JP3553836B2 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏摩耗を防止し、かつ耐久性能を向上しうる重荷重用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
近年、道路網の整備化、車両の高速化、高性能化にともない、例えばトラック、バス用の重荷重車両用のタイヤにおいてもラジアル化、チューブレス化、さらに、偏平化が促進されている。又このような重荷重用のラジアルタイヤでは、高内圧かつ高荷重を支承するために、ベルト層のタガ効果を充分に高める必要があり、従来、このようなベルト層には、少なくとも3枚のスチールコードプライが用いられている。
【0003】
重荷重用ラジアルタイヤは、通常700〜800kPa程度の高内圧を充填して使用される。この内圧により、ほぼ90°に配列されたコードからなるカーカスプライは、その断面形状が円形になるように変化しようとするが、高剛性のベルト層により、カーカスはタイヤ半径方向に膨らむことが抑制されて一定形状に保たれ、トレッド表面は、その断面において、略円弧形状を保持する。しかし、偏平率70%以下の低偏平タイヤにあっては、円弧形状断面に移行しようとする力が強く、かつタイヤ赤道付近では、高剛性のベルト層による強力なタガ効果によって抑制されるが、ベルト端部では、ベルト剛性が低下するため、タガ効果が弱い。なおベルト端部のタガ効果を増加させるため、ベルト層全体の剛性を上げるとさらにタイヤ赤道付近のベルト剛性とベルト端部付近のベルト剛性の差が拡大する。
【0004】
そのため、前記低偏平のタイヤにあっては、空気内圧充填によるタイヤ半径方向外方への外形の増加が、タイヤ赤道付近とショルダー部とで差が極めて大きく、図9に示すような、2つの円弧形状R、Rを有するトレッド輪郭形状になりやすい。このようなトレッド輪郭形状を有するタイヤの接地面形状Fは、図10に示すように、トレッド中央部の接地長Lcが短く、トレッドショルダー部の接地長Lsが長い形になる。こういった不均一な接地面形状Fは、走行中のトレッド表面と路面との間の不均一な滑りを生じせしめ、偏摩耗を誘発しやすい。またトレッドショルダー部の接地圧が高く、ベルト端での機械疲労、熱疲労によるセパレーションも発生しやすく耐久性能の低下の要因となる。
【0005】
従って、このような形状になることを防止するためには、図11に示すように、タイヤ赤道付近のトレッドゴム厚さtcをショルダー部のゴム厚さtsよりもかなり厚くし、空気内圧充填前のカーカスラインをタイヤ赤道付近でタイヤ半径方向内方に位置させるような構造をとる必要があった。しかしこのような形状では、トレッドのタイヤ赤道付近での発熱が増加するとともに、内圧充填後のベルト層での残留歪みが大きくなるため、タイヤの構造耐久性能に悪影響を及ぼしやい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、高内圧で使用される偏平率の低い重荷重用ラジアルタイヤにおいて、そのトレッド輪郭形状を適正化し、それによって偏摩耗の発生を抑制しかつ耐久性能を向上させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願の第1の発明は、トレッド部の内方かつカーカスの半径方向外側に、スチールフィラメントを用いたベルトコードからなり前記カーカス側から半径方向外側に向かって順次重なる第1のベルトプライ、第2のベルトプライ、第3のベルトプライ及び第4のベルトプライを具えるベルト層を設けかつ偏平率70%以下の重荷重用ラジアルタイヤであって、
前記第4のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾W4を最小、
前記第2のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾W2を最大とし、
かつ前記第2のベルトプライは、中央部分がタイヤ周方向に除去された中抜き部を有する中抜きプライで形成するとともに、
前記中抜き部のタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、該最も広巾の第2のベルトプライが重複する次に広巾のベルトプライのプライ巾である重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%、
かつ前記第4のベルトプライのプライ巾W4より小であり、
前記中抜き巾WEを、第4のベルトプライ74のプライ巾W4より小であって、(W4−WE)/2で表される重なり部分OPのタイヤ軸方向距離WOPを、前記重複巾Wの10%〜30%の範囲とし、
しかも前記第1のベルトプライのベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α 1 は45°〜70°、第2〜第4のベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α2、α3、α4は15°〜30°、かつ第1のベルトプライと第2の ベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する傾斜の向きを、第3、第4の ベルトプライのベルトコードの傾斜の向きと違えたことを特徴としている。
【0008】
又本願の第2の発明は、トレッド部の内方かつカーカスの半径方向外側に、スチールフィラメントを用いたベルトコードからなり前記カーカス側から半径方向外側に向かって順次重な る第1のベルトプライ、第2のベルトプライ、及び第3のベルトプライを具えるベ ルト層を設けかつ偏平率70%以下の重荷重用ラジアルタイヤであって、
前記第2のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾W2を最大とし、かつこの第2のベルトプライは、中央部分がタイヤ周方向に除去された中抜き部を有する中抜きプライで形成するとともに、
前記中抜き部のタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、該最も広巾の第2のベルトプライが重複する次に広巾のベルトプライのプライ巾である重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%であり、
前記中抜き巾WEを、第3のベルトプライのプライ巾W3より小であって、第3のベルトプライと第2のベルトプライとの間に重なり部分OPが生じるとともに、
しかも前記第1のベルトプライのベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α 1 は45°〜70°、第2のベルトプライ及び第3のベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α2、α3は15°〜30°、かつ第1のベルトプライと第2のベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する傾斜の向きを、第3のベルトプライのベルトコードの傾斜の向きと違えたことを特徴としている。
【0009】
このように、ベルト層を形成するベルトプライのうちの最も広巾のプライの中央部を中抜きした中抜きプライで形成することによって、ベルト層中央部のタガ効果を低下させ、トレッド輪郭形状を均一化することが可能になる。特に、各ベルトプライのベルトコードの角度とその向きを特定し、しかもタイヤ半径方向の最内側及び最外側に配置されるベルトプライ以外のベルトプライの最も広巾のベルトプライを前記中抜きプライとすることにより、ベルト層の中央部のタガ効果が必要以上に低下するのを防止することができ、ラジアルタイヤの他の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本願の一実施例の重荷重用ラジアルタイヤを図面に基づき説明する。
図1、図2、図4は、本願の第1発明の第1実施例を示す。
図1において、重荷重用ラジアルタイヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向内方端に配されるビード部4とを具える。
【0011】
又タイヤ1は、前記ビード部4、4間に跨るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内方に配置されるベルト層7とによって補強される。
【0012】
前記カーカス6は、前記トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5の廻りで折返される1枚以上、本例では1枚のカーカスプライからなり、該カーカスプライは、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で配列している。カーカスコードとしては、本例では、スチールコードが用いられる。
【0013】
なおカーカスとしては、前記スチールコードの他、芳香族ポリアミド、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードを用いた1枚ないし複数枚のプライで構成してもよい。またカーカス6の折返し部6aは、ビードコア5の上方かつタイヤの最大巾位置下方で途切れ、この折返し部6aとカーカス本体部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外側に立ち上がるビードエーペックスゴム8が充填され、ビード部4を補強しかつタイヤ横剛性を高めている。
【0014】
ベルト層7は、カーカス6側からトレッド面2Aに向かって順に配される第1のベルトプライ71、第2のベルトプライ72、第3のベルトプライ73、および巾狭の第4のベルトプライ74からなる4層構造をなし、各ベルトプライ71〜74はスチールフィラメントを用いたベルトコードから形成される。
【0015】
図2にベルト層7の詳細を示す。
図2において、ベルト層7は、4枚のベルトプライ71〜74のうち、第4のベルトプライ74のタイヤ軸方向のプライ巾W4を最小、前記第2のベルトプライ72のタイヤ軸方向のプライ巾W2を最大としており、本例では、さらに第3のベルトプライ73のタイヤ軸方向のプライ巾W3を、第1のベルトプライ71のタイヤ軸方向のプライ巾W1よりやや大きい、すなわち、
W4<W1<W3<W2
とした場合を例示している。なお、
W4<W1=W3<W2
或いは
W4<W3<W1<W2
であっても良い。なお本願では特に規制されないが、前記プライ巾W1、W3はプライ巾W2の80〜90%程度、プライ巾W4はプライ巾W2の40〜60%程度である。
【0016】
又前記ベルト層7は、前記第2のベルトプライ72は、該第2のベルトプライ72を、その中央部分がタイヤ周方向に除去された中抜き部9Aを有する中抜きプライ9で形成する。
【0017】
ここで、前記中抜き部9Aのタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、2枚以上のベルトプライが重複する重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%の範囲、すなわち、
0.20×W≦WE≦0.60×W
とすることが必要である。なお前記重複巾Wは、言い換えると、最も広巾である第2のベルトプライ72と、その次に巾広となるベルトプライ、本例では第3のベルトプライ73とが重複する重複領域を形成し、本例では第3のベルトプライ73のプライ巾W3が前記重複巾Wと一致する。即ち、最も広巾の第2のベルトプライが重複する次に広巾のベルトプライのプライ巾が重複領域をなし、重複領域において最も広巾である前記第2のベルトプライ72に前記タイヤ周方向の中抜き部9Aを設けるのであるから、前記重複巾Wとは中抜き部9Aを含むタイヤ軸方向の巾となる。
【0018】
前記中抜き巾WEが、前記重複巾Wの20%未満では、前述のトレッド輪郭形状の均一化の効果が充分発揮されず、また60%を越えると、ベルト層7のタガ効果が不足し、ラジアルタイヤの一般的性能、例えば、耐摩耗性能、低燃費性能等に悪影響を及ぼしやすくなる。
【0019】
又前記中抜き巾WEは、第4のベルトプライ74のプライ巾W4より小、すなわち、
WE<W4
に設定される。この構成により、第4のベルトプライ74と中抜きプライ9(第2のベルトプライ72)との間に重なり部分OPが生じ、ベルト剛性の大きな低下を防止することができる。
【0020】
なお、例えば、WE>W4の場合には、最大巾を有する第2のベルトプライ72の外端部からタイヤ赤道Cにかけての各位置において、ベルト枚数が、1枚→2枚→3枚→2枚→3枚 と変化するなど、トレッド中央部とトレッドショルダー部との間にベルト剛性が急激に低下する2枚部分が生じるため、トレッド輪郭形状が均一になりにくい。また、WE=W4の場合には、第4のベルトプライ端と中抜きプライ9(第2のベルトプライ72)のタイヤ軸方向内端部とで不連続部分が生じ、同様にトレッド輪郭形状に不均一部分が発生しやすい。
【0021】
従って、WE<W4とすることによって、最大巾を有する第2のベルトプライ72の外端部からタイヤ赤道Cにかけての各位置において、ベルト枚数が、1枚→2枚→3枚→4枚→3枚 と変化し、必要なベルト剛性を確保することができる。
【0022】
そのために、(W4−WE)/2で表される前記重なり部分OPのタイヤ軸方向距離WOPを、前記重複巾Wの10%〜30%の範囲に設定するのが好ましい。
【0023】
図4に、この例のベルト層7をタイヤ半径方向外方から見た概念図を示す。
図の如く、第1のベルトプライ71のベルトコードのタイヤ赤道Cに対する角度α1は45〜70°、第2〜第4のベルトプライ72、73、74の各ベルトコードのタイヤ赤道Cに対する角度α2、α3、α4は15〜30°としている。又第1のベルトプライ71及び第2のベルトプライ72のベルトコードの向きを例えば右上がりとし、例えば左上がりとした第3のベルトプライ73及び第4のベルトプライ74のベルトコードの傾斜の向きと相違させている。
【0024】
これによって、ベルト層7は、第1のベルトプライ71のベルトコードと第2のベルトプライ72のベルトコードと第3のベルトプライ73のベルトコードとが、その3枚のプライ重複部分L1において、強固なトラス構造を構成し、最大のタガ効果を発揮する。また中抜き部9Aに相当するL2の部分では、トラス構造を形成していないため前記プライ重複部分L1よりはタガ効果が少ないが、交差するスチールベルトコードにより必要なタガ効果は発生し、かつ第4のベルトプライ74により、外傷を防止することができる。
【0025】
次に、図3、図5は各ベルトプライ71〜74は第4のベルトプライ74のプライ巾W4を最小、第2のベルトプライ72のプライ巾W2を最大とした、W4<W1<W3<W2としている。
【0026】
そして、第3のベルトプライ73を、その中央部分が除去された中抜き部9Aを有する中抜きプライ9とした場合を単に例示している。
【0027】
この中抜き部9Aの中抜き巾WEは、第3のベルトプライ73のプライ巾W3の20%〜60%の範囲としている。又中抜き巾WEは、第1実施例と同様、前記第4のベルトプライ74のプライ巾W4よりも小に設定される。
【0028】
そのために、(W4−WE)/2で表される前記重なり部分OPのタイヤ軸方向距離WOPを、前記重複巾Wの10%〜30%の範囲に設定されている。
【0029】
図5に、この例のベルト層7をタイヤ半径方向外方から見た概念図を示す。
図の如く、第1のベルトプライ71のベルトコードのタイヤ赤道Cに対する角度α1は45〜70°、第2〜第4のベルトプライ72、73、74の各ベルトコードのタイヤ赤道Cに対する角度α2、α3、α4は15〜30°としている。又第1のベルトプライ71及び第2のベルトプライ72のベルトコードの向きを例えば右上がりとし、左上がりとした第3のベルトプライ73及び第4のベルトプライ74のベルトコードの傾斜の向きと相違させている。
【0030】
図3,5の場合は、第1実施例とは異なり、中抜き部分9Aにおいても、第1のベルトプライ71のベルトコードと第2のベルトプライ72のベルトコードと第4のベルトプライ74のベルトコードとにより、トラス構造を形成するため、中抜き部分9Aと4枚のベルトプライが重複する部分とのタガ効果の差異が小さい。
【0031】
本発明を適用するタイヤの偏平率、ベルトコードの種類、要求される性能等により適宜決定することができる。
【0032】
第1実施例と第2実施例のいずれを選択するかは、本発明を適用するタイヤの偏平率、ベルトコードの種類、要求される性能等により適宜決定することができる。
【0033】
次に、図6及び図7は、本願の第2の発明の第1実施例を示している。
図において、タイヤ1には、トレッド部2の内方かつカーカス6の半径方向外側に、スチールフィラメントを用いたベルトコードからなる第1〜第3のベルトプライ71、72、73からなるベルト層7が配置される。
【0034】
このうち、前記第2のベルトプライ72のプライ巾W2を最大とし、かつこの第2のベルトプライ72を、中央部分が除去された中抜き部9Aを有する中抜きプライ9で形成している。
【0035】
又中抜き部9Aのタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、第2の発明と同様、2枚以上のベルトプライが重複する重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%の範囲、すなわち、
0.20×W≦WE≦0.60×W
に設定される。なおプライ巾W1、W3は、プライ巾W2の80〜90%程度であって、本例では、W1<W3<W2 の場合を例示することにより、本例では、前記重複巾Wは、プライ巾W3と一致する。なお W3≦W1<W2 であっても良く、係る場合には、前記重複巾Wは、プライ巾W1と一致する。
【0036】
ここで、前記中抜き部9Aのタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、2枚以上のベルトプライが重複する重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%の範囲、すなわち、
0.20×W≦WE≦0.60×W
とすることが必要である。このように最も広巾の第2のベルトプライが重複する次に広巾のベルトプライのプライ巾である重複領域において、最も広巾である前記第2のベルトプライ72に前記タイヤ周方向の中抜き部9Aを設けるのであるから、前記重複巾Wとは中抜き部9Aを含むタイヤ軸方向の巾となる。
【0037】
又前記中抜き巾WEは、第3のベルトプライ73のプライW3より小であることが必要であり、この構成により、第3のベルトプライ73と中抜きプライ9(第2のベルトプライ72)との間に重なり部分OPが生じ、ベルト剛性の大きな低下を防止することができる。
【0038】
又第1のベルトプライ71のベルトコードのタイヤ赤道Cに対する角度α1は45〜70°、第2、第3のベルトプライ72、73の各ベルトコードのタイヤ赤道Cに対する角度α2、α3は15〜30°とし、しかも第1のベルトプライ71及び第2のベルトプライ72のベルトコードの向きを例えば右上がりとし、左上がりとした第3のベルトプライ73のベルトコードの傾斜の向きと相違させている。
【0039】
このように、第2の発明では、最大巾を有する第2のベルトプライ72の外端部からタイヤ赤道Cにかけての各位置において、ベルト枚数が、1枚→2枚→3枚→2枚となり、トレッド中央部でのタガ効果がトレッドショルダー部に比べて低く、前述のトレッド輪郭形状の均一性を向上させることができる。しかも、中抜き部分9Aは、第1のベルトプライ71のベルトコードと第3のベルトプライのベルトコードとが交差するため、ベルト剛性の過度の低下を防止しうる。
【0040】
なお中抜き巾WEが、前記重複巾Wの20%未満では、前述のトレッド輪郭形状の均一化の効果が充分発揮されず、また60%を越えると、ベルト層7のタガ効果が不足し、ラジアルタイヤの一般的性能、すなわち、耐摩耗性能、低燃費性能等に悪影響を及ぼしやすい。
【0041】
本願の第2の発明は、第1の発明に比べ、小さなサイズの重荷重用ラジアルタイヤ、例えば、リム径が18インチ以下、あるいは、17.5インチ以下のサイズの従来3枚のベルトプライからなるベルト層を有するタイヤに適用することができる。
【0042】
【実施例】
本発明を適用したタイヤを試作し、従来タイヤとの比較を行った。その結果を表1に示す。又中抜きプライを有する参考例1〜3のタイヤとも比較した。
タイヤサイズが265/70R22.5のタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの破壊エネルギー値を、JISD4230に定められるタイヤ強度試験に準じ、使用リム(7.5x22.5)、内圧(700kPa)のもとで測定し、またJATMA規格の最大荷重値を負荷したときの接地形状を測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
実施例品と従来タイヤ、参考タイヤとの比較で明らかなように、本発明のタイヤは、十分なタイヤ強度を維持しながら、均一な接地形状を確保することができる。これにより、耐偏摩耗及び耐久性能を向上しうるのが推測できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の重荷重用ラジアルタイヤは叙上の如く構成しているため、必要なタイヤ強度を維持しつつ、均一な接地形状を有することができ、偏摩耗を防止し、かつ耐久性能を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1実施例を示すタイヤの子午断面図である。
【図2】第1の発明の第1実施例を示すタイヤのトレッド部の詳細図である。
【図3】中抜き構造の一例を単に例示する断面図である。
【図4】第1の発明の第1実施例を示すタイヤのベルト層の詳細図である。
【図5】図3の展開図である。
【図6】第2の発明の1実施例を示すタイヤのトレッド部の詳細図である。
【図7】第2の発明の1実施例を示すタイヤのベルト層の詳細図である。
【図8】(A)〜(F)は表1に記載の接地面形状を示す線図である。
【図9】従来タイヤの問題点を説明するトレッド輪郭形状を示す線図である。
【図10】その接地面形状を示す線図である。
【図11】従来タイヤのトレッド部を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 重荷重用ラジアルタイヤ
2 トレッド部
6 カーカス
7 ベルト層
9 中抜きプライ
9A 中抜き部
71 第1のベルトプライ
72 第2のベルトプライ
73 第3のベルトプライ
74 第4のベルトプライ
Claims (2)
- トレッド部の内方かつカーカスの半径方向外側に、スチールフィラメントを用いたベルトコードからなり前記カーカス側から半径方向外側に向かって順次重なる第1のベルトプライ、第2のベルトプライ、第3のベルトプライ及び第4のベルトプライを具えるベルト層を設けかつ偏平率70%以下の重荷重用ラジアルタイヤであって、
前記第4のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾W4を最小、
前記第2のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾W2を最大とし、
かつ前記第2のベルトプライは、中央部分がタイヤ周方向に除去された中抜き部を有する中抜きプライで形成するとともに、
前記中抜き部のタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、該最も広巾の第2のベルトプライが重複する次に広巾のベルトプライのプライ巾である重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%、
かつ前記第4のベルトプライのプライ巾W4より小であり、
前記中抜き巾WEを、第4のベルトプライ74のプライ巾W4より小であって、(W4−WE)/2で表される重なり部分OPのタイヤ軸方向距離WOPを、前記重複巾Wの10%〜30%の範囲とし、
しかも前記第1のベルトプライのベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α 1 は45°〜70°、第2〜第4のベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α2、α3、α4は15°〜30°、かつ第1のベルトプライと第2の ベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する傾斜の向きを、第3、第4の ベルトプライのベルトコードの傾斜の向きと違えたことを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。 - トレッド部の内方かつカーカスの半径方向外側に、スチールフィラメントを用いたベルトコードからなり前記カーカス側から半径方向外側に向かって順次重な る第1のベルトプライ、第2のベルトプライ、及び第3のベルトプライを具えるベ ルト層を設けかつ偏平率70%以下の重荷重用ラジアルタイヤであって、
前記第2のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾W2を最大とし、かつこの第2のベルトプライは、中央部分がタイヤ周方向に除去された中抜き部を有する中抜きプライで形成するとともに、
前記中抜き部のタイヤ軸方向の中抜き巾WEは、該最も広巾の第2のベルトプライが重複する次に広巾のベルトプライのプライ巾である重複領域のタイヤ軸方向の重複巾Wの20%〜60%であり、
前記中抜き巾WEを、第3のベルトプライのプライ巾W3より小であって、第3のベルトプライと第2のベルトプライとの間に重なり部分OPが生じるとともに、
しかも前記第1のベルトプライのベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α 1 は45°〜70°、第2のベルトプライ及び第3のベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する角度α2、α3は15°〜30°、かつ第1のベルトプライと第2のベルトプライの各ベルトコードのタイヤ赤道に対する傾斜の向きを、第3のベルトプライのベルトコードの傾斜の向きと違えたことを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
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