JP2005213427A - 水溶性アゾ色素の製造方法 - Google Patents

水溶性アゾ色素の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の方法によって、無機塩の含有がない、広範な構造の水溶性アゾ色素を、安価で工業的に、煩雑な操作を要することなく、製造する手段を提供する。
【解決手段】 有機亜硝酸エステルの存在下で、水溶性複素環アミンのジアゾ化反応、及びカップリング反応を1槽で逐次的に行う水溶性アゾ色素の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水溶性アゾ色素の製造方法に関する。
水溶性色素は塩として存在する場合が多い。特に直接染料、酸性染料、反応染料等の水溶性染料は、その合成工程で中和工程や塩析工程等があるために塩の含有量が高い。塩の含有量が高いと染料の発色性、溶解性、着色剤としての長期保存性、着色物品の物性、例えば、電気絶縁性等に悪影響を及ぼすことが多い。脱塩処理として、イオン交換樹脂法、逆浸透法、膜濾過法、電気透析法等が知られている。しかしながら、上記脱塩処理を用いて塩化物イオンは除去できても、硫酸イオンやリン酸イオンが除去は容易でないことが多い。また色素の構造によっては脱塩ができないなど、脱塩精製できる色素の構造は限定されている。
水溶性色素の対塩については、リチウム塩の場合に、耐水性の高い染料を高濃度で用いても目詰まりを防止できる効果があり、対塩がリチウムである水溶性染料が求められている。通常、対塩をリチウム塩にするには、イオン交換樹脂の使用や、塩化リチウムでの塩析という手法があるが、多大な費用を要する。
一方、色素の製造という観点からは、最も一般的な色素であるアゾ色素は一般的には強酸を用いたジアゾ化、カップリング反応によって合成される。塩基性の強い芳香族アミンは塩酸水に溶解し、亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、塩基性の弱い芳香族アミンや複素環アミンは濃硫酸や濃リン酸に溶かし、ニトロシル硫酸でジアゾ化するのが一般的である。塩酸に溶かしてジアゾ化する場合、塩化物イオンが混入する。また濃硫酸や濃リン酸に溶かしてジアゾ化する場合、硫酸イオンやリン酸イオンが混入してしまう。製造法により、無機塩の無い水溶性色素を直接合成することは容易でないことが多い。
複素環アミンを用いた油溶性アゾ染料の製造方法が開示されている(特許文献1)。前記公報の実施例2には蟻酸中で亜硝酸ナトリウムを用いる方法が、実施例3には氷酢酸中(pKa=4.56)でネオペンチルグリコールジニトリートを用いる方法がそれぞれ開示されているが、複素環アミンを用いて水溶性アゾ染料をワンポット(one-pot、1槽(一容器))で製造する方法は開示されていない。
特開昭53−33225号公報
本発明の目的は、無機塩を含有しない、広範な構造を有する複素環アミンから誘導される水溶性アゾ染料の製造方法の提供にある。
本発明者らは無機塩を伴わない、水溶性色素の製造方法について研究していたところ、有機亜硝酸エステル(亜硝酸アルキルと同義として用いる)を用いたジアゾ化反応、及びカップリング反応を1槽で行うことによって目的を達成できることを見出した。
(1)
有機亜硝酸エステルの存在下で、水溶性複素環アミンのジアゾ化反応、及びカップリング反応を1槽で逐次的に行う水溶性アゾ色素の製造方法。
(2)
前記カップリング反応後に、さらに貧溶媒を添加して晶析する上記(1)に記載の製造方法。
(3)
前記ジアゾ化反応においてpKa4以下の酸を使わない上記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)
前記カップリング反応においてピリジン化合物を用いる上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の製造方法。
本発明の方法によれば、無機塩の含有がない、あらゆる構造の水溶性アゾ色素を結晶として安価で工業的に、煩雑な操作を要することなく、製造することができる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、ジアゾ化反応とカップリング反応とを1槽で逐次的に行うとは、同じ反応溶媒中でジアゾ成分とカップリング成分を混合し、この液に有機亜硝酸エステルを添加することによって、ジアゾ化反応が起こると同時にカップリング反応させて、色素を製造することである。すなわち、ジアゾ化反応とカップリング反応とを同時に逐次的に行うことである。
本発明の製造方法により、後述のように無機塩含有量が1質量%以下に抑制できる理由は、上記逐次反応により、硫酸やリン酸のような強酸を用いなくても色素が合成できるためである。
本明細書及び特許請求の範囲において、カップリング成分とは、カップリング反応において、ジアゾニウム基と反応する側の化合物をいう。一方、ジアゾ成分とは、本発明におけるジアゾ化反応により得られたジアゾ基を有する化合物であって、それに由来するジアゾニウム基によりカップリング成分とカップリング反応する化合物をいう。
本発明の製造方法に用いられる有機亜硝酸エステルは、炭素原子数が1〜15のアルキル基又はアラルキル基を有する亜硝酸エステル等を挙げることができ、炭素原子数が3〜7の亜硝酸アルキルエステルが好ましい。また、本発明においては、有機亜硝酸エステル1分子中に亜硝酸を2以上有する、即ち、2価以上のアルコール(例えば、エチレングリコール)と亜硝酸とからなる有機亜硝酸エステルであってもよい。有機亜硝酸エステルの具体例としては、亜硝酸イソアミル、亜硝酸メチル等が挙げられ、中でも、亜硝酸イソアミルが最も好ましい。上記有機亜硝酸エステルの量は特に制限されないが、上記ジアゾ成分のモル数に対して、1〜4倍モルであることが好ましく、1〜3倍モルであることがさらに好ましい。
上記反応溶媒としては、水、酢酸、プロピオン酸等を挙げることができ、好ましくは水である。上記反応溶媒の量は特に制限されないが、上記ジアゾ成分の質量に対して、5〜100倍であることが好ましく、5〜25倍であることがさらに好ましい。
上記ジアゾ化反応で反応促進剤として用いられる酸としては、塩酸、有機スルホン酸も挙げることができるが色素中に残る無機塩の観点から、酢酸のようにpKaが4を超えるものが好ましく、4〜5のpKaを有する酸がさらに好ましい。具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸等を挙げることができ、好ましくは酢酸、プロピオン酸であり、酢酸がもっとも好ましい。
上記用いられる酸の量は特に制限されないが、上記ジアゾ成分のモル数に対して、1〜200倍モルであることが好ましく、1〜150倍モルであることがさらに好ましい。
本発明の製造方法に用いられる貧溶媒とは水溶性色素の溶解度が低い溶媒であり、本発明の方法により製造した色素の溶解度が0.01〜1%、好ましくは0.01〜0.5%、さらに好ましくは0.01〜0.25%となるような溶媒であり、上記反応溶媒に可溶な溶媒である。具体的には、エタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル等の水溶性の有機溶媒を挙げることができ、エタノール、イソプロパノール、アセトンが好ましく、イソプロパノールがもっと好ましい。
貧溶媒の添加時期は、反応終了後又は1日以内であり、添加温度については通常その沸点以下、好ましくは25〜65℃であるがこれに限られる訳ではない。
上記貧溶媒の添加量は、上記ジアゾ成分の質量に対して、0.5〜2倍であることが好ましく、0.5〜1倍であることがさらに好ましい。
このような貧溶媒を添加すると結晶が析出し、これをろ過すると無機塩含量の極めて少ない色素が得られる。
ここでの無機塩は硫酸イオン、リン酸イオン、塩化物イオン等のことを指し、周知の方法によりイオンクロマトグラフィーで分析し、定量する。
本発明により得られた色素に含有する無機塩量としては1質量%以下であり、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下が最も好ましい。
本発明の方法によりジアゾ化されるアミン類としては、炭素原子数1〜40の、複素環アミン類、芳香族アミン類、アルキルアミン類、アラルキルアミン類等を挙げることができ、これらが、モノアゾ化合物であってもよい。ここで挙げたアミン類の個々の置換基(複素環基、芳香族基、アルキル基、アラルキル基)の、好ましい炭素数及び具体例は、後述した、一般式(1)〜(6)で表される化合物のR〜R11についての説明で挙げたものと同様である。これらの置換基は更に置換基を有していても良い。
特に、本発明においてジアゾ化させることが可能な複素環アミン類について詳細に説明すると、さらにこの複素環アミン類がモノアゾ化合物であってもよく、複素環アミン類の具体例としては、アミノチオフェン類、アミノチアゾール類、アミノイミダゾール類、アミノベンゾチアゾール類等を挙げることができ、アミノチオフェン類、アミノチアゾール類が好ましい。
また、上記モノアゾ化合物とは複素環アミン類にアリールアゾ基が結合した化合物のことを指し、具体的には、アミノアリールアゾチアゾール類、アミノアリールアゾチオフェン類等を挙げることができる。
本発明の製造方法に用いられるモノアゾ化合物としては、一般式(1)〜(5)で表される化合物が好ましく、一般式(1)又は(2)で表される化合物が最も好ましい。
本発明の製造方法に用いられるカップリング成分としては、ピリジン化合物、アニリン化合物、α−アミノナフタリン化合物、アミノチアゾール化合物、インドール化合物、チオフェン化合物、チアゾール化合物等を挙げることができ、ピリジン化合物、チオフェン化合物、チアゾール化合物が好ましく、ピリジン化合物がさらに好ましい。これらのカップリング成分は置換基を有していても良く、個々の置換基の、好ましい炭素数及び具体例は、後述した、R〜R11についての説明で挙げたものと同様である。
カップリング成分として用いるピリジン化合物については一般式(6)で表されるピリジン化合物が好ましい。
Figure 2005213427
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〜R、R10、R11で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していても良い。
とR11、あるいはR10とR11が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
、Rは、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。中でも、水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、芳香族基、複素環基が特に好ましい。
また、A環は芳香族基又は複素環基を表す。
これら一般式を構成する基や置換基について説明する。
本明細書及び特許請求の範囲において、「置換アルキル基」等に用いる「置換」とは、「アルキル基」等に存在する水素原子が、下記の基(一般式(1)〜(6)を構成する基及び置換基)でさらに置換されていることを示す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。
脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜16がさらに好ましい。
芳香族基の例には、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基およびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニル基が含まれる。
複素環基には、置換複素環基が含まれ、炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6〜16がさらに好ましい。複素環基は、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。前記複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましい。前記複素環の置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。
前記複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。
カルバモイル基には、置換カルバモイル基が含まれ、炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16がさらに好ましい。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
アルコキシカルボニル基には、置換アルコキシカルボニル基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
アリールオキシカルボニル基には、置換アリールオキシカルボニル基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
複素環オキシカルボニル基には、置換複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
アシル基には、置換アシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アルコキシ基には、置換アルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
アリールオキシ基には、置換アリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
複素環オキシ基には、置換複素環オキシ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。前記シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
アシルオキシ基には、置換アシルオキシ基が含まれる。前記アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
カルバモイルオキシ基には、置換カルバモイルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換アルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換アリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。前記アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アミノ基には、置換アミノ基が含まれる。該置換基としてはアルキル基、アリール基または複素環基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基には、置換アルキルアミノ基が含まれる。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
アリールアミノ基には、置換アリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。前記アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
複素環アミノ基には、置換複素環アミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。前記置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
アシルアミノ基には、置換アシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
ウレイド基には、置換ウレイド基が含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。前記ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
スルファモイルアミノ基には、置換スルファモイルアミノ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイルアミノ基の例には、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換アルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換アリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基には、置換アルキルスルホニルアミノ基及び置換アリールスルホニルアミノ基が含まれる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のアルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N−フェニル−メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
複素環スルホニルアミノ基には、置換複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チエニルスルホニルアミノ基、3−ピリジルスルホニルアミノ基が含まれる。
アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基には、置換アルキルチオ基、置換アリールチオ基及び置換複素環チオ基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルキルチオ基、アリールチオ基及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基には、置換アルキルスルホニル基および置換アリールスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基をあげる事ができる。
複素環スルホニル基には、置換複素環スルホニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルホニル基の例には、2−チエニルスルホニル基、3−ピリジルスルホニル基が含まれる。
アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基には、置換アルキルスルフィニル基および置換アリールスルフィニル基が含まれる。アルキルスルフィニル基およびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基をあげる事ができる。
複素環スルフィニル基には、置換複素環スルフィニル基が含まれる。複素環としては、前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。前記複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジルスルフィニル基が含まれる。
スルファモイル基には、置換スルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
イオン性親水性基の具体例には、スルホ基、ホスホノ基、カルボキシル基が含まれる。
本発明で製造されるアゾ色素は、カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
本発明の製造方法における、1槽の反応の収率は50%以上が好ましいが、60%以上が更に好ましく、70%以上が最も好ましい。
なお、本発明の製造方法によれば、目的のアゾ色素結晶を95%以上の純度で得られ、好ましくは97%以上、特に好ましくは98%以上の純度で得られる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
(実施例1)
モノアゾ26−3a、1.8gを水20mlに溶解させ、カップリング成分z1.5gを加え、水酸化リチウム水溶液でpH5〜7に中和する。この液に酢酸20mlを加え、30℃まで加熱し、亜硝酸イソアミル0.38gを添加する。30℃で1時間反応させ、更に亜硝酸イソアミル0.38gを添加する。30℃で1時間攪拌させ、50〜55℃まで加熱し、イソプロパノール30mlを添加し、室温まで冷却してろ過、イソプロパノール洗浄し、得られた結晶を乾燥し、目的物1を2.31g得た(純度98%;収率73%)。この目的物をイオンクロマト分析した結果、硫酸イオン、リン酸イオン、塩化物イオンは検出されなかった。
Figure 2005213427
(実施例2)
モノアゾ25−3a、2.0gを水20mlに溶解させ、カップリング成分z1.6gを加え、水酸化リチウム水溶液でpH5〜7に中和する。この液に酢酸20mlを加え、5℃まで冷却し、亜硝酸イソアミル0.41gを添加する。5℃で30分反応させた後、50〜55℃まで加熱し、イソプロパノール30mlを添加し、室温まで冷却してろ過、イソプロパノール洗浄し、得られた結晶を乾燥し、目的物2を2.62g得た(純度98%;収率76%)。この目的物をイオンクロマト分析した結果、硫酸イオン、リン酸イオン、塩化物イオンは検出されなかった。
Figure 2005213427
(実施例3)
モノアゾ30−1a、2.0gを水20mlに溶解させ、カップリング成分z1.7gを加え、水酸化リチウム水溶液でpH5〜7に中和する。この液に酢酸20mlを加え、30℃まで加熱し、亜硝酸イソアミル0.44gを添加する。30℃で1時間反応させ、更に亜硝酸イソアミル0.44gを添加する。30℃で1時間攪拌させ、50〜55℃まで加熱し、イソプロパノール30mlを添加し、室温まで冷却してろ過、イソプロパノール洗浄し、得られた結晶を乾燥し、目的物3を2.29g得た(純度98%;収率73%)。この目的物をイオンクロマト分析した結果、硫酸イオン、リン酸イオン、塩化物イオンは検出されなかった。
Figure 2005213427
(比較例)
リン酸300mlと酢酸150mlに40質量%ニトロシル硫酸6.3gを添加し、−2℃まで冷却した。そして、:モノアゾ26−3a:10g(18.1mmol)をDMF30mlに溶解させた液を−2℃〜0℃で滴下し、−2℃〜0℃で1時間攪拌し、これをB−2のジアゾ液とした。これとは別に、カプラーz9.0g(18.1mmol)を水450mlに溶解させ、水酸化リチウム水溶液でpH=5〜7まで中和した後、5℃まで冷却した。この液に前記A−1ジアゾ液を5〜10℃で滴下し、5〜10℃で1時間攪拌した。この反応液を40℃まで加熱し、塩化リチウム38gを添加し、塩析させた。このスラリーをろ過し、イソプロパノールで洗浄した。得られた結晶を乾燥したら、色素Aを10.5g得たが(純度98%;収率71%;なお、この場合の純度は有機成分の純度を意味する)、これをイオンクロマト分析したところ、有機成分以外に無機成分として、硫酸イオンが1.3質量%リン酸イオンが1.8質量%塩化物イオンが2.6質量%含まれていた。
Figure 2005213427

Claims (4)

  1. 有機亜硝酸エステルの存在下で、水溶性複素環アミンのジアゾ化反応、及びカップリング反応を1槽で逐次的に行う水溶性アゾ色素の製造方法。
  2. 前記カップリング反応後に、さらに貧溶媒を添加して晶析する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ジアゾ化反応においてpKa4以下の酸を使わない請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記カップリング反応においてピリジン化合物を用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
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JP2006037045A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Fuji Photo Film Co Ltd ブラックインク、インクセット、ならびにインクカートリッジ
JP2007099823A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Fujifilm Corp ジスアゾ染料の製造方法

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