JP4009104B2 - チューブレスタイヤ内に補強付ガス充填チューブを収納した安全タイヤ - Google Patents

チューブレスタイヤ内に補強付ガス充填チューブを収納した安全タイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、チューブレスタイヤの内部に、チューブレスタイヤの内圧以上の内圧でガスを充填してインフレートさせたタイヤ内径よりも小さな外径をもつ中空円環形状を有する補強付ガス充填チューブを収納し、該ガス充填チューブの少なくとも外周面上に、通常走行時にはガス充填チューブの拡径変形を抑制し、かつタイヤ内圧低下時にはガス充填チューブの拡径変形を可能にする特性を有する補強層を具える安全タイヤに関するものであり、特に、安全タイヤを構成するガス充填チューブの、タイヤ内圧低下時における局部的な拡形変形を抑制して、ガス充填チューブの荷重支持能力及び耐久性の向上を図る。
【0002】
【従来の技術】
一般に、安全タイヤは、仮に、タイヤのパンク、エアバルブの損傷等が生じて、タイヤ内圧が低下もしくは零になったとしても、タイヤの交換、補修等が可能な設備を備える場所まで、そのまま継続して安全に走行できるタイヤのことをいい、かかるタイヤは、従来から種々の改良が行われている。
【0003】
例えば、図9にタイヤ幅方向断面で示すように、チューブレスタイヤ101の内側に、タイヤチューブ状の軟質ゴムからなる中空円環状のガス充填チューブ102を収納するとともに、このガス充填チューブ102の外周部分に補強層103をその全周にわたってリング状に配設した安全タイヤ100があり、かかる安全タイヤ100は、空気入りタイヤ101を規格リム104にリム組みして、そのチューブレスタイヤ101内に、バルブ105を介して所定の空気圧で充填するとともに、ガス充填チューブ102内に、他のバルブ106を介してチューブレスタイヤ101の内圧以上の空気圧で充填することにより使用に供される。
【0004】
ここで、規格リムとは、JATMA YEAR BOOK (2001)、ETRTO STANDARD MANUAL 2001、TRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)2001 YEAR BOOK等で規格が定められたリムをいい、JATMA YEAR BOOKで代表すれば、規格リムは、一般情報に記載された適用リムをいうものとする。
【0005】
この安全タイヤでは、チューブレスタイヤ101内への所定の空気圧の存在下でのそれの負荷転動に当っては、ガス充填チューブ102の径成長抑制部材として機能する補強層103の作用により、トレッド接地域内で、そのガス充填チューブ102がトレッド部の内周面に擦れるのを有効に防止して、耐久性を向上させることができる。
【0006】
一方、チューブレスタイヤの内圧が低下や零になる等により、ガス充填チューブ102の内外圧力差が所定値を越えた場合には、補強層103の伸長変形下でガス充填チューブ102は、拡径変形してチューブレスタイヤ101の内面にそれのほぼ全体にわたって密着することで、従来のタイヤチューブの如くに機能して、タイヤの撓み変形を小さく抑制しつつ、タイヤ101の内面側からタイヤに作用する荷重を支持する機能を有しており、チューブレスタイヤ101のパンク時等における継続した安全走行を実現することができる。
【0007】
ところで、補強層103の作用の下でのガス充填チューブ102のこのような拡径変形の進行は、ガス充填チューブ102の、補強層103による拘束を受けない左右の側部部分での変形に始まって、その変形が次第に補強層103の中央部側へ進展し、そして、最終的には、ガス充填チューブ102が、補強層103を介してチューブレスタイヤ101の内周面107の全体にほぼ均等に密着する変形挙動を辿って行われることが、荷重支持の点から好ましい。
【0008】
しかしながら、現実には、補強層103の両端部の剛性が不均一になることが多く、この剛性差に起因して、ガス充填チューブ102が、剛性の低い一方側にだけ偏った拡径変形を開始し、そしてこの変形がその一方側でだけ進行した場合には、甚だしくは、補強層103が、図10に示すように、他方側へ大きく押し退けられるとともに、ガス充填チューブ102の内周部分108の、補強層103の大きく押し退けられた端部103b側に位置する端部分108bが大きく引張られることで、不均一な拡径変形が生じ、ガス充填チューブ102が均等に拡径されない場合があった。
【0009】
このような不均一な拡径変形は、一部の局部的な伸長変形による薄肉化や、チューブレスタイヤの内周面107への局部的な密着等が生じることになり、これは、ガス充填チューブ102の荷重支持能力の低下や、部分的な摩擦による耐久性の低下を招くだけではなく、ガス充填チューブ102の内周部分108に位置するバルブ106に大きな力が作用してバルブ106が損傷することによる耐久性の低下が生じやすいという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、タイヤ内圧低下時に生じる補強付ガス充填チューブの拡径変形を均等に行わせることにより、補強付ガス充填チューブの荷重支持能力及び耐久性を向上させたチューブレスタイヤ内に補強付ガス充填チューブを収納した安全タイヤを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、チューブレスタイヤの内部に、チューブレスタイヤの内圧以上の内圧でガスを充填してインフレートさせたタイヤ内径よりも小さな外径をもつ中空円環形状を有する補強付ガス充填チューブを収納し、該ガス充填チューブの少なくとも外周面上に、通常走行時にはガス充填チューブの拡径変形を抑制し、かつチューブレスタイヤの内圧低下時にはガス充填チューブの拡径変形を可能にする特性を有する補強層を具える安全タイヤにおいて、ガス充填チューブの内周部分の両側の端部分の径方向内側に、チューブレスタイヤの内圧低下時におけるガス充填チューブの局部的な拡径変形を抑制するリング状のベース補強部材を一体的に配設することを特徴とする、チューブレスタイヤ内にガス充填チューブを収納した安全タイヤである。
【0012】
前記補強層は、チューブレスタイヤの内圧低下時に少なくとも15%伸長する特性を有することが好ましく、また、不織布とゴムの複合材料により構成することがより好適である。
【0013】
加えて、前記補強層は、さらにガス充填チューブの側周面にも配設することが、ガス充填チューブを均等に拡径変形させる点で好ましい。
【0014】
また、前記ガス充填チューブの外周面上に配設した補強層は、タイヤ赤道面に対して対称に、補強層の円周に沿って延びる1以上の低剛性部分を有することが、均等に拡径変形させる点で好ましい。
【0015】
さらに、ベース補強部材は、不織布とゴムの複合材料、スチールコード若しくは有機繊維コードをゴム被覆したコードゴム被覆シート、周方向に沿って波状に配設した波形コード、又はビードで構成することがより好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明に従う安全タイヤの幅方向断面図である。
【0017】
図1に示す安全タイヤ1は、チューブレスタイヤ2と、その内部に収納された補強付ガス充填チューブ3と、このガス充填チューブ3の少なくとも外周面4上に配設された補強層5とで主に構成されている。
【0018】
チューブレスタイヤ2は、一般的な空気入りタイヤの構造をもち、対をなすビードコア6間にトロイド状に延びる少なくとも1プライ、図1では1プライからなるカーカス7と、コードをゴム被覆した少なくとも1層のコード層、図1では2層のコード層8a,8bからなるベルト9と、トレッド部10とを有しており、必要に応じて、種々の態様を採ることができる。
【0019】
補強付ガス充填チューブ3は、例えば軟質ゴムにより構成され、チューブレスタイヤ2の内圧以上の内圧で、例えば空気のようなガスを充填してインフレートさせたタイヤ内径よりも小さな外径をもつ中空円環形状を有している。
【0020】
補強層5は、通常走行時にはガス充填チューブ3の拡径変形を抑制し、かつタイヤ内圧低下時、例えばバンク時にはガス充填チューブ3の拡径変形を可能にする特性を有している。
【0021】
そして、この発明の構成上の特徴は、補強付ガス充填チューブ3の内周部分11の両側の端部分の径方向内側に、チューブレスタイヤ2の内圧低下時におけるガス充填チューブ3の局部的な拡径変形を抑制するリング状のベース補強部材12を一体的に配設することにあり、この構成を採用することによって、図2に示すように、チューブレスタイヤ2の内圧低下時におけるガス充填チューブ3の拡径変形が均等になる結果、ガス充填チューブ3の荷重支持能力及び耐久性を向上させることができる。
【0022】
この発明の安全タイヤ1は、この補強付ガス充填チューブ3の少なくとも外周面4上に、上記特性を有する補強層5を配設することによって、通常走行時には、かかる補強層5が遠心力等に起因するガス充填チューブ3の径成長を抑制することができ、また、チューブレスタイヤ2の内圧がパンク等によって低下して、ガス充填チューブ3の内外圧力差が所定値を超えた場合には、伸長性のある補強層5が特に周方向に大きく伸長変形する結果、ガス充填チューブ3が拡径変形することになる。
【0023】
その際、ガス充填チューブ3は、補強層5を配設した外周部分13に比べて、側周部分14a,14bの剛性が低く設定されているため、チューブレスタイヤ2の内圧が低下してガス充填チューブ3の拡径変形が開始された時には、ガス充填チューブ3の両側周部分14a,14bから伸長が始まり、補強層5の両端15a,15b側に位置する両側周部分14a,14bの剛性の相違から、いずれか一方の側周部分14a又は14bだけが局部的に大きく拡径変形する傾向がある。
【0024】
このため、この発明では、上記構成に加えて、ガス充填チューブ3の内周部分11の両側の端部分の径方向内側にリング状のベース補強部材12,12を一体的に配設することによって、いずれか一方の側周部分14a又は14bだけが局部的に大きく拡径変形するのを抑制し、ガス充填チューブ3の両側周部分14a,14bの均等な拡径変形が促進される結果、ガス充填チューブ3の外周面4がチューブレスタイヤ2の内周面15の全体にわたって均等に密着することが可能にし、これによって、ガス充填チューブ3の荷重支持能力及び耐久性を向上させることができるのである。
【0025】
また、補強層5は、チューブレスタイヤ2の内圧低下時に少なくとも15%伸長する特性、特に、周方向に少なくとも15%伸長する特性を有することが、チューブレスタイヤ2の内圧低下時のガス充填チューブ3の拡径変形を促進する上で好ましく、このような特性を得るため、補強層5は、不織布とゴムの複合材料により構成することがより好適である。
【0026】
尚、補強層5は、図1では、ガス充填チューブ3の外周面4上に配設した場合を示したが、図4に示すように、ガス充填チューブ3の側周面16上にも同様の特性を有する補強層5を配設してもよく、この場合には、ガス充填チューブ3の外周部分13と側周部分14a,14bの剛性段差を小さくすることができるので、チューブレスタイヤ2の内圧低下時におけるガス充填チューブ3の拡径変形をより均等にすることができる。
【0027】
また、ベース補強部材12は、不織布とゴムの複合材料(図1)、スチールコード若しくは有機繊維コードをゴム被覆したコードゴム被覆シート、周方向に沿って波状に配設した波形コード、又はビード17(図3)で構成することが好ましい。
【0028】
尚、ガス充填チューブ3の外周面4上に補強層5を配設した場合、ガス充填チューブ3の外周部分13の拡径変形は、補強層5の両端部分18a,18b側から開始し、補強層5の幅中央部19に位置するガス充填チューブ3の外周部分が、後から拡径変形する変形態様を採るため、ガス充填チューブ3の外周部分13の全体が、チューブレスタイヤ2の内周面15に均等に密着しない場合がある。
【0029】
このため、かかる場合には、補強層5に、図5に示すように、タイヤ赤道面EEに対して対称に、補強層5の円周に沿って延びる1以上の低剛性部分20を設けることが好ましく、これによって、図6に示すように、チューブレスタイヤ2の内圧低下時のガス充填チューブ3の外周部分13の拡径変形を均等にすることができる。
【0030】
尚、補強層5の低剛性部分20は、図5では、補強層5の幅中央部19を薄肉にして低剛性にした場合を示してあるが、タイヤ赤道面Eに対して対称に配設しさえすればよく、例えば、図7(a)に示すように、補強層5が複数層で構成され、補強層5の両幅端18a,18bとタイヤ赤道面Eの間にそれぞれ配設したり、また、図7(b)に示すように、補強層5の両幅端位置18a,18bを含む部分にそれぞれ配設してもよい。さらに、図8に示すように、低剛性部分20内での補強層5の積層枚数をステップ状に変化させてもよく、種々の態様を採ることができる。
【0031】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0032】
【実施例】
次に、この発明に従う安全タイヤを試作し、性能を評価したので以下で説明する。
・実施例1
実施例1のタイヤは、タイヤサイズが315/60R22.5であり、補強付ガス充填チューブを軟質ゴムで構成し、アラミド繊維で構成した不織布とゴムの複合材料からなる4層の補強層を補強付ガス充填チューブの外周面上に配設し、補強層は、チューブレスタイヤのパンク時に25%伸長する特性を有し、ベース補強部材を、 アラミド繊維で構成した2層の不織布とゴムの複合材料で構成した。
その他のタイヤ構造については、一般的な安全タイヤの構造とほぼ同様にした。
【0033】
・実施例2
実施例2のタイヤは、ベース補強部材を、スチールコードからなる六角ビードとしたこと以外は実施例1のタイヤと同様に構成した。
【0034】
・実施例3
実施例3のタイヤは、補強層を補強付ガス充填チューブの外周上と側周面上の双方に配設し、ベース補強部材を、1層の不織布とゴムの複合材料で構成したこと以外は実施例1のタイヤと同様に構成した。
【0035】
・実施例4
実施例4のタイヤは、補強層を補強付ガス充填チューブの外周上と側周面上の双方に配設したこと以外は実施例1のタイヤと同様に構成した。
【0036】
・実施例5
実施例5のタイヤは、補強層を補強付ガス充填チューブの外周上と側周面上の双方に配設し、ベース補強部材を、スチールコードをゴム被覆した1層のコードゴム被覆シートで構成したこと以外は実施例1のタイヤと同様に構成した。
【0037】
・実施例6
実施例6のタイヤは、補強層を補強付ガス充填チューブの外周上と側周面上の双方に配設し、ベース補強部材を、ナイロンコードをゴム被覆した2層のコードゴム被覆シートで構成したこと以外は実施例1のタイヤと同様に構成した。
【0038】
・実施例7
実施例7のタイヤは、補強層の幅方向中央部を、他の部分の3/4倍の剛性にした低剛性部分を設けること以外は実施例1のタイヤと同様に構成した。
【0039】
・従来例
従来例のタイヤは、補強層及びベース補強部材を配設しないこと以外は実施例1のタイヤと同様の構成を有する。
【0040】
(試験方法)
上記各供試安全タイヤについて、パンク時における、補強付ガス充填チューブの拡径変形の均一性と耐久性を評価するための試験を行うとともに、通常走行時の耐久性を評価するための試験を行った。
【0041】
パンク時における、補強付ガス充填チューブの拡径変形の均一性は、CTスキャンによるタイヤ断面写真撮影により評価した。
【0042】
パンク時における耐久性(低圧耐久性)は、チューブレスタイヤの内圧が0kPa(ゲージ圧)のパンク状態で、補強ガス充填チューブの内圧を拡径変形下で450kPaとし、回転ドラム上で、34.8kNの荷重を負荷し、60km/hの速度でタイヤを走行させ、故障が生じるまでの走行距離を測定し、この測定値によって評価した。
【0043】
また、通常走行時における耐久性(通常耐久性)は、チューブレスタイヤの内圧を900kPaとし、補強ガス充填チューブの内圧を950kPaとし、回転ドラム上で、34.8kNの荷重を負荷し、60km/hの速度でタイヤを15万kmまで走行させ、故障が生じるまでの走行距離を測定し、この測定値によって評価した。
【0044】
表1にこれらの評価結果を示す。尚、表1中の低圧耐久性と通常耐久性の数値はいずれも、従来例を100とした指数比で示してあり、数値は大きいほど性能が優れている。
【0045】
【表1】
Figure 0004009104
【0046】
表1に示す評価結果から、従来例は、パンク時における補強付ガス充填チューブの拡径変形が局部的に生じていたのに対して、実施例はいずれも、パンク時の補強ガス充填チューブの局部的な拡径変形は認められず、通常耐久性が従来例と同等にして、低圧耐久性が従来例に比べて格段に優れている。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、タイヤ内圧低下時に生じる補強付ガス充填チューブの拡径変形を均等に行わせることにより、補強付ガス充填チューブの荷重支持能力及び耐久性に優れた安全タイヤの提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う安全タイヤの幅方向断面図である。
【図2】 図1の安全タイヤがランフラット走行しているときの状態を示す図である。
【図3】 他の実施形態を示す図である。
【図4】 他の実施形態を示す図である。
【図5】 他の実施形態を示す図である。
【図6】 図5に示す安全タイヤの補強付ガス充填チューブの外周部分がパンク時に拡径変形するときの状態を示す概念図である。
【図7】 (a),(b)は、いずれも補強層の他の実施形態を示す図である。
【図8】 補強層の他の実施形態を示す図である。
【図9】 従来タイヤの幅方向断面図である。
【図10】 図9に示す従来タイヤの補強付ガス充填チューブがパンク時に局部的に拡径変形したときの状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 安全タイヤ
2 チューブレスタイヤ
3 補強付ガス充填チューブ
4 補強付ガス充填チューブの外周面
5 補強層
6 ビードコア
7 カーカス
8a,8b コード層
9 ベルト
10 トレッド部
11 補強付ガス充填チューブの内周部分
12 ベース補強部材
13 補強付ガス充填チューブの外周部分
14a,14b 補強付ガス充填チューブの側周部分
15a,15b 補強層の両端
16 補強付ガス充填チューブの側周面
17 ビード
18a,18b 端部分
19 補強層の幅中央部
20 補強層の低剛性部分
21 チューブレスタイヤの内周面
22,23 バルブ
24 路面

Claims (6)

  1. チューブレスタイヤの内部に、チューブレスタイヤの内圧以上の内圧でガスを充填してインフレートさせたタイヤ内径よりも小さな外径をもつ中空円環形状を有する補強付ガス充填チューブを収納し、該補強付ガス充填チューブの少なくとも外周面上に、通常走行時には補強付ガス充填チューブの拡径変形を抑制し、かつチューブレスタイヤの内圧低下時には補強付ガス充填チューブの拡径変形を可能にする特性を有する補強層を具える安全タイヤにおいて、
    前記ガス充填チューブの内周部分の両側の端部分の径方向内側に、チューブレスタイヤの内圧低下時における前記ガス充填チューブの局部的な拡径変形を抑制するリング状のベース補強部材を一体的に配設することを特徴とする、チューブレスタイヤ内に補強付ガス充填チューブを収納した安全タイヤ。
  2. 前記補強層は、チューブレスタイヤの内圧低下時に少なくとも15%伸長する特性を有する請求項1記載の安全タイヤ。
  3. 前記補強層は、不織布とゴムの複合材料により構成する請求項1又は2記載の安全タイヤ。
  4. 前記補強層は、さらに前記ガス充填チューブの側周面上にも配設する請求項1、2または3記載の安全タイヤ。
  5. 前記ガス充填チューブの外周面上に配設した補強層は、タイヤ赤道面に対して対称に、補強層の円周に沿って延びる1以上の低剛性部分を有する請求項1〜4のいずれか1項記載の安全タイヤ。
  6. ベース補強部材は、不織布とゴムの複合材料、スチールコード若しくは有機繊維コードをゴム被覆したコードゴム被覆シート、周方向に沿って波状に配設した波形コード、又はビードで構成する請求項1〜5のいずれか1項記載の安全タイヤ。
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