JPH0999472A - 製品の設計支援装置、設計方法および製造方法 - Google Patents

製品の設計支援装置、設計方法および製造方法

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JPH0999472A
JPH0999472A JP7261294A JP26129495A JPH0999472A JP H0999472 A JPH0999472 A JP H0999472A JP 7261294 A JP7261294 A JP 7261294A JP 26129495 A JP26129495 A JP 26129495A JP H0999472 A JPH0999472 A JP H0999472A
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design variable
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JP7261294A
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Satoshi Sawada
聡 澤田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 設計変更後の製品状態を高速に求めることが
できる製品の設計支援装置、設計方法、および製品の製
造方法を提供すること。 【構成】 設計変数の第1の値に基づいて解析された製
品状態の状態値に基づいて設計変数の第2の値への変更
を指示する。しかる後、状態値と設計変数の第1の値の
近傍における前記状態値の近似式を用いて第2の値であ
る場合の近似状態値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製品または製造装置
の製造過程の状態または製品の使用時の状態をコンピュ
ータ・シミュレーションにより求める、製品の設計支援
装置、設計方法および製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形品などの製品や製造装
置の設計を行なう場合、製造過程における製品や製造装
置の圧力や温度などや、製品の使用時に発生する応力あ
るいはそれらの分布などの状態値をコンピュータ・シミ
ュレーションにより求め、その数値解析結果から何か問
題があると判断されると、何らかの設計変更を行なって
コンピュータ・シミュレーションにより設計変更後の状
態値を求めて設計変更の効果を確認することを繰り返
し、設計を最適化することが行なわれている。そしてコ
ンピュータ・シミュレーションを利用して製品や製造装
置の設計を最適化することにより、製品や製造装置を実
際に試作する回数を削減し、設計、開発にかかる費用や
期間を短縮することが可能となる。
【0003】例えば、射出成形金型の設計を行なう場
合、射出成形過程における樹脂の流動速度や圧力や温度
や、金型の温度などをコンピュータ・シミュレーション
により求める。その結果から、金型の温度分布が不均一
で製品の品質が悪くなると判断されると、金型の冷却管
の位置、形状、材料温度、射出圧力などの設計変数を変
更する設計変更を行ない、再びコンピュータ・シミュレ
ーションを実行して金型の温度などを求めることを、製
品の品質に問題が生じないと判断されるまで繰り返して
行ない、金型の設計を最適化する。また、コンピュータ
・シミュレーションの結果、樹脂の圧力が高く成形が困
難だと判断されると、ゲートと呼ばれる製品への樹脂注
入部の位置を移動する設計変更を金型に加え、再びコン
ピュータ・シミュレーションを実行して樹脂の圧力を求
めることを、成形が可能と判断されるまで繰り返して行
ない、金型の設計を最適化していた。
【0004】しかし、コンピュータ・シミュレーション
を何回も実行して試行錯誤することが必要であるため、
多くの計算時間が必要となる。また、設計変数の選択に
よっては設計変更の効果がほとんど無いこともあるが、
コンピュータ・シミュレーションを再度行なうまで効果
を確認することができないため、効率的に設計変数を選
択し設計を最適化することが困難であった。
【0005】近年は、設計変数の選択と設計変更の範囲
および最小化あるいは最大化する目的関数を予め設定し
ておき、上記のコンピュータ・シミュレーションと設計
変更の繰り返しを全てコンピュータにより自動的に実行
し、設計を最適化する方法も一部で実用化されてきた。
【0006】しかし、この方法でも、多くの計算時間を
必要とすること、設計変数の選択が不適切だと設計を改
善できないこと、製品あるいは製造装置によっては設計
変更の範囲や目的関数の設定が困難であること、などの
問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑みなされたもので、製品または製造装置の設
計において、設計変更を指示すると高速に設計変更後の
製品または製造装置の状態値を求めることのできる製品
の設計支援装置および設計方法を提供することにある。
【0008】また、本発明の別の目的は、上記のような
設計方法により迅速に設計変数を最適化し、最良の条件
で製品を製造することができる製品の製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、設計変
数の第1の値に基づいて解析された製品状態の状態値に
基づいて前記設計変数の第2の値への変更を指示する設
計変数変更指示手段と、前記状態値と前記設計変数の前
記第1の値の近傍における前記状態値の近似式を用いて
前記設計変数が前記第2の値である場合の近似状態値を
求める近似状態値算出手段とを備えてなることを特徴と
する製品の設計支援装置が提供される。
【0010】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記製品状態は、製品の製造工程もしくは使用時における
製品の状態または製品の製造装置の製造過程における状
態である、製品の設計支援装置が提供される。
【0011】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記製品は、射出成形品、ブロー成形品、熱成形品または
押出成形品であることを特徴とする製品の設計支援装置
が提供される。
【0012】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記製品状態は、成形材料圧力、成形材料圧力変化、成形
材料流動速度、成形材料温度、成形材料せん断応力、成
形材料粘度、成形材料弾性率、成形材料密度、成形材料
結晶化度、成形品応力、成形品変形量または成形品成形
装置温度であることを特徴とする記載の製品の設計支援
装置が提供される。
【0013】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記設計変数の任意の値における前記製品状態の状態値を
求める数値解析手段を備えてなることを特徴とする製品
の設計支援装置が提供される。
【0014】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記設計変数の任意の値の近傍における前記状態値の近似
式を求める近似式算出手段を備えてなることを特徴とす
る製品の設計支援装置が提供される。
【0015】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記近似状態値を表示する近似状態値表示手段を備えてな
ることを特徴とする製品の設計支援装置が提供される。
【0016】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記設計変数の第3の値への変更を指示する設計変数変更
指示手段と、前記近似状態値と前記設計変数の前記第1
の値の近傍における前記状態値の近似式を用いて前記設
計変数が前記第3の値である場合の近似状態値を求める
近似状態値算出手段とを備えてなることを特徴とする製
品の設計支援装置が提供される。
【0017】また、本発明によれば、設計変数の第1の
値に基づいて解析された製品状態の状態値に基づいて前
記設計変数の第2の値への変更を指示し、前記状態値と
前記設計変数の前記第1の値の近傍における前記状態値
の近似式を用いて前記設計変数が前記第2の値である場
合の近似状態値を求めることを特徴とする製品の設計方
法が提供される。
【0018】また、本発明によれば、上記の製品の設計
方法により前記設計変数の最適値を求め、前記最適値を
前記設計変数の値として採用して製品を製造することを
特徴とする製品の製造方法が提供される。
【0019】本発明において、製品の状態とは、製品や
製品の製造装置の製造工程または使用状態における各部
の温度、圧力、応力などの物理量あるいは物理量の時間
的もしくは空間的な分布をさす。特に、製品が射出成形
品、ブロー成形品、熱成形品または押出成形品である場
合は、成形材料圧力、成形材料圧力変化、成形材料流動
速度、成形材料温度、成形材料せん断応力、成形材料粘
度、成形材料弾性率、成形材料密度、成形材料結晶化
度、成形品応力、成形品変形量または成形品成形装置温
度などおよびその分布がこれに該当する。
【0020】本発明において、製品の設計変数とは、製
品の状態値に影響を及ぼすあらゆる設計パラメータを指
す。たとえば、製品または製品の製造装置の製造工程ま
たは使用時の設定温度、設定圧力、寸法、プロセスの速
度などがこれに該当する。特に、製品が射出成形品、ブ
ロー成形品、熱成形品または押出成形品である場合は、
製品や製品材料の金型の寸法、設定温度、成形速度、成
形圧力、冷却手段の位置、冷却温度などが考えられる。
【0021】本発明において、設計変数がある値(以
下、「第1の値」という。)であるときの製品状態を求
める手段としては、有限要素法(FEM)、境界要素法
(BEM)、差分法などあらゆる数値解析手法が用いら
れる。
【0022】また、本発明において、設計変数が第1の
値の近傍にあるときの近似値を求める近似式としては、
後述するTaylor展開を用いた近似式および第1の値の近
傍の多数の値における状態値を求め、この結果を学習す
るニューラルネットワークを用いた近似モデルなどが考
えられる。
【0023】ここで最も計算が簡単なTaylor展開を用い
た近似式及びこれを用いた感度解析手法について説明す
る。
【0024】次の、式(1) は、一般に知られるTaylor展
開の式である。
【0025】
【数1】 ここで、a は現在の設計変数の値(第1の値)、h は設
計変数の変更量、a+hは設計変更後の設計変数(以下
「第2の値」という。)、f(a)は現在の状態値、f(a+h)
は設計変更後の状態値であり、f の右肩の(n) は設計変
数による状態値のn階微分を示す。
【0026】ある状態値について設計変数a に関する上
記式(1) は、よく知られているように、たとえば、次の
ようにして求められる。
【0027】はじめに、たとえば、設計変数(たとえ
ば、製品の寸法)が第1の値a である場合についての状
態値(たとえば、製品内部の応力)f(a)を数値解析手法
により求める。次に、設計変数a をたとえば微小な値Δ
a だけ増加させた場合につき同様に状態値f(a+Δa)を求
める。このとき、上記式(1) の第2項のf (1) (a) は、
f (1) (a) =(f(a+ Δa)-f(a))/ Δa により求められ
る。f (2) (a) を求めるときは、たとえば、設計変数a
をa-Δa とした場合につき同様に状態値f(a-Δa)を求
め、状態値f(a)およびf(a+Δa )と組み合わせて求める
ことができる。このように、f (n) (a) を求めるとき
は、設計変数a の近傍のn+1 個の状態値を求め、これか
ら計算することができる。
【0028】設計値を第1の値とした時の数値解析によ
り現在の状態値が、上記のような感度解析によりある階
数までの微分係数が決められるので、設計変数の変更量
を与えると式(1)により設計変更後の状態値が近似計
算される。式(1)は四則演算のみで構成されるので、
極めて高速に設計変更後の状態値を求めることが可能で
ある。ニューラルネットワークを用いる場合でも、設計
変数が複数の値の場合について状態値を求め、この複数
の状態値の情報に基づいて設計変数a の近傍における近
似式を求めるのである。
【0029】式(1)による近似計算では、用いる微分
の階数が低次までの場合には、設計変数の変更量が大き
くなると近似誤差が大きくなる。感度解析において高階
の微分を求めておくと、設計変数の変更量が大きくなっ
ても設計変更後の状態値を精度良く計算することが可能
になる。
【0030】上記では、設計変数が1つの場合について
説明したが、設計変数が2つ以上ある場合についても、
同様の方法で設計変更後の状態値を極めて高速に求める
ことが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による製品の設計
支援装置および設計方法ならびに製品の製造方法の好ま
しい態様の例を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】図1は、本発明の設計支援装置のハードウ
ェア構成例を示す図である。コンピュータ101に入力
装置103、表示装置104および補助記憶装置102
が接続されている。入力装置103により、製品や製造
装置のモデルのデータと製造条件や使用条件のデータの
入力が受け付けられ、こうしたデータは補助記憶装置1
02に格納される。オペレータの指示によりコンピュー
タ101がそれらのデータを内部のRAM(ランダムア
クセス可能な揮発メモリ)に読み込み、製品または製造
装置の数値解析や感度解析を行ない、それらの結果は補
助記憶装置102に格納される。また、別の装置や方法
により得られた数値解析結果や感度解析結果を、補助記
憶装置102に格納しても良い。入力装置103によ
り、オペレータが設計変数の変更量を入力すると、コン
ピュータ101が数値解析結果、感度解析結果、設計変
数の変更量などのデータを内部のRAMに読み込み、設
計変更後の製品や製造装置の状態値を計算し、得られた
結果は表示装置104により表示される。オペレータは
それを見て、必要ならばさらに設計変数の変更量を入力
し、設計変更後の状態値を再び計算させる。そして望ま
しい状態値が得られるように上記操作を繰り返すことに
より、設計を最適化する。
【0033】図2は、本発明の設計支援装置および設計
方法における手順の例を示したフローチャートである。
はじめに、製品や製造装置のモデルのデータと製造条件
や使用条件のデータを入力する(ステップ1)。次に、
数値解析を行ない製品や製造装置の設計値が第1の値の
場合の状態値を求める(ステップ2)。次に、感度解析
を行ない製品や製造装置の感度値を求め、近似式をつく
る(ステップ3)。次に、製品や製造装置の状態値にも
とづき設計変数の変更量を入力する(ステップ4)。次
に、数値解析結果と感度解析結果と設計変数の変更量を
用いて、設計変更後(すなわち設計変数が第2の値の場
合)の製品や製造装置の状態値(近似状態値)を求める
(ステップ5)。次に、こうして得られた設計変更後の
状態値をたとえばグラフィック処理して、等高線あるい
はグラフなどの形式で表示する(ステップ6)。そして
設計変更後の状態値を評価する(ステップ7)。まだ問
題があると判断される場合は、再びステップ4に戻って
設計変更を指示し設計値を第3の値とする。その後の設
計変更においても基本的にはステップ3で求めた第1の
値における感度を用いる。こうしたステップを製品や製
造装置の状態が望ましくなるまで繰り返し、設計を最適
化する。
【0034】また、設計変更量が大きくなったときに
は、感度解析の手法によっては、設計変更後の状態値の
計算で近似誤差が大きくなることがあるが、その場合に
は、製品や製造装置のモデルのデータや製造条件を設計
変更後の値に変更し(ステップ8)、再びステップ1に
戻って数値解析と感度解析を再度実行して、誤差が小さ
くなるようにしても良い。この感度解析(近似式導出)
は、たとえば、2〜10回程度の設計変更を繰り返した
のちに、無条件に自動的に行なってもよく、設計変更量
があらかじめ設定しておいた値よりも大きくなったとき
に自動的に行なうこととしてもよい。また、ステップ3
でTaylor展開の第m+1 次までの微係数を求めておき(m
は正の整数)、ステップ5の計算を第m 次までの微係数
のみで実施することとし、ステップ5のあとで現在の設
計変数と第1の値との差Δが第m+1次の微係数と同程度
となったときにステップ8に進むようにしてもよい。も
ちろん、オペレータが経験に基づいて適宜感度解析を実
施してもよい。
【0035】なお、上記ステップ6の状態値のものの表
示は必ずしも必要ない。適当な状態の評価手段によりそ
の結果が表示されれば十分な場合もある。また、設計変
数の変更量の指示は、エキスパートシステムやニューラ
ルネットワーク等の手法により自動的に行なってもよ
い。特にその場合は、最適化された設計変数を得るまで
の途中経過は必ずしも表示する必要はない。また、ステ
ップ3で求めた感度値など感度情報をステップ4の前に
表示して、オペレータがこれを設計変数の変更の参考と
することができるようにしても良い。
【0036】上述のようにして設計変更後の状態値を高
速に求めることにより、設計変更の指示および状態値の
表示の繰り返しを高速に実行することが可能になり、高
速かつ簡単に設計の最適化を対話形式で実現することが
可能となる。
【0037】たとえば、構造物を設計する場合に、構造
物に荷重が加えられたときに発生する応力を高速に近似
計算により求め表示する。これにより、補強のためのリ
ブの厚さ、形状、位置を変えたときや、軽量化のための
穴の位置、大きさを変えたときに、応力がどのように変
化するかを瞬時に確認でき、構造物の形状を最適化する
ことができる。
【0038】また、たとえば、製造条件を最適化する場
合に、製造工程での製品の圧力と温度を高速に近似計算
により求め表示することでもできる。これにより、製造
条件である設定圧力や設定温度をかえたときに、製品の
圧力と温度がどのように変化するかを瞬時に確認でき、
製造条件を最適化することができる。
【0039】なお、本発明の設計支援装置および設計方
法を実現するソフトウェアは、磁気ディスク、光ディス
クなどの記憶媒体に記憶された形またはネットワークを
経由して頒布される。
【0040】
【実施例】以下に、本発明による設計支援装置および設
計方法ならびに製品の製造方法の実施例を図面を参照し
ながら詳細に説明する。図2は本発明を構成する方法の
手順を示すフローチャートである。
【0041】[実施例1]ここでは図3に示すような断
面を持つ射出成形金型の冷却管位置設計への実施例につ
いて示す。
【0042】一般に、射出成形においては製品と接する
金型部分の温度は均一に近いことが望ましいとされる。
そして、金型の温度を均一に近づけるためには冷却管の
設計を最適化することが必要である。本実施例では、図
3の製品と接する金型部分1の温度を均一に近づけるた
めに、冷却管2の位置を最適化した。コンピュータ10
1としてはエンジニアリングワークステーションを用い
た。
【0043】図4は、図2のステップ2において実行し
た金型温度の数値解析結果から、図3の金型部分1での
温度をグラフ表示したものである。製品の屈曲部4の金
型温度が高く、また、製品の上部3の金型温度も周辺よ
り高くなっている。金型の温度を均一に近づけるために
はそれらの位置の温度を下げることが必要である。
【0044】冷却管位置を二次元平面内で変更する場合
は、直交する2方向での冷却管の移動量をそれぞれ設計
変数として感度解析を実行しておく。この実施例の感度
解析では1階の微分を求めた。図5は、図2のステップ
3において実行した冷却管位置を設計変数としたときの
金型温度の感度解析結果から、図3の冷却管2の右方向
6への移動量を設計変数としたときの金型部分1での感
度をグラフ表示したものである。同様に、図6は、図3
の冷却管2の下方向7への移動量を設計変数としたとき
の金型部分1での感度をグラフ表示したものである。
【0045】図2のステップ4において指示される冷却
管の移動量を用いて、ステップ5にて設計変更後の金型
温度を求め、ステップ6にてその結果をグラフ表示し、
図7に示す金型温度を得た。ステップ4以下の一連の計
算、表示は、瞬時に完了した。
【0046】続いて図2のステップ7において金型温度
の評価を行ない、まだ十分金型温度が均一になっていな
いので、ステップ4に戻り、金型温度が均一に近づくま
で処理を繰り返す。その結果、図8に示す金型温度を得
た。設計変更前には最高と最低の金型温度差は4.6 ℃で
あったが、温度差を2.3 ℃まで低減させることができ
た。
【0047】この結果に基づいて金型を制作し、これに
より成形を実施すれば、強度の高い良好な製品が得られ
る。
【0048】[実施例2]ここでは図9に示す樹脂成形
品の、ゲートと呼ばれる製品への樹脂注入部の位置の設
計への実施例について示す。
【0049】一般に、射出成形においてはゲートの位置
により射出成形過程の樹脂圧力が変化し、樹脂圧力が小
さくなるようにゲート位置を設計することが、高品質な
射出成形品を効率良く製造するために必要とされる。本
実施例では、充填終了時の樹脂圧力が小さくなるように
ゲートの位置を最適化した。
【0050】図10は、図2のステップ2において実行
した射出成形過程の数値解析結果から、樹脂圧力を等高
線表示したものである。樹脂成形品の厚さが左右で異な
るため、ゲート位置を予め中心から左側にずらして設計
してあるが、まだ左右の圧力のバランスが悪く、ゲート
での樹脂圧力は10.6MPa である。また、樹脂圧力の総和
を計算すると型締め力と呼ばれる成形過程で射出成形機
が必要とする力を求められるが、最初のゲート位置設計
ではこの型締め力は45kNであった。
【0051】図2のステップ4においてゲート位置を右
側に移動するよう指示したときに、ステップ5にて設計
変更後の樹脂圧力を求め、ステップ6にてその結果を等
高線表示し、図11に示す樹脂圧力分布を得た。ステッ
プ4以下の一連の計算、表示は、瞬時に完了した。
【0052】続いて図2のステップ7において樹脂圧力
の評価を行ない、現行のゲート位置での数値解析結果に
比べて樹脂圧力が高くなったので、ステップ4に戻り、
樹脂圧力が低くなるまで処理を繰り返す。その結果、現
行のゲート位置を左側に移動させ、図12に示す樹脂圧
力分布を得た。このときのゲートでの樹脂圧力は8.7MP
a、型締め力は29kNであり、最初の設計から樹脂圧力を
約18% 低減し、型締め力を約36% 低減させることができ
た。
【0053】
【発明の効果】本発明の設計支援装置および設計方法に
よれば、設計変更後の製品や製造装置の状態値を高速に
計算することができる。また、好ましい態様によれば、
設計変更後の状態値を表示することができるため、設計
変更の効果を確認しながら設計変更の指示を繰り返すこ
とにより、高速かつ簡単に設計を最適化することができ
る。
【0054】また、設計変更の指示と設計変更後の状態
値の表示を対話形式で実行することもできる。したがっ
て、有効な設計変数を簡単に選択でき、設計変数の変更
可能な領域が限られている場合でも簡単に設計変数の変
更量を指示することができる。これにより、必要な場合
にはオペレータによる設計変数の変更等が容易であり、
その場合、全てコンピュータにより自動的に最適化を実
行する場合の問題点である、設計変数の選択や設計変更
の範囲設定の困難を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の設計支援装置のハードウェア構成例を
示す図である。
【図2】本発明の設計方法の手順の例を示すフローチャ
ートである。
【図3】本発明の一実施例における射出成形金型の断面
を示す図である。
【図4】本発明の一実施例における金型温度の数値解析
結果を示す図である。
【図5】本発明の一実施例における金型温度の感度解析
結果を示す図である。
【図6】本発明の一実施例における金型温度の感度解析
結果を示す図である。
【図7】本発明の一実施例における設計変更後の金型温
度の計算結果を示す図である。
【図8】本発明の一実施例における設計変更後の金型温
度の計算結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施例における射出成形品の形状を
示す図である。
【図10】本発明の一実施例における樹脂圧力の数値解
析結果を示す等高線図である。
【図11】本発明の一実施例における設計変更後の樹脂
圧力の計算結果を示す等高線図である。
【図12】本発明の一実施例における設計変更後の樹脂
圧力の計算結果を示す等高線図である。
【符号の説明】
1:製品と接する金型部分 2:冷却管 3:製品上部 4:製品屈曲部 5:製品左部 6:冷却管移動方向 右 7:冷却管移動方向 下 101:コンピュータ 102:補助記憶装置 103:入力装置 104:表示装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】設計変数の第1の値に基づいて解析された
    製品状態の状態値に基づいて前記設計変数の第2の値へ
    の変更を指示する設計変数変更指示手段と、前記状態値
    と前記設計変数の前記第1の値の近傍における前記状態
    値の近似式を用いて前記設計変数が前記第2の値である
    場合の近似状態値を求める近似状態値算出手段とを備え
    てなることを特徴とする製品の設計支援装置。
  2. 【請求項2】前記製品状態は、製品の製造工程もしくは
    使用時における製品の状態または製品の製造装置の製造
    過程における状態である、請求項1に記載の製品の設計
    支援装置。
  3. 【請求項3】前記製品は、射出成形品、ブロー成形品、
    熱成形品または押出成形品である請求項1または2に記
    載の製品の設計支援装置。
  4. 【請求項4】前記製品状態は、成形材料圧力、成形材料
    圧力変化、成形材料流動速度、成形材料温度、成形材料
    せん断応力、成形材料粘度、成形材料弾性率、成形材料
    密度、成形材料結晶化度、成形品応力、成形品変形量ま
    たは成形品成形装置温度である請求項3に記載の製品の
    設計支援装置。
  5. 【請求項5】前記設計変数の任意の値における前記製品
    状態の状態値を求める数値解析手段を備えてなることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製品の設計
    支援装置。
  6. 【請求項6】前記設計変数の任意の値の近傍における前
    記状態値の近似式を求める近似式算出手段を備えてなる
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製品
    の設計支援装置。
  7. 【請求項7】前記近似状態値を表示する近似状態値表示
    手段を備えてなることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の製品の設計支援装置。
  8. 【請求項8】前記設計変数の第3の値への変更を指示す
    る設計変数変更指示手段と、前記近似状態値と前記設計
    変数の前記第1の値の近傍における前記状態値の近似式
    を用いて前記設計変数が前記第3の値である場合の近似
    状態値を求める近似状態値算出手段とを備えてなること
    を特徴とする請求項1〜7に記載の製品の設計支援装
    置。
  9. 【請求項9】設計変数の第1の値に基づいて解析された
    製品状態の状態値に基づいて前記設計変数の第2の値へ
    の変更を指示し、前記状態値と前記設計変数の前記第1
    の値の近傍における前記状態値の近似式を用いて前記設
    計変数が前記第2の値である場合の近似状態値を求める
    ことを特徴とする製品の設計方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の製品の設計方法により
    前記設計変数の最適値を求め、前記最適値を前記設計変
    数の値として採用して製品を製造することを特徴とする
    製品の製造方法。
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