JP2009052263A - 貯水ユニット及び保水性舗装 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の貯水ユニット4は、上部に開口部を有する貯水ボックス2と、貯水ボックス2の開口部を覆い貯水ボックス2に通じる通水孔9を有する天板3と、天板3の通水孔9に装着され、貯水ボックス2内の水を毛細管現象を利用して揚水する導水性部材10とを有する貯水ユニット4において、導水性部材10はその上端部に所定温度以上では水分を給排水し、所定温度以下では水分をその内部に保持する給排水樹脂を含む感温性給排水部11を有していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この一環として、特許文献1にあるように保水性舗装ブロック本体(以下単に保水性ブロックという)の下に容器状の保水タンクを設置し、この保水タンクに降った雨水を溜めておき、これを高温時には不織布を介して毛細管現象により上方に吸い上げ、これを保水性ブロックから蒸発させて、その蒸発潜熱により保水性ブロックを冷やそう、との試みも成されている。
すなわち、降雨時には雨水を保水タンクに貯水し、雨水が一挙に河川に流れ込むのを防止し、高温時には貯水した雨水で保水性ブロックを冷やしてヒートアイランド現象の緩和に寄与しようとするものである。
このようにしてなる請求項1、請求項2記載の貯水ユニット及び保水性舗装によれば、導水性部材の上端に所定温度以上では水分を給排水し、所定温度以下では水分をその内部に保持する給排水樹脂を含む感温性給排水部を有しているため、夏季等外気温が高い場合には、前記感温性給排水部が水分を給排水する、すなわち保水性ブロックを浸透して下方に下りてきた雨水等を導水性部材に導き貯水ボックス内の貯水空間に溜めたり、逆に貯水空間から導水性部材を介して保水性ブロックへ水を供給する。
一方、秋から冬の外気温が低くなった場合には、水分を自身の内部に取り込み保持し、雨水等の移動を止める。
その結果、外気温が高い場合には、保水性ブロックと貯水ボックスの貯水空間との間の水の移動を可能にして雨水の貯水、及び貯水した雨水の保水性ブロックへの給水による保水性ブロックの冷却を助け、秋や冬のように外気温が下がったら水の移動を止めて、保水性ブロックの濡れや氷結による割れを防止することができる。
このようにしてなる請求項3記載の保水性舗装によれば、仮に貯水ユニット上に形成されている透水性クッション層を構成する土砂等の粒径が、天板に形成されている通水孔の孔径より小さくとも、この透水性防砂部材があればそのような土砂の通水孔から貯水ボックスへの侵入を防止することができる。それ故、長期に亘って貯水ボックス内への土砂の侵入、堆積を防止することができる。
さらにまた請求項6記載の保水性舗装は、請求項5記載の保水性舗装において、前記貯水層と前記感温性給排水層との間に、前記貯水層内の水を毛細管現象を利用して揚水する導水層を設けたことを特徴としている。
すなわち、保水性ブロックを浸透して下方に下りてきた雨水等を導水性部材に導き貯水ボックス内の貯水空間に溜める。また貯水空間から導水性部材により揚水された雨水を保水性ブロック側に給水する。
一方、秋から冬の外気温が低くなった場合には、水分を自身の内部に取り込み保持して雨水の移動を止める。
その結果、外気温が高い場合には、保水性ブロックと貯水ボックスの貯水空間との間の水分の移動を可能にして雨水の貯水、及び貯水した雨水の保水性ブロックへの給水による保水性ブロックの冷却を助け、秋や冬のように外気温が下がったら水の移動を止めて、保水性ブロックの濡れや氷結による割れを防止することができる。
図1は本発明の保水性舗装を舗道に適用した例を示す概略断面図である。図1に示すように、まず地面を所定深さ掘って、これを整地して固めた路床の上に、必要なら砕石や砂を所定厚さ(図では省略)敷き詰めて下地1を形成する。尚、下地1としてその中に、具体的には下地1の最上層に、後述する貯水ユニット4に対する不陸を調整する作業を容易にするため、砂を所定厚さ敷き詰めたクッション層を設けておくと便利である。
この貯水ユニット4は、内部に雨水等を貯水する貯水空間8を有し、かつ上部に開口部を有する貯水ボックス2と、この貯水ボックス2の上部の開口部を覆い、貯水ボックス2内の貯水空間8に通じる通水孔9を有する天板3とを有している。さらに前記通水孔9を介してその下端が貯水ボックス2の底面にほぼ接触する程度まで垂下した導水性部材10をも有している。
因みに、天板3に複数個の通水孔9が形成されている場合には、少なくともそのうちの1個の通水孔9に導水性部材10を装着しておけばよい。ところで天板3に複数個の導水性部材10を装着する場合には、各導水性部材10から揚水する水の量ができるだけ均一になるように各導水性部材10を配置するのが望ましい。尚、導水性部材10は、シリカ等を円柱状あるいは円筒状に成形した多孔質体からなるもの、あるいは不織布等を帯状あるいはパイプ状等に加工したものなどからなっている。
次に透水性防砂部材5の上に、例えば砂礫等を所定厚さ敷き詰めて透水性クッション層6を形成し、最後にこの透水性クッション層6上に、例えば、この例のように舗道用の保水性舗装であれば、インターロッキングブロックからなる複数個の保水性ブロック7を平面状におおよそ面一に敷き詰める。ここで前記透水性クッション層6は保水性ブロック7を平面状に敷き詰める際に不陸作業、すなわち保水性ブロック7を面一に並べる作業を容易にする役割も果している。
前記導水性部材10の上端に設ける感温性給排水部11は通水孔9を完全に覆うように、通水孔9の孔径よりも大きな寸法にしておくのが望ましい。また、感温性給排水部11は導水性部材10の上に載置するだけでもよいが、両者の構成が不織布等の布同士の場合は、通水性を阻害しない範囲で、感温性給排水部11の感温性給排水部材と導水性部材10とを接着材等で両者を固定することもできる。さらにまた、通水孔9を上段の孔径が大きく下段の孔径が小さくなるように厚さ方向に2段の段付き孔形状に形成して、上段に感温性給排水部11を配置し、下段には導水性部材10の上端が来るように配置し、導水性部材10の先端部に感温性給排水部11で栓をするようにすることもできる。
透水性防砂部材5に到達した雨水は、透水性防砂部材5内を水平方向にも拡散しながら貯水ユニット4の天板3の通水孔9から覗いている導水性部材10の上端にある感温性給排水部11に到達する。
そして雨が降らない日、貯水ボックス2の貯水空間8に溜まっている雨水が導水性部材10内を毛細管現象によって上昇しようとしても、導水性部材10の上端にある感温性給排水部11が上昇してきた水分を自身の内部に保持してしまって、透水性防砂部材5側に給水(排水)しない。すなわち、水分は感温性給排水部11の部分でその移動を遮断されてしまう。
図2に示す実施形態例の特徴は、図1に示すものと違い、その上端に感温性給排水部11が装着されていない導水性部材10を有する貯水ユニット4を平面状に複数個敷き詰めた上に、例えば、架橋ポリイソプロピルアクリルアシド等を主成分とする樹脂を不織布等の全体に含有せしめたシートを敷き詰めて感温性給排水層12を形成した点にある。
このようにしておけば、図1に示した実施形態例のものよりも感温性給排水用の樹脂をより多く使用しなければならない、という価格的な問題はあるものの、仮に天板3に導水性部材10を装着しない通水孔9が何個あろうとも気にすることなく、図1に示した感温性給排水部11と同様の作用効果を感温性給排水層12により得ることができる。加えてこの感温性給排水層12が前述した透水性防砂部材5の役割も果し、透水性クッション層6側から土砂等の一部が通水孔9を介して貯水ボックス2内に侵入するのを防止できる利点もある。
図3に示すように、まず図1に示したものと同様にして、舗道における地面を所定深さ掘って、これを整地して固めた路床の上に、必要なら砕石や砂を所定厚さ(図では省略)敷き詰めて下地1を形成する。この上にゴムや合成樹脂からなる遮水シート14を敷き詰める。尚、図3では省略しているが側面部も後述する貯水層15の高さに相当する部分まで遮水シート14で覆う。
しかる後、遮水シート14で覆った部分に、図1や図2における貯水ユニット4を敷き詰める代わりに、この実施形態例では砕石等で貯水層15を形成する。具体的には、貯水効率を高めるために比較的粒径の大きな砕石等を積層して貯水層15を形成する。
この貯水層15上に、例えば、架橋ポリイソプロピルアクリルアシド等を主成分とする樹脂を不織布等に含有せしめた厚さ数ミリ程度のシートを敷き詰めて感温性給排水層12を形成する。因みに、この感温性給排水層12は、図2に示すものと同じものである。しかる後、この感温性給排水層12上に透水性クッション層6、そして最後に保水性ブロック7を平面状に複数個敷き詰める。
このようにすれば、高価な感温性樹脂の使用量を大幅に少なくすることができる。
具体的には、貯水層15よりもより粒径の小さな土砂を貯水層15上に数ミリ〜数十ミリ程度積層させる。このように粒径の小さな土砂は、粒径の大きなものより毛細管現象が起こり易いため、貯水層15から感温性給排水層12への揚水がより効率的に行われるようになる。
尚、貯水層15上にこのような導水層を設けないで済ますには、貯水率と毛細管現象の両方を適度に備える粒径の土砂で貯水層15を形成すればよい。このような効果を期待できる粒径の土砂としては、粒径50μm〜600μmの範囲の土砂が好ましい。
具体的には、夏季の如く外気温が高い場合には、保水性ブロック7と貯水ボックス2の貯水空間8、あるいは貯水層15との間の水分の移動を可能にして雨水等の貯水ボックス2への貯水、及び貯水ボックス2内に貯水した水の保水性ブロック7への移動による保水性ブロック7の冷却を助け、秋や冬のように外気温が下がったら自身でその内部に抱え込んで水の移動を止め、保水性ブロック7の表面の濡れや凍結を防ぎ、かつ保水性ブロック7内部の水の氷結による割れを効果的に防止することができる。
2 貯水ボックス
3 天板
4 貯水ユニット
5 透水性防砂部材
6 透水性クッション層
7 保水性ブロック
8 貯水空間
9 通水孔
10 導水性部材
11 感温性給排水部材
12 感温性給排水層
13 充填材
14 遮水シート
15 貯水層
16 孔開き遮水シート
17 円形の感温性給排水部材
Claims (6)
- 上部に開口部を有する貯水ボックスと、該貯水ボックスの開口部を覆い前記貯水ボックスに通じる通水孔を有する天板と、前記天板の通水孔に装着され、前記貯水ボックス内の水を毛細管現象を利用して揚水する導水性部材とを有する貯水ユニットにおいて、前記導水性部材はその上端部に所定温度以上では水分を給排水し、所定温度以下では水分をその内部に保持する給排水樹脂を含む感温性給排水部を有していることを特徴とする貯水ユニット。
- 路床上方に平面状に複数個敷き詰められた請求項1記載の貯水ユニットと、該貯水ユニットの上方に形成された透水性クッション層と、該透水性クッション層上に敷き詰められた保水性ブロックとを有することを特徴とする保水性舗装。
- 前記貯水ユニットと前記透水性クッション層との間に透水性防砂部材を敷き詰めたことを特徴とする請求項2記載の保水性舗装。
- 上部に開口部を有する貯水ボックスと該貯水ボックスの開口部を覆い前記貯水ボックスに通じる通水孔を有する天板と前記天板の通水孔に装着され前記貯水ボックス内の水を毛細管現象を利用して揚水する導水性部材とを有し平面状に複数個敷き詰められた貯水ユニットと、少なくとも前記導水性部材の上端上に所定温度以上では水分を給排水し、所定温度以下では水分をその内部に保持する給排水樹脂を含む感温性給排水部が配置された感温性給排水層と、該感温性給排水層の上方に形成された透水性クッション層と、該透水性クッション層上に敷き詰められた保水性ブロックとを有することを特徴とする保水性舗装。
- 路床上方に敷き詰められた遮水シートと、該遮水シート上に形成された貯水層と、該貯水層上に形成され所定温度以上では水分を給排水し所定温度以下では水分をその内部に保持する給排水樹脂を含む感温性給排水層と、該感温性給排水層上に設けられた透水性クッション層と、該透水性クッション層上に敷き詰められた複数の保水性ブロックとを有することを特徴とする保水性舗装。
- 前記貯水層と前記感温性給排水層との間に、前記貯水層内の水を毛細管現象を利用して揚水する導水層を設けたことを特徴とする請求項5記載の保水性舗装。
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