JP2005169766A - 金型最適化装置、金型最適化プログラム、及び、金型最適化制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂の射出成形に用いる金型の仕様は、従来、設計者による成形シミュレーションのトライアンドエラーで決定されていた。
【解決手段】初期設定あるいは変更された板厚、樹脂充填ゲート配置、ゲートサイズに基づいて(S12)、流動解析を含む成形シミュレーションを行う(S14)。そして、成形シミュレーションの結果に対し、必要に応じてデータ変換を行い(S16)、成形品質評価を実施する(S18)。成形品質評価においては、ウエルドやエアトラップに関する成形制約条件を満たすか否かが判定される。最適化処理を終了しない場合には、最適化アルゴリズムに従って演算が行われ(S22)、この成形制約条件を満たし、かつ、成形体の重量を最小にするような金型仕様を探索するため、設定条件が変更される(S12)。以上の過程を所定回数あるいは収束条件を満たすまで反復して金型仕様を決定する。
【選択図】図2
【解決手段】初期設定あるいは変更された板厚、樹脂充填ゲート配置、ゲートサイズに基づいて(S12)、流動解析を含む成形シミュレーションを行う(S14)。そして、成形シミュレーションの結果に対し、必要に応じてデータ変換を行い(S16)、成形品質評価を実施する(S18)。成形品質評価においては、ウエルドやエアトラップに関する成形制約条件を満たすか否かが判定される。最適化処理を終了しない場合には、最適化アルゴリズムに従って演算が行われ(S22)、この成形制約条件を満たし、かつ、成形体の重量を最小にするような金型仕様を探索するため、設定条件が変更される(S12)。以上の過程を所定回数あるいは収束条件を満たすまで反復して金型仕様を決定する。
【選択図】図2
Description
樹脂の射出成形に用いる金型の仕様を決定する技術、とくに樹脂の流動解析を含むシミュレーションを実施して金型仕様を定める技術に関する。
樹脂の射出成形に用いる金型の仕様を、樹脂のCAE(コンピュータ援用エンジニアリング)流動解析を含むシミュレーションを行って決定する技術が知られている。この技術においては、設計者が仮設定した板厚分布やゲート配置に基づいてシミュレーションを行う。そして、得られた成形体に不具合がある場合には、設計者は板厚やゲート配置を過去の知見に基づいて変化させ、再度CAE流動解析を含むシミュレーションを実施する。
なお、下記特許文献1には、樹脂の流動解析と、金型の構造解析と、金型の伝熱解析とに基づいて、金型を統合的に解析するシステムが開示されている。
金型仕様の仮設定と成形シミュレーションを反復するトライアンドエラーにより適当な金型仕様を決定するためには、一般に、多数回の反復過程が必要となる。特に樹脂の射出成形過程における樹脂の流動状態を予測し、金型内圧の過多によるバリの発生や、金型内圧の過小による面歪みの発生等を回避することは、設計者にとって困難な作業であり、金型仕様の決定には多大な時間を必要とする。例えば、20回の反復がなされる場合、設計者が金型仕様の仮設定を行うのに1日を要するとすれば合計20日間もの時間を必要とする。このため、人的コストの見地からも、時間的コストの見地からも金型仕様の決定過程を改善することが望まれている。
本発明の目的は、金型仕様の決定過程を効率化することにある。
本発明の別の目的は、評価条件に従い最適化された金型の仕様を求めることにある。
本発明のさらに別の目的は、成形体の形状品質と剛性品質の観点に基づいて金型仕様を決定することにある。
本発明の金型最適化装置は、樹脂の射出成形に用いられる金型の仕様を変更する変更手段と、樹脂の流動解析を含む成形過程のシミュレーションを行って、前記金型を用いた場合に成形される成形体を求める成形シミュレーション手段と、成形制約条件に従って前記シミュレーション結果を評価する評価手段と、最適化アルゴリズムに従って、前記変更手段、前記成形シミュレーション手段、及び、前記評価手段を反復実行し、前記成形制約条件の下で前記成形体の品質に基づく目的関数を最適化する金型の仕様を求める最適化手段と、を備える。
金型最適化装置は、PC(パーソナルコンピュータ)などの演算機能を備えたハードウエアと、このハードウエアの動作を規定するソフトウエア(プログラム)とを用いて構成される。変更手段は、金型の仕様の変更を行う。金型の仕様とは、キャビティ部の広がりや厚み(成形体の板厚)などの形状、キャビティ部に樹脂を射出するための充填ゲート位置や大きさ、樹脂充填時の圧力やタイミングなどを指す。成形シミュレーション手段は、成形体を作り出す過程を数値的に計算する手段であり、適当な境界条件の下で、樹脂に関する支配方程式を有限要素法や差分法などの数値計算方法を用いて数値的に計算する。このシミュレーションにおいて特徴的な点の一つは、流動性を備えた樹脂を金型に充填する過程を取り扱う流動解析が含まれていることである。さらに、このシミュレーションには、充填した樹脂を高圧状態で冷却して硬化させる過程、金型から取り外したあとで反りが生じる過程のシミュレーションを含むことができる。
評価手段は、シミュレーション結果、すなわち、シミュレーションによって得られた成形体あるいはシミュレーションの途中で得られた状況を、成形制約条件に従って評価する。評価は、成形制約条件を満たすか否かというものであってもよいし、どの程度満たすかあるいはどの程度満たさないかというものであってもよい。成形制約条件は、成形体が満たすべき形状品質や剛性品質、成形過程において満たすべき成形時間、成形費用、金型耐久性などの各種制約条件である。最適化手段は、初期設定された金型仕様を初期条件として、最適化アルゴリズムに従って、変更手段、成形シミュレーション手段、及び、評価手段を反復実行する。そして、成形制約条件を満たすとの制約の下で目的関数を最適化する金型の仕様を求める。目的関数は、成形体の品質に基づいて定められる関数であり、例えば、成形体の体積や重量、成形体の形状品質や剛性品質を表現した数値、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。最適化手段は、一般に、所定回数の反復を行うまで、あるいは、最適解の探索過程が適当な収束基準を満たすまで反復動作を繰り返す。これにより、なお、最適化アルゴリズムは、特に限定されるものではなく、実験計画法、応答曲面法、遺伝的アルゴリズム(GA)法など様々なタイプのアルゴリズムを用いることができる。
この構成によれば、金型仕様を容易に決定することができる。すなわち、最適化手段における金型仕様の変更に設計者が直接関わる必要がないため、設計者の負担が著しく低減される。また、設計者の思考時間が省略されるため、金型の仕様決定までに要する時間も大幅に短縮される。試験的に行った例では、従来、20回のトライアンドエラーを行うために20日間程度かかっていた工程が、この技術を用いることで、200回程度の自動的な反復を行うにもかかわらず2日間程度で終了した。また、この技術では、金型の仕様が最適化手段によって客観的に決定されるため、一般に、設計者の主観に大きく依存していた従来の手法に比べて探索(試行錯誤)上のもれが少なく適切な金型仕様の決定が期待できる。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記最適化手段は、前記目的関数としての成形体の体積または重量を最小化するように最適化を行う。すなわち、同じ成形制約条件を満たす成形体の中では、体積または重量が小さい方がよいとして最適解の探索が行われる。これにより、材料の無駄を省き、軽量でコンパクトな成形体を得ることが可能となる。
望ましくは、本発明の金型最適化装置は、前記変更手段は、樹脂充填ゲートの配置位置、樹脂充填ゲートの大きさ、成形体の板厚の少なくとも一つの金型の仕様を変更する。ここで、成形体の板厚とは、成形体が板状の比較的薄い形状に成形される場合において、板の厚み方向の厚さを指す。板状方向の大きさの変更は他の製品との適合性との関係で困難である場合が多いが、板厚方向の厚みは比較的変更容易であることが多い。また、充填ゲートの位置や大きさも一般に変更容易であり、最適化手段においては、これらのうち少なくとも一つの仕様を変更することとしている。これらの変更可能範囲を示す制約条件を設けてもよい。なお、数値計算法の観点からは、板厚の変更を行うためには、特に成形シミュレーションが薄板近似されたシェル要素モデルを用いて実施されていることが特に望ましい。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、前記成形体の形状品質に関する制約条件である。形状品質とは、成形形状の精度や、成形体の見た目の美しさなどを指す。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成形体のウエルドの位置に関する制約条件である。ウエルドとは、樹脂が合流してできた形跡である。ウエルドは、成形体の孔部付近等に必ず発生するものであるが、美観を損ねる要因となる。そこで、例えば、ウエルドが製品として目立つ位置に形成されていないこと、あるいはウエルドが製品として目立つ位置に一定以上の規模で形成されていないことなどを成形制約条件とし、評価手段によって評価を行う。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成形体に発生するエアトラップ又はフローマークに関する制約条件である。エアトラップは、樹脂の充填時に型内に取り残された空気(あるいは空気代わりに充填されたガス)が樹脂に混入することで発生する。フローマークは、混入した空気が樹脂の流動に伴って流れ模様を形成したものである。このエアトラップやフローマークは、一般に、発生しないことが望ましい。そこで、例えば、エアトラップやフローマークが成形体に発生しないこと、あるいは発生したエアトラップやフローマークが一定領域に限られたり一定規模以下であることなどを成形制約条件とし、評価手段によって評価を行う。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成形体の反り変形量に関する制約条件である。金型内で固化した樹脂は、金型から取り外されて金型から受けていた力がなくなることで反り変形を起こす。そこで、例えば、金型内にあったときと比較して変形量が所定値以下であることなどを成形制約条件とし、評価手段によって評価を行う。なお、変形の評価は、構造上安定した部位や重要な部位等を基準位置として行うことができる。また、変形量の評価は、他の部品との接合箇所などの構造上重要な箇所についてのみ行ってもよい。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成形体に発生するバリに関する制約条件である。一般に、金型はバリが発生しないように作られるが、金型の内圧の不均衡などに伴って金型の歪みが生じ、隙間に樹脂が入り込むことでバリが発生する場合がある。そこで、バリが発生しないこと、あるいは発生するバリが所定規模以下であることなどを成形制約条件とし、評価手段によって評価を行うことができる。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成形体の面ハリ量に関する制約条件である。面ハリ量とは、樹脂の固化による収縮にともない、成形体の外表面に生じる凹みの量である。この面ハリは、固化時に十分な樹脂の追加供給がない場合などに発生する。そこで、成形過程の条件などに基づいて面ハリ量を算出し、得られた面ハリ量が所定値以下であるかなどの成形制約条件を課して、評価手段により評価をすることができる。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成型過程における金型内の圧力に関する制約条件である。金型内の圧力は、面ハリ量などと関係しており、所定の制約条件を満たすことが期待される。望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、成型過程における金型内の圧力バランスに関する制約条件である。金型内の圧力バランスは、バリの発生などと関係しており、所定の制約条件を満たすことが期待される。望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、金型内の圧力に抗するための金型の必要締力に関する制約条件である。金型は上型と下型を型内の圧力以上の締力で締め付ける必要がある。この必要締力が容易に実行可能な値であるかを制約条件とすることができる。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記成形制約条件は、前記成形体の剛性品質に関する制約条件である。剛性品質とは、成形体の材料力学的な各種の強度についての品質である。剛性が不十分な場合には、例えば、成形体の板厚を増やすなどして成形体強度を向上させるように、変更手段において金型仕様を変更すればよい。望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記評価手段は、前記成形体の剛性解析を行うことにより前記剛性品質についての制約条件を評価する。剛性解析とは、変形外力に対する応答過程のシミュレーションを用いた解析である。
また、望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記評価手段は、さらに、前記変更手段により変更された金型の仕様から予期される成形体の剛性解析を行って剛性品質に関する成形制約条件を評価してもよい。すなわち、剛性品質の評価は成形シミュレーション結果を利用して行ってもよいが、このように成形シミュレーション結果は利用せずに金型の仕様から予期される成形体に対して行ってもよい。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記評価手段は、前記シミュレーションの解像度よりも粗い解像度でシミュレーション結果を評価する。すなわち、成形シミュレーションで用いられる複数の節点(あるいは格子点)から代表点を選び出したり、複数の節点値を平均化するなどすることで、評価における演算量を減らすことができる。望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記変更手段は、前記シミュレーションの解像度よりも粗い解像度の領域を単位として金型の仕様を変更する。この粗い解像度の領域は、評価手段における粗い解像度の領域と対応したものであってもよいし、別のものであってもよい。いずれにせよ、粗い解像度に基づく領域を単位として、一括して金型仕様を変更することにより、変更の自由度を大幅に減少させ、収束を早めることが可能となる。
望ましくは、本発明の金型最適化装置において、前記変更手段は、成形体を構成する部位群の空間位置関係に基づく束縛条件に従って金型仕様を変更する。最適化手段は、一般に、評価手段の評価結果と変更手段の金型仕様の変更とを位置的に連動させることなく行うことができる。また、変更手段が変更する金型仕様は、各部位が隣接するなどの位置関係と無関係に行われてもよい。これは、最適化アルゴリズムの利点である一方で、収束に時間がかかる要因ともなる。そこで、例えば、金型の仕様変更時に、成形制約条件を満たさない部位が存在する場合にその付近の部位の板厚だけを変更したり、近傍の部位における板厚を連動して変更したりするというように、最適解を探査するための金型仕様の変更を規定する束縛条件をつけることが有効となる。このように、束縛条件として、設計者がもつノウハウを組み込むことで単に最適化アルゴリズムよりも効率的に、最適解を探索することが可能となる。
本発明の金型最適化プログラムは、コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、樹脂の射出成形に用いられる金型の仕様を変更する変更手順と、樹脂の流動解析を含む成形過程のシミュレーションを行って、前記金型を用いた場合に成形される成形体を求める成形シミュレーション手順と、成形制約条件に従って前記シミュレーション結果を評価する評価手順と、最適化アルゴリズムに従って、前記変更手順、前記成形シミュレーション手順、及び、前記評価手順を反復実行し、前記成形制約条件の下で前記成形体の品質に基づく目的関数を最適化する金型の仕様を求める最適化手順と、を含む。
本発明の金型最適化制御プログラムは、流動解析を含む樹脂の射出成形の成形過程に関するシミュレーションを行って、設定された金型仕様の下で成形される成形体を求める成形シミュレーション手順を備えたシミュレーションプログラムと、あるパラメータ条件での演算結果に基づいて得られる目的関数値及び制約条件の評価結果を入力し、最適化アルゴリズムに従って、前記制約条件を満たしかつ目的関数値を最小または最大にするパラメータ条件を探索するためのパラメータ条件を出力する最適化手順を備えた最適化プログラムと、を利用して、コンピュータに対し、ある金型仕様の下で、前記成形シミュレーション手順を行わせるシミュレーション指示手順と、この成形シミュレーションの結果に基づいて、成形体または成形過程に係る前記制約条件の評価を行わせる評価手順と、前記目的関数値としてこの成形シミュレーションの結果得られた前記成形体の品質に基づく値を入力し、前記制約条件の評価結果として前記評価手順により得られた評価結果を入力して前記最適化手順を行わせ、金型仕様に係る新たなパラメータ条件を出力させる最適化制御手順と、を含み、前記シミュレーション指示手順、前記評価手順、及び、前記最適化制御手順を反復させることにより、前記制約条件の下で前記成形体の品質に基づく目的関数を最適化する金型の仕様を取得する。この金型最適化制御プログラムは、成形シミュレーション手順を含むシミュレーションプログラムと最適化手順を含む最適化プログラムとを連携して、最適な金型の仕様を求める。成形シミュレーションプログラムや最適化プログラムはそれぞれ単体で普及しているため、それらを有効に活用できる利点がある。
以下に本発明の代表的な実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係る金型最適化装置10の概略構成を示す機能ブロック図である。金型最適化装置10は、典型的には、PC(パーソナルコンピュータ)などの演算装置を用いて構成され、CAE(コンピュータ援用エンジニアリング)の手法を用いて樹脂の射出成形に用いるための最適な金型仕様の決定を行う。
入出力部12は、ネットワークや記憶メディアを介して外部装置とデータや指令信号の入出力を行うための構成である。表示部14は、液晶ディスプレイなどの表示装置によって構成され、ユーザに対し演算処理内容などを表示する。ユーザ入力部16は、キーボード等の入力装置によって構成され、ユーザ入力を受け付ける。なお、ユーザ入力は、入出力部12を介して外部装置から受け付けてもよい。記憶部18は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置によって構成され、各種プログラムや演算結果などを記憶する。
演算・制御部20は、演算処理と各構成部の制御処理を行う。この演算・制御部20は、MPU(超小型処理装置)などのハードウエアの動作をソフトウエア(プログラム)が規定することで実現される。演算・制御部20において特徴的な点は、射出成形に用いる金型の仕様を最適化アルゴリズムに従って決定する点である。このための機能として、条件設定部30成形シミュレーション部40、剛性シミュレーション部50、データ変換部60、成形品質判定部70、剛性品質判定部90、最適化処理部100を備えている。
条件設定部30は、金型の仕様の設定を行う。この条件設定部30は、初期に金型の仕様を設定する初期設定部32と、最適化処理部100の指示に基づいて金型の仕様を変更する変更部34とを備えている。初期設定部32は、金型の形状や、樹脂充填ゲートの配置位置やそのサイズ、充填タイミングなど、射出成形を行うための全条件を設定する。変更部34は、例えば、金型形状のうちの板厚の変更や、樹脂充填ゲートの配置位置やそのサイズの変更など、製品としての必要な仕様を損なわない部分の仕様を変更する。
成形シミュレーション部40は、条件設定部30によって仕様が設定された金型を用いて、樹脂の射出成形を行う過程をシミュレーションする。このシミュレーションは、樹脂についての運動方程式、熱力学方程式、連続の式などによって記述される支配方程式系を、適当な境界条件の下で計算することで行われる。数値計算法としては、有限要素法や差分法など様々な方法を利用することができるが、成形体が薄板近似できる場合(例えば自動車のパネル)には、板厚方向の演算を簡略化した有限要素モデルであるシェル要素モデルを用いることが特に望ましい。このシェル要素モデルにおいては、板厚の変更をメッシュを切り直さずにパラメータの変更だけで容易に実施できるからである。
成形シミュレーション部40は、流動解析部42、保圧解析部44、冷却解析部46、反り解析部48を含んでいる。流動解析部42は、金型のキャビティ部に流動性をもつ樹脂を充填する過程をシミュレーションする。保圧解析部44は、キャビティ部内を高圧に保つ過程についての演算を行う。冷却解析部46は、流動性を有していた樹脂が、冷却によって硬化し、収縮する過程を演算する。この収縮の際には、前の保圧解析部44によって、圧力の維持がなされ、必要に応じて樹脂を追加的に充填させることで形状の歪みを防止する。反り解析部48は、硬化した樹脂を金型から取り出す過程において生じる反りを計算する。なお、これらの各過程は、市販の流動解析CAEソフトウエア等のアプリケーションプログラムを利用して構成してもよい。
剛性シミュレーション部50は、条件設定部30によって設定された金型から生成が推測される成形体、あるいは、成形シミュレーション部40のシミュレーションの結果得られる成形体を用いて、剛性シミュレーションを行う。剛性シミュレーションは、成形体の支配方程式を用いて、外力に対する成形体の剛性応答を調べるために行われる。このシミュレーションは、CAEアプリケーションプログラムなどを利用して実装してもよい。剛性シミュレーション部50は、上面解析部52、側面解析部54、正面解析部56を備えている。これらは、それぞれ、製品としての成形体の上面、側面、正面の各剛性を計算する。例えば、上面解析部52は、製品の上面に重さ20kgのおもりを乗せたときの成形体の歪み具合について定量的に解析する。
データ変換部60は、成形シミュレーション部40が出力するデータに対して変換を行い、成形品質判定部70で用いる諸量を算出する。
成形品質判定部70は、成形シミュレーション部40のシミュレーションの出力及び、データ変換部60でデータ変換された諸量に基づいて成形体の品質の評価を行う。品質評価は、品質が成形制約条件を満たすか否か判定することで行われ、満たさない場合にはどの程度満たさないかも評価させる。また、品質評価は、成形体を粗く分割した領域、あるいは、特定の節点に対して行われる。このため、計算の準備段階において、これらのどの領域あるいはどの特定の節点に対して、どの品質評価を行うかが設定される。
成形品質判定部70には、ウエルド部72、エアトラップ・フローマーク部74、反り部76、バリ部78、面ハリ部80、充填バランス部82、型締力部84が含まれている。
ウエルド部72は、製品として目立つ位置すなわち、ウエルドが形成されてはいけない領域にウエルドが形成されたか否か、何個形成されたかを評価する。ウエルドとは、樹脂が合流してできた曲線状(表面で見た場合。3次元的に見れば面状である)の形跡である。
エアトラップ・フローマーク部74は、成形体に空気が混入してできたエアトラップ若しくはフローマーク、又は、両者が発生すべきではない領域に発生したか否か、何個発生したかを評価する。
反り部76は、金型のキャビティ形状を基準として、成形された成形体がどの程度の反り変形量を有しているかを算出する。変形量が所定の基準値を上回る場合には、成形制約条件を満たさないと判定される。この計算は、成形体を他の部品と組み合わせるために重要となる複数の節点に対して行われる。
バリ部78は、金型の隙間によって作られるバリの発生に関しての品質評価を行う。バリの発生についての評価は、主要な節点に対して行われる。そして、本来発生すべきではないバリが発生したか否か、何個発生したかが評価される。
面ハリ部80は、成形体表面の面ハリ(面歪み)についての品質評価を行う。面ハリの評価も、主要な節点に対して行われる。そして、面ハリ量が所定値以内におさまっているか否かが評価される。
このバリの発生や面ハリ量の予測は、一般に成形シミュレーションで得られた複数の物理量に基づいて統計的に調べられる。例えば、実験結果等に基づいて、樹脂の流速、金型内部の圧力、樹脂と金型の温度、成形体の板厚などの物理量と、バリあるいは面ハリ量との関係を重回帰分析によって分析しておく。そして、得られた物理量をこの重回帰分析結果に照らしあわせ、バリの発生が予想されるか、あるいは、面ハリ量が所定値以上となるかが評価される。なお、重回帰分析の代わりにクラスタ解析などの手法を用いてもよい。
充填バランス部82は、金型内部の樹脂充填ゲートからの樹脂の充填がバランスよく行われたか否かを判定する。判定は、金型内部の複数箇所(例えば中央部と端末部の節点)の圧力を比較し、所定値と比較することで行われる。圧力差が大きい場合には、金型内部で無理な力が作用しており製品に悪影響を与える恐れがある他、この無理な力に伴って金型がゆがむことによるバリの発生の可能性も生じる。また、圧力バランスをとるためにフォローの圧力をかけることによっても、バリが発生する恐れがある。そこで、圧力差が所定値以下でないときには、成形制約条件を満たさなかったと判定される。
型締力部84は、金型内部に作用する圧力に抗して上型と下型を結合させるために必要となる型締力について判定する。この必要型締力が一定値以上となると、型締めに用いる設備が大規模になる他、金型にかかる力学的負担も無視できなくなる。そこで、型締力が一定値(例えば2000t)以上の場合には、成形制約条件を満たさなかったと判定される。
剛性品質判定部90は、剛性シミュレーション部50のシミュレーション結果に基づいて、剛性品質が成形制約条件を満たすか否かを判定する。このため、剛性品質判定部90には、剛性シミュレーション部50に含まれる上面解析部52、側面解析部54、正面解析部56に対応して、上面部92、側面部94、正面部96が設けられている。これらの各部は、剛性品質についての所定の条件を保持しており、シミュレーション結果と比較を行って、成形制約条件を満たすか否かを判定する。
最適化処理部100は、成形品質判定部70、剛性品質判定部90の各部から判定結果を取得する。また、条件設定部30から、金型のキャビティ部の体積(これは成形体の体積とみなせる)と、金型の設定条件を取得する。そして、全ての成形制約条件を満たし、かつ、成形体の体積を最小化するような金型の仕様を探索する。探索には、変更部34により金型仕様を変更し、この金型によって作られる成形体が成形制約条件を満たすかの確認を多数回繰り返す必要がある。最適化処理部100は、最適化アルゴリズム(実験計画法、応答曲面法、遺伝的アルゴリズム(GA)法など)に従って、この探索を効率よく行うことができる。そして、この最適化アルゴリズムに従って次に実験すべき金型仕様の設定を変更部34に指示する。最適化処理部100は、設定された反復回数、あるいは、所定の精度で最適解が得られた場合に、その処理を終了する。そして、得られた結果を表示部14に表示するなどしてユーザに知らせるとともに、記憶部18にその結果を保存する。なお、この最適化処理部100は、市販の最適化ソフトウエア等を利用して実装することも可能である。
以上の装置構成を用いた処理の流れを、図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、剛性シミュレーション部50と剛性品質判定部90を利用しない態様について示している。
処理においては、まず、事前準備が行われる(S10)。事前準備は、初期設定部32における金型仕様の基本的な形状の設定、成形シミュレーション部40、剛性シミュレーション部50におけるシェル要素のメッシュ生成、成形品質判定部70における品質評価のための領域分割設定や格子点の選定、成形品質判定部70や剛性品質判定部90における判定基準の設定など多岐にわたる。既存の複数のソフトウエアを結合して金型最適化装置10を形成する場合には、その結合の準備等も行われる。
次に、初期設定部32において、金型仕様の板厚、ゲート配置、ゲートサイズの初期条件が与えられる(S12)。そして、この金型仕様に基づいて、成形シミュレーション部40において成形シミュレーションが実施される(S14)。成形シミュレーションは、流動解析部42を用いた流動過程のCAEシミュレーション、保圧解析部44を用いた保圧過程のCAEシミュレーション、冷却解析部46を用いた冷却過程のCAEシミュレーション、反り解析部48を用いた反り過程のCAEシミュレーションからなる。
続いて、成形品質判定部70においては、データ変換部60によって成形シミュレーション結果を基に品質判定のための諸量、例えばウエルドやエアトラップなど、が計算される(S16)。そして、成形品質判定が評価対象領域あるいは評価対象格子点において行われる(S18)。すなわち、ウエルド部72におるウエルド判定、エアトラップ・フローマーク部74によるエアトラップ・フローマーク判定、反り部76による反り変形量判定、バリ部78によるバリ発生判定、面ハリ部80による面ハリ判定、充填バランス部82における充填バランス判定、型締力部84における型締力判定などが行われる。
次に、最適化処理部100によって最適化処理の終了が判定される(S20)。そして、終了しない場合には、最適化処理部100は、最適化アルゴリズムに従って演算が行われ(S22)、変更部34に対し、板厚、ゲート配置、ゲートサイズの少なくとも一つの変更を指示する。この過程を繰り返すことにより、最適化アルゴリズムに従って最適な成形体を作り出す金型仕様が決定される。
以下に、図3から図8を用いて、自動車の前部に用いられるパネルを例に挙げて、成形制約条件に従った評価を行う様子を具体的に説明する。
図3は、パネル110の右半分を模式的に示す図ある。そして、このパネル上に2次元的に作られた格子状の領域は、品質評価を行うために形成された領域を示している。すなわち、横方向(例えばA,E,J,Mの各記号で表している)と上下方向(1,2,3,4,5の各記号で表している)にほぼ規則的に領域が形成されている。例えば、成形シミュレーションにシェル要素法を用いる場合に形成されるメッシュ(要素あるいは節点)の数は10000のオーダーとなるが、図示した領域の数は100のオーダーである。これにより評価のための計算量を減少させることができる。また、この分割された領域は、金型の板厚を変更させる際にも用いられる。すなわち、必要に応じて境界の繋がりを考慮した上で、この領域に含まれる節点全てで板厚を同じように増加又は減少させることができる。これにより、最適化処理における金型仕様の変更の自由度を著しく低減し、収束を早めることができる。
図3においては、品質評価を行う代表的な節点の例として、パネル中央部のセンタ節点P1と、パネルの右隅に位置する端末節点P15も示されている。表2に示したように、この節点は、充填バランス部82などで用いられる。すなわち、節点P1においては金型の内部の圧力は○○MPa以下であることが要求され、節点P15においては金型の内部の圧力は△△MPa以上であることが要求される。そして、この値を満たさない場合には、成形制約条件を満たさないと判定される。
さらに図3においては、樹脂を充填するための2つのゲート位置が描かれている。一つは中央付近に設けられたゲート(1)であり、もう一つはやや右よりの節点P101に設けられたゲート(2)である。表3は、このゲート(2)の設定可能条件を示している。すなわち、ゲート(2)は、節点P101に設けられているが、節点P102、P103、P104の3カ所に移動することができる。また、節点付近の板厚とゲートの幅は標準値に固定することが要求されている。
図4は、図3と同じパネル110に対して行うウエルド判定を説明する図である。このパネル110には、孔部112、114が設けられているため、充填される樹脂はこの孔部112、114の周囲で分流及び合流を起こしてキャビティ部に充填される。ウエルド116、118はこの合流の痕跡である。成形制約条件では、美観上、ウエルドを製品の目立つ箇所に発生させないこととされており、発生させてはいけない領域が表1で説明したウエルド判定の領域として選ばれている。図中で斜線で示したウエルド判定領域グループu1、u2は、このウエルド判定を行う領域を連続領域毎にグループ化したものである。ウエルド判定はこのウエルド領域グループu1、u2に何個のウエルドが発生しているかをカウントすることで行う。図4の例では、それぞれひとつずつ発生しており、合計2個発生していると判定される。
図5は、図3と同じパネル110に対して行うエアトラップ判定を説明する図である。この例では、パネル110中にエアトラップ120、122、124が発生している。エアトラップは樹脂充填時の空気の巻き込みにより発生するものであり、ウエルドと同様に製品の目立つ箇所には発生させないことを成形制約条件としており、エアトラップ判定を行う領域が定められている。斜線で示したエアトラップ判定領域グループa1は、連続して存在するエアトラップ判定領域をグループ化したものである。図5によれば、このエアトラップ判定領域グループa1には、3個のエアトラップ120、122、124が存在している。そこで、エアトラップ判定では、発生したエアトラップは3個であると判定される。
図6と図7は、図3と同じパネル110に対して行う反り判定を説明する図である。そして、図7は、図6において示した矢印b,b’の方向からパネル110を描いた端面図である。この図7においては、パネル110を金型から取り出す前の形状132と、パネル110を金型から取り出した後の形状134を示している。この二つの形状132,134は、パネル110のセンタ付近がほぼ一致する位置関係で描かれている。このため、二つの形状132,134は若干位置が異なる他、正確には図面の奥行き方向にもずれている。
反り判定においては、基準となる節点(今の例では形状132において位置ベクトルY1で、形状134において位置ベクトルY2で表した節点)に対する指定した節点(今の例では形状132において位置ベクトルX1で、形状134において位置ベクトルX2で表した節点)の相対的な反り変形量が所定値内にあるかを判定する。すなわち、基準となる節点の変位ベクトルY=Y2−Y1と、指定した節点の変位ベクトルX=X2−X1を用いて、相対的な変位ベクトルZは
Z=X−Y (1)
で表現される。このベクトルZは、例えば基準となる節点を車体の所定位置にねじ止めした場合に、指定した節点が予定したねじ止め位置からどの程度ずれるかを示している。そこで、ベクトルZの絶対値、あるいは、各成分の大きさが、基準値を上回ると成形制約条件を満たしていないと判定される。なお、相対的な変位ベクトルZは形状132と形状134の配置に依存するため、前に述べたように、パネル110のセンタ付近を両者の配置の基準とすることで任意性を排除している。
Z=X−Y (1)
で表現される。このベクトルZは、例えば基準となる節点を車体の所定位置にねじ止めした場合に、指定した節点が予定したねじ止め位置からどの程度ずれるかを示している。そこで、ベクトルZの絶対値、あるいは、各成分の大きさが、基準値を上回ると成形制約条件を満たしていないと判定される。なお、相対的な変位ベクトルZは形状132と形状134の配置に依存するため、前に述べたように、パネル110のセンタ付近を両者の配置の基準とすることで任意性を排除している。
図8は、図3と同じパネル110に対して行うバリ判定及び面ハリ判定を説明する図である。バリ判定及び面ハリ判定は、指定した節点においてのみ行う。すなわち、図中に黒丸で示した節点P1,P2,P3,...,P15のうち、節点P2,P3,P15などの外辺部にある節点に対してはバリ判定を行い、節点P14,P15のように、収縮に起因した変形の恐れが強い箇所にある節点に対しては面ハリ判定を行う。バリの発生は、その節点近傍の圧力、樹脂温度、流速、型温度などの物理量に基づいて予測される。すなわち、過去の実験によりこれらの物理量の状態とバリの大きさとが重回帰分析により統計的に結びつけられている。そこで、次式に示すように、成形シミュレーションにより得られたこれらの物理量を、この重回帰式に投影して得られた推定バリ指標値が、バリ発生が予測されるバリ基準値と比較される。
推定バリ指標値=f(圧力、樹脂温度、流速、型温度、・・・)≦バリ基準値(2)
この評価を行う全ての節点において、推定バリ指標値がバリ基準値を下回っていることが成形制約条件である。
この評価を行う全ての節点において、推定バリ指標値がバリ基準値を下回っていることが成形制約条件である。
面ハリ判定においても、次式に示すように、同様にしてその節点の周囲の圧力、樹脂温度、型温度などを重回帰式に投影し、得られた推定面ハリ指標値と面ハリ基準値とが比較される。
推定面ハリ指標値=g(圧力、樹脂温度、型温度、・・・)≧面ハリ基準値 (3)
成形制約条件としては、この評価を行う全ての節点において、推定面ハリ指標値が面ハリ基準値を上回っていることが要求される。
成形制約条件としては、この評価を行う全ての節点において、推定面ハリ指標値が面ハリ基準値を上回っていることが要求される。
ここで、図9を用いて、本実施の形態の変形例を説明する。図9は、図2に示した処理の流れの変形例を示すフローチャートである。同じ処理内容には同じ番号を付して説明を省略する。この処理において特徴的な点は、板厚、ゲート配置、ゲートサイズについての条件設定・変更の処理(S12)が行われたあとで、成形シミュレーション(S14)の処理と平行して(あるいはその前後に)、剛性シミュレーションが実施される(S30)点である。この剛性シミュレーションは、図1の剛性シミュレーション部50の機能を用いて行われる。すなわち、製品の上面、側面、正面に適当な力学的負荷をかけ、それに対する歪み量を計算する処理が行われる。そして、この剛性シミュレーションの結果は、剛性品質判定部90の機能を用いて判定される(S32)。
剛性シミュレーションのステップS30は、ステップS12で条件設定された板厚に基づいて推測される成形体に対して行われる。したがって、ステップS12でゲート配置やゲートサイズの変更だけが行われるような繰り返し回には、ステップS30とS32を省略することができる。また、剛性品質判定を十分満たすと見込まれる場合には、板厚を変更した場合においてもステップS30とS32を省略することができる。なお、成形体の剛性品質は厳密には、ウエルドの位置や反り変形量などにも依存する。そこで、剛性シミュレーションを、成型シミュレーションの結果に基づいて実施することも有効である。
10 金型最適化装置、12 入出力部、14 表示部、16 ユーザ入力部、18 記憶部、20 制御部、30 条件設定部、32 初期設定部、34 変更部、40 成形シミュレーション部、42 流動解析部、44 保圧解析部、46 冷却解析部、48 解析部、50 剛性シミュレーション部、52 上面解析部、54 側面解析部、56 正面解析部、60 データ変換部、70 成形品質判定部、72 ウエルド部、72 データ変換部、74 フローマーク部、76 反り部、78 バリ部、80 面ハリ部、82 充填バランス部、84 型締力部、90 剛性品質判定部、92 上面部、94 側面部、96 正面部、100最適化処理部、110パネル。
Claims (20)
- 樹脂の射出成形に用いられる金型の仕様を変更する変更手段と、
樹脂の流動解析を含む成形過程のシミュレーションを行って、前記金型を用いた場合に成形される成形体を求める成形シミュレーション手段と、
成形制約条件に従って前記シミュレーション結果を評価する評価手段と、
最適化アルゴリズムに従って、前記変更手段、前記成形シミュレーション手段、及び、前記評価手段を反復実行し、前記成形制約条件の下で前記成形体の品質に基づく目的関数を最適化する金型の仕様を求める最適化手段と、
を備える、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記最適化手段は、前記目的関数としての成形体の体積または重量を最小化するように最適化を行う、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記変更手段は、樹脂充填ゲートの配置位置、樹脂充填ゲートの大きさ、成形体の板厚の少なくとも一つの金型仕様を変更する、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、前記成形体の形状品質に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項4に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成形体のウエルドの位置に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項4に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成形体に発生するエアトラップ又はフローマークに関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項4に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成形体の反り変形量に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項4に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成形体に発生するバリに関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項4に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成形体の面ハリ量に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成型過程における金型内の圧力に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項10に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、成型過程における金型内の圧力バランスに関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項10に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、金型内の圧力に抗するための金型の必要締力に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記成形制約条件は、前記成形体の剛性品質に関する制約条件である、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項13に記載の金型最適化装置において、
前記評価手段は、前記成形体の剛性解析を行うことにより前記剛性品質についての制約条件を評価する、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記評価手段は、さらに、前記変更手段により変更された金型の仕様から予期される成形体の剛性解析を行って剛性品質に関する成形制約条件を評価する、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記評価手段は、前記シミュレーションの解像度よりも粗い解像度でシミュレーション結果を評価する、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記変更手段は、前記シミュレーションの解像度よりも粗い解像度の領域を単位として金型の仕様を変更する、ことを特徴とする金型最適化装置。 - 請求項1に記載の金型最適化装置において、
前記変更手段は、成形体を構成する部位群の空間位置関係に基づく束縛条件に従って金型仕様を変更する、ことを特徴とする金型最適化装置。 - コンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
樹脂の射出成形に用いられる金型の仕様を変更する変更手順と、
樹脂の流動解析を含む成形過程のシミュレーションを行って、前記金型を用いた場合に成形される成形体を求める成形シミュレーション手順と、
成形制約条件に従って前記シミュレーション結果を評価する評価手順と、
最適化アルゴリズムに従って、前記変更手順、前記成形シミュレーション手順、及び、前記評価手順を反復実行し、前記成形制約条件の下で前記成形体の品質に基づく目的関数を最適化する金型の仕様を求める最適化手順と、
を含む、ことを特徴とする金型最適化プログラム。 - 流動解析を含む樹脂の射出成形の成形過程に関するシミュレーションを行って、設定された金型仕様の下で成形される成形体を求める成形シミュレーション手順を備えたシミュレーションプログラムと、
あるパラメータ条件での演算結果に基づいて得られる目的関数値及び制約条件の評価結果を入力し、最適化アルゴリズムに従って、前記制約条件を満たしかつ目的関数値を最小または最大にするパラメータ条件を探索するためのパラメータ条件を出力する最適化手順を備えた最適化プログラムと、
を利用して、コンピュータに対し、
ある金型仕様の下で、前記成形シミュレーション手順を行わせるシミュレーション指示手順と、
この成形シミュレーションの結果に基づいて、成形体または成形過程に係る前記制約条件の評価を行わせる評価手順と、
前記目的関数値としてこの成形シミュレーションの結果得られた前記成形体の品質に基づく値を入力し、前記制約条件の評価結果として前記評価手順により得られた評価結果を入力して前記最適化手順を行わせ、金型仕様に係る新たなパラメータ条件を出力させる最適化制御手順と、
を含み、
前記シミュレーション指示手順、前記評価手順、及び、前記最適化制御手順を反復させることにより、前記制約条件の下で前記成形体の品質に基づく目的関数を最適化する金型の仕様を取得する、ことを特徴とする金型最適化制御プログラム。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080422 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081111 |