を高めて路面温度の上昇を安定して抑制することができ、しかも設備費や維持費を大幅に低減でき、舗装体の路面への悪影響も防止することができる舗装用保水マットを提供する。
【解決手段】この舗装用保水マット1は、舗装体の透水性を有する表層部分の内部若しくは裏面側に配設されるものであって、一対の透水シート3、3間に、水を吸収して膨張する吸水膨張体4と、その吸水膨張体4の膨張部分が入り込む膨張吸収空間Sを形成する保形体5とを積層した状態で挟み込むことによって構成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、舗装用保水マット及びこれを使用した排水性舗装や透水性舗装を施した舗装体に関する。
近年、車道や歩道、駐車場等において、車両の走行性の向上や自然環境の改善等を目的として、排水性舗装や透水性舗装を施した舗装体が適用されている。
排水性舗装が施された舗装体は、表層部分が空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物製の透水層となっていて、その透水層の直下にアスファルト混合物製の不透水層が設けられている。そして、路面に降った雨水は、路面に留まることなく透水層内に浸透し、不透水層の上面の排水勾配に沿って路肩方向へ導かれ、路床へ浸透することなく、排水溝等の排水施設に流れ込むようになっている。従って、この種の排水性舗装を施した舗装体では、路面に雨水が溜まらず、車両走行時の安全性を高めることができ、また透水層の空隙にエンジン音やタイヤのエアポンピング音が吸収されるので、交通騒音の低減も図ることができる。
透水性舗装が施された舗装体は、表層部分が空隙率の高い多孔質なアスファルト混合物製の透水層となっていて、その透水層の直下に砕石等を敷き詰めてなる路盤が設けられている。そして、路面に降った雨水は、路面に留まることなく透水層内に浸透し、この透水層から路盤を介して路床へ浸透するようになっている。従って、この種の透水性舗装を施した舗装体では、路面に雨水が溜まらず、歩き易い路面とすることができ、また雨水を地中に還元するので、樹木等の育成や地下水の涵養といった自然環境の改善、都市河川の氾濫抑制も図ることができる。
一方昨今、夏期における都市部の気温が異常に高くなるヒートアイランド現象が問題になっている。このヒートアイランド現象の発生要因として、土や植物で覆われていた地面が蓄熱し易いコンクリートやアスファルト製の舗装体に置き換わるとともに、コンクリート製の建物が増加して、これらが日中の太陽光の照射によって高温に温められて、日没後においても冷却が進まないことが挙げられる。
上記のような排水性舗装や透水性舗装を施した舗装体においても、雨水を十分に保持することはできず、透水層が乾燥し易くて、路面の高温化は免れない構造となっていた。従って、この種の舗装体において、ヒートアイランド現象の抑制に寄与させる上で、保水性をいかにして高めて路面温度の上昇を抑えるかが改善すべき技術的課題であった。
そこで、最近においては、排水性舗装を施した舗装体において、例えば特許文献1に開示されているように、透水層内に保水性を有する吸放湿体を混入したり、特許文献2に開示されているように、透水層内に給水する給水設備を設けた構造のものが提案されている。
また、透水性舗装を施した舗装体においては、例えば特許文献3に開示されているように、透水層と貯水槽とを導水可能に接続する導水部材を、透水層の下側に敷き込むようにした構造のものが提案されている。導水部材としては、不織布、高吸水性ポリマーの単体、高吸水性ポリマーを含んだ布等が用いられている。
特開2004−68449号公報 特開2004−169523号公報 特許第3496475号公報
しかしながら、透水層内に吸放湿体を混入させる場合には、吸放湿体が雨水を吸水した際に、透水層の空隙が埋まってしまって、排水性舗装本来の機能が損なわれて、車両走行時の安全性や交通騒音の低減に支障をきたすといった不具合がある。
また、給水設備を設ける場合には、配管、貯水槽、ポンプ等の設置が必要となり、設備コストが嵩むとともに、その後のメンテナンスも面倒であるといった不具合がある。
さらに、透水層と貯水槽とを導水部材によって接続する場合にも、貯水槽等が必要となって、設備コストが嵩むといった不具合がある。また、貯水槽を廃止して、自重の数百倍もの水を吸収して保持する保水性に優れた高吸水性ポリマーの単体、或いは、高吸水性ポリマーを含んだ布を、透水層の下側に単に敷き込むことも考えられるが、高吸水性ポリマーが水を吸って膨張するための空間がないため、保水量が制限されたり、また吸水性ポリマーが膨張したとしても、その膨張圧によって路面に凹凸やひび等の悪影響をもたらすといった不具合がある。
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、舗装体の保水性を高めて路面温度の上昇を安定して抑制することができ、しかも設備費や維持費を大幅に低減でき、舗装体の路面への悪影響も防止することができる舗装用保水マット及びこれを使用した舗装体を提供することである。
上記課題を解決するため、この発明の舗装用保水マットは、舗装体の透水性を有する表層部分33、43の内部若しくは裏面側に配設される舗装用保水マット1であって、水を吸収して膨張する吸水膨張体4と、その吸水膨張体4の膨張部分が入り込む膨張吸収空間Sを形成する保形体5とが積層されていることを特徴とする。
具体的に、前記吸水膨張体4は、吸水性ポリマーを主素材とする不織布からなり、この吸水膨張体4には、感温吸排水性樹脂10が混入されている。
また、前記保形体5は、複数の樹脂製の波状部材11・・を同一平面上に間隔をあけて並設してなり、それら波状部材11・・の凹部15・・及び波状部材11・・間の隙間が前記膨張吸収空間Sとされている。
さらに、一対の透水シート体3、3を備え、これら透水シート体3、3間に前記吸水膨張体4及び保形体5が挟み込まれている。
また、前記保形体5の一部を覆うようにして前記吸水膨張体4を配置することで、マット1全面において保水領域20と排水領域21、21が形成されている。
さらにまた、前記保形体5の略全面を覆うようにして前記吸水膨張体4を配置することで、マット1略全面に亘って保水領域20が形成されている。
さらに、上記マット1は、例えば湾曲させたり屈曲させたりすることが可能な可撓性を有している。
この発明の舗装体は、透水性を有する表層部分33の下方に不透水層32が設けられ、前記表層部分33に浸透した水が前記不透水層32の上面を伝って路肩方向へ導かれて、路床30へ浸透することなく排出されるように構成された排水性舗装を施したものであって、上記の舗装用保水マット1が、前記表層部分33の内部若しくは裏面側に配設されたことを特徴とする。
具体的には、舗装用保水マット1が、前記表層部分33の路肩に沿った側部裏面側に配設されて、そのマット1の一部が前記表層部分33の側面に沿って立ち上げられて、前記表層部分33の内部に配設されている。
さらに、別の発明の舗装体は、透水性を有する表層部分43の下方に路盤42や路床41が設けられ、前記表層部分43から路盤42や路床41へ水が浸透するように構成された透水性舗装を施したものであって、上記の舗装用保水マット1が、前記表層部分43の内部若しくは裏面側に配設されたことを特徴とする。
この発明の舗装用保水マットを配設した排水性舗装や透水性舗装を施した舗装体においては、路面に降った雨水が表層部分内に浸透すると、マットの吸水性ポリマー等の吸水膨張体が雨水を吸収して膨張する。そして、夏場の高温時や渇水時等において、表層部分が乾燥してくると、吸水膨張体において保持していた雨水が徐々に放散されて、表層部分に水分が継続的に供給され、この水分が路面の熱を奪って気化し、これによって路面温度の上昇を抑えることができる。
すなわち、マットを敷き込むだけの簡単な構造でありながら、舗装体の保水性を高めて路面温度の上昇を安定して抑制することができ、これによって設備費や維持費を大幅に低減しながら、ヒートアイランド現象の抑制に貢献することができる。
しかも、マットの吸水膨張体が雨水を吸収して膨張しても、その膨張部分が保形体の膨張吸収空間に入り込んで、マットの全体形状は、吸水膨張体の雨水吸収前とほぼ同じでほとんど変化しない。このため、吸水膨張体の膨張によって、路面に凹凸やひび等が生じることがなく、舗装体の路面への悪影響も防止することができる。
また、吸水膨張体に感温吸排水性樹脂を混入させることで、路面温度が低いときには水を吸収して保持し、路面温度が高くなると水を自動的に排出させることができ、これによって表層部分に対して効率の良い水供給が可能となり、路面温度をより効果的に抑制することができる。
さらに、複数の樹脂製の波状部材を同一平面上に間隔をあけて並設して保形体を構成することで、保形体の構造を簡単にして、マットの製造工程の簡略化を図ることができる。しかも、波状部材によって耐圧扁平強度を高めることができ、舗装体の表層部分によってマットが押し潰されることなく、膨張吸収空間を長期に亘って安定して確保して、信頼性の向上を図ることができる。
また、透水シート体間に吸水膨張体及び保形体を挟み込んでいるので、マット内部への雨水の浸透を許容しながら、吸水膨張体の膨張吸収空間への土や小石等の異物の入り込みをなくすことができる。これによって、膨張吸収空間を長期に亘って安定して確保して、信頼性の向上を図ることができる。
さらに、マット全面において保水領域と排水領域を形成することで、排水領域を通じて雨水を舗装体から速やかに排出させることができ、排水性舗装や透水性舗装を施した舗装体本来の排水機能を損なうことなく、ヒートアイランド対策を実現することができる。
さらにまた、マット略全面に亘って保水領域を形成することで、マットの保水能力を高めることができ、特に路面温度の高温化を招き易い舗装体への適用に有効である。
また、マットが可撓性を有していると、例えば工場出荷の際等にはマットをコイル状に巻いて梱包することができ、また現場においては舗装体の形状等に追従させた柔軟な敷き込みが可能となるといったように、マットの取り扱いが容易になる。
次に、この発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る舗装用保水マットの分解斜視図、図2は、舗装用保水マットの斜視図である。
この舗装用保水マット1は、排水性舗装又は透水性舗装を施した舗装体の保水性向上のために使用されるものであり、図1及び図2に示すように、一対の透水シート体3、3と、水を吸収して膨張する吸水膨張体4と、マット1の耐圧扁平強度を維持する保形体5とを備えている。そして、吸水膨張体4と保形体5とが積層された状態で、一対の透水シート体3、3によって挟み込まれている。
透水シート体3は、図3に示すように、縦テープ状素材6・・と、横テープ状素材7・・とを平織りにて織り合わせて、多数の水透過孔8・・を有する例えば15〜20メッシュのネット状に形成されている。テープ状素材6、7・・としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の延伸処理を施した抗張力を有する熱可塑性合成樹脂等を使用することができる。
吸水膨張体4は、例えば吸水性及び保水性に優れた高吸水性ポリマーを主素材とする帯状の不織布からなり、自重の数百倍もの水を吸収して膨張し、その吸収した水を保持する能力を有している。高吸水性ポリマーは、イオン性を有する基をもった水溶性の電解質ポリマーに、軽度の架橋結合を導入した3次元網目構造のものであり、例えばポリビニルアルコール系、アクリル系、ポリエーテル系等の合成高分子類、或いは、デンプン系、セルロース系等の天然高分子類を原料とするものが用いられている。
そして、この吸水膨張体4には、感温吸排水性樹脂10が混入されている。この感温吸排水性樹脂10は、温度が低いときに水を樹脂中に吸収して、温度が上昇して感温点に達すると水を排出するもので、例えば商品名「サーモゲル」として市販されているものが用いられている。なお、この感温吸排水性樹脂10は、必ずしも吸水膨張体4に混入させる必要はないが、混入させることによって、舗装体の路面温度の低減により有効な吸排水機能を発揮させることができる。
保形体5は、図1及び図4に示すように、複数の樹脂製の波状部材11・・を同一平面上に間隔をあけて並設することによって構成され、吸水膨張体4の下側に配置されている。波状部材11は、所定ピッチに配設される上横辺部12・・と、所定ピッチに配設される下横辺部13・・と、上横辺部12と下横辺部13とを連結する縦辺部14・・とからなり、上方に開口する凹部15・・と、下方に開口する凹部16・・とが長手方向に沿って交互に配置されている。なお、この波状部材11は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を素材として押出成形等にて形成されている。
この保形体5においては、舗装体の重圧に耐え得る耐圧扁平強度を有している。すなわち、重圧に対する圧潰を防ぐために、波状部材11の肉厚寸法T(図4参照)に対する幅寸法W(図1参照)、波のピッチP(図4参照)が釣り合っていることが必要で、肉厚寸法Tを薄くした場合や波のピッチPを大きくすれば耐圧強度が低下する。また、肉厚寸法Tを厚くすればコスト高となる。このため、使用する材質によって相違するが、例えば、ポリエチレン樹脂等を使用した場合には、各波状部材11の肉厚寸法Tを0.5〜1.5mm程度、幅寸法Wを5〜20mm程度、波のピッチPを5〜20mm程度、波の高さHを10mm程度とするのが好ましい。なお、この保形体5によって強度を高めたマット1においては、その耐圧荷重が50t/mとなっていて、舗装体への埋設を可能としている。
そして、この保形体5の各波状部材11・・の凹部15・・及び波状部材11・・間の隙間によって、膨張吸収空間Sが構成されており、この膨張吸収空間Sに、吸水時の吸水膨張体4における膨張部分が入り込むようになっている。
次に、上記舗装用保水マット1の製造方法を説明する。まず、多数の波状部材11・・を同一平面上に間隔をあけて互いに平行に配列して保形体5を構成し、この保形体5を一方の透水シート体3の上に載置して、両者の接触部分を融着固定する。
続いて、保形体5の上に吸水膨張体4を載置するとともに、この吸水膨張体4を覆うように他方の透水シート体3を載置する。このとき、吸水膨張体4は、図1及び図2に示すように、その幅方向の寸法が透水シート体3、3や保形体5の幅方向の寸法よりも小さく設定されており、保形体5の幅方向中央部を覆うようにして長手方向に連続して配置されている。
そして、保形体5の両端部と他方の透水シート体3の両端部の接触部分、さらに場合によっては透水シート体3、3の両端部同士を融着固定することで、内部に吸水膨張体4が収納された上記の舗装用保水マット1を形成することができる。なお、上記舗装用保水マット1は長尺体として製造され、現場の状況等に応じて所定寸法に切断されて使用されるようになっている。
この舗装用保水マット1においては、保形体5の中央部を覆うようにして吸水膨張体4が配置されているので、図2に示すように、マット1全面において、その中央部に保水領域20が形成され、その両端部に吸水膨張体4が存在しない排水領域21、21が形成されている。
なお、吸水膨張体4は、必ずしも保形体5の中央部を覆うように配置する必要はなく、例えば図6に示すように、保形体5の略全面を覆うようにして配置しても良い。この場合、マット1の略全面に亘って保水領域20が形成され、保水性を高めることができる。さらに、複数の吸水膨張体4・・を所定の間隔をあけて配置することで、排水領域21・・を増やして、排水性を高めるようにしても良い。
また、この舗装用保水マット1では、保形体5が間隔をあけて配置した複数の波状部材11・・にて構成されているので、湾曲させたり屈曲させたりすることが可能な可撓性を有し、これによって例えば工場出荷の際等にはコイル状に巻いて梱包することができ、また現場においては舗装体の形状等に追従させた柔軟な敷き込みが可能となっている。
図7は、排水性舗装を施した舗装体に上記の舗装用保水マット1・・を適用した例を示している。この舗装体は、路床30、砕石等を敷き詰めてなる路盤31、不透水層32、透水性を有する表層部分33が下から順に積層され、表層部分33の路肩側の端部に沿って街渠34、34が配されている。
不透水層32は、例えばアスファルト混合物を敷き詰めて、ローラ等で厚さ5cm程度になるように踏み固めることによって構成され、不透水面とされた上面が中央部において若干盛り上がるようにして湾曲されている。
表層部分33は、例えばアスファルト混合物を空隙率の高い多孔質状に敷き詰めて、ローラ等で厚さ5cm程度になるように踏み固めてなる透水層35と、この透水層35の下側において、砕石を敷き詰めてなる貯水用砕石層36とから構成されている。
そして、表層部分33の路肩に沿った側部裏面側において、図8及び図9に示すように、表層部分33とその下方の不透水層32との間に挟み込まれるようにして、複数の舗装用保水マット1・・が、舗装体の長手方向に並べられた状態で配設されている。それらマット1・・の路肩側の端部は、貯水用砕石層36の側面に沿って立ち上げられて、表層部分33の内部すなわち透水層35と貯水用砕石層36との間に挟み込まれるようにして折り返しされている。このように、車道用としての排水性舗装を施した舗装体において、その路肩に沿った端部にのみマット1・・を配設することで、マット1の配設に伴う路面の車両走行部分への影響を極力なくすようにしている。なお、このマット1における表層部分33の側部裏面側に配設された部分の長さは、40〜50cm程度であり、表層部分33に埋設された部分の長さは40cm以下とされているが、これら長さは特に限定されるものではない。
このマット1・・の敷き込み状態において、図9に示すように、舗装体の長手方向に保水領域20・・と排水領域21・・が順次に配置されていて、保水機能だけではなくて排水機能も確保することで、排水性舗装を施した舗装体における本来の機能に支障をきたさないようにしている。なお、排水の妨げにならず、また路面への影響もなければ、表層部分33の裏面全面を覆うようにマット1・・を配置しても良い。また、保水領域20が略全面に亘って形成されたマット1・・を使用する場合には、例えば図10に示すように、舗装体の長手方向に排水用の間隔をあけながら、それらマット1・・を敷き込むようにすれば良い。
このようにマット1・・を敷き込んだ舗装体において、路面に降った雨水は、路面に留まることなく表層部分33内に浸透し、不透水層32の上面の排水勾配に沿って路肩方向へ導かれる。そして、路肩方向へ導かれた雨水の一部が、マット1・・の保水領域20・・を通ることで保水され、雨水の残りが、マット1・・の排水領域21・・を通って、路床30へ浸透することなく、図示しない排水溝等の排水施設に流れ込むようになっている。
マット1・・の保水領域20・・においては、吸水膨張体4が雨水を吸収して膨張し、その雨水を保持する。また、吸水膨張体4に混入した感温吸排水性樹脂10も、雨水を吸収して保持する。このとき、図5に示すように、吸水膨張体4の膨張分が保形体5の膨張吸収空間Sに入り込むので、マット1の全体形状は、吸水膨張体4の雨水吸収前とほぼ同じでほとんど変化しない。このため、吸水膨張体4が膨張しても、表層部分33を押し上げることがなく、路面には吸水膨張体4の膨張に伴う凹凸やひびが生じることはない。
夏場の高温時や渇水時等において、表層部分33が乾燥してくると、吸水膨張体4や感温吸排水性樹脂10において保持していた雨水が徐々に放散されて、表層部分33に水分が継続的に供給される。そして、この表層部分33内の水分が路面の熱を奪って蒸発し、これによって路面温度の上昇を抑えることができるようになっている。
図11は、透水性舗装を施した舗装体に上記の舗装用保水マット1・・を適用した例を示している。この舗装体は、路床41、砕石等を敷き詰めてなる路盤42、透水性を有する表層部分43が下から順に積層されている。なお、表層部分43は、例えばアスファルト混合物を空隙率の高い多孔質状に敷き詰めて、ローラ等で厚さ5cm程度になるように踏み固めてなる透水層から構成されている。
そして、表層部分43の裏面側において、表層部分43とその下方の路盤42との間に挟み込まれるようにして、複数の舗装用保水マット1・・が、舗装体の長手方向に並べられた状態で配設されている。
このマット1・・の敷き込み状態において、図12に示すように、舗装体の長手方向に保水領域20・・と排水領域21・・が順次に配置されていて、保水機能だけではなくて排水機能も確保することで、透水性舗装を施した舗装体における本来の機能に支障をきたさないようにしている。なお、マット1・・は、表層部分43の裏面全面を覆うように配置するだけでなく、要所要所に分散配置しても良い。また、保水領域20が略全面に亘って形成されたマット1・・を使用する場合には、例えば図13に示すように、舗装体の長手方向に排水用の間隔をあけながら、それらマット1・・を敷き込むようにすれば良い。
このようにマット1・・を敷き込んだ舗装体において、路面に降った雨水は、路面に留まることなく表層部分43内に浸透し、その雨水の一部が、マット1・・の保水領域20・・を通ることで保水され、雨水の残りが、マット1・・の排水領域21・・を通って路盤42から路床41へ浸透するようになっている。
マット1・・の保水領域20・・においては、吸水膨張体4が雨水を吸収して膨張し、その雨水を保持する。また、吸水膨張体4に混入した感温吸排水性樹脂10も、雨水を吸収して保持する。このとき、図5に示すように、吸水膨張体4の膨張分が保形体5の膨張吸収空間Sに入り込むので、マット1の全体形状は、吸水膨張体4の雨水吸収前とほぼ同じでほとんど変化しない。このため、吸水膨張体4が膨張しても、表層部分43を押し上げることがなく、路面には吸水膨張体4の膨張に伴う凹凸やひびが生じることはない。
夏場の高温時や渇水時等において、表層部分43が乾燥してくると、吸水膨張体4や感温吸排水性樹脂10において保持していた雨水が徐々に放散されて、表層部分43に水分が継続的に供給される。そして、この表層部分43内の水分が路面の熱を奪って蒸発し、これによって路面温度の上昇を抑えることができるようになっている。
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば透水シート体3、3としては、ネット状のものに限らず、多数の水透過孔を有する水分の浸入を許容できるものであれば良い。また、保形体5としては、複数の波状部材11・・を並設したものだけに限らず、少なくとも舗装体の荷重によって押し潰されることのない耐圧扁平強度を有し、膨張吸収空間Sを形成したものであれば良い。さらに、これら透水シート体3、3や保形体5の材質としても、融着性等を考慮して種々選択することができる。さらに、マット1を形成する場合、透水シート体3、3と保形体5と吸水膨張体4とを熱融着にて一体化したが、各部材の材質等を考慮して、例えば接着剤による接着等の他の固定手段を用いても良い。接着剤等を使用すれば、透水シート体3、3と吸水膨張体4との接合も可能である。また、排水性舗装を施した舗装体において、表層部分33は必ずしも透水層35と貯水用砕石層36の二層構造とする必要はなく、例えば透水層35のみから構成して、この透水層35の内部若しくは裏面側にマット1・・を配設しても良い。さらに、透水性舗装を施した舗装体へのマット1・・の配設に際して、必ずしも表層部分43の裏面側に敷き込むだけに限らず、例えば表層部分43の内部に埋め込んでも良い。
この発明の一実施形態に係る舗装用保水マットの分解斜視図である。 同じくその斜視図である。 透水シート体の平面図である。 舗装用保水マットの縦断面図である。 舗装用保水マットの吸水時の縦断面図である。 他の実施形態に係る舗装用保水マットの斜視図である。 排水性舗装を施した舗装体に舗装用保水マットを配設した状態を示す縦断面図である。 同じくその路肩付近の縦断面図である。 同じくその平面図である。 舗装用保水マットの他の敷き込み例を示す平面図である。 透水性舗装を施した舗装体に舗装用保水マットを配設した状態を示す縦断面図である。 同じくその平面図である。 舗装用保水マットの他の敷き込み例を示す平面図である。
符号の説明
1・・舗装用保水マット、3・・透水シート体、4・・吸水膨張体、5・・保形体、10・・感温吸排水性樹脂、11・・波状部材、15・・凹部、20・・保水領域、21・・排水領域、30、41・・路床、32・・不透水層、33、43・・表層部分、42・・路盤、S・・膨張吸収空間

Claims (11)

  1. 舗装体の透水性を有する表層部分(33)(43)の内部若しくは裏面側に配設される舗装用保水マット(1)であって、水を吸収して膨張する吸水膨張体(4)と、その吸水膨張体(4)の膨張部分が入り込む膨張吸収空間(S)を形成する保形体(5)とが積層されていることを特徴とする舗装用保水マット。
  2. 前記吸水膨張体(4)は、吸水性ポリマーを主素材とする不織布からなる請求項1記載の舗装用保水マット。
  3. 前記吸水膨張体(4)には、感温吸排水性樹脂(10)が混入されている請求項1又は2記載の舗装用保水マット。
  4. 前記保形体(5)は、複数の樹脂製の波状部材(11)・・を同一平面上に間隔をあけて並設してなり、それら波状部材(11)・・の凹部(15)・・及び波状部材(11)・・間の隙間が前記膨張吸収空間(S)とされている請求項1から3のいずれかに記載の舗装用保水マット。
  5. 一対の透水シート体(3)(3)を備え、これら透水シート体(3)(3)間に前記吸水膨張体(4)及び保形体(5)が挟み込まれている請求項1から4のいずれかに記載の舗装用保水マット。
  6. 前記保形体(5)の一部を覆うようにして前記吸水膨張体(4)を配置することで、マット(1)全面において保水領域(20)と排水領域(21)(21)が形成されている請求項1から5のいずれかに記載の舗装用保水マット。
  7. 前記保形体(5)の略全面を覆うようにして前記吸水膨張体(4)を配置することで、マット(1)略全面に亘って保水領域(20)が形成されている請求項1から5のいずれかに記載の舗装用保水マット。
  8. 可撓性を有する請求項1から7のいずれかに記載の舗装用保水マット。
  9. 透水性を有する表層部分(33)の下方に不透水層(32)が設けられ、前記表層部分(33)に浸透した水が前記不透水層(32)の上面を伝って路肩方向へ導かれて、路床(30)へ浸透することなく排出されるように構成された舗装体において、請求項1から8のいずれかに記載の舗装用保水マット(1)が、前記表層部分(33)の内部若しくは裏面側に配設されたことを特徴とする舗装体。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の舗装用保水マット(1)が、前記表層部分(33)の路肩に沿った側部裏面側に配設されて、そのマット(1)の一部が前記表層部分(33)の側面に沿って立ち上げられて、前記表層部分(33)の内部に配設されている請求項9記載の舗装体。
  11. 透水性を有する表層部分(43)の下方に路盤(42)や路床(41)が設けられ、前記表層部分(43)から路盤(42)や路床(41)へ水が浸透するように構成された舗装体において、請求項1から8のいずれかに記載の舗装用保水マット(1)が、前記表層部分(43)の内部若しくは裏面側に配設されたことを特徴とする舗装体。
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