JP2007076453A - 安全タイヤ用空気のう及び安全タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】内圧低下時の迅速で均一な拡径変形を妨げることなく軽量化を図った安全タイヤ用空気のう及びかかる空気のうを有する安全タイヤを提供する。
【解決手段】安全タイヤ1に用いられる空気のう3は、タイヤ2に収納され、このタイヤ2の所定の内圧で気体が充填される。タイヤ2の内圧が正常な状態では空間部S1、S2が形成され、タイヤの内圧が低下した状態では空気のう3が拡径変形して荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。この空気のう3は、中空円環状のケース部材4と、略タイヤ周方向に延びるコードをゴム被覆してなり、ケース部材4のクラウン部の外周側に配設されたフープ補強層5と、ケース部材4とフープ補強層の間5に配設され、ゴムとの間の最大摩擦係数がフープ補強層4とケース部材5との間の最大摩擦係数よりも小さい中間層6とを具える。
【選択図】図1
【解決手段】安全タイヤ1に用いられる空気のう3は、タイヤ2に収納され、このタイヤ2の所定の内圧で気体が充填される。タイヤ2の内圧が正常な状態では空間部S1、S2が形成され、タイヤの内圧が低下した状態では空気のう3が拡径変形して荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。この空気のう3は、中空円環状のケース部材4と、略タイヤ周方向に延びるコードをゴム被覆してなり、ケース部材4のクラウン部の外周側に配設されたフープ補強層5と、ケース部材4とフープ補強層の間5に配設され、ゴムとの間の最大摩擦係数がフープ補強層4とケース部材5との間の最大摩擦係数よりも小さい中間層6とを具える。
【選択図】図1
Description
この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で気体が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧が低下した状態では拡径変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうに関し、特にかかる空気のうの迅速で均一な拡径変形を妨げることなく軽量化を図る。
パンク等によってタイヤ内圧が急激に低下したランフラット状態においてもある程度の距離の走行が可能である安全タイヤとしては、補強チューブ、補強ゴム、補強ベルト等の補強部材、又は発泡体、弾性体、中子等にタイヤ負荷を肩代わり支持させるタイヤや、シーラント剤を塗布又は充填してタイヤに生じた孔等の損傷部を塞いで内圧低下を防止したタイヤ等が知られている。しかし、これら従来の安全タイヤは、製造方法が複雑なため、不良率が高くなったり、製造効率が低下したりする場合が多かった。
かかる問題を解消するため、例えば特許文献1には、安全タイヤの内部に収納されて、タイヤの内圧が低下するランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりするチューブ状の空気のうが記載されている。しかし、かかる空気のうでは、タイヤの負荷転動に伴い発生する熱や遠心力の作用により、空気のうが周方向外方に径成長してその外面がトレッド部の内周面等に接触して擦れ、最終的には空気のうが破損するおそれがあった。
かかる空気のうの径成長を抑制するため、例えば特許文献2には、かかる空気のうの少なくともクラウン部に補強層を配設することで正常内圧状態での径成長を抑制するとともに、その補強層に、引張力が漸増するにつれて、その拡張変形による伸びが実質的に増加する伸長率−引張力特性を示す物性を付与することによって、内圧低下状態に空気のうを均一にタイヤと接触させることが記載されている。また、特許文献3には、空気のうを構成するチューブのクラウン部の外周上に、それとは別体に形成するか、または小さなはく離強さで接合してなる補強層をその全周にわたって装着することで、正常内圧状態での空気のうの径成長を抑制するとともに、内圧低下状態での補強層の破断に伴う亀裂がチューブへ伝播するのを防止することが記載されている。
しかし、特許文献2及び3に記載の空気のうはいずれも、補強層として不織布とゴムの複合体を用いており、空気のうに作用する張力を負担して径成長を抑制するためには、複数枚の複合体で補強層を構成しなければならず、これはタイヤの重量増加を招く上、製造コストの上昇も招くという問題があった。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、内圧低下時の迅速で均一な拡径変形を妨げることなく軽量化を図った安全タイヤ用空気のう及びかかる空気のうを有する安全タイヤを提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明の安全タイヤ用空気のうは、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で気体が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧が低下した状態では拡径変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうにおいて、中空円環状をなし、内部空間に気体を保持するケース部材と、略タイヤ周方向に延びるコードをゴム被覆してなり、前記ケース部材のクラウン部の外周側に配設され、タイヤ内圧正常状態では空気のうに加わる張力を負担し、タイヤ内圧低下状態では破断する少なくとも1層のフープ補強層と、前記ケース部材と前記フープ補強層の間に配設され、ゴムとの間の最大摩擦係数がフープ補強層とケース部材との間の最大摩擦係数よりも小さい少なくとも1層の中間層とを具えることを特徴とする。
本明細書において「所定の空気圧」とは、補強空気のうを収納する安全タイヤに対して、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定され、負荷能力に応じて特定される空気圧をいうものとする。また、「所定の空気圧との関係で設定された内圧」とは、タイヤに所定の空気圧を適用した空気充填状態では、補強空気のうの外面とタイヤの内面との間に空間部を形成することができ、一方、タイヤの内圧が低下したランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って補強空気のうが拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりすることができる内圧をいい、より具体的には所定の空気圧より大きい内圧を意味し、好適には所定の空気圧+20%以下の範囲をいうものとする。また、「略タイヤ周方向」とは、生産上不可避的に発生する微小な傾きも含むことを意味するものであり、より具体的にはタイヤ周方向とのなす角が±5°の範囲内にある方向を意味するものとする。
また、中間層は樹脂フィルムからなることが好ましく、そのガラス転移点が130℃以上であることがさらに好ましい。好適な樹脂の例は、ポリ塩化ビニリデン(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)であるが、これに限定されない。
中間層を1層とする場合には、ケース部材及びフープ補強層の少なくとも一方とのはく離強さが0〜4kN/mの範囲内にあることが好ましい。一方、中間層を2層以上とする場合には、少なくとも1組の隣接する中間層間のはく離強さが0〜4kN/mの範囲内にあることが好ましい。なお、ここでいう「はく離強さ」とは、JIS K 6256に定める布と加硫ゴムのはく離試験に従い、試験温度20℃の条件下で得られる結果をいうものとする。
さらに、中間層は、タイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した空気のうに作用する張力と同一の張力条件下での伸張率が20%以上であることが好ましい。なお、ここでいう「内圧を適用した空気のうに作用する張力」とは、適用した内圧により拡径変形する前の空気のうに作用する単位幅当たりの張力をいうものとし、具体的には、空気のうの初期半径をr、適用する内圧をPとして、f=rPで表される力fをいうものとする。
さらにまた、この発明の空気のうは、フープ補強層の外周上に、フープ補強層よりも広幅の保護層をさらに具えることが好ましい。
加えて、この発明の空気のうは、フープ補強層と保護層の間に、少なくとも1層の中間層をさらに具えることが好ましく、この中間層は上述したと同様の構成とすることがさらに好ましい。
そして、この発明に従う安全タイヤは、前記のいずれかの空気のうを有するものである。
この発明によれば、高強力材料でフープ補強層を構成することで、従来の不織布とゴムの複合体で補強層を構成した場合に比べて大幅な軽量化が図れる上、ケース部材とフープ補強層の間に配設された中間層がケース部材とフープ補強層の間の摩擦を防ぐので、内圧低下時の迅速で均一な拡径変形を妨げることがない。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な安全タイヤ1をリムRに装着した状態の幅方向断面を、正常内圧状態で示している。
図1に示す安全タイヤ1は、タイヤ2内に空気のう3を収納しており、タイヤ2には、所定の空気圧が、空気のう3にはこの空気圧との関係で設定された内圧で気体が充填されている。この正常内圧状態では、タイヤ2と空気のう3の間に空間部S1が、空気のう3の内部には空間S2がそれぞれ形成される。空気のう3は、中空円環状のケース部材4と、ケース部材4のクラウン部の外周側に配設された少なくとも1層(図1では1層)のフープ補強層5と、ケース部材4とフープ補強層5の間に配設された少なくとも1層(図1では1層)の中間層6を具える。
図示の実施態様において、ケース部材4は、例えばブチルゴムからなる気体不透過層7と、この気体不透過層7の外面上に貼り付けられた、例えば不織布とゴムの複合体からなる張力支持層8とで構成されており、図示しない充填バルブから内部空間S2に気体が充填されると、気体不透過層7が気体の漏出を防ぐと共に、張力支持層8がケース部材4の拡張を抑制するので、空間S2内を所定の内圧に維持することができる。しかし、張力支持層8のみでは、空気のう3のクラウン部が膨出した断面形状となるため、タイヤの転動に伴う遠心力の作用により、クラウン部がタイヤの内面にまで到達し、損傷するおそれがある。そこで、従来より、空気のうのクラウン部にフープ補強層を配設することで空気のうの周方向剛性を高め、内圧適用時にも断面形状を偏平に維持することが行われているが、従来の空気のうでは、このフープ補強層を不織布とゴムの複合体で構成することが一般的であり、かかる複合体を用いてクラウン部の膨出を抑制するのに十分な周方向剛性を得るためには、複数枚の複合体で補強層を構成しなければならず、これはタイヤの重量増加を招く上、製造コストの上昇も招くという問題があった。
これに対し、この発明の空気のう3では、平行配列した複数本のコードをゴム被覆したものを、コードの延在方向が略タイヤ周方向と一致するように配置することでフープ補強層5を構成している。このようなコードのゴム被覆体は、従来のフープ補強層に用いられている不織布とゴムの複合体に比べて、コードの延在方向に高い強力を発揮するため、少量でもフープ補強層に必要とされる周方向剛性を確保することができ、重量面及びコスト面で有利である。
タイヤの内圧が低下すると、フープ補強層5が破断してケース部材4が拡張変形する。この際、従来の不織布とゴムの複合体で構成したフープ補強層であれば、不織布の繊維相互のからみ合いがほどけて塑性変形するため、チューブの拡径変形を妨げることがなく、均一に拡張する。一方、コードのゴム被覆体で構成したフープ補強層では、図5(a)及び(b)に示すように、フープ補強層5が破断した部分からケース部材4の拡張変形が始まるが、フープ補強層5とケース部材4との間には大きな摩擦力が発生することから、図5(c)及び(d)に示すように、フープ補強層5が破断した部分は大きく変形するものの、周上でその反対側に位置する部分は変形が小さい。この結果、空気のうの拡張が不均一となり、前記の摩擦力が内圧の一部を負担することから、安全タイヤの張力分布に偏りが生じて、ランフラット走行中に振動が発生する等の問題が生じる。そこで、この発明の空気のう3では、ケース部材4とフープ補強層5の間に、ゴムとの間の最大摩擦係数がケース部材4とフープ補強層5との間の最大摩擦係数よりも小さい中間層6を配設しているので、フープ補強層5が破断した場合には、従来の空気のうに比べて、フープ補強層5がケース部材4上を滑動しやすく、したがって空気のう3を均一に拡径変形させることができる。さらに、フープ補強層5をケース部材4に直接貼り付けた場合には、フープ補強層5の破断時に亀裂がケース部材4に伝播しランフラット走行耐久性を損ねることが懸念されるが、このように中間層6を介在させることで、フープ補強層5からケース部材4への亀裂の伝播を防ぐことができ、十分なランフラット走行耐久性を得ることもできる。
フープ補強層5はタイヤの内圧低下時に破断する必要があり、好ましくは破断強度がタイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した空気のうに作用する張力よりも大きく、かつタイヤの所定の空気圧を適用した空気のうに作用する張力よりも小さい。このような破断強度を有するフープ補強層5を用いれば、正常内圧状態では空気のう3の断面形状を偏平に保ち、内圧低下状態ではケース部材4の迅速な拡径変形を妨げることがない。なお、ここでいう「破断強度」とは、JIS K 7161に従って得られる結果をいうものとする。
また、中間層6を構成する材料は、前記の最大摩擦係数の条件を満たすものであれば特に限定されないが、樹脂フィルムとすることが好ましい。樹脂フィルムは未加硫ゴムとの付着性が低い上、重量及び加工性の点で有利だからである。特に好適な樹脂フィルムは、ゴムに対する付着性が低く、かつ樹脂フィルム相互の付着性も低いもの、例えばJIS Z 0237に準拠して測定した粘着力が0.05N/25mm以下のものであり、例えばポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ塩化ビニリデン(PVC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。特にガラス転移点が130℃以上の樹脂を用いることが好ましい。これは、空気のうの製造工程において、ケース部材4に中間層6及びフープ補強層5を貼り付けた後、高温で加硫成型を行うが、ガラス転移点が130℃未満の樹脂を用いると、これが溶解してケース部材及び/又はフープ補強層に接着するため、内圧低下時のフープ補強層5の滑動が妨げられるおそれがあるからである。
ケース部材4とフープ補強層5との間に中間層6を1層のみ設ける場合には、ケース部材4及びフープ補強層6の少なくとも一方と中間層6とを非接着(はく離強さが0kN/m)とするか、又は4kN/m以下のはく離強さとなるように弱く接着することが好ましい。これによれば、タイヤの内圧が低下すると、中間層6とケース部材4及び/又はフープ補強層5との間に作用する張力が中間層6のはく離強さを上回るため、中間層6がケース部材4及び/又はフープ補強層5からはく離し、この結果、ケース部材4の拡径変形が妨げられることがなく、かつケース部材4へ亀裂が伝播することもない。
また、図2に示すように、ケース部材4とフープ補強層5との間に中間層を2層以上設ける場合には、少なくとも1組の隣接する中間層6a、6b間のはく離強さが0〜4kN/mの範囲内にあることが好ましい。一般にゴムとの間の最大摩擦係数に比べて中間層同士の最大摩擦係数は小さいので、内圧低下時に隣接する中間層6a、6bの間で滑りを発生させることで、一層迅速かつ均一にケース部材4を拡径変形させることができる。
さらに、中間層は、ケース部材4の拡径変形を妨げないように、迅速かつ均一する高伸張性であることが好ましい。具体的には、タイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した空気のうに作用する張力と同一の張力条件下での伸張率が20%以上であることが好ましい。
図3は、この発明に従う安全タイヤの他の実施態様を示す。図示のように、フープ補強層5の外周上に、フープ補強層5よりも広幅の保護層9を設けてもよい。かかる保護層9を配設し、空気のう3を一体物とすることによって、空気のうの製造時にフープ補強層5が外れたり、ケース部材4、フープ補強層5及び中間層6の間に異物が侵入したり、あるいは安全タイヤの使用時にパンク孔等から侵入した異物によって補強層5が損傷したりするのを防止することができる。この場合には、図4に示すように、フープ補強層5と保護層9の間に、少なくとも1層の中間層6cを具えることがさらに好ましい。中間層6cによってフープ補強層5と保護層9が付着するのを防ぐことができるからであり、これによって保護層9を配設した場合にもケース部材4の迅速かつ均一な拡径変形が確保される。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図示の実施態様では、ケース部材4は、気体不透過層7と、この気体不透過層7の外面の一部に貼り付けられた張力支持層8とで形成されているが、張力支持層8が気体不透過層7の外面全体を覆っていてもよい。また、気体不透過層7を気体不透化性樹脂フィルムとしたり、ケース部材4の全体に気体不透化性と張力支持性を付与したりすることもできる。
次に、この発明に従う安全タイヤ用空気のう及び安全タイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1〜5の空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤに収納して用いられるものであり、ブチルゴムチューブの外面全体をPET不織布とゴムの複合体で覆ってなるケース部材のクラウン部に、PETコードをゴム被覆してなる1層のフープ補強層を具える。また、実施例2〜4の空気のうには、フープ補強層の外周上にゴムシートを保護層として配設した。中間層としてはPETフィルムを用い、実施例1及び2ではケース部材とフープ補強層の間に1層を、実施例3ではケース部材とフープ補強層の間に1層、フープ補強層と保護層の間に1層を、実施例4ではケース部材とフープ補強層の間に2層を、実施例5ではケース部材とフープ補強層の間に2層、フープ補強層と保護層の間に2層を、それぞれ配設した。
比較のため、実施例1〜5の空気のうと同様に、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤに収納して用いられるものであり、実施例1〜5の空気のうのケース部材と同じケース部材のクラウン部に、アラミド不織布とゴムの複合体からなるフープ補強層を5層積層した従来例の空気のうについても併せて試作した。
(質量)
前記各供試空気のうの質量を測定した。この評価結果を表1に示す。なお、表1中の評価結果は従来例の空気のうの質量を100としたときの指数比で示してあり、数値が小さいほど軽量である。
前記各供試空気のうの質量を測定した。この評価結果を表1に示す。なお、表1中の評価結果は従来例の空気のうの質量を100としたときの指数比で示してあり、数値が小さいほど軽量である。
(拡径変形性)
従来例及び実施例1〜5の空気のうを、タイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とし、これをテスト車両に取り付けた。次いで、空気のうを含むタイヤ(空間S1)の内圧を900kPa(相対圧)とし、空気のう(空間S2)の内圧を970kPa(相対圧)とした後、空間S1へ気体を供給するバルブのバルブコアを抜き取ってランフラット状態にした。次いで、タイヤ負荷荷重:56.88kN、走行速度:60km/hの条件下で25kmをランフラット走行させた。この際に発生する振動の大きさをプロのドライバーによるフィーリングによって評価した。その評価結果を表1に示す。なお、評価結果の評点1は運転に支障があるほど大きな振動が発生していることを表し、評点2は運転に支障はないが大きな振動が発生していることを表し、評点3は微小な振動が発生していることを表し、評点4は振動が発生していないことを表す。
従来例及び実施例1〜5の空気のうを、タイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とし、これをテスト車両に取り付けた。次いで、空気のうを含むタイヤ(空間S1)の内圧を900kPa(相対圧)とし、空気のう(空間S2)の内圧を970kPa(相対圧)とした後、空間S1へ気体を供給するバルブのバルブコアを抜き取ってランフラット状態にした。次いで、タイヤ負荷荷重:56.88kN、走行速度:60km/hの条件下で25kmをランフラット走行させた。この際に発生する振動の大きさをプロのドライバーによるフィーリングによって評価した。その評価結果を表1に示す。なお、評価結果の評点1は運転に支障があるほど大きな振動が発生していることを表し、評点2は運転に支障はないが大きな振動が発生していることを表し、評点3は微小な振動が発生していることを表し、評点4は振動が発生していないことを表す。
表1に示す結果から、実施例1〜5の空気のうは、従来例の空気のうに比べて、格段の軽量化が図れたことを示している。また、実施例1及び5の安全タイヤは振動が全く発生しておらず、ケース部材が均一に拡張変形していることが分かる。実施例2〜4の安全タイヤは、多少の振動が発生していることから、ケース部材の拡張変形に偏りがあることが分かるが、その振動レベルは運転に支障があるほどのものではなかった。これらのことから、実施例1〜5の空気のう及びこれを用いた安全タイヤは総合的な性能に優れていることが分かる。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、内圧低下時の迅速で均一な拡径変形を妨げることなく軽量化を図った安全タイヤ用空気のう及びかかる空気のうを有する安全タイヤを提供することが可能となった。
1 安全タイヤ
2 タイヤ
3 空気のう
4 ケース部材
5 フープ補強層
6、6a、6b、6c 中間層
7 気体不透過層
8 張力支持層
9 保護層
2 タイヤ
3 空気のう
4 ケース部材
5 フープ補強層
6、6a、6b、6c 中間層
7 気体不透過層
8 張力支持層
9 保護層
Claims (9)
- タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で気体が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧が低下した状態では拡径変形して荷重の支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうにおいて、
中空円環状をなし、内部空間に気体を保持するケース部材と、
略タイヤ周方向に延びるコードをゴム被覆してなり、前記ケース部材のクラウン部の外周側に配設され、タイヤ内圧正常状態では空気のうに加わる張力を負担し、タイヤ内圧低下状態では破断する少なくとも1層のフープ補強層と、
前記ケース部材と前記フープ補強層の間に配設され、ゴムとの間の最大摩擦係数がフープ補強層とケース部材との間の最大摩擦係数よりも小さい少なくとも1層の中間層と
を具えることを特徴とする安全タイヤ用空気のう。 - 前記中間層は樹脂フィルムからなる、請求項1に記載の空気のう。
- 前記中間層はガラス転移点が130℃以上の樹脂フィルムからなる、請求項2に記載の空気のう。
- 前記中間層は1層であり、ケース部材及びフープ補強層の少なくとも一方とのはく離強さが0〜4kN/mの範囲内にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気のう。
- 前記中間層は2層以上であり、少なくとも1組の隣接する中間層間のはく離強さが0〜4kN/mの範囲内にある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気のう。
- 前記中間層は、タイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した空気のうに作用する張力と同一の張力条件下での伸張率が20%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気のう。
- 前記空気のうは、前記フープ補強層の外周上に、フープ補強層よりも広幅の保護層をさらに具える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気のう。
- 前記フープ補強層と前記保護層の間に、少なくとも1層の中間層をさらに具える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気のう。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気のうを有する安全タイヤ。
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