JP2008290540A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】カーカスコードのピンチカットを効果的に防止する。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつ前記トレッド部2の内部に配されたベルト層7とを含む空気入りタイヤ1であって、タイヤ内腔iのバットレス領域A1又はビード領域A2の少なくとも一方の領域に、タイヤ周方向にのびるクッションゴム体10、11が設けられる。該クッションゴム体10、11は、タイヤ周方向に対して45゜以内の角度で配向された短繊維で補強された短繊維補強ゴムからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーカスコードのピンチカットを効果的に防止しうる空気入りタイヤに関する。
乗用車の高性能化に伴い、自動車用の空気入りタイヤの偏平化が進んでいる。近年では、偏平率が50%ないしそれ以下の低偏平空気入りタイヤが種々提案されている。
しかしながら、このような低偏平の空気入りタイヤは、サイドウォール部の半径方向の高さが小さい。従って、縁石のような突起にタイヤを乗り上げた場合又は路面上のポットホールといった大きな凹みにタイヤを落とし込んだ場合、タイヤ内腔側のバットレス領域とビード領域とが接触する場合がある。この際、路面とリムフランジとの間でカーカスコードが強く挟まれと、該カーカスコードが切断される場合がある。このような損傷は、一般に、ピンチカットと呼ばれ、とりわけタイヤの内圧が低い場合に生じやすい。また、ピンチカットが生じた状態で走行を続けると、タイヤの破損を招くおそれがある。
このようなピンチカットを防止する技術として、カーカス外側のバットレス領域及びビード領域それぞれにコード補強層を配置することが提案されている(下記特許文献1参照)。この提案では、ある程度の効果が認められるが、乗り心地が悪化するという欠点があり、さらなる改善の余地があった。
特開2004−168113号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、タイヤ内腔側のバットレス領域又はビード領域の少なくとも一方の領域に、タイヤ周方向にのびるクッションゴム体を設け、かつ該クッションゴム体に短繊維で補強された短繊維補強ゴムを用いることを基本として、乗り心地の悪化を抑制しつつ耐ピンチカット性能を向上しうる空気入りタイヤの提供を主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されたベルト層とを含む空気入りタイヤであって、タイヤ内腔側のバットレス領域又はビード領域の少なくとも一方の領域に、タイヤ周方向にのびるクッションゴム体が設けられ、かつ前記クッションゴム体は、タイヤ周方向に対して45゜以内の角度で配向された短繊維で補強された短繊維補強ゴムからなることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記各クッションゴム体は、厚さが0.5〜3.0mmである請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態におけるタイヤ子午線断面において、前記バットレス領域にバットレス側のクッションゴム体が設けられるとともに、該バットレス側のクッションゴム体は、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向内側に5mmの位置P1と、ビードベースラインからタイヤ断面高さの0.6倍の高さの位置P2との間を少なくとものびる請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態におけるタイヤ子午線断面において、前記ビード領域にビード側のクッションゴム体が設けられるとともに、該ビード側のクッションゴム体は、ビードベースラインからタイヤ断面高さの0.3倍の高さの位置P3と、ビードベースラインからタイヤ断面高さの0.1倍の高さの位置P4との間を少なくとものびる請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記短繊維補強ゴムは、ゴムポリマー100質量部中に10〜30質量部の短繊維を含み、かつ、該短繊維がタイヤ周方向に対して30゜以内の角度で配向されている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ内腔側のバットレス領域又はビード領域の少なくとも一方の領域に、タイヤ周方向にのびるクッションゴム体が設けられる。このため、例えばタイヤが縁石に乗り上げることにより、タイヤ内腔側のバットレス領域とビード領域とが接触した場合でもあっても、クッションゴム体が衝撃を吸収緩和し、ひいてはカーカスコードへの外力の伝達を緩和吸収しうる。これにより、カーカスコードのピンチカットが抑制される。
また、クッションゴム体は、タイヤ周方向に対して45゜以内の角度で配向された短繊維で補強された短繊維補強ゴムからなる。このようなクッションゴム体は、タイヤが縁石等に乗り上げたときに、短繊維が抵抗となってサイドウォール部の局部的な凹みを抑制するとともに、そのゴム厚さが薄くなるのが防止される。これにより、前記作用を確実に発揮させ得る。また、前記短繊維は、タイヤ周方向に対して45゜以内の角度で配向されているため、タイヤの半径方向の剛性を過度に高めることがない。従って、乗り心地の悪化を抑制するのにも役立つ。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は本実施形態の空気入りタイヤ1の正規状態の右半分断面図、図2はそのX視図をそれぞれ示す。ここで、正規状態とは、タイヤを正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態とする。
また、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。
本実施形態において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、前記カーカス6の内側でトロイド状に配されかつ空気非透過性に優れたゴムからなるインナーライナー9とを含んだチューブレスタイプの乗用車用のラジアルタイヤとして構成される。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。前記カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロン、レーヨン又はアラミドなどの有機繊維コードや必要によりスチールコードが採用される。
また、前記カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。なお前記カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックス8が配され、ビード部4の曲げ剛性が補強される。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道に対して例えば10〜35°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。なお、タイヤ半径方向内側のベルトプライ7Aは、外側のベルトプライ7Bに比べ広い幅で形成される。従って、内のベルトプライ7Aのタイヤ軸方向の外端がベルト層7の外端7eを構成する。前記ベルトコードは、本例ではスチールコードを採用しているが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いられる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤ内腔i側のバットレス領域A1に、タイヤ周方向に連続してのびる環状のバットレス側のクッションゴム体10が設けられる。ここで、バットレス領域A1は、サイドウォール部3(ただし、模様や文字部分、リムプロテクタなどは除かれる。)が最もタイヤ軸方向外側に突出するタイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向外側のサイドウォール領域とする。さらに、本実施形態の空気入りタイヤ1は、タイヤ内腔i側のビード領域A2に、タイヤ周方向に連続してのびる環状のビード側のクッションゴム体11が設けられる。ここで、ビード領域A2とは、前記タイヤ最大幅位置Mよりもタイヤ半径方向内側の領域とする。
このような空気入りタイヤ1は、例えば図3に示されるように、タイヤ1が縁石Bなどの突起物に乗り上げたような場合、ともにタイヤ内腔面に露出して設けられた上述のバットレス側のクッションゴム体10とビード側のクッションゴム体11とが互いに接触して衝撃を吸収することにより、カーカスコードへの外力の伝達を緩和吸収できる。これにより、縁石BとリムJとの間でカーカスコードが強く挟まれることによる該カーカスコードの切断(ピンチカット)が効果的に防止される。なお、本実施形態では、バットレス領域A1及びビード領域A2の両方にクッションゴム体10及び11が設けられた態様に基づいて説明されるが、いずれか一方の領域にクッションゴム体が設けられていれば、実質的に上記と同様の作用を得ることができる。
また、発明者らは、種々のサイズのタイヤと実車を使用して縁石への乗り上げ時やポットホールの通過時におけるタイヤ内腔面の接触領域を調べたところ、それらは概ね一定の領域に集中していることが確認された。そして、これらの知見に基づき、タイヤ内腔側の接触領域に各クッションゴム体10又は11を配することが望ましい。即ち、図1に示されるように、バットレス側のクッションゴム体10は、前記正規状態において、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端7eよりもタイヤ軸方向内側に5mmの位置P1と、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さの0.6倍の高さの位置P2との間を少なくとものびるように配置されるのが望ましい。同様に、ビード側のクッションゴム体11は、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さの0.3倍の高さの位置P3と、ビードベースラインBLからタイヤ断面高さの0.1倍の位置P4との間を少なくとものびるように配置されるのが望ましい。
また、各クッションゴム体10及び11の厚さtは、特に限定されないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.5mm以上が望ましい。前記厚さtが、0.5mm未満のクッションゴム体10及び11では、タイヤ内腔iにおけるバットレス領域A1とビード領域A2との接触時に十分な衝撃緩和能力が得られず、ひいては耐ピンチカット性能の向上が期待できないおそれがある。逆に前記厚さtが大きすぎると、タイヤ重量の増加による燃費性能の悪化や、乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、各クッションゴム体10及び11の前記厚さtは、好ましくは3.0mm以下が望ましい。各クッションゴム体10及び11は、一定の厚さで形成されても良いが、本実施形態ではほぼ一定の厚さtで形成された中央部分から両端に向かって厚さが漸減するように形成される。これにより、クッションゴム体10及び11の端部での応力集中などが効果的に抑制される。このような態様では、前記中央部分の最大厚さが前記数値範囲を満たすことが望ましい。
また、前記正規状態において、両クッションゴム体10及び11は、互いに接することなく離間して配される。これにより、図1に示されるように、前記タイヤ最大幅位置Mを含む領域Yは、クッションゴム体10及び11によって過度に曲げ剛性等が高められることがない。従って、通常走行時の乗り心地の著しい悪化やタイヤの重量増加も抑制される。
また、本実施形態の各クッションゴム体10及び11は、図2に示されるように、タイヤ周方向Lに対して45゜以内の角度で配向された短繊維fで補強された短繊維補強ゴムから形成される。図4(a)に示されるように、短繊維が配合されていないゴム材r1に曲げモーメントmを与えた場合、その屈曲中心部Nではゴム厚さが減少する傾向があり、ひいては十分な衝撃吸収作用を発揮できないおそれがある。しかし、図4(b)に示されるように、短繊維fが配向された補強ゴムr2を同様に曲げた場合、短繊維fが抵抗となって各クッションゴム体10及び11の厚さの減少が抑えられる。これにより、図3に示した状況においても、各クッションゴム体10及び11の厚さを適正に保持し、前述の衝撃吸収作用を確実に発揮させ得る。
また、クッションゴム体10及び11の短繊維fがタイヤ周方向と平行に近い角度で配向されることにより、該短繊維fがクッションゴム体10及び11のタイヤ半径方向の剛性を過度に高めることがない。従って、乗り心地が悪化するのを防止できる。さらに、短繊維補強ゴムからなる各クッションゴム体10及び11は、ゴムに比べて十分に大きい引張弾性率を有する短繊維fによって、バットレス領域A1及びビード領域A2それぞれの曲げ剛性を高める。即ち、図3に示されるように、各クッションゴム体10及び11は、例えば縁石乗り上げ時のバットレス領域A1の反り返るような変形及びビード領域A2のリムフランジJFを支点とする反り返る向きの変形に対する抵抗として機能する。従って、本実施形態の空気入りタイヤ1は、縁石等に乗り上げた際、ピンチカットを生じさせるようなサイドウォール部3の大きな曲げ変形自体を抑制できる。
また、短繊維fがタイヤ周方向Lに対して45゜以内に配向されているとは、ゴム中に含まれる短繊維fの70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上が、その長手方向をタイヤ周方向Lに対して45゜以内の角度で同じ向きに配向されていることを言う。ただし、上述のようなクッションゴム体10及び11の変形時の厚さ変化の防止及び曲げ剛性向上という効果をより確実に発揮させるためには、前記短繊維fは、タイヤ周方向Lに対して30゜以内、より好ましくは20゜以内の角度θで配向されることが望ましい。また、タイヤ周方向とは、図4に示されるようなタイヤの円周方向であるが、短繊維fの前記角度は、タイヤ周方向に引いた接線CLと短繊維fとのなす角度θとして測定される。
また、短繊維補強ゴムは、例えばゴムポリマー100質量部に対して短繊維fを10質量部以上、より好ましくは15質量部以上含むことが望ましく、また、上限に関しては、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下で含むことが望ましい。前記短繊維fが10質量部未満では、クッションゴム体10及び11に上述の作用を発揮させるのが難しくなる傾向があり、逆に30質量部を超えるとクッションゴム体10及び11の耐クラック性などが低下する傾向がある。
また短繊維補強ゴムに用いられるゴム基材としては、特に限定されないが、例えばジエン系ゴムが好ましく、より具体的には天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどの1種又は2種以上をブレンドして用いられるのが望ましい。
前記短繊維fとしては、ゴムとの接着性に優れた非金属性のものが好ましく、具体的には、ナイロン、ポリエステル、アラミド、レーヨン、ビニロン、芳香族ポリアミド、コットン、セルロース樹脂又は結晶性ポリブタジエンなどの有機の短繊維や、ボロン、グラスファイバー又はカーボンファイバーといった無機の短繊維が挙げられる。また、短繊維fは、これらを単独で又2種以上を組み合わせて使用されても良い。特に好ましくは、耐水性に優れたナイロン繊維などが好適である。とりわけ、バットレス側のクッションゴム体10には、ビード側のクッションゴム体11よりも弾性率が小さい短繊維を用いるのが望ましい。これにより、乗り心地に影響を与えやすいバットレス領域A1の剛性が過度に高められるのを防止しうるとともに、操縦安定性に影響を与えやすいビード領域A2の剛性を相対的に高め得る。つまり、乗り心地と操縦安定性とがバランス良く向上される。このような態様の一例としては、バットレス側のクッションゴム体10には、例えばナイロン又はポリエステルのような短繊維が望ましい一方、ビード側のクッションゴム体11には、例えばアラミド、ガラス又はカーボンといった短繊維が望ましい。なお短繊維にはゴムポリマーとの接着性を向上させるために必要な表面処理などが施されても良い。
また、特に限定されるものではないが、短繊維fは、例えば平均繊維径が1〜100μ、平均長さが0.1〜5mmであることが望ましい。前記平均繊維径が1μ未満又は前記長さが0.1mm未満であると、クッションゴム体の曲げ剛性を向上させる効果が低下する傾向があり、逆に平均繊維径が100μよりも大又は前記長さが5mmよりも大であると、短繊維fが大きくなりすぎてゴムとの接着性が低下し耐摩耗性や耐クラック性が低下する傾向がある。
また、短繊維補強ゴムの硬さも特に限定されないが、該硬さが大きすぎると、衝撃吸収作用を十分に発揮できないおそれがあり、逆に小さすぎると、縁石乗り上げ時等の衝撃によって摩耗等損傷が生じるおそれがある。このような観点より、短繊維補強ゴムの硬さ(JISデュロメータA硬さ)は、好ましくは30度以上、より好ましくは40度以上が望ましく、また、好ましくは60度以下、より好ましくは50度以下が望ましい。
また、図4に示されるように、バットレス側のクッションゴム体10及びビード側のクッションゴム体11は、いずれも同じ方向に短繊維fが傾けられている。従って、縁石乗り上げ時等に前記クッションゴム体10及び11が接触する際、互いの短繊維fは、交差する向きで接触する。上述の如く短繊維fはゴム部分に比べると変形し難いので、短繊維fを交差させて接触させることにより、各クッションゴム体10及び11の重なり厚さの減少を効果的に防止しうる。なお、これとは逆に、互いに向き合う短繊維fが平行になると、これらが互いに噛み合うように接触してクッションゴム体10及び11の重なり厚さを小さくするおそれがある。これは、ピンチカットの防止には不利となるため、好ましくない。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、図示された具体的な実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
タイヤサイズが225/45R17の乗用車用ラジアルタイヤが表1の仕様により試作され、それらの耐ピンチング性、耐ピンチカット性能及び乗り心地についてテストが行われた。
共通仕様として、カーカスは、タイヤ赤道に対し90゜の角度で傾けたポリエステルコードからなる1枚のカーカスプライからなり、ベルト層にはスチールコードの2プライ構造とした。またカーカスプライの折返し部の高さはビードベースラインBLからタイヤ断面高さHの0.5倍とした。また、短繊維補強ゴムの共通仕様は下記の通りである。
短繊維補強ゴムの硬さ:45度
短繊維の材料:ナイロン
短繊維の平均長さ:3mm
短繊維の平均繊維径:50μm
ゴムポリマー100質量部中の短繊維の配合量:20質量部
なお、実施例5、6、8及び9は、図4の視点において、バットレス側及びビード側の各クッションゴム体の短繊維が平行(接触時は交差する)であり、実施例10については逆向き(接触時に平行となる)とした。
テスト方法は次の通りである。
<耐ピンチング性>
タイヤをリムに組み付けて垂直に立てて保持するとともに、平板状の錘(重量:250kg)を10cm上方から自由落下させてトレッド部に衝突させる。タイヤにクラックが発生するまでこれを繰り返し、破壊エネルギーを求めた。結果は、比較例1を100とする指数で表示されており、数値が大きい程良好である。
リム:17×8JJ
内圧:180kPa
<耐ピンチカット性能>
排気量2000cm3 の国産FF車の前輪にテストタイヤを下記の条件で装着し、図5に示されるように、テストタイヤを縁石に対して45゜の角度でかつ速度5km/hで進入させて乗り上げさせた。縁石は、高さ及び幅がいずれも110mmである。そして、縁石に乗り上げた後、ピンチカットの有無(サイドウォール部に気泡状の膨らみの有無で確認)が調べられた。そして、このようなテストが、ピンチカットが生じるまで、進入速度を5km/hきざみで増加させながら行われた。結果は、ピンチカットが生じた速度で表示されており、数値が大きいほど耐ピンチカット性能に優れる。
リム:17×8JJ
内圧:180kPa
<乗り心地>
排気量2000cm3 の国産FF車に、試験タイヤを4輪装着し、タイヤテストコースのドライアスファルト路面上にて、乗り心地と、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する操縦安定性とをドライバーの官能評価により評価し、比較例1を100とする評点で表示した。数値が大きいほど良好である。
リム:17×8JJ
内圧:180kPa
テストの結果を表1に示す。
Figure 2008290540
テストの結果、実施例のものは、乗り心地、操縦安定性を維持しつつ耐ピンチカット性能を向上していることが確認できた。
本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの断面図である。 そのX視図である。 縁石に乗り上げた状態を示すタイヤの断面図である。 (a)は短繊維を含まないゴムの曲げ変形状態を示す断面図、(b)は短繊維補強ゴムの同断面図である。 耐ピンチカット性能のテスト方法を説明する平面図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
7 ベルト層
9 インナーライナー
10 バットレス側のクッションゴム体
11 ビード側のクッションゴム体

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されたベルト層とを含む空気入りタイヤであって、
    タイヤ内腔側のバットレス領域又はビード領域の少なくとも一方の領域に、タイヤ周方向にのびるクッションゴム体が設けられ、かつ
    前記クッションゴム体は、タイヤ周方向に対して45゜以内の角度で配向された短繊維で補強された短繊維補強ゴムからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記各クッションゴム体は、厚さが0.5〜3.0mmである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態におけるタイヤ子午線断面において、
    前記バットレス領域にバットレス側のクッションゴム体が設けられるとともに、該バットレス側のクッションゴム体は、前記ベルト層のタイヤ軸方向の外端よりもタイヤ軸方向内側に5mmの位置P1と、ビードベースラインからタイヤ断面高さの0.6倍の高さの位置P2との間を少なくとものびる請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填された正規状態におけるタイヤ子午線断面において、
    前記ビード領域にビード側のクッションゴム体が設けられるとともに、該ビード側のクッションゴム体は、ビードベースラインからタイヤ断面高さの0.3倍の高さの位置P3と、ビードベースラインからタイヤ断面高さの0.1倍の高さの位置P4との間を少なくとものびる請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記短繊維補強ゴムは、ゴムポリマー100質量部中に10〜30質量部の短繊維を含み、かつ、該短繊維がタイヤ周方向に対して30゜以内の角度で配向されている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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