JP4604026B2 - 安全タイヤ用補強空気のう - Google Patents

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Description

この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうに関し、特にかかる補強空気のうの軽量化及び耐久性の向上を図る。
パンク等によってタイヤ内圧が急激に低下したランフラット状態においてもある程度の距離の走行が可能である安全タイヤとしては、補強チューブ、補強ゴム、補強ベルト等の補強部材、又は発泡体、弾性体、中子等にタイヤ負荷を肩代わり支持させるタイヤや、シーラント剤を塗布又は充填してタイヤに生じた孔等の損傷部を塞いで内圧低下を防止したタイヤ等が知られている。しかし、これら従来の安全タイヤは、製造方法が複雑なため、不良率が高くなったり、製造効率が低下したりする場合が多かった。
かかる問題を解消するため、例えば特開2001−10314号公報には、安全タイヤの内部に収納されて、タイヤの内圧が低下するランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりするチューブ状の空気のうが記載されている。しかし、かかる空気のうでは、タイヤの負荷転動に伴い発生する遠心力の作用により、空気のうが周方向外方に径成長してその外面がトレッド部の内周面等に接触して擦れ、最終的には空気のうが破損するおそれがあった。
国際公開第02/43975号パンフレットには、かかるチューブの少なくともクラウン部を補強層により構成することで通常走行時の径成長を抑制するとともに、その補強層に、引張力が漸増するにつれて、その拡張変形による伸びが実質的に増加する伸長率−引張力特性を示す物性を付与することによって、ランフラット走行時に空気のうを均一にタイヤと接触させることが記載されている。しかし、かかる補強層を加硫接合によりチューブと一体化させて構成すると、例えばタイヤのパンク孔からタイヤ内へ進入した金属小片等の異物が補強のうとタイヤの間に挟まれ、補強層に突き刺さったり、衝接したり、擦れたりして補強層に亀裂を発生させる場合があり、かかる場合に、その亀裂が補強層と一体をなすチューブにも早期に伝播される結果、空気のうの耐久性が低下するという問題があった。
国際公開第02/96678号パンフレットには、空気のうを構成するチューブのクラウン部の外周上に、それとは別体に形成するか、または小さなはく離強さで接合してなる補強層をその全周にわたって装着することで、上記のような補強層の亀裂がチューブへ伝播するのを抑制することが記載されている。
しかし、国際公開第02/43975号パンフレット及び国際公開第02/96678号パンフレットに記載の空気のうはいずれも、補強層として不織布とゴムの複合体を用いているため、かかる空気のうを長期間にわたって使用していると、タイヤの転動に伴う遠心力や空気のう内に充填した空気の圧力の作用により、空気のうを構成するゴム部分がクリープ変形して径成長し、ついにはタイヤの内面にまで到達する場合があり、このため補強層がタイヤ内面に擦れて破損することが懸念されていた。かかるクリープ変形による径成長を抑制するには、複数枚の複合体で補強層を構成しなければならず、これは安全タイヤの重量増加を招くことから好ましくない。
したがって、この発明の目的は、フープ補強層の適正化を図ることにより、軽量で、かつ通常走行時には長期間にわたって使用しても径成長を有効に抑制し、一方、ランフラット走行時にはチューブの亀裂の発生を抑制して優れた耐久性を有する安全タイヤ用補強空気のうを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、該フープ補強層は、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力と同一の張力及び試験温度80℃の条件下でのクリープ変形率が5%以下である耐低張力材料からなり、前記補強空気のうは、前記チューブのクラウン部の外周上に、前記フープ補強層よりも広幅の保護層をさらに具え、該保護層は、高伸張性材料からなり、かつ前記チューブと4kN/m以下のはく離強さで接合させてなることを特徴とする安全タイヤ用補強空気のうである。
本明細書において「所定の空気圧」とは、補強空気のうを収納する安全タイヤに対して、JATMA、TRA、ETRTO等の、タイヤが製造、販売、又は使用される地域において有効な工業基準、規格等に規定され、負荷能力に応じて特定される空気圧をいうものとする。また、「所定の空気圧との関係で設定された内圧」とは、タイヤに所定の空気圧を適用した空気充填状態では、補強空気のうの外面とタイヤの内面との間に空間部を形成することができ、一方、タイヤの内圧が低下したランフラット状態では、タイヤ内圧の低下に伴って補強空気のうが拡張変形して荷重支持をタイヤから肩代わりすることができる内圧をいい、より具体的には所定の空気圧より大きい内圧を意味し、好適には所定の空気圧+20%以下の範囲をいうものとする。また、「耐低張力材料」とは、補強空気のうを収納した安全タイヤの通常走行条件下において、タイヤの使用寿命にわたって補強空気のうが著しい径成長を起こさない程度のクリープ特性を有する材料のことをいうものとする。
また、「内圧を適用した補強空気のうに作用する張力」とは、適用した内圧により拡径変形する前の補強空気のうに作用する単位幅当たりの張力をいうものとし、具体的には、補強空気のうの初期半径をr、適用する内圧をPとして、f=rPで表される力fをいうものとする。また、「クリープ変形率」とは、JIS K 7115−1993に定める引張クリープ試験に従い、試験温度80℃の条件下で試験片に所定の張力を加えた状態で放置したときの、10時間経過後の長さに対する100時間経過後の長さの伸張率のことのことをいうものとする。また、「広幅」とは、フープ補強層の幅の50%以上の幅を有することをいうものとする。
さらに、耐低張力材料は、タイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力と同一の張力条件下での伸張率が20%以上であることが好ましい。
さらにまた、耐低張力材料の降伏強度及び破断強度のいずれかが、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも大きく、かつタイヤの所定の空気圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも小さいことが好ましい。なお、ここでいう「降伏強度」及び「破断強度」とは、JIS K 7161に従って得られる結果をいうものとする。
加えて、耐低張力材料は樹脂であるか、又はコードとゴムの複合材料であることが好ましい。耐低張力樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。複合材料を構成するコードの例としては、6ナイロン、66ナイロン、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、レーヨン等の、従来のタイヤのベルト層に用いられている有機繊維コードを挙げることができる。
加えてまた、製造設備の小型化の観点からは、フープ補強層は少なくとも2個の並置したリング状部材で構成することが好ましく、この場合には、リング状部材は、リボン状部材を径方向に巻回して、少なくとも1周分のオーバーラップ部を有し、該オーバーラップ部の少なくとも1箇所においてリボン状部材同士が接合されていることがさらに好ましい。
あるいは、製造効率の向上の観点からは、フープ補強層はリボン状部材をつるまきらせん巻回して構成することが好ましい。
また、フープ補強層を2層以上とすることができ、この場合には、フープ補強層は、少なくとも2個の並置したリング状部材と、リボン状部材をつるまきらせん巻回してなる部材とで構成することが好ましい。
さらに、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうにて、フープ補強層は、幅方向中心面を中心にチューブ幅の50〜95%の範囲にあることが好ましい。
さらにまた、フープ補強層は、チューブとは別体に形成されてなるか、又はチューブと4kN/m以下のはく離強さで接合させてなることが好ましい。なお、ここでいう「はく離強さ」とは、JIS K 6256に定める布と加硫ゴムのはく離試験に従い、試験温度20℃の条件下で得られる結果をいうものとする。
また、製造設備の小型化の観点からは、保護層を、少なくとも2個の並置したリング状部材で構成することが好ましく、リング状部材間で張力の負担を均一にし、通常走行時及びランフラット走行時のいずれにおいても均一な形状を保持する観点からは、保護層を、リボン状部材をつるまきらせん巻回して構成することが好ましい。この保護層はチューブのクラウン部にのみ配置してもよいが、チューブの両サイド部にまで延在させることが好ましく、さらにチューブの全体を全周にわたって包囲することがより好ましい。
さらに、チューブは、そのクラウン部に不織布、短繊維、又は一方向に配列した有機繊維コードを有する強化材を設けてなることが好ましい。
加えて、チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設けることが好ましい。
また、移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起であるか、フープ補強層の両幅端縁近傍のチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起であるか、挟持突起と貫通突起の双方であるか、またはチューブのクラウン部に形成したフープ補強層が収納できる凹状部の両壁部であることが好ましい。ここで「フープ補強層の両端部近傍」とは、フープ補強層の両端部から補強空気のうの幅方向内側に向って、フープ補強層の幅の2%の領域をいうものとする。
さらに、前記挟持突起は、チューブの半径方向に延びるリッジ状、又は先端部が補強空気のうの幅方向内側に屈曲して延びる鉤状をなすことが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図であり、図2は図1に示す安全タイヤがパンクした直後の状態を示す幅方向断面図である。
補強空気のう1は、中空円環状をなしており、タイヤ2に収納されて安全タイヤを形成している。この安全タイヤをリム3に装着してタイヤ組立体を形成する。そして、タイヤ2には空気充填バルブ4を介して所定の空気圧を充填し、補強空気のう1には空気充填バルブ5を介してタイヤ2の所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気を充填し、その結果、図1に示すように、タイヤ2内には空間Sが、補強空気のう1内には空間Sがそれぞれ形成される。一方、パンク等によりタイヤ2の空間Sの内圧が急激に低下すると、空間Sと空間Sとの内圧差が大きくなる結果、図2に示すように、補強空気のう1が拡径変形して最終的にはタイヤ2の内面に達し、荷重の支持をタイヤ2から肩代わりする。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、補強空気のう1は、空気不透過性のチューブ6と、チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層7とを具え、フープ補強層7は、耐低張力材料からなることにある。
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
従来の補強空気のうを用いた安全タイヤにおいては、補強空気のうの内圧をタイヤの内圧よりも若干高くすることで、パンク等によりタイヤの内圧が低下した場合に補強空気のうが円滑に拡径変形できるようにしている。このため、通常の走行状態では、補強空気のうに、補強空気のうの内圧と安全タイヤの内圧との差圧が常時加わっている。さらに、安全タイヤが負荷転動すると、補強空気のうの特にクラウン部に遠心力が作用する。これら差圧と遠心力との和によって生じる張力は、通常補強空気のうの降伏強度よりも小さいため、補強空気のうはその形状を保持することができると考えられていた。しかし、かかる安全タイヤを長期間にわたって使用すると、補強空気のうがタイヤ内面に擦れて破損する場合があることが分かってきた。
発明者らが、この原因について鋭意研究を重ねたところ、従来の補強空気のうのフープ補強層は通常ゴムと不織布からなる複数枚の複合体を用いて構成されているが、このようなフープ補強層においては、使用初期こそ補強空気のうの形状を保持する効果を発揮するものの、上述の張力が継続的に作用することによりクリープ変形を生じて径成長し、最終的にはタイヤの内面に達する結果、補強空気のうがタイヤ内面に擦れて破損することを見出した。さらに、タイヤは負荷転動により熱を発生するが、ゴムは温度の上昇によってクリープ変形しやすくなる特性を有しているため、径成長が一層大きくなることを見出した。
かかるクリープ変形を抑制するには、一般にフープ補強層の厚さを厚くしてクリープ強度を高めることが考えられるが、フープ補強層を厚くすることは、安全タイヤの重量の増大を招くため好ましくない上、所期したほどのクリープ変形抑制効果を得ることができない。これは、フープ補強層を厚くすることで重量が増大するのに伴って、それに加わる遠心力も増大する結果、剛性の向上が相殺されるためと考えられる。また、重量の増加を防止するため、不織布だけで形成したフープ補強層をチューブに巻きつけることも考えられるが、不織布は短い繊維の絡み合いのみで剛性を得ているので、被覆ゴムが不織布内部に浸透していないと十分な強度が得られず、補強空気のうの形状を保持するのは難しい。
そこで発明者らは、フープ補強層としてクリープ変形しやすいゴムは用いずに、低い張力が長期にわたって適用された際にも伸びにくい耐低張力材料を用いれば、使用寿命末期に至るまで通常走行時における補強空気のうの形状を良好に保持することができ、通常走行時における補強空気のうの径成長によるタイヤの内面との擦れを防止することができる結果、補強空気のうの耐久性を向上させることができるとの着想を得た。
図3aは、JIS K 7115−1993に定める引張クリープ試験に従い、試験温度80℃の条件下で試験片に所定の張力を加えた状態で放置したときの伸張率の経時変化を示す。図中、Aは、耐低張力を有しない材料として厚さ1mmの無伸展ポリエチレンを用いた場合のグラフである。Bは、従来のフープ補強層と同様に、ゴムと不織布からなる複合体を用いた場合であるが、クリープ変形を抑制するためにゴムと不織布からなる複合体を5枚重ね合わせて用いた。Cは、耐低張力材料として厚さ1mmの伸展ポリプロピレン(OPP)を用いた場合である。Dは、耐低張力材料として厚さ0.6mmのポリエチレンテレフタレートを用いた場合である。図示のように、耐低張力を有しない材料を用いたAの場合には、張力適用初期に大きく伸長して径成長するので、補強空気のうがタイヤ内面に擦れて破損するおそれがある。ゴムと不織布からなる複合体を重ね合わせたBの場合には、引張クリープ試験での伸長率は低く抑えられたが、この場合のフープ補強層の厚さは8mmにも達し、大幅に重量が増加するため、実際にタイヤに組み込んだ場合には、上述したような遠心力の作用により、有効にクリープ変形を抑制することはできなかった。これに対し、耐低張力材料を用いたC及びDの場合には、有効にクリープ変形を抑制することができる。
このように、耐低張力材料を用いれば、被覆ゴムを使用する必要がなくなるため従来に比べてフープ補強層の重量が大幅に減少し、それに加わる遠心力も減少して、補強空気のうがタイヤの内面と擦れるのを防止することができる結果、一層補強空気のうの耐久性を向上させることができることを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
また、フープ補強層7を構成する耐低張力材料は、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のう1に作用する張力と同一の張力及び試験温度80℃の条件下でのクリープ変形率が5%以下である。発明者らの研究によれば、フープ補強層の変形は、使用開始から10時間未満までの間に起きる初期変形を除き、使用時間の常用対数に略比例することが分かっている。したがって、一般にタイヤの使用寿命が10万時間程度であることを考えると、10時間後から使用寿命末期(10万時間後)までの伸長率を20%以下にする、すなわち10時間後から100時間後までの伸長率(クリープ変形率)を5%以下にすることが、初期変形以後の補強空気のうの形状を良好に保持し、通常走行時における補強空気のうの径成長によるタイヤの内面との擦れを有効に防止することができるからである。より好ましくは、10時間後から100時間後までのクリープ変形率を3%以下、さらに好ましくは2.5%以下、一層好ましくは0.5%以下とする。
この発明では、フープ補強層7が、通常走行時の補強空気のうの径成長を抑制しつつ、タイヤ内圧が急激に低下するランフラット走行時にはフープ補強層が速やかに変形又は破断するので、補強空気のうの円滑な拡径変形が損なわれることがない。このような特性を実現するため、耐低張力材料は、ランフラット走行における補強空気のうの内圧に伴って補強空気のうに作用する張力、すなわちタイヤの所定の空気圧を適用した補強空気のうに作用する張力が加わった際に、補強空気のうが円滑にタイヤ内面に達することができるような物性を有することが好ましい。
具体的には、補強空気のうを有する一般的な安全タイヤでは、通常走行状態からランフラット走行状態に至るまでの補強空気のうの伸張率は約20%であるので、フープ補強層7を構成する耐低張力材料は、図3bに示すように、タイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した補強空気のう1に作用する張力と同一の張力条件下において、伸張率が20%以上であることが好ましい。あるいは、耐低張力材料の降伏強度を、通常走行時におけるタイヤと補強空気のうの内圧差に伴って補強空気のうに作用する張力、具体的には、図3cに示すように、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも大きくし、かつランフラット走行時における補強空気のうの内圧に伴って補強空気のうに作用する張力、具体的には、図3cに示すように、タイヤの所定の空気圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも小さくすることが好ましい。あるいは、耐低張力材料の破断強度を、通常走行時におけるタイヤと補強空気のうの内圧差に伴って補強空気のうに作用する張力、具体的には、図3dに示すように、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも大きくし、かつランフラット走行時における補強空気のうの内圧に伴って補強空気のうに作用する張力、具体的には、図3dに示すように、タイヤの所定の空気圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも小さくすることが好ましい。
また、耐低張力材料は樹脂であるか、又はコードとゴムの複合材料であることが好ましい。樹脂の場合には、比較的軽量である上、その厚さを調節することでクリープ強度を比較的容易に調整できる点で有利である。より好ましい樹脂は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の、加工条件、材質等により制御することのできる物性の幅が広いという特性を有する樹脂である。加えて、耐低張力樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。一方、複合材料の場合には、従来のタイヤのベルト層と同様に構成できることから、加工性の点で有利である。複合材料を構成するコードの例としては、6ナイロン、66ナイロン、アラミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、レーヨン等の有機繊維コードを挙げることができる。複合材料は、従来のタイヤのベルト層と同様に、複数本のコードを平行配列し、これらをゴム被覆して構成することができ、コードが空気のうの周方向に沿うように、又はコードが空気のうの周方向に対して傾斜するように配設することができる。
フープ補強層は、図1に示すように単一のシート状部材で構成してもよいが、剛性の制御を容易にする観点からは、複数のリング状部材又はリボン状部材で構成することが好ましい。
具体的には、図4に示すように、フープ補強層7は少なくとも2個の並置したリング状部材、図4では5個の並置したリング状部材8で構成することが好ましい。これによれば、円弧状をなす1個又は複数個のセグメント上でリング状部材8を成型することができるので、成型設備の小型化が可能となる。リング状部材8は、図5に示すように、リボン状部材9を径方向に巻回して、少なくとも1周分のオーバーラップ部を有し、該オーバーラップ部の少なくとも1箇所においてリボン状部材同士が接合されていることがさらに好ましい。このようにしてリボン状部材9からリング状部材8を形成することによって連続的にリング状部材8を形成することができ、生産性を向上できるからである。ここでの接合は、接着剤や超音波熱溶着を用いることができるが、これに限定されない。
あるいは、図6及び図7に示すように、フープ補強層7はリボン状部材10をつるまきらせん巻回して構成することが好ましい。これによれば、環状をなす硬質支持体上でフープ補強層7を連続的に成型することができるので、製造効率の向上が可能となる。ここで、リボン状部材10をつるまきらせん巻回する手順の一例を挙げると、成型ドラム上にリボン状部材10を、最初は周方向に一周し、その一部を超音波熱溶着等で接合し、次いで隣接するリボン状部材とオーバーラップ部を形成するように巻き回しながら貼り付け、最後に周方向に一周し、その終端部を超音波熱溶着等で接合してフープ補強層を得る。この際、オーバーラップ部の幅をリボン状部材の幅の15%以上とすることが好ましい。オーバーラップ部の幅がリボン状部材の幅の15%未満の場合には、リボン状部材相互の接着力が不足し、はく離するおそれがあるからである。
また、フープ補強層は1層に限定されず、要求される剛性に合わせて2層以上とすることができる。この場合には、図8に示すように、フープ補強層7は、少なくとも2個の並置したリング状部材、図8では5個の並置したリング状部材8と、リボン状部材9をつるまきらせん巻回してなる部材11とで構成することが好ましい。例えば、主としてリボン状部材9をつるまきらせん巻回してなる部材11により通常走行時のクリープ変形を抑制し、主としてリング状部材8で通常走行時の径成長を抑制するというように、各部材に機能を分担させることができるからである。なお、リング状部材8と前記部材11を同一の材料で構成してもよいが、異なる材料で構成することもできる。また、図8ではリング状部材8の外周上に部材11を配設した例を示したが、これとは逆に部材11の外周上にリング状部材8を配設してもよい。
さらにまた、図1に示すように、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうにて、前記フープ補強層7は、幅方向中心面Cを中心にチューブ6の幅Wの50〜95%の範囲にあることが好ましい。フープ補強層7が、幅方向中心面Cを中心にチューブ6の幅Wの50%未満の範囲にしかない場合には、フープ補強層7による補強空気のう1の径成長を抑制する効果が不十分となるからであり、95%超の場合には、チューブ6の湾曲したショルダー部11にもフープ補強層7を配設することとなるが、このショルダー部11には径差があるため、フープ補強層7の配設が困難であり、製造不良を招きやすいからである。より好ましくは、フープ補強層7を、幅方向中心面Cを中心にチューブ6の幅Wの70〜90%の範囲に配設する。
ところで、ランフラット走行時には、パンク孔からタイヤ内へ入り込んだ異物がフープ補強層とタイヤの間に挟まった状態で転動すると、路面からの接地圧の影響により異物がフープ補強層に突き刺さり、フープ補強層に亀裂が発生する場合がある。そして、フープ補強層にはチューブの内圧の作用により円周方向への張力が加わっているため、この亀裂は円周方向に広がろうとする。この際、フープ補強層とチューブとが強固に接合されていると、両者が一体となって変形しようとすることから、フープ補強層に発生した亀裂がチューブに伝播して、チューブからのエア漏れを招くおそれがある。特に、この亀裂の伝播は、従来の補強空気のうのようにフープ補強層が厚い場合には亀裂がフープ補強層自体を貫通してチューブに達するのに時間を要することから大きな問題とはならなかったが、軽量化の観点から耐低張力材料を用いてフープ補強層を薄くした場合には亀裂がチューブに達するまでの時間が非常に短くなることから問題となる場合がある。
そこで、従来の補強空気のうのようにフープ補強層をゴムにより加硫接合することなく、フープ補強層7をチューブ6とは別体に形成し嵌合等によりチューブ6に密着させれば、フープ補強層7に亀裂が発生しても、フープ補強層7とチューブ6が分離しているので、亀裂がチューブ6にまで達することがなくなることから、フープ補強層7の亀裂のチューブ6への伝播を有効に抑制し、補強空気のうのランフラット走行時の耐久性を向上させることができる。また、補強空気のうの形状等により、フープ補強層とチューブを別体に形成するとリム装着への作業性等に影響を及ぼす場合には、フープ補強層7を接着剤、両面テープ等により弱い接着力でチューブ6に密着させれば、フープ補強層7に亀裂が発生しても、これがチューブ6に伝播される前にフープ補強層7とチューブ6が分離してしまうことから、フープ補強層7の亀裂のチューブ6への伝播を有効に抑制し、補強空気のうのランフラット走行時の耐久性を向上させることができる。
ここで、フープ補強層7を弱い接着力でチューブ6に密着させる場合には、はく離強さを4kN/m以下とすることが好ましい。これを超えた場合には、フープ補強層7とチューブ6との間が加硫接合と同様、強固に接着されるため、フープ補強層7に亀裂が発生した際にも、両者が分離することなく一体となって変形することから、フープ補強層に発生した亀裂の、チューブへの伝播を確実に阻止することが困難となるからである。好ましくは、このはく離強さを0.5〜2.0kN/mの範囲とする。
加えて、補強空気のう1は、図9に示すように、チューブ6のクラウン部の外周上に、フープ補強層7よりも広幅の保護層1をさらに具え、保護層1は、高伸張性材料からなり、チューブ6と4kN/m以下のはく離強さで接合されている。ランフラット走行時には、パンク孔からタイヤ内へ入り込んだ異物が突き刺さったり、タイヤの内面と擦れたりすることによりチューブ6が損傷するおそれがあるが、かかる保護層1を設ければ、フープ補強層7が配設されていない部分についてもチューブへの異物の突き刺さりやタイヤの内面との擦れを防ぐことができるからである。また、保護層13が高伸張性材料で構成されていれば、タイヤ内圧の低下時には保護層13も変形に追従するので、補強空気のうの速やかな拡径変形が損なわれることがない上、保護層1に異物が突き刺さった場合にもこれを包み込むように変形するので、亀裂の発生することが少ないからである。さらに、保護層13を接着剤、両面テープ等により4kN/m以下の小さなはく離強度でチューブ6に密着させれば、保護層13に亀裂が発生しても、これがチューブ6に伝播される前に保護層13とチューブ6が分離してしまうので、保護層13の亀裂のチューブ6への伝播を有効に抑制し、ランフラット走行時の補強空気のうの耐久性がより一層向上するからである。より好ましくは、保護層13を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ブチルゴム、繊維補強ゴム、エラストマー等で構成する。
加えてまた、保護層の剛性の制御を容易にする観点からは、保護層は単一のシート状部材で構成するよりも、複数のリング状部材又はリボン状部材で構成することが好ましい。具体的には、図10に示すように、保護層13は少なくとも2個の並置したリング状部材、図10では6個の並置したリング状部材14で構成することが好ましい。これによれば、円弧状をなす1個又は複数個のセグメント上でリング状部材8を成型することができるので、成型設備の小型化が可能となる。
あるいは、図11に示すように、保護層13はリボン状部材15をつるまきらせん巻回して構成することが好ましい。これによれば、柔軟なチューブ上でフープ補強層を成型する必要がなく、環状をなす硬質支持体上でフープ補強層7を成型することができるので、安定した作業が可能となる。
なお、保護層1をリング状部材又はリボン状部材から形成する手段としては、フープ補強層7をこれらの部材から形成するのと同様の方法を用いることができる。
また、図12に示すように、保護層13はチューブ6の全体を全周にわたって包囲することが好ましい。このように保護層13を配設することにより、チューブのサイド部、ビード部及びベース部についても異物の突き刺さりやタイヤとの擦れを防止することができるので、ランフラット走行時の補強空気のうの耐久性がより一層向上するからである。
さらに、図13に示すように、チューブ6は、そのクラウン部に不織布、短繊維、又は一方向に配列した有機繊維コードを有する強化材16を設けてなることが好ましい。これにより、有機繊維コードも張力を負担することとなるため、ランフラット走行時の補強空気のうの耐久性がより一層向上するからである。
フープ補強層及びチューブの製造上のばらつきやチューブへのフープ補強層の取り付け時のずれなどがあるため、フープ補強層には不均一な張力が加わる場合がある。さらに、フープ補強層とチューブとが分離していると、走行中にフープ補強層がその幅方向に移動する場合もある。このため、フープ補強層には局所的に大きな張力が加わる結果、クリープ変形が大きくなる場合がある。また、不均一な張力が加わっている状態では、タイヤの内圧が低下した際に補強空気のうが均一に拡径変形することができず、左右の何れかに偏って拡張してしまうため、ランフラット走行時に偏って拡張した側の補強空気のうが早期に破損する場合があり、所期したランフラット耐久性を得ることのできない場合がある。このようなフープ補強層の幅方向への移動を防止する観点からは、図14に示すように、チューブ6の外周面に、フープ補強層7がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段17を設けることが好ましい。これによれば、長期間使用した場合にもフープ補強層7が幅方向に偏ることがなくなり、張力が均一に分散する結果、補強空気のう1の耐久性が安定して得られる。
移動阻止手段17は、フープ補強層7の両幅端縁18a、18bと接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起19a、19bであることが好ましい。このように移動阻止手段17を挟持突起19a、19bとすれば、チューブ6へのフープ補強層7の取り付けが比較的容易になるからである。なお、挟持突起19a、19bは、それの所望の形状に対応してモールドを加工しておき、チューブ6の加硫成型の際にモールドで型付けすることによって容易に形成することができる。
挟持突起19a、19bは、製造を容易にする観点からは、図14に示すように、チューブ6の半径方向に延びるリッジ状とすることが好ましい。また、挟持突起19a、19bは、フープ補強層7の移動を確実に防止する観点からは、図15に示すように、先端部が補強空気のう7の幅方向内側に屈曲して延びる鉤状をなすことが好ましい。いずれの場合にも、挟持突起19a、19bの高さhは、フープ補強層7の厚さの150〜500%とすることが好ましい。
また、移動阻止手段17は、図16に示すように、フープ補強層7の両幅端縁18a、18b近傍のチューブ6の外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層7を貫通してチューブ6の半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起20a、20bであることが好ましい。このように貫通突起20a、20bによりフープ補強層7を係止すると、チューブ6とフープ補強層7の幅方向での位置関係の精度が向上し、フープ補強層7のオフセットの発生を防止できるからである。図17は、フープ補強層7を取り外した状態におけるチューブ6の一部と貫通突起20の拡大側面図である。図示のように、貫通突起20は、チューブの半径方向外側に、直径が残余の部分のそれよりも大きな膨張部21を有することが好ましい。この膨張部21によりフープ補強層7が貫通突起11から抜け出るのを防ぐことができるからである。このようにフープ補強層7の抜けを有効に防止する観点からは、貫通突起20の膨張部21までの高さhはフープ補強層7の厚さの105〜200%、膨張部21の直径dは残余の部分の直径dの120〜150%とすることがより好ましい。貫通突起20にフープ補強層7を取り付ける手段としては、例えばフープ補強層7に孔、スリット又はこれらの組合せを予め設けておき、これらに貫通突起20を嵌め合わせることが挙げられる。この際、孔の径は膨張部21の直径dより小さく、残余の部分の直径dより大きくすることが、嵌め合わせを容易にし、かつ固定を強固にする上で好ましい。なお、貫通突起20a、20bは、それの所望の形状に対応してモールドを加工しておき、チューブ6の加硫成型の際にモールドで型付けすることによって容易に形成することができる。
さらに、フープ補強層7の移動をより一層確実に阻止することが望まれる場合には、図18に示すように、移動阻止手段17を、挟持突起19a、19bと、貫通突起20a、20bの組合せとすることもできる。
あるいは、移動阻止手段17は、図19に示すように、チューブ6のクラウン部に形成したフープ補強層7が収納できる凹状部22の両壁部23a、23bとすることもできる。このように移動阻止手段17を凹状部22の両壁部23a、23bとすると、チューブ6の加硫成型の際にモールドで型付けすることによって容易に移動阻止手段17を形成することができる点で好ましい。
図20(a)〜(c)は、この発明に従う種々の補強空気のうのクラウン部の一部の展開図である。移動阻止手段17は、図20(a)に示すように、補強空気のう1の円周方向に連続な形状としていてもよいが、図20(b)に示すように、補強空気のう1の円周方向に不連続な形状としてもよく、この場合には、図20(c)に示すように、左右の移動阻止手段17をずらして配置してもよい。
さらにまた、フープ補強層7を複数のリング状部材8で構成する場合には、図21に示すように、フープ補強層の両端に対応する位置に加えて、さらに各リング状部材8の両端に対応する位置にも移動阻止手段17を設けてもよい。
なお、上述したところは、この発明の実施態様の一部を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、フープ補強層7は1層に限定されず、図22に示すように、要求される剛性に合わせて2層以上のフープ層7a、7bとすることができる。また、保護層13も1層に限定されず、図23に示すように、2層以上の保護層13a、13bとしてもよい。さらに、保護層13の配設位置はフープ補強層7の外周側に限定されず、図24に示すように、フープ補強層7とチューブ6との間であってもよい。
次に、この発明に従う安全タイヤ用補強空気のうを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
(実験1)
実施例1〜6の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用空気のうであり、厚さ3.5mmのブチルゴムからなる空気不透過性のチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、このフープ補強層はチューブとは別体に形成されている。また、チューブの幅は400mm、外径は800mm、内径は575mmであり、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧及びタイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した際に補強空気のうに作用する張力はそれぞれ28N/mm及び560N/mmである。さらに実施例1〜6の補強空気のうはそれぞれ表1に示す諸元及び以下に示す諸元を有する。
実施例1の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ2mmのポリエチレンテレフタレートからなり、幅が300mmである1個のリング状部材で構成されている。実施例2の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ1mm、幅60mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を径方向に巻回して、1周分のオーバーラップ部を有し、これを120°間隔の3箇所で熱溶着してなるリング状部材を5個並置して構成されている。実施例3〜6の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ1mm、幅30mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を半幅分オーバーラップさせながらつるまきらせん巻回して構成されており、その幅はそれぞれ300mm(実施例3)、250mm(実施例4)、200mm(実施例5)、150mm(実施例6)である。
比較のため、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用補強空気のうであり、実施例1〜13と同じチューブを用いるものの、そのクラウン部の外周を全周にわたって、目付が50g/mのアラミド不織布をゴム被覆してなる5層のフープ補強層(幅:300mm)を加硫接着してなり、表1に示す諸元を有する補強空気のう(従来例)についても併せて試作した。
実施例1〜6及び従来例の補強空気のうに対し、次の各項目の評価を行った。
1.補強空気のうの重量
前記各供試補強空気のうの重量を測定した。この評価結果を表1に示す。なお、表1中の評価結果は従来例を100としたときの指数比で示してあり、数値が小さいほど軽量である。
2.補強空気のうの径成長率
タイヤに収納されていない状態で、前記各供試補強空気のうに0.1kPa(相対圧)及び70kPa(相対圧)の内圧を適用し、それぞれの内圧における外径を測定し、0.1kPa適用時の外径に対する70kPa適用時の外径の変化率により径成長率を評価した。この評価結果を表1に示す。
3.補強空気のうの耐久性
前記各供試補強空気のうをタイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とした。このタイヤ車輪の、補強空気のうを含むタイヤ(空間S)の内圧を900kPa(相対圧)とし、補強空気のう(空間S)の内圧を970kPa(相対圧)とし、タイヤ負荷荷重:49kNを適用し、走行速度60km/hの条件下でドラム試験機上を30,000km走行させた。テスト走行終了後、タイヤ車輪を分解して各供試補強空気のうを取り出し、損傷の有無を目視点検して耐久性を評価した。この評価結果を表1に示す。
Figure 0004604026
表1に示す評価結果から、実施例1〜6の補強空気のうはいずれも、従来例の補強空気のうと比べて、軽量であり、径成長率が少なく、かつ耐久性が優れていることが分かる。
(実験2)
実施例7〜14の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用空気のうであり、厚さ3.5mmのブチルゴムからなる空気不透過性のチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲しており、このフープ補強層はチューブと4kN/mのはく離強さで接合されている。また、チューブの幅は400mm、外径は800mm、内径は575mmであり、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧及びタイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した際に補強空気のうに作用する張力はそれぞれ28N/mm及び560N/mmである。さらに実施例7〜14の補強空気のうはそれぞれ表2に示す諸元及び以下に示す諸元を有する。
実施例7の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ2mmのポリエチレンテレフタレートからなり、幅が300mmである1個のリング状部材で構成されている。実施例8の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ1mm、幅60mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を径方向に巻回して、1周分のオーバーラップ部を有し、これを120°間隔の3箇所で熱溶着してなるリング状部材を5個並置して構成されている。実施例9の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ1mm、幅30mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を半幅分オーバーラップさせながらつるまきらせん巻回して構成されており、その幅は300mmである。実施例10の補強空気のうのフープ補強層は、厚さ1mm、幅30mmのポリプロピレンとタルクの複合体からなるリボン状部材を半幅分オーバーラップさせながらつるまきらせん巻回して構成されており、その幅は300mmである。
実施例12の補強空気のうは、フープ補強層が、厚さ2mmのポリエチレンテレフタレートからなり、幅が300mmである1個のリング状部材で構成されており、フープ補強層の外周上には、厚さ3mmのゴムからなり、幅が320mmである1個のリング状部材で構成された保護層を、チューブと2kN/mのはく離強さで接合している。実施例13の補強空気のうは、フープ補強層が、厚さ1mm、幅30mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を半幅分オーバーラップさせながらつるまきらせん巻回して構成されており、その幅は300mmであり、フープ補強層の外周上には、厚さ3mmのゴムからなる保護層を、チューブの全体を全周にわたって包囲するように配設し、これとチューブとを2kN/mのはく離強さで接合している。実施例14の補強空気のうは、チューブのクラウン部に不織布からなる強化材を設けてなり、フープ補強層が、厚さ2mmのポリエチレンテレフタレートからなり、幅が300mmである1個のリング状部材で構成されており、フープ補強層の外周上には、厚さ1mm、幅60mmのポリプロピレンからなるリボン状部材を径方向に巻回して、1周分のオーバーラップ部を有し、これを120°間隔の3箇所で熱溶着してなるリング状部材を6個並置して構成された保護層を、チューブと4kN/mのはく離強さで接合している。
実施例1、7〜14及び従来例の補強空気のうに対し、次の各項目の評価を行った。
1.補強空気のうの重量
前記各供試補強空気のうの重量を測定した。この評価結果を表2に示す。なお、表1中の評価結果は従来例を100としたときの指数比で示してあり、数値が小さいほど軽量である。
2.補強空気のうの通常走行時の耐久性
前記各供試補強空気のうをタイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とした。このタイヤ車輪の、補強空気のうを含むタイヤ(空間S)の内圧を900kPa(相対圧)とし、補強空気のう(空間S)の内圧を970kPa(相対圧)とし、タイヤ負荷荷重:49kNを適用し、走行速度60km/hの条件下でドラム試験機上を30,000km走行させた。テスト走行終了後、タイヤ車輪を分解して各供試補強空気のうを取り出し、損傷の有無を目視点検して耐久性を評価した。この評価結果を表2に示す。
3.補強空気のうのランフラット走行時の耐久性
前記各供試補強空気のうをタイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とした。このタイヤ車輪に対し、補強空気のうを含むタイヤのバルブコアを抜き空間Sの内圧を0kPa(相対圧)とし、補強空気のう(空間S)の内圧を400kPa(相対圧)としてランフラット走行条件を再現し、タイヤ負荷荷重:49kN、走行速度60km/hの条件下でドラム試験機上を走行させ、タイヤが故障するまでの走行距離を測定し、この測定値によってランフラット走行時の耐久性を評価した。この評価結果を表2に示す。なお、表2中の評価結果は従来例を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほどランフラット走行時の耐久性が優れている。
Figure 0004604026
表2に示す評価結果から、実施例7〜14の補強空気のうはいずれも、従来例の補強空気のうと比べて、軽量であり、通常走行時及びランフラット走行時の耐久性が優れていることが分かる。また、実施例7〜14の補強空気のうはいずれも、実施例1の補強空気のうと比べてランフラット走行時の耐久性に優れていることが分かる。
(実験3)
実施例15〜20の補強空気のうは、タイヤサイズが495/45R22.5の安全タイヤ用空気のうであり、厚さ3.5mmのブチルゴムからなる空気不透過性のチューブのクラウン部の外周を全周にわたってフープ補強層で包囲している。また、チューブの幅は400mm、外径は800mm、内径は575mmである。さらに実施例15〜20の補強空気のうはそれぞれ表3に示す諸元及び以下に示す諸元を有する。
実施例15の補強空気のうは、フープ補強層が、厚さ1.3mmのポリエチレンテレフタレートからなり、幅が300mmである1個のリング状部材で構成されており、チューブとは非接合状態で密着している。また、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に、高さが2mmであり、図20(a)に示すような円周方向に連続な形状を有する1対のリッジ状挟持突起を設けてなる。
実施例16の補強空気のうは、フープ補強層を、厚さ0.3mm、幅40mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を20mmオーバーラップさせながらつるまきらせん巻回し、形成されたオーバーラップ部を幅20mm、厚さ0.12mmのアクリル系接着テープで接着して構成してなる。また、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に、高さが2mmであり、先端部が補強空気のうの幅方向内側に5mm屈曲して延びる鉤状挟持突起を設けてなる。
実施例17の補強空気のうは、フープ補強層を、厚さ0.3mm、幅40mmのポリエチレンテレフタレートからなるリボン状部材を20mmオーバーラップさせながらつるまきらせん巻回し、形成されたオーバーラップ部を幅20mm、厚さ0.12mmのアクリル系接着テープで接着した後、貫通突起に対応する位置に直径6mmの孔を開けてなる。また、フープ補強層の両幅端縁から20mmのチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる貫通突起を設けてなる。この貫通突起は、膨張部の直径が7mmであり、残余の部分の直径が5mmであり、膨張部までの高さが1mmであり、一方の円周線上に8個が等間隔に離間して設けられている。
実施例18の補強空気のうは、実施例16と同じ鉤状挟持突起及び実施例17と同じ貫通突起を有しており、実施例17と同じフープ補強層を有する。
実施例19の補強空気のうは、実施例15と同じリッジ状挟持突起を有しており、実施例16と同じフープ補強層を用い、この外周面全体を厚さ:1.5mm、幅:300mmのゴム製の補強バンドで包囲してなる。
実施例20の補強空気のうは、実施例15と同じフープ補強層を有するものの、移動阻止手段を有しておらず、その代わりにチューブとフープ補強層とを厚さ0.12mmのアクリル系接着テープで接着してなる。
前記各供試補強空気のうをタイヤサイズが495/45R22.5のタイヤに収納し、リムサイズが17.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とした。このタイヤ車輪をテスト車両に装着して、補強空気のうを含むタイヤ(空間S)の内圧を900kPa(相対圧)とし、補強空気のう(空間S)の内圧を970kPa(相対圧)とし、タイヤ負荷荷重:49kNを適用し、走行速度60km/hの条件下でドラム試験機を30,000km走行させた。
30,000km走行終了後、タイヤ車輪の外観を目視観察したところ、実施例15〜19の補強空気のうを用いたタイヤ車輪では変化が見られなかったが、実施例20の補強空気のうを用いたタイヤ車輪ではサイドウォール部の形状が左右で非対称となっていた。そこで、実施例20の補強空気のうを用いたタイヤ車輪に対してCTスキャンを行うと、補強空気のうは片膨れ状態になっており、片側のみがタイヤの内面に接触していることが分かった。さらに、タイヤ車輪を分解して補強空気のうを取り出して観察してみると、実施例15〜19の補強空気のうでは、フープ補強層の移動は無く、チューブの損傷も無かったが、実施例20の補強空気のうでは、フープ補強層が幅方向に約30mm移動しており、チューブの一部がタイヤ内面との接触により摩耗していた。したがって、実施例15〜19の補強空気のうは実施例20の補強空気のうと比べて耐久性が優れていることが分かる。
この発明により、フープ補強層の適正化を図ることにより、軽量で、かつ通常走行時には長期間にわたって使用しても径成長を有効に抑制し、一方、ランフラット走行時にはチューブの亀裂の発生を抑制して優れた耐久性を有する安全タイヤ用補強空気のうを得ることが可能となった。
この発明に従う代表的な補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 図1に示す安全タイヤがパンクした直後の状態を示す幅方向断面図である。 種々の材料の伸長率の経時変化を示すグラフである。 この発明で用いるフープ補強層を構成する代表的な耐低張力材料の張力−伸長率特性を示すグラフである。 この発明で用いるフープ補強層を構成する他の耐低張力材料の張力−伸長率特性を示すグラフである。 この発明で用いるフープ補強層を構成する他の耐低張力材料の張力−伸長率特性を示すグラフである。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 図4に示すフープ補強層を構成するリング状部材の斜視図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 図6に示す補強空気のうを構成するフープ補強層の斜視図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 貫通突起の拡大断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う種々の補強空気のうのクラウン部の一部の展開図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。 この発明に従う他の補強空気のうを収納した安全タイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填した状態で示す幅方向断面図である。

Claims (23)

  1. タイヤに収納され、該タイヤの所定の空気圧との関係で設定された内圧で空気が充填され、タイヤの内圧が正常な状態では少なくともタイヤ内面との間に空間部を形成し、タイヤの内圧の低下に伴って拡径変形して、荷重の支持をタイヤから肩代わりする中空円管状の安全タイヤ用補強空気のうにおいて、
    該補強空気のうは、空気不透過性のチューブと、該チューブのクラウン部の外周を全周にわたって包囲するフープ補強層とを具え、
    該フープ補強層は、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力と同一の張力及び試験温度80℃の条件下でのクリープ変形率が5%以下である耐低張力材料からなり、
    前記補強空気のうは、前記チューブのクラウン部の外周上に、前記フープ補強層よりも広幅の保護層をさらに具え、該保護層は、高伸張性材料からなり、かつ前記チューブと4kN/m以下のはく離強さで接合させてなることを特徴とする安全タイヤ用補強空気のう。
  2. 前記耐低張力材料は、タイヤの所定の空気圧と同一の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力と同一の張力条件下での伸張率が20%以上である、請求項1に記載の補強空気のう。
  3. 前記耐低張力材料の降伏強度が、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも大きく、かつタイヤの所定の空気圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも小さい、請求項1又は2に記載の補強空気のう。
  4. 前記耐低張力材料の破断強度が、タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも大きく、かつタイヤの所定の空気圧を適用した補強空気のうに作用する張力よりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  5. 前記耐低張力材料は樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  6. 前記耐低張力材料はコードとゴムの複合材料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  7. 前記フープ補強層は少なくとも2個の並置したリング状部材で構成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  8. 前記リング状部材は、リボン状部材を径方向に巻回して、少なくとも1周分のオーバーラップ部を有し、該オーバーラップ部の少なくとも1箇所においてリボン状部材同士が接合されている、請求項7に記載の補強空気のう。
  9. 前記フープ補強層はリボン状部材をつるまきらせん巻回して構成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  10. 前記フープ補強層は、少なくとも2個の並置したリング状部材と、リボン状部材をつるまきらせん巻回してなる部材とで構成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  11. タイヤの所定の空気圧の5%の内圧を適用した補強空気のうにて、前記フープ補強層は、幅方向中心面を中心にチューブ幅の50〜95%の範囲にある、請求項1〜10のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  12. 前記フープ補強層は前記チューブとは別体に形成されてなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  13. 前記フープ補強層は前記チューブと4kN/m以下のはく離強さで接合させてなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  14. 前記保護層は少なくとも2個の並置したリング状部材で構成する、請求項1〜13に記載の補強空気のう。
  15. 前記保護層はリボン状部材をつるまきらせん巻回して構成する、請求項1〜13に記載の補強空気のう。
  16. 前記保護層は前記チューブの全体を全周にわたって包囲する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  17. 前記チューブは、そのクラウン部に不織布、短繊維、又は一方向に配列した有機繊維コードを有する強化材を設けてなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  18. 前記チューブの外周面に、フープ補強層がその幅方向へ移動するのを阻止する移動阻止手段を設ける、請求項1〜17のいずれか一項に記載の補強空気のう。
  19. 前記移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起である、請求項18に記載の補強空気のう。
  20. 前記挟持突起は、チューブの半径方向に延びるリッジ状、又は先端部が補強空気のうの幅方向内側に屈曲して延びる鉤状をなす、請求項19に記載の補強空気のう。
  21. 前記移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁近傍のチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起である、請求項18に記載の補強空気のう。
  22. 前記移動阻止手段は、フープ補強層の両幅端縁と接触するチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上に設けられた挟持突起と、フープ補強層の両幅端縁近傍のチューブ外周面位置をそれぞれ通る2本の円周線上にそれぞれ設けられ、フープ補強層を貫通してチューブの半径方向に延びる少なくとも2個の貫通突起の双方である、請求項18に記載の補強空気のう。
  23. 前記移動阻止手段は、チューブのクラウン部に形成したフープ補強層が収納できる凹状部の両壁部である、請求項18に記載の補強空気のう。
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