JP2007100255A - 繊維布帛の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性繊維を含む繊維布帛に安全、環境両面に配慮した発泡体と水溶性バインダ−を含む組成物を印捺後、熱処理による発泡を行い、次いで洗浄処理を行うことで、任意の立体柄や透かし柄を安価で提供できる。
【選択図】なし
Description
また、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材とは、織物、編物、不織布等何ら限定されず、その織編組織もなんら限定されず、糸使いについても、前記の熱可塑性繊維との交織、交編、または混繊、混紡したものでもよい。また、それらの繊維は長繊維であっても短繊維であってもよい。好ましくは熱可塑性繊維としてポリエステル系繊維を含む繊維布帛基材であるものが良く、特に好ましくはポリエステル系繊維のみで構成された繊維布帛基材である。
このとき用いられる本発明の発泡剤は、公知の発泡剤を用いることができ、相変化によってガス化が起こるもの、反応や熱分解によってガスを発生するものなどが挙げられる。これらの発泡剤は有機系の化合物、無機系の化合物またはこれらを複合させたものが知られている。
これらのマイクロカプセルは、中に、前記の相変化によってガス化が起こるもの、反応や熱分解によってガスを発生するものなどを含み、加熱等により膨張するものである。
また、発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物には、界面活性剤や染料、顔料、水などを含んでいてもよい。
好ましい熱処理温度としては、熱可塑性繊維や発泡剤の発泡温度によっても異なるが、熱可塑性繊維としてポリエステル繊維を用いた場合には150℃〜210℃、より好ましくは、160℃〜200℃で1分間〜5分間の乾熱および/または湿熱処理を行うことにより発泡剤を発泡させるとよい。
一般的な発泡剤を含む非水溶性の樹脂を、繊維布帛基材上に付与し、熱処理により発泡させた樹脂により立体的な柄を形成する通常の発泡プリントでは、熱処理温度として130℃〜160℃で1分間〜5分間の乾熱および/または湿熱処理がなされるが、本発明では前記のように通常の発泡プリントに比べ、高温で熱処理することにより、発泡剤の発泡と、それにより熱可塑性繊維を含む繊維基材に形成された立体柄や透かし柄の固定を同時に行うことができる。
この洗浄処理により、発泡剤や水溶性バインダ−が繊維布帛基材から除去される。
この後、60℃〜120℃程度でル−プ式乾燥機、ネット式ドライア−、タンブラ−乾燥機、オ−ブン、更に、テンタ−などを用い乾燥し、100℃から140℃程度で仕上げセットを行うとよい。この乾燥及び仕上げセットは、立体柄や透かし柄を繊維布帛に残留させる観点から発泡のための熱処理よりも低温で行い、更に、なるべく張力をかけないように行うことにより、洗浄処理で低下した立体柄を、発泡時の熱処理で固定化されたものに、ほぼ復元することができる。
本発明の製造方法によれば、繊維布帛に立体的な柄を付与させたり繊維間の空隙を広げて透かし柄を付与させることができる。
ポリエステル100%のサテン織物(タテ糸56デシテックス/36フィラメント、ヨコ糸83デシテックス/72フィラメント。タテ糸密度261本/2.54cm、ヨコ糸密度108本/2.54cm)を黒色に染色したものを、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材として用いた。
この熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材の片面にストライプ柄のロ−タリ−スクリ−ン(60メッシュ)を用い下記発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物を印捺した。
発泡剤(マイクロカプセル。アクリル酸重金属金属塩およびメタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体を含むアクリル共重合樹脂からなる水溶性の樹脂を外殻に持つもの)
30%
C.M.C 6%
界面活性剤 3%
水 61%
次に、ソ−ダ灰2g/l、ハイドロサルファイト2g/lを添加した洗浄液を用い、80℃で10分間洗浄処理を行い、引き続き、常温の水にて洗浄処理を行った。
次に、ネット式ドライア−を用い、100℃にて1分間乾燥した後、130℃で1分間テンタ−を用い仕上げセットを行った。
得られた繊維布帛は、立体的なストライプ柄を有する意匠性に優れたものであった。
ポリエステル100%のジョ−ゼット織物(タテ糸83デシテックス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテックス/72フィラメント。タテ糸密度123本/2.54cm、ヨコ糸密度92本/2.54cm)を黒色に染色したものを、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材として用いた。
この熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材の片面に花柄のフラットスクリ−ン(80 メッシュ)を用い下記発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物を印捺した。
発泡剤(マイクロカプセル。アクリル酸重金属金属塩およびメタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体を含むアクリル共重合樹脂からなる水溶性の樹脂を外殻に持つもの)
30%
C.M.C 6%
界面活性剤 3%
水 61%
次に、ソ−ダ灰2g/l、ハイドロサルファイト2g/lを添加した洗浄液を用い、80℃で10分間洗浄処理を行い、引き続き、常温の水にて洗浄処理を行った。
次に、ネット式ドライア−を用い、100℃にて1分間乾燥した後、130℃で1分間テンタ−を用い仕上げセットを行った。
得られた繊維布帛は、立体的な花柄を有し、なおかつ、花柄部が透かし調になっている意匠性に優れたものであった。
ヨコ糸に黒原着糸を使用したポリエステル100%のツイル織物の遮光カ−テン地(タテ糸83デシテックス/72フィラメント、ヨコ糸167デシテックス/48フィラメント。タテ糸密度373本/2.54cm、ヨコ糸密度72本/2.54cm)を淡緑色に染色、同時に防炎加工を施したものを、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材として用いた。
この熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材の片面に葉柄のフラットスクリ−ン(80 メッシュ)を用い下記発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物を印捺した。
発泡剤(マイクロカプセル。アクリル酸重金属金属塩およびメタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体を含むアクリル共重合樹脂からなる水溶性の樹脂を外殻に持つもの)
30%
C.M.C 6%
界面活性剤 3%
水 61%
次に、ソ−ダ灰1.5g/l、ソ−ピング剤1g/l、界面活性剤0.5g/lを添加した洗浄液を用い、80℃で10分間洗浄処理を行い、引き続き、常温の水にて洗浄処理を行った。
次に、ネット式ドライア−を用い、100℃にて3分間乾燥した後、130℃で1分間テンタ−を用い仕上げセットを行った。
得られた繊維布帛は、立体的な葉柄を有し、更に葉柄部の糸と糸との空隙が広がった部分から黒原着糸がわずかに透けることにより陰影が出て、ジャガ−ド調に見える意匠性に優れたものであった。
ポリエステル100%のジョ−ゼット織物(タテ糸83デシテックス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテックス/72フィラメント。タテ糸密度123本/2.54cm、ヨコ糸密度92本/2.54cm)を晒しにしたものを、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材として用いた。
この熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材の片面に水玉柄のロ−タリ−スクリ−ン(60 メッシュ)を用い下記発泡剤と水溶性バインダ−と分散染料を含む組成物を印捺した。
発泡剤(マイクロカプセル。アクリル酸重金属金属塩およびメタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体を含むアクリル共重合樹脂からなる水溶性の樹脂を外殻に持つもの)
30%
C.M.C 6%
界面活性剤 3%
分散染料(Red) 1%
水 60%
次に、ソ−ダ灰2g/l、ハイドロサルファイト2g/lを添加した洗浄液を用い、80℃で10分間洗浄処理を行い、引き続き、常温の水にて洗浄処理を行った。
次に、ネット式ドライア−を用い、100℃にて1分間乾燥した後、130℃で1分間テンタ−を用い仕上げセットを行った。
得られた繊維布帛は、立体的な水玉柄を有し、なおかつ、水玉部が透かし調で更に赤く染まった意匠性に優れたものであった。
ポリエステル100%のジョ−ゼット織物(タテ糸83デシテックス/72フィラメント、ヨコ糸83デシテックス/72フィラメント。タテ糸密度123本/2.54cm、ヨコ糸密度92本/2.54cm)を黒色に染色したものを、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材として用いた。
この熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材からなるブラウスを縫製し、その片面にワンポイントの花柄の手捺染用のフラットスクリ−ン(80メッシュ)を用い下記発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物を印捺した。
発泡剤(マイクロカプセル。アクリル酸重金属金属塩およびメタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体を含むアクリル共重合樹脂からなる水溶性の樹脂を外殻に持つもの)
30%
C.M.C 6%
界面活性剤 3%
水 61%
次に、ソ−ダ灰2g/l、ハイドロサルファイト2g/lを添加した洗浄液を用い、80℃で10分間洗浄処理を行い、引き続き、常温の水にて洗浄処理を行った。
次に、再び専用ハンガ−に吊り下げ、オ−ブンを用い、100℃にて3分間乾燥させた。
得られたブラウスは、ワンポイントの立体的な花柄を有し、なおかつ、花柄部が透かし調になっている意匠性に優れたものであった。
Claims (7)
- 熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材の少なくとも片面に、発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物を付与した後、熱処理による発泡を行い、次に、洗浄処理を行うことを特徴とする繊維布帛の製造方法。
- 熱可塑性繊維が、ポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1記載の繊維布帛の製造方法。
- 発泡剤と水溶性バインダ−を含む組成物を、熱可塑性繊維を含む繊維布帛基材に印捺により付与することを特徴とする請求項1または2記載の繊維布帛の製造方法。
- 発泡剤が、アクリル酸重合物金属塩およびメタクリル酸・アクリル酸アルキル共重合物を含むアクリル共重合樹脂からなる樹脂を外殻とするマイクロカプセルであり、洗浄処理で繊維布帛基材から除去できるものであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の繊維布帛の製造方法。
- 水溶性バインダ−が、カルボキシメチルセルロ−スまたはグア−ガムまたはアルギン酸ソ−ダを主体とする捺染用糊であり、洗浄処理で繊維布帛基材から除去できるものであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の繊維布帛の製造方法。
- 熱処理が、160℃〜200℃で1分間〜5分間の乾熱処理および/または湿熱処理であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の繊維布帛の製造方法。
- 洗浄処理にアルカリ剤および界面活性剤を用いることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の繊維布帛の製造方法。
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