JP6539611B2 - キサンテン化合物の製造方法 - Google Patents
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本発明の課題は、高純度、高収率かつ安定的にキサンテン化合物を製造できるキサンテン化合物の製造方法を提供することにある。
[1]
下記一般式(II)で表される化合物を有機溶媒又は硫酸に溶解させた溶液に、スルホ化剤を添加してスルホ化反応を行う工程(A)と、
上記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、上記水を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒に注ぎ込み、加熱撹拌する工程(B−1)、又は、上記工程(A)で得られた反応液に水又は有機溶媒(b1)を添加した後、上記水又は有機溶媒(b1)を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒(b2)に注ぎ込み、析出した結晶をろ取し、上記ろ取した結晶を水に溶解させ加熱撹拌する工程(B−2)と
を含む、下記一般式(I)で表されるキサンテン化合物の製造方法。
一般式(I)及び(II)中、R 1 、R 4 、R 5 及びR 8 は各々独立にアルキル基を表す。R 2 、R 3 、R 6 、及びR 7 は各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R 9 、R 11 、R 12 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 及びR 18 は水素原子を表す。
一般式(I)中、Mはそれぞれ独立に水素原子又はカチオンを表す。
[2]
上記スルホ化剤が、発煙硫酸、クロロスルホン酸、又はアミド硫酸である[1]に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[3]
上記スルホ化剤の添加量が、一般式(II)で表される化合物1モル当たり4〜7モル当量である[1]又は[2]に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[4]
上記工程(A)における有機溶媒がスルホランである[1]〜[3]のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[5]
上記工程(A)における反応温度が50〜100℃である[1]〜[4]のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[6]
上記工程(A)と、上記工程(B−1)とを含み、
上記工程(B−1)において、上記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、上記水を添加した反応液を、0〜10℃の水に注ぎ込む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[7]
上記工程(B−1)の上記加熱撹拌の温度が30〜60℃である[6]に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[8]
上記工程(B−1)の上記加熱撹拌の時間が0.5〜2時間である[6]又は[7]に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[9]
上記工程(A)と、上記工程(B−2)とを含み、
上記工程(B−2)の上記有機溶媒(b2)が、酢酸エチル又はテトラヒドロフランである、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
[10]
上記工程(A)と、上記工程(B−2)とを含み、
上記工程(B−2)において、上記ろ取した結晶に水を添加することにより上記結晶を水に溶解させ、30〜50℃で1〜2時間加熱撹拌する、[1]〜[5]、[9]のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
本発明は、上記[1]〜[10]に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても参考のため記載している。
下記一般式(II)で表される化合物を有機溶媒又は硫酸に溶解させた溶液に、スルホ化剤を添加してスルホ化反応を行う工程(A)と、
上記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、上記水を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒に注ぎ込み、加熱撹拌する工程(B−1)、又は、上記工程(A)で得られた反応液に水又は有機溶媒(b1)を添加した後、上記水又は有機溶媒(b1)を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒(b2)に注ぎ込み、析出した結晶をろ取し、上記ろ取した結晶を水に溶解させ加熱撹拌する工程(B−2)と
を含む、下記一般式(I)で表されるキサンテン化合物の製造方法。
一般式(I)中、Mはそれぞれ独立に水素原子又はカチオンを表す。
<2>
上記スルホ化剤が、発煙硫酸、クロロスルホン酸、又はアミド硫酸である<1>に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<3>
上記スルホ化剤の添加量が、一般式(II)で表される化合物1モル当たり4〜7モル当量である<1>又は<2>に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<4>
上記工程(A)における有機溶媒がスルホランである<1>〜<3>のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<5>
上記工程(A)における反応温度が50〜100℃である<1>〜<4>のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<6>
上記工程(A)と、上記工程(B−1)とを含み、
上記工程(B−1)において、上記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、上記水を添加した反応液を、0〜10℃の水に注ぎ込む、<1>〜<5>のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<7>
上記工程(B−1)の上記加熱撹拌の温度が30〜60℃である<6>に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<8>
上記工程(B−1)の上記加熱撹拌の時間が0.5〜2時間である<6>又は<7>に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<9>
上記工程(A)と、上記工程(B−2)とを含み、
上記工程(B−2)の上記有機溶媒(b2)が、酢酸エチル又はテトラヒドロフランである、<1>〜<5>のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
<10>
上記工程(A)と、上記工程(B−2)とを含み、
上記工程(B−2)において、上記ろ取した結晶に水を添加することにより上記結晶を水に溶解させ、30〜50℃で1〜2時間加熱撹拌する、<1>〜<5>、<9>のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
まず、本発明における置換基の具体例を、置換基群Aとして定義する。
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
本発明の一般式(I)で表されるキサンテン化合物の製造方法は、
下記一般式(II)で表される化合物を有機溶媒又は硫酸に溶解させた溶液に、スルホ化剤を添加してスルホ化反応を行う工程(A)と、
上記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、上記水を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒に注ぎ込み、加熱撹拌する工程(B−1)、又は、上記工程(A)で得られた反応液に水又は有機溶媒(b1)を添加した後、上記水又は有機溶媒(b1)を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒(b2)に注ぎ込み、析出した結晶をろ取し、上記ろ取した結晶を水に溶解させ加熱撹拌する工程(B−2)とを含む。
一般式(I)中、Mはそれぞれ独立に水素原子又はカチオンを表す。
工程(A)について説明する。
工程(A)は、一般式(II)で表される化合物を有機溶媒又は硫酸に溶解させた溶液に、スルホ化剤を添加してスルホ化反応を行う工程である。
工程(A)における有機溶媒について説明する。工程(A)における有機溶媒は反応溶媒である。
工程(A)における有機溶媒としては、一般式(II)で表される化合物を溶解し得るものであれば特に制限はなく、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。好ましくはジメチルスルホン、スルホラン、2,4−ジメチルスルホランであり、より好ましくはスルホラン、2,4−ジメチルスルホランであり、更に好ましくはスルホランである。
これらは1種もしくは互いに影響しない組み合わせであれば2種以上を適当に混合していて用いても良い。有機溶媒の使用量は、好ましくは上記一般式(II)で表される化合物の全使用量の1〜100質量倍、より好ましくは1〜20質量倍であり、更に好ましくは1〜5質量倍である。
次にスルホ化剤について説明する。
スルホ化剤としては、例えば、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロスルホン酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等が挙げられ発煙硫酸、クロロスルホン酸、又はアミド硫酸がより好ましく、発煙硫酸が最も好ましい。
本発明において用いられるスルホ化剤の添加量は導入するスルホ基1つあたり1.01〜6.0モル当量の範囲が好ましく、より好ましくは1.3〜4.5モル当量、さらに好ましくは1.6〜3.5モル当量、最も好ましくは2.0〜2.5モル当量である。
工程(B−1)について説明する。
工程(B−1)は、工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、水を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒に注ぎ込み、加熱撹拌する工程である。
工程(A)でスルホ化反応を行った後、反応液に水を添加した後、その溶液を0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒に注入する。
工程(A)で得られた反応液に添加する水の量としては、反応液の0.2〜1.0質量倍、好ましくは0.25〜0.75質量倍であり、より好ましくは0.3〜0.5質量倍である。添加する水の温度は0〜30℃であることが好ましく、より好ましくは5〜20℃である。
工程(B−1)における有機溶媒としては、一般式(II)で表される化合物を溶解し得るものであれば特に制限はなく、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルが挙げられ、好ましくは酢酸エチルである。有機溶媒の使用量は、好ましくは上記一般式(II)で表される化合物の全使用量の1〜100質量倍、より好ましくは1〜20質量倍であり、更に好ましくは2〜5質量倍である。
加熱撹拌の温度は30〜60℃がより好ましく、30〜50℃が更に好ましく、40℃〜50℃が特に好ましい。加熱時間は0.5〜2時間が好ましく、1〜2時間がより好ましく、1〜1.5時間が更に好ましい。
工程(B−2)について説明する。
工程(B−2)は、工程(A)で得られた反応液に水又は有機溶媒(b1)を添加した後、水又は有機溶媒(b1)を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒(b2)に注ぎ込み、析出した結晶をろ取し、ろ取した結晶を水に溶解させ加熱撹拌する工程である。
工程(B−2)における0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒(b2)はクエンチ溶剤である。
工程(A)で得られた反応液に添加する水又は有機溶媒(b1)の量としては、反応液の0.2〜1.0質量倍、好ましくは0.25〜0.75質量倍であり、より好ましくは0.3〜0.5質量倍である。添加する水又は有機溶媒(b1)の温度は0〜30℃であることが好ましく、より好ましくは5〜20℃である。
有機溶媒(b2)としては、有機溶媒(b1)と同様のものが使用でき、好ましくは酢酸エチル又はテトラヒドロフランである。有機溶媒(b2)の使用量は、好ましくは上記一般式(II)で表される化合物の全使用量の1〜100質量倍、より好ましくは1〜20質量倍であり、更に好ましくは2〜5質量倍である。
加熱撹拌の温度は30〜60℃がより好ましく、30〜50℃が更に好ましく、40℃〜50℃が特に好ましい。加熱時間は0.5〜2時間が好ましく、1〜2時間がより好ましく、1〜1.5時間が更に好ましい。
本発明者らは、水中で加熱撹拌することで、以下のような現象が起きていると考えている。上記工程(A)で得られた反応液を、工程(B−1)で0℃〜10℃の水に注ぎ込んだ時点、又は工程(B−2)でろ取した結晶を水に溶解させた時点では下記のスキームの左の構造であり、目的物の周辺には硫酸イオンが存在しているため、目的物は析出しない。しかし、この水溶液を加熱撹拌することで、目的物周辺の硫酸イオンが外れ、分子内塩が構築されることで結晶性が上がり、目的物が析出してくる。これにより、高純度で目的物が得られたと考えている。
エチレングリコール1800mLにジクロロスルホフタレイン(中外化成株式会社製、DCSF(商品名))225.0g、2,4−ジアミノメシチレン(DAM)467.1gを添加し、エチレングリコール187mLで洗い込んだ。この反応液を1時間かけて昇温し、その温度で3時間撹拌した。その後、放冷により2時間かけて20℃とした。この反応液にメタノール1260mLを20分かけて添加した後、反応液を0〜10℃に冷却し、生じた結晶をろ別した。得られた結晶をメタノール180mLで2回かけ洗いし、50℃送風乾燥を1日行うことで目的の化合物1−1を108g(収率31%)得た。
スルホラン205.0gに化合物1−1を60.0g加え撹拌し、25質量%発煙硫酸125.6gを2.5時間かけて滴下した(この際、内温は30〜48℃に保つ)。この反応液の内温を40分かけて60℃に昇温した後、この温度で6時間撹拌した。この反応液を1時間かけて放冷で20℃とし、さらに内温を5℃へと冷却した。その反応液へ水150mLを内温30〜48℃に保ちながら20分かけて滴下した(これを反応液2とする)。別の容器に内温が0〜10℃の水1200mLを用意し、ここへ反応液2をゆっくりと注ぎ込んだ。この水溶液を40℃で1.5時間加熱撹拌し、1.5時間かけて再び20℃へ放冷し、析出した結晶をろ別した。ろ物を420mLの水で2回かけ洗いし、50℃送風乾燥機で2日間乾燥し、化合物2−1を75.2g(水分10.0質量%)得た(収率90%)。化合物2−1のジメチルスルホキシド−d6中での1H−NMRスペクトルを図1に示す。MS(m/z)=793([M−Na+H]‐、100%)。
スルホラン205.0gに化合物1−1を60.0g加え撹拌し、25質量%発煙硫酸125.6gを2.5時間かけて滴下した(この際、内温は30〜48℃に保つ)。この反応液の内温を40分かけて75℃に昇温した後、この温度で6時間撹拌した。この反応液を1時間かけて放冷で20℃とし、さらに内温を5℃へと冷却した。その反応液へ水150mLを内温30〜48℃に保ちながら20分かけて滴下した(これを反応液3とする)。別の容器に内温が0〜10℃の水1200mLを用意し、ここへ反応液3をゆっくりと注ぎ込んだ。この水溶液を40℃で1.5時間加熱撹拌し、1.5時間かけて再び20℃へ放冷し、析出した結晶をろ別した。ろ物を420mLの水で2回かけ洗いし、50℃送風乾燥機で2日間乾燥し、化合物2−1を77.6g(水分8.0質量%)得た(収率95%)。
スルホラン205.0gに化合物1−1を60.0g加え撹拌し、25質量%発煙硫酸125.6gを2.5時間かけて滴下した(この際、内温は30〜48℃に保つ)。この反応液の内温を40分かけて75℃に昇温した後、この温度で1時間撹拌した。その後、90℃へ20分かけて昇温し、この温度で3時間撹拌した。この反応液を1時間かけて放冷で20℃とし、さらに内温を5℃へと冷却した。その反応液へ水150mLを内温30〜48℃に保ちながら20分かけて滴下した(これを反応液4とする)。別の容器に内温が0〜10℃の水1200mLを用意し、ここへ反応液4をゆっくりと注ぎ込んだ。この水溶液を40℃で1.5時間加熱撹拌し、1.5時間かけて再び20℃へ放冷し、析出した結晶をろ別した。ろ物を420mLの水で2回かけ洗いし、50℃送風乾燥機で2日間乾燥し、化合物2−1を78.9g(水分8.5質量%)得た(収率96%)。
スルホラン205.0gに化合物1−1を60.0g加え撹拌し、25質量%発煙硫酸125.6gを2.5時間かけて滴下した(この際、内温は30〜48℃に保つ)。この反応液の内温を40分かけて75℃に昇温した後、この温度で1時間撹拌した。その後、90℃へ20分かけて昇温し、この温度で5時間撹拌した。この反応液を1時間かけて放冷で20℃とし、さらに内温を5℃へと冷却した。その反応液へ水150mLを内温30〜48℃に保ちながら20分かけて滴下した(これを反応液5とする)。別の容器に内温が0〜10℃の水1200mLを用意し、ここへ反応液5をゆっくりと注ぎ込んだ。この水溶液を40℃で1.5時間加熱撹拌し、1.5時間かけて再び20℃へ放冷し、析出した結晶をろ別した。ろ物を420mLの水で2回かけ洗いし、50℃送風乾燥機で2日間乾燥し、化合物2−1を79.2g(水分7.6質量%)得た(収率97%)。
濃硫酸210gに23.0gの化合物1−1を溶解させ、20質量%発煙硫酸210gに添加して、20℃にて48時間反応させた。反応液を大過剰の酢酸エチルに注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶を500mLのメタノールに溶解させ、28質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を用いてpH7に調整し、析出した硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた。ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、化合物2−1の結晶を得た。収量21.0g、収率68%、MS(m/z)=793([M−2Na+H]−、100%)。
(ろ過性)
下記の条件でろ過性を実施した。
液温:25℃
ヌッチェの大きさ:9cm
ろ紙:アドバンテック製ろ紙No.5AとNo.4Aの二枚重ね
A:ろ過完了までにかかる時間が2分未満
B:ろ過完了までにかかる時間が2分以上5分未満
C:ろ過完了までにかかる時間が5分以上10分未満
D:ろ過完了までにかかる時間が10分以上
晶析または再結晶によって析出させた結晶をろ過した際のろ物のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)純度により評価した。純度が基準に満たないものに関しては、カラム精製が必要となる。
<カラムレス化の評価基準>
A:HPLC純度が99.1%以上
B:HPLC純度が99.1%未満
Claims (10)
- 下記一般式(II)で表される化合物を有機溶媒又は硫酸に溶解させた溶液に、スルホ化剤を添加してスルホ化反応を行う工程(A)と、
前記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、前記水を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒に注ぎ込み、加熱撹拌する工程(B−1)、又は、前記工程(A)で得られた反応液に水又は有機溶媒(b1)を添加した後、前記水又は有機溶媒(b1)を添加した反応液を、0〜10℃の水又は0〜10℃の有機溶媒(b2)に注ぎ込み、析出した結晶をろ取し、前記ろ取した結晶を水に溶解させ加熱撹拌する工程(B−2)と
を含む、下記一般式(I)で表されるキサンテン化合物の製造方法。
一般式(I)及び(II)中、R1、R4、R5及びR8は各々独立にアルキル基を表す。R2、R3、R6、及びR 7 は各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R 9 、R 11 、R 12 、R 14 、R 15 、R 16 、R 17 及びR 18 は水素原子を表す。
一般式(I)中、Mはそれぞれ独立に水素原子又はカチオンを表す。 - 前記スルホ化剤が、発煙硫酸、クロロスルホン酸、又はアミド硫酸である請求項1に記載のキサンテン化合物の製造方法。
- 前記スルホ化剤の添加量が、一般式(II)で表される化合物1モル当たり4〜7モル当量である請求項1又は2に記載のキサンテン化合物の製造方法。
- 前記工程(A)における有機溶媒がスルホランである請求項1〜3のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
- 前記工程(A)における反応温度が50〜100℃である請求項1〜4のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
- 前記工程(A)と、前記工程(B−1)とを含み、
前記工程(B−1)において、前記工程(A)で得られた反応液に水を添加した後、前記水を添加した反応液を、0〜10℃の水に注ぎ込む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。 - 前記工程(B−1)の前記加熱撹拌の温度が30〜60℃である請求項6に記載のキサンテン化合物の製造方法。
- 前記工程(B−1)の前記加熱撹拌の時間が0.5〜2時間である請求項6又は7に記載のキサンテン化合物の製造方法。
- 前記工程(A)と、前記工程(B−2)とを含み、
前記工程(B−2)の前記有機溶媒(b2)が、酢酸エチル又はテトラヒドロフランである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。 - 前記工程(A)と、前記工程(B−2)とを含み、
前記工程(B−2)において、前記ろ取した結晶に水を添加することにより前記結晶を水に溶解させ、30〜50℃で1〜2時間加熱撹拌する、請求項1〜5、9のいずれか一項に記載のキサンテン化合物の製造方法。
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