JP2007086355A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007086355A
JP2007086355A JP2005274485A JP2005274485A JP2007086355A JP 2007086355 A JP2007086355 A JP 2007086355A JP 2005274485 A JP2005274485 A JP 2005274485A JP 2005274485 A JP2005274485 A JP 2005274485A JP 2007086355 A JP2007086355 A JP 2007086355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
fine powder
supply port
kneading
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005274485A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Omatsu
真一郎 尾松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2005274485A priority Critical patent/JP2007086355A/ja
Publication of JP2007086355A publication Critical patent/JP2007086355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】トナーの製造工程で発生した微粉を再利用して溶融混練工程に供しても、処理量を低下させることなく、効率よくトナーを製造し得る方法及び該方法により得られるトナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び離型剤を含有してなるトナー原料組成物を混合する混合工程、得られた混合物を溶融混練する溶融混練工程、得られた溶融混練物を粉砕する粉砕工程及び得られた粉砕物を分級する分級工程を有するトナーの製造方法であって、前記溶融混練工程を、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いて行い、前記トナー原料組成物の供給口とは異なる別の供給口から、前記分級工程で発生した粒径が105μm以下の回収微粉を該混練機に供給する、トナーの製造方法、並びに該製造方法により得られるトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー及びその製造方法に関する。
トナーの製造工程で発生した微粉(回収微粉)を再利用する方法が種々検討されている(特許文献1〜3参照)。しかしながら、いずれの方法も二軸押出機等の密閉式の混練機を使用した方法であり、オープンロール型混練機を使用した方法は報告されていない。
特開2003−98733号公報 特開平8−95296号公報 特開2004−101845号公報
回収微粉を二軸押出機に供給すると、回収微粉のスクリューへの噛み込み不良により、処理量が低下する。スクリューへの噛み込み不良は、回収微粉のチップ化により改善させることができるが、余計な工程が必要となる。また、回収微粉が融着により押出機の供給口に堆積し、供給口の閉塞を招くこともある。特に、離型剤が大量に含有されている場合は、混練機からの熱の影響を受けやすく、供給口に融着堆積して閉塞を招く可能性が高くなる。
本発明の課題は、トナーの製造工程で発生した微粉を再利用して溶融混練工程に供しても、処理量を低下させることなく、効率よくトナーを製造し得る方法及び該方法により得られるトナーを提供することにある。
本発明者らは、回収微粉を再利用するトナーの製造方法において、オープンロール型混練機の使用を検討した結果、オープンロール型混練機を用いることにより、二軸押出機のような噛み込み不良は解消されるものの、回収微粉を他の原料とともにオープンロール型混練機に供給する方法では、原料と回収微粉との混合に長時間を要するため、生産効率が低下するとともに、混合機内の温度上昇による融着が問題となることが判明した。
そこで、回収微粉を他の原料とは別にオープンロール型混練機に供給する方法についてさらに検討し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂及び離型剤を含有してなるトナー原料組成物を混合する混合工程、得られた混合物を溶融混練する溶融混練工程、得られた溶融混練物を粉砕する粉砕工程及び得られた粉砕物を分級する分級工程を有するトナーの製造方法であって、前記溶融混練工程を、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いて行い、前記トナー原料組成物の供給口とは異なる別の供給口から、前記分級工程で発生した粒径が105μm以下の回収微粉を該混練機に供給する、トナーの製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られるトナー
に関する。
本発明の方法により、トナーの製造工程で発生した微粉を再利用して溶融混練工程に供しても、処理量を低下させることなく、効率よくトナーを製造することができる。
本発明は、結着樹脂及び離型剤を含有したトナー原料組成物を用い、少なくとも、混合工程、溶融混練工程、粉砕工程及び分級工程を経て、トナーを製造する方法であり、以下に各工程を説明する。
混合工程は、結着樹脂及び離型剤を含有したトナー原料組成物を混合する工程である。
結着樹脂としては、ポリエステル、ポリエステルポリアミド、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂、これらの混合物等が挙げられ、これらの中では、定着性の観点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で行うことができる。
ポリエステルの軟化点は、画像光沢や色再現の観点から、80〜170℃が好ましく、90〜165℃がより好ましく、100〜160℃がさらに好ましい。
高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルとの重量比(高軟化点ポリエステル/低軟化点ポリエステル)は、10/90〜90/10が好ましく、30/70〜70/30がより好ましい。
ポリエステルのガラス転移点は、50〜85℃が好ましく、55〜80℃がより好ましく、60〜75℃がさらに好まし。酸価は、分散性の観点から、1〜40mgKOH/gが好ましく、2〜38mgKOH/gがより好ましい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、アルコール系ワックス等のワックス、カルナバワックス、ライスワックスなどの天然エステル系ワックスが挙げられ、これらのなかではカルナウバワックスが好ましい。これらのワックスは単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。離型剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、4〜10重量部がより好ましい。
離型剤の融点は、定着性の観点から、50〜150℃が好ましく、60〜120℃がより好ましく、70〜100℃がさらに好ましい。
本発明においては、結着樹脂及び離型剤に加えて、さらに着色剤、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤をトナー原料として適宜配合してもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明により製造するトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、負帯電性及び正帯電性のいずれのものも使用することができる。負帯電性荷電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正帯電性荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤の配合量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
トナー原料組成物の混合は、結着樹脂、離型剤等の全ての原料を一度に混合する方法であっても、分割して混合する方法であってもよい。
トナー原料組成物の混合に用いられる混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられる。
溶融混練工程は、混合工程により得られた混合物を溶融混練する工程であり、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用い、トナー原料組成物の混合物の供給口とは異なる別の供給口から、分級工程で発生した回収微粉を混練機に供給する工程である。
混練機への回収微粉の供給方法は、回収微粉を予め結着樹脂、離型剤等のトナー原料と混合して供給する方法、それらのトナー原料とは別に独立して供給する方法があるが、前者の方法では、トナー原料のみを混合する場合と同程度に混合するためには、攪拌時間を長くする等の生産性が低下する混合条件に変更しなければならないことが多い。さらに、攪拌時間を長くすると、混合機内の温度が上昇により、トナー原料が攪拌羽根や混合機の内壁に融着し混合装置に損害を与えることも懸念される。しかしながら、本発明ではトナー原料とは別に回収微粉を混練機に供給するため、回収微粉の使用により混合条件を変更する必要もなく、生産性よくトナーを製造することができる。さらに、回収微粉をトナー原料とは別に混練機に供給することにより、回収微粉を使用しない場合と比べて、回収微粉の使用量を処理量に加算することができる。すなわち、混練機へのトナー原料組成物と回収微粉の単位時間あたりの総供給量を、トナー原料組成物のみを混練機に供給する場合にトナー原料組成物を単位時間あたりに供給可能な量の上限値よりも多くすることができる。二軸押出機等のバレル内で混練する混練機では、混練部の容量が限られているため原料の供給量の増加は困難であり、また回収微粉、特に離型剤を含有した回収微粉は溶融しやすく、回収微粉を単独で供給すると供給口の閉塞を招く可能性も高いが、本発明ではオープンロール型混練機を使用しているため、生産性の高い混練を連続して行うことができる。
本発明に用いられる回収微粉は、分級工程で発生した微粉であり、分級工程の下限分級において除去された微粉であることが好ましい。かかる回収微粉は、再度溶融混練し、チップ化して使用してもよいが、本発明では、チップ化等の煩雑な工程を設けずとも、回収微粉をそのまま再利用することができる。
溶融混練工程に供する回収微粉の粒径は、ロールからの落下を防止する観点から、105μm以下であり、63μm以下がより好ましい。なお、本発明においては、溶融混練工程に供する回収微粉の体積中位粒径(D50)が10μm以下の微粉は、粒径105μm以下の粒径とする。回収微粉の体積中位粒径(D50)は、10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
回収微粉は、樹脂の分子鎖切断によるトナーの軟化点低下を低減し、離型剤等の内添剤の再凝集を防止する観点から、溶融に近い状態で、混練シェアを抑えてトナー原料組成物と混ぜ合わせることが好ましい。従って、回収微粉を供給する供給口は、トナー原料組成物の供給口より混練物排出口側で、かつ混練機の混練有効長をLとするとき、混練物排出口からトナー原料組成物の供給口側に向かって、好ましくは0.3L〜0.7L、より好ましくは0.35L〜0.65L、さらに好ましくは0.4L〜0.6Lの範囲に位置する供給口であることが望ましい。さらに、混練物排出口に最も近い供給口は、溶融混合を十分に行う観点から、混練機の混練有効部において、供給口側端部から0.5L〜0.75Lの範囲に設置されていることが好ましい。
単位時間あたりの回収微粉の供給量は、トナー原料組成物100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましい。
トナー原料組成物の混合物は、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。
本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口、即ちトナー原料組成物の供給口と回収微粉の供給口を、それぞれ1個ずつ、少なくとも2個の供給口と混練物排出口とを有するものである。
連続式オープンロール型混練機とは、溶融混練部がオープン型であるものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロール、好ましくは、加熱ロールと冷却ロールとの2本のロールを備えた混練機であることが望ましい。
2本のロールは並行に配置されていてもよいが、より混練シェアを緩やかにして樹脂の分子切断等を防止しつつトナー原料組成物と回収微粉とを溶融混練するために、回収微粉のロール上での滞留時間を長くする観点から、混練物排出口側端部のロール隙間は、供給口側端部のロール間隙よりも広くなるように配置されていることが好ましく、具体的には、混練物排出口側端部のロール隙間は、0.1〜2mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましく、0.5〜1mmがさらに好ましい。
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよいが、混練シェアを高めるために、各ロールの表面には複数の螺旋状の溝が刻んであることが好ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
加熱ロール、特に供給口側の温度は、結着樹脂の軟化点及び各々の離型剤の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことがさらに好ましい。また、冷却ロール、特に供給口側の温度は、結着樹脂の軟化点(複数の結着樹脂を含有するトナーの製造においては、各結着樹脂の軟化点と重量比を乗じて和をとったときの軟化点)の温度よりも低いことが好ましく、離型剤の融点付近、具体的には融点±15℃の範囲内であることがより好ましく、融点±10℃の範囲内であることがさらに好ましい。
ロールの回転数、即ち周速度は、2〜100m/minであることが好ましい。冷却ロールの周速度は2〜100m/minが好ましく、10〜60m/minがより好ましく、15〜50m/minがさらに好ましい。また、2本のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、2本のロールの周速度の比(冷却ロール/加熱ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
粉砕工程は、得られた溶融混練物を粉砕する工程であり、溶融混練物は、粉砕が可能な程度まで適宜冷却された後、粉砕工程に供する。
粉砕工程において、溶融混練物を所望の粒径まで粉砕する工程は、1段階で行ってもよく、粉砕機を変える等の方法により多段階に分割して行ってもよいが、粉砕効率の観点から、一旦、粒径が500μm以下になるように粗粉砕した後、さらに微粉砕する方法が好ましい。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。
また、微粉砕に用いられる粉砕機としては、衝突板式ジェットミル、流動層式ジェットミル等のジェットミル、回転型機械ミル等が挙げられ、これらの中ではジェットミルが好ましい。
分級工程は、得られた粉砕物を分級する工程であり、この工程で発生した微粉を回収し、る。分級に用いられる分級装置としては、サイクロン型風力分級機、ロータ型分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられ、これらの中では、サイクロン型風力分級機及びロータ型分級機が好ましい。
本発明により得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
さらに、分級工程の後、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤をトナー表面に外添してもよい。
本発明により得られたトナーは、現像方法に限定されず使用することができ、一成分現像用トナー及び二成分現像用トナーのいずれにも用いることができる。
〔樹脂及びトナーの軟化点〕
フローテスター(島津製作所製、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔回収微粉(微粉チップ)及び粗粉砕物の粒径〕
目的の粒径に対応した目開きXμmの篩を用意し、試料50gを篩の上に置いて篩分けする。篩上に残存した粗粉砕物が30重量%(15g)未満であるものをXμmの粒径とする。
〔回収微粉の体積中位粒径(D50)〕
トナーの体積中位粒径(D50)と同様の方法により測定する。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3308g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン341g、フマル酸792g、ハイドロキノン5g及びジブチルスズオキサイド10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃から210℃まで5時間かけて昇温して反応させた後、8.3kPaにて1時間反応を行った。その後、無水トリメリット酸480gを投入し、1時間常圧で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は155.8℃、ガラス転移点は64.7℃、酸価は33.2mgKOH/gであった。
樹脂製造例2
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1286g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2218g、テレフタル酸1603g及びジブチルスズオキサイド10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は111.4℃、ガラス転移点は68.5℃、酸価は3.2mgKOH/gであった。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
参考例1
樹脂A60重量部、樹脂B 40重量部、着色剤「ピグメントイエロー Y185」(BASF社製)3重量部、離型剤「カルナバワックス」(加藤洋行社製、融点:83℃)6重量部及び荷電制御剤「ボントロン E-84」(オリエント化学工業社製)3重量部をヘンシェルミキサーにより予備混合して得られたトナー原料組成物を、連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)に供給して溶融混練を行った。
なお、使用した連続式二本オープンロール型混練機は、ロール外径が320mm、全長1800mm、混練有効長(L)が1500mmのものであり、各ロールには複数の螺旋状の溝が刻んである。また、混練有効部の原料供給口側端部から、0.013Lに原料の供給口Xを、0.51Lに供給口Yを、1.01Lに混練物排出口(溶融混練物の切り出し口)を、それぞれ有する。運転条件は、加熱ロールの回転数が73r/min、冷却ロールの回転数が49r/min、ロールは0.2mmの間隙を空けて並行に配置した。ロール内は中心で2分割されており、ロール内の加熱及び冷却媒体(オイル、エッソサーモオイル500)の設定温度は、加熱ロールの供給口側の温度を145℃、混練物排出側の温度を100℃、冷却ロールの供給口側の温度を75℃及び混練物排出側の温度を35℃に設定した。トナー原料組成物は、供給口Xから100kg/hで供給した。
得られた溶融混練物を冷却し、粉砕機「アトマイザー」(東京アトマイザー社製)により、粒径が250μm程度になるように粗粉砕した。得られた粗粉砕物を4.0kg/hの供給量で微粉砕機(ジェットミル)「200型AFG」(ホソカワミクロン社製)にて微粉砕し、次いでロータ型分級機「100型TTSP」(ホソカワミクロン社製)にて微粉を除去する下限分級を行い、軟化点が128℃のイエロートナーを得た。なお、下限分級により除去された微粉(以下、イエロー微粉という)を別途回収した。イエロー微粉の体積中位粒径(D50)は、4.1μmであった。
実施例1
0.51Lに設置された供給口(供給口Y)から、参考例1で回収したイエロー微粉20重量部を20kg/hで供給した以外は、参考例1と同様にしてイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの軟化点は125℃であった。また、帯電性やトナーを溶融させて光学顕微鏡で観察した着色剤の分散性も参考例1で得られたイエロートナーと遜色なかった。
実施例2
連続式二本オープンロール型混練機において、供給口側の端部のロール間隙が0.20mm、混練物排出口側の端部のロール間隙が0.80mmとなるように、ロールを配置した以外は、実施例1と同様にしてイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの軟化点は128℃であった。混練物排出口側の端部のロール間隙を供給口側の端部のロール間隙よりも広くすることによって、イエロー微粉供給後の混練シェアが低下し、軟化点の低下をさらに防止することができた。また、帯電性や着色剤の分散性も参考例1で得られたイエロートナーと遜色なかった。
実施例3
参考例1で回収したイエロー微粉を、混練用スクリューを外して送りスクリューだけにした二軸押出機で溶融させ、冷却後、得られた溶融物を粒径が105μmになるように粉砕機「アトマイザー」(東京アトマイザー社製)にて粉砕し、微粉チップを得た。
得られた微粉チップを参考例1で回収したイエロー微粉の代わりに使用した以外は、実施例1と同様にしてイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの軟化点は124℃であった。また、帯電性や着色剤の分散性も参考例1で得られたイエロートナーと遜色なかった。
比較例1
参考例1で回収したイエロー微粉を供給口Yから混練機に供給せず、イエロー微粉20重量部を樹脂A、樹脂B等とともに混合して、トナー原料組成物に添加して使用し、トナー原料組成物とイエロー微粉の混合物の混練機への供給量を120kg/hに変更した以外は、参考例1と同様にしてイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの軟化点は、実施例1のイエロートナーに比べて、118℃とかなり低くなっていた。これは、イエロー微粉が他の原料と共に、切り出し口から最も遠い供給口(供給口X)から供給されたため、混練機から長時間混練シェアを受け続けたためと推測される。
さらに、得られたイエロートナーの帯電量から、実施例1のイエロートナーと同程度の帯電量を有するイエロートナーを得るためには、トナー原料組成物と回収微粉との混合に3倍の時間が必要とされ、生産性が著しく低下することが判明した。
参考例2
オープンロール型混練機の代わりに、二軸押出機「PCM-45型」(池貝社製)を使用し、トナー原料組成物とイエロー微粉を同時に二軸押出機に供給し、混練部のバレル設定温度を100℃に設定して溶融混練した以外は、実施例1と同様にしてイエロートナーを得た。二軸押出機へのトナー原料組成物とイエロー微粉の総供給量は50kg/hであった。
比較例2
樹脂A、樹脂B等の原料に、参考例1で回収したイエロー微粉20重量部を加えて混合した混合物を、二軸押出機に供給した以外は、参考例2と同様にしてイエロートナーを得た。帯電性や着色剤の分散性は参考例2で得られたイエロートナーと遜色なかったが、二軸押出機への供給量を、混合原料を十分に噛み込ませるために、20kg/hまで低下させたため、生産性が著しく低下した。
比較例3
微粉チップを製造する際に、粒径が250μmになるように粉砕機「アトマイザー」(東京アトマイザー社製)で粉砕した以外は、実施例3と同様にしてイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの軟化点は124℃であった。帯電性や着色剤の分散性は参考例1で得られたイエロートナーと遜色なかったが、微粉チップを供給した供給口下部から、微粉チップの顕著な落下が認められ、長時間の生産を考慮すると実用的に好ましい状態とは言えなかった。
比較例4
微粉チップを製造する際に、アトマイザーではなくロートプレックスを使用して、2mmパスの粗粒子とした以外は、実施例3と同様にしてイエロートナーを得た。得られたイエロートナーの軟化点は125℃であった。帯電性や着色剤の分散性は参考例1で得られたイエロートナーと遜色なかったが、微粉チップを供給した供給口下部から、大量の微粉チップが落下し、生産性が著しく低下した。
本発明により得られるトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (4)

  1. 結着樹脂及び離型剤を含有してなるトナー原料組成物を混合する混合工程、得られた混合物を溶融混練する溶融混練工程、得られた溶融混練物を粉砕する粉砕工程及び得られた粉砕物を分級する分級工程を有するトナーの製造方法であって、前記溶融混練工程を、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いて行い、前記トナー原料組成物の供給口とは異なる別の供給口から、前記分級工程で発生した粒径が105μm以下の回収微粉を該混練機に供給する、トナーの製造方法。
  2. トナー原料組成物の供給口より混練物排出口側で、かつ混練機の混練有効長をLとするとき、混練物排出口からトナー原料組成物の供給口側に向かって0.3L〜0.7Lの範囲に位置する供給口から回収微粉を供給する請求項1記載の製造方法。
  3. 連続式オープンロール型混練機が2本のロールを備え、混練物排出口側の端部のロール間隙が供給口側の端部のロール間隙よりも広い請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の製造方法により得られるトナー。
JP2005274485A 2005-09-21 2005-09-21 トナーの製造方法 Pending JP2007086355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005274485A JP2007086355A (ja) 2005-09-21 2005-09-21 トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005274485A JP2007086355A (ja) 2005-09-21 2005-09-21 トナーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007086355A true JP2007086355A (ja) 2007-04-05

Family

ID=37973407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005274485A Pending JP2007086355A (ja) 2005-09-21 2005-09-21 トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007086355A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015099351A (ja) * 2013-10-18 2015-05-28 花王株式会社 正帯電性トナーの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015099351A (ja) * 2013-10-18 2015-05-28 花王株式会社 正帯電性トナーの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8114565B2 (en) Toner production method and toner granulating apparatus
JP2009116175A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5965288B2 (ja) トナーの製造方法
JP2007011239A (ja) 電子写真用黒色トナーの製造方法
JP5361046B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5376587B2 (ja) トナーの製造方法
JP4850535B2 (ja) トナーの製造方法
JP4832228B2 (ja) トナー用樹脂乳化液の製造方法
JP4963578B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2007086355A (ja) トナーの製造方法
JP5246914B2 (ja) トナーの製造方法
JP2009058822A (ja) カラートナーセットの製造方法
KR20090071319A (ko) 전자사진용 토너, 이를 이용한 화상형성방법 및화상형성장치
JP5101270B2 (ja) トナーの製造方法
JP2006227431A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4027926B2 (ja) トナーの製造方法
JP4424614B2 (ja) トナーの製造方法
JP2003050480A (ja) トナーの製造方法
JP4012490B2 (ja) トナーの製造方法
JP2006091175A (ja) トナーの製造方法
JP7562339B2 (ja) トナーの製造方法
JP4884126B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP6205116B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5059561B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2003186244A (ja) トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091202