JP5060779B2 - 安全タイヤ用空気のうおよび安全タイヤ - Google Patents

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この発明は、安全タイヤ用空気のうに関するものであって、より詳細には、タイヤ正常状態では、タイヤの継続走行に伴って生じる熱や空気のうの内圧に伴って生じる歪によるクラウン補強層のクリープ変形量を少なくして空気のうの径拡張を抑制し、かつ、タイヤパンク状態では、クラウン補強層を破断させて空気のうを速やかに拡径変形させるとともに、クラウン補強層のコードが破断する際に生じる被覆ゴムの亀裂が、チューブのゴムに伝播するのを有効に防止した安全タイヤ用空気のうおよび安全タイヤに関する。
従来の安全タイヤは、例えば、特許文献1に記載されているように、チューブレス空気入りタイヤ内に、該タイヤの少なくともクラウン部内面との間に所定の空洞が形成されるように、所定内圧を適用した空気のうを収納し、この空気のうが、前記空洞内の圧力が急激に低下したタイヤパンク状態にて、前記空洞内の圧力低下に伴う差圧の増加により拡径変形して荷重支持をタイヤから肩代わりする構造を有している。このような構造をもつ安全タイヤの空気のうは、通常、チューブの外周面にクラウン補強層を加硫接合させて一体化させて構成されている。
国際公開第98/23457号公報
しかしながら、チューブとクラウン補強層を一体化させて形成した空気のうだと、タイヤ空洞内の圧力が急激に低下したタイヤパンク状態では、前記空洞内の圧力低下に伴う空洞内圧力と空気のう内圧との差圧の増加により、チューブが拡径変形する際、クラウン補強層が破断する構成の場合には、クラウン補強層のコードの破断に伴う被覆ゴムの亀裂が、クラウン補強層の内面に加硫接合したチューブを構成する外面ゴムに伝播するおそれがあり、クラウン補強層のコード破断とともにチューブにも亀裂等の故障が生じる場合があった。
また、本出願人は、チューブの外面に、クラウン補強層を、非接着または弱い接着強度での接着により配置した安全タイヤ用補強空気のうを特許文献2において提案した。この空気のうを有する安全タイヤは、パンク孔からタイヤ内に入り込んだ異物の刺さり込み等によって補強層に亀裂が生じることがあっても、補強層への亀裂がチューブに伝播することを有効に抑制できる。
国際公開第02/096678号公報
しかしながら、特許文献2に記載された空気のうは、クラウン補強層のコードとして周方向伸長量が15%以上であるコードを用い、クラウン補強層がパンク時にチューブと共に伸張変形するように構成したものであり、この構成は、クラウン補強層のコードが破断するような構成に比べると、タイヤパンク時における空気のうの拡径変形がクラウン補強層を伸長変形させながら行わなければならない分だけ、拡径速度が遅くなる傾向があり、加えて、クラウン補強層のコード破断に伴う被覆ゴムの亀裂が生じるという課題は特許文献2には存在しない。
また、特許文献2は、チューブとクラウン補強層が直接接触する構成であり、クラウン補強層のゴム亀裂がチューブに伝播しないようにするため、チューブとクラウン補強層の双方を個別に加硫して、チューブとクラウン補強層同士が(加硫)接着しないようにしているものの、クラウン補強層の被覆ゴムとチューブの外面ゴムは、加硫後に積層したとしても、依然としてゴム同士で密着する傾向はあるため、仮に特許文献2記載の空気のうに、パンク時にクラウン補強層のコードが破断するような構成を採用したとしても、ゴム同士間の密着力により亀裂の伝播を十分に防止できない場合があった。
さらに、特許文献2には、クラウン補強層として、不織布を用いる場合も示されているが、この場合は、不織布の繊維が、継続走行によりタイヤに生じる熱や歪によるクリープ変形量が大きくなり、これに伴って、空気のうが拡径変形するとともに、空気のうの容積が増大して、タイヤ空洞内の圧力と空気のう内の圧力の差圧が小さくなり、差圧を適正に設定するための調圧の頻度が多くなり、最悪の場合には、空気のうをタイヤ内に適正形状で固定することができなくなる。
この発明の目的は、特に、タイヤ正常状態では、タイヤの継続走行に伴って生じる熱や空気のうの内圧に伴って生じる歪によるクラウン補強層のクリープ変形量を少なくして空気のうの径拡張を抑制し、かつ、タイヤパンク状態では、クラウン補強層を破断させて空気のうを速やかに拡径変形させるとともに、クラウン補強層のコードが破断する際に生じる被覆ゴムの亀裂が、チューブのゴムに伝播するのを有効に防止した安全タイヤ用空気のうおよび安全タイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明に従う安全タイヤ用空気のうは、タイヤ内に、該タイヤの少なくともクラウン部内面との間に所定の空洞が形成されるように、所定内圧を適用した状態で収納され、前記空洞内の圧力が急激に低下したタイヤパンク状態にて、前記空洞内の圧力低下に伴う差圧の増加により拡径変形して、荷重支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうであって、該空気のうは、不織布とゴムの複合材料からなる中空円環状をなすチューブと、該チューブのクラウン部の外周側に位置し、コードがチューブの周方向と実質上平行になるように配置されたコードゴム被覆層からなるクラウン補強層と、チューブとクラウン補強層との間に位置し、前記空洞内の圧力低下に伴う前記空洞内圧力とチューブ内圧との差圧の増加に伴って生じるクラウン補強層のコードの破断に起因した被覆ゴムの亀裂がチューブに伝播するのを防止する緩衝層とを具えることにある。
緩衝層は、チューブとクラウン補強層の双方に対し非接着特性を有することが好ましく、具体的には、ブチルゴムシートや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、セロハン、ポリ塩化ビニルデンまたはポリメチルペンテンのフィルムからなることがより好適である。
クラウン補強層のコードは、空洞内圧力が初期設定内圧の50%以下に低下し、かつ空洞内圧力と空気のう内圧の差圧が、初期設定差圧の1.5倍以上になったときに破断する物性をもつことが好ましく、例えば、有機繊維コードや低破断強力スチールコードであることがより好適である。
クラウン補強層の幅は、タイヤ内に収納された状態で初期設定内圧を適用した空気のうの横断面で見て、空気のう最大幅の60〜98%の範囲であることが好ましい。
クラウン補強層の外周側に、チューブとともにクラウン補強層を包囲する保護ゴム層を設けることが好ましく、この場合、保護ゴム層とクラウン補強層の間にも緩衝層を設けることがより好適である。
この発明によれば、タイヤ正常状態では、タイヤの継続走行に伴って生じる熱や空気のうの内圧に伴って生じる歪によるクラウン補強層のクリープ変形量を少なくして空気のうの径拡張を抑制し、かつ、タイヤパンク状態では、クラウン補強層を破断させて空気のうを速やかに拡径変形させるとともに、クラウン補強層のコードが破断する際に生じる被覆ゴムの亀裂が、チューブのゴムに伝播するのを有効に防止した安全タイヤ用空気のうおよび安全タイヤを提供することを可能にする。
図1は、この発明に従う安全タイヤの一例を示したものであり、図2は、図1に示す安全タイヤから空気のうだけを抜き出して示したものである。
図1に示す安全タイヤ1は、チューブレスタイヤ2と、このチューブレスタイヤ2内に収納された空気のう3とで主として構成され、ホイールリム4に装着したものである。
チューブレスタイヤ2は、図1では、その構成の詳細については省略しているが、一般的なチューブレス空気入りタイヤと同様、ビードコア、カーカス、ベルト、トレッドを少なくとも有するように構成したものを用いればよく、本発明では、その構成については特に限定はしない。
この安全タイヤ1は、チューブレスタイヤ2内に、該タイヤ2の少なくともクラウン部の内面2aとの間に所定の空洞Sが形成されるように、所定内圧Pを適用した状態で空気のう3が収納され、前記空洞S内の圧力Pが急激に低下した、いわゆるタイヤパンク状態にて、前記空洞S内の圧力低下に伴う差圧P−Pの増加により、空気のう3が拡径変形して、荷重支持をタイヤ2から肩代わりする構成を有する。
本発明の構成上の主な特徴は、空気のう3を、チューブ5とクラウン補強層6のほか、これらチューブ5とクラウン補強層6の間に、緩衝層7を配設することにある。
本発明は、特に、タイヤ正常状態では、安全タイヤ1の継続走行に伴って生じる熱や空気のう3の内圧に伴って生じる歪によるクラウン補強層6のクリープ変形量を少なくして空気のう3の径拡張を抑制し、かつ、タイヤパンク状態では、空気のう3の拡径変形を、クラウン補強層6のコード8を破断させることにより速やかに実現させるとともに、クラウン補強層6のコード8が破断する際に生じる被覆ゴム9の亀裂が、チューブ5のゴムに伝播するのを有効に防止することにある。
チューブ5は、不織布とゴムの複合材料からなる中空円環状をなす部材である。
クラウン補強層6は、チューブ5のクラウン部10の外周側に位置し、コード8がチューブ5の周方向と実質上平行になるように配置されたコードゴム被覆層からなる。なお、ここでいう「実質上平行」とは、クラウン補強層6の幅と同幅の広幅コードゴム被覆シートを、コードがチューブ5の周方向と平行になるように巻回して形成する場合のほか、後述するように、狭幅のコードゴム被覆シートをチューブの幅方向にずらしながららせん巻回して形成する場合も含めるためである。
緩衝層7は、チューブ5とクラウン補強層6との間に配置する。
本発明は、緩衝層7の配設により、チューブ5とクラウン補強層6とが緩衝層7を介して分離させることができ、これにより、タイヤパンク時に、タイヤ空洞S内の圧力低下に伴う前記空洞S内の圧力Pとチューブ5の内圧Pとの差圧P−Pの増加に伴って生じるクラウン補強層6のコード8の破断に起因した被覆ゴム9の亀裂Cが、図3(a)、(b)に示すように、緩衝層7で遮断されてチューブ5に伝播するのを有効に防止することができる。
ところで、正常状態の安全タイヤを継続走行すると熱が発生して空気のうを含めて安全タイヤ全体が高温になる。また、タイヤ内の空気のうには、タイヤ内で所定形状を保持するため、所定内圧が適用されており、これに伴って、空気のうには一定の歪が継続的に作用している。
このように熱と歪の継続作用下では、空気のうは、タイヤ正常状態であっても、クリープ変形によって空気のうが拡径変形しやすくなり、これに伴って、空気のうの容積が膨張して、タイヤ空洞S内の圧力Pと空気のう3内の圧力Pの差圧−Pが小さくなる傾向があり、この差圧が小さくなりすぎると、調圧を行わなければならない。
このため、空気のう3、特に空気のう3の拡径変形を抑制する部材であるクラウン補強層6は、これらの熱と歪の作用下で優れたクリープ特性を有することが必要である。
空気のう3のクラウン補強層101は、例えば図10で示すような不織布で構成すると、不織布を構成する繊維102がクラウン補強層101の伸長方向Tへの配向性を発現するまでは十分なクリープ特性を発現することはできない。
これに対し、本発明では、クラウン補強層6として、タイヤ正常状態では、空気のう3の内圧Pに対抗でき、かつ、タイヤパンク状態では、破断するような強力をもつコード8を、チューブ5の周方向と実質上平行になるように配置されたコードゴム被覆層とすることにより、タイヤ正常状態では、空気のうの拡径変形に対抗してクラウン補強層6が伸長する方向Tが、図9にクラウン補強層6の一部を切り出して示すように、コード8の延在方向と一致するため、安全タイヤ1の継続走行に伴って生じる熱や空気のう3の内圧に伴って生じる歪によるクラウン補強層6のクリープ変形量を少なくして空気のう3の径拡張を抑制しすることができ、かつ、タイヤパンク状態では、空気のう3の拡径変形を、クラウン補強層6のコード8を破断させることにより速やかに実現させるとともに、クラウン補強層6のコード8が破断する際に生じる被覆ゴム9の亀裂が、チューブ5のゴムに伝播するのを有効に防止することができるのである。
図8は、タイヤ正常状態で長距離継続走行したときの空気のうの外径増加(成長)量の変化について示したものであり、図8中において、発明例はクラウン補強層が低破断強力のPETコードとゴムの複合材料からなる場合、比較例はクラウン補強層がアラミド繊維の不織布とゴムの複合材料からなる場合である。図8に示すように、発明例は、比較例に比べて、タイヤ正常時における空気のうの外径成長量が小さいことがわかる。
緩衝層7は、チューブ5とクラウン補強層6の双方に対し、非接着特性を有することが、クラウン補強層6のコード8が破断する際に生じる被覆ゴム9の亀裂が、チューブ5のゴムに伝播するのを防止する点で好ましい。
非接着特性を有する緩衝層7としては、例えば、融点が110℃以上の材料であることが好ましい。融点が110℃未満だと、空気のうを加硫成形する際に緩衝層が溶融するおそれがあるため好ましくない。このような緩衝層7の好適例としては、例えば、厚さ0.5〜2.0mmのブチルゴムシートか、あるいは、厚さ0.02〜0.5mmのポリエチレンテレフタレート、セロハン、ポリ塩化ビニルデンまたはポリメチルペンテンのフィルムが挙げられる。
クラウン補強層6のコード8は、タイヤ空洞S内の圧力Pが初期設定内圧の50%以下に低下し、かつタイヤ空洞S内の圧力Pと空気のう3の内圧Pの差圧P−Pが、初期設定差圧の1.5倍以上になったときに破断する物性をもつことが、正常状態のタイヤにおいて自然に空気が抜ける場合に、空気のうが誤作動して拡径変形するのを防止する点で好ましい。タイヤがパンクしていない正常状態であっても、タイヤ空洞S内の圧力Pが、初期設定内圧の50%超えの範囲に低下する場合や、タイヤ空洞S内の圧力Pと空気のう3の内圧Pの差圧P−Pが、初期設定差圧の1.5倍以上になる場合は想定されるからである。
クラウン補強層6のコード8としては、タイヤパンク時に破断するような低破断強力f、好適には600〜1800Nの低破断強力fをもつPET、ナイロン等の有機繊維コードや、単繊維の構造をもつスチールコードを用いることが好ましい。
なお、ここでいう「破断強力f」は、クラウン補強層6の単位幅当り(1cm当り)の破断強力を意味する。例えば、2つの曲率(周方向の曲率半径Rおよび幅方向の局率半径R)を有する厚さtのシェル(チューブ5)に内圧P(P=P−P)が充填されている場合の周方向応力σおよび幅方向応力σは、
P/t=σ/R+σ/R
で表わされ、Rを無限大(偏平形状でほぼフラット)と仮定し、σとtの積を破断強力fであると考えると、
破断強力f=R×Pで表わされる。
従って、破断強力fは内圧上記式によって算出される。
クラウン補強層6の幅Wは、タイヤ2内に収納された状態で初期設定内圧を適用した空気のう3の横断面で見て、空気のう3の最大幅Wmaxの60〜98%の範囲であることが好ましい。クラウン補強層6の幅Wが空気のう3の最大幅Wmaxの60%未満だと、空気のうのクラウン部の径拡張抑制効果を十分に発揮できなくなるおそれがあるからであり、また、98%を超えると、チューブ5の外周にクラウン補強層6を配設することが現実的に難しくなるからである。
また、他の実施形態としては、図4に示すように、クラウン補強層6の外周側に、チューブ5とともにクラウン補強層6を包囲する保護ゴム層11を設けることが、対外傷性向上や外観向上の点で好ましい。この場合、保護ゴム層11とクラウン補強層6の間にも緩衝層12を設けることが、破断部が外面に表れなくなる点で好ましい。
さらに、図6は、狭幅コードゴム被覆シート13をチューブ外周面側にチューブの幅方向にずらしながららせん巻回することにより、クラウン補強層6を形成したときの例を示したものであり、また、図7は、緩衝層7を内面側に一体化した狭幅コードゴム被覆シート14をチューブ外周面側にチューブの幅方向にずらしながららせん巻回することにより、クラウン補強層を形成したときの例を示したものである。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、この発明に従う安全タイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下で説明する。
実施例1
実施例1の安全タイヤは、図1に示すタイヤ構造を有し、タイヤサイズが495/45R22.5であり、空気のうを構成する緩衝層を、厚さ30μmのポリメチルペンテンフィルムとし、クラウン補強層のコードをPETコードとし、クラウン補強層の幅W(360mm)を空気のうの最大幅Wmax(400mm)の90%とした。クラウン補強層の破断強力fは1000N/cmであった。その他のタイヤ構造については、一般の空気入りタイヤと同様に構成した。
実施例2
実施例2の安全タイヤは、緩衝層を、厚さ1.0mmのブチルゴムシートとしたことを除いては実施例1の安全タイヤと同様の構成とした。
実施例3
実施例3の安全タイヤは、クラウン補強層のコードを単繊維の低破断強力スチールコードと、クラウン補強層の破断強力fが1500N/cmであることを除いては実施例1の安全タイヤと同様の構成とした。
実施例4
実施例4の安全タイヤは、図4に示すように保護ゴムシートを設けたことを除いては実施例1の安全タイヤと同様の構成とした。
実施例5
実施例5の安全タイヤは、図5に示すように保護ゴムシートとクラウン補強層の間に、緩衝層7と同様の緩衝層を設けたことを除いては実施例4の安全タイヤと同様の構成とした。
比較例1
比較例1の安全タイヤは、タイヤサイズが495/45R22.5であり、緩衝層を配設せず、クラウン補強層を、アラミド繊維の不織布とゴムとの複合材料からなり、クラウンが破断せず伸張変形することを除いては実施例1の安全タイヤと同様の構成とした。
比較例2
比較例2の安全タイヤは、タイヤサイズが495/45R22.5であり、緩衝層を配設しないことを除いては実施例1の安全タイヤと同様の構成とした。
(性能評価)
上記各供試安全タイヤを標準リムに装着し、タイヤ空洞内の圧力Pを900kPaとし、空気のうの内圧Pを970kPaと初期設定値に調圧した後、タイヤパンク状態を想定して、タイヤ空洞内の空気を短時間(0.5秒と2.0秒の2種類)で0kPaになるまで外部に排出させて空気のうを拡径変形させた後、空気のうを取り出してチューブの亀裂等の故障の有無を調査した。また、正常状態の安全タイヤにおいて、10万km継続走行した後の、空気のうの外径寸法を測定し、初期設定時の外径寸法に対する増加率(%)(図8の空気のうの外径増加量と同義)を算出した。表1にそれらの評価結果を示す。
Figure 0005060779
表1に示す評価結果から、実施例はいずれも、タイヤ正常状態での空気のうの外径増加率が小さく、タイヤパンク後のチューブのゴム亀裂も認められなかった。
一方、比較例1は、タイヤパンク後のチューブのゴム亀裂は認められなかったものの、タイヤ正常状態での空気のうの外径増加率が大きかった。また、比較例2は、タイヤ正常状態での空気のうの外径増加率は小さいものの、タイヤパンク後のチューブにクラウン補強層のゴム亀裂が伝播してチューブが破断した。
この発明によれば、タイヤ正常状態では、タイヤの継続走行に伴って生じる熱や空気のうの内圧に伴って生じる歪によるクラウン補強層のクリープ変形量を少なくして空気のうの径拡張を抑制し、かつ、タイヤパンク状態では、クラウン補強層を破断させて空気のうを速やかに拡径変形させるとともに、クラウン補強層のコードが破断する際に生じる被覆ゴムの亀裂が、チューブのゴムに伝播するのを有効に防止した安全タイヤ用空気のうおよび安全タイヤを提供することを可能にする。
この発明に従う安全タイヤの幅方向断面図である。 図1の安全タイヤから抜き出した空気のうの幅方向断面図である。 タイヤパンク時にクラウン補強層が破断する状態を説明する図である。 空気のうの他の実施形態を示す幅方向断面図である。 空気のうの他の実施形態を示す幅方向断面図である。 空気のうの他の形成態様を説明するための図である。 空気のうの他の形成態様を説明するための図である。 クラウン補強層の耐クリープ特性を示すための図である。 本発明に用いるクラウン補強層に作用する方向をクリープ特性との関係で説明するための図である。 不織布とゴムの複合材料で形成した従来のクラウン補強層に作用する方向をクリープ特性との関係で説明するための図である。
符号の説明
1 安全タイヤ
2 チューブレスタイヤ
3 空気のう
4 ホイールリム
5 チューブ
6 クラウン補強層
7 緩衝層
8 コード
9 被覆ゴム
10 チューブのクラウン部
11 保護ゴム層
12 緩衝層
13 狭幅コードゴム被覆シート
14 狭幅コードゴム被覆シート

Claims (10)

  1. タイヤ内に、該タイヤの少なくともクラウン部内面との間に所定の空洞が形成されるように、所定内圧を適用した状態で収納され、前記空洞内の圧力が急激に低下したタイヤパンク状態にて、前記空洞内の圧力低下に伴う差圧の増加により拡径変形して、荷重支持をタイヤから肩代わりする安全タイヤ用空気のうにおいて、
    該空気のうは、
    不織布とゴムの複合材料からなる中空円環状をなすチューブと、
    該チューブのクラウン部の外周側に位置し、コードがチューブの周方向と実質上平行になるように配置されたコードゴム被覆層からなるクラウン補強層と、
    チューブとクラウン補強層との間に位置し、前記空洞内の圧力低下に伴う前記空洞内圧力とチューブ内圧との差圧の増加に伴って生じるクラウン補強層のコードの破断に起因した被覆ゴムの亀裂がチューブに伝播するのを防止する緩衝層と、
    を具え
    前記クラウン補強層のコードは、前記空洞内圧力が初期設定内圧の50%以下に低下し、かつ前記空洞内圧力と空気のう内圧の差圧が、初期設定差圧の1.5倍以上になったときに破断する物性をもつ
    ことを特徴とする安全タイヤ用空気のう。
  2. 緩衝層は、チューブとクラウン補強層の双方に対し非接着特性を有する請求項1記載の安全タイヤ用空気のう。
  3. 緩衝層は、ブチルゴムシートからなる請求項1または2記載の安全タイヤ用空気のう。
  4. 緩衝層は、ポリエチレンテレフタレート、セロハン、ポリ塩化ビニルデンまたはポリメチルペンテンのフィルムからなる請求項1または2記載の安全タイヤ用空気のう。
  5. クラウン補強層のコードは有機繊維コードである請求項1〜4のいずれか1項に記載の安全タイヤ用空気のう。
  6. クラウン補強層のコードは低破断強力スチールコードである請求項1〜4のいずれか1項に記載の安全タイヤ用空気のう。
  7. クラウン補強層の幅は、タイヤ内に収納された状態で初期設定内圧を適用した空気のうの横断面で見て、空気のう最大幅の60〜98%の範囲である請求項1〜のいずれか1項記載の安全タイヤ用空気のう。
  8. クラウン補強層の外周側に、チューブとともにクラウン補強層を包囲する保護ゴム層を設ける請求項1〜のいずれか1項記載の安全タイヤ用空気のう。
  9. 保護ゴム層とクラウン補強層の間にも緩衝層を設ける請求項8に記載の安全タイヤ用空気のう。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載の空気のうを用いた安全タイヤ。
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