JP2007078750A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 いわゆるクリーナレスの画像形成装置において、トナーの混色による色味変動が小さく、文字品位の優れた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体1に形成したトナー像を転写ローラ5へのバイアス印加により被転写体8に転写し、転写後に感光体1に残留したトナーを現像手段により回収する画像形成部を複数配置し、それぞれの画像形成部でトナー像を被転写体8へ順次転写して多色画像を形成する画像形成装置において、複数の画像形成部Y,M,C,Kのうち他色のトナーが混入した場合に色味変動が最も小さいブラック画像形成部Kの感光体1に対する転写ローラ5の位置を、被転写体8の移動方向の最上流に配置されたイエローの画像形成部Kを除く、マゼンタ、シアンの画像形成部M,Cの感光体1に対する転写ローラ5の位置より、被転写体8の移動方向の下流側に配置したことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】 感光体1に形成したトナー像を転写ローラ5へのバイアス印加により被転写体8に転写し、転写後に感光体1に残留したトナーを現像手段により回収する画像形成部を複数配置し、それぞれの画像形成部でトナー像を被転写体8へ順次転写して多色画像を形成する画像形成装置において、複数の画像形成部Y,M,C,Kのうち他色のトナーが混入した場合に色味変動が最も小さいブラック画像形成部Kの感光体1に対する転写ローラ5の位置を、被転写体8の移動方向の最上流に配置されたイエローの画像形成部Kを除く、マゼンタ、シアンの画像形成部M,Cの感光体1に対する転写ローラ5の位置より、被転写体8の移動方向の下流側に配置したことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は複数の画像形成部により形成した色の異なる現像剤像を被転写体に順次転写して多色画像を形成し、転写後に前記像担持体に残留した現像剤を現像手段により回収する、いわゆるクリーナレスの画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等のフルカラー画像形成装置として、複数の画像形成部を備えた画像形成装置が知られている。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部が間隔をあけて直線的に配置されたフルカラー画像形成装置である。
各画像形成部は、像担持体である感光体ドラム、感光体ドラムを所定の極性、電位に帯電させる帯電手段、帯電された感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像を現像剤(以下「トナー」という)により顕像化する現像手段を有する。
そして、被転写体として中間転写体を用いる画像形成装置では感光体ドラム上のトナー像を中間転写体に順次一次転写し、そのトナー像を記録媒体に二次転写する。一方、前記一次転写の際に中間転写体に転写されずに残った転写残トナーは感光体クリーニング手段により中間転写体上から除去される。
ここで、上述の画像形成装置では、感光体ドラム上のトナー像が中間転写体へ一次転写されるときに、いわゆる逆転写現象が発生する。この逆転写現象は、中間転写体の移動方向に対して最上流の画像形成部以外では、上流の画像形成部で中間転写体上に既に転写されていたトナー像の一部が中間転写体上から感光体ドラム上に逆転写するという現象である。
具体的には、中間転写体の移動方向に対して最上流に配置された第1の画像形成部で中間転写体上に形成された第1色目のトナー像の一部が、中間転写体の移動方向に対して第1の画像形成部の下流に配置された第2の画像形成部で逆転写する。すなわち、第2の画像形成部で感光体ドラム上に形成された第2色目のトナー像を転写する時の転写バイアスにより、中間転写体上から第2の画像形成部の感光体ドラム上に逆転写する。
同様に、中間転写体移動方向に対して第2の画像形成部の下流に配置された第3の画像形成部では、第1の画像形成部、第2の画像形成部において中間転写体上に形成された第1色目、第2色目のトナー像の一部が、感光体ドラム上に逆転写する。このような逆転写現象は、被転写体が紙等の記録媒体であった場合でも同様に発生する。
しかし、感光体クリーニング手段を備えた上述の画像形成装置では、感光体ドラム上の逆転写トナーは、それぞれの画像形成部の感光体クリーニング手段により除去されるため、上流の画像形成部のトナーと下流の画像形成部のトナーが混色することはない。
ここで、近年ではいわゆるクリーナレスの画像形成装置が提案されている。これは、資源の有効利用、廃棄物の削減の観点から行われる。つまり感光体クリーニング手段により感光体ドラム上から除去され、廃棄されていた転写残トナーを、感光体クリーニング手段を廃して、現像手段で現像するのと同時に感光体ドラム上から回収して再利用するものである。
クリーナレスの画像形成装置では、転写手段後にトナー帯電手段を配置し、感光体ドラム上の転写残トナー等の残余トナーを正規の帯電極性に帯電させる。そして、感光体ドラムの非画像部に存在する残余トナーは感光体ドラムと現像スリーブの電位差により現像手段に回収し、再利用する。
この方式によれば、資源の有効利用、廃棄物の削減のみならず、感光体クリーニング手段や廃トナー容器を廃することができるため、画像形成装置の小型化にも有利である。さらに、廃トナー容器を交換するといったメンテナンスを省力化することもできる。
しかし、クリーナレスの画像形成装置では、感光体クリーニング手段を配置せず、転写手段後の残余トナーを感光体ドラム上から除去しない。このため、中間転写体の移動方向に対して最上流の第1の画像形成部を除く、第2の画像形成部以降において、上述の逆転写トナーが原因で、現像器内で混色が発生し、色味変動が大きくなるという問題がある。
それに対して、中間転写体の移動方向の感光体ドラムと中間転写体の接触幅を、中間転写体と転写部材の接触幅より小さくして逆転写しにくくした画像形成装置が提案されている(特許文献1)。
また、中間転写体の移動方向の上流側から混色の影響を受けやすい画像形成部を順に配置する装置が提案されている。具体的にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部の順に配置する画像形成装置が提案されている。これは他の色に比べてブラックが混色した場合に色味変動が小さいからである(特許文献2)。
一方、近年、一般オフィス用途において、白黒画像とカラー画像をほぼ同じ速度で出力することができる複数の画像形成部を備えたカラー複写機、カラープリンタの需要が増加している。このようなカラー複写機、カラープリンタにおいても、ビジネス文章で多用される黒文字の読みやすさ、所謂、黒文字品位が重要視され始めている。黒文字品位を向上させるには、ブラックトナーが本来の文字プロポーションの周りに飛散してしまう、トナー飛び散りを低減する必要がある。
トナー飛び散りを低減するための転写部構成として、記録媒体搬送体または中間転写体の移動方向に対して、転写部材を感光体ドラムの対向位置の下流に備えた画像形成装置が提案されている(特許文献3)。
上述の転写部構成にすることで、感光体ドラムと被転写体が接触する前に感光体ドラム上のトナーが被転写体へ飛散してしまう、所謂、プレ転写が抑制されてトナー飛び散りが低減される。
しかしながら、複数の画像形成部を備えたクリーナレスのフルカラー画像形成装置では、トナー飛び散りを低減するために、被転写体の移動方向に対して、転写部材を像担持体の対向位置より下流に配置した場合、逆転写トナーが増加する。このため、上流の画像形成部のトナーが下流の画像形成部に混入する量が増加し、色味変動が大きくなるという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の画像形成部を備えた、いわゆるクリーナレスの画像形成装置において、トナーの混色による色味変動が小さく、文字品位の優れた画像形成装置を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明における代表的な手段は、像担持体に形成した潜像を現像手段により現像し、その現像剤像を転写部材へのバイアス印加により被転写体に転写し、転写後に前記像担持体に残留した現像剤を前記現像手段により回収する画像形成部を前記被転写体の移動方向に複数配置し、それぞれの画像形成部で色の異なる現像剤像を前記被転写体へ順次転写して多色画像を形成する画像形成装置において、前記複数の画像形成部のうち他色の現像剤が混入した場合に色味変動が最も小さい色の現像剤像を形成する画像形成部の前記像担持体に対する前記転写部材の位置を、前記被転写体の移動方向の最上流に配置された画像形成部を除く、他色の画像形成部の像担持体に対する転写部材の位置より、前記被転写体の移動方向の下流側に配置したことを特徴とする。
本発明は上記のように、他色の現像剤が混入した場合に色味変動が大きい画像形成部の像担持体に対する転写部材位置より、他色の現像剤が混入した場合に色味変動が小さい画像形成部の像担持体に対する転写部材の位置を被転写材の移動方向の下流側に配置する。これにより、色味変動が小さいまま、トナーの飛び散りを低減して文字品位を向上させることが可能となる。
次に本発明の一実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態に係る画像形成装置の全体模式説明図であり、まず図1を参照して画像形成装置の全体構成について説明する。
図1は第1実施形態に係る画像形成装置の全体模式説明図であり、まず図1を参照して画像形成装置の全体構成について説明する。
{画像形成装置の全体構成}
本実施形態の画像形成装置は被転写体として中間転写体に一次転写し、その転写像を記録媒体に二次転写して画像を形成する、いわゆるクリーナレスのフルカラー画像形成装置である。
本実施形態の画像形成装置は被転写体として中間転写体に一次転写し、その転写像を記録媒体に二次転写して画像を形成する、いわゆるクリーナレスのフルカラー画像形成装置である。
図1に示す画像形成装置は、色の異なるトナー像を形成する4個の画像形成部、具体的には、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像をそれぞれ形成する画像形成部Y,M,C,Kを備えている。これらの画像形成部Y,M,C,Kは、トナーが異なる点を除いて、同じ電子写真プロセス構成である。
すなわち、それぞれの画像形成部Y,M,C,Kは、像担持体1の表面を帯電手段2により一様に帯電し、この像担持体1に露光手段3により画信号に応じた光照射を行うことで静電潜像を形成する。その潜像を現像手段4によりトナー現像して可視像化し、そのトナー像を転写部材5へのバイアス印加により中間転写体としての中間転写ベルト8に一次転写する。このようにして各画像形成部で形成したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像を中間転写ベルト8に重ね合わせて順次転写することでフルカラー画像を形成する。そして、そのトナー像を二次転写手段である二次転写手段9へのバイアス印加により搬送される記録媒体Pに二次転写する。その後、記録媒体Pを定着手段11へ搬送して加熱加圧してトナー像を記録媒体Pに定着した後、装置外へと排出する。一方、像担持体1から中間転写ベルト8へトナー像を一次転写したときに、転写しきれずに像担持体1に残留したトナーは現像手段4により回収するものである。
ここで、本実施形態の画像形成部を構成する各部について具体的に説明する。
各画像形成部Y,M,C,Kにおいて、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体ドラム(以下「感光体」という)1は、不図示の駆動手段によって図1の矢印方向(反時計回り)に回転駆動される。この感光体1は、導電性基層上に光導電層を設けてなっており、有機感光体(OPC)やアモルファスシリコン感光体、セレン感光体等が使用できる。なお、本実施形態では、負帯電性の有機感光体(OPC)を使用した。
帯電手段2は、回動する感光体1の表面を所定の極性及び、電位に一様に帯電する。帯電手段2としては、コロナ帯電器や帯電ローラ、磁気ブラシ等が使用できる。
本実施形態では、接触帯電方式の帯電ローラ2を使用した。帯電ローラ2は、不図示の加圧手段で芯金を感光体方向に押圧することで、感光体1に所定の圧力で接しており、感光体1の回転に従動して回転する。また、不図示の電源より直流電圧−500Vと周波数1000Hzの交流電圧1400Vppを重畳した帯電バイアスを帯電ローラ2の芯金に印加した。
帯電ローラ2としては、金属の芯金上に、カーボン分散EPDM系発泡スポンジゴムの下層、カーボン分散NBR系ゴムの中間層、酸化錫とカーボンを分散させたフッ素系樹脂の表層を順に積層した3層構成のものを使用している。
露光手段3は、感光体1の回転方向において、帯電手段2の下流側を露光するように構成され、帯電手段2で一様に帯電された感光体1の表面を画像情報に基づき光走査し、感光体1上に静電潜像を形成する。露光手段3としては、レーザースキャナやLEDアレイ等が使用できる。
本実施形態では、レーザースキャナを使用している。クリーナレスの画像形成装置では、露光位置での感光体1上に残余トナーが存在し、露光はその上からなされることになる。しかし、感光体1上の残余トナー量は露光による静電潜像形成に影響のない量に設定されているため問題とはならない。
現像手段4は、感光体1の回転方向において、露光位置の下流側に配置され、感光体1上の静電潜像をトナーで現像することで感光体1上にトナー像を形成する。また、それと同時に、トナー帯電手段7により正規の帯電極性に帯電された感光体1の非画像部に存在する残余トナーを感光体1と現像スリーブ41の電位差により現像手段4に回収し、再利用する。
本実施形態の画像形成装置では、二成分非磁性マイナス帯電トナーにより、感光体1上の静電潜像を反転現像する。現像スリーブ41は、感光体1の対向に最近接距離350μmで配置し、感光体1の対向部で感光体1の移動方向に対して、逆方向に回転駆動する。逆方向が感光体1上の残余トナーの回収に有利であった。現像スリーブ41の内部には、不図示のマグネットローラを配置し、その磁力により現像スリーブ41の外周面に二成分現像剤を吸着保持させる。そして、感光体1の対向部で感光体1に接触させ、不図示の電源より直流電圧−350Vと周波数4000Hzの交流電圧1800Vppを重畳させた現像バイアスを印加した。
転写部材5は、一次転写位置T1で中間転写ベルト8を挟んで感光体1に対向する位置に配置されている。この転写部材5へバイアスを印加し、その転写電界により中間転写ベルト8上に感光体1上のトナー像を一次転写する。転写部材5としては、コロナ転写帯電器や転写ローラ、転写ブレード、転写ブラシ等が使用できる。
本実施形態では転写部材として転写ローラ5を中間転写ベルト8に従動して回転(回動)するように構成する。そして、中間転写ベルト8を介して感光体1に所定の圧接力で当接させ、トナー極性の逆極性であるプラスの転写電界により感光体1上のトナー像を中間転写ベルト8上に一次転写する。
本実施形態では転写ローラ5として、金属の芯金上に半導電性のポリウレタン系発泡ゴム層を形成した、アスカーC硬度10で、ローラ抵抗が1×106の半導電性転写ローラを使用した。ローラ抵抗は、温度23℃、相対湿度50%RHの環境で、転写ローラ5の芯金の両端に各500gの錘を載せ、電流計を介してアースされた金属板に押圧し、50Vの電圧を印加した時に金属板に流れる電流を測定して算出した。
なお、この転写ローラ5と感光体1との位置関係については後で詳細に説明する。
6はトナー均一化手段であり、感光体1の回転方向で転写ローラ5の下流側に配置され、一次転写後の感光体1上の画像に応じた残余トナーを分散させ、均一にならすことで、トナー帯電手段7の局所にトナーが集中することを防止する。また、トナーの帯電量が多い場合は、トナーを除電する。トナー均一化手段としてはブラシ、ブラシローラ等が使用できる。本実施形態では、半導電性ブラシ6をアースに接続して使用している。
7はトナー帯電手段であり、感光体1上の残余トナーを現像手段4で回収可能な正規の帯電極性に帯電させる。トナー帯電手段としてはブラシ、ブラシローラ等が使用できる。
本実施形態では、半導電性ブラシ7を使用し、不図示の電源より−800Vのトナー帯電バイアスを印加する。これにより、トナーを正規の帯電極性に帯電することで帯電ローラ2へのトナーの付着を抑制することができた。
中間転写ベルト8は、駆動ローラ81、従動ローラ82,83で懸架され、各画像形成部Y,M,C,Kの感光体1に接触して図1の矢印方向に回転駆動される。中間転写ベルト8には、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート等の樹脂が使用できる。電気抵抗は、体積抵抗率が1×106〜1×1013Ω・cm、表面抵抗率が1×108〜1×1014Ω/□が適している。そして、体積抵抗率が1×108〜1×1011Ω・cm、表面抵抗率が1×1011〜1×1013Ω/□がより適している。
本実施形態では、公知の方法により電気抵抗を体積抵抗率1×1010Ω・cm、表面抵抗率1×1012Ω/□に調整した厚み90μmの無端ポリイミドベルトを使用した。電気抵抗は、温度23℃、相対湿度50%RHの環境で、アドバンテスト製R8340A測定器と、主電極外径50mm、ガード電極70mmのプローブを使用し、印加電圧100V、チャージ時間10秒の条件で測定した。
二次転写手段9は、二次転写位置T2で中間転写ベルト8を挟んで従動ローラ82に対向する位置に配置されている。二次転写手段9へのバイアス印加による転写電界により、不図示の給送部から中間転写ベルト8上のトナー像にタイミングに合わせて二次転写位置T2に導入された記録媒体Pに中間転写ベルト8上のトナー像を二次転写する。二次転写手段としては、コロナ転写帯電器や転写ローラ、転写ブレード、転写ブラシ等が使用できる。
本実施形態では、二次転写手段として二次転写ローラ9を使用し、プラスの転写電界により中間転写ベルト8上のトナー像を記録媒体P上に二次転写した。二次転写ローラ9としては、金属の芯金上に半導電性のNBRゴムとヒドリンゴムを主成分とする発泡ゴム層を形成した、アスカーC硬度35で、ローラ抵抗が1×108の半導電性転写ローラを使用した。ローラ抵抗は、温度23℃、相対湿度50%RHの環境で、二次転写ローラ9の芯金の両端に各500gの錘を載せ、電流計を介してアースされた金属板に押圧し、2000Vの電圧を印加した時に金属板に流れる電流を測定して算出した。
なお、中間転写ベルト8から記録媒体Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト8上に残留したトナーを除去するために中間ベルトクリーニング手段10が設けられている。この中間ベルトクリーニング手段10としては、クリーニングローラ、クリーニングブレード、クリーニングウェッブ等が使用できる。本実施形態では、デュロメータA硬度75で2mm厚のポリウレタンのクリーニングブレードを使用している。
定着手段11は、定着ローラ111及び加圧ローラ112のローラ対で構成されている。これらのローラは金属ローラ上にフッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性層、表層にトナーに対して高い離型性を有するPFA、PTFE等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の材料が積層されたものが使用できる。
{感光体と転写部材の位置関係}
次に本実施形態に係る画像形成装置の感光体1と転写ローラ5との位置関係について説明する。
次に本実施形態に係る画像形成装置の感光体1と転写ローラ5との位置関係について説明する。
図2は中間転写ベルト8の移動方向Rに対する感光体1と転写ローラ5の位置関係を示した模式説明図である。本実施形態の画像形成装置は中間転写ベルト8の回転方向上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で各画像形成部Y,M,C,Kが配置されている。前記4色のうち、一次転写部における中間転写ベルト8から感光体1への逆転写トナーによる混色が生じた場合、色味変動が最も大きい色はイエローであり、逆に色味変動が最も小さい色はブラックである。そして、中間転写ベルト8の移動方向の最上流にある画像形成部では混色は生じない。そのため、本実施形態では最上流には混色による色味変動の影響を受け易いイエローの画像形成部Yを配置している。
また、色味変動の影響が小さいブラックの画像形成部Kの感光体1に対する転写ローラ5の位置を、マゼンタ、シアン、イエローの画像形成部M,C、Yの感光体1に対する転写ローラ5の位置より、中間転写ベルト8の移動方向下流側(以下「下流側」という)に配置している。つまり、ブラックの画像形成部Kの転写ローラ5は、マゼンタ、シアン、イエローの画像形成部M,C,Yの転写ローラ5よりも、感光ドラム1の回動方向における下流側に配置される。これにより、文字記録の際に最もよく使用するブラック画像形成部でのトナー飛び散りを、他の色の画像形成部Y,M,Cにおけるトナー飛び散りよりも低減し、黒文字品位を向上するものである。
(黒文字品位と色味変動評価)
ここで、本実施形態の画像形成装置において、ブラックの画像形成部Kにおける転写ローラ5の回転中心の位置を感光体1の回転中心の位置に対して下流側に変化させて画像形成を行った画像品位評価の実験結果を示す。
ここで、本実施形態の画像形成装置において、ブラックの画像形成部Kにおける転写ローラ5の回転中心の位置を感光体1の回転中心の位置に対して下流側に変化させて画像形成を行った画像品位評価の実験結果を示す。
実験では、マゼンタの画像形成部M及びシアンの画像形成部Cの感光体1における転写ローラ5の位置関係は中間転写ベルト8の移動方向Rに対して、転写ローラ5の回転中心が感光体1の回転中心の1.5mm下流側にずれる(図2のA)ように配置した。これにより、マゼンタ、シアンの画像形成部M,Cにおけるトナー飛び散りを抑制している。なお、イエローの画像形成部Yもマゼンタ、シアンの画像形成部M,Cと同じ配置とした。
上記イエロー、マゼンタ、シアンの各画像形成部Y,M,Cに対し、ブラックの画像形成部Kにおいて、転写ローラ5の回転中心の位置が感光体1の回転中心の位置よりも下流側にずれるように設定する。ここでは、前記ずれ(図2のB)が1.5〜4.5mmの範囲で0.5mm単位で下流側にずらして画像形成を行った。
また、転写バイアスは不図示の電源より各転写ローラ5に+7μAの電流が流れる電圧を印加するようにした。
評価結果は図3に示すようなものであった。図3は黒文字品位と色味変動の評価を示すグラフである。評価は、各色5%の画像比率のカラーテストチャートを5000枚出力後に、それぞれの評価画像を出力して行った。
黒文字品位は4ポイントのMSゴシック文字を出力し、目視での読みやすさでランク付けした。ランク4以上を合格と判断した。
色味変動は、外径8mmのブラックの丸パッチを出力し、25倍の拡大鏡で他色トナーの混色の程度を観察し、ランク付けした。ランク4以上を合格と判断した。
ブラックの画像形成部Kでの転写ローラ5の配置を、他色の画像形成部Y,M,Cと同じ、転写ローラ5の回動中心51が感光体1の回動中心11の1.5mm下流側とした場合と比較した。つまり転写ローラ5を0.5〜2.5mm(感光体1に対して2.0〜4.0mm)さらに下流側に配置した。これにより、画像全体の色味変動が抑制され、且つ黒文字品位が向上して双方が合格となった。
より好ましくは、1.0〜2.0mm(感光体1に対して2.5〜3.5mm)下流側にずらすとより効果的であった。また、ブラックの画像形成部の転写ローラ5に流れる電流量は+6μAが適していた。
図4は上記と同様の評価をシアンの画像形成部Cで実施した評価結果を示すグラフである。
シアントナーは、イエロートナー、マゼンタトナーが混色した場合の色味変動が、ブラックトナーと比較して大きい。そのため、感光体1に対する転写ローラ5の配置を、下流側1.5mmを超えて設定すると混色による色味変動が大きくなってしまうために困難であった。
上述の結果は次のような転写メカニズムによるものと考えられる。転写ローラ5を感光体1の下流側に移動するにしたがって、感光体1と中間転写ベルト8の接触部近傍の上流領域への転写ローラ5からの電界が減少する。そのため、その電界によって感光体1上のトナーが中間転写ベルト8上へ飛散してしまう、所謂、プレ転写が抑制されてトナー飛び散りが低減される。その結果、黒文字品位は向上する。
それとは反対に、転写ローラ5を感光体1の下流側に移動するにしたがって、感光体1と中間転写ベルト8の接触部近傍の下流領域での転写ローラ5の電界よる放電量が増加する。そして、そのプラス電荷の放電でマイナス極性のトナーの電荷がプラスに反転する量が増加して、プラスの転写電界と反発することで感光体1上への逆転写トナー量が増加する。その結果、色味変動が大きくなる。
そのため、色味変動が小さいブラックの画像形成部Kにおいて、他の画像形成部Y,M,Cよりも感光体1に対する転写ローラ5の位置を下流側にすることで、色味変動の影響を小さくしてトナー飛び散りを低減することができる。そして、ブラックトナーは文字記録の際に最もよく使用されるトナーであるため、文字品位を向上させることができる。
すなわち、他色のトナーが混入した場合に色味変動が最も小さい色の画像形成部における感光体1に対する転写ローラ5の位置を、他色の画像形成部における感光体1に対する転写ローラ5の位置より下流側に配置する。これにより、画像全体の色味変動を抑制して文字品位を向上させることができる。
なお、色味変動が最も小さい色の画像形成部における感光体1に対する転写ローラ5の位置は、中間転写ベルト8の移動方向の最上流に配置された画像形成部を除く他色の画像形成部の感光体1に対する転写ローラ5の位置より下流側にずれていればよい。これは最上流に配置された画像形成部では混色は生じない。このため、最上流の画像形成部においてはトナー飛び散りを低減させるために感光体1に対する転写ローラ5の位置を大きく下流側にずらしても問題ないからである。
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る装置について図5を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
次に第2実施形態に係る装置について図5を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
本実施形態は第1実施形態と異なり、転写部材としてブレード部材を用いている。図5は、中間転写ベルト8の移動方向Rに対しての、感光体1と転写ブレード5Aの位置関係を示した模式説明図である。
本実施形態では、転写部材としての転写ブレード5Aを中間転写ベルト8を介して感光体1に所定の圧接力で当接させ、トナー極性の逆極性であるプラスの転写電界により感光体1上のトナー像を中間転写ベルト8上に一次転写するように構成している。
なお、転写ブレード5Aとしては、ヒドリンゴムにナイロン樹脂をコーティングしたものを使用した。
そして、マゼンタ及びシアン及びイエローの画像形成部M,C、Yの感光体1と転写ブレード5Aの位置関係は、以下の様になっている。即ち中間転写ベルト8の移動方向Rに対して、転写ブレード5Aの中間転写ベルト8と接しているエッジが、感光体1の回転中心の直下になるように配置した。これにより、マゼンタ、シアンの画像形成部M,Cにおける逆転写トナーによる色味変動を抑制するようにした。なお、イエローの画像形成部Yはマゼンタ及びシアンの画像形成部M,Cと同じ配置とした。
一方、色味変動が少ないブラックの画像形成部Kは、中間転写ベルト8の移動方向Rに対して、転写ブレード5Aの中間転写ベルト8と接しているエッジが、感光体1の回動中心11の1.0mm下流になるように転写ブレード5Aを配置した。
上述の画像形成装置で第1実施形態と同様の評価をおこなったところ、第1実施形態と同様の結果になり、色味変動を悪化させることなく、黒文字品位を改善することができた。
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る装置について図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
次に第3実施形態に係る装置について図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した第1実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成について説明する。また、第1実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
図6は第3実施形態に係る画像形成装置の模式説明図であり、図7は転写搬送ベルト12の移動方向Rに対しての、感光体1と転写ローラ5の位置関係を示した模式説明図である。
前述した実施形態では感光体1上のトナー像を被転写体となる中間転写体に一次転写し、そのトナー像を記録媒体に二次転写する画像形成装置を例示した。これに対して本実施形態の画像形成装置は感光体1に形成したトナー像を被転写体として記録媒体に直接転写するものである。
すなわち、図6に示すように、各画像形成部Y,M,C,Kと対向して記録媒体の搬送手段である転写搬送ベルト12が駆動ローラ121、従動ローラ122で懸架され、各画像形成部Y,M,C,Kの感光体1に接触して矢印の方向に回転駆動可能となっている。なお、転写搬送ベルト12には、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート等の樹脂が使用できる。表面抵抗率は、1×1012〜1×1015Ω/□が適している。
本実施形態では、公知の方法により表面抵抗率を1×1013Ω/□に調整した厚み75μmの無端ポリイミドベルトを使用した。電気抵抗は、温度23℃、相対湿度50%RHの環境で、アドバンテスト製R8340A測定器と、主電極外径50mm、ガード電極70mmのプローブを使用し、印加電圧100V、チャージ時間10秒の条件で測定した。
また、図6において、123は転写搬送ベルトクリーニング手段であり、転写搬送ベルト12上のかぶりトナーや紙粉等を除去する。クリーニングローラ、クリーニングブレード、クリーニングウェッブ等が使用できる。本実施形態では、デュロメータA硬度75で2mm厚のポリウレタンのクリーニングブレードを使用した。
上記転写搬送ベルト12に記録媒体Pを静電吸着して各画像形成部Y,M,C,Kに搬送し、転写部材である転写ローラ5へのバイアス印加によって各感光体1に形成したトナー像を記録媒体へ順次重ね合わせて転写することでカラー画像を形成するものである。
このような画像形成装置において、マゼンタ及びシアンの画像形成部M,Cの感光体1と転写ローラ5の位置関係は、以下の様になっている。即ち、転写搬送ベルト12の移動方向Rに対して、転写ローラ5の回動中心51が、感光体1の回動中心11の1.0mm下流にずれる(図7のD)ように配置した。これにより、逆転写トナーによる色味変動を抑制している。なお、イエローの画像形成部Yもマゼンタ及びシアンの画像形成部M,Cと同じ配置とした。つまり、ブラックの画像形成部Kの転写ローラ5は、マゼンタ、シアン、イエローの画像形成部M,C,Yの転写ローラ5よりも、感光ドラム1の回動方向における下流側に配置される。
一方、色味変動が少ないブラックの画像形成部Kは、転写搬送ベルト12の移動方向Rに対して、転写ローラ5の回転中心が、感光体1の回転中心の2.0mm下流にずれる(図7のE)ように配置した。
すなわち、他色のトナーが混入した場合に色味変動が最も小さいブラックの画像形成部Kにおける感光体1に対する転写ローラ5の位置を、他色の画像形成部における感光体1に対する転写ローラ5の位置より下流側に配置した。
上記画像形成装置において、第1実施形態と同様の評価をおこなったところ、第1実施形態と同様の結果が得られ、色味変動を悪化させることなく、黒文字品位を改善することができた。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナーを用いる画像形成装置を例示した。そのため、4色の中で混色による色味変動が最も小さい色はブラックとなり、ブラックの画像形成部における転写部材の位置を下流側にずらすようにした。しかし、上記トナー色は前記4色に限定する必要はない。その場合は、他の色を用いた場合でも混色による色味変動が最も小さい色のトナー像を画像形成部において感光体に対する転写部材の位置を他の画像形成部よりも下流側に配置するようにすればよい。
前述した実施形態ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナーを用いる画像形成装置を例示した。そのため、4色の中で混色による色味変動が最も小さい色はブラックとなり、ブラックの画像形成部における転写部材の位置を下流側にずらすようにした。しかし、上記トナー色は前記4色に限定する必要はない。その場合は、他の色を用いた場合でも混色による色味変動が最も小さい色のトナー像を画像形成部において感光体に対する転写部材の位置を他の画像形成部よりも下流側に配置するようにすればよい。
P …記録媒体
Y,M,C,K …画像形成部
1 …感光体
2 …帯電手段
3 …露光手段
4 …現像手段
5 …転写ローラ
5A …転写ブレード
6 …トナー均一化手段
7 …トナー帯電手段
8 …中間転写ベルト
9 …二次転写手段
10 …中間ベルトクリーニング手段
11 …定着手段
12 …転写搬送ベルト
41 …現像スリーブ
81 …駆動ローラ
82,83 …従動ローラ
111 …定着ローラ
112 …加圧ローラ
121 …駆動ローラ
122 …従動ローラ
123 …転写搬送ベルトクリーニング手段
Y,M,C,K …画像形成部
1 …感光体
2 …帯電手段
3 …露光手段
4 …現像手段
5 …転写ローラ
5A …転写ブレード
6 …トナー均一化手段
7 …トナー帯電手段
8 …中間転写ベルト
9 …二次転写手段
10 …中間ベルトクリーニング手段
11 …定着手段
12 …転写搬送ベルト
41 …現像スリーブ
81 …駆動ローラ
82,83 …従動ローラ
111 …定着ローラ
112 …加圧ローラ
121 …駆動ローラ
122 …従動ローラ
123 …転写搬送ベルトクリーニング手段
Claims (5)
- 回動する像担持体に形成した静電像を現像して現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を被転写体に静電的に転写する転写部材とを備え、前記像担持体上の現像剤を前記現像手段により回収する画像形成部を前記被転写体の移動方向に複数配置し、それぞれの画像形成部で、少なくとも黒を含む、色の異なる現像剤像を前記被転写体へ順次転写して多色画像を形成する画像形成装置において、
黒の前記現像剤像を形成する画像形成部の前記転写部材は、他色の前記現像剤像を形成する画像形成部の転写部材よりも、前記像担持体の回動方向における下流側に配置したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記被転写体は中間転写体であり、各画像形成部で形成した色の異なる現像剤像を前記中間転写体に順に一次転写し、該画像を記録媒体に二次転写して多色画像を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記被転写体は搬送手段により搬送される記録媒体であり、各画像形成部で形成した色の異なる現像剤像を前記記録媒体に順に転写して多色画像を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記転写部材は転写ローラ又は転写ブレードであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記被転写体の移動方向において、前記黒の現像剤像を形成する画像形成部の前記像担持体の回動中心と、前記転写部材と前記被転写体の接触する領域の中心位置との距離をL1、
前記他色の現像剤像を形成する画像形成部の前記像担持体の回動中心と、前記転写部材と前記被転写体の接触する領域の中心位置との距離をL2とするとき、
0. 5mm≦ L2−L1 ≦ 2.5mm
であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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