JP4771670B2 - 4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物 - Google Patents
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そのため、液晶に蛍光色素を加えて、太陽光や室内光を利用した明るい蛍光液晶ディスプレイが検討されている。基本原理は、液晶層に溶解させた高二色性蛍光色素への光照射(太陽光や室内灯光)に基づく、蛍光発光の利用である。すなわち、液晶層の前面にガラス板を、背面に反射板を設置して、入射光(太陽光や室内灯光)を蛍光色素へ照射する。液晶の配向変化により色素から発する蛍光の強度をオン・オフ的に制御可能となる。したがって、このタイプの液晶ディスプレイの開発にあたっては、高い二色性をもつ強蛍光性の色素の開発がキーポイントになる。つまり、それ自身が強い蛍光を有していること、色素分子の向きにより発する蛍光の強弱の比(オーダーパラメーター:S)が大きい(>0.7)こと、液晶に対して溶解性に優れ、配向性が良いことなどが重要な条件となっている。
従来から、2,1,3−ベンゾチアジアゾールは棒状構造を持ち、二色性蛍光色素として有用であることが知られており、この分野への応用が大いに期待されている。しかし、溶解性や配向性を制御するために選択的に置換基を導入することが困難であり、改善が強く望まれている。
従来から2,1,3−ベンゾチアジアゾール化合物をアゾ成分とするアゾ染料は、特許文献1〜2に開示されているが、いずれも色相、堅牢性、分子吸光係数を満足させるものではなかった。また、非特許文献4には2,1,3−ベンゾチアジアゾール誘導体アゾ染料の合成方法が記載されているがこれらのアゾ染料は色相、分光吸光係数等を満足するものではなかった。
前記課題は下記の手段によって達成される。
下記一般式(1)で表わされる化合物。
本発明の前記一般式(I)における置換基とは、置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プロパルギル基、ビニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニル基、4−ニトロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−テトラヒドロフリル基、2−ピリジル基、ピリミジン−2−イル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、2−ピロリル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、ベンゾイミダゾール−2−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、アセチル基、2−メチルプロパノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜16のもの、例えば、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜8のもの、例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、2−メチルプロパノイルアミノ基、クロロアセチルアミノ基、ベンズアミド基)、脂肪族オキシ基(好ましくは炭素数1〜16のもの、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜17のもの、例えば、フェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−ピラゾリルオキシ基)、脂肪族オキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メトキシカルボニル基、2−プロピルオキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜17のもの、例えば、フェノキシカルボニル基、4−メトキシフェノキカルボニル基)、ヘテロ環オキシカルボニル基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルオキシカルボニル、2−チエニルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基)、脂肪族スルホニル基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、メトキシエタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルスルホニル基、4−t−ブチルフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、ヘテロ環スルホニル基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−テトロヒドロピラニルスルホニル基)、脂肪族スルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、ヘテロ環スルホニルオキシ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルスルホニルオキシ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜12のもの、例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基)、脂肪族スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜15のもの、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基)、アリールスルホンアミド基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、ベンゼンスルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミド基)、ヘテロ環スルホンアミド基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルスルホニルアミノ)、アミノ基、脂肪族アミノ基(好ましくは炭素数1〜16のもの、例えば、メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルアミノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルアミノ基、ピラゾール−4−イルアミノ基、ベンゾイミダゾール−2−イルアミノ、ベンゾチアゾール−2−イルアミノ基、ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、1,2,4−トリアゾール−3−イルアミノ基、1,2,4−チアジアゾール−2−イルアミノ基、1,3,4−チアジアゾール−2−イルアミノ基、1,2,4−オキサジアゾール−2−イルアミノ基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イルアミノ基、)、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜12のもの、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜17のもの、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基(好ましくは5〜10員環のヘテロ環基のもの、例えば、2−ピリジルオキシカルボニルアミノ)、脂肪族スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜 12のもの、例えば、メチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェニルスルフィニル基)、脂肪族チオ基(好ましくは炭素数1〜18のもの、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、2−エトキシエチルチオ基、ブチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜18のもの、例えば、フェニルチオ基)、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、メトキシアミノ基、ブトキシアミノ基)、アリールオキシアミノ基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェノキシアミノ基)、カルバモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜18のもの、例えば、カルバモイルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜18のもの、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルスルファモイルアミノ基、)、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、N−(スルファモイル)カルバモイル基、N−(N’,N’−ジメチルスルファモイル)カルバモイル基)、カルバモイルスルファモイル基(好ましくは炭素数1〜12のもの、例えば、N−(カルバモイル)スルファモイル基)、ジ脂肪族オキシホスフィニル基(好ましくは炭素数2〜16のもの、例えば、ジメトキシホスホニル基)、ジアリールオキシホスフィニル基(好ましくは炭素数6〜16のもの、例えば、フェノキシホスフィニル基)等をあげることができる。
本発明の効果の点で、R2として好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、である。より好ましくは、水素原子、脂肪族基(好ましくは炭素原子数1〜10のもの)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜12のもの)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜11のもの)、脂肪族オキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のもの)、脂肪族スルホニルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のもの)、ハロゲン原子、である。最も好ましくは、水素原子である。
本発明の効果の点で、R4およびR5として好ましくは、独立して水素、n が1から6の整数である直鎖もしくは分岐鎖のアルキル(CnH2n+1);ヒドロキシ、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン原子、スルファモイル、スルホンアミド、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、カルボン酸エステルまたはスルホで置換されたアルキル;シクロアルキル;ベンジル;フェニル;ヒドロキシ、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロゲン、スルファモイル、カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、カルボン酸エステルまたはスルホで置換されたフェニル;複素環式基;スルファモイル、カルボキシ、カルバモイル、カルボン酸エステル、スルホまたは1から6個の炭素原子を有するアルキルで置換された複素環式基であるか、またはそれらが付加した窒素原子とともに5または6員環を形成する。より好ましくは、水素、n が1から4の整数である直鎖もしくは分岐鎖のアルキル(CnH2n+1)である。最も好ましくは、水素原子である。
[1]一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方がSO3Hである化合物の合成法
下記一般式(11)で表される化合物を原料とし、一般式(1)で表される化合物に属する、下記一般式(12)または(13)で表される化合物を合成することができる。
一般式(11)
以下に上記の合成方法において合成できる一般式(13)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)において、R1、R3のうち、いずれか一方がSO2NR4R5で表される化合物の合成について以下に説明する。下記一般式(21)で表される化合物から、下記一般式(22)、(23)で表される化合物を経由して、下記一般式(24)で表される化合物を合成する方法を適用することができる。
一般式(21)
一般式(21)で表される化合物から一般式(22)で表される化合物を合成する反応において用いることができる、保護基を導入するための試薬としては、前述の保護基の項で述べた基に対応する塩化物(例えば、塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化イソブチリル、塩化ピバロイル、塩化ベンゾイル、クロル炭酸エチル、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド)、臭化物(例えば、臭化トリチル)、酸無水物(例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ピバリン酸、無水安息香酸、カルボン酸とスルホン酸との混合酸無水物)、エステル類(酢酸フェニル、安息香酸p−ニトロフェニル、酪酸メチル)等が挙げられる。より好ましいのは塩化物、酸無水物であり、基質によって選択される。
一般式(22)で表される化合物から一般式(23)で表される化合物を合成する反応は、スルホ基をクロロスルホニル基に変換してスルホニルクロリドとした後、アミン類と反応させることによって達成できる。スルホニルクロリドの合成に用いることができるクロル化試薬としては、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リンおよび塩化チオニルが挙げられ、基質により選択される。
一般式(23)で表される化合物から一般式(24)で表される化合物を合成する反応は、酸性条件(例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素、トリフルオロ酢酸を使用)、塩基性条件(例えば、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアを使用)、加水素分解条件(例えば、水素/Pd触媒)、還元条件(例えば、水素/ラネーニッケル、電解還元)で行うことができ、基質によって選択される。
この方法自体は公知であり、例えば、特開2003−342139号公報の実施例などの記載に従って行うことができる。
以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
例示化合物(C1)は下記スキーム1にしたがって合成した。
例示化合物(C2)は下記スキーム2にしたがって合成した。
例示化合物(C3)は下記スキーム3にしたがって合成した。
化合物(B)82.0g(0.3モル)をアセトニトリル1200mlに溶かした溶液に、攪拌下にオキシ塩化燐45.9g(0.3モル)を滴下し、25℃で3時間攪拌した。反応液を0℃で攪拌下に、アンモニア水100mlを滴下し、0℃で30分攪拌し、析出した結晶を濾過し、水100mlで洗浄した。乾燥し化合物(C)56.8gを得た。収率70%
化合物(C)56.8g(0.21モル)をメタノール570mlに溶かした溶液に、攪拌下に塩酸407mlを添加し、80℃で3時間攪拌した。反応液を室温に下げ、析出した結晶を濾過し、メタノール100mlで洗浄した。得られた結晶を乾燥し、本発明の例示化合物(C3)36.5gを得た。収率75% 融点224〜226℃
例示化合物(C3)を用いて、下記の色素(2)を合成した。
本発明の化合物は、置換基を調整することによって、その用途に適した溶解性、分散性、などの物性を最適化し使用する。また本発明の化合物は、用いられる系に応じて溶解状態、乳化分散状態、固体分散状態でも使用することができる。
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