JP4248113B2 - アリーリデン化合物及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピロロ[1,2−a]ピリミジン骨格を有する新規なアリーリデン化合物に関し、更に本発明は、新規なアリーリデン化合物を染料として含有するハロゲン化銀感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アリーリデン化合物は、染料として有用な化合物であり、繊維の染色に用いたり、塗料やハロゲン化銀写真感光材料等に添加して用いられている。
例えば、ハロゲン化銀写真感光材料の用途では、特定波長域の光を吸収させる目的で、ハロゲン化銀乳剤層又は/及び非感光性親水性コロイド層に染料を添加して用いられている。写真乳剤層に入射すべき光の分光組成を制御することが必要なとき、通常ハロゲン化銀乳剤層よりも支持体から遠い側に着色層が設けられる。この様な着色層はフィルター層と呼ばれる。ハロゲン化銀乳剤層が複数ある場合には、フィルター層はそれらの中間に位置することもある。
ハロゲン化銀乳剤層を通過する際あるいは透過後に散乱された光が、乳剤層と支持体の界面、あるいはハロゲン化銀乳剤層と反対側の感光材料の表面で反射されて再びハロゲン化銀乳剤層中に入射することに基づく画像のボケ、即ちハレーションを防止することを目的として、ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間、あるいは支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤層と反対の面にハレーション防止層と呼ばれる着色層を設けることが行われる。ハロゲン化銀乳剤層が複数ある場合には、それらの層の中間にハレーション防止層を設けることもある。
ハロゲン化銀乳剤層中での光の散乱に基づく画像先鋭度の低下を防止するためにハロゲン化銀乳剤層を着色することも行われている(イラジエーション防止と呼ばれている)。
これらの着色すべき親水性コロイド層には通常染料を含有させる。これらに用いられる染料は下記の様な条件を満足することが必要である。
【0003】
(1)適正な分光吸収を有していること
具体的な吸収波長域は、それぞれ染料の使用目的に応じて決定される。
(2)写真化学的に不活性であること
ハロゲン化銀乳剤層の性能に化学的な悪影響、例えば、感度の変化、潜像の保存性への影響やカブリを生じてはならない。
(3)写真処理における脱色性又は除去性能
染料は、原則的には画像の露光時において機能し、機能を発揮した後には、速やかに脱色、又はハロゲン化銀写真感光材料から除去されなければ、染料により画像が汚染される。従って、染料は、写真処理液(現像液又は/及び漂白液等)や加熱等によって脱色又は除去される必要がある。
(4)耐拡散性
染料は、ハロゲン化銀写真感光材料の特定の層で機能するために、他の層に拡散すると問題を生じる。例えば、ハレーション防止の目的で非感光性親水性コロイド層に添加した染料が、ハロゲン化銀乳剤層に拡散するとハロゲン化銀の感度を低下させてしまう。
(5)安定性
染料の保存中、例えば、染料の溶液あるいはハロゲン化銀写真感光材料として保存している間に、変色や褪色をしてはならない。
【0004】
一方、近年、近赤外光に感ずる写真感光材料に利用できる長波長な吸収を有する色素が求められており、特開平3−7931号等に、酸性核にピラゾロピリドン骨格を有する色素が開示されている。しかしながら、これらに記載の色素において更に吸収波長を長波化するには、ビニル基の数を増加させて共役系の数を増加させることが必要となり、合成上の負荷が増大する問題点を有していた。また、ベンジリデン系の色素は、求核反応性が高く色素の保存性が悪化して、保存性と脱色性の両立が困難となる場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明の課題は、各種の素材の染色用染料、塗料やハロゲン化銀カラー感光材料用の染料等に有用なアリーリデン化合物を提供することにある。また、合成上の負荷が少なく、吸収域がより長波長である新規なアリーリデン化合物を提供することにある。更に、コストの観点から有利であり、且つ、保存性と脱色性等の写真性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用染料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の手段によって達成された。
(1)下記一般式(1)で表されるアリーリデン化合物。
一般式(1)
【0007】
【化3】
【0008】
式中、Aは下記一般式(2)で表される酸性核を表し、R 1 が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、又はカルバモイルアミノ基であり、R 2 、R 3 、及びR 4 が水素原子であり、R 5 及びR 6 がアルキル基であり、R1とR2、R2とR5、R5とR6、R4とR6、又は/及びR3とR4は互いに結合して環を形成できる。nは0〜3の整数を表わす。
一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】
式中、R 7 がアリール基又はシアノ基、R 8 がシアノ基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、又はアルコキシカルボニル基、R 9 がアシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、又はアルコキシカルボニルアミノ基、アルキル基又はアリール基、R 10 が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアシル基であり、*は一般式(1)中のAの右側のメチン基との結合位置を表わす。
(2)支持体上にハロゲン化銀乳剤層及び非感光性親水性コロイド層を有するハロゲン化銀感光材料であって、ハロゲン化銀乳剤層又は/及び非感光性親水性コロイド層が、(1)に記載のアリーリデン化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
(3)(1)項記載のアリーリデン化合物からなることを特徴とする染料。
【0011】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表されるアリーリデン化合物について以下に詳しく説明する。
Aは、前記の一般式(2)で表わされる酸性核を表わす。一般式(2)で表わされる酸性核を更に詳しく説明する。
一般式(2)のR7、R8、R9、及びR10は、各々独立に水素原子又は置換基を表わし、その置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソプロピル、2−エチルへキシル、ネオペンチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、トリフロロメチル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは3〜18、特に好ましくは3〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、シクロへキセニル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18、特に好ましくは2〜12の、5から8員環のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−2−イル)、シアノ基、シリル基(好ましくは炭素数3〜36、より好ましくは3〜24、特に好ましくは3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜38、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは2〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、2−フリルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは3〜18、特に好ましくは3〜12のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜38、より好ましくは2〜24、特に好ましくは2〜18のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、
【0012】
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜38、より好ましくは2〜24、特に好ましくは2〜18のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜38、より好ましくは7〜24、特に好ましくは7〜18のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ(好ましくは炭素数6〜38、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、カルボキシル基、アシル基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキシルカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜38、より好ましくは2〜24、特に好ましくは2〜18のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜38、より好ましくは7〜24、特に好ましくは7〜18のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−エチル−N−オクチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N,N−ジシクロヘキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数38以下、より好ましくは24以下、特に好ましくは18以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ、テトラデシルアミノ、オクタデシルアミノ、シクロヘキルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜38、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは2〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、
【0013】
カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜38、より好ましくは2〜24、特に好ましくは2〜18のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド)、カルバモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のカルバモイルアミノ基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜38、より好ましくは2〜24、特に好ましくは2〜18のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜38、より好ましくは7〜24、特に好ましくは7〜18のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキシルスルホニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアルキルチオ基で、例えば、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜38、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは2〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、アリールスルフィニル(好ましくは炭素数6〜38、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜38、より好ましくは6〜24、特に好ましくは6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数38以下、より好ましくは24以下、特に好ましくは18以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは1〜24、特に好ましくは1〜18のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)が挙げられる。
【0014】
これらの置換基は、更に置換が可能な場合には、更に上記で説明した置換基を有していてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0015】
次に、一般式(1)のR1〜R6、及びnについて詳しく説明する。
R1〜R4は水素原子又は置換基を表わし、R1〜R4の置換基は、前記で説明したR7、R8及びR9の置換基で説明した基と同じ意味の基を表わす。R1〜R4のこれらの置換基が、更に置換可能な基である場合には、前記で説明したR7、R8及びR9の置換基と同じ意味の基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0016】
R5及びR6は、各々独立に水素原子又はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表わし、R1とR2、R2とR5、R5とR6、R4とR6、又は/及びR3とR4は互いに結合して環を形成できる。
R5及びR6のアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基は、前記のR7、R8及びR9で説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、及びアリールスルホニル基と同じ意味の基を表わす。R5及びR6のこれらの基が更に置換可能な基である場合には、前記で説明したR7、R8及びR9の置換基と同じ意味の基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
nは0〜3の整数を表わす。
【0017】
次に一般式(1)で表されるアリーリデン化合物の好ましい範囲について説明する。
一般式(1)のAで表わされる、酸性核の好ましい範囲について説明する。
R7はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基又はシアノ基が好ましく、更に好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、又はシアノ基が挙げられる。最も好ましいR7は、アルキル基及びアリール基が挙げられる。
【0018】
R8は、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、スルホ基、ホスホニル基が好ましい。より好ましいR8は、トリフロロメチル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ホスホニル基が挙げられる。最も好ましいR8は、アルコキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が挙げられる。
【0019】
R9は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、カルボンアミド基、カルバモイルアミノ基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ホスフィノイルアミノ基が好ましい。より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、カルボンアミド基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が好ましい。最も好ましいR9は、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられる。
【0020】
R10は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基が好ましく、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はアシル基が挙げられる。最も好ましいR10は、水素原子、アルキル基、又はアシル基である。
Aで表わされる酸性核の具体例を以下に示すが、本発明はこれらによって限定されるわけではない。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
次に、一般式(1)で表わされるアリーリデン化合物のR1からR6の好ましい範囲について説明する。
R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基が好ましく、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。最も好ましくは、R1が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、又はカルバモイルアミノ基であり、R3が水素原子が挙げられる。
【0031】
R2及びR4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、カルバモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。最も好ましくは水素原子である。
【0032】
R5及びR6は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基が更に好ましい。最も好ましくはアルキル基が挙げられる。
【0033】
R1とR2、R2とR5、R5とR6、R4とR6、又は/及びR3とR4は互いに結合して環を形成していてもよい。R1とR2又はR3とR4とが結合している場合には、好ましくは5員又は6員のベンゼン環等の芳香族環あるいはピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、ピリミジン環等の芳香族ヘテロ環が好ましい。
R2とR5又は/及びR4とR6とが結合して環を形成していてもよい。R2とR5又は/及びR4とR6とが結合している場合は、5員、6員又は7員の飽和環を形成することが好ましく、5員又は6員の飽和環が更に好ましい。
R5とR6とが結合して環を形成していてもよく、R5とR6とが結合して環を形成する場合には、5員、6員又は7員の飽和環が好ましく、特に好ましくは、ピロリジン環、ピペリジン環、又はモルホリン環の形成が好ましい。
nは0〜3の整数を表わし、0、1、又は2が好ましく、最も好ましくは0又は1である。
【0034】
以下に、本発明の具体的化合物例を示すが、本発明はこれらによって限定されるわけでわない。
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
本発明の化合物は通常のハロゲン化銀写真感光材料に用いることができ、この場合の使用量は、透過濃度が好ましくは0.03〜3.0、より好ましくは0.1〜2.0となるように用いる。具体的には、色素の最大モル吸光係数(ε)の値及び分子量にもよるが、0.005〜2ミリモル/m2用いればよく、より好ましくは0.05〜1ミリモル/m2である。
本発明の化合物は、用途及び、使用される感光層の波長域によって染料としての波長域は異なるが、アンチハレーション用及び近赤外光に感ずる感光材料用の染料としては550nm以上の可視光〜近赤外光の領域の吸収を有することが好ましく、より好ましくは600nm以上の可視光〜900nmの領域に吸収を有する染料である。
【0042】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1
(例示化合物S−1の合成)
反応スキームA
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
(中間体A−1の合成)
市販の2−クロロアセトフェノン200g(1.29mol)にジメチルホルムアミド600mlを加えて、15℃に冷却して攪拌した。この溶液に市販のフタルイミドカリウム264g(1.24mol)を、温度を40℃以下に保つように数回に分けて添加した。添加終了後、6時間室温で攪拌した。この反応液を3000mlの水中に攪拌しながら注ぎ結晶を析出させた。この結晶を濾過して水洗した後、メタノール800ml中に分散させ室温で1時間攪拌した。分散している結晶を濾過して乾燥した。中間体A−1を311g(90.7%)得た。
(中間体A−2の合成)
前記の方法で得た中間体A−1 100g(0.377mol)、マロノニトリル 32.4g(0.49mol)にメタノール150mlを加えて室温で攪拌した。この溶液に、水酸化ナトリウム30.2g(0.754mol)を水30mlに溶かした液を滴下した。温度は40℃以下に保った。滴下終了後、室温で30分間攪拌し、次いで、60〜65℃で2時間攪拌した。反応終了後、室温に冷却してから1500mlの水中に注ぎ結晶を析出させた。この結晶を濾過して、水洗した後乾燥した。中間体A−2を49.8g(72.1%)得た。
【0046】
(中間体A−4の合成)
イミノエーテル体(A−3)43.6g(0.24mol)に酢酸エチル200mlを加えて5℃に冷却し攪拌した。この溶液にトリエチルアミン33.5ml(0.24mol)を滴下した。析出したトリエチルアミン塩酸塩の結晶を濾過して除いた後、濾液を減圧下で濃縮した。この残留物に、前記の方法で得た中間体A−2 36.6g(0.2mol)をエタノール400mlに溶解させた液を添加した。この溶液に酢酸22.8mlを添加して室温で6時間攪拌した。析出した結晶を濾過してエタノールで洗浄した後、乾燥した。中間体A−4を39.0g(77.8%)得た。
【0047】
(中間体A−6の合成)
市販の水素化ナトリウム(60%のミネラルオイル分散物)4.8gに乾燥したテトラヒドロフラン100mlを加えて5℃に冷却して攪拌した。この液に前記の方法で得た中間体A−4 10.0g(0.04mol)を数回に分けて添加した。この溶液に酸クロライド体(A−5)31.6g(0.08mol)を滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌した後、さらに60℃に加熱して3時間攪拌した。反応終了後、室温に冷却してから400mlの水中に注いだ。析出した油状物を酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗した後、28%アンモニア水26mlを添加して1時間攪拌した。この酢酸エチル溶液を塩酸で中和してから水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧下で留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で分離、精製した。流出物にn−ヘキサンを添加して結晶を析出させ、濾過して乾燥した。中間体A−6を16.6g(68.2%)得た。
【0048】
(例示化合物S−1の合成)
前記の方法で得た中間体A−6 6.1g(0.01mol)、ベンズアルデヒド体A−7 3.5g(0.01mol)に酢酸30mlと無水酢酸10mlを加えて80℃に加熱して3時間攪拌した。反応終了後、反応液を水400ml中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗してから無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で酢酸エチルを留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製した。例示化合物S−1の粉体を5.1g(53.7%)得た。メタノール中での最大吸収波長(可視)は632.6nmであった。
【0049】
実施例2
(例示化合物S−50)
例示化合物S−50は以下のスキームに従って合成した。
【0050】
【化22】
【0051】
(例示化合物S−50の合成)
合成例1の方法で得た中間体A−6 6.1g(0.01mol)、アルデヒド体(中間体A−8)3.71g(0.01mol)に酢酸50mlを加えて室温で攪拌した。この溶液に無水酢酸15mlを添加して80℃〜90℃に加熱して2時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を水400mlに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で酢酸エチルを留去した。残留物にメタノールを添加して室温で攪拌し、結晶を析出させた。この結晶を濾過して乾燥した。例示化合物S−50の結晶を5.83g(76.2%)得た。メタノール中での最大吸収波長(可視)は647.6nmであった。
【0052】
実施例3
(例示化合物S−24の合成)
例示化合物S−24は、下記スキームに従い合成した。
【0053】
【化23】
【0054】
【化24】
【0055】
(中間体B−1の合成)
p−トルエンスルフィン酸ナトリウム4水和物133.6g(0.75mol)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)500mlに加えて、30℃で攪拌した。クロロアセトニトリル47.2g(0.625mol)を30分間で滴下して、室温で2時間攪拌した。反応混合物を攪拌下、2000mlの水に注ぎ、析出した結晶を濾取した。風乾して115g(収率94%)の中間体B−1を得た。
【0056】
(中間体B−2の合成)
中間体B−1、19.5g(0.10mol)、エタノール5.1g(0.11mol)をクロロホルム100ml中に加えて室温で攪拌し、塩化水素ガス4.6g(0.12mol)を約10分間で吹き込んだ。室温で4時間攪拌した後、酢酸エチル150mlを添加して結晶を晶析させて濾取した。結晶を減圧下に乾燥して22.5g(収率81%)の中間体B−2を得た。
【0057】
(中間体B−3の合成)
中間体B−2、52.0g(0.187mol)をエタノール250mlに加えて室温で攪拌し、トリエチルアミン52.3g(0.375mol)添加して20分間攪拌し、市販の2−アミノアセトフェノン塩酸塩26.8g(0.156mol)を添加して1時間攪拌した。更にトリエチルアミン26.0g(0.187mol)を添加した後、55℃に加温して1.5時間攪拌した。冷却後、酢酸12mlと水350mlを加えて攪拌し、晶析した。結晶を濾取し、メタノールと水の1:1の混合溶媒50mlでかけ洗いした。風乾して39.0g(収率80%)の中間体B−3を得た。
【0058】
(中間体B−5の合成)
シアノ酢酸にエタノールと塩酸ガスを反応させて得られたイミダートの塩酸塩(中間体B−4)2.55g(14mmol)をアセトニトリル15ml中に加え、室温で攪拌した。トリエチルアミン2.0ml(14mmol)を加えて20分間攪拌した後、3.12g(10mmol)の中間体B−3を添加して10分間攪拌した。酢酸1.2mlを加えた後、55℃に加温して16時間攪拌した。室温に冷却した後、水10mlを添加して晶析した。結晶を濾取し、アセトニトリル10mlでかけ洗いして2.5g(収率66%)の中間体B−5を得た。
【0059】
(中間体B−6の合成)
市販の60%水素化ナトリウム0.66g(16.5mol)をテトラヒドロフラン10mlに加え、窒素雰囲気下に攪拌した。2.5g(6.59mol)中間体B−5を加え、50℃に加熱した。これに中間体B−6、3.12g(7.90mol)を5分間で滴下して2時間攪拌した。冷却後、反応混合物を酢酸エチル40mlに加え、濃塩酸2mlを含む水40ml、続いて食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製した。n−ヘキサンから再結晶し、3.51g(収率72%)の中間体B−7を得た。
【0060】
(例示化合物S−24の合成)
合成例1と同様な方法に従って、前記の方法で得た中間体B−7と中間体A−7を酢酸及び無水酢酸中で加熱して例示化合物S−24を得た。メタノール中の最大吸収波長は625.8nmであった。
【0061】
実施例4
(例示化合物S−40の合成)
例示化合物S−40は下記のスキームに従い合成できた。
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
(中間体C−3の合成)
イミノエーテル体(中間体C−2)31.7g(0.175mol)にアセトニトリル250mlを加えて5℃に冷却し攪拌した。この溶液にトリエチルアミン48.8ml(0.35mol)を滴下した。次いで2−アミノアセトフェノン塩酸塩20.0g(0.117mol)を添加した。この溶液を室温に戻して、約16時間攪拌した。この反応混合液に水700mlを滴下して結晶を析出させた。この結晶を濾過して水洗し乾燥した。この結晶をn−ヘキサン/酢酸エチル(40/1)の混合溶液中に分散し洗浄した後、濾過して乾燥した。中間体C−3を23.5g(87.7%)得た。
【0065】
(中間体C−4の合成)
前記の方法で得た中間体C−3、23.0g(0.10mol)、酢酸ナトリウム19.6g(0.20mol)に酢酸0.75mlとエタノール125mlを加えて室温で攪拌した。この溶液に、イミノエーテル体(中間体C−2)25.5g(0.14mol)に酢酸エチル150mlを加えて5℃に冷却して攪拌し、トリエチルアミン15.6ml(0.154mol)を滴下した。析出したトリエチルアミンの結晶を濾過して除いた後の酢酸エチル溶液を添加した。添加終了後、45℃に加熱して10時間攪拌した。反応終了後、室温に冷却してから、水200mlを滴下し結晶を析出させた。この結晶を濾過して、水洗した後乾燥した。この結晶をアセトニトリル100mlに分散させて洗浄した後、濾過して乾燥した。中間体C−4を20.0g(67.3%)得た。
【0066】
(中間体C−6の合成)
前記の方法で得た中間体C−4、2.97g(0.01mol)、ジメチルアミノピリジン2.69gにジメチルアセトアミド5mlとテトラヒドロフラン5mlを加えて40℃に加熱して攪拌した。この溶液に酸クロライド体(中間体C−5)8.68g(0.022mol)を滴下した。この反応液を40℃で7時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却してから酢酸エチルと水を加えて抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗した後、減圧下で酢酸エチルを留去した。この残留物にエタノール40mlと28%アンモニア水7mlを加えて40℃で2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルと水を加え、更に濃塩酸で中和してから抽出した。この酢酸エチル溶液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下酢酸エチルを留去した。残留物にメタノール50mlを添加して結晶を析出させた。この結晶を濾過して乾燥した。中間体C−6を4.4g(67.1%)得た。
【0067】
(例示化合物S−40の合成)
合成例1と同様な方法に従って、前記の方法で得た中間体B−6と中間体A−7を酢酸及び無水酢酸中で加熱して例示化合物S−24を得た。メタノール中の最大吸収波長は593.6nmであった。
【0068】
実施例5
(最大吸収波長の比較)
特開平3−7931号に記載の化合物37(比較化合物A)及び化合物42(比較化合物B)と表1に示す本発明の例示化合物とのメタノール溶液中の最大吸収波長(可視域の最大吸収波長の濃度が1.0になるようにして測定した)を比較した。結果を表1に示した。
【0069】
【化27】
【0070】
【表1】
【0071】
本発明の化合物が最大吸収波長が長波化し、近年、望まれている近赤外光に感ずる写真感光材料に有用な長波に吸収を有する色素であることが明らかとなった。
【0072】
実施例6
特開平3−7931号の実施例5に記載の方法にしたがって、本発明の化合物S−12、S−13、及びS−14を含有する分散物をそれぞれに調整し、同様に感光材料5−11、5−12及び5−13を作成した。上記の実施例と同様な露光、現像処理を行い、鮮鋭度(MTF)及び残色の評価を行った。結果を表2に示す。
【0073】
【化28】
【0074】
【表2】
【0075】
以上の評価の結果から、相対感度及びMTFが優れ、残色においても問題無いことが明らかとなった。
【0076】
実施例7
特開平10−207027号の実施例5の表2に記載のシアン染料を、本発明の化合物S−1、S−8、S−9、S−10、S−24、S−31、S−37、S−43、及びS−50にそれぞれ等モル置き換えた以外は特開平10−207027号の実施例5と同様な試料を作成し、同様に処理して粒状性、シャープネス等を評価した結果、特開平10−207027号に記載の化合物A−74、A−27、A−53、A−134、及びA−144等と同様に良好な画像が得られた。
【0077】
【発明の効果】
本発明のアリーリデン化合物は、新規化合物であり、各種の素材の染色用染料として用いることができ、塗料やハロゲン化銀カラー感光材料用の染料等に好適に用いることができる。また、本発明のアリーリデン化合物は、合成上の負荷が少なく、染料として吸収域がより長波長であり、更に、コストの観点から有利であり、且つ、保存性と脱色性等の写真性に優れるので、ハロゲン化銀写真感光材料用染料として特に好適である。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で表されるアリーリデン化合物。
一般式(1)
一般式(2)
- 支持体上にハロゲン化銀乳剤層及び非感光性親水性コロイド層を有するハロゲン化銀感光材料であって、ハロゲン化銀乳剤層又は/及び非感光性親水性コロイド層が、請求項1に記載のアリーリデン化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
- 請求項1記載のアリーリデン化合物からなることを特徴とする染料。
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