JP2004217787A - アントラピリジン化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なアントラピリジン化合物に関する。本発明のアントラピリジン化合物は、インクジェット記録、感熱転写記録、カラー電子写真等の画像記録材料用色素、カラーフィルター等の電子材料用の染料または顔料、分散染料用の染料、発光材料用の蛍光色素、あるいは光情報記録媒体用色素等に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
アントラキノン系色素は、従来、繊維等の染色の分野において、あるいは画像形成用の色素及び染料として広く用いられてきた。一方、近年はインクジェット記録方法、感熱転写方式、カラー電子写真、印刷インク、記録ペン等の新しいカラー画像形成方法が実用に供されている。
【0003】
従来、インクジェット記録方式は、ピエゾ素子の電気−機械変換により液滴を圧力吐出させる方式、電気−熱変換により気泡を発生させて液滴を圧力吐出させる方式、静電力により液滴を吸引吐出させる方式等が通常、用いられている。
【0004】
インクジェット記録液(以下、インクジェット用インク、または単に、インクともいう)においては、たとえば上記から選択されるようなその使用される記録方式に適合すること、高い記録画像濃度を有し色調が良好であること、耐光性や耐熱性および耐水性といった色画像堅牢性に優れること、被記録媒体に対して定着が速く記録後に滲まないこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性や引火性といった安全性に問題がないこと、安価であること等が要求される。
【0005】
このような観点から、種々のインクジェット記録液が提案、検討されているが、要求の多くを同時に満足するようなインクジェット記録液はきわめて限られている。
【0006】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを用いたカラー画像記録においては、たとえばC.I.インデックスに記載されている従来から公知のC.I.ナンバーを有する染料、顔料が広く検討されてきた。例えば、水溶性染料を用いたマゼンタのインクにおいては、C.I.アシッドレッド52のようなキサンテン系、C.I.ダイレクトレッド20のようなアゾ系の水溶性染料を使用したものが知られているが、これらはプリンターでの目詰まりに対する高い信頼性を有しているが、その反面、耐光性のような堅牢性および耐水性に問題を有していた。
【0007】
一方、C.I.ピグメントレッド122のようなキナクリドン系の顔料を使用したものが知られているが、これらは高い堅牢性を有するものの、印字濃度が上がらない、またはブロンジング等の色再現性の問題を起こしやすかった。
【0008】
このように従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは困難であり、特にマゼンタでその改良が強く望まれている。
【0009】
ところで、アントラピリジン化合物は古くから知られており、例えば、下記化合物が開示されて(例えば、特許文献1参照。)いる。
【0010】
【化6】
【0011】
さらに、下記化合物も開示されて(例えば、特許文献2参照。)いる。
【0012】
【化7】
【0013】
しかしながら、これらの色調は黄〜オレンジであり、マゼンタとはいい難い。
【0014】
【特許文献1】
米国特許第2,759,939号明細書 (第6頁、例9)
【0015】
【特許文献2】
米国特許第4,196,294号明細書 (第14頁、化合物D)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、マゼンタの色再現性に優れた新規なアントラピリジン化合物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の問題点を種々検討した結果、請求項1に記載の特定の置換基によって置換されたアントラピリジン化合物によって、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の上記目的は下記の構成1〜7によって達成された。
【0018】
1.前記一般式(1)で表されるアントラピリジン化合物。
2.前記一般式(1)において、R12及びR13が、各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R12及びR13が各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基を表すとき、それらが結合して環を形成してもよく、R14がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表すことを特徴とする前記1記載のアントラピリジン化合物。
【0019】
3.前記一般式(2)で表されるアントラピリジン化合物。
4.前記一般式(3)で表されるアントラピリジン化合物。
【0020】
5.前記一般式(4)で表される化合物とハロゲン化剤の共存下に、前記一般式(5)で表される化合物と反応させることを特徴とする一般式(1)で表されるアントラピリジン化合物の製造方法。
【0021】
6.ハロゲン化剤がオキシ塩化リンであることを特徴とする前記5記載の一般式(1)で表されるアントラピリジン化合物の製造方法。
【0022】
7.反応温度が40〜60℃であることを特徴とする前記5または6記載の一般式(1)で表されるアントラピリジン化合物の製造方法。
【0023】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係る前記一般式(1)〜(5)で表される化合物(以下、前記一般式(1)〜(3)の場合、単に色素ともいう)について、各々説明する。
【0024】
《一般式(1)で表される化合物》
本発明に係る一般式(1)で表される化合物について詳細に説明する。
【0025】
一般式(1)において、R11はハメット置換基定数σp値が0〜0.6の置換基を表す。
【0026】
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
【0027】
R11で表される置換基は、ハメット置換基定数σp値が0〜0.6の置換基であれば特に制限はないが、例えば、R11で表される置換基は、例えば、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸の塩、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボン酸の塩、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロプロピル基等)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフルオロメチルオキシ基等)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフルオロフェニルオキシ基等)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ基、1,1,2,2−テトラフルオロエチルチオ基等)、2つ以上のσp値が0.15以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基等)等の各基が挙げられる。
【0028】
R11としては、上記の中でも、アシル基、カルバモイル基およびアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0029】
R12及びR13で表される置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニ基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えばフェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
【0030】
R12及びR13としては、各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基が好ましい。R12及びR13が各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基を表すとき、それらが結合して環を形成してもよい。
【0031】
R12及びR13としては、各々水素原子及びアルキル基が特に好ましい。
R14、R15及びR16で表される置換基としては、特に制限はないが、代表的には、前記のR12及びR13で表される置換基と同義のものを含み、また、スピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0032】
R14としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基が好ましく、アリール基がさらに好ましく、フェニル基が最も好ましい。
【0033】
R15としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホン酸基、スルホン酸の塩が好ましく、アリールオキシ基がより好ましく、フェノキシ基が特に好ましい。
【0034】
n11は1〜2の整数、n12は0〜4の整数を表し、n11及びn12が2以上のとき、複数のR15及びR16は同じであっても異なっていてもよい。n11は1が好ましく、n12は0が好ましい。
【0035】
《一般式(2)で表される化合物》
本発明に係る一般式(2)で表される化合物について詳細に説明する。
【0036】
R21はハメット置換基定数σp値が0〜0.6の置換基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記のR11で表されるハメット置換基定数σp値が0〜0.6の置換基と同義のものを含む。R21としては、アシル基、カルバモイル基およびアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0037】
R22及びR23は、各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記のR12及びR13で表される水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基と同義のものを含む。R22及びR23が各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基を表すとき、それらが結合して環を形成してもよい。R22及びR23としては、水素原子及びアルキル基が好ましい。
【0038】
R24、R25及びR26は、各々置換基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記のR14、R15及びR16で表される置換基と同義のものを含む。R24はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸の塩が好ましい。R25としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホン酸基、スルホン酸の塩、カルボン酸、カルボン酸の塩が好ましく、アリールオキシ基がより好ましく、フェノキシ基が特に好ましい。
【0039】
n21は1〜5の整数を表し、n22は1〜2の整数、n23は0〜4の整数を表し、n21、n22及びn23が2以上のとき、複数のR24、R25及びR26は同じであっても異なっていてもよい。n22は1が好ましく、n23は0が好ましい。
【0040】
《一般式(3)で表される化合物》
本発明に係る一般式(3)で表される化合物について詳細に説明する。
【0041】
R31はハメット置換基定数σp値が0〜0.6の置換基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記のR11で表されるハメット置換基定数σp値が0〜0.6の置換基と同義のものを含む。R31としては、アシル基、カルバモイル基およびアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0042】
R32及びR33は、各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記のR12及びR13で表される水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基と同義のものを含む。R32及びR33が各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基を表すとき、それらが結合して環を形成してもよい。R32及びR33としては、水素原子及びアルキル基が好ましい。
【0043】
R34及びR35は、各々置換基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記のR14、R15及びR16で表される置換基と同義のものを含む。R34はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホン酸基、スルホン酸の塩、カルボン酸、カルボン酸の塩が好ましく、R35はアルキル基、アルコキシ基、スルホン酸基、スルホン酸の塩、カルボン酸、カルボン酸の塩が好ましい。
【0044】
n31及びn32は0〜5の整数を表し、n31及びn32が2以上のとき、複数のR34及びR35は同じであっても異なっていてもよい。
【0045】
《一般式(4)で表される化合物》
本発明に係る一般式(4)で表される化合物について詳細に説明する。
【0046】
一般式(4)におけるR11は、前記一般式(1)におけるR11と同義である。R11としては、アシル基、カルバモイル基およびアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0047】
一般式(4)におけるR12及びR13は、前記一般式(1)におけるR12及びR13と同義である。R12及びR13は、好ましくは、各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記一般式(1)のR12及びR13で表される水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基と同義のものを含む。R12及びR13が各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基を表すとき、それらが結合して環を形成してもよい。R12及びR13としては、水素原子及びアルキル基がさらに好ましい。
【0048】
《一般式(5)で表される化合物》
本発明に係る一般式(5)で表される化合物について詳細に説明する。
【0049】
一般式(5)におけるR14は、前記一般式(1)におけるR14と同義である。R14は、好ましくは、各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、特に制限はないが、代表的には、前記一般式(1)のR14で表されアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基と同義のものを含む。R14としては、アリール基がさらに好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0050】
一般式(4)におけるR15及びR16は、前記一般式(1)におけるR15及びR16と同義である。R15としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホン酸基、スルホン酸の塩が好ましく、アリールオキシ基がより好ましく、フェノキシ基が特に好ましい。
【0051】
n11は1〜2の整数、n12は0〜4の整数を表し、n11及びn12が2以上のとき、複数のR15及びR16は同じであっても異なっていてもよい。
【0052】
以下に、一般式(1)〜(5)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0053】
尚、構造式中のMはスルホン酸の対イオンであり、水素原子、アルカリ金属(ナトリウム原子、カリウム原子等)、1/2アルカリ土類金属(カルシウム原子等)、アンモニウムまたは有機アンモニウム等を表す。
【0054】
【化8】
【0055】
【化9】
【0056】
【化10】
【0057】
【化11】
【0058】
【化12】
【0059】
【化13】
【0060】
【化14】
【0061】
【化15】
【0062】
【化16】
【0063】
【化17】
【0064】
【化18】
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】
【化21】
【0068】
【化22】
【0069】
【化23】
【0070】
【化24】
【0071】
【化25】
【0072】
【化26】
【0073】
【化27】
【0074】
【化28】
【0075】
【化29】
【0076】
【化30】
【0077】
【化31】
【0078】
【化32】
【0079】
【化33】
【0080】
本発明のアントラピリジン化合物は、前記米国特許第2,759,939号あるいは同4,196,294号に記載の方法によっては合成することができず、従って、下式に従って合成するのが好ましい。すなわち、下記一般式(4)で表される化合物とハロゲン化剤の共存下に、下記一般式(5)で表される化合物と反応させ、下記一般式(1)で表される化合物を合成する。
【0081】
【化34】
【0082】
本発明において、ハロゲン化剤とは、フッ素化剤、塩素化剤、臭素化剤、ヨウ素化剤を意味するが、この中で塩素化剤及び臭素化剤が好ましく、塩素化剤が特に好ましい。具体的には塩化チオニル、オキシ塩化リン等をその代表的化合物として挙げることができるが、これらの中で、オキシ塩化リンが最も好ましい。
【0083】
本発明において用いられるハロゲン化剤の量は、一般式(4)で表される化合物に対して0.5〜3.0当量の範囲で用いることが好ましいが、一般式(4)で表される化合物に対して1.0〜1.5当量の範囲で用いることが特に好ましい。
【0084】
本発明の一般式(1)で表される化合物を合成するに際し、用いられる一般式(4)の使用量は、一般式(5)で表される化合物に対して0.8〜5.0当量の範囲で用いることが好ましいが、一般式(5)で表される化合物に対して1.0〜3.0当量の範囲で用いることが特に好ましい。
【0085】
本発明において用いられる溶媒は、エステル系、エーテル系、ハロゲン系、ニトリル系、芳香族炭化水素系等が用いられるが、その中でも、ハロゲン系、ニトリル系、芳香族炭化水素系が好ましく、芳香族炭化水素系が特に好ましい。好ましい溶媒の具体例としては1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、トルエン、ニトロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等が挙げられる。
【0086】
本発明において、使用する溶媒は同一であっても異なっていても良いが、同一であることが操作上簡便で好ましい。
【0087】
本発明の合成方法は通常0〜100℃で行なわれるのが好ましく、30〜80℃で行なわれるのがより好ましく、40〜60℃で行なわれるのが特に好ましい。
【0088】
【実施例】
以下に、本発明のアントラピリジン化合物の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0089】
実施例1
例示化合物1−1の合成
【0090】
【化35】
【0091】
50mlのトルエンに5.0gの化合物B、4.7gの化合物Aおよび2.2gのオキシ塩化リンを加え、約50℃に加熱し、8時間反応させた。反応終了後、放冷し、水を加えて攪拌した後、分液した。これに、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水、水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/トルエン)により精製し、例示化合物1−1を6.2g得た。
【0092】
同定はMASSおよびNMRスペクトルで行い、例示化合物1−1であることを確認した。
【0093】
得られた固体の1H−NMRによる分析結果は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド,δ(ppm)):0.65(s,9H),0.81〜0.87(m,6H),1.23〜1.27(m,20H),1.31(s,6H),1.51(m,4H),1.71(s,2H),3.30(m,4H),5.90(t,1H),7.00(s,1H),7.06(d,2H),7.16(m,1H),7.31〜7.41(m,6H),7.73〜7.79(m,2H),8.34(dd,1H),8.53(dd,1H),8.78(t,1H),12.90(s,1H)。
【0094】
実施例2
例示化合物1−94の合成
【0095】
【化36】
【0096】
50mlの1,2−ジクロロベンゼンに5.0gの化合物B、4.0gの化合物Cおよび2.2gのオキシ塩化リンを加え、約50℃に加熱し、8時間反応させた。反応終了後、放冷し、水を加えて攪拌した後、分液した。これに、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水、水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/トルエン)により精製し、例示化合物1−94を5.9g得た。
【0097】
同定はMASSおよびNMRスペクトルで行い、例示化合物1−94であることを確認した。
【0098】
得られた固体の1H−NMRによる分析結果は以下の通りであった。
1H−NMR(400MHz,重水素化ジメチルスルホキシド,δ(ppm)):0.65(s,9H),0.78(t,3H),1.12〜1.18(m,10H),1.31(s,6H),1.46(m,2H),1.71(s,2H),3.32(m,2H),5.96(t,1H),6.94(s,1H),7.13〜7.18(m,3H),7.31〜7.44(m,8H),7.49〜7.53(m,1H),7.58〜7.66(m,2H),7.74(d,2H),7.96(dd,1H),8.48(dd,1H),13.04(s,1H)。
【0099】
比較例1
例示化合物1−1の合成
例示化合物1−1を下記スキームで合成することを試みたが、第1工程が進行せず、例示化合物1−1を合成することができなかった。
【0100】
【化37】
【0101】
表1に本発明の代表的例示化合物の吸収スペクトルを示す。
【0102】
【表1】
【0103】
表1に記載されているように、本発明のアントラピリジン化合物は良好なマゼンタであることが分かった。
【0104】
又、例示化合物1−1のアセトン溶液の吸収スペクトルを図1に示す。
【0105】
【発明の効果】
本発明により、マゼンタの色再現性に優れた新規なアントラピリジン化合物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】例示化合物1−1のアセトン溶液の吸収スペクトルである。
Claims (7)
- 前記一般式(1)において、R12及びR13が、各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表し、R12及びR13が各々アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基を表すとき、それらが結合して環を形成してもよく、R14がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基を表すことを特徴とする請求項1記載のアントラピリジン化合物。
- ハロゲン化剤がオキシ塩化リンであることを特徴とする請求項5記載の一般式(1)で表されるアントラピリジン化合物の製造方法。
- 反応温度が40〜60℃であることを特徴とする請求項5または6記載の一般式(1)で表されるアントラピリジン化合物の製造方法。
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