JP2002166711A - 安全タイヤ - Google Patents
安全タイヤInfo
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Abstract
で、材質面で経済的で、低燃費性能にすぐれ、高い安全
性を発揮する安全タイヤを提供する。 【解決手段】 トレッド2と、サイドウォール3および
ビード部4とを具えるタイヤ1の内側に、タイヤ1とは
別体をなす、円環形状の空気のう8を収納してなるもの
であり、空気のう8の、少なくとも外周部分に、不織布
とゴムとの複合体になる補強層9を配設し、不織布を形
成するフィラメントの長さを20〜80mmの範囲とす
るとともに、そのフィラメントの弾性率Ef(GPa)
の、フィラメント密度ρ(g/cm3)に対する比を3
0以上とする。
Description
よって、タイヤの内圧がたとえば急激に低下してもなお
継続的な走行を可能とした、タイヤに関するものであ
る。
ができる場所までの相当距離を安全に継続走行できるよ
うにしたランフラットタイヤまたは安全タイヤは、従来
から各種のものが研究され、開発されており、たとえ
ば、補強チューブ、多重室チューブ、充填チューブ、折
り畳みチューブ等、チューブ自体に工夫を施したランフ
ラットタイヤや、シーラント剤塗布タイヤ、充填タイ
ヤ、中子内蔵型タイヤ等が知られている。また、近年、
特開平7−276931号公報では、外部タイヤの内部
に、これよりも小さい内部タイヤを入れた二重構造の安
全タイヤが報告されている。
のタイヤは、製造方法、補助部材の材質等が特殊で作り
にくく、かつ、ホイールリムへの装着や取扱いに難点が
ある場合が多く、たとえば、チューブ改良型のランフラ
ットタイヤで、多重室式のものは、チューブの製造が非
常に難しく、非現実的であり、まり、シーラント剤塗布
タイヤや充填タイヤでは、シーラント剤の注入方法や材
料の開発が難しく、中子内蔵型タイヤでは、その中子
の、リムへの装着に難点があった。さらに、スポンジ充
填、弾性体充填等のムースタイプの安全タイヤも製造が
難しく、また、形状の制御や安定化も困難であった。
記載された後者の安全タイヤは、タイヤを二重構造とす
ることからその分タイヤが重くなり、低燃費性能に問題
があった。
もに、製造および、リムへの装着が容易で、材質面でも
経済的であり、低燃費性能を損なうことがなく、しかも
優れた安全性を発揮できる安全タイヤを提供することを
目的とする。
ヤは、トレッドと、一対のサイドウォールおよびビード
部とを具えるタイヤの内側に、タイヤとは別体をなす、
円環形状の空気のうを収納してなり、タイヤおよび空気
のうのそれぞれへの所定内圧の充填姿勢で、空気のうの
外周面をトレッド内周面から離隔させて位置させる一
方、タイヤ内圧の、大気圧への低減に当り、空気のうの
拡径変形下で、空気のうの外周面をトレッド内周面に密
着させるものであり、空気のうの、少なくとも外周部分
に、不織布とゴムとの複合体になる一層以上の補強層を
配設し、その不織布を形成するフィラメントの長さを2
0〜80mmの範囲とするとともに、不織布を形成する
フィラメントの弾性率Ef(GPa)の、そのフィラメ
ントの密度ρ(g/cm3)に対する比を30以上とし
たものである。
ムを含浸させた不織布の単層または積層構造体を意味す
るものとする。この場合、複合体は、ゴム組成物中に目
付が10〜300g/m2の範囲の不織布を有すること
が好ましく、また、不織布を形成するフィラメントは、
0.0001〜0.2mmの最大径を有することが好ま
しい。
気のうの構造が簡単であり、それの製造およびリムへの
装着が容易である他、材質上の経済性にすぐれるととも
に、空気のう重量の抑制下で、すぐれた低燃費性能を発
揮させることができる。
て所定の内圧を充填されたタイヤがパンク等に起因する
内圧の洩出を生じる以前は、そのタイヤによって荷重を
十分に支持することができ、この場合、タイヤ内の空気
のうは、これも内圧の充填下で、その全周にわたってト
レッド内周面から離隔して位置するので、トレッド内周
面はもちろん、空気のう、とくにはその外周部分の、不
測の摩耗が有効に防止されることになり、空気のうは、
後述するそれ本来の機能を、すぐれた耐久性の下に十分
に発揮することができる。
の内圧が大気圧まで低下した場合には、空気のうの外周
部分に配設した補強層の、内外の圧力差に起因する伸長
変形の下に空気のうそれ自体が拡径変形し、これによ
り、圧潰変形されたタイヤのトレッド内周面に密着し
て、タイヤが支持していた荷重を、その空気のうで肩代
わり支持するので、タイヤがパンク等してなお、安全な
継続走行を実現することができる。ところで、この安全
タイヤでは、補強層を、不織布とゴムとの複合体にて構
成しているので、タイヤの圧潰変形下での上述したよう
なランフラット走行に際し、不織布フィラメントの交錯
構造を、周上で均一に変化させて、空気のうの、全体に
わたる均一な拡張をより確実なものとすることができ
る。
メントの長さを20〜80mmの範囲とすることで、タ
イヤ内圧の低下時の空気のうの拡径変形、ひいては、膨
張を所期した通りにコントロールするとともに、その膨
張を、空気のうの全周にわたって均一にかつ円滑に行わ
せることができる。
層のわずかな伸長変形によってフィラメント相互の拘束
が解けるため、空気のうがそれの作用状態まで膨張する
より先に、その空気のうに対する補強層の制限が及ばな
くなり、以後は空気のうが自由に膨張変形するため、空
気のうの膨張態様および形状の特定が困難になる。一
方、フィラメント長さが80mmを越えると、フィラメ
ントの絡みあいが複雑かつ密になりすぎるため、空気の
うの膨張に際する円滑な変形が困難になるとともに、全
周にわたる均一な変形が困難になり、局部的な膨張変形
に起因する応力集中によって空気のうの早期の破損が生
じることになる。
るフィラメントの弾性率Ef(GPa)の、そのフィラ
メントの密度ρ(g/cm3)に対する比、すなわちE
f/ρを30以上とすることで、通常走行時における、
空気のうの適正なる拡径変形を担保する。つまり、その
比が30未満では、フィラメントの弾性率が小さくなっ
て、タイヤの正常時の、空気のうの拡径変形を十分に拘
束することが難しくなる。この一方で、弾性率の低さを
フィラメントの本数増加、いいかえれば密度増加をもっ
て補う場合には、補強層の重量が大きくなって、空気の
うに対する変形拘束力が小さくなる他、発熱量も多くな
る。
に示すところに基づいて説明する。図1はこの発明の実
施の形態を所定内圧の充填姿勢で示す横断面図であり、
図中1は、チューブレスタイヤとして機能するタイヤの
全体を示し、2は、円環形状をなすトレッドを、3は、
トレッド2のそれぞれの側部から半径方向内方へ延びる
サイドウォールを、そして4は、サイドウォール3の半
径方向内端に連続させて設けたビード部をそれぞれ示
す。またこのタイヤ1は、それぞれのビード部4に配設
したビードコア5間に伸びてトロイド状をなす、たとえ
ばラジアルカーカス6を具えるとともに、ラジアルカー
カス6のクラウン部の外周側に配設されて、トレッド2
を補強するベルト7を具える。
で、その内側に、それとは別体をなす、円環形状の空気
のう8を収納し、この空気のう8の、少なくとも外周部
分に、不織布とゴムとの複合体よりなる少なくとも一枚
の補強層9を接着等させて配設する。なおこの図に示す
ところでは、補強層9を空気のう8の外周面側に配設し
ているも、その補強層9を空気のう8の外周面側に代え
て、もしくは加えて、内周面側に配設することもでき
る。
補強層9の配設域wを、タイヤ1および空気のう8のそ
れぞれに所定の内圧P1およびP2を充填した姿勢の下
で、トレッド2の内周面と対向するほぼ全域とし、空気
のう8の最大幅Wのほぼ0.8倍としているも、その配
設域は、図2に例示するように、空気のう外周部分から
空気のう8の最大幅位置までの範囲とすることもでき
る。
場合に比して補強層9の配設域が広くなることで、空気
のうの若干の重量増加はあるものの、通常使用時及びラ
ンフラット走行時の空気のう形状のコントロールがより
容易になる。
2は、 P2−P1≧0 の相対関係を満たすもの、より具体的には、 P2−P1=0〜200(kPa) の条件を満たすものとすることが好ましい。
不織布を形成するフィラメントは、20〜80mmの長
さを有するものとし、より好ましく、そのフィラメント
の弾性率Ef(GPa)の、そのフィラメントの密度ρ
(g/cm3)に対する比を30以上とする。
はリムを示し、V1,V2はそれぞれタイヤ1および空
気のう8への圧力の給排を司るバルブを示す。
に、構造が簡単であり、製造およびリム装着がともに容
易であるとともに、コストの低減および高い低燃費性を
実現することができる。
が正常であるときは、そのタイヤ1は、自身で荷重を支
持しつつ負荷転動する。この場合、補強層9によって補
強された空気のう8、とくにはそれの外周部分は、その
全周にわたってトレッド内周面から間隔をおいて位置す
るので、その外周部分およびトレッド内周面のいずれに
も不測の摩耗が生じることはない。そしてこのことは、
不織布を形成するフィラメントの密度ρ(g/cm3)
に対するそのフィラメントの弾性率Ef(GPa)の比
を30以上とした場合により顕著である。
によって、そこから内圧が洩出した場合において、空気
のう内圧P2とタイヤ内圧P1との圧力差が増加して、
空気のう8に作用する引張力が、補強層9の耐張力を上
回わったときには、その補強層9に、空気のう8の円周
方向の伸長変形が生じ、これに伴って空気のう8が拡径
変形する。ここにおけるこのような拡径変形は、不織布
を形成するフィラメントの長さを20〜80mmの範囲
に選択することで、所期した通りにコントロールするこ
とができ、また、その変形を空気のう8の全周にわたっ
て均一にかつ円滑に行わせることができる。
するように、とくにタイヤトレッドの接地域で、空気の
う8の外周部分がトレッド内周面に密着して、荷重の支
持を、タイヤ1から空気のう8に肩代わりできるように
なるまで継続され、空気のう8は、図示の状態下で、荷
重を支持した安全走行を長期間にわたって継続すること
ができる。
とした場合の安全タイヤにおいて、タイヤ内圧を850
kPa、空気のう内圧を850kPaとした場合の、タ
イヤによって荷重を支持する通常走行時の耐久性、通常
走行の後の空気のうの状態および、空気のうで荷重を支
持するランフラット走行時の耐久性のそれぞれを求めた
ところ、表1および2に示す通りとなった。
試験で、最大負荷能力に相当する質量を負荷し、60k
m/hの速度でタイヤに故障が生じるまでの走行距離を
測定することにより求め、また、通常走行後の空気のう
の状態は、X線を用いた非破壊内部検査により求めた。
そしてランフラット耐久性は、タイヤ内圧を大気圧とし
たパンク状態の下で、先の通常走行時の耐久性と同様の
試験を行って求めた。なお表中の指数値は大きいほどす
ぐれた結果を示すものとする。
ずれも、通常走行耐久性およびランフラット耐久性をと
もに、比較例1に対して大きく向上させることができ、
また、比較例4〜8に比して、空気のうを、摩耗から有
効に保護し得ることが解る。
ひいては、安全タイヤを、一般的な材料の使用下で簡単
な構造に構成することができ、また、その空気のうの製
造および、リムへの装着をともに容易ならしめることが
できる他、重量の抑制下で、すぐれた低燃費性能を実現
することができる。しかもここではすぐれたランフラッ
ト耐久性をもたらすこともできる。
弾性率の、フィラメント密度に対する比を30以上に選
択した場合に、通常走行時の耐久性をもまた大きく向上
させることができる。
る。
ある。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 トレッドと、一対のサイドウォールおよ
びビード部とを具えるタイヤの内側に、タイヤとは別体
をなす、円環形状の空気のうを収納してなり、タイヤお
よび空気のうのそれぞれへの所定内圧の充填姿勢で、空
気のうの外周面をトレッド内周面から離隔させて位置さ
せる一方、タイヤ内圧の、大気圧への低減に当り、空気
のうの拡径変形下で、空気のうの外周面をトレッド内周
面に密着させる安全タイヤであって、 空気のうの、少なくとも外周部分に、不織布とゴムとの
複合体になる補強層を配設し、不織布を形成するフィラ
メントの長さを20〜80mmの範囲とするとともに、
不織布を形成するフィラメントの弾性率Ef(GPa)
の、そのフィラメントの密度ρ(g/cm3)に対する
比を30以上としてなる請求項1に記載の安全タイヤ。
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