JP3078178B2 - 射出成形用金型の冷却配管最適化方法 - Google Patents

射出成形用金型の冷却配管最適化方法

Info

Publication number
JP3078178B2
JP3078178B2 JP06153427A JP15342794A JP3078178B2 JP 3078178 B2 JP3078178 B2 JP 3078178B2 JP 06153427 A JP06153427 A JP 06153427A JP 15342794 A JP15342794 A JP 15342794A JP 3078178 B2 JP3078178 B2 JP 3078178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
cooling
cooling pipe
mold
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06153427A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0811182A (ja
Inventor
義一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP06153427A priority Critical patent/JP3078178B2/ja
Publication of JPH0811182A publication Critical patent/JPH0811182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3078178B2 publication Critical patent/JP3078178B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め作成された冷却配
管モデルおよび射出成形用金型を3次元モデルとして冷
却解析し、この冷却解析に基づいて冷却配管モデルに修
正を施すことにより、冷却配管モデルの最適化を行う射
出成形用金型の冷却配管最適化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形用金型(以下では単に金型と称
する)に冷却管を配管するときには、金型を均一に冷却
すると共に、金型を速く冷却するため、冷却配管の最適
化が要求される。このため従来技術として、境界要素法
を用いた『境界要素設計感度解析に基づく射出成形金型
の冷却管の最適設定:出典 日本機械学会第70期講演
論文集』、および数理計画法を用いた『 Heuristic Re
designand Rule Formulation for Complex Engineering
Designs : 出典 NSF-#84-89 著者 Hauhua Lee, Tai
-Hun Kwon 』なる従来技術が提案されている。これらの
従来技術では、キャビティ表面の温度を求めるため、冷
却管の長手方向と直交する断面において、冷却管の中心
位置と半径とをパラメータとして設定している。そし
て、各パラメータにランダムな数値を当てはめると共
に、パラメータの当てはめを行う毎に表面温度を求め、
求められた表面温度の分布が所定温度分布を満足させる
冷却管の中心位置の配置および冷却管の径を求めてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術における手法
は、金型の形状や冷却管の配置を単なる数学的なパラメ
ータとして取り扱う手法となっている。すわなち、各パ
ラメータに設定される数値は、ランダムに決定されるに
過ぎない。このため、パラメータの数値の変更を行うと
共に、変更された数値に基づいて温度分布の演算を行う
というループ動作の回数は、極めて多くの回数が繰り返
されることとなる。つまり演算時間が長くなるといった
問題を生じていた。また得られた結果は、金型の製作と
いう実用上からは、必ずしも最適とはならない場合があ
る。すなわち、現実には製作が困難な冷却管の配置と径
とが最適値として求まる場合があった。
【0004】また金型基準温度については、定数として
予め設定しておく必要があるが、この金型基準温度を決
定するには、作業上の経験を必要とする。つまり金型基
準温度の設定が不適切となる場合では、不良品の発生が
多くなるか、あるいは成形のサイクル時間が長くなると
いった問題を生じていた。
【0005】本発明は上記課題を解決するため創案され
たものであって、請求項1記載の発明の目的は、金型基
準温度と解析結果との差異値に基づいた修正方法を予め
定めることにより、最適化された冷却管の配置を短時間
で得ることのできる射出成形用金型の冷却配管最適化方
法を提供することにある。
【0006】また請求項2記載の発明の目的は、金型温
度と固化率との関係から金型基準温度を求めることによ
って、経験に依存することなく、最適となる金型基準温
度を決定することのできる射出成形用金型の冷却配管最
適化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の発明に係る射出成形用金型の冷却配管最
適化方法は、予め作成された冷却配管モデルおよび射出
成形用金型を3次元モデルとして冷却解析し、この冷却
解析の解析結果に基づいて冷却配管モデルを修正するこ
とにより、冷却配管モデルの最適化を行う冷却配管最適
化方法としており、冷却解析することによって得られた
温度分布に基づき、金型基準温度を超えることとなった
節点をグループ化することによって熱溜まりを抽出し、
抽出された熱溜まりについて、熱溜まりに属する節点の
温度のうちから最高温度を抽出し、抽出された最高温度
と金型基準温度との温度差に従い、温度差の範囲のそれ
ぞれについて予め定められた修正方法から、対応する修
正方法を選択的に実行し、修正方法を実行することによ
り得られた冷却配管モデルを冷却解析すると共にこの冷
却解析の解析結果に対応する修正方法を選択的に実行す
るといった処理を繰り返す方法としている。
【0008】また請求項2記載の発明に係る射出成形用
金型の冷却配管最適化方法は、予め作成された冷却配管
モデルを保圧解析することにより得られた解析結果に基
づいて、射出成形用金型の温度と樹脂の固化率との関係
を求め、求められた関係から、固化率が所定値となる射
出成形用金型の温度を金型基準温度として求める方法と
している。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明の作用を以下に示す。
【0010】射出成形用金型(以下では金型と称する)
における温度分布は、金型を節点でもって示すときに
は、互いに隣合う節点間の温度差は少ない。そのため金
型基準温度より高くなる節点は集合する。熱溜まりは、
この集合した節点を示す。また集合した節点には最高温
度を示す節点があり、この節点の最高温度は、熱溜まり
において抽出される最高温度に一致する。このため熱溜
まりにおいて抽出される最高温度が金型基準温度以下と
なる場合では、温度条件を満たすこととなる。このた
め、最高温度に基づく冷却配管モデルの修正と、修正さ
れた冷却配管モデルの冷却解析と、この冷却解析結果か
らの熱溜まりにおける最高温度の抽出とを繰り返すこと
は、冷却配管モデルの最適化となる。
【0011】この最適化における修正において、最高温
度と金型基準温度との温度差に対応して最適となる修正
方法がある。そしてこの最適となる修正方法を採用した
場合には、修正が極めて有効となる。すなわち、温度差
の範囲のそれぞれについて、予め定められた修正方法か
ら対応する修正方法を選択的に実行することは、最適な
修正方法を実行することとなり、修正、冷却解析、最高
温度の抽出の繰り返し回数が少なくなる。
【0012】請求項2記載の発明の作用を以下に示す。
【0013】保圧解析を行うことによって、金型の温度
と固化率との関係を求めることができる。このため、固
化率が所定値となる金型の温度を金型基準温度として求
めるということは、固化率が最適となる金型の温度を求
めることになる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の一実施例について図面を参
照しつつ説明する。
【0015】図1、図2、図4、図5、図7は、本発明
に係る射出成形用金型の冷却配管最適化方法の一実施例
を示すフローチャートである。これらの図面を参照しつ
つ、実施例について説明する。
【0016】本発明においては、冷却配管モデルおよび
射出成形用金型(以下では単に金型と称する)は3次元
モデルとして扱われる。そのため冷却配管モデルは、冷
却レイアウトオブジェクトによって示され、金型は、金
型オブジェクトによって示される。そしてこれらのオブ
ジェクトは、横断関係として互いのオブジェクトに登録
されることにより、互いに関連付けられている。
【0017】また冷却レイアウトオブジェクトには、冷
却レイアウトを構成する冷却経路オブジェクトが子関係
として登録されており、冷却経路オブジェクトには、冷
却経路を構成する冷却管オブジェクトが子関係として登
録されている。また冷却管オブジェクトの形状を示すデ
ータには、図形表示のためのデータであるソリッドモデ
ル、および冷却解析のための節点および要素が含まれて
いる。また冷却管オブジェクトには、冷却管が属するこ
ととなる冷却経路オブジェクトが親関係として登録され
ており、冷却経路オブジェクトには、冷却経路が属する
こととなる冷却レイアウトオブジェクトが親関係として
登録されている。
【0018】図1に示すフローチャートは、予め作成さ
れた冷却配管モデルに従って、所定サイクルで製品を成
形するのに必要な金型の温度を決定する方法を示してい
る。
【0019】すなわち、図8に示すように、冷却配管モ
デルの作成や修正を含む全ての動作のメニュー一覧から
金型基準温度決定の項目が選択されたときには、冷却経
路の開始位置と互いの間隔とを指定することにより自動
作成された冷却配管モデル等を、保圧解析条件として読
み込む(ステップS11)。そして読み込んだ保圧解析
条件に基づき、ステップS12,S13のループ動作を
3回繰り返すことによって、3水準として定められた3
種の温度のそれぞれについての樹脂の固化率を演算す
る。このときの3水準の温度が、例えば20℃、40
℃、60℃であるとし、各温度に対応する固化率が、図
10のグラフにより示される値になっているとする。
【0020】3水準の各温度における固化率が求められ
ると、各温度と固化率とから、一次近似を行った場合の
計算式における各パラメータを演算する。また二次近似
を行った場合の計算式の各パラメータを演算する。すな
わち、一次近似式の決定を行うと共に二次近似式の決定
を行う(ステップS14)。そして近似式の決定を行っ
た後に、一次近似式を用いた場合の誤差と二次近似式を
用いた場合の誤差との各誤差を求める。
【0021】そして、求められた誤差に基づき、一次近
似式を用いた場合の誤差が二次近似式を用いた場合の誤
差より少ない場合には、一次近似式を近似式として採用
する。また二次近似式の誤差が一次近似式の誤差より少
ない場合には、二次近似式を近似式として採用する(ス
テップS15,S16)。
【0022】採用する近似式が決定されると、次にこの
決定された近似式を用いることによって、固化率が50
%となる金型温度を決定する(ステップS17)。図1
0は、決定された金型温度が53℃となった場合を示し
ており、画面上には、固化率と金型温度との関係を示す
グラフ(図10)、および図9に示すメッセージが共に
表示される(ステップS18)。
【0023】固化率が50%となる金型温度(53℃)
が得られると、この金型温度は、金型基準温度としてス
テップS21において参照され、金型基準温度と冷却媒
体との関係を定めたテーブル(図3により示す)を参照
することによって冷却媒体が決定される。金型基準温度
は53℃であることから、冷却媒体として冷却水が採用
される。冷却媒体として冷却水を採用した後、金型基準
温度に基づいて、冷却水の温度が決定される。このとき
決定される温度とは、例えば50℃等である(ステップ
S22)。
【0024】冷却水の温度が決定されると、ステップS
11において読み込まれた冷却配管モデルと同一モデル
の読み込みを行い(ステップS23)、読み込んだ冷却
配管モデルと決定された冷却水の温度とに基づいて冷却
解析を行う(ステップS24)。この冷却解析の結果と
して得られた金型表面温度から、表面温度の平均値を算
出する(ステップS25)。
【0025】平均値を算出した後、算出された平均値が
所定サイクルによる成形を可能にする値となっているか
どうかを判定する。すなわち、冷却能力が所定能力を備
えているかどうかが判定される(ステップS26)。
【0026】金型表面温度の平均値が、固化率が50%
となる金型基準温度(53℃)を満足せず、53℃より
高い温度を示す場合には、冷却能力が不足していると判
定し、ステップS28の動作に移行する。このステップ
S28においては、金型表面温度の平均値と金型基準温
度(53℃)との差異値に対応する修正方法が予め格納
された評価−対策データベース11が参照される。評価
−対策データベース11に格納された修正方法は、例え
ば、差異値が少ない場合では、冷却水の温度を下げるこ
とを指示する修正方法、あるいは冷却配管の数の増加を
指示する修正方法等となっている。
【0027】このためステップS28においては、金型
表面温度と金型基準温度(53℃)との差異値に従った
修正方法が採用される。そして採用した修正方法が冷却
配管の変更を伴う場合には、採用した修正方法に従って
冷却配管の形状が変更される。また図11に示すメッセ
ージが画面に表示される(ステップS29)。次いで動
作はステップS23に戻り、修正方法を採用した条件で
の冷却解析が行われ、解析結果の評価が行われる(ステ
ップS24〜S26)。以下、冷却能力が所定範囲の値
となるまでは、ステップS28,S29,S23〜S2
6からなるループが繰り返される。
【0028】このループの繰り返しによって所定範囲の
冷却能力が得られた場合には、解析の各回毎に得られた
平均値を示すグラフ(図12参照)でもって、解析経過
が表示される。また図13に示すように、最終的に決定
された冷却配管モデルの形状が、3次元モデルとして画
面に表示される(ステップS27)。すなわち、ステッ
プS27において決定され、表示される冷却配管モデル
は、金型の温度分布については考慮されておらず、単に
冷却能力が所定値を満たすモデルとなっている。
【0029】図4は、熱溜まりの抽出を行うフローチャ
ートを示しており、冷却能力が所定値を満たすこととな
った冷却配管モデルは、同フローチャートのステップS
31において読み込まれる。そして金型は3次元モデル
として、境界要素法による冷却解析が行われ、各節点の
温度が演算される(ステップS32)。各節点の温度の
演算が終了したときには、金型基準温度を超える節点の
検出が行われ(ステップS33)、金型基準温度を超え
ることとなった節点は、隣接する節点群毎にグループ化
される(ステップS34)。
【0030】そして各グループのそれぞれについて最高
温度を示す節点が抽出され、抽出された最高温度は、そ
のグループの最高温度となる。そして各グループのそれ
ぞれに属する節点群は、グループを識別するグループ名
とグループの最高温度との両方に対応付けられて、デー
タベース12に格納される(ステップS35〜S3
9)。
【0031】グループ名、最高温度、および属する節点
群を互いに対応付けて各グループごとにデータベースに
記憶した後には、図14に示すように、金型をメッシュ
モデルとして3次元表示すると共に、3次元表示された
メッシュモデルにおいて、熱溜まりを表示する。
【0032】図14においては、5箇所に熱溜まり2
1,21,・・・が発生したことが示されている。な
お、図14においてメッシュモデルとして示された金型
の形状は、図面を簡明なものとするため、図13におい
て3次元表示された金型の形状に一致させてはいない。
【0033】金型基準温度を超えることとなった節点を
グループ化することによって熱溜まりの抽出を行った後
には、その抽出結果は、熱溜まりのそれぞれについての
修正の方法を示す図5のフローチャートのステップS4
1に与えられる。そして熱溜まり21,21,・・・の
それぞれについて、ステップS41とステップS47と
により挟まれたステップS42〜S46の動作が繰り返
される。
【0034】つまり熱溜まりの解析に関連する各種形状
の読み込みが、データベース13内に格納されたオブジ
ェクトから、関連するオブジェクトの抽出を行うことに
よって実行される。関連するオブジェクトとは、冷却レ
イアウトオブジェクト、および子関係として登録されて
いる冷却経路オブジェクト、冷却管オブジェクト、横断
関係として登録されている金型形状を示すオブジェク
ト、製品形状を示すオブジェクト等である(ステップS
42)。
【0035】そして各種オブジェクトの読み込みが終了
したときには、熱溜まりを示すデータとして、グループ
名、最高温度、属する節点群がデータベース12から読
み込まれた後、金型基準温度と最高温度との温度差が演
算される(ステップS43)。
【0036】金型基準温度と最高温度との温度差の演算
を終了したときには、評価−対策データベース11か
ら、演算された温度差の範囲毎に予め設定された修正方
法の読み出しが行われる。温度差の範囲のそれぞれに対
応して設定された修正方法は、図6に示す修正方法とな
っている。
【0037】修正方法は、詳細には、温度差が5℃以内
であるときには、冷却水の流量と水温とを変更する修正
方法となっている。また温度差が5℃〜10℃の範囲に
あるときには、冷却管を10mmだけ追い込む修正方法
となっている。また10℃〜15℃の範囲にあるときに
は、冷却管を追加する修正方法となっている。また15
℃〜20℃の範囲にあるときには、金型の型材を変更す
る修正方法となっている。また温度差が20℃以上とな
るときには、製品の肉厚を変更する修正方法となってい
る。
【0038】なお、温度差が5℃〜15℃の範囲である
ときには、冷却管の径を変更する修正方法とすることが
可能であり、15℃以上であるときには、サーモパイプ
を使用する修正方法とすることも可能としており、これ
らの修正方法は、適宜、選択的に採用することが可能に
構成されている。
【0039】以上のことから、ステップS44において
は、金型基準温度と最高温度との温度差に従って、上記
した修正方法から、該当する修正方法が選択される。そ
して修正方法が冷却管の追い込み、あるいは冷却管の追
加(バッフル管あるいはバブラ管の追加)である場合に
は、金型における干渉が調べられる。そして干渉がある
と判断された場合には、温度差の範囲を1ランク高くし
た修正方法が採用される(ステップS45)。
【0040】そして冷却管の追い込み、あるいは冷却管
の追加が修正方法として選択された場合には、それらの
修正方法に従って冷却配管モデルの形状の変更が、冷却
系修正メタルールのデータベース14を参照することに
よって行われる(ステップS46)。また、その他の修
正方法が採用された場合には、該当するオブジェクトの
データが変更される。これらの動作が熱溜まりのそれぞ
れについて終了したときには、熱溜まりについての対策
の終了となる。
【0041】なお、各熱溜まり21,21,・・・のそ
れぞれについての対策が終了する毎に、すなわちステッ
プS42〜S46の動作が終了する毎に、図16に示す
ように、金型基準温度と最高温度との温度差と、温度差
に基づいて採用された修正方法とがメッセージとして表
示される。また図15に示すように、冷却水のデータが
表示される(図15において示された金型形状は、その
他の図面において示された金型形状と一致していな
い)。
【0042】図7は、修正された冷却配管モデルの冷却
解析の方法を示すフローチャートとなっており、熱溜ま
りのそれぞれに対応してステップS42〜S46を繰り
返すことにより修正された冷却配管モデルの冷却解析の
方法を示している。
【0043】ステップS51においては、修正された冷
却配管モデルの読み込み、金型形状等の解析条件の読み
込みが行われる。そして冷却配管モデルと解析条件との
読み込みが終了したときには冷却解析が実行される(ス
テップS52)。冷却解析が終了したときには、図4に
示すフローチャートにおいてグループ化された節点群の
それぞれについて、最高温度を抽出する。また新たに熱
溜まりが発生している場合では、熱溜まりを抽出すると
共に、その熱溜まりに属する節点群をグループ化し、最
高温度を抽出する(ステップS53)。
【0044】これらの動作が終了したときには、節点群
のそれぞれについて抽出された最高温度と金型基準温度
との比較を行い(ステップS54)、比較結果に基づい
て評価表の作成を行う(ステップS55)。
【0045】図19は、ステップS55において作成さ
れる評価表を示しており、図4に示すフローチャートで
抽出された熱溜まりのそれぞれについて、『初期』とい
うラベルの元に、対策以前の熱溜まりの個数と、各熱溜
まりの最高温度とを表示する。また『対策1回目』のラ
ベルの元に、同じ熱溜まりについて抽出された最高温度
を表示すると共に、金型基準温度を超えることとなった
熱溜まりの個数を表示する。
【0046】図19では、3つの熱溜まりについてのみ
表示されているに過ぎず、残る2つの熱溜まりについて
は表示が省略されているが、この表示に従って説明する
と、金型基準温度を超えることとなった熱溜まりの個数
は2個となっていることが示されている。すなわち、3
つの熱溜まりについては、修正方法が的中しており、対
策が成功していることが示されている。また各熱溜まり
については、修正の効果が現れており、最高温度が低下
していることが示されている。一方、金型基準温度を超
える熱溜まりが新たに1箇所だけ発生したことが示され
ており、再度の対策が必要となる熱溜まりが3箇所であ
ることが示されている。
【0047】評価表の作成が終了したときには、評価項
目の一覧を示す評価設定の読み込みを行い(ステップS
56)、評価関数表の作成を行う(ステップS57)。
図18は、ステップS57において作成された評価関数
表を示している。ステップS57における評価関数表の
作成が終了したときには、与えられた冷却配管モデルに
基づく各種のシミレーションが実行され、実行結果に基
づいて各種のグラフが作成される(ステップS58)。
【0048】図20は、ステップS58において作成さ
れる各種グラフのうち、溶融樹脂の射出時のノズルにお
ける圧力の時間的変化を示すグラフとなっている。そし
てグラフの作成が終了したときには、コンタが作成さ
れ、表示される(ステップS59)。このとき表示され
るコンタは、図15に示す図形と同様となっている。
【0049】なお、図17は、図7に示すフローチャー
トを実行しているとき、その実行過程を示すために表示
されるメッセージを示している。
【0050】以上で1回目の対策の終了となり、各種の
表示から、1回目の対策においては、金型基準温度を上
回る熱溜まりが残存したことから、図5のフローチャー
トで示される修正が実行されることとなる。そしてこの
修正が終了したときには、図7のフローチャートにより
示される冷却解析の再実行が行われることとなる。これ
ら一連の動作は、全ての熱溜まりの最高温度が金型基準
温度以下となるまで繰り返される。そして、全ての熱溜
まりの最高温度が金型基準温度以下となったとき、最終
的な冷却配管モデルの完成となる。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る射出成形用金
型の冷却配管最適化方法は、3次元モデルとして示され
た冷却配管モデルと射出成形用金型とから冷却解析し、
冷却解析に基づいて冷却配管モデルを修正することによ
り、冷却配管モデルの最適化を行う方法としている。ま
た冷却解析することによって得られた温度分布に基づ
き、金型基準温度を超えることとなった節点をグループ
化することによって熱溜まりを抽出し、抽出された熱溜
まりについて、熱溜まりに属する節点の温度のうちから
最高温度を抽出し、抽出された最高温度と金型基準温度
との温度差に従い、温度差の範囲のそれぞれについて予
め定められた修正方法から、対応する修正方法を選択的
に実行し、修正方法を実行することにより得られた冷却
配管モデルを冷却解析すると共にこの冷却解析の解析結
果に対応する修正方法を選択的に実行することを繰り返
している。このため、温度差の範囲のそれぞれについて
予め定められた修正方法から、対応する修正方法を選択
的に実行することは、最適な修正方法を実行することと
なるので、修正、冷却解析、最高温度の抽出の繰り返し
回数が少なくなることから、最適化された冷却管の配置
を短時間で得ることが可能となっている。
【0052】また3次元モデルを用いた最適化を行って
いるので、以下に示す効果を併せて有している。すなわ
ち、2次元モデルによる最適化では、最適位置が各断面
において異なる場合、人手による複雑な修正が必要であ
るが、3次元モデルとして最適化された冷却配管モデル
は、修正することなく作成可能である。つまり最適化さ
れた後の人手による修正が不要となっている。
【0053】また請求項2記載の発明に係る射出成形用
金型の冷却配管最適化方法は、予め作成された冷却配管
モデルを保圧解析することにより得られた解析結果に基
づいて、射出成形用金型の温度と樹脂の固化率との関係
を求め、求められた関係から、固化率が所定値となる射
出成形用金型の温度を金型基準温度として求めている。
このため、固化率が所定値となる金型の温度を金型基準
温度として求めることは、固化率が最適となる金型の温
度を求めることとなるため、経験に依存することなく、
最適となる金型基準温度を決定することが可能となって
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形用金型の冷却配管最適化
方法の一実施例を構成し、金型温度の決定方法を示すフ
ローチャートである。
【図2】本発明に係る射出成形用金型の冷却配管最適化
方法の一実施例を構成し、冷却能力の評価方法を示すフ
ローチャートである。
【図3】金型基準温度と冷却媒体との関係を示す説明図
である。である。
【図4】本発明に係る射出成形用金型の冷却配管最適化
方法の一実施例を構成し、熱溜まり部の抽出方法を示す
フローチャートである。
【図5】本発明に係る射出成形用金型の冷却配管最適化
方法の一実施例を構成し、熱溜まり部の対処方法を示す
フローチャートである。
【図6】金型基準温度と最高温度との温度差の範囲毎に
設定された対処方法の一覧を示す説明図である。
【図7】本発明に係る射出成形用金型の冷却配管最適化
方法の一実施例を構成し、修正された冷却配管モデルの
冷却解析の方法を示すフローチャートである。
【図8】冷却配管の設計メニューの一覧表示の画面を示
す説明図である。
【図9】保圧解析時のメッセージを示す説明図である。
【図10】金型温度と固化率との関係を示すグラフであ
る。
【図11】冷却能力の解析時のメッセージを示す説明図
である。
【図12】解析経過における金型温度の平均値を示すグ
ラフである。
【図13】所定の冷却能力を満たすとして決定された冷
却配管モデルの3次元表示の画面を示す説明図である。
【図14】メッシュモデルにおける熱溜まり部の表示画
面を示す説明図である。
【図15】コンタと冷却水のデータとの表示画面を示す
説明図である。
【図16】熱溜まりの対処時に表示されるメッセージを
示す説明図である。
【図17】熱溜まりの評価表を示す説明図である。
【図18】評価関数表を示す説明図である。
【図19】熱溜まりの評価表を示す説明図である。
【図20】樹脂の射出圧力の時間的変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
21 熱溜まり

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め作成された冷却配管モデルおよび射
    出成形用金型を3次元モデルとして冷却解析し、この冷
    却解析の解析結果に基づいて前記冷却配管モデルを修正
    することによって、前記冷却配管モデルの最適化を行う
    冷却配管最適化方法であって、 前記冷却解析することによって得られた温度分布に基づ
    き、金型基準温度を超えることとなった節点をグループ
    化することによって熱溜まりを抽出し、 抽出された熱溜まりについて、前記熱溜まりに属する節
    点の温度のうちから最高温度を抽出し、 抽出された最高温度と前記金型基準温度との温度差に従
    い、前記温度差の範囲のそれぞれについて予め定められ
    た修正方法から、対応する修正方法を選択的に実行し、 前記修正方法を実行することにより得られた冷却配管モ
    デルを前記冷却解析すると共にこの冷却解析の解析結果
    に対応する前記修正方法を選択的に実行するといった処
    理を繰り返すことを特徴とする射出成形用金型の冷却配
    管最適化方法。
  2. 【請求項2】 前記の予め作成された冷却配管モデルを
    保圧解析することにより得られた解析結果に基づいて、
    前記射出成形用金型の温度と樹脂の固化率との関係を求
    め、 求められた前記関係から、前記固化率が所定値となる前
    記射出成形用金型の温度を金型基準温度として求めるこ
    とを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型の冷却配
    管最適化方法。
JP06153427A 1994-07-05 1994-07-05 射出成形用金型の冷却配管最適化方法 Expired - Lifetime JP3078178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06153427A JP3078178B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 射出成形用金型の冷却配管最適化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06153427A JP3078178B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 射出成形用金型の冷却配管最適化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0811182A JPH0811182A (ja) 1996-01-16
JP3078178B2 true JP3078178B2 (ja) 2000-08-21

Family

ID=15562282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06153427A Expired - Lifetime JP3078178B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 射出成形用金型の冷却配管最適化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3078178B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6988232B2 (ja) * 2017-07-28 2022-01-05 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 情報処理装置及び情報処理プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0811182A (ja) 1996-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9037444B2 (en) Energy usage in injection molding simulations
JP3078178B2 (ja) 射出成形用金型の冷却配管最適化方法
JP2005169766A (ja) 金型最適化装置、金型最適化プログラム、及び、金型最適化制御プログラム
JP4785587B2 (ja) 成形条件の設定方法、プログラムおよび射出成形機
Liang et al. Verification and evaluation of automatically designed cooling channels for block-laminated molds
JP2001191336A (ja) 金型設計装置と金型形状の設計方法
CN115408842A (zh) 注塑成型仿真过程特性相似性分析方法
Yang et al. Research on Optimization of Injection Molding Process Parameters of Automobile Plastic Front‐End Frame
KR20240037778A (ko) 지능형 플라스틱 금형설계방법
US11651124B2 (en) Anti-warping design method for resin molded article, recording medium, and anti-warping design device for resin molded article
JP2955509B2 (ja) 金型の設計方法および装置
JP2008093860A (ja) 発泡射出成形品の品質予測システム、プログラム、及び方法
JP4032755B2 (ja) 成型シミュレーション方法、成型シミュレーション装置及び成型シミュレーションプログラム並びに当該成型シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体
KR101268117B1 (ko) 지식기반의 주조방안 자동설계 시스템 및 그 방법
JP3236069B2 (ja) 射出成形用金型の流動解析評価システム
JP2005301349A (ja) 解析モデルの作成支援装置
JPH04331125A (ja) 射出成形品における外観不良予測方法
Ransing et al. Optimization in castings—An overview of relevant computational technologies and future challenges
JP2013202786A (ja) 成形品収縮変形予測装置、成形品収縮変形予測方法及び成形品収縮変形予測プログラム
JP2002192589A (ja) 射出成形品の設計パラメータ決定方法およびその装置
JP2001246655A (ja) 射出成形時の挙動予測方法及び装置、金型設計方法
JP3442172B2 (ja) 射出成形用解析結果の評価方法
JP3623159B2 (ja) 射出成形条件決定装置および射出成形条件決定方法およびプログラム記憶媒体
JP3582930B2 (ja) 射出成型品の製造方案
JP2006015696A (ja) 金型設計支援方法、プログラム、記憶媒体、及び金型設計支援装置