JP2007246434A - ピラゾール系化合物の製造方法 - Google Patents

ピラゾール系化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反応の選択性が良好で、収率が良好なピラゾール系化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(X)で表されるピラゾール系化合物の製造方法であって、下記一般式(Z)で表される化合物を用いる。
Figure 2007246434

【選択図】なし

Description

本発明は、着色組成物、カラーフィルタ、インクジェット用インク、印刷用インク、塗料や、医薬等に有用なピラゾール系化合物の製造方法に関する。
近年、ヘテロ環基を有するアゾ色素は、色相、堅牢性等の点で優れており、カラーフィルタ用色素、インクジェット用色素、昇華転写用色素等の色素として有用であることが報告されている(例えば、特許文献1〜4参照)。これらの色素のうち、ピラゾール系化合物の製造方法においては、従来、ヘテリル化剤としては、ハロゲン置換のヘテロ環化合物、スルホン酸エステル置換のヘテロ環化合物を用いることが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2002−371079号公報 特開2005−099677号公報 特開2005−213357号公報 特開2005−215286号公報
しかし、上記従来技術では、反応の選択性が不十分であり、収率、及び製造適性が不十分である。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、反応の選択性が良好で、収率が良好なピラゾール系化合物の製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、ヘテリル化剤について、種々検討した結果、ヘテロ環化合物のスルホン置換体又はスルホキシド置換体が、従来のヘテリル化剤に比し、反応の選択性及び収率の向上に効果的であるとの知見を得、該知見に基づいて下記構成のピラゾール系化合物の製造方法が提供され、前記の目的が達成されたものである。
前記の課題を解決するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 下記一般式(X)で表されるピラゾール系化合物の製造方法であって、下記一般式(Z)で表される化合物を用いることを特徴とするピラゾール系化合物の製造方法である。
Figure 2007246434
Figure 2007246434
一般式(X)中、R1、E、及びRaは各々独立に水素原子又は置換基を表す。一般式(X)及び一般式(Z)中、Xは、=C(R2)−、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、R2は水素原子又は置換基を表す。一般式(X)及び一般式(Z)中、Gは、一般式(X)及び一般式(Z)中の窒素原子、炭素原子、及びXと共に5員、又は6員の環を形成するために必要な原子群を表す。一般式(Z)中、nは1又は2を表し、Yは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
<2> 前記一般式(X)で表されるピラゾール系化合物が、下記一般式(I)又は一般式(II)で表されることを特徴とする<1>に記載のピラゾール系化合物の製造方法である。
Figure 2007246434
Figure 2007246434
一般式(I)及び一般式(II)中、R1及びEは各々独立に水素原子又は置換基を表し、Xは、=C(R2)−、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、R2は水素原子又は置換基を表す。Gは、一般式(I)及び一般式(II)中の窒素原子、炭素原子、及びXと共に5員、又は6員の環を形成するために必要な原子群を表し、Cpはカプラー残基を表す。
<3> 更に、塩基を用いることを特徴とする<1>又は<2>に記載のピラゾール系化合物の製造方法である。
<4> 前記塩基の少なくとも1種が、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属炭酸塩類、及びアルカリ金属炭酸水素塩類の少なくとも1種であることを特徴とする<3>に記載のピラゾール系化合物の製造方法である。
<5> 前記塩基の少なくとも1種が、有機塩基類であることを特徴とする<3>又は<4>に記載のピラゾール系化合物の製造方法である。
<6> 更に、溶媒として、水、アルコール類、アセトニトリル、エステル類、アミド類、及びジメチルスルホキシドの少なくとも1種を用いることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載のピラゾール系化合物の製造方法である。
本発明によれば、反応の選択性が良好で、収率が良好なピラゾール系化合物の製造方法を提供することができる。
本発明のピラゾール系化合物の製造方法は、下記一般式(X)で表されるピラゾール系化合物の製造方法であって、下記一般式(Z)で表される化合物を用いる工程を含んで構成されたものである。
以下、まず一般式(X)で表されるピラゾール系化合物及び一般式(Z)で表される化合物について説明し、引き続き、本発明のピラゾール系化合物の製造方法について説明する。
<一般式(X)で表されるピラゾール系化合物>
本発明のピラゾール系化合物の製造方法を用いて合成される、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物は、特に、光や熱に対する堅牢性に優れた化合物であり、例えば、着色組成物、カラーフィルタ、インクジェット用インク、印刷用インク、塗料、及び医薬等の用途に好適に用いられるものである。
以下、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物について詳しく説明する。
Figure 2007246434
一般式(X)中、R1は水素原子又は置換基を表す。
1で表される置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜18の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基である。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜18のアルケニル基である。例えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは6〜12のアリール基である。例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のヘテロ環基である。例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは3〜12のシリル基である。例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のアルコキシ基である。例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは6〜12のアリールオキシ基である。例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のヘテロ環オキシ基である。例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のシリルオキシ基である。例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜12のアシルオキシ基である。例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜12のアルコキシカルボニルオキシ基である。例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは7〜18のアリールオキシカルボニルオキシ基である。例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のカルバモイルオキシ基である。例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のスルファモイルオキシ基である。例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜12のアルキルスルホニルオキシ基である。例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜12のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のアシル基である。例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜12のアルコキシカルボニル基である。例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは7〜12のアリールオキシカルボニル基である。例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のカルバモイル基である。例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−オクチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは12以下のアミノ基である。例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2−エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜12のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基である。例えば、4−ピリジルアミノ)、
カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜12のカルボンアミド基である。例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のウレイド基である。例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数20以下、より好ましくは12以下のイミド基である。例えば、N−スクシンイミド,N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基である。例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基である。例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のスルホンアミド基である。例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のスルファモイルアミノ基である。例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜24のアゾ基である。例えば、フェニルアゾ、3−ピラゾリルアゾ)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のアルキルチオ基である。例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは6〜12のアリールチオ基である、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のヘテロ環チオ基である。例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のアルキルスルフィニル基である。例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜12のアリールスルフィニル基である。例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜12のアルキルスルホニル基である。例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは6〜12のアリールスルホニル基である。例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル)、ヘテロ環スルホニル基(好ましくは、ピロール−2−スルホニル、ピラゾール−3−スルホニル、チアゾール−2−スルホニル、ピリジン−3−スルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは16以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N−エチル−N−フェニルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル)、
スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のホスホニル基である。例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜12のホスフィノイルアミノ基である。例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)等が挙げられる。
一般式(X)中のR1が、更に置換可能な基である場合には、既述のR1で表される置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
一般式(X)中、Eは水素原子又は置換基を表す。Eで表される置換基は、既述のR1で説明した置換基と同義である。Eが更に置換可能な基である場合には、既述のR1で説明した置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらは、同一でも異なっていてもよい。
一般式(X)中、Raは、水素原子又は置換基を表す。Raで表される置換基は、既述のR1で説明した置換基と同義である。Raが更に置換可能な基である場合には、既述のR1で説明した置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらは、同一でも異なっていてもよい。
一般式(X)中、Xは、=C(R2)−、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、R2は水素原子又は置換基を表す。
2で表される置換基は、既述のR1で説明した置換基と同義である。R2で表される置換基が、更に置換可能な基の場合には、既述のR1で説明した置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一でも異なっていてもよい。
一般式(X)中、Gは、一般式(X)中の窒素原子、炭素原子、及びXと共に5員又は6員の環を形成するために必要な原子群を表す。形成される5員の環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、及び1,3,4−オキサジアゾール環等が挙げられる。形成される6員の環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環等が挙げられる。前記5員の環又は6員の環は、更に既述のR1で表される置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、前述の5員の環、又は6員の環は、更に他の環(既述の5員の環、6員の環、ベンゼン環、ナフタレン環、又はキノリン環等)が縮合していてもよい。
尚、本明細書中では、上述の窒素原子、炭素原子、及びXで構成される環状の基を、単に「−Het」と表記することがある。
一般式(X)で表されるピラゾール系化合物は、好ましくは下記一般式(I)、又は一般式(II)で表される。
Figure 2007246434
Figure 2007246434
一般式(I)及び一般式(II)中、R1、E、X、及びGは、前記一般式(X)における、R1、E、X、及びGと各々同義である。Cpはカプラー残基を表す。
一般式(I)及び一般式(II)中のCpはカプラー残基を表し、カプラー残基は、ジアゾニウム塩類との反応においてカップリングし得る化合物の残基であればいずれでもよく、一般式(I)及び一般式(II)中のCpの具体的な化合物例としては、特開2002−371079号公報、及び同2005−99677号公報等に記載のピリジン系のカプラー成分、特開2005−213357号公報、同2005−215286号公報、特開昭51−83631号公報、同49−74718号公報、同58−101158号公報、特公52−46230公報、欧州特許第23309号公報、ドイツ特許第2719079号公報、同230744号公報、同2513949号公報、同2525505号公報、及び同2832020号公報等に記載のピリミジン系のカプラー成分、特開2005−213357号公報、及び同2005−215286号公報等に記載のピリミジン系のカプラー成分、特開昭55−161956号公報、同61−36362号公報、同61−152768号公報、特開平6−145543号公報、同7−2242230号公報、米国特許第4650861号公報、同301070号公報、特表平11−504958号公報、及び特開平10−204357号公報等に記載のアニリン系のカプラー成分、特開平5−204106号公報、同9−59250号公報、特公平2−44051号公報、特公昭47−27411号公報、米国特許第45406654号公報、同3725067号公報、同4942117号公報、及び同5021325号公報等に記載のピラゾロアゾール系のカプラー成分、特開平5−1540418号公報、同5−331381号公報、特開2001−261990号公報、及び同2001−342189号公報等に記載のピロロアゾール系のカプラー成分等、公知のピラゾリン−5−オン系のカプラー成分、特開平5−295284号公報に記載のアミノピラゾール系のカプラー成分等が挙げられる。
次に、一般式(I)及び一般式(II)の好ましい範囲について説明する。
一般式(I)及び一般式(II)中、R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又はシアノ基であり、Eは、水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はヘテロ環スルホニル基であり、X及びGは、5員の環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、又はオキサゾール環を形成するために必要な原子群であり、6員の環としては、ピリジン環、ピリミジン環、及びピラジン環を形成するために必要な原子群を表す。
更に好ましくは、一般式(I)及び一般式(II)中、R1は水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、Eはシアノ基であり、X及びGは5員の環で、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、又は1,3,4−チアジアゾール環を形成する原子群を表す。
更に、一般式(I)で表される化合物の合成においては、R1は三級アルキル基が特に好ましく、一般式(II)の化合物の合成においては、R1は、水素原子が最も好ましい。
次に、一般式(X)、一般式(I)、及び一般式(II)で表される化合物の具体例(例示化合物I−1〜I−20、II−1〜II−13、Ia−1〜Ia−3、IIa−1〜IIa−3、Ib−1〜Ib−5)を以下に示す。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2007246434
Figure 2007246434
Figure 2007246434
Figure 2007246434
Figure 2007246434
<一般式(Z)で表される化合物>
次に、一般式(Z)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2007246434
一般式(Z)中、X及びGは、一般式(X)中のそれと同義である。nは1又は2を表す。
一般式(Z)中、Yは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Yで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基は、既述のR1で説明したアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基と同義である。
一般式(Z)中のYは更に、既述のR1で説明した置換基で置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は、同一でも異なっていてもよい。
一般式(Z)は好ましくは、X及びGは、前記の一般式(I)及び一般式(II)のそれと同様であり、nは1又は2であり、Yは、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表される。
更に好ましくは、nは1又は2であり、Yは、アルキル基、又はアリール基で表される。
上記態様の中でも、一般式(Z)は、Xが硫黄原子であって、Gが、一般式(Z)中の窒素原子、炭素原子、及び硫黄原子と共に5員の環(好ましくはチアゾール環、ベンゾチアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、又は1,3,4−チアジアゾール環)を形成するために必要な原子群であって、nが2であって、Yがアルキル基又はアリール基である態様が、特に好ましい。
以下に、本発明の一般式(Z)で表される化合物の具体例(例示化合物IIIa−1〜IIIa−19、IIIb−1〜IIIb−24、IIIc−1〜IIIc−4)を以下に示す。但し、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2007246434
Figure 2007246434
Figure 2007246434
<一般式(X)で表されるピラゾール系化合物の製造方法>
次に、上記で説明した、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のピラゾール系化合物の製造方法は、上記一般式(Z)で表される化合物を用いるものであれば特に制限はないが、例えば、以下の反応スキームAに従って行うことができる。
Figure 2007246434
一般式(Z)で表される化合物は、例えば、化合物1で表されるハロゲン体(クロル体)に、化合物2で表されるスルフィン酸誘導体又はスルフェン酸誘導体を、塩基の存在下で作用させて合成することができる。
または、一般式(Z)で表される化合物は、化合物1で表されるハロゲン体(クロル体)に、化合物3で表されるチオール誘導体を作用させて、化合物4を得た後、該化合物4を酸化して合成することができる。
更に、一般式(Z)で表される化合物は、化合物1aで表されるチオール体に、化合物Y−Halで表されるハロゲン体を反応させて化合物4を得た後、該化合物を酸化して合成することができる。
本発明のピラゾール系化合物の製造方法に用いられる、一般式(Z)で表される化合物の使用量は、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物に対して、0.5倍モル〜5倍モルが好ましく、0.8倍モル〜3倍モルがより好ましく、等モル〜2倍モルが特に好ましい。
本発明の製造方法においては、溶媒を用いても用いなくてもよいが、収率、及び製造適性(操作性、撹拌性)の観点からは、溶媒を用いた方が好ましい。使用できる溶媒としては、水、炭化水素類(例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、クロルベンゼン)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、アセトニトリル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸エチル)、アミド類(例えば、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ピリジン等を用いることができる。また、前記の溶媒の混合溶媒を用いてもよい。好ましい溶媒としては、スルホラン、ジメチルスルホキシド、もしくはアミド類等の極性溶媒、又は、それらの極性溶媒と他の溶媒との混合溶媒が挙げられる。
また、収率、製造適性(撹拌性、操作性)の観点からは、水、アルコール類、アセトニトリル、エステル類、アミド類、ジメチルスルホキシドの少なくとも1種を用いることも好ましい。
使用する溶媒の量は、特に制限はないが、収率、撹拌性の観点からは、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物に対して質量比で、0.1〜50倍量、好ましくは0.1〜20倍量、より好ましくは0.3〜10倍量を用いることが好ましい。
本発明の製造方法においては、塩基を用いても用いなくてもよいが、反応時間、収率の観点からは、塩基を用いた方が好ましい。使用する塩基としては、炭酸水素塩類(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カルシウム)、炭酸塩類(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム)、水酸化物類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化セシウム)、水素化金属類(例えば、水素化ナトリウム)、アルコラート類(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウム)、有機塩基類(例えば、ピリジン、キノリン、ルチジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)等が使用できる。
上記の中でも、製造適性(コスト、反応時間)、収率の観点からは、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属炭酸塩類、又はアルカリ金属炭酸水素塩類の少なくとも1種であることが好ましい。また、反応位置の選択性、収率の観点からは、有機塩基類であることが好ましい。
使用する塩基の量は、特に制限はないが、コスト、収率の観点からは、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物に対してモル比で、0.5〜20倍モル、好ましくは、0.8〜5倍モル、より好ましくは0.8倍〜3倍モルである。
更に、相間移動触媒等も好適に用いることができる。使用できる相間移動触媒としては、テトラアルキルアンモニウム塩類(例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド)が挙げられる。相間移動触媒の使用量は、一般式(X)で表されるピラゾール系化合物に対して、0.05倍モル〜2モル、好ましくは0.05倍モル〜0.5倍モルである。
本発明のピラゾール系化合物の製造方法において、反応温度は、通常は−10〜200℃で可能であるが、製造適性(反応時間)、収率の観点からは、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜120℃で行う。
反応時間は、反応温度によって異なるが、20〜120℃では、30分間〜3日で終了する。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものものではない。
〔実施例1〕
<例示化合物I−1(一般式(I)で表される化合物)の合成>
以下の反応スキームBに従って、例示化合物I−1(一般式(I)で表される化合物)を合成した。
Figure 2007246434
(例示化合物IIIa−1(一般式(Z)で表される化合物)の合成)
ベンゼンスルフィン酸ナトリウム2水和物200g(1.0モル)にジメチルアセトアミド600mlを加えて、55℃〜60℃に加熱して室温で撹拌した。この溶液に2−クロルベンゾチアゾール120g(0.71モル)を滴下した。滴下終了後、反応液を80℃〜85℃に加熱して反応を完結させた。反応終了後、反応液を室温に冷却してから、水3000ml中に撹拌しながら注いで結晶を析出させた。この結晶をろ過して、水で洗浄した後、乾燥した。例示化合物IIIa−1(一般式(Z)で表される化合物)を186g得た(収率95.1%)。融点は150〜152℃であった。
(例示化合物I−1(一般式(I)で表される化合物)の合成)
特開2002−371079に記載の方法に従って合成した化合物B53.5g(0.1モル)、炭酸カリウム27.6gにジメチルスルホキシド200mlを加えて室温で、撹拌した。この溶液に、前記方法で得た例示化合物IIIa−1を30.3g(0.11モル)添加した。添加終了後、反応液を55〜60℃に加熱して、5時間撹拌して反応を完結させた(この反応液を、高速液体クロマトグラフィーを用いて生成率を測定した結果、97.2%であった)。反応終了後、反応液を室温まで冷却してから、水1000ml中に注ぎ、結晶を析出させた。この結晶をろ過して、水で洗浄した後、乾燥した。
以上により、例示化合物I−1(一般式(I)で表される化合物)を65.6g得た(収率98.2%、純度99.5%)。純度換算の収率は97.7%であった。また、融点は、288〜291℃であった。
〔実施例2〜9〕
実施例1において、一般式(Z)で表される化合物を表1の化合物に等モル置き換え、かつ、中間体である化合物Bを、所定の中間体に等モル置き換えた以外は、実施例1と同様にして、表1に示す一般式(I)で表される化合物を合成した。さらに、実施例1と同様にして、純度換算の収率を算出し、融点を測定した。結果を表1に示す。
なお、所定の中間体とは、実施例2〜9における一般式(I)で表される化合物の各例示化合物のうち、−Hetで表される基を、水素原子に置き換えたものを示す。
〔比較例1〕
前記実施例1において、例示化合物IIIa−1の合成を行わず、かつ、(例示化合物I−1の合成)で用いた例示化合物IIIa−1を、2−クロルベンゾチアゾールに変更した以外は実施例1と同様にして、例示化合物I−1を合成した。
ここで、実施例1と同様の方法により、反応液の生成率を測定した結果、78.3%であった。また、実施例1と同様にして、反応液から例示化合物I−1を得たところ、収率は95.8%であったが、純度は79.0%であり、純度換算の収率は75.6%であった。
〔実施例10〕
<例示化合物I−14(一般式(I)で表される化合物)の合成>
以下の反応スキームCに従って、一般式(I)で表される化合物である、例示化合物I−14を合成した。
Figure 2007246434
(化合物Dの合成)
アセトアミジン280g(2.96モル)にジクロロメタン1400mlを加えて−10〜−5℃に冷却し攪拌した。この溶液に、パークロロメチルメルカプタン500g(2.67モル)を添加した。次いで、この溶液に、水酸化ナトリウム534g(13.35モル)を水2150mlに溶解した溶液を、滴下した。反応温度は−10〜−5℃に保ち、2時間攪拌した。次いで、反応液に、36%塩酸水207mlを滴下した。この溶液を静置し水を除去した。このジクロロメタン溶液を飽和食塩水で、洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このジクロロメタン溶液を、常圧下でジクロロメタンを留去し、次いで、減圧下で、蒸留して精製した。沸点60〜65℃/50mmHgであった。中間体である化合物Dを202g(収率55.8%)得た。
(例示化合物IIIb−13(一般式(Z)で表される化合物)の合成)
ベンゼンスルフィン酸ナトリウム2水和物20.0g(0.1モル)に、トルエン50mlと、水10mlとを加えて室温で撹拌した、この溶液に、テトラブチルアンモニウムブロマイド4.0gを添加した。次いで、前記の方法で得た中間体である化合物Dを6.73g(0.05モル)滴下した。この反応液を55℃〜60℃に加熱して、12時間攪拌して反応を完結させた。この反応液に水200mlと酢酸エチル100mlとを加えて抽出した。酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液を減圧下で濃縮、乾固した。例示化合物IIIb−13(一般式(Z)で表される化合物)を11.4g得た(収率95.0%)。融点は48〜50℃であった。
(例示化合物I−14(一般式(I)で表される化合物)の合成)
化合物B53.5g(0.1モル)、及び炭酸ナトリウム20.7g(0.15モル)にN−メチルピロリドン120mlを加えて室温で攪拌した。この溶液に前記の方法で得た例示化合物IIIb−13を26.4g(0.11モル)添加した。この反応液を、室温で6時間攪拌し、次いで、40〜45℃に加熱して反応を完結させた(反応液を高速液体クロマトグラフィーを用いて例示化合物I−14の生成率を測定した結果、98.3%であった)。反応終了後、この反応液を水1000ml中に攪拌しながら注いで結晶を析出させた。この結晶をろ過して、水洗し、乾燥して例示化合物I−14(一般式(I)で表される化合物)を61.9g得た(収率:97.8%、純度98.8%)。融点は277〜285℃であった。
〔実施例11〕
<例示化合物I−19(一般式(I)で表される化合物)の合成>
以下の反応スキームC2に従って、一般式(I)で表される化合物である、例示化合物I−19を合成した。
Figure 2007246434
(化合物Gの合成)
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールジカリウム塩100g(0.442モル)にN−メチルピロリドン200mlと、水100mlとを加えて5℃に冷却して撹拌した。この溶液にヨウ化メチル150.5g(1.06モル)を滴下した、反応液の温度は15℃以下に保った。滴下終了後、この反応液を室温に戻して3時間撹拌して、反応を完結させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル500mLと水700mlとを加えて抽出した。この酢酸エチル溶液を食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥してから、減圧下で濃縮した。油状の化合物Gを72.0g(収率:91.5%)得た。
(例示化合物IIIc−1(一般式(Z)で表される化合物)の合成)
前記の方法で得た化合物G72.0g(0.404モル)、タングステン酸ナトリウム2水和物2gにエタノール350mlを加えて加熱還流撹拌した。この溶液に過酸化水素水(30%)120gを滴下した。滴下終了後、加熱還流撹拌を3時間行い反応を完結させた。反応終了後、室温に冷却してから水700mlを滴下して結晶を析出させた。この結晶をろ過して、水洗してから乾燥した。例示化合物IIIc−1(一般式(Z)で表される化合物)を68.5g(収率:80.7%)得た。
(例示化合物I−19(一般式(I)で表される化合物)の合成)
化合物B26.7g(0.05モル)、前記の方法で得た例示化合物IIIc−1(一般式(Z)で表される化合物)21.0g(1.0モル)にジメチルスルホキシド120mlを加えて室温で撹拌した。この溶液にトリエチルアミン21.0mlを滴下した。滴下終了後、室温で12時間撹拌した後、35〜40℃に加熱して反応を完結させた(反応液を高速液体クロマトグラフィーを用いて例示化合物I−19の生成率を測定した結果、98.1%であった)。反応終了後、反応液を水1500ml中に撹拌しながら滴下して結晶を析出させた。この結晶をろ過して、水洗し、乾燥して例示化合物I−19を34.2g(収率98.2%、純度:98.1%)得た。融点は178〜181℃であった。
〔比較例2〕
実施例10において、例示化合物IIIb−13の合成を行わず、かつ、(例示化合物I−14)の合成で用いた例示化合物IIIb−13を、化合物Dに等モル置き換えた以外は実施例10と同様にして、例示化合物I−14を合成した。
ここで、実施例10と同様の方法により、反応液の生成率を測定した結果、75.8%であった。また、実施例10と同様の方法により、反応液から例示化合物I−14の粗結晶を得たところ、該粗結晶の収量は60.9gであった(収率96.2%、純度73.1%)。純度換算した収率は、70.3%であった。
Figure 2007246434
表1に示すように、本発明のピラゾール系化合物の製造方法により、一般式(I)で表される化合物を合成した場合(実施例1〜11)は、反応の選択性が高く、高い収率にて一般式(I)で表される化合物を得ることができた。一方、一般式(Z)で表される化合物を用いなかった場合(比較例1、2)は、反応の選択性が低く、収率が低かった。
〔実施例12〕
<一般式(II)で表される化合物(例示化合物II−1)の合成>
以下の反応スキームDに従って、一般式(II)で表される化合物である、例示化合物II−1を合成した。
Figure 2007246434
特開2005−213357号公報の実施例6と同様の方法によって合成した化合物E22.4g(0.05モル)、炭酸水素ナトリウム12.6g(0.15モル)にN−メチルピロリドン100mlを加えて、室温で撹拌した。この溶液に、例示化合物IIIa−1(一般式(Z)で表される化合物)を16.5g(0.06モル)添加した。添加終了後、85℃〜90℃に加熱して、8時間撹拌し、反応を完結させた(高速液体クロマトグラフィーで例示化合物II−1の生成率を測定した結果、94.8%であった)。この反応液を水1000ml中に撹拌しながら注いで、結晶を析出させた。この結晶をろ過して、乾燥した。この結晶にアセトニトリル250mlを加えて1時間、加熱還流した後、室温に冷却してからろ過して、乾燥した。例示化合物II−1を26.7g得た(収率91.7%、純度98.3%)。融点は、132〜135℃であった。
〔実施例13〜16〕
実施例12において、一般式(Z)で表される化合物を表2の化合物に等モル置き換え、かつ、中間体である化合物Eを所定の中間体に等モル置き換えた以外は、実施例12と同様の方法により、表2に列挙した一般式(II)で表される化合物を合成した。さらに、実施例1と同様にして、純度換算の収率を算出し、融点を測定した。結果を表2に示す。
なお、所定の中間体とは、実施例13〜16における一般式(II)で表される化合物の各例示化合物のうち、−Hetで表される基を、水素原子に置き換えたものを示す。
〔比較例3〕
実施例12において、例示化合物IIIa−1を等モル量の2−クロルベンゾチアゾールに変更した以外は実施例12と同様にして、例示化合物II−1を合成した。
ここで、実施例12と同様の方法により、反応液の生成率を測定した結果、83.6%であった。また、実施例12と同様の方法により単離、精製した結果、収量は22.8gであった(収率78.4%、純度98.1%)。
Figure 2007246434
表2に示すように、本発明のピラゾール系化合物の製造方法により、一般式(II)で表される化合物を合成した場合(実施例12〜16)は、反応の選択性が高く、高い収率にて一般式(II)で表される化合物を得ることができた。一方、一般式(Z)で表される化合物を用いなかった場合(比較例3)は、反応の選択性が低く、収率が低かった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(X)で表されるピラゾール系化合物の製造方法であって、下記一般式(Z)で表される化合物を用いることを特徴とするピラゾール系化合物の製造方法。
    Figure 2007246434
    Figure 2007246434
    〔一般式(X)中、R1、E、及びRaは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。一般式(X)及び一般式(Z)中、Xは、=C(R2)−、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、R2は水素原子又は置換基を表す。一般式(X)及び一般式(Z)中、Gは、一般式(X)及び一般式(Z)中の窒素原子、炭素原子、及びXと共に5員、又は6員の環を形成するために必要な原子群を表す。一般式(Z)中、nは1又は2を表し、Yは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。〕
  2. 前記一般式(X)で表されるピラゾール系化合物が、下記一般式(I)又は一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載のピラゾール系化合物の製造方法。
    Figure 2007246434
    Figure 2007246434
    〔一般式(I)及び一般式(II)中、R1及びEは各々独立に水素原子又は置換基を表し、Xは、=C(R2)−、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、R2は水素原子又は置換基を表す。Gは、一般式(I)及び一般式(II)中の窒素原子、炭素原子、及びXと共に5員、又は6員の環を形成するために必要な原子群を表し、Cpはカプラー残基を表す。〕
  3. 更に、塩基を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のピラゾール系化合物の製造方法。
  4. 前記塩基の少なくとも1種が、アルカリ金属水酸化物類、アルカリ金属炭酸塩類、及びアルカリ金属炭酸水素塩類の少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載のピラゾール系化合物の製造方法。
  5. 前記塩基の少なくとも1種が、有機塩基類であることを特徴とする請求項3又は4に記載のピラゾール系化合物の製造方法。
  6. 更に、溶媒として、水、アルコール類、アセトニトリル、エステル類、アミド類、及びジメチルスルホキシドの少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のピラゾール系化合物の製造方法。
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