JP4586518B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、ベルト層の耐久性を向上させることのできる重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
従来の重荷重用空気入りタイヤでは、トラックなど貨物の輸送用の車両に使用されることが多いが、輸送効率の向上を図るため、重荷重用空気入りタイヤに対して高速走行時の安定性や耐久性の向上の要望が多くなっている。このため、近年の重荷重用空気入りタイヤでは、偏平率が70%以下のものが増加しており、これにより高速走行時の安定性などの向上を図っている。また、トラックなど貨物の輸送用の車両の荷台に設けられる重荷重用空気入りタイヤは、車両の幅方向の片側につき2本の重荷重用空気入りタイヤが設けられている場合があるが、近年では片側2本の重荷重用空気入りタイヤほぼ2本分の幅を有する1本の重荷重用空気入りタイヤが用いられる場合がある。この場合でも、重荷重用空気入りタイヤの幅が広くなるため偏平率が小さくなり、偏平率が70%以下のものが多くなる。
通常、重荷重用空気入り空気入りタイヤは、トレッド部の中央部付近よりもショルダー部付近の方が径が小さくなっているため、いわゆる径差引きずりに拠るショルダー部の偏摩耗が発生する。一方、偏平率が70%以下の重荷重用空気入り空気入りタイヤでは、上記に加えてタイヤ走行における径成長が一般のタイヤに比べ大きく、それはトレッド部の両端からトレッド幅の1/4の位置からショルダー部にかけて大きくなる。このためショルダーエッジ部との径差がより大きくなるからショルダー部の偏摩耗が発生し易くなる。そこで、従来の重荷重用空気入りタイヤでは、ショルダー部付近の径成長を低減させるため、この部分を補強しているものがある。例えば、特許文献1では、ベルト層両端部に、タイヤ周方向に対して10°以下のコード角度をなすスチールコードを有する補強コード層が設けられている。これにより、重荷重用空気入りタイヤを使用した際に、トレッド部のショルダー部付近の径成長が低減し、トレッド部の中央部付近とショルダー部付近との径成長量の差が低減するので、偏摩耗を抑制することができる。
特開平5−69702号公報
しかしながら、上記の重荷重用空気入りタイヤでは、トレッド幅方向でのベルト剛性が異なる。特にタイヤ周方向に対して10°以下の補強層を配した部位の剛性は極端に強くなる。その為、上記構造での該当部は、トレッド周方向の接地長が他の部分に対して短くなるから路面とのすべり摩擦が発生し、逆に偏摩耗発生の起点となる。また、接地長が短くなることはコーナーリング時に必要なタイヤの接地面積が少なくなることを意味し、結果として操縦安定性の低下をもたらす。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操縦安定性と耐偏摩耗性を維持しつつベルト層の耐久性を向上させることのできる重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、トレッド部のタイヤ径方向内方に少なくとも2層のベルト層を有する重荷重用空気入りタイヤにおいて、記ベルト層の層間に、タイヤ周方向に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で形成されたコードを有する0度ベルト補強層が形成されており、前記0度ベルト補強層は、タイヤ径方向において隣接する前記ベルト層よりもタイヤ幅方向の幅が狭い幅で形成されると共に当該ベルト層に覆われるように形成され、さらに、前記0度ベルト補強層のタイヤ幅方向における中央部に位置する補強層中央域と、前記0度ベルト補強層のタイヤ幅方向において前記補強層中央域の両端に位置する補強層ショルダー域とを有しており、前記コードのうち、前記補強層中央域に形成される前記コードは中央域コードとして形成され、前記補強層ショルダー域に形成される前記コードはショルダー域コードとして形成されており、前記中央域コードは、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.3%以上となっており、前記ショルダー域コードは、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.0%以下となっていることを特徴とする。
この発明では、ベルト層の近傍に上述したようにコードをタイヤ周方向に沿って実質的に0度の角度、例えば0〜5度の角度で形成し、さらに、補強層中央域に中央域コード、補強層ショルダー域にショルダー域コードが形成された0度ベルト補強層を設けている。0度ベルト補強層は、このように補強層中央域と補強層ショルダー域とで荷重に対するコードの伸びが異なっており、補強層ショルダー域の方が補強層中央域よりもコードの伸びが小さくなっている。このため、補強層中央域よりも補強層ショルダー域の方が剛性が高くなっている。また、補強層ショルダー域に、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.0%より大きい強度を有するコードを配設した場合には、強度が低過ぎるためショルダー部付近の剛性を効果的に向上させることができず、当該0度ベルト補強層を重荷重用空気入りタイヤに設けた場合、ショルダー部付近の径成長を抑制することができない。また、補強層中央域に、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.3%未満の強度を有するコードを配設した場合には、補強層中央域の伸びが小さ過ぎるため、当該0度ベルト補強層を重荷重用空気入りタイヤに設けた場合、走行時に路面上の石などの突起物を踏むことにより大きな荷重が作用した際に、コードが切れる虞がある。
そこで、補強層ショルダー域に配設するコードを、ショルダー域コード及び補強層中央域に配設する中央域コードの、荷重に対する伸びを上記のようにすることにより、破損することなく確実にショルダー部の径成長を抑制できる。ベルト層の近傍に設けることによりトレッド部のタイヤ径方向内方に位置する0度ベルト補強層はこのように形成されているため、ショルダー部付近の径成長を抑制でき、ショルダー部の径成長に起因するベルト層の損傷を抑制できる。また、0度ベルト補強層は、ベルト層両端部のみでなく、補強層中央域と補強層ショルダー域とを有するように形成されているため、タイヤ幅方向における位置によって剛性の差が大きくなり過ぎるようなことを抑制できる。このため、剛性が高い部分のトレッド周方向の接地長が他の部分に対して短くなり過ぎることに起因する偏摩耗や、接地長が短くなって接地面積が少なくなることに起因する操縦性の低下を抑制できる。この結果、操縦安定性と耐偏摩耗性を維持しつつベルト層の耐久性を向上させることができる。
また、この本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記0度ベルト補強層は、タイヤ幅方向の全幅が前記トレッド部の全幅の75%〜85%の範囲で形成されていることを特徴とする。
この発明では、0度ベルト補強層の全幅を上記の範囲で形成しているので、より確実にベルト層の耐久性を向上させることができる。つまり、0度ベルト補強層の全幅がトレッド部の全幅の75%未満の場合には、ショルダー部の径成長の抑制が困難になり、ショルダー部付近の接地圧が上昇し過ぎて発熱し、ベルト層の耐久性の向上が困難になる。また、0度ベルト補強層の全幅がトレッド部の全幅の85%よりも大きい場合には、タイヤ接地時の径の拡張が強制され、この部分のコードが破損する虞がある。そこで、0度ベルト補強層の全幅を上記の範囲で形成することにより、より確実にベルト層の耐久性を向上させることができる。
また、この本発明に係る重荷重用空気入りタイヤは、前記補強層中央域は、タイヤ幅方向における幅が前記トレッド部の全幅の1/3〜2/3の範囲の幅となっていることを特徴とする。
この発明では、0度ベルト補強層の補強層中央域の幅を上記の範囲で形成しているので、より確実にベルト層の耐久性を向上させることができる。つまり、補強層中央域の幅がトレッド部の全幅の1/3未満の場合には、ショルダー域コードがタイヤ幅方向における中央部付近にまで配設されることになるので、重荷重用空気入りタイヤの中央部付近の剛性も高くなってしまう。中央部は走行時に路面上の突起物(例えば、石など)を踏み、包み込むのであるが、この包み込みはコードの剛性が強すぎるとコード破断の最悪なケースを生じさせるから、上記1/3未満に設定する。また、中央部の幅がトレッド部の全幅の2/3よりも大きい場合には、ショルダー部の径成長の抑制が困難になり、ショルダー部付近の接地圧が上昇し過ぎて発熱し、ベルト層の耐久性の向上が困難になる。そこで、0度ベルト補強層の補強層中央域の幅を上記の範囲で形成することにより、より確実にベルト層の耐久性を向上させることができる。
本発明にかかる重荷重用空気入りタイヤは、ベルト層の耐久性を向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる重荷重用空気入りタイヤの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、重荷重用空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいう。図1は、この発明に係る重荷重用空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。同図に示す重荷重用空気入りタイヤ1は、子午面方向の断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部5が形成されており、このトレッド部5にはトレッドパターンを形成する溝部7が複数設けられている。また、トレッド部5のタイヤ幅方向の端部からタイヤ径方向の内方側の所定の位置までは、サイドウォール部10が設けられており、さらに、このサイドウォール部10のタイヤ径方向内方側には、ビード部13が設けられている。このビード部13は、当該重荷重用空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、赤道面30を中心として対称になるように設けられている。この2ヶ所のビード部13は、それぞれビードコア14を有している。
また、前記トレッド部5のタイヤ径方向内方には、ベルト層15が設けられている。前記ベルト層15のタイヤ径方向内方、及び前記サイドウォール部10の赤道面30側には、カーカス11が連続して設けられている。このカーカス11は、ビード部13でビードコア14に沿ってタイヤ幅方向外方に折り返されている。また、このカーカス11の内側、或いは、当該カーカス11の、重荷重用空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ12がカーカス11に沿って形成されている。また、この重荷重用空気入りタイヤ1は、偏平率が70%以下で形成されている。
前記トレッド部5は、タイヤ幅方向における中央部付近に位置する領域であるトレッド中央域TCと、タイヤ幅方向において前記トレッド中央域TCの両端に位置する領域であるトレッドショルダー域TSとを有している。これらのトレッド中央域TCとトレッドショルダー域TSとは、詳細には、トレッド中央域TCは赤道面30付近を含んでタイヤ幅方向においてトレッド部5の中央部付近に位置する領域となっており、トレッドショルダー域TSはトレッド中央域TCのタイヤ幅方向における端部から、トレッド部5のタイヤ幅方向の端部であるショルダー部6までの領域となっている。
図2は、図1の重荷重用空気入りタイヤの要部詳細図である。前記ベルト層15は3枚形成されており、3枚のベルト層15がタイヤ径方向に重ねられて設けられている。また、これらのベルト層15は当該ベルト層15を形成するコードとして全て複数のスチールコード(図示省略)を有している。これらのスチールコードは全てタイヤ周方向に対して角度を有しており、タイヤ周方向に対してタイヤ幅方向に傾けられており、タイヤ周方向に対して斜めに傾けられて形成されている。さらに、スチールコードが斜めに傾けられる方向は隣接するベルト層15で異なった方向となっており、このためベルト層15は、所謂クロスプライ構造となって形成されている。
このように形成される3枚のベルト層15のうち、最もタイヤ径方向内方に位置するベルト層15と、このベルト層15に隣接してタイヤ径方向外方に位置するベルト層15との間には、0度ベルト補強層20が形成されている。この0度ベルト補強層20は、タイヤ径方向において隣接するベルト層15よりもタイヤ幅方向の幅が狭い幅で形成されている。これにより、0度ベルト補強層20は、タイヤ径方向において隣接するベルト層15に覆われるように形成されている。
また、0度ベルト補強層20は、当該0度ベルト補強層20を形成するコードとしてスチールコード21を有している。このスチールコード21は、タイヤ周方向に沿って形成されており、即ち、タイヤ周方向に対して0度の角度で形成されている。このように、タイヤ周方向に対して0度の角度で形成されたスチールコード21が、タイヤ幅方向に複数列で並んで配設されている。なお、0度ベルト補強層20に形成されるスチールコード21は、概ねタイヤ周方向に沿って形成されていればよく、タイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で形成されていれば、タイヤ周方向に対して例えば0〜5度の角度で形成されるなど、多少角度を有して形成されていてもよい。
このように形成される0度ベルト補強層20のスチールコード21は、タイヤ幅方向における位置によって、荷重を受けた際の伸びが異なっている。詳細には、0度ベルト補強層20は、前記トレッド部5のトレッド中央域TCに位置する部分は補強層中央域BCとして形成されており、トレッド部5のトレッドショルダー域TSに位置する部分は補強層ショルダー域BSとして形成されている。0度ベルト補強層20のスチールコード21のうち、補強層中央域BCに形成されているスチールコード21は中央域コード22として形成されており、補強層ショルダー域BSに形成されるスチールコード21はショルダー域コード23として形成されている。この中央域コード22とショルダー域コード23とでは荷重を受けた際の伸びが異なっており、中央域コード22は、1本の中央域コード22に400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.3%以上となっており、ショルダー域コード23は、1本のショルダー域コード23に400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.0%以下となっている。
なお、中央域コード22の伸びは、1本の中央域コード22に400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.5〜3%の範囲となっているのが好ましく、ショルダー域コード23の伸びは、1本のショルダー域コード23に400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが0.4〜0.7%の範囲となっているのが好ましい。また、タイヤ幅方向における前記補強層中央域BCの幅は、トレッド部5の全幅、つまり、トレッド部5のタイヤ幅方向の両端部に位置するショルダー部6のうちの一方のショルダー部6から他方のショルダー部6までの長さであるトレッド全幅TWの1/3〜2/3の範囲の幅となっているのが好ましい(図1参照)。
図3は、0度ベルト補強層の形成範囲を示す図である。0度ベルト補強層20は、前記トレッド部5のタイヤ径方向内方に形成される3枚のベルト層15のうち0度ベルト補強層20に隣接するベルト層15よりもタイヤ幅方向における幅が狭いため、0度ベルト補強層20の全幅はトレッド部5の全幅よりも狭くなっている。即ち、0度ベルト補強層20のタイヤ幅方向の幅である補強層全幅BWは、トレッド部5の全幅である前記トレッド全幅TWよりも、狭くなっている。なお、この補強層全幅BWは、トレッド全幅TWの75%〜85%の範囲で形成されていることが好ましい。このため、0度ベルト補強層20は、補強層全幅BWがトレッド全幅TWの75%〜85%の範囲で形成されつつ、補強層中央域BCの幅がトレッド全幅TWの1/3〜2/3の範囲の幅となっているのが好ましい。
この重荷重用空気入りタイヤ1を車両(図示省略)に装着して走行すると、走行時の重荷重用空気入りタイヤ1の転動により、当該重荷重用空気入りタイヤ1の各部にはタイヤ径方向外方への力が作用し、この力を受けた各部は変形をしようとする。このため、走行距離が長くなるとトレッド部5は径成長をし、外径が大きくなる場合がある。その際に、重荷重用空気入りタイヤ1の偏平率を70%以下にした場合には、トレッド部5のトレッド中央域TCよりも、トレッドショルダー域TSの方が径成長が大きい傾向にあるが、前記重荷重用空気入りタイヤ1は、補強層中央域BCと補強層ショルダー域BSとを有する0度ベルト補強層20を有している。
前記0度ベルト補強層20は、スチールコード21がタイヤ周方向に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で形成されている。また、このスチールコード21は、形成されている範囲によってショルダー域コード23と中央域コード22とに分かれており、前記補強層ショルダー域BSに形成されるショルダー域コード23は、補強層中央域BCに形成される中央域コード22よりも張力をかけた際の伸びが小さくなっている。これらのように、補強層ショルダー域BSと補強層中央域BCとでは、ショルダー域コード23と中央域コード22、即ち、双方の範囲のそれぞれのスチールコード21が共にタイヤ周方向に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で形成され、また、ショルダー域コード23と中央域コード22とでは、同程度の荷重をかけた際の伸びが、中央域コード22よりもショルダー域コード23の方が小さくなっている。
このため、補強層ショルダー域BSは補強層中央域BCよりも剛性が高くなっている。このように、荷重をかけた際のスチールコード21の伸びが小さく、剛性が高い補強層ショルダー域BSは、タイヤ幅方向において補強層中央域BCの両端部に位置している。さらに、補強層中央域BCは、当該重荷重用空気入りタイヤ1のトレッド中央域TCに位置しており、補強層ショルダー域BSは、トレッドショルダー域TSに位置している。これらにより、当該重荷重用空気入りタイヤ1は、トレッド中央域TCよりもトレッドショルダー域TSの方が剛性が高くなっており、このため、当該重荷重用空気入りタイヤ1は、タイヤ幅方向における中央部付近、即ち、赤道面30付近よりも、両端部付近、即ち、ショルダー部6付近の方が剛性が高くなっている。
また、トレッドショルダー域TSに位置し、トレッドショルダー域TSの剛性を向上させている前記補強層ショルダー域BSに形成されるショルダー域コード23は、1本のショルダー域コード23に400Nの張力で荷重を作用させた際の伸びが1.0%以下になっている。このため、補強層ショルダー域BSの強度を確実に向上させることができ、トレッドショルダー域TSの剛性を確実に向上させることができる。
なお、1本のショルダー域コード23に400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが0.3%未満の場合には、タイヤ製造時にタイヤの変形に追従できず、0度ベルト補強層20に隣接するベルト層15のスチールコードとショルダー域コード23とが接触する虞がある、即ち、キスコードが発生する虞がある。また、0度ベルト補強層20がベルト層15とカーカス11との間に設けられ、0度ベルト補強層20がカーカス11に隣接している場合も同様に、カーカス11を形成するコード(図示省略)とショルダー域コード23とが接触して、キスコードが発生する虞がある。このため、400Nの張力で荷重をかけた際のショルダー域コード23の伸びは、0.3%以上であるのが好ましく、1本のショルダー域コード23に400Nの張力で荷重をかけた際の伸びを0.3%〜1.0%の範囲になるようにすることにより、より確実に補強層ショルダー域BSの強度を確実に向上させることができ、トレッドショルダー域TSの剛性をより確実に向上させることができる。
また、1本の中央域コード22に400Nの張力で荷重をかけた際の中央域コード22の伸びが1.3%以上となっている。このため、中央域コード22の伸びが適当な伸びになっているので、補強層中央域BCが適度な強度になっており、トレッド中央域TCの剛性は適度な剛性となるので、0度ベルト補強層20を設けた場合でも可撓性を維持することができる。これにより、車両走行中に当該重荷重用空気入りタイヤ1で路面上の石などの突起物を踏むことにより大きな荷重が作用した場合でも、トレッド中央域TCが変形し、ベルト層15のスチールコードが切れるなどの破損を低減することができる。
これらにより、当該重荷重用空気入りタイヤ1は、走行距離が長くなって径成長が生じた場合でも、補強層ショルダー域BSの剛性が高くなっているためこの部分の径成長を低減することができ、また、荷重に対する中央域コード22の伸びを適度な伸びにすることにより、路面上の突起物によるベルト層15の破損を抑制しつつ、トレッドショルダー域TSの径成長を抑制できる。このように、トレッドショルダー域TSの径成長を確実に抑制することにより、トレッドショルダー域TSが径成長することによりこの部分が発熱し、この発熱によってベルト層15と、当該ベルト層15の周囲のゴムとでセパレーションが発生するなど、ベルト層15付近の損傷を抑制できる。また、0度ベルト補強層20は補強層中央域BCと補強層ショルダー域BSとにより形成されているため、トレッド中央域TCの剛性とトレッドショルダー域TSの剛性との差は大きくなり過ぎず、適度な剛性差となっている。このため、トレッドショルダー域TSの剛性がトレッド中央域TCの剛性よりも高過ぎることに起因するトレッドショルダー域TSの偏摩耗や、トレッドショルダー域TSの接地長が短くなって接地面積が少なくなり、特に、コーナーリング時のトレッドショルダー域TSの接地面積が少なくなることに起因する操縦安定性の低下を抑制できる。これらの結果、操縦安定性と耐偏摩耗性を維持しつつベルト層15の耐久性を向上させることができる。
図4は、補強層全幅がトレッド全幅の75%未満の場合の接地形状を示す図である。また、0度ベルト補強層20のタイヤ幅方向における幅である補強層全幅BWがトレッド全幅TWの75%〜85%の範囲で形成されることにより、より確実にベルト層15の耐久性を向上させることができる。つまり、補強層全幅BWがトレッド全幅TWの75%以上で形成されることにより、より確実にトレッドショルダー域TSの径成長を抑制できる。補強層全幅BWがトレッド全幅TWの75%未満の場合には、トレッドショルダー域TSの径成長を抑制しきれない場合があり、この場合、トレッドショルダー域TSの径成長が大きくなる場合がある。このように、トレッドショルダー域TSの径成長が大きい重荷重用空気入りタイヤ1が接地した場合には、トレッド中央域TCと比較してトレッドショルダー域TSの接地圧が高くなる。このため、重荷重用空気入りタイヤ1が路面等に接地した際の接地部の形状である接地形状50は、トレッド中央域TCの接地形状である中央域接地形状51よりも、トレッドショルダー域TSの接地形状であるショルダー域接地形状52の方が接地面積が大きくなり易いため、中央域接地形状51よりもショルダー域接地形状52の方がタイヤ周方向、或いは、車両の進行方向に長くなる。
図5は、補強層全幅がトレッド全幅の75%〜85%の範囲で形成されている場合の接地形状を示す図である。これに対し、補強層全幅BWをトレッド全幅TWの75%〜85%の範囲で形成した場合には、トレッドショルダー域TSの径成長を抑制できるので、当該重荷重用空気入りタイヤ1が接地した際の接地圧は、トレッド中央域TCとトレッドショルダー域TSとで同程度になる。このため、トレッド中央域TCとトレッドショルダー域TSとで同じような状態で接地するので、この状態の接地形状50は、中央域接地形状51とショルダー域接地形状52とでタイヤ周方向における長さ、或いは、車両の進行方向における長さが同程度になる。
また、補強層全幅BWがトレッド全幅TWの85%以下で形成されているので、0度ベルト補強層20の破損を抑制できる。つまり、補強層全幅BWがトレッド全幅TWの85%よりも大きい幅で形成された場合には、0度ベルト補強層20の補強層ショルダー域BSがショルダー部6のタイヤ径方向内方付近にまで位置する場合があるが、重荷重用空気入りタイヤ1はタイヤ幅方向における端部に向かうに従って径が小さくなっている。このため、ショルダー部6付近は、トレッド中央域TCと比較して径が大幅に小さくなっている。このため、重荷重用空気入りタイヤ1の接地時におけるショルダー部6の径成長は、かなり大きなものとなっているが、このショルダー部6のタイヤ径方向内方付近にまで、前記補強層ショルダー域BSが位置している場合には、ショルダー部6が接地する際に、補強層ショルダー域BSに位置しているショルダー域コード23が強制的に伸ばされ、張力が大きくなり過ぎて破断する虞がある。このため、補強層全幅BWをトレッド全幅TWの85%以下で形成することにより、0度ベルト補強層20の破損を抑制できる。これらの結果、補強層全幅BWをトレッド全幅TWの75%〜85%の範囲で形成することにより、0度ベルト補強層20の破損を抑制し、より確実にベルト層15の耐久性を向上させることができる。
また、補強層中央域BCのタイヤ幅方向における幅を、トレッド全幅TWの1/3〜2/3の範囲で形成しているので、より確実にベルト層15の耐久性を向上させることができる。つまり、補強層中央域BCの幅をトレッド全幅TWの1/3以上にすることにより、補強層ショルダー域BSを、適切にタイヤ幅方向において、径成長が大きい範囲であるトレッドショルダー域TSのみに位置させることができ、補強層ショルダー域BSが、径成長の小さい範囲であるトレッド中央域TCに配置されるのを抑制できる。このため、径成長が大きい範囲のみに、荷重を受けた際の伸びが小さいショルダー域コード23を配設することができ、このショルダー域コード23が、径成長の小さい範囲にも配設されることを抑制できる。これにより、径成長の大きいトレッドショルダー域TSの剛性のみを向上させることができ、径成長の小さいトレッド中央域TCとの剛性に差を付けることができるので、より確実にトレッドショルダー域TSの径成長をのみを抑制してベルト層15の耐久性を向上させることができる。
また、補強層中央域BCの幅をトレッド全幅TWの2/3以下にすることにより、荷重を受けた際の伸びが大きい中央域コード22が、径成長の大きいトレッドショルダー域TSに配設されることを抑制でき、トレッドショルダー域TSには荷重を受けた際の伸びが小さいショルダー域コード23のみを配設できる。これにより、トレッドショルダー域TSの剛性を、より確実に向上させることができ、ベルト層15の耐久性を、より確実に向上させることができる。これらの結果、補強層中央域BCのタイヤ幅方向における幅を、トレッド全幅TWの1/3〜2/3の範囲で形成することにより、より確実にベルト層15の耐久性を向上させることができる。
また、0度ベルト補強層20のスチールコード21を、タイヤ周方向に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で形成しているため、容易に補強層ショルダー域BSの剛性を向上させることができ、また、走行中にその剛性が低減することなく、剛性が維持され続ける。この結果、より確実に、且つ、容易にベルト層15の耐久性を向上させることができる。また、ベルト層15の耐久性を向上させる際に、ベルト層15間に0度ベルト補強層20を設けるのみで耐久性を向上させることができるので、新たに他の構造を設けることなく、ベルト層15の耐久性を向上させることができる。この結果、重荷重用空気入りタイヤ1の重量を増加させることなく、ベルト層15の耐久性を向上させることができる。また、ベルト層15間などベルト層15の近傍に、タイヤ周方向に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度でスチールコード21が形成された0度ベルト補強層20を設けるのみでベルト層15の耐久性を向上させることができる。この結果、生産性の低下を招くことなく、ベルト層15の耐久性を向上させることができる。
なお、上記のトレッドショルダー域TSの径成長の抑制は、走行時の転動による径成長の抑制のみでなく、インフレート時のトレッドショルダー域TSの径成長も抑制できる。この結果、トレッドショルダー域TSの径成長をより確実に抑制でき、ベルト層15の耐久性を、より確実に向上させることができる。
また、0度ベルト補強層20を設ける位置は、ベルト層15間のみでなく、ベルト層15のタイヤ径方向外方、或いは、ベルト層15とカーカス11との間に設けてもよい。0度ベルト補強層20をいずれの位置に配設した場合でも、0度ベルト補強層20が上述した構成で形成されており、補強層中央域BCがトレッド中央域TCに位置し、補強層ショルダー域BSがトレッドショルダー域TSに位置するように設けられることにより、トレッドショルダー域TSの径成長を抑制できる。この結果、トレッドショルダー域TSの径成長に起因するベルト層15近傍の破損を抑制し、ベルト層15の耐久性を向上させることができる。また、0度ベルト補強層は1層のみでなく、複数設けられていてもよい。0度ベルト補強層20をいくつ設けた場合でも、それぞれの0度ベルト補強層20が上述したように形成されていれば、その数は問わない。重荷重用空気入りタイヤ1に、上述した構成の0度ベルト補強層20が少なくとも1層設けられていれば、ベルト層15の耐久性の向上を図ることができる。
以下、上記の重荷重用空気入りタイヤ1について、従来の重荷重用空気入りタイヤ1と本発明の重荷重用空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、ショルダー域コード23の伸び及び中央域コード22の伸びの違いによる性能試験と、0度ベルト補強層20の補強層全幅BWの違いによる性能試験とを行った。ショルダー域コード23の伸び及び中央域コード22の伸びの違いによる性能試験では、耐久性、プランジャー破壊エネルギーについての2項目、0度ベルト補強層20の補強層全幅BWの違いによる性能試験では、耐久性についての1項目について行なった。
試験方法は、435/45R22.5サイズの重荷重用空気入りタイヤ1をリムに組み込み、JATMA正規条件の空気圧、荷重を設定して試験を行った。各試験項目の評価方法は、耐久性については、上記の重荷重用空気入りタイヤ1をドラム試験機にて試験を行い、速度49km/hで走行させ、ベルト層15の故障、若しくはバットレス部のクラック等によって走行不能になるまでの走行距離を測定する。この測定結果を、ショルダー域コード23の伸び及び中央域コード22の伸びの違いによる性能試験の場合には、後述する従来例の重荷重用空気入りタイヤ1の走行距離を100とした指数で示した。また、0度ベルト補強層20の補強層全幅BWの違いによる性能試験の場合には、後述する比較例6の重荷重用空気入りタイヤ1の走行距離を100とした指数で示した。指数が大きい程、走行不能になるまでの走行距離が長くなっており、耐久性が優れている。
プランジャー破壊エネルギーについては、φ38mmの棒を50mm/minの速度でトレッド部5の踏面、即ちトレッド面に垂直に押し込み、その時の撓み量と押し込む力とを測定し、この測定した撓み量と押し込む力を乗じてプランジャー破壊エネルギー算出する。算出した値を、後述する従来例の重荷重用空気入りタイヤ1のプランジャー破壊エネルギーを100とした指数で示した。指数が大きい程、プランジャー破壊エネルギーが高くなっている。なお、このプランジャー破壊エネルギーは、突起入力時の0°ベルトコード破断の防止性能としての代用特性である。このため、プランジャー破壊エネルギーの指数が高い程、突起入力時の0°ベルトコード破断に対する性能が優れている。
試験をする重荷重用空気入りタイヤ1は、ショルダー域コード23の伸び及び中央域コード22の伸びの違いによる性能試験では、本発明が3種類、本発明と比較する比較例として5種類、そして、1種類の従来例を、上記の耐久性及びプランジャー破壊エネルギーの試験の方法で試験を行った。従来例では、0度ベルト補強層20が設けられておらず、4層のベルト層15が積層されている。比較例1〜5、及び本発明1〜3は、従来例と同様にベルト層15が積層され、さらに、ベルト層15間には、0度ベルト補強層20が設けられている。この0度ベルト補強層20は、比較例1〜5、及び本発明1〜3のいずれにおいても、タイヤ幅方向における補強層中央域BCの幅は、トレッド全幅TWの1/2となっている。この0度ベルト補強層20に形成されるスチールコード21は、中央域コード22、及びショルダー域コード23のいずれも3×7×0.22のサイズのスチールコード21が用いられている。
比較例1〜5及び本発明1〜3は、これらのように全て同様な構成になっており、0度ベルト補強層20のショルダー域コード23及び中央域コード22の、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが、それぞれ異なっている。比較例の一例である比較例1は、ショルダー域コード23の伸びが1.1%、中央域コード22の伸びが1.3%となっている。また、比較例2は、ショルダー域コード23の伸びが1.3%、中央域コード22の伸びが1.5%となっている。また、比較例3は、ショルダー域コード23の伸びが1.5%、中央域コード22の伸びが1.7%となっている。また、比較例4は、ショルダー域コード23の伸びが0.7%、中央域コード22の伸びが0.7%となっている。また、比較例5は、ショルダー域コード23の伸びが0.9%、中央域コードの伸び22が1.2%となっている。
これに対し、本発明の一例である本発明1は、ショルダー域コード23の伸びが0.3%、中央域コード22の伸びが1.3%となっている。また、本発明2は、ショルダー域コード23の伸びが0.7%、中央域コード22の伸びが1.5%となっている。また、本発明3は、ショルダー域コード23の伸びが0.9%、中央域コード22の伸びが1.7%となっている。これらの従来例、比較例1〜5、本発明1〜3の重荷重用空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1及び表1−2に示す。表1−1は、従来例、比較例1〜3の試験結果を表示しており、表1−2では、比較例4、比較例5、本発明1〜3の試験結果を表示している。
Figure 0004586518
Figure 0004586518
表1−1及び表1−2に示した上記の試験結果で明らかなように、0度ベルト補強層20のショルダー域コード23及び中央域コード22の伸びが適切でない場合には、耐久性やプランジャー破壊エネルギーを向上させることができない。例えば、ショルダー域コード23の伸びが1.0%よりも大きい場合には、トレッドショルダー域TSの剛性を向上させることが困難であるため、この部分の接地圧が高くなり過ぎ、走行中に発熱してベルト層15が破損し易くなるので、耐久性を向上させることができない(比較例1〜3)。また、中央域コード22の伸びが1.3%未満の場合には、トレッド中央域TCの弾力性が低いため、突起物が押し当てられた際に破断を防止する性能が向上せず、プランジャー破壊エネルギーが向上しないため、ベルト層15やカーカス11が破断し易くなる(比較例4、5)。
これに対し、本発明1〜3のように、ショルダー域コード23の伸びを1.0%以下にすることにより、トレッドショルダー域TSの剛性を向上させることができるので、トレッドショルダー域TSの接地圧が高くなり、この部分が発熱することに起因するベルト層15などの破損を抑制でき、また、中央域コード22の伸びを1.3%以上にすることにより、トレッド中央域TCのプランジャー破壊エネルギーを向上させることができるので、トレッド面に突起物が押し当てられた際のベルト層15やカーカス11が破断を抑制できる。この結果、ベルト層15の耐久性を向上させることができる。
また、0度ベルト補強層の補強層全幅の違いによる性能試験では、本発明が3種類、本発明と比較する比較例として1種類を、上記の耐久性試験の方法で試験を行った。比較例となる比較例6、及び試験を行う本発明となる本発明4〜6は、全て上記の本発明2とほぼ同様な構成になっており、複数のベルト層15間に0度ベルト補強層20が設けられ、ショルダー域コード23の伸びは0.7%、中央域コード22の伸びは1.5%になっている。比較例となる比較例6は、(補強層全幅BW/トレッド全幅TW)が88%となっている。これに対し、本発明の一例である本発明4は、(補強層全幅BW/トレッド全幅TW)が75%となっている。また、本発明5は、(補強層全幅BW/トレッド全幅TW)が80%となっている。また、本発明6は、(補強層全幅BW/トレッド全幅TW)が85%となっている。これらの比較例6、本発明4〜6の重荷重用空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表2に示す。
Figure 0004586518
表2に示した上記の試験結果で明らかなように、0度ベルト補強層20のタイヤ幅方向における幅である補強層全幅BWが適切な範囲、即ち、補強層全幅BWをトレッド全幅TWの75%〜85%の範囲で形成することにより、剛性を高くして径成長を抑制する範囲が適切になるので、ベルト層15などがさらに破損し難くなる。この結果、ベルト層15の耐久性を、より確実に向上させることができる。
以上のように、本発明にかかる重荷重用空気入りタイヤは、ベルト層を有する重荷重用空気入りタイヤに有用であり、特に、偏平率が70%以下の重荷重用空気入りタイヤに適している。
この発明に係る重荷重用空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図1の重荷重用空気入りタイヤの要部詳細図である。 0度ベルト補強層の形成範囲を示す図である。 補強層全幅がトレッド全幅の75%未満の場合の接地形状を示す図である。 補強層全幅がトレッド全幅の75%〜85%の範囲で形成されている場合の接地形状を示す図である。
符号の説明
1 重荷重用空気入りタイヤ
5 トレッド部
6 ショルダー部
7 溝部
10 サイドウォール部
11 カーカス
12 インナーライナ
13 ビード部
14 ビードコア
15 ベルト層
20 0度ベルト補強層
21 スチールコード
22 中央域コード
23 ショルダー域コード
30 赤道面
50 接地形状
51 中央域接地形状
52 ショルダー域接地形状
BC 補強層中央域
BS 補強層ショルダー域
BW 補強層全幅
TC トレッド中央域
TS トレッドショルダー域
TW トレッド全幅

Claims (3)

  1. トレッド部のタイヤ径方向内方に少なくとも2層のベルト層を有する重荷重用空気入りタイヤにおいて、
    記ベルト層の層間に、タイヤ周方向に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で形成されたコードを有する0度ベルト補強層が形成されており、
    前記0度ベルト補強層は、タイヤ径方向において隣接する前記ベルト層よりもタイヤ幅方向の幅が狭い幅で形成されると共に当該ベルト層に覆われるように形成され、さらに、前記0度ベルト補強層のタイヤ幅方向における中央部に位置する補強層中央域と、前記0度ベルト補強層のタイヤ幅方向において前記補強層中央域の両端に位置する補強層ショルダー域とを有しており、
    前記コードのうち、前記補強層中央域に形成される前記コードは中央域コードとして形成され、前記補強層ショルダー域に形成される前記コードはショルダー域コードとして形成されており、
    前記中央域コードは、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.3%以上となっており、
    前記ショルダー域コードは、400Nの張力で荷重をかけた際の伸びが1.0%以下となっていることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記0度ベルト補強層は、タイヤ幅方向の全幅が前記トレッド部の全幅の75%〜85%の範囲で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記補強層中央域は、タイヤ幅方向における幅が前記トレッド部の全幅の1/3〜2/3の範囲の幅となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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