JP2007099823A - ジスアゾ染料の製造方法 - Google Patents

ジスアゾ染料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チオフェン環やチアゾール環にアゾ基が2つ置換したジスアゾ染料製造法の提供。
【解決手段】式(1)のアミン類をジアゾ化した後、式(2)の2−アミノチオフェン類等と反応させて得られる式(3)のモノアゾ化合物を単離することなく、ジアゾ化した後、式(4)で表される化合物と反応させる式(5)のジスアゾ染料の製造方法。
Figure 2007099823

【選択図】なし

Description

本発明は、ジスアゾ染料の製造方法に関するものである。より詳細には、本発明は、チオフェン環またはチアゾール環にアゾ基が2つ置換したジスアゾ染料を簡便で高収率に製造する方法に関するものである。
アゾ染料は、従来、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の分野において、画像形成用の色素及び染料として広く用いられている。一方、近年、インクジェット記録方法、カラー電子写真、感熱転写方式、印刷インク、記録ペン等の新しいカラー画像形成方法が実用に供されている。また、エレクトロニックイメージングの発展に伴って固体撮像管や撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録/再現するためにカラーフィルターが使用されている。また、カラー液晶用フィルターの需要も増大している。
これらに用いる着色剤としては、一般的に染料や顔料が使用されており、その中でもアゾ染料は最も代表的な染料として広く知られている。特に、チオフェン環またはチアゾール環にアゾ基が2つ置換したジスアゾ染料は、さまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤であり、例えば、インクジェット用染料としての使用が特許文献1や特許文献2に記載されている。
特に、下記一般式(5)で表されるジスアゾ染料は、上記のごとき優れた特性を有するのみならず、その合成工程においても特徴がある。即ち、出発原料である2−アミノチオフェン類または2−アミノチアゾール類は、第1のカップリング反応ではカプラー成分として作用し、第2のカップリング反応ではジアゾ成分として作用する。つまり、チオフェン環またはチアゾール環の2位に置換したアミノ基は無保護の状態で第1のカップリング反応が進行するため、アミノ基の保護/脱保護を必要としないメリットがある。
しかし、一般式(5)で表されるジスアゾ染料の合成工程において、合成中間体である一般式(3)で表されるモノアゾ化合物を単離しようとするとろ過性が悪い欠点がある。この問題を解決するために、ろ過性改良に関する方法が知られている(特許文献3)が、この方法によれば界面活性剤の存在下で加熱処理するという工程を必要とするため、操作が非常に煩雑になるという問題があった。
特開2005−120346号公報 特開2005−139427号公報 特公平3−32550号明細書
上記のように一般式(5)で表されるジスアゾ染料の合成工程において、一般式(3)で表されるモノアゾ化合物を単離しようとするとろ過性が悪く、操作が煩雑になり収率も低下することが分かった。従って、本発明の目的は、簡便で高収率に一般式(5)で表されるジスアゾ染料を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、従来のこうした課題を克服すべく検討を行った結果、モノアゾ化合物を単離することなくジアゾ化剤でジアゾ化反応、次いでカプラー成分との第2のカップリング反応が円滑に進行することを見出し、目的とするジスアゾ染料を簡便で高収率に得られるようになった。
本発明は、以下のとおりである。
1.下記一般式(5)で表されるジスアゾ染料の製造方法において、下記一般式(1)で表されるアミン類をジアゾ化剤でジアゾ化した後、下記一般式(2)で表される2−アミノチオフェン類または2−アミノチアゾール類と第1のカップリング反応させて、下記一般式(3)で表されるモノアゾ化合物を生成し、(A)該モノアゾ化合物を単離せずにジアゾ化剤でジアゾ化した後、下記一般式(4)で表される化合物と第2のカップリング反応させる、または(B)該モノアゾ化合物を単離せずに一般式(4)で表される化合物を加えた後、ジアゾ化剤を添加して第2のカップリング反応させることを特徴とする、前記製造方法。
Figure 2007099823
(式中、Aは芳香族基または複素環基を表し、Rは水素原子または置換基を表し、Xは−CR=または窒素原子を表し、Xが−CR=である場合のRは水素原子または置換基を表し、R,R,Zは、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R,Rは、それぞれ独立して水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、Yは−CR=または窒素原子を表し、Yが−CR=である場合のRは水素原子または置換基を表す。)
2.前記Yが窒素原子であることを特徴とする前記1に記載の製造方法。
3.前記一般式(1)で表されるアミン類に1つ以上のイオン性親水性基が置換していることを特徴とする前記1または2に記載の製造方法。
4.前記一般式(4)で表される化合物に1つ以上のイオン性親水性基が置換していることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.第1のカップリング反応に用いるジアゾ化剤が亜硝酸塩、第2のカップリング反応に用いるジアゾ化剤が亜硝酸アルキルであることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.反応溶媒として水または水/有機溶媒混合系を用いることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7.一般式(3)で表されるモノアゾ化合物に一般式(4)で表される化合物を加えた後、ジアゾ化剤を添加して第2のカップリング反応させることを特徴とする前記1〜6のいずれかに記載の製造方法。
本発明のジスアゾ染料の製造方法によれば、前記一般式(5)で表されるチオフェン環やチアゾール環にアゾ基が2つ置換したジスアゾ染料、特に分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ以上有するジスアゾ染料が簡便で高収率に得られる。
以下、本発明のジスアゾ染料の製造方法について説明する。まず、本発明の製造方法で製造されるチオフェン環やチアゾール環にアゾ基が2つ置換した前記一般式(5)で表されるジスアゾ染料について詳細に説明する。
式中、R,R,R,R,ZまたはRで表される置換基は、例えば、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたは複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を意味する。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
脂肪族基とは、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基を意味する。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基におけるアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好
ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、5または6員の置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5または6員の芳香族の複素環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換もしくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
複素環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換の複素環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルア
ミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
複素環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換の複素環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキルまたはアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p
−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合している複素環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリールまたは複素環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換の複素環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル等が挙げられる。
上記の置換基の中で、水素原子を有するものは、該水素原子が上記の置換基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
式中、Aで表される芳香族基は置換もしくは無置換の芳香族基を、または複素環基は置
換もしくは無置換の複素環基を含む。芳香族環の例としては、ベンゼン環やナフタレン環を挙げることができる。複素環とは、環を構成する元素として炭素原子のほかにヘテロ原子と呼ばれる酸素、硫黄、窒素などを含むものをいい、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、ベンゾピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンゾイソチアゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、カルバゾール、プリン、プテリジン、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾールなどが挙げられる。なお、置換基としては上記R,R,R,R,ZまたはRで表される置換基が挙げられる。
Aとして好ましくは、フェニル基またはナフチル基が挙げられる。
式中、Rは水素原子または置換基を表す。Rとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基であり、特に好ましくは、アリール基または複素環基である。Rの複素環として好ましくは、チオフェン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ピロール、ベンゾピロール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン、キノリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなどが挙げられる。
式中、Xは−CR=または窒素原子を表し、Xが−CR=である場合のRは水素原子または置換基を表す。Rで挙げられる置換基として好ましくは電子求引性基である。電子求引性基とは、電子効果で電子求引的な性質を有する置換基であり、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いて表せば、σp値が大きい置換基である。例えば、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、スルホン基、トリフルオロメチル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキル及びアリールスルホニル基などが挙げられる。ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるため、1935年にL.P.Hammettより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編“Lange’s Handbook of Chemistry”第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。Rで表される電子求引性基として特に好ましくはシアノ基である。
式中、R,R,Zは、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。
、Rとして好ましくは、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していても良い。R3とR4が互いに結合して5または6員環を形成しても良い。
Zとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基または複素環チオ基であり、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくは、水素原子、アニリノ基、アシルアミノ基である。各基は更に置換基を有していても良い。
式中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。
、Rとして好ましくは、それぞれ水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。特に好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。ただし、R、Rが同時に水素原子であることはない。RとRが互いに結合して5または6員環を形成しても良い。
式中、Yは−CR=または窒素原子を表し、Yが−CR=である場合のRは水素原子または置換基を表す。Yが−CR=である場合のRとして好ましくは、水素原子または電子求引性基である。Yとして好ましくは、窒素原子であり、これは一般式(4)で表される化合物では、ピリジン化合物に相当する。
式中、A、R、R、R3、R4、R5、R6、R、Zで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記R、R、R、R、Z、Rで挙げた置換基を挙げることができる。また、A、R、R3、R4、R5、R6、Zのいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。
置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基またはスルホ基が好ましい。
カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。カルボキシル基の対イオンとしては、ナトリウムまたはカリウムが好ましく、スルホ基の対イオンとしては、リチウムが好ましい。
一般式(5)で表される染料のなかで、下記一般式(6)で表される染料が好ましい。
Figure 2007099823
一般式(6)中、A、R、X、R3、R4、R5、R6は一般式(5)におけるA、R、X、R3、R4、R5、R6と同義であり、R、Rは一般式(5)におけるRおよびRと同義である。R、Rとして好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。
本発明において、特に好ましい染料は、下記一般式(7)で表されるものである。
Figure 2007099823
一般式(7)中、Aは、置換もしくは無置換の芳香族環を表し、特に好ましくはフェニル基またはナフチル基である。R1は、置換もしくは無置換の芳香族基または置換もしくは無置換の複素環基を表す。Xは、−CR=または窒素原子を表し、Xが−CR=を表す場合のRは電子求引性基であり、特に好ましいRはシアノ基である。R、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、またはシアノ基を表す。Q、Qはイオン性親水性基を表し、特に好ましくは、スルホ基またはカルボキシル基であり、mおよびnは1〜3の整数を表す。
一般式(7)で説明した各基は更に置換基を有していても良い。これらの各基が更に置換基を有する場合、置換基としては、一般式(5)で説明した置換基、R、R、R、R、Z、Rで例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
尚、前記一般式(5)で表されるジスアゾ染料の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基であるジスアゾ染料が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基であるジスアゾ染料がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基であるジスアゾ染料が最も好ましい。
一般式(5)から一般式(7)で表される染料において、A、R、R、R3、R4、R5、R6、R、R、R、Zの置換基として拡散性を低下させるために写真用素材で使用されるバラスト基や銀塩への吸着基や水溶性を付与する基を有していてもよいし、置換基同士が互いに結合してビス型、トリス型、テトラキス型を形成してもよい。あるいは、これらのいずれかの位置でポリマー鎖と結合してポリマー染料を形成してもよい。また、RとR、RとR、RとR、RとRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
次に一般式(5)で表されるジスアゾ染料の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるジスアゾ染料は、下記の例に限定されるものではない。また各染料におけるカルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンについては前述のとおりである。
Figure 2007099823
Figure 2007099823
Figure 2007099823
Figure 2007099823
Figure 2007099823
本発明のジスアゾ染料中のアゾ基は、化合物の構造によってアゾ型およびヒドラゾ型を取り得るが、本発明においてはすべてアゾ型で記載している。その他の互変異性体が存在する場合においても、本発明においては代表的な形の一つで記載しているが、本発明の記述と異なる互変異性体も本発明の化合物に含まれる。
また、本発明では、一般式(1)から一般式(5)で表される化合物は構造中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していてもよい。
前記一般式(1)から一般式(5)で表される化合物には、その合成過程や単離法などによって対塩を伴っているものも含まれる。対塩としてはいずれのものでもよいが、例えば、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、スルホン酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、金属イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。構造によっては分子内塩を形成しても良い。
次に、本発明の一般式(5)で表されるジスアゾ染料の製造方法について詳しく述べる。
本発明の製造方法は、上記一般式(1)で表されるアミン類をジアゾ化剤でジアゾ化した後、上記一般式(2)で表される2−アミノチオフェン類または2−アミノチアゾール類と第1のカップリング反応させ、得られる上記一般式(3)で表されるモノアゾ化合物を単離することなく、ジアゾ化剤でジアゾ化した後、上記一般式(4)で表される化合物と第2のカップリング反応させることを特徴とする。
本明細書では、一般式(1)または一般式(3)で表される化合物をジアゾ化剤によりジアゾ化反応した液を「ジアゾ液」、一般式(2)または一般式(4)で表される化合物に水または有機溶媒を加えた液を「カプラー液」と称する。本発明におけるカップリング反応の添加順序は、ジアゾ液をカプラー液に添加する方法、ジアゾ液にカプラー液を添加する方法のいずれでもよい。また、本明細書では、一般式(1)と一般式(2)の混合液にジアゾ化剤を添加してカップリング反応させる方法、または一般式(3)と一般式(4
)の混合液にジアゾ化剤を添加してカップリング反応させる方法を「ワンポット法」という。
本発明の製造方法において用いられるジアゾ化剤としては、例えば、亜硝酸塩(例えば、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなど)、亜硝酸アルキル(例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソアミルなど)、塩化ニトロシル、ニトロシル硫酸、三酸化二窒素等の窒素酸化物が挙げられる。ジアゾ化剤として好ましくは、亜硝酸塩、亜硝酸アルキル、ニトロシル硫酸であり、特に好ましくは、亜硝酸ナトリウムまたは亜硝酸イソアミルである。
ジアゾ化反応に用いるジアゾ化剤の使用量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(1)で表されるアミン類または一般式(3)で表されるモノアゾ化合物に対して0.8〜5モル、好ましくは1.0〜4.0モルの範囲である。特に好ましくは、一般式(1)で表されるアミン類に対するジアゾ化剤の使用量は1.0〜1.2モル、一般式(3)のモノアゾ化合物に対するジアゾ化剤の使用量は、1.0〜3.0モルの範囲である。
なお、ジアゾ化反応が終了した後、過剰のジアゾ化剤を失活させてもよい。ここで用いる失活剤としては、例えば、アミド硫酸や尿素が挙げられる。
ジアゾ化反応に用いる酸としては、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。特に好ましくは塩化水素酸である。
ジアゾ化反応に用いる酸の使用量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(1)で表されるアミン類または一般式(3)で表されるモノアゾ化合物に対して2〜15モル、好ましくは2.5〜5モルの範囲である。酸の使用量が上記範囲であれば生成するジアゾニウム塩の安定性が良好である。
ジアゾ化反応における溶媒は、反応に不活性であれば制限されるものではなく、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸や水、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、スルホラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)等の親水性有機溶媒が挙げられる。また、これらの溶媒を混合して用いることも可能である。
使用する溶媒の量は特に制限されるものではないが、反応速度、作業性、経済性等より適宜決定される。
ジアゾ化反応の反応温度は特に限定されず、反応系の種類や反応種の化合物の濃度などに応じて適宜選択できるが、通常は約−10〜約50℃、好ましくは約0〜約30℃の範囲から選択される。反応温度が上記範囲であればジアゾニウム塩の安定性が良好である。
ジアゾ化反応の反応時間は、反応剤の量、反応温度により異なるので一概に規定されないが、通常約10分〜約24時間の範囲から選択すればよい。
本発明の製造方法において「カプラー液」の溶媒としては、上記ジアゾ化反応で用いられる溶媒と同義であり、好ましくは、水、アルコール、アセトンまたはそれらの混合液である。
本発明の製造方法においてカップリング反応の反応温度は特に限定されず、反応系の種類や反応種の化合物の濃度などに応じて適宜選択できるが、通常は0〜80℃、好ましく
は5〜50℃の範囲から選択される。
カップリング反応の反応時間は、反応剤の量、反応温度により異なるので一概に規定されないが、通常約10分〜約24時間の範囲から選択すればよい。
カップリング反応に用いる反応溶媒の使用量は特に限定されず、反応系の種類などに応じて適宜選択することができるが、通常は一般式(1)で表される化合物あるいは一般式(3)で表される化合物に対して溶媒を質量比でそれぞれ3〜100倍程度が適当であり、5〜30倍が好ましく、特に好ましくは10〜20倍程度である。
一般式(1)で表される化合物、ジアゾ化剤、一般式(2)で表される化合物、反応溶媒の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されないが、好ましくは、一般式(1)で表される化合物をジアゾ化剤でジアゾ化反応させた「ジアゾ液」を一般式(2)で表される化合物の「カプラー液」に添加する順序が好ましい。
一般式(3)で表される化合物、ジアゾ化剤、一般式(4)で表される化合物、反応溶媒の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されないが、好ましくは、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物を混合した後にジアゾ化剤を添加する「ワンポット法」が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例においてHPLC純度とは、高速液体クロマトグラフィーを用いて検出波長254nmで測定したときの面積パーセントを意味する。
一般式(2)で表される2−アミノチオフェン類の合成法に関しては、特開2005−200375に記載した方法により合成した。一般式(2)で表される2−アミノチアゾール類の合成法は、α−ハロケトン化合物とチオ尿素の縮合反応により合成した。
(実施例1)
<合成例:例示染料(D−18)の合成>
3−アミノナフタレン−1,5,7−トリスルホン酸モノナトリウム塩(A−1)89.3g(0.22モル)に水400mLと濃塩酸73.3mL(0.88モル)を加えて、内温を5℃以下に冷却した液に亜硝酸ナトリウム15.5g(0.22モル)を水30mLに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した(内温は5℃以下に保つ)。内温5℃以下で1時間攪拌した後、スルファミン酸1.0gを分割添加して、さらに内温5℃以下で15分間攪拌した(ジアゾ液A)。
2−アミノ−3−シアノ−4−ナフチルチオフェン(A−2)50.0g(0.20モル)にアセトン500mLと水200mLを加えて完溶し、室温で前記ジアゾ液Aを分割添加した。ジアゾ液を1/2添加したところで反応液に水117mLを添加して、さらに残りのジアゾ液を1/2添加した。室温で1時間攪拌した後、4M水酸化リチウム水溶液約240mLで中和してモノアゾ化合物を含む反応液を得た。この反応液をフィルターろ過(不溶物除去のため)した後、反応容器を100mLの水でかけ洗いした。ここで得られたろ液(洗浄水を含む)に(A−3)92.0g(0.20モル)を加えて攪拌したところに室温で亜硝酸イソアミル28.0mL(0.2モル)を添加した。室温で1時間攪拌して、4M水酸化リチウム水溶液約93mLで中和後、反応液を内温60℃まで昇温した。この反応液にイソプロピルアルコール1.5Lを25分かけて滴下して、析出した結晶をろ取、イソプロピルアルコール1Lで洗浄して染料(D−18)158g(0.138モル、単離収率69%、HPLC純度95%)を得た。
Figure 2007099823
(実施例2)
<合成例:例示染料(D−37)の合成>
2−アミノ−4−ナフチルチアゾール(A−4)4.53g(20ミリモル)にアセトン40mLと水10mLを加えて完溶し、さらに、3−アミノナフタレン−1,5,7−トリスルホン酸モノナトリウム塩(A−1)9.73g(24ミリモル)に水50mLを加えた水溶液を添加した。反応混合液をpH2〜3になるように4M水酸化リチウムを添加して(約3mL)、室温で亜硝酸イソアミル2.94mL(21ミリモル)を添加した。室温で1時間攪拌した後、得られたモノアゾ化合物を含む反応液をフィルターろ過(不溶物除去のため)した後、反応容器を15mLの水でかけ洗いした。ここで得られたろ液(洗浄水を含む)に(A−3)11.05g(24ミリモル)を加えて、反応液をpH2〜3になるように4M水酸化リチウムを添加して(約13mL)、反応液を40℃まで昇温して、亜硝酸イソアミル5.6mL(40ミリモル)を添加した。40℃で1時間攪拌した後、4M水酸化リチウム水溶液で中和して(約8mL)、反応液を内温60℃まで昇温した。この反応液にイソプロピルアルコール135mLを20分かけて滴下して、析出した結晶をろ取、イソプロピルアルコール200mLで洗浄して染料(D−37)15.34g(単離収率68%、HPLC純度97%)を得た。
Figure 2007099823
各染料の水中の吸収極大波長(nm)およびε(モル吸光係数)を下記表1に示す。
Figure 2007099823
上記の実施例に示されるように本発明のジスアゾ染料の製造方法によれば、前記一般式(5)で表されるチオフェン環やチアゾール環にアゾ基が2つ置換したジスアゾ染料、特に分子内にイオン性親水性基を1つ以上有するジスアゾ染料が簡便で高収率に得られることが分かる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(5)で表されるジスアゾ染料の製造方法において、下記一般式(1)で表されるアミン類をジアゾ化剤でジアゾ化した後、下記一般式(2)で表される2−アミノチオフェン類または2−アミノチアゾール類と第1のカップリング反応させて、下記一般式(3)で表されるモノアゾ化合物を生成し、(A)該モノアゾ化合物を単離せずにジアゾ化剤でジアゾ化した後、下記一般式(4)で表される化合物と第2のカップリング反応させる、または(B)該モノアゾ化合物を単離せずに一般式(4)で表される化合物を加えた後、ジアゾ化剤を添加して第2のカップリング反応させることを特徴とする、前記製造方法。
    Figure 2007099823

    (式中、Aは芳香族基または複素環基を表し、Rは水素原子または置換基を表し、Xは−CR=または窒素原子を表し、Xが−CR=である場合のRは水素原子または置換基を表し、R,R,Zは、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R,Rは、それぞれ独立して水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、Yは−CR=または窒素原子を表し、Yが−CR=である場合のRは水素原子または置換基を表す。)
  2. 前記Yが窒素原子であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(1)で表されるアミン類に1つ以上のイオン性親水性基が置換していることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記一般式(4)で表される化合物に1つ以上のイオン性親水性基が置換していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 第1のカップリング反応に用いるジアゾ化剤が亜硝酸塩、第2のカップリング反応に用いるジアゾ化剤が亜硝酸アルキルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 反応溶媒として水または水/有機溶媒混合系を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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