JP2007076319A - 射出成形品の変形量算出方法、プログラム、記憶媒体、情報処理装置 - Google Patents

射出成形品の変形量算出方法、プログラム、記憶媒体、情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 射出成形品の変形量を高精度に決定すること。
【解決手段】 射出成形品の形状を複数の要素により分割してモデル化し、分割した各要素の温度分布を算出する工程と、温度分布に基づく各要素の収縮特性を算出する工程と、各要素の収縮特性を反映した構造解析により、射出成形品の形状の変形量を算出する工程と、を有する射出成形品の変形量算出方法であって、収縮特性を算出する工程は、異方性のある要素には、要素毎に異方性収縮主軸を決定し、異方性のない要素は等方性要素とし、要素ごとに異なる収縮特性を与えてモデル化する。
【選択図】 図6B

Description

本発明は、射出成形品の変形量算出技術に関し、特に、射出成形プロセスにおける形状予測シミュレーションをコンピュータに実行させるための射出成形品の変形量算出方法、プログラム、記憶媒体等に関するものである。
プラスチック射出成形品は、成形プロセス中の熱履歴、圧力履歴によりプラスチック射出成形品の各部で収縮量が異なる場合がある(収縮の異方性)。例えば、プラスチック射出成形品として構成された事務機外装部品など薄肉成形品の場合には板厚方向と面内方向とで大きく収縮量が異なることが知られている。このような薄肉成形品を対象とした従来の射出成形解析では、3次元シェル要素によりモデル化されていた。この3次元シェル要素によるモデル化は、板厚方向と面内方向を決定することができ、薄肉成形品に生じる各方向の異方性収縮を考慮した解析が可能であった。
上述の従来技術として、例えば、特許文献1には、有限要素法により定式化された基礎式により金型内における溶融樹脂の充填、保圧、冷却の各過程の挙動を予測する技術が開示されている。この技術は、圧力(P)、容積率(V)、温度(T)の関係式に基づく予測により求めた成形品の体積収縮率に基づき、異方性収縮を考慮したシミュレーションシステムに関するものである。このシミュレーションシステムは、板厚方向及び面内方向の収縮率を、以下の(1)、(2)式により予測する。
εZ =A+B・eV ・・・(1)
εP =(eV −εZ )/2 ・・・(2)
εZ :板厚方向の収縮率
εP :面内方向の収縮率
eV :体積収縮率
A:異方性収縮を考慮した板厚方向の収縮係数
B:板厚方向の等方性収縮を考慮した収縮率への寄与率。
特許第3501486号公報
しかしながら、リブ交差部、レンズ部品等の厚肉部と薄肉部とが混在する部品を3次元ソリッド要素によりモデル化した場合、要素ごとに異なる収縮特性を与えてモデル化し、変形量を解析する必要がある。上述した従来の技術では、要素毎に異方性収縮主軸を決定し、変形量を解析することは困難であった。
上記目的を達成するべく、本発明に係る射出成形品の変形量算出方法は、主として以下の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、射出成形品の形状を複数の要素により分割してモデル化し、当該分割した各要素の温度分布を算出する工程と、当該温度分布に基づく各要素の収縮特性を算出する工程と、当該各要素の収縮特性を反映した構造解析により、前記射出成形品の形状の変形量を算出する工程と、を有する射出成形品の変形量算出方法であって、当該収縮特性を算出する工程が、
前記温度分布として入力される一の要素を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、当該温度条件を満たす節点の位置情報を算出する位置情報算出工程と、
前記算出された節点の位置情報に基づいて、前記一の要素内に構成され、前記温度条件を満たす平面を決定する決定工程と、
前記決定された平面に対する法線ベクトルを算出し、当該法線ベクトルの方向を、前記一の要素の異方性収縮主軸として決定する収縮特性決定工程と、を備えることを特徴とする。
あるいは、本発明にかかる情報処理装置は、射出成形品の形状を複数の要素により分割してモデル化し、当該分割した各要素の温度分布を算出する手段と、当該温度分布に基づく各要素の収縮特性を算出する手段と、当該各要素の収縮特性を反映した構造解析により、前記射出成形品の形状の変形量を算出する手段と、を有する射出成形品の変形量算出方法を実行する情報処理装置であって、当該収縮特性を算出する手段が、
前記温度分布として入力される一の要素を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、当該温度条件を満たす節点の位置情報を算出する第1位置情報算出手段と、
前記算出された節点の位置情報に基づいて、前記一の要素内に構成され、前記温度条件を満たす平面を決定する決定手段と、
前記決定された平面に対する法線ベクトルを算出し、当該法線ベクトルの方向を、前記一の要素の異方性収縮主軸として決定する収縮特性決定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、異方性のある要素に対して要素毎に異方性収縮主軸を決定することが可能となり、要素ごとに異なる収縮特性を与えてモデル化することにより、射出成形品の変形量を高精度に決定することが可能になる。
(成形品に生じる収縮の異方性)
まず、最初にプラスチック射出成形品に生じる異方性収縮のメカニズムを、図1及び図2の参照により説明する。等方性収縮に関し、図1(a)は、成形品を正方体形状として示す図であり、図1(b)は、成形品が金型内で冷却固化される状態を示す図である。金型温度が一定であれば、成形品は正方体形状であるので、x、y、z方向に均一に冷却され各方向に均一に収縮(等方性収縮)する。
異方性収縮に関し、図2(a)は、成形品をz方向の板厚に比べx、y面内方向に広い面積を持つ長方体(平板)形状として示す図である。また、図2(b)は、金型温度が一定の型内で冷却固化される状態を示す図である。図2の場合には、冷却はz方向(板厚方向)が支配的となり、この方向には膨張するとき以外に拘束はなく自由収縮する。これに対し、x、y面内方向は板厚に比べ面積が広いので金型に拘束され自由収縮が妨げられる。よって、板厚方向と面内方向とで収縮率が異なる異方性収縮が生じる。
実験によりこの収縮挙動を詳細に調べると、板厚が2〜3mmの成形品において、板厚方向と面内方向の収縮率は、9対1程度の大きな異方性収縮差が生じている。成形品が金型内で冷却されるときの熱流速の方向と、収縮が支配的な方向に着目すると、両者は一致したものとなる。すなわち、成形品が金型内で冷却されるときの熱流速の方向がわかれば、収縮が支配的な収縮の方向がわかることになる。以下、この方向を「異方性収縮主軸」と呼ぶ。
本発明の実施形態では、異方性収縮主軸の具体的な算出方法として、上述の金型内で成形品が冷却される時の熱流速の方向に着目したモデル化により解析を行なう。
(ハードウェア構成)
図7は、成形品の異方性収縮主軸を決定する演算装置のハードウェア構成を示す図である。演算処理を制御するコンピュータ50には、入力装置51、表示装置52および補助記憶装置53、モデル化のための要素分割を行なうメッシュ生成装置54が接続されている。メッシュ生成装置54で生成されたメッシュデータ、射出成形CAEにより事前に解析された成形品全体の温度分布、解析を制御する各種パラメータを入力装置51が受け付ける。
入力装置51は、受け付けたデータに基づいて入力データを作成後、補助記憶装置53に入力データを格納する。
次に、オペレータの指示により、コンピュータ50がこれらの入力データを内部のRAM(ランダムアクセス可能な揮発性メモリ)に読み込み計算を行なう。得られた異方性収縮主軸データなどの計算結果は、コンピュータ50の表示制御の下、表示装置52により表示される。
必要に応じて、オペレータが解析条件を変更し再び計算を行なうことも可能である。また、コンピュータ50は、解析結果をプリンタ装置55に出力することも可能であり、補助記憶装置53に格納することも可能である。メッシュ生成装置54は、CAD装置などにより作成された3次元的な形状に対し、有限要素解析などで使用するメッシュ(図3の302)を作成する装置である。メッシュ生成装置54が作成したメッシュデータは補助記憶装置53に保存される。また、メッシュ生成装置54は、作成したメッシュデータを入力装置51に入力することも可能である。
本発明の実施形態にかかる情報処理装置(コンピュータ50)は、射出成形品の形状を複数の要素により分割してモデル化し、分割した各要素の温度分布を算出する処理部と、温度分布に基づく各要素の収縮特性を算出する処理部と、各要素の収縮特性を反映した構造解析により、射出成形品の形状の変形量を算出する処理部と、を有する。そして、収縮特性を算出する処理部は、温度分布として入力される一の要素(例えば、図3の302)を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、温度条件を満たす節点の位置情報を算出する第1位置情報算出部を有する。そして、算出された節点の位置情報に基づいて、一の要素内に構成され、温度条件を満たす平面(温度等値面303)を決定する決定部を有する。そして、決定された平面(温度等値面303)に対する法線ベクトル305を算出し、法線ベクトル305の方向を、一の要素の異方性収縮主軸として決定する収縮特性決定部と、を有する。
また、情報処理装置は、要素内部の空間を検索する場合、要素の内部に複数の内部節点(図4の401〜404)を設定する内部節点設定部を有する。そして、温度分布として入力される一の要素を構成する各節点の節点温度を有する。そして、指定された温度条件とに基づき、温度条件を満たす節点の位置情報を、一の要素を構成する頂点間における辺上及び内部節点から算出する第2位置情報算出部とを更に有する。
ここで、情報処理装置(コンピュータ50)のCPUは、温度分布の算出結果を初期条件として、異方性収縮主軸算出プログラムと協働する。これにより、第1位置情報算出部、温度等値面を決定する決定部、収縮特性決定部、内部節点設定部及び第2位置情報算出部の機能を実現するものとする。
(異方性主軸の算出)
以下、本実施形態にかかる異方性収縮主軸の算出プロセスについて説明する。
図3は、本実施形態にかかる射出成形品の変形量算出方法における成形品のモデル化を例示する図である。射出成形品301は、複数の要素302により分割され、モデル化される。各要素302内において、指定された温度条件を満たす平面(温度等値面)303を設定する。温度等値面303に垂直な法線ベクトル305を、熱流速の方向と一致する方向、すなわち異方性収縮主軸とする。温度等値面303は、要素302を構成する8個の節点の節点温度及び形状関数に基づいて、指定された温度条件を満たす平面として、少なくとも3点で構成される。図3の例では、節点306〜308により温度等値面303が決定されているが、温度等値面を決定する節点は必ずしも、要素を構成する節点(頂点)に限定されるものではない。例えば、要素を構成する節点(頂点)間における辺上や、要素302の内部に節点を設けて、温度等値面を特定することも可能である。
図6Aは、プラスチック射出成形品の変形量を予測演算する処理の概略的な流れを説明するフローチャートである。図6Aにおいて、ステップS602が本発明の実施形態にかかる異方性収縮主軸の算出処理を実行するメインステップになる。ここで、異方性収縮主軸を算出するためには、各要素の温度分布に基づく温度等値面303を算出することが必要になる。この処理として、ステップS601において、各要素の温度分布を算出する。各要素の温度分布は解析の対象となる成形品の充填開始から離型時までの流動解析を予め実施し、各時刻における各要素の節点温度を集計して温度分布を得ることができる。各要素の節点温度の計算結果は、コンピュータ50の制御の下、補助記憶装置53に格納される。
ステップS602において、コンピュータ50は、ステップS601の演算結果を補助記憶装置53から読込み、成形品301における各要素の節点温度の値を利用して、各要素内での温度等値面303を計算する。そして、温度等値面303の計算結果に基づいて、コンピュータ50は、この温度等値面303に対する法線ベクトル305の方向を要素ごとに算出する。法線ベクトル305の方向が熱流速の方向すなわち異方性収縮主軸となる。
図6Bは、異方性収縮主軸を算出するための処理の流れを具体的に説明するフローチャートである。
ステップS610において、温度等値面303を計算するための条件が設定される。例えば、計算結果を出力する出力間隔(計算を実行する時間刻みの間隔)、指定温度条件(温度等値面を決定するための温度条件、例えば、要素内の平均値、または任意の温度設定値)が設定される。更に、温度等値面303の許容角度、やその検索条件(辺検索フラグ、空間検索フラグ)が設定される。ここで、辺検索フラグは、温度等値面を決定するための節点を、要素を構成する節点(頂点)間における辺上で検索する処理を指定するためのフラグである。また、空間検索フラグは、温度等値面を決定するための節点を、要素内部を分割した内部節点を含めて検索する処理を指定するためのフラグである。ここで、内部節点の温度は、節点温度と形状関数により、(3)、(4)式の関係を利用して算出することが可能である。
ステップS611において、コンピュータ50は、各要素内における温度等値面303を算出するために、各要素の座標変換を行なう。例えば、1つの要素302に着目し、図4に示すように要素分割された成形品の各要素について、全体座標系(x、y、z)から正規化された局所座標系(ξ、η、ζ)に座標変換を行なう。
次に、ステップS612において、コンピュータ50は、指定温度条件を満たす節点の位置情報を、要素を構成する節点(頂点)間における辺上(合計12辺)で検索する(第1位置情報算出工程)。
ステップS613aの判定において、空間検索を実行しない場合(S613a−No)、処理はステップS615に進められる。一方、ステップS613aの判定において、空間検索を実行する場合(S613a−Yes)、処理はステップS613bに進められる。ステップS613aの判定は、空間検索フラグの設定に基づいて判定される。
ステップS613bでは、空間検索を実行するために、コンピュータ50は、要素の内部の複数の内部節点(図4の401〜404を参照)を設定する。
ステップS614において、コンピュータ50は、指定温度条件を満たす節点の位置情報を、要素を構成する節点(頂点)間における辺上及びステップS613bで設定した内部節点から検索する。コンピュータ50は、(4)式で示される正規化した座標系における(形状関数と、各要素における節点温度とに基づいて、(3)式の関係により要素内の任意の位置での温度を算出することができる。この関係に基づいて、コンピュータ50は、指定温度条件を満たす節点位置情報を検索する(第2位置情報算出工程)。
T=N1T1+N2T2+N3T3+N4T4+N5T5+N6T5+N7T7+N8T8・・・(3)
T:要素内の任意位置での温度
Ti:要素の節点温度(i=1〜8)
Ni:形状関数(N1〜N8は(4)式で示される)
N1=1/8・(1+ξ)(1+η)(1+ζ)
N2=1/8・(1-ξ)(1+η)(1+ζ)
N3=1/8・(1-ξ)(1-η)(1+ζ)
N4=1/8・(1+ξ)(1-η)(1+ζ)
N5=1/8・(1+ξ)(1+η)(1-ζ) ・・・(4)
N6=1/8・(1-ξ)(1+η)(1-ζ)
N7=1/8・(1-ξ)(1-η)(1-ζ)
N8=1/8・(1+ξ)(1-η)(1-ζ)
そして、ステップS615において、コンピュータ50は、検索した節点の位置情報に基づいて、指定温度条件を満たす要素内の指定温度平面(温度等値面)を算出する(温度条件を満たす温度等値面を決定する決定工程)。図5は、一例として平均温度により検索する場合を示したものである。コンピュータ50は、要素を構成する各節点(頂点)の温度(ti(i=1〜8))に基づいて、各節点の平均温度として15.875℃となる点を検索する。温度等値面は少なくとも3つの節点(N1〜N3)により構成されるが、例えば、4つの節点が検索された場合は、これらの節点に基づいて、温度等値面を決定することも可能である。この場合、図5に示すように、4つ目の節点N4が検索された場合、温度等値面は、破線で示した領域に拡張することになる。尚、要素内に複数の温度等値面が存在するなど、顕著な熱流速の方向が見出せない場合、コンピュータ50は、その要素は等方性収縮をする要素として処理するものとする。
ステップS616において、コンピュータ50は、先のステップS615で算出された温度等値面510に対する法線ベクトル520を算出する(収縮特性決定工程)。この方向が、熱流速の方向すなわち異方性収縮主軸となる。
ステップS617において、コンピュータ50は、先のステップS611で変換された局所座標系(ξ、η、ζ)から、全体座標系(x、y、z)に逆座標変換を行い、法線ベクトル520の方向余弦を算出する(S618)。
以上の処理により異方性収縮主軸の算出処理を終了し(図6AのS602)、この結果は、コンピュータ50の制御の下、方向余弦形式のデータファイルとして補助記憶装置53に格納される。
説明を図6Aに戻し、ステップS603に処理が進められる。射出成形品の変形量は、流動解析/構造解析プログラムによる解析により算出される。その解析において、先のステップS602において求められた要素毎の異方性収縮主軸(全体座標系における方向余弦に変換された情報)が反映される。流動解析/構造解析プログラムは、方向余弦形式のデータファイルを、補助記憶装置53から読込み、要素ごとに決定された異方性収縮主軸に基づいて、要素毎に収縮歪の計算を実行する。以上の処理により、異方性のある要素に対して要素毎に異方性収縮主軸を決定することが可能となり、要素ごとに異なる収縮特性を与えてモデル化した構造解析が可能になる。
(プラスチックレンズに対する実施例)
複写機等に使用されるプラスチックレンズに対して、異方性収縮主軸による収縮歪を考慮した解析例を図8に示す。プラスチックレンズは高さ(幅)方向に左右対称形状であるため、対称性を利用してメッシュ分割は1/2モデルで表示している。形状の概略寸法は、レンズ長さ80mm(y軸方向)、幅15mm(x軸方向)、厚み(光軸方向)4〜10mm(z軸方向)である。このような長尺のプラスチックレンズにおいては、成形時の長手方向(y軸方向)の変形を正確に求めることが重要であり、この変形量は、補正値として金型設計に反映することが可能である。
また、金型設計の補正回数を少なくすることにより、設備投資の負担を軽減し、設計から製品出荷までに要する期間を短縮化することが可能になる。
ここで、レンズ成形品の収縮率を実際に測定してみると、レンズ厚み(光軸)方向と、それ以外の方向で収縮率に約2対1程度の収縮差があり、異方性収縮挙動を示すことが確認されている。図9は、図8に示す長尺レンズ部品の断面部分801において、異方性収縮を考慮した異方性主軸の計算結果を示す図である。この断面中央部においては、熱流速が等方的に生じているため異方性主軸はなく等方的に収縮する結果になっている。一方、局率のある外周部付近においては、成形品内部(断面中央部)から局率のある外周部方向へ、冷却に伴う熱流速が生じるため、外周部の曲率に沿った法線方向に異方性主軸が向いていることがわかる。
図10(a)は、図8のレンズ解析モデルをyz平面から見た図であり、図10(b)は、図8に示すレンズ解析モデルのR1面側における変形量の解析結果(1001)を示す図である。異方性収縮主軸を考慮した効果を明確化するために、図10中には、レンズの変形量の実測値と(1002)、従来における全ての要素を等方性収縮するものとして算出した結果(1003)を合わせて表示している。図10に示す結果から分かるように、異方性収縮主軸を考慮した変形量の計算結果は、従来における等方性収縮とした場合の計算結果に比べて、最大10μm程度の精度で、実測値に一致することがわかる。
例えば、レンズ成形品を解析の対象とした場合、収縮歪の計算は、レンズ厚み(光軸)方向(z軸方向)とそれ以外の方向とで収縮率に約2対1程度の収縮差が生じている。このため、圧力、体積、温度の関係式より求めた体積収縮率から各要素に対し、異方性主軸とそれ以外の方向に生じる収縮歪の比率が2対1になるように収縮差を与えて構造解析を行なうことで、レンズ成形品の変形量を正確に計算することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、異方性のある要素に対して要素毎に異方性収縮主軸を決定することが可能となり、要素ごとに異なる収縮特性を与えてモデル化することにより、射出成形品の変形量を高精度に決定することが可能になる。
[他の実施形態]
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給しても達成される。また、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
尚、本発明は、図6A、6Bで説明した処理を実現するプログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスクなどがある。また、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などからプログラムを供給してもよい。
(a)は、成形品を正方体形状として示す図であり、(b)は、成形品が金型内で冷却固化される状態を示す図である。 (a)は、成形品をz方向の板厚に比べx、y面内方向に広い面積を持つ長方体(平板)形状として示す図であり、(b)は、金型温度が一定の型内で冷却固化される状態を示す図である。 本実施形態にかかる射出成形品の変形量算出方法における成形品のモデル化を例示する図である。 全体座標系(x、y、z)から正規化された局所座標系(ξ、η、ζ)への座標変換を説明する図である。 要素内の温度等値面の算出方法を説明する図である。 プラスチック射出成形品の変形量を予測演算する処理の概略的な流れを説明するフローチャートである。 異方性収縮主軸を算出するための処理の流れを具体的に説明するフローチャートである。 成形品の異方性収縮主軸を決定する演算装置のハードウェア構成例を示す図である。 複写機等に使用されるプラスチックレンズに対して、異方性収縮主軸による収縮歪を考慮した解析例を示す図である。 本発明により解析を実施したレンズ中央断面の異方性主軸分布を示した図である。 (a)は、図8のレンズ解析モデルをyz平面から見た図であり、(b)は、図8に示すレンズ解析モデルのR1面側における変形量の解析結果を示す図である。

Claims (10)

  1. 射出成形品の形状を複数の要素により分割してモデル化し、当該分割した各要素の温度分布を算出する工程と、当該温度分布に基づく各要素の収縮特性を算出する工程と、当該各要素の収縮特性を反映した構造解析により、前記射出成形品の形状の変形量を算出する工程と、を有する射出成形品の変形量算出方法であって、当該収縮特性を算出する工程が、
    前記温度分布として入力される一の要素を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、当該温度条件を満たす節点の位置情報を算出する第1位置情報算出工程と、
    前記算出された節点の位置情報に基づいて、前記一の要素内に構成され、前記温度条件を満たす平面を決定する決定工程と、
    前記決定された平面に対する法線ベクトルを算出し、当該法線ベクトルの方向を、前記一の要素の異方性収縮主軸として決定する収縮特性決定工程と、
    を備えることを特徴とする射出成形品の変形量算出方法。
  2. 前記第1位置情報算出工程は、前記一の要素を構成する頂点間における辺上で、前記指定された温度条件を満たす節点の位置情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の射出成形品の変形量算出方法。
  3. 前記一の要素の内部空間を検索する場合、当該一の要素の内部に複数の内部節点を設定する内部節点設定工程と、
    前記温度分布として入力される前記一の要素を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、当該温度条件を満たす節点の位置情報を、前記一の要素を構成する頂点間における辺上及び前記内部節点から算出する第2位置情報算出工程と
    を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形品の変形量算出方法。
  4. 前記決定工程は、前記温度条件を満たす平面を前記一の要素内に決定できない場合、当該一の要素を等方性収縮する要素として処理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の射出成形品の変形量算出方法。
  5. 射出成形品の形状を複数の要素により分割してモデル化し、当該分割した各要素の温度分布を算出する手段と、当該温度分布に基づく各要素の収縮特性を算出する手段と、当該各要素の収縮特性を反映した構造解析により、前記射出成形品の形状の変形量を算出する手段と、を有する射出成形品の変形量算出方法を実行する情報処理装置であって、当該収縮特性を算出する手段が、
    前記温度分布として入力される一の要素を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、当該温度条件を満たす節点の位置情報を算出する第1位置情報算出手段と、
    前記算出された節点の位置情報に基づいて、前記一の要素内に構成され、前記温度条件を満たす平面を決定する決定手段と、
    前記決定された平面に対する法線ベクトルを算出し、当該法線ベクトルの方向を、前記一の要素の異方性収縮主軸として決定する収縮特性決定手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  6. 前記第1位置情報算出手段は、前記一の要素を構成する頂点間における辺上で、前記指定された温度条件を満たす節点の位置情報を算出することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記一の要素の内部空間を検索する場合、当該一の要素の内部に複数の内部節点を設定する内部節点設定手段と、
    前記温度分布として入力される前記一の要素を構成する各節点の節点温度と、指定された温度条件とに基づき、当該温度条件を満たす節点の位置情報を、前記一の要素を構成する頂点間における辺上及び前記内部節点から算出する第2位置情報算出手段と
    を更に備えることを特徴とする請求項5または6に記載の情報処理装置。
  8. 前記決定手段は、前記温度条件を満たす平面を前記一の要素内に決定できない場合、当該一の要素を等方性収縮する要素として処理することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
  9. 請求項1乃至4のいずれかに記載の射出成形品の変形量算出方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読の記憶媒体。
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