JP4771670B2 - 4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物 - Google Patents

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本発明はSO3M基(Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを示す。)またはSO2NR4R5基を有する新規な4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物に関する。
液晶ディスプレイは、薄型・軽量・低消費電力の利点より、現在パソコン・テレビ・携帯電話等の表示部品として利用されている。透過型液晶ディスプレイでは、液晶によりバックライト光を制御している。液晶の配向変化に必要な電力は少ないが、多くの電力が蛍光管などのバックライトで消費されるので、長時間の使用に問題がある。
そのため、液晶に蛍光色素を加えて、太陽光や室内光を利用した明るい蛍光液晶ディスプレイが検討されている。基本原理は、液晶層に溶解させた高二色性蛍光色素への光照射(太陽光や室内灯光)に基づく、蛍光発光の利用である。すなわち、液晶層の前面にガラス板を、背面に反射板を設置して、入射光(太陽光や室内灯光)を蛍光色素へ照射する。液晶の配向変化により色素から発する蛍光の強度をオン・オフ的に制御可能となる。したがって、このタイプの液晶ディスプレイの開発にあたっては、高い二色性をもつ強蛍光性の色素の開発がキーポイントになる。つまり、それ自身が強い蛍光を有していること、色素分子の向きにより発する蛍光の強弱の比(オーダーパラメーター:S)が大きい(>0.7)こと、液晶に対して溶解性に優れ、配向性が良いことなどが重要な条件となっている。
従来から、2,1,3−ベンゾチアジアゾールは棒状構造を持ち、二色性蛍光色素として有用であることが知られており、この分野への応用が大いに期待されている。しかし、溶解性や配向性を制御するために選択的に置換基を導入することが困難であり、改善が強く望まれている。
一方、2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物は、医薬品、農薬、色素、プラスチック、合成繊維の中間体としても有用であり、種々の分野で利用されてきた。例えば、シンジェンタのベンゾチアジアゾール系化合物アシベンゾラール−S−メチルは、病害抵抗性誘導剤として日本でも上市済みである。また、4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物は特にアゾ色素の中間体として非常に有用である。
従来から、アゾ色素は種々の可視光吸収を有することが多いために、色素として種々の分野で利用されてきた。例えば合成樹脂の着色、印刷インク、昇華型感熱転写材料用色素、インクジェット用インク、カラーフィルター用色素等、種々の分野で用いられるようになってきている。色素としてアゾ色素に要求される大きな性能に吸収スペクトルがある。色素の色相は、色素によって着色した物体の色目、風合い等に大きな影響を与え、視覚に与える効果が大きい。従って、古くから色素の吸収スペクトルに関する研究がなされている。総説としては非特許文献1に示されており、成書としては非特許文献2、3等が有り、アゾ色素あるいはアゾ顔料の章に詳細に説明されている。
近年、画像記録材料として、カラー画像が主流となり、色素の使用用途も多様化してきた。具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク等に盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレイではLCDやPDPにおいて、カラー画像を記録、再現するためにカラーフィルターが使用されている。更には繊維や毛髪の染色にも使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(染料や顔料)が使用されている。しかし、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件、環境条件に耐えうる、色相が良く堅牢な着色剤が無いのが現状であり、改善が強く望まれている。
これらの各用途で使用する着色剤には、共通して、色再現上好ましい吸収特性を有すること、使用される環境条件化での堅牢性、モル吸光係数が大きいこと等が要求される。
従来から2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物をアゾ成分とするアゾ染料は、特許文献1〜2に開示されているが、いずれも色相、堅牢性、分子吸光係数を満足させるものではなかった。また、非特許文献4には2,1,3−ベンゾチアジアゾール誘導体アゾ染料の合成方法が記載されているがこれらのアゾ染料は色相、分光吸光係数等を満足するものではなかった。
ところで、アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールにSO3H基を導入した化合物は非特許文献5に示されているが、5位と7位の両方に導入したものである。これは5位と7位の配向性にあまり差がなく、選択的にどちらかにSO3H基を導入することが困難なためである。
英国特許 第1550620A号 伊国特許 第778433号 J.Fabian and H.Hartmann Light Absorption of Organic Colorants, J.Fabian著, Springer−Verlag, Berline, (1980年) Color Chemistry, Heinrich Zollinger著, Weinheim・New York・Basel・Cambridge, (1987年) 合成染料、 野口博著、 三共出版株式会社、(1970年) Bollettino Scientifico della Facolta di Chimica Industriale di Bologna, 26巻(3−4), 215−26頁 (1968年) Zhurnal Obshchei Khimii, 34巻(4), 1267−72 (1964年)
本発明の目的は、良好な色相および堅牢性を発揮するアゾ色素の合成中間体となし得る新規な構造の4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の4−アミノ−の2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物が、良好な色相および堅牢性を発揮するアゾ色素の中間体となることを見出しこのこの知見に基き本発明をなすに至った。
前記課題は下記の手段によって達成される。
下記一般式(1)で表わされる化合物。
Figure 0004771670
前記一般式(1)中、R1、R3のうち、いずれか一方はSO3M(Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを示す。)またはSO2NR4R5を表し、他方は水素原子を表し、R2、R4、R5は独立して水素原子または置換基を表わす。
本発明の4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物は良好な色相を有し、かつ光および熱に対して良好な堅牢性を発揮するアゾ色素の合成中間体として用いることができる。この合成中間体は、反応により変換しやすい官能基を置換基として有する色素の合成用として好適である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の前記一般式(I)における置換基とは、置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロパルギル基、ビニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニル基、4−ニトロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−テトラヒドロフリル基、2−ピリジル基、ピリミジン−2−イル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、2−ピロリル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、ベンゾイミダゾール−2−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、アセチル基、2−メチルプロパノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜16のもの、例えば、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜8のもの、例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、2−メチルプロパノイルアミノ基、クロロアセチルアミノ基、ベンズアミド基)、脂肪族オキシ基(好ましくは炭素数1〜16のもの、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜17のもの、例えば、フェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−ピラゾリルオキシ基)、脂肪族オキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メトキシカルボニル基、2−プロピルオキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜17のもの、例えば、フェノキシカルボニル基、4−メトキシフェノキカルボニル基)、ヘテロ環オキシカルボニル基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルオキシカルボニル、2−チエニルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基)、脂肪族スルホニル基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、メトキシエタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルスルホニル基、4−t−ブチルフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、ヘテロ環スルホニル基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−テトロヒドロピラニルスルホニル基)、脂肪族スルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、ヘテロ環スルホニルオキシ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルスルホニルオキシ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜12のもの、例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基)、脂肪族スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基)、アリールスルホンアミド基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、ベンゼンスルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミド基)、ヘテロ環スルホンアミド基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルスルホニルアミノ)、アミノ基、脂肪族アミノ基(好ましくは炭素数1〜16のもの、例えば、メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルアミノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルアミノ基、ピラゾール−4−イルアミノ基、ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ、ベンゾチアゾール−2−イルアミノ基、ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、1,2,4−トリアゾール−3−イルアミノ基、1,2,4−チアジアゾール−2−イルアミノ基、1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ基、1,2,4−オキサジアゾール−2−イルアミノ基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イルアミノ基、)、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜12のもの、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜17のもの、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルオキシカルボニルアミノ)、脂肪族スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜 12のもの、例えば、メチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルスルフィニル基)、脂肪族チオ基(好ましくは炭素数1〜18のもの、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、2−エトキシエチルチオ基、ブチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜18のもの、例えば、フェニルチオ基)、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、メトキシアミノ基、ブトキシアミノ基)、アリールオキシアミノ基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェノキシアミノ基)、カルバモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜18のもの、例えば、カルバモイルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜18のもの、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基、)、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、N−(スルファモイル)カルバモイル基、N−(N’,N’−ジメチルスルファモイル)カルバモイル基)、カルバモイルスルファモイル基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、N−(カルバモイル)スルファモイル基)、ジ脂肪族オキシホスフィニル基(好ましくは炭素数2〜16のもの、例えば、ジメトキシホスホニル基)、ジアリールオキシホスフィニル基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェノキシホスフィニル基)等をあげることができる。
以下に本発明の一般式(1)で表される化合物を詳細に説明する。
Figure 0004771670
一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方はSO3M(Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを示す。)またはSO2NR4R5を表し、他方は水素原子を表し、R2、R4、R5は独立して水素原子または置換基を表す。一般式(1)において、R1又はR3がSO3M基の化合物は、一般に水溶性が高いという特性があり、SO2NR4R5基の化合物は有機溶媒に対する溶解性が高いという特性がある。SO3M基のMは、アルカリ金属の場合、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが好ましく、アルカリ土類金属の場合、マグネシウム、カルシウムが好ましく、Mの選択により水溶性/油溶性のバランスや結晶性をコントロールすることができる。Mをアンモニウム、特にテトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等にすることで有機溶媒に対する溶解性を付与することもできる。SO2NR4R5基の化合物はR4及び/又はR5の選択により水溶性/油溶性のバランス、結晶性をコントロールすることができる。
R2で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、ベンゼン環上に置換可能な基であれば良い。
本発明の効果の点で、R2として好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、である。より好ましくは、水素原子、脂肪族基(好ましくは炭素原子数1〜10のもの)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜12のもの)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜11のもの)、脂肪族オキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のもの)、脂肪族スルホニルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のもの)、ハロゲン原子、である。最も好ましくは、水素原子である。
R4およびR5で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であれば良い。
本発明の効果の点で、R4およびR5として好ましくは、独立して水素、n が1から6の整数である直鎖もしくは分岐鎖のアルキル(CnH2n+1);ヒドロキシ、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン原子、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、カルボン酸エステルまたはスルホで置換されたアルキル;シクロアルキル;ベンジル;フェニル;ヒドロキシ、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、スルファモイル、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、カルボン酸エステルまたはスルホで置換されたフェニル;複素環式基;スルファモイル、カルボキシ、カルバモイル、カルボン酸エステル、スルホまたは1から6個の炭素原子を有するアルキルで置換された複素環式基であるか、またはそれらが付加した窒素原子とともに5または6員環を形成する。より好ましくは、水素、n が1から4の整数である直鎖もしくは分岐鎖のアルキル(CnH2n+1)である。最も好ましくは、水素原子である。
以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 0004771670
Figure 0004771670
(本発明の化合物の合成法)
[1]一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方がSO3Hである化合物の合成法
下記一般式(11)で表される化合物を原料とし、一般式(1)で表される化合物に属する、下記一般式(12)または(13)で表される化合物を合成することができる。
一般式(11)
Figure 0004771670
一般式(12)
Figure 0004771670
一般式(13)
Figure 0004771670
上記式中、Rは置換基を表し、一般式(1)におけるR2と同じ意味の基を表す。
本合成法において、Rとして好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、である。より好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、ハロゲン原子、である。最も好ましくは、水素原子である。
[1−1]一般式(11)で表される化合物と硫酸とを反応させて、一般式(12)で表される化合物を合成する方法
一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応においては、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行ってもよい。本発明の反応に用いることのできる溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、イソプロパノール)、塩素系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、 N、N−ジメチルアセトアミド)、ウレイド系溶媒(例えば1,3―ジメチル−2―イミダゾリジノン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、リン酸アミド系溶媒(例えば、ヘキサメチルホスホリックトリアミド)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル)、カルボン酸系溶媒(例えば、酢酸)が挙げられる。好ましくは、塩素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、スルホン系溶媒、エステル系溶媒、カルボン酸系溶媒が用いられる。更に好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ニトロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、スルホラン、酢酸エチル、酢酸が用いられる。
これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量としては、一般式(I)で表される化合物の1質量部当たり、好ましくは0.1 〜1000質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応において用いることができるスルホン化試薬としては、硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、三酸化硫黄錯体(例えば、三酸化硫黄ピリジン錯体、三酸化硫黄トリエチルアミン錯体)等が挙げられ、基質によって選択される。より好ましいものは硫酸、発煙硫酸、アミド硫酸であり、更に好ましくは、硫酸である。
一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応において、一般式(11)で表される化合物と上記スルホン化試薬とのモル比は一般に1:0.001〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:0.001〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:0.001〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:0.001〜1:3のモル比で使用される。
一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応において、反応温度としては特に制限はないが、0℃から300℃の範囲で実施可能であり、好ましくは10℃から250℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは20℃から200℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応において、反応時間としては、1分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは1分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは1分から5時間の範囲で実施できる。
上記の合成方法において用いることができる一般式(11)で表される化合物のうち、好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004771670
以下に上記の合成方法において合成することができる一般式(12)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004771670
[1−2]一般式(11)で表される化合物と三酸化硫黄ピリジンとを反応させて、一般式(13)で表される化合物を合成する方法
一般式(11)で表される化合物から一般式(13)で表される化合物を合成する反応において用いることができる溶媒としては、一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応において述べたものと同じものを用いることができ、好ましい範囲も同様である。
一般式(11)で表される化合物から一般式(13)で表される化合物を合成する反応において用いることができるスルホン化試薬としては、硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、三酸化硫黄錯体(例えば、三酸化硫黄ピリジン錯体、三酸化硫黄トリエチルアミン錯体)等が挙げられ、基質によって選択される。より好ましいものは発煙硫酸、アミド硫酸、三酸化硫黄ピリジン錯体であり、更に好ましくは、アミド硫酸、三酸化硫黄ピリジン錯体である。
一般式(11)で表される化合物から一般式(13)で表される化合物を合成する反応において、一般式(11)で表される化合物と上記試薬とのモル比は一般に1:0.001〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:0.001〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:0.001〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:0.001〜1:5のモル比で使用される。
一般式(11)で表される化合物から一般式(13)で表される化合物を合成する反応において、反応温度としては特に制限はないが、0℃から300℃の範囲で実施可能であり、好ましくは10℃から250℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは0℃から150℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
一般式(11)で表される化合物から一般式(13)で表される化合物を合成する反応において、反応時間としては、10分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは10分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは10分から10時間の範囲で実施でき、基質により選択される。
上記の合成方法において用いることができる一般式(11)で表される化合物の好ましい具体例としては、先に一般式(11)で表される化合物から一般式(12)で表される化合物を合成する反応において説明したものと同じものが挙げられる。
以下に上記の合成方法において合成できる一般式(13)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004771670
一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方がSO3Mで、Mが水素原子以外の化合物は、上記の方法によりMが水素原子である化合物を合成した後、Mに相当する金属イオン又はアンモニウムイオンを含む化合物を用いて塩交換することにより合成することができる。Mに相当する金属イオン又はアンモニウムイオンを含む化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウム等の金属の、塩化物、水酸化物、酢酸塩、炭酸塩および炭酸水素塩、塩化アンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
[2]一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方がSO2NR4R5で表される化合物の合成法
一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方がSO2NR4R5で表される化合物の合成について以下に説明する。下記一般式(21)で表される化合物から、下記一般式(22)、(23)で表される化合物を経由して、下記一般式(24)で表される化合物を合成する方法を適用することができる。
一般式(21)
Figure 0004771670
一般式(22)
Figure 0004771670
一般式(23)
Figure 0004771670
一般式(24)
Figure 0004771670
上記式中、R21は水素原子または置換基を表し、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表し、Aは保護基を表し、R22およびR23は独立して水素原子または置換基を表す。ここで、置換基は前記一般式(I)における置換基として説明した基と同じである。
本合成法において、R21として好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、である。より好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、ハロゲン原子、であり、最も好ましくは、水素原子である。
22およびR23は、好ましくは、独立して水素、Q が1から6の整数である直鎖もしくは分岐鎖のアルキル(C2Q+1);ヒドロキシ、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、カルボン酸エステルまたはスルホで置換されたアルキル;シクロアルキル;ベンジル;フェニル;ヒドロキシ、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、スルファモイル、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、カルボン酸エステルまたはスルホで置換されたフェニル;複素環式基;スルファモイル、カルボキシ、カルバモイル、カルボン酸エステル、スルホまたは1から6個の炭素原子を有するアルキルで置換された複素環式基であるか、またはそれらが付加した窒素原子とともに5または6員環を形成する。より好ましくは、水素、Q が1から4の整数である直鎖もしくは分岐鎖のアルキル(C2Q+1)である。最も好ましくは、水素原子である。
Aは保護基を表し、好ましくは、アシル基(例えば、ベンゾイル、アセチル、ホルミル)、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基、アリル基、ベンジル基、トリフェニルメチル基、ニトロソ基、N−ニトロ基、ホスホリル基、スルフェニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルシリル基を表す。より好ましくは、Aはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ベンジル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基であり、最も好ましくは、アシル基である。
本合成法においては、反応により生成する一般式(22)および/または一般式(23)で表される化合物を単離せずに、1ポットで引き続き反応を行うことにより、一般式(24)で表される化合物を合成しても良いし、一般式(22)および/または一般式(23)で表される化合物を、一旦単離あるいは抽出、濃縮、精製等の操作を行った後に次工程の反応を行い、最終的に一般式(24)で表される化合物を合成してもよい。
本合成法で使用される一般式(21)で表される化合物は、4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール類をスルホン化すること等により合成することができ、具体的には、先に説明した一般式(12)または(13)で表される化合物の合成法を好ましく用いることができる。本合成法においては、4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール類をスルホン化し、一般式(21)で表される化合物を単離、精製した後、次の工程を行ってもよいし、4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール類をスルホン化した後、単離せずに保護して、さらに次工程以降の反応を行ってもよい。生産性向上および製造コスト低減のためには、これらの反応工程の一部または全て1ポットで行うのが好ましい。
[2−1]一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する方法
一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応において用いることができる、保護基を導入するための試薬としては、前述の保護基の項で述べた基に対応する塩化物(例えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化イソブチリル、塩化ピバロイル、塩化ベンゾイル、クロル炭酸エチル、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド)、臭化物(例えば、臭化トリチル)、酸無水物(例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ピバリン酸、無水安息香酸、カルボン酸とスルホン酸との混合酸無水物)、エステル類(酢酸フェニル、安息香酸p−ニトロフェニル、酪酸メチル)等が挙げられる。より好ましいのは塩化物、酸無水物であり、基質によって選択される。
一般式(21)で表される化合物と保護基を導入するために使用する試薬とのモル比は一般に1:1〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:1〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:1〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:1〜1:3のモル比で使用される。
一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応は、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行う。上記の合成反応に用いることのできる溶媒としては、例えば水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、イソプロパノール)、塩素系溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム)、芳香族系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン)、アミド系溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、 N,N−ジメチルアセトアミド)、尿素系溶媒(例えば1,3―ジメチル−2―イミダゾリジノン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン)、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、リン酸アミド系溶媒(例えば、ヘキサメチルホスホリックトリアミド)、炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル)、カルボン酸系溶媒(例えば、酢酸)が挙げられ、基質により選択される。
これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量としては、一般式(21)で表される化合物の1質量部当たり、好ましくは0.1 〜1000質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。水/エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒もしくは塩素系溶媒の混合系、塩素系溶媒、芳香族系溶媒、アミド系溶媒、尿素系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒が特に好ましい。
一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応において、反応温度としては特に制限はないが、−80℃から200℃の範囲で実施可能であり、好ましくは−20℃から80℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは−10℃から60℃の範囲で実施できる。
一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応において、反応時間としては、1分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは1分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは1分から5時間の範囲で実施できる。
本合成法に使用できる一般式(21)で表される化合物の好ましい具体例として、先に一般式(13)又は一般式(13)で表される化合物の具体例として挙げた(B1)〜(B16)、および下記の化合物が挙げられるが、本発明はこれらによって限定されない。
Figure 0004771670
本合成法により合成できる一般式(22)で表される化合物の好ましい具体例として、下記の化合物が挙げられるが、本発明はこれらによって限定されない。
Figure 0004771670
Figure 0004771670
[2−2]一般式(22)で表される化合物から一般式(23)で表される化合物を合成する方法
一般式(22)で表される化合物から一般式(23)で表される化合物を合成する反応は、スルホ基をクロロスルホニル基に変換してスルホニルクロリドとした後、アミン類と反応させることによって達成できる。スルホニルクロリドの合成に用いることができるクロル化試薬としては、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リンおよび塩化チオニルが挙げられ、基質により選択される。
一般式(22)で表される化合物からスルホニルクロリドを合成する反応において、一般式(22)で表される化合物と使用するクロル化試薬とのモル比は一般に1:0.001〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:0.01〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:0.01〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:0.01〜1:3のモル比で使用される。
一般式(22)で表される化合物からスルホニルクロリドを合成する反応は、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行う。上記の合成反応に用いることのできる溶媒としては、先に一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応に用いることができる溶媒として挙げたものが挙げられる。塩素系溶媒、芳香族系溶媒、アミド系溶媒、尿素系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、エステル系溶媒が特に好ましい。また、塩素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、またはエステル系溶媒に、少量のアミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)を混合して用いることも好ましい。
一般式(22)で表される化合物からスルホニルクロリドを合成する段階において、反応温度は特に制限はないが、−20℃から200℃の範囲で実施可能であり、好ましくは−10℃から150℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは0℃から60℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
一般式(22)で表される化合物からスルホニルクロリドを合成する反応において、反応時間としては、1分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは1分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは1分から5時間の範囲で実施できる。
スルホニルクロリドから一般式(23)で表される化合物を合成する反応に使用できるアミン類としては、アンモニア、1級アミン(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、2−メトキシエチルアミン、アニリン)、2級アミン(例えば、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、ジエタノールアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミン、N−ブチル−N−メチルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン)等が挙げられる。一般式(23において、R22、R23が水素の場合には、スルホニルイソシアナートを合成した後、水と反応してもよい。
スルホニルクロリドから一般式(23)で表される化合物を合成する反応において、スルホニルクロリドと使用するアミン類とのモル比は一般に1:1〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:1〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:1〜1:30のモル比で使用され、特に好ましくは1:1〜1:20のモル比で使用される。
スルホニルクロリドから一般式(23)で表される化合物を合成する反応は、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行う。上記の合成反応に用いることのできる溶媒としては、先に一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応に用いることができる溶媒として挙げたものが挙げられる。水/エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒もしくは塩素系溶媒の混合系、塩素系溶媒、芳香族系溶媒、アミド系溶媒、尿素系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒、リン酸アミド系溶媒、エステル系溶媒が特に好ましい。
スルホニルクロリドから一般式(23)で表される化合物を合成する段階において、反応温度は特に制限はないが、−20℃から200℃の範囲で実施可能であり、好ましくは0℃から150℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは10℃から80℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
スルホニルクロリドから一般式(23)で表される化合物を合成する反応において、反応時間としては、1分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは1分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは1分から5時間の範囲で実施できる。
一般式(23)で表される化合物の好ましい具体例として、下記の化合物が挙げられるが、本発明はこれらによって限定されない。
Figure 0004771670
Figure 0004771670
[2−3]一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する方法
一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する反応は、酸性条件(例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素、トリフルオロ酢酸を使用)、塩基性条件(例えば、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアを使用)、加水素分解条件(例えば、水素/Pd触媒)、還元条件(例えば、水素/ラネーニッケル、電解還元)で行うことができ、基質によって選択される。
一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する反応において、一般式(23)で表される化合物と使用する脱保護試薬とのモル比は一般に1:1〜1:100のモル比で使用され、好ましくは1:1〜1:50のモル比で使用され、さらに好ましくは1:1〜1:10のモル比で使用され、特に好ましくは1:1〜1:3のモル比で使用される。
一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する反応は、無溶媒で反応を行ってもよいが、好ましくは適当な溶媒に溶解または分散して行う。上記の合成反応に用いることのできる溶媒としては、先に一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応に用いることができる溶媒として挙げたものが挙げられる。水、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒、アミド系溶媒、尿素系溶媒、ニトリル系溶媒、エーテル系溶媒、スルホン系溶媒(例えば、スルホラン)、スルホキシド系溶媒、リン酸アミド系溶媒、エステル系溶媒が特に好ましい。
一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する段階において、反応温度は特に制限はないが、−20℃から200℃の範囲で実施可能であり、好ましくは0℃から150℃の範囲で実施でき、さらに好ましくは20℃から100℃の範囲で実施でき、基質により選択される。
一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する反応において、反応時間としては、1分から50時間の範囲で実施可能であり、好ましくは1分から20時間の範囲で実施でき、さらに好ましくは1分から5時間の範囲で実施できる。
一般式(24)で表される化合物の好ましい具体例として、下記の化合物が挙げられるが、本発明はこれらによって限定されない。
Figure 0004771670
Figure 0004771670
本発明の化合物を用いるアゾ色素化合物の合成は、本発明の化合物を亜硝酸ナトリウムによりジアゾ化し、このジアゾとカプラーとのジアゾカップリング反応によって行うことができる。
この方法自体は公知であり、例えば、特開2003−342139号公報の実施例などの記載に従って行うことができる。
以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
例示化合物(C1)の合成
例示化合物(C1)は下記スキーム1にしたがって合成した。
Figure 0004771670
化合物(A)54.4g(0.36モル)をm−ジクロロベンゼン300mlに溶かした溶液に、攪拌下に98%硫酸97.5gを徐々に添加した。その後、150℃で5時間攪拌した。反応液を室温に下げ、析出した結晶を濾過し、メタノールで充分洗浄した。得られた結晶を乾燥し、本発明の化合物(C1)66.0gを得た。収率79% 融点300℃以上
例示化合物(C2)の合成
例示化合物(C2)は下記スキーム2にしたがって合成した。
Figure 0004771670
化合物(A)2.5g(0.0165モル)をスルホラン12.5mlに溶かした溶液に、攪拌下に三酸化硫黄ピリジン錯体2.6gを徐々に添加し、80℃で5時間攪拌した。反応液を室温に下げ、析出した結晶を濾過し、メタノールで充分洗浄した。得られた結晶を乾燥し、本発明の例示化合物(C2)2.4gを得た。収率63% 融点300℃以上
例示化合物(C3)の合成
例示化合物(C3)は下記スキーム3にしたがって合成した。
Figure 0004771670
化合物(C1)80.9g(0.35モル)、酢酸ナトリウム28.7g(0.35モル)を酢酸350mlに溶かした溶液に、無水酢酸142.9g(1.4モル)を徐々に添加した。その後、80℃で3時間攪拌した。反応液を室温に下げ、析出した結晶を濾過し、酢酸エチルで充分洗浄した。得られた結晶を乾燥し、化合物(B)82.0gを得た。収率86%
化合物(B)82.0g(0.3モル)をアセトニトリル1200mlに溶かした溶液に、攪拌下にオキシ塩化燐45.9g(0.3モル)を滴下し、25℃で3時間攪拌した。反応液を0℃で攪拌下に、アンモニア水100mlを滴下し、0℃で30分攪拌し、析出した結晶を濾過し、水100mlで洗浄した。乾燥し化合物(C)56.8gを得た。収率70%
化合物(C)56.8g(0.21モル)をメタノール570mlに溶かした溶液に、攪拌下に塩酸407mlを添加し、80℃で3時間攪拌した。反応液を室温に下げ、析出した結晶を濾過し、メタノール100mlで洗浄した。得られた結晶を乾燥し、本発明の例示化合物(C3)36.5gを得た。収率75% 融点224〜226℃
例示化合物(C3)を用いた色素の合成
例示化合物(C3)を用いて、下記の色素(2)を合成した。
Figure 0004771670
色素(2)は、下記スキーム4に従って合成した。
Figure 0004771670
化合物(C3)6.9g(0.03モル)を燐酸345mlに溶かした溶液を0℃で攪拌下に、亜硝酸ナトリウム2.1g(0.03モル)を添加し、30分間攪拌した。反応液に化合物(D)5.4g(0.027モル)を添加し、25℃で3時間攪拌した。反応液に水150mlを加え1時間攪拌し、析出した結晶を濾過し、水で充分洗浄した。得られた結晶を乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、メタノール15mlで晶析、析出した結晶を濾過し、冷メタノール10mlで洗浄し、乾燥し、茶色結晶の色素(2)を3.9g得た。収率50% 融点197〜198℃ DMF中の吸収極大λmax635.6nm(ε41,600)であった。この色素は、図1の吸収スペクトルを示し、色相が良好であった。また堅牢性は特開平12−280630号公報の実施例1に記載の試験によって、濃度低下や変色が観測されず安定であり、光もしくは熱に対する堅牢性が良好であった。
一般式(1)で表わされる化合物の用途としては、蛍光材料、医薬品、農薬、色素、プラスチック、合成繊維の中間体等への使用が挙げられる。具体的には、蛍光液晶ディスプレイや、病害抵抗性誘導剤、色素の中間体等があり、好ましくはアゾ色素の中間体への使用が挙げられる。
本発明の化合物は、置換基を調整することによって、その用途に適した溶解性、分散性、などの物性を最適化し使用する。また本発明の化合物は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、固体分散状態でも使用することができる。
実施例4で合成された色素の吸収スペクトル(溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド)である。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 0004771670

    前記一般式(1)中、R1、R3のうち、いずれか一方はSO3M(Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを示す。)またはSO2NR4R5を表し、他方は水素原子を表し、R2、R4、R5 は水素原子を表す。
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