JP2004083906A - 水溶性染料の製造方法 - Google Patents

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田中 成明
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茅野 智裕
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Abstract

【課題】脱塩装置を使用せずに、安価に染料リチウム塩を製造する方法を提供する。
【解決手段】染料が硫酸アニオンやリン酸アニオン等を含んでいる場合は、染料を水に溶解させ、塩酸を加えて、酸性にした後、塩析または、有機溶媒による晶析を行い、ろ過、洗浄を行った染料を、また硫酸アニオンやリン酸アニオン等を含まない場合は、そのまま染料を、水に溶解させた溶液に、有機溶媒を加え、そのスラリーをろ過、洗浄することで、染料の結晶を得る方法。
【選択図】なし

Description

 本発明は、不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩の含有が少ない水溶性染料のリチウム塩を簡便に、安価に製造する方法に関する。
 インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
 インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
 これらの方式のインクジェットプリンターに使用するインクに要求される特性としては、染料の含有量が十分に高く、記録された画像の濃度が十分に高いこと、画像の耐水性が高いこと、耐光性が十分に高いこと、粘度、表面張力等の物性値が適性な範囲にあること、長期間保存しても沈殿を生じたり、物性値が変化しないこと長期間使用を中断した後にもノズルに目詰まりを生じることなく、正常な印字ができることが挙げられる。しかしながら、耐水性に優れた染料は一般に溶解度が悪く、目詰まりを生じやすい。またインク中の染料濃度を高くすると目詰まりを生じやすいなど、これら要求される特性には相反する性質であるものが多い。
 これらの問題を解決するために、染料や湿潤剤の選定、染料溶解剤や界面活性剤の添加など数多くの対策が行われていた。それらの対策の中で、特許文献1(特開昭57−202358号公報)にはリチウムとなっているスルホン酸を用いたインク組成物が開示されている。これらの塩の型になった染料を用いることにより、耐水性の高い染料を高濃度で用いても目詰まりを防止できる効果がある。このように水溶性染料のリチウム塩は産業上有用であるが、インクジェットプリンター等に使用するインク用の染料は、不純物としての無機化合物含量を数千ppm以下(好ましくは1000ppmより小、さらに好ましくは500ppmより小)にする必要があり、従来は脱塩装置による脱塩操作を行っていた。しかし、脱塩装置は化学製品を製造する装置としては一般的ではなく、その装置を所有しない企業は、多大なコストをかけて、装置を導入しなければ、脱塩を行うことができない。
特開昭57−202358号公報
 本発明の目的は上記染料(好ましくは染料リチウム塩)の製造設備導入コストを低減化することにある。より具体的には、脱塩装置を使用せずに不純物であるアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩あるいはアミン塩の少ない染料(好ましくは染料リチウム塩)を製造する方法を提供することにある。
 本発明の前記課題は下記の手段によって達成された。
(1) 水溶性染料の水溶液に親水性有機溶媒、好ましくは炭素数が1〜3のアルコール性有機溶媒を作用させて、水溶性染料を析出させ単離する、不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩の少ないことを特徴とする水溶性染料の製造方法。
(2) (1)記載の不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩の含量が1000ppmより少ないことを特徴とする(1)記載の水溶性染料の製造方法。
(3) (2)記載の不純物がOH-、SO4 2-、Cl-、CH3CO2 -を含み、その総含量が1000ppmより少ないことを特徴とする(2)記載の水溶性染料の製造方法。
(4) 水溶性染料が下記一般式Iで表される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
Figure 2004083906
 式中、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なお、Zが複数個存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、一価の置換基を表す。
 a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、全てが同時に0になることはなく、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。なお、a1〜a4およびb1〜b4が2以上の数を表す時、複数のX1〜X4、およびY1〜Y4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
(5) 水溶性染料が下記一般式IIで表される化合物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
Figure 2004083906
 前記一般式IIにおいて、X11〜X14、Y11〜Y18、M1 は一般式Iの中のX1 〜X4 、Y1 〜Y4 、Mとそれぞれ同義である。a11〜a14はそれぞれ独立に1または2の整数を表す。
(6) 水溶性染料が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
Figure 2004083906
 一般式(1)中、A、BおよびCは、それぞれ独立に、置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素環基を表す(AおよびCは一価の基であり、Bは二価の基である)。
(7) 水溶性染料が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)、(6)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
Figure 2004083906
 上記一般式(2)中;
 B1およびB2は、各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が=CR1−または−CR2=を表す。
 G、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
 R5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
 また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
(8) 水溶性染料が下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)、(6)、(7)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
Figure 2004083906
 上記一般式(3)中;A、G、B1、B2、R5、R6は一般式(2)と同義である。R7およびR8は、一般式(2)のR1と同義である。
(9) 水溶性染料がアニオン性親水性基(好ましくはカルボン酸及び/又はスルホン酸)を有し、かつ、その対イオンとしてリチウムイオンを有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
(10) 水溶性染料の水溶液に炭素数が1〜3のアルコール性有機溶媒を作用させた溶液の「炭素数が1〜3のアルコール性有機溶剤」/「溶媒としての水」の比が、1.0より大(好ましくは2.5より大)であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の水溶性染料の製造方法。
 本発明は好ましくは脱塩装置を使用せずに染料リチウム塩を製造する方法を提供するものである。
 従来、染料のリチウム塩を製造するには、酸析、イオン交換樹脂処理、塩析等の操作に加え、脱塩装置による脱塩操作を行っていた。
しかし、本発明者は染料が硫酸アニオンやリン酸アニオン等を含んでいる場合は、染料を水に溶解させ、塩酸を加えて、酸性にした後、塩析及び/または、有機溶媒による晶析を行い、ろ過、洗浄(以下酸性処理)を行った染料を、また硫酸アニオンやリン酸アニオン等を含まない場合は、そのまま染料を、水に溶解させた溶液に、親水性有機溶媒(特にアルコール性有機溶媒)を加え、そのスラリーをろ過、洗浄することで、染料の結晶を得る(以下有機溶媒晶析)方法によって、脱塩装置を使用せずに、不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩含量の少ない、染料を製造する方法を見出した。更に脱塩装置を使用しないで、染料リチウム塩を製造する方法は、脱塩装置を使用する方法と比較して、極めて低コストであることを見出し、本発明に至った。
 本発明は、脱塩装置を使用せずに、安価に染料リチウム塩を製造する方法を提供するものである。
 不純物であるアルカリ金属塩はアルカリ金属カチオン(例えばリチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、アンモニウムカチオン)とアニオン(例えば硫酸アニオン、リン酸アニオン、クロロイオン、ブロモイオン、酢酸アニオン、水酸化物イオン)の塩を意味する。アルカリ土類金属塩はアルカリ土類金属カチオン(例えばマグネシウムカチオン、カルシウムカチオン)と上記で説明したアニオンの塩を意味する。また、アミン塩はプロトン化されたアミンのカチオン(例えばアンモニウムイオン)と上記で説明したアニオンの塩を意味し、染料の塩は含まれない。
 本発明は水溶性染料が硫酸アニオンやリン酸アニオン等を含んでいる場合は、染料を水に溶解させ、塩酸を加えて、酸性にした後、塩析または、有機溶媒による晶析を行い、ろ過、洗浄を行った染料を、また硫酸アニオンやリン酸アニオン等を含まない場合は、そのまま染料を、水に溶解させた溶液に、アルコール性有機溶媒を加え、結晶を析出させ、そのスラリーをろ過、洗浄することで不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩の含有を抑えた染料が得られる。染料の結晶を得る方法についてであるが、この発明について詳細に説明する。
 まず、本発明の対象となる水溶性染料について説明する。
水溶性染料としは、フタロシアニン染料、アゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯体アゾ染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料、ホルマザン染料、ジオキサジン染料など挙げられ、とくに、フタロシアニン染料、アゾ染料、ポリアゾ染料が好ましく、更に、フタロシアニン染料や溶解度の比較的低いポリアゾ染料が最も好ましい。
 特に本発明の製造精製方法は、一般式Iで表されるフタロシアニン染料や一般式(1)で表されるポリアゾ染料に好ましく適用することができる。
 水溶性染料として好ましく用いられる一般式Iで表される化合物(以降該化合物を単に「フタロシアニン染料」と称することあり)について説明する。
インクジェット記録方法では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位を1.0V(vs SCE)よりも貴とすることが望ましい。酸化電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(vs SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.2V(vs SCE)より貴であるものが最も好ましい。
 酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測定することができる。この方法に関しては、例えばP.Delahay著"New InstrumentalMethods in Electrochemistry"(1954年 Interscience Publishers社刊)やA.J.Bard他著"Electrochemical Methods"(1980年 JohnWiley & Sons社刊)、藤嶋昭他著"電気化学測定法"(1984年 技報堂出版社刊)に記載されている。
 具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのような溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロキノン)を入れて電位の再現性を保証することができる。
 なお、電位を一義的に規定する為、本発明では、0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラフィーにより測定した値(vs SCE)を染料の酸化電位とする。
 Eoxの値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はより貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ましい。従って、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のようにσp値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をより貴とすることができると言える。
 一般式Iの化合物について、さらに詳細に説明する。
 一般式Iにおいて、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スルホ基、−CONR12、または−CO21を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12および−CONR12が好ましく、特に−SO2−Zおよび−SO2NR12が好ましく、−SO2−Z が最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR12を含んでいてもよい。
 上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基が最も好ましい。
 上記R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なかでも、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基がさらに好ましい。但し、R1、R2がいずれも水素原子であることは好ましくない。
 R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても同様である。
 R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
 R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
 R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
 R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が正のものが挙げられる。なかでも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、または4級アンモニウム基が好ましく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、または4級アンモニウム基が更に好ましい。
 R1、R2およびZが表す複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にR1、R2およびZで表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
 Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
 中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
 Z、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
 炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。以上の各基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルスルホニルエチル基、3−フェノキシプロピル基、トリフルオロメチル基、シクロペンチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−アミルフェニル基)、複素環基(例えば、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、
シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−メタンスルホニルエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ基、3−メトキシカルバモイル基)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド基)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、ブチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルブチルアミノ基)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、2−クロロアニリノ基)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド基、メチルウレイド基、N,N−ジブチルウレイド基)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、オクチルチオ基、2−フェノキシエチルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ基、2−カルボキシフェニルチオ基)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミド基)、
カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、オクタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ基、4−メトキシフェニルアゾ基、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ基、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基)、
シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジブチルメチルシリルオキシ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基、2−ピリジルチオ基)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル基)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、アシル基(例えば、アセチル基、3−フェニルプロパノイル基、ベンゾイル基)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
 前記一般式Iで表される水溶性フタロシアニン染料は、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属イオンが好ましく、特にリチウムイオンは染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため、また本発明の製造方法上も特に好ましい。
 イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
 a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。なお、a1〜a4およびb1〜b4のいずれかが2以上の整数であるときは、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なっていてもよい。
 a1とb1は、a1+b1=4の関係を満たす。特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好ましい。
 a2とb2、a3とb3、a4とb4の各組み合わせにおいても、a1とb1の組み合わせと同様の関係であり、好ましい組み合わせも同様である。
 Mは水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
 Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。
 酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
 また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
 Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
 前記一般式Iで表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
 前記一般式Iで表されるフタロシアニン染料のなかでも、前記一般式IIで表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。以下に本発明の一般式IIで表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
 前記一般式IIにおいて、X11〜X14、Y11〜Y18は一般式Iの中のX1〜X4、Y1〜Y4とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、M1は一般式I中のMと同義であり、好ましい例も同様である。
 一般式II中、a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、好ましくはa11+a12+a13+a14は4以上6以下である。特に好ましくはa11=a12=a13=a14=1である。
 X11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR12を含んでいてもよい。
 一般式IIで表されるフタロシアニン染料のなかでも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
 X11〜X14としては、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12または−CONR12が好ましく、特に−SO2−Zまたは−SO2NR12が好ましく、−SO2−Z が最も好ましい。
 Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、またはスルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
 R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、または置換複素環基がより好ましい。ただしR1及びR2が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、またはスルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
 Y11〜Y18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、またはスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
 a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが1であることが特に好ましい。
 M1は、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、またはAlが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
 前記一般式IIで表される水溶性フタロシアニン染料は、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属イオンが好ましく、特にリチウムイオンは染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
 イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中に少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
 前記一般式IIで表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
 本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
 ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
 前記一般式Iで表されるフタロシアニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置および導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。本発明では、これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。すなわち前記一般式IおよびIIで表されるフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類して定義する。
(1)β-位置換型:2および/または3位、6および/または7位、10および/または11位、14および/または15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(2)α-位置換型:1および/または4位、5および/または8位、9および/または12位、13および/または16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(3)α,β-位混合置換型:1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
 本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を説明する場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β-位混合置換型を使用する。
 本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行'Phthalocyanines−Properties and Applications'(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
 本発明の一般式Iで表されるフタロシアニン化合物は、国際特許公開(WO)00/17275号、同00/08103号、同00/08101号、同98/41853号、特開平10−36471号などに記載されているように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成することができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないので、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型混合物として得られる。
 前述したように、例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシアニン染料が混入してくることが避けられない。従って、オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑である化合物の生成を抑えるような合成法を用いることがより好ましい。
 一般式IIで表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体(化合物P)および/またはジイミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(III)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは下記式で表される4-スルホフタロニトリル誘導体(化合物R)と一般式(III)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導することができる。
Figure 2004083906
 上記各式中、Xpは上記一般式IIにおけるX11、X12、X13またはX14に相当する。また、Yq、Yq'は、それぞれ上記一般式IIにおけるY11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17またはY18に相当する。化合物Rにおいて、M'はカチオンを表す。
 M'が表わすカチオンとしては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオン、またはトリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
一般式(III):M−(Y)d
 一般式(III)中、Mは前記一般式IIのM1と同義であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価または2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
 即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換基を特定の数だけ導入することができる。特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、上記の合成法は、一般式Iのフタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法と比較して極めて優れたものである。
 かくして得られる前記一般式IIで表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ-位置換型となっている。
Figure 2004083906
 上記合成法において、Xpとして全て同一のものを使用すればX11、X12、X13およびX14が全く同じ置換基であるβ−位置換型フタロシアニン染料を得ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。一般式IIの染料のなかでも、互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの経時安定性などを調整できるので、特に好ましい。
 インクジェット記録方法では、いずれの置換型においても酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。また、原因は詳細には不明であるが、なかでも、α,β-位混合置換型よりはβ-位置換型の方が色相、光堅牢性、オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
 前記一般式IおよびIIで表されるフタロシアニン染料の具体例を下記に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2004083906
Figure 2004083906
Figure 2004083906
 好ましい水溶性染料である上記一般式(1)、その下位概念である一般式(2)および一般式(3)で表されるアゾ染料について詳細に説明する。
 まず、これら一般式を構成する基や置換基について説明する。
 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられる。
 一般式(1)、(2)及び(3)において、脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。脂肪族基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラルキル基および置換アラルキル基のアリール部分はフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。脂肪族基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、およびアリル基を挙げることができる。
 一般式(1)、(2)及び(3)において、1価の芳香族基はアリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。1価の芳香族基の炭素原子数は6〜20であることが好ましく、6から16がさらに好ましい。1価の芳香族基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。2価の芳香族基は、これらの1価の芳香族基を2価にしたものであり、その例にはとしてフェニレン、p−トリレン、p−メトキシフェニレン、o−クロロフェニレンおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニレン、ナフチレンなどが含まれる。
 複素環基には、置換基を有する複素環基および無置換の複素環基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員または6員環の複素環基が好ましく、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。上記置換基の例には、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、イオン性親水性基などが含まれる。複素環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−フリル基が含まれる。
 カルバモイル基には、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカルバモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記カルバモイル基の例には、メチルカルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が含まれる。
 アルコキシカルボニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基および無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基が含まれる。
 アリールオキシカルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニル基が含まれる。
 複素環オキシカルボニル基には、置換基を有する複素環オキシカボニル基および無置換の複素環オキシカルボニル基が含まれる。複素環オキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記複素環オキシカルボニル基の例には、2−ピリジルオキシカルボニル基が含まれる。
 上記アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好ましい。上記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。上記アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
 アルコキシ基には、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基が好ましい。置換基の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオン性親水性基が含まれる。上記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
 アリールオキシ基には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換のアリールオキシ基が含まれる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルコキシ基およびイオン性親水性基が含まれる。上記アリールオキシ基の例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およびo−メトキシフェノキシ基が含まれる。
 複素環オキシ基には、置換基を有する複素環オキシ基および無置換の複素環オキシ基が含まれる。上記複素環オキシ基としては、炭素原子数が2〜20の複素環オキシ基が好ましい。上記置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、およびイオン性親水性基が含まれる。上記複素環オキシ基の例には、3−ピリジルオキシ基、3−チエニルオキシ基が含まれる。
 シリルオキシ基としては、炭素原子数が1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基の例には、トリメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシが含まれる。
 アシルオキシ基には、置換基を有するアシルオキシ基および無置換のアシルオキシ基が含まれる。アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアシルオキシ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイルオキシ基が含まれる。
 カルバモイルオキシ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基および無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。カルバモイルオキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
 アルコキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルオキシ基および無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基の例には、メトキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基が含まれる。
 アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換基を有するアリールオキシカルボニルオキシ基および無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基の例には、フェノキシカルボニルオキシ基が含まれる。
 アミノ基には、アルキル基、アリール基または複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アルキル基、アリール基および複素環基はさらに置換基を有していてもよい。アルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜20のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基およびジエチルアミノ基が含まれる。
 アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換のアリールアミノ基、さらにはアニリノ基が含まれる。アリールアミノ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールアミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ基の例としては、フェニルアミノ基および2−クロロフェニルアミノ基が含まれる。
 複素環アミノ基には、置換基を有する複素環アミノ基および無置換の複素環アミノ基が含まれる。複素環アミノ基としては、炭素数2〜20個の複素環アミノ基が好ましい。置換基の例としては、アルキル基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。
 アシルアミノ基には、置換基を有するアシルアミノ基および無置換基のアシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシルアミノ基の例には、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N-フェニルアセチルアミノおよび3,5−ジスルホベンゾイルアミノ基が含まれる。
 ウレイド基には、置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が含まれる。ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド基が好ましい。置換基の例には、アルキル基およびアリール基が含まれる。ウレイド基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基および3−フェニルウレイド基が含まれる。
 スルファモイルアミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基および無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイルアミノ基の例には、N, N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含まれる。
 アルコキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の例には、エトキシカルボニルアミノ基が含まれる。
 アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシカボニルアミノ基および無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれる。
 アルキル及びアリールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキル及びアリールスルホニルアミノ基、および無置換のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。これらスルホニルアミノ基の例には、メチルスルホニルアミノ基、N-フェニル-メチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、および3−カルボキシフェニルスルホニルアミノ基が含まれる。
 複素環スルホニルアミノ基には、置換基を有する複素環スルホニルアミノ基および無置換の複素環スルホニルアミノ基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基としては、炭素原子数が1〜12の複素環スルホニルアミノ基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルホニルアミノ基の例には、2−チオフェンスルホニルアミノ基、3−ピリジンスルホニルアミノ基が含まれる。
 複素環スルホニル基には、置換基を有する複素環スルホニル基および無置換の複素環スルホニル基が含まれる。複素環スルホニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルホニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルホニル基の例には、2−チオフェンスルホニル基、3−ピリジンスルホニル基が含まれる
 複素環スルフィニル基には、置換基を有する複素環スルフィニル基および無置換の複素環スルフィニル基が含まれる。複素環スルフィニル基としては、炭素原子数が1〜20の複素環スルフィニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。複素環スルフィニル基の例には、4−ピリジンスルフィニル基が含まれる
 アルキル,アリール及び複素環チオ基には、置換基を有するアルキル,アリール及び複素環チオ基と無置換のアルキル,アリール及び複素環チオ基が含まれる。アルキル,アリール及び複素環チオ基としては、炭素原子数が1から20のものが好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルキル,アリール及び複素環チオ基の例には、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれる。
 アルキルおよびアリールスルホニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルホニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルホニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルホニル基の例としては、それぞれメチルスルホニル基およびフェニルスルホニル基を挙げることができる。
 アルキルおよびアリールスルフィニル基には、置換基を有するアルキルおよびアリールスルフィニル基、無置換のアルキルおよびアリールスルフィニル基が含まれる。アルキルおよびアリールスルフィニル基の例としては、それぞれメチルスルフィニル基およびフェニルスルフィニル基を挙げることができる。
 スルファモイル基には、置換基を有するスルファモイル基および無置換のスルファモイル基が含まれる。置換基の例には、アルキル基が含まれる。スルファモイル基の例には、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基が含まれる。
 次に、一般式(1)、(2)および(3)について説明する。
 以下の説明において、基、置換基は、既に説明したことが適用される。
 一般式(1)において、A、B、Cは、それぞれ独立して、置換されていてもよい芳香族基(A、Cは1価の芳香族基、例えばアリール基;Bは2価の芳香族基、例えばアリーレン基)または置換されていてもよい複素環基(A、Cは1価の複素環基;Bは2価の複素環基)を表す。芳香族環の例としてはベンゼン環やナフタレン環をあげることができ、複素環のヘテロ原子としてはN、O、およびSをあげることができる。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
 置換基としてはアリールアゾ基または複素環アゾ基であってもよい。
 また、A、B、Cの少なくとも二つは、好ましくは複素環である。
 Cの好ましい複素環基としては、芳香族含窒素6員複素環基があげられる。一般式(1)は好ましくは一般式(2)で表される。
 一般式(2)において、B1およびB2は、各々=CR1−および−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が=CR1−または−CR2=を表すが、各々=CR1−、−CR2=を表すものがより好ましい。
 R5、R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していても良い。R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基を挙げることができる。さらに好ましくは水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していても良い。但し、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
 G、R1,R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていても良い。
 Gで表される置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、複素環オキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、または複素環チオ基が好ましく、更に好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基(アニリノ基、複素環アミノ基を含む)またはアシルアミノ基であり、中でも水素原子、アニリノ基、アシルアミノ基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していても良い。
 R1、R2で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していても良い。
 R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5乃至6員環を形成しても良い。
 A、R1、R2、R5、R6、Gで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G,R1、R2で挙げた置換基を挙げることができる。また、A,R1,R2,R5,R6,G上のいずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。
 置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
 Bが環構造であるときの好ましい複素環としてはチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していても良い。中でもチオフェン環、チアゾール環、イミダゾール環、ベンゾチアゾール環、チエノチアゾール環が好ましい。一般式(2)は好ましくは一般式(3)で表される。
 前記一般式(3)で表されるアゾ色素として特に好ましい置換基の組み合わせは、R5およびR6として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5およびR6が共に水素原子であることは無い。
 Gとして、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基であり、もっとも好ましくは水素原子、アミノ基、アシルアミノ基である。
 Aのうち、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらにはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
 B1およびB2が、それぞれ=CR1−,−CR2=であり、R1、R2は、各々好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、カルボキシル基、シアノ基、カルバモイル基である。
 尚、前記一般式(1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
 前記一般式(1)で表されるアゾ色素の具体例を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ色素は、下記の例に限定されるものではなく、またカルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
Figure 2004083906
Figure 2004083906
 前記一般式(1)、(2)、(3)で表される色素は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができる。
 水溶性染料が含む無機アニオンについては、SO4 2-、PO4 3-、Cl-、CH3COO-、OH-が代表的なものである。染料中に、染料以外のSO4 2-、PO4 3-を含む場合はそれらのアニオンを除くために、酸性処理をしなければならない。以下酸性処理について説明する。染料を溶解するために使用する水の量は、染料に対し1〜100倍(質量)が好ましい。そして、その染料溶液を10℃以下(好ましくは−10℃以上)まで冷却した後に、染料に含まれる無機塩の、好ましくは10〜1000倍(モル)の塩酸を加える。この後の塩析に使用する無機塩は塩化リチウムまたは酢酸リチウムが好ましく、塩化リチウムが更に好ましい。晶析に用いる親水性有機溶媒はアルコール性有機溶媒のほか、アセトンやアセトニトリルを用いることができるが、アルコール性有機溶媒が好ましく、特に炭素数が1〜3のアルコール性有機溶剤(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール)が好ましく、更に、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールが好ましく、イソプロピルアルコールが最も好ましい。
 ろ過後、洗浄に使用する有機溶媒についても、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールが好ましく、またこれらの有機溶媒に水が含まれていた方が好ましい場合もある。更に、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールが好ましく、更に、イソプロピルアルコールが最も好ましい。染料に含まれる染料アニオン以外の無機アニオンがCl-、CH3COO-、OH-のみである場合には上記酸性処理を省略することができ、下記に説明する有機溶媒晶析処理で、無機化合物を除去することができる。
 染料を溶解させる水の量は染料の質量の1〜100倍が好ましく、1〜10倍が更に好ましい。染料水溶液には染料が析出しない限り、塩化リチウムや酢酸リチウムなどの添加物を加えても良い。ただし、単離後の染料に残存する懸念があるため、添加量は染料重量よりも少なく用いることが好ましい。また、水溶液のpHは特に制約はないが、アンモニウム塩を除去する場合はpH=10付近(9〜11)が好ましい。炭素数が1〜3のアルコール性有機溶媒の添加量は水の1〜10倍(容量)が好ましく、2.5〜10倍がより好ましく、3.5〜8倍がさらに好ましい。
 また、染料溶液に有機溶媒を加える温度については特に制約はないが、加える有機溶媒の沸点付近が好ましく、保持時間は数秒〜1時間程度でよい。また有機溶媒を加えることで、得られたスラリーをろ過する温度についても特に制約はないが、50℃〜室温程度まで冷やしてろ過するのが好ましい。
 以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
 (実施例1)
 窒素気流下、化合物A 62.0g 、化合物B 22.8gをエチレングリコール255mLに80℃で溶解させた。そこに塩化銅 8.25gを添加し内温を120℃まで加温し、そのまま2時間、温度を保ち攪拌した。加熱したままメタノール850mLを徐々に加え、還流を30分続け、室温まで冷却後、析出物を濾取した。濾取した析出物を850mLの水に溶解し、不溶物を濾別後、内温60℃まで加温し、そこに89.3gの酢酸リチウムを添加した。内温を80℃に保ち、エタノール1700mLを徐々に加え、30分間還流させた。析出物を濾下し、加熱したエタノールで洗浄し、下記フタロシアニン染料を得た。乾燥した染料粗結晶24.17gをイオン交換水140mLに溶解後、50℃で2.5N−LiOHaq.をpH10.5になるまで添加した。90℃で30分攪拌後、イソプロパノール400mLを滴下して晶析した。混合物を吸引ろ過し、固体をイソプロパノールでかけ洗いを行った。収量 21.84g 収率 49.5%であり、含有される無機化合物の分析値は下記のとおりであった。
SO4 2-:10ppm
Cl-:4ppm
CH3CO2 -:10ppm
Na+:0.5ppm検出限界以下
+:3ppm検出限界以下
NH4 +:4ppm
Ca2+:2ppm検出限界以下
Mg2+:3ppm
Figure 2004083906
 (実施例2)
 窒素気流下、化合物A 139.3g をエチレングリコール280mL、酢酸25mLに懸濁させ、内温118℃まで加熱し完溶させた。そこに塩化銅 14.35gを添加し2時間45分、温度を保ち攪拌した。加熱したままメタノール840mLを徐々に滴下し、室温まで冷却した。析出物を濾取し、熱エタノール700mL続いて熱アセトン600mLのかけ洗浄を行った。乾燥後の結晶は93.92gであった。含有される無機化合物の分析値は表5のとおりであった(精製前)。
 粗結晶90gを825mLの水に溶解し、塩化リチウム45gを添加後70℃で溶解させた。30℃に冷却後2.5Nの水酸化リチウム水溶液を添加しpH8.5に調整した。外温120℃に保ちイソプロパノール940mLを滴下した。30分還流させた後、室温まで冷却させ、結晶を濾別した。続いて上記操作を2回繰り返した。得られた結晶を水500mLに溶解させ不溶物を濾別後、濾液を100℃に加温し、イソプロパノール1125mLを滴下した。滴下後30分還流させ、室温まで冷却した。析出した結晶を濾取し、熱イソプロパノール500mLで、かけ洗浄を行った。81gの結晶を得た。含有される無機化合物の分析値は表5のとおりであった(精製後)。
Figure 2004083906
Figure 2004083906
(実施例3)
 ジアゾ成分A−3の12.0gを酢酸120mlと85%リン酸120mlに懸濁し、液温を−2℃〜0℃に保ちつつ、さらに40%ニトロシル硫酸12.3gを添加した。この液をカプラー成分B−1の19.2gを水240mlに溶解した溶液に、攪拌しながら添加し、1時間、0〜5℃で反応させた。反応液に塩化リチウム80.0gを添加し、イソプロピルアルコール480mlを添加し、析出した結晶をろ過、洗浄して、下記アゾ染料を得た。イオン交換水900mlを50℃に加熱し、その温水に乾燥した染料粗結晶22.5gを加えて、30分加熱攪拌して溶解させる。この溶液を濾紙で中間濾過した後、0〜5℃まで冷却した。この染料溶液に、35%塩酸225mlを0〜5℃で加えた後、塩化リチウム112.5gを加えた後、イソプロピルアルコール900mlを添加し、30分攪拌した。このスラリーをろ過、イソプロピルアルコール洗浄し、得られた粗結晶を115mlのイオン交換水に溶解し、2.5N水酸化リチウム水溶液でpH=6.5に調整する。pH調整後、60℃で30分攪拌してpHの安定を確認した後、イソプロピルアルコール345mlを滴下した。滴下後35℃まで冷却し、ろ過、イソプロピルアルコールで洗浄した。得られた染料を乾燥したら、収量18.7g 収率69.2%であり、含有される無機化合物の分析値は下記のとおりであった。
Figure 2004083906
Figure 2004083906

Claims (4)

  1. 水溶性染料の水溶液に親水性有機溶媒を作用させて、水溶性染料を析出させ単離し、不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩を低減することを特徴とする水溶性染料の製造方法。
  2. 前記親水性有機溶媒が炭素数が1〜3のアルコール性有機溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性染料の製造方法。
  3. 該水溶性染料がアニオン性親水性基を有し、かつ、その対イオンとしてリチウムイオンを有することを特徴とする請求項1に記載の水溶性染料の製造方法。
  4. 請求項1記載の不純物としてのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアミン塩が1000ppmより少ないことを特徴とする請求項1または2に記載の水溶性染料の製造方法。
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