JP2006523351A - 加工される材料の性質を予測する装置および方法 - Google Patents

加工される材料の性質を予測する装置および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、材料の加工履歴をシミュレーションし、材料の二相構成記述を用いて加工されている材料の形態をキャラクタリゼーションし、さらにこの形態キャラクタリゼーションを用いて加工の任意の段階における材料の物性の値を予測することによって、加工される材料の物性を予測する装置および方法を提供する。物性値は、加工される部品の構造解析、部品の設計、および/または部品を製造するプロセスの設計において用いられる。1つの実施形態において、流れを特徴付けるために、プロセス記述において使用される粘度を予測する工程を包含する。

Description

先行出願
本出願は、参照により本明細書に全体として組み込まれる2003年3月3日出願の米国特許仮出願第60/451、825号明細書に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、全体として、プラスチック加工の分野に関する。より詳しくは、特定の実施態様では、本発明は、コンポーネントを設計し、試験し、製造する技法に関する。
発明の背景
重合体を含有する製品の設計および製造では、製品が実際の使用でどのような性能を示すか予測すると有用である。さまざまな支持条件、負荷およびその他の入力の下で、製品がどのように反応するか予測するために、コンピュータによる構造解析技法を用いて、製品の性能が評価されることがある。コンポーネントの内部の残留応力による加工後のプラスチックコンポーネントの反りを予測するために、構造解析が用いられることもある。その他の構造解析技法では、製造される製品の寿命の間に起こる亀裂伝播、クリープ、摩耗および/またはその他の老化現象が評価される。
さまざまな種類の製品の構造解析を実行するために、コンピューターモデルが開発された。構造解析構成モデルは、指定の支持条件、負荷および/または外力を前提として構成方程式を解く解ドメインを定める有限要素メッシュを含むことがある。あるいは、本明細書で用いられるこの用語では、構造解析構成モデルは、(1)製造される部品または製品が製作される材料の一つ以上の物性値と、(2)実験的に観測される部品/製品の特性との間の一つ以上の経験的または半経験的相関のことがある。例えば、構造解析構成モデルは、(1)プラスチック支持体を製造する材料の引っ張り物性と、(2)プラスチック支持体が支えることができる最大負荷との間の経験的な関係式のことがある。
一般に、製品の構造解析は、製品を構成する材料(単数または複数)の記述を必要とする。この記述は、構造解析構成モデルで入力として用いられる、実験的に定められる材料物性の集合として提供されることがある。多くの場合、構造解析モデルは、レオロジー物性を入力として要求する。重合物質の特定のレオロジー物性は、温度および/または加わるせん断力によって著しく変化し、構造解析構成モデルにはこれらの依存性を十分に取り入れなければならない。
現在、重合物質のレオロジー物性を定量化するために、さまざまな種類の実験室試験が行なわれている。これらの実験室試験は、例えば引っ張り試験、硬化−応答試験、振動せん断試験、流動複屈折試験、膨潤および収縮試験ならびにさまざまな粘度特性試験を含む。一般に、これらの試験に用いられる実験室試料は、構造解析を実行する目的で、実際の製品とは別に製造される。例えば、実験室試料は、特に実験室引っ張り試験機用に切り出すか、または成型した材料の小片のことがある。実験室試料を創るプロセスは、最終製品を創るプロセスに類似していることはあるが、通常、少なくとも部分的に、実験室試料の形状およびサイズと、最終部品/製品の形状およびサイズとの間の差異によって、これらのプロセスの間には避けることのできない差異がある。その結果、一般に、実験室試料は、構造解析が望まれる最終製品と同じ形態を有しない。
従って、製品設計者は、いろいろな加工条件下で、および/またはいろいろな原料組成で製造した実物大のプラスチック部品試料を用いて実験することによって、ある範囲のプロセス履歴および/または組成の変化に対して材料物性がどのように変化するかを求めようとすることがある。狭い範囲のプロセス履歴および/または組成を調べるためだけでも、必要となる実物大の試料の数の大きさのため、通常、これは実際的ではない。ほとんどの従来のレオロジー試験は、所定の形状に成型した無視できない量の材料を含む試料の使用を必要とするので、実物大の製品/部品試料だけを用いて特定のレオロジー物性の測定値を得ることは不可能なことがある。そのうえ、材料物性は、材料の不均一さのせいで所定のプラスチック成型品の中で変動することがある。多くの場合、所定のプラスチック部品の内部の材料物性の不均一さを実験的に定量化することは、非現実的または不可能である。
所定のプロセスを通じて観測される温度、流速、流れの方向、圧力および/またはその他の変数を予測するために、プロセスモデルが用いられることがある。しかし、一般に、現在のプロセスモデルは、加工される材料のミクロ構造の変化を追わないので、所定のプロセスから生じる材料形態の満足できる記述を提供しない。
重合物質の形態を記述する手段として、結晶化度の予測が検討されてきた。しかし、重合物質の結晶化速度を記述する従来の方法は、結晶化に対する流れの効果を十分に取り入れていない。
不十分な構造解析構成モデルの使用によって、プラスチック部品の製造および解析では、大きな安全係数が必要となり、過大な量の材料が使用され、および/または製品/部品の性能の不満足な予測を生む結果となっている。従って、物性が最終製品の構造解析において正確に用いられるように、工業製品を製作するために加工されている材料の物性を正確に予測する方法が求められている。
発明の要約
本発明は、任意の幾何学的形状の製品またはコンポーネント/部品の製造において、加工される材料の物性を予測する装置および方法を提供する。これらの予測された物性は、製品/部品の構造解析構成モデルの入力としての使用に特に適している。従って、本発明は、これらの予測された物性を用いる製造コンポーネント/部品の構造解析のための装置および方法も提供する。
この改善された構造解析は、広い範囲の製品および/または製造プロセスの任意のものを設計する改善された方法に通じる。従って、本発明は、製品/部品を設計する方法および製品/部品を製造するプロセスを設計する装置および方法も提供する。
一般に、製造される製品の性能特性は、製品の原料(単数または複数)の固有の物性だけでなく、製品の製造中に加工が材料の形態に及ぼした効果にも依存する。重合物質の形態は、材料がどのように加工されるかによって変化し、形態は最終製品の総合的な性能特性に影響を及ぼす。これは、特に、プロセス中に材料の相変化が起こる射出成型などのプロセスにおいて真である。例えば、射出成型プロセスの注入段階における金型への溶融重合体の流れ込み方、ならびに充填および冷却段階の間の重合体の振る舞い方が、成型部品の最終的な構造物性に影響を及ぼすことがある。従って、固有の材料物性だけを入力として用いる構造解析構成モデルは、加工効果を十分に取り入れておらず、部品性能の不正確な予測を生むことがある。本発明は、加工効果を十分に取り入れた、材料物性値を予測する方法を提供する。
より詳しくは、本発明は、所定の製造プロセス全体にわたって、材料の形態(ひいては物性)に対するプロセス条件の影響の及ぼし方を十分に取り入れるために、プロセスモデルを多相ミクロ力学モデルと組み合わせることによって、加工される材料の材料物性を予測する方法を提供する。
多くの場合、特にプロセス中に材料の相転移が起こる場合、加工は、加工される材料の機械的、熱的および光学的物性に劇的な効果を有する。本発明は、結晶性材料の二相モデルを使用することによって、材料の加工履歴をシミュレーションする方法、および加工の任意の段階において発生する材料の形態を予測する方法を提供する。プロセスモデル中の一連の時間ステップのそれぞれの後で、材料の形態がキャラクタリゼーションし、材料が加工されるときの物性を予測するために、今度はこの形態キャラクタリゼーションを用いる。次に、構造解析構成モデルまたはその他の任意の製品性能解析技法中の入力として、これらの物性を用いる。本発明の方法によって予測される材料物性は、例えば、弾性モジュラス、動弾性モジュラス、粘度、衝撃強度、圧縮強度、曲げ強度および引っ張り強度などのレオロジー物性を含む。
本発明の特定の実施態様によれば、構造解析構成モデル中でこれらの予測される物性の一つ以上が用いられる。一般に、構造解析構成モデルは、支持状態、負荷および/またはその他の入力された力に対して、部品がどのように反応するか予測するために用いられるコンピュータによるモデルである。本発明の実施態様で用いられる構造解析構成モデルは、例えば、動的機械分析(DMA)モデルおよび機械的事象シミュレーション(MES)を含む。本発明の構造解析構成モデルは、機械的シミュレーションに加えて、部品が時間の経過とともにどのように応答するかを予測するために、製造される部品が経験する温度‐時間履歴(すなわち熱負荷)のシミュレーションを含む。構造解析構成モデルは、例えば製造される部品の反り、亀裂伝播、クリープ、摩耗、破壊および/または老化現象を予測するために用いられる。
本発明の方法は、部品性能の予測における加工効果を取り入れることによって、製造される部品の解析の精度を改善する。製造される部品の性能の正確な予測によって、プラスチック部品、およびプラスチック部品を製造するプロセスの改善された開発および設計が可能になる。
本発明は、加工効果を正確に取り入れることによって、プラスチック製品の仮想プロトタイプ化における改良を提供する。本発明の好ましい実施態様は、一つ以上の加工段階の間の材料の結晶化の記述を含む。一つの実施態様では、本発明は、例えば、材料が一つの相から別の相に結晶化する速度を流れ運動の関数としてモデル化することによって、結晶化に対する流れの効果を取り入れる。結晶化速度は、結晶性流動材料の自由エネルギーの変化に関する表式によって定義される。所定のプロセスの間の一連の時間ステップのそれぞれにおいて、流れのキャラクタリゼーションによって相対結晶化度が求められる。ここで、流れのキャラクタリゼーションは、プロセスモデルから求められる。それぞれの相のミクロ力学表現を用いて、流れキャラクタリゼーションから、結晶性材料の二つの相の流れ誘起応力が計算され、それぞれの時間ステップにおいて、その時間ステップにおけるそれぞれの相の相対的な量(相対結晶化度)によって、材料の全流れ誘起応力が求められる。流れ誘起応力の表式に加えて、あるいは流れ誘起応力の表式に代えて、材料のそれぞれの相の中のミクロ力学的な要素の配座に対する表式が用いられることがある。材料の粘度および比体積は、相対結晶化度によって更新され、次の時間ステップにおける運動を決定するために、プロセスモデル中に入力としてフィードバックされることがある。従って、新しい時間ステップごとに、相対結晶化度、流れ誘起応力、粘度および/または比体積が前の時間ステップにおける運動によって再計算され、時間が加工処理の終了に達するまで、あるいは、材料の物性を形態キャラクタリゼーションから予測することが望まれる加工処理の間の任意の時間まで、このプロセスが続行される。従って、本発明は、ユーザが、加工中または加工後の特定の時点において、製造される部品の構造解析構成モデル中に用いるための弾性モジュラスおよび/または複素弾性率などの加工される材料の物性値の分布のスナップショットを得ることを可能にする。本発明は、ユーザが、加工全体にわたって、ならびに加工後のある時点において、弾性モジュラスおよび/または複素弾性率などの加工物質の物性の分布を追跡し、材料が経験する時間−温度および/または流れ履歴を取り入れることも可能にする。さらに、本発明は、このように提供される入力物性値を用いる構造解析構成モデルを提供する。
一つの実施態様では、構造解析で用いるための材料物性を予測する方法は、例えば、プロセスを通じて流動する重合材料の運動(速度場、圧力場)および温度を決定するために、射出成型プロセスの注入、充填および成型後段階をシミュレーションすることを含む。運動は、材料の加工履歴全体にわたって任意の時間における材料の応力および/または配座を予測するために、粘弾性構成モデル中で入力として用いられる。材料を非晶質相と結晶性とのコンポジット、またはより好ましくは、半結晶相としてモデル化し、材料の形態キャラクタリゼーションが得られる。半結晶相は、非晶質相の封入体を有する結晶で構成されるとして表されることがある。
流動する重合材料の形態キャラクタリゼーションは、その相のそれぞれにおける分子の配向の記述を含み、材料が一つの相から他の相に変化する速度(すなわち結晶化速度)を取り入れる。本発明の好ましい実施態様は、材料の結晶化速度に対する流れに起因する応力の効果を取り入れるために、流れによって誘起される自由エネルギーの変化に対する表式を用いる。
例を挙げると、本発明の一つの実施態様で得られる材料の形態キャラクタリゼーションは、製造プロセスの任意の数の段階(すなわち単位操作)のシミュレーション全体にわたって、以下の情報、すなわち材料の結晶化度(すなわち相対結晶化度)、半結晶および/または非晶質相の配向(すなわち配向テンソルおよび/または配座テンソル)、結晶子のサイズおよび形状分布、および結晶容積体の少なくとも部分集合を時間の関数として含む。
一つの実施態様では、本発明は、加工される材料が結晶化するときの物性の値を予測するために、材料の形態キャラクタリゼーションとともに、材料の非晶質相および半結晶相のモジュラスの実験的に決定される値、または見積もられる値を用いる。物性値の予測値は、加工される材料の弾性モジュラステンソルの一つ以上の成分、例えば縦方向横方向ヤング率、面内または面外せん断弾性率または平面−歪み体積弾性率を含むことがある。見積もられた物性値は、次に、例えば成型部品の性能を見積もるため、部品を設計するため、および/または部品を製造するプロセス条件を最適化するために構造解析構成モデル中で用いられることがある。
本発明は、材料の形態の知識から導くことができる任意の物性の評価も可能にする。所定のプロセスの任意の段階で材料の形態が予測できるので、製造プロセスの設計を最適化するために、加工条件を変化させ、得られる材料物性を予測することができる。同様に、部品の設計を最適化するために、部品の設計を変化させ、得られる材料物性を予測することができる。
本発明の一つの実施態様を用いて解決できる重要な工業的な問題は、射出成型部品の成型後の反りである。しばしば、成型時には寸法的に正しい部品が、高温または低温で処理されると変形する。部品中の残留応力の緩和と、部品が加熱および/または冷却されるときの材料の熱機械的物性の変化が、この変形に寄与する。本発明によって、製造される部品の緩和挙動および熱機械的物性の予測が可能となり、部品の成型後変形および/または収縮を決定する際に結果を使用することが可能になる。
一つの様相では、本発明は、加工される材料の物性の値を予測する方法に関し、この方法は、一つ以上の支配方程式を含むプロセス記述を提供する工程、このプロセス記述を用いて材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、流れのこのキャラクタリゼーションを用いて材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程、およびこの形態キャラクタリゼーションを用いて材料の物性の値を予測する工程を含む。
一つの実施態様では、加工される材料は、一つ以上の橋かけ剤、充填材(ガラス繊維またはタルクなど)、着色剤、酸化防止剤、ワックス、石油製品および/またはその他の物質を含むこともあり、あるいは含まないこともある重合体材料である。一つの実施態様では、材料は熱可塑性プラスチックである。一つの実施態様では、材料はゴムを含む。
プロセス記述は、例えば、射出成型プロセス、押し出しプロセス、真空成型プロセス、紡糸プロセス、硬化プロセス、ブロー成型プロセスまたはこれらのプロセスの組み合わせのモデルのことがある。押し出しは、例えば、異形押し出し、ブローフィルム押し出しおよびフィルム押し出しを含む。モデル化されるプロセスは、多段プロセスのことがある。例えば、本発明は注入、充填および成型後(すなわち冷却)段階の記述を含む射出成型プロセスのモデルを用いることがある。このプロセスモデルは、一つ以上の支配方程式、例えば質量保存の法則、運動量保存の法則およびエネルギー保存の法則の式を含む。
本発明は、レオロジー物性、機械的物性、熱的物性および光学的物性を予測する方法を提供する。予測することができる材料物性は、粘度、密度、比体積、応力、弾性モジュラス、動粘度および複素弾性率を含む。弾性モジュラステンソルおよび/または応力テンソルの一つ以上の成分を決定することができる。弾性モジュラスは、例えば、縦方向および横方向ヤング率、面内および面外せん断弾性率および平面−歪み体積弾性率を含む。応力は、例えば、流れ誘起応力(追加応力、偏差応力)、熱および圧力誘起応力および粘性応力を含む。例えば、所定のプロセスのそれぞれの段階の間および/またはそれぞれの段階の後に、流れ誘起応力に起因する部品中の残留応力分布、ならびに熱機械応力の分布を求めることができる。さらに、本発明の方法は、衝撃強度、破壊のモード、延性破壊のモード、脆性破壊のモード、破壊応力、破壊ひずみ、破壊モジュラス、破壊曲げ弾性率、破壊引張係数、その他の破壊基準、剛性、最大負荷、破裂強度、熱膨張係数、熱伝導率、透明度、不透明度、表面光沢、色ずれ、複屈折率または屈折率の予測を提供する。
本発明の好ましい方法は、材料加工の間に材料の流れ運動の関数として材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程を含む。一つの実施態様では、形態キャラクタリゼーションは、配座テンソルの一つ以上の成分、配向テンソルの一つ以上の成分、結晶化度および/または相対結晶化度を含む。テンソル成分の代わりに(またはテンソル成分に加えて)、形態キャラクタリゼーションは、配座および/または配向を記述するベクトル成分および/またはスカラー値で構成されることがある。
一つの実施態様では、形態キャラクタリゼーションを得る工程は、結晶化速度の記述を用いる工程を含む。好ましくは、記述は、流れ誘起自由エネルギー変化の記述、流れ促進核形成の記述および/または次元指数を含む結晶化速度モデルである。一つの実施態様では、次元指数は、二次配向テンソルの関数として表され、および/または所定の流れ場に置かれた半結晶相のミクロ力学モデルを用いて得られる。例えば、次元指数は、修正アブラミ(Avrami)指数のことがある。
一つの実施態様では、加工される材料の物性の値を予測する方法は、材料の形態キャラクタリゼーションを得るために材料の二相記述を用いることを含む。例えば、二相記述は、非晶質相モデル、半結晶相モデルおよび結晶化速度モデルを含み、結晶化速度モデルは一つの相から他の相への材料の変換を記述する。一つの実施態様では、二相モデルは、非晶質相を記述する粘弾性構成式を含む。一つの実施態様では、非晶質相モデルは、FENE−P(ペテルリン(Peterlin)クロージャー近似による有限伸長非線形弾性(finite extensible non−linear elastic)モデル)ダンベルモデル、拡張ポンポン(POM−POM)モデル、ポンポンモデル、ギーセクス(Giesekus)モデルおよび/またはファン−チエン・タナー(Phan−Thien Tanner)モデルである。一つの実施態様では、二相記述は、半結晶相を記述する剛体ダンベルモデルを含む。代わりの実施態様では、三相以上、例えば3、4、5またはそれ以上の相がモデル化されることがある。結晶化速度モデルは、2、3、4、5またはそれ以上の相および/または物質の状態を有する系における相の変化および/または状態の変化を記述する任意の速度モデルのことがある。
一つの実施態様では、加工される材料の物性の値を予測する方法は、材料物性の予測値を用いて、加工される材料から製作される製品または部品の構造解析を実行する工程をさらに含む。構造解析は、製品/部品の反り解析、および/または収縮解析のことがあり、あるいは、製品/部品が負荷またはその他の外力などの力にどのように反応するかを予測することがある。構造解析は、亀裂伝播、クリープおよび/または摩耗の評価のことがある。本発明での使用に適するその他の構造解析の例は、衝撃強度、剛性、ヒステリシス、転がり抵抗、および破壊のモード、延性破壊のモード、脆性破壊のモード、破壊応力、破壊モジュラス、破壊引張係数、最大負荷および破裂強度などの破壊物性を求める解析を含む。
一つの実施態様では、加工される材料の物性の値を予測する方法で用いられる流れのキャラクタリゼーションは、参照によって本明細書に明細書が全体として組み込まれるユー(Yu)らに発行された本出願人の米国特許第6,096,088号におけると同じデュアルドメイン解法の使用を含む。一つの実施態様では、流れのキャラクタリゼーションは、参照によって本明細書に明細書が全体として組み込まれるユーらによる本出願人の米国特許出願第10/771,739号におけると同じハイブリッド解法の使用を含む。これらの方法は、数値解法の簡略化を可能とし、加工される材料の物性値を予測する方法の他工程に当てるために計算機資源を解放する。一つの実施態様では、プロセスモデルの解の中の一連の時間ステップのそれぞれの後で、流れキャラクタリゼーション、形態キャラクタリゼーションおよび材料物性の値の一つ以上が求められる。デュアルドメインおよびハイブリッド解法は、適用できる場合には、この逐次解法手順において非常に改善された計算効率を可能にする。
一つの実施態様では、形態キャラクタリゼーションを得る際に用いられる一つ以上のパラメータを決定するために、結晶化実験が実行される。静止条件下での材料の結晶成長速度および/または半結晶化時間を測定するために、結晶化実験が実行されることがある。緩和スペクトルおよび/または時間−温度シフト因子を決定するために、実験が実行されることもある。
別の様相では、本発明は、製造される部品の構造解析を実施する方法を含み、この方法は以下の工程を含む。すなわち、部品を製造する際に用いられるプロセスの記述を準備する工程であって、前記記述は少なくとも一つの支配方程式を含む工程、前記プロセス記述を用いて、材料の流れのキャラクタリゼーションを求める工程、前記材料の流れの前記キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを求める工程、前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程、および前記物性の前記予測値を用いて、前記部品の構造解析を実行する工程。一つの実施態様では、構造解析を実行する工程は、構造解析構成モデルを創出する工程を含む。一つの実施態様では、構造解析を実行する工程は、負荷に対する部品の応答を予測する工程を含む。一つの実施態様では、構造解析を実行する工程は、部品の反り、収縮、亀裂伝播、ヒステリシス、転がり抵抗、クリープ、摩耗、寿命および/または破壊を予測する工程を含む。
別の様相では、本発明は、部品を設計する方法を提供し、この方法は以下の工程を含む。すなわち、部品の試験設計を提供する工程であって、前記部品は所定の材料から製作される工程、容積体の内部に適用した一つ以上の支配方程式を用いて数学的なプロセス記述を提供する工程であって、前記容積体は前記部品の前記試験設計にもとづく工程、プロセス記述を用いて、前記材料の流れのキャラクタリゼーションを求める工程、前記流れキャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを求める工程、前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性値を予測する工程、部品性能の基準値を評価するために前記物性値を用いる工程、および部品性能の前記基準値が予め定められた基準を満たすかどうか判定する工程。一つの実施態様では、この方法は、部品性能の前記基準値が前記の予め定められた基準を満たさない場合に、試験設計を変更する工程をさらに含む。部品性能の指標の前記基準値は、例えば、強度、モジュラス、ヒステリシス、転がり抵抗または破壊物性の最小値、最大値または許容範囲のことがある。
別の様相では、本発明は、製品の製造プロセスを設計する方法を含み、この方法は以下の工程を含む。すなわち、材料を改質するプロセスのための入力の試験セットを準備する工程、一つ以上の支配方程式を含むプロセス記述を提供する工程、前記プロセス記述および前記プロセス入力試験セットを用いて、前記材料の流れのキャラクタリゼーションを求める工程、前記流れキャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを求める工程、前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程、製品性能の基準値を評価するために前記物性の前記値を用いる工程、および前記製品性能指標が予め定められた基準値を満たすかどうか判定する工程。前記基準が満たされなければ、一つ以上のプロセス入力値が変えられ、その結果得られる物性値が予測される。一つ以上の基準の集合のそれぞれが満たされるまで、反復手法によってこれを反復することがある。あるいは、予測した物性値が一つ以上の目標物性値の組をどの程度近似したかにもとづいて、プロセス入力値の最善の組が定められることがある。
別の様相では、本発明は加工される材料の物性の値を予測する装置を含み、この装置は以下を含む。すなわち、命令の集合を定義するコードを記憶するメモリ、および命令を実行し、それによって、一つ以上の支配方程式を含むプロセス記述を用いて材料の流れのキャラクタリゼーションを求め、前記流れキャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを求め、前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測するプロセッサ。
別の様相では、本発明は、加工される材料の物性の値を予測する方法を含み、この方法は、以下の工程を含む。すなわち、一つ以上の支配方程式を含むプロセス記述を準備する工程、前記プロセスモデルを用いて、材料の流れのキャラクタリゼーションを求める工程、前記材料の二相記述を提供する工程であって、前記記述は前記材料の前記流れの前記キャラクタリゼーションに部分的にもとづく工程、前記二相記述を用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを求める工程、および前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程。一つの実施態様では、前記材料は加工の間に相の変化を受ける。一つの実施態様では、前記二相記述は、非晶質相モデルおよび半結晶相モデルを含む。
別の様相では、本発明は、金型の空洞の内部の流体の流れをシミュレーションする方法を含み、この方法は以下の工程を含む。すなわち、材料が流れ込む金型の空洞の表式を準備する工程、前記表式にもとづいて解ドメインを定義する工程、および一つ以上の支配方程式を用いて時間tにおける解ドメイン内のプロセス変数について解く工程であって、前記解く工程は、前記支配方程式(単数または複数)を解く際に材料の形態キャラクタリゼーションを用いる部分工程を含む工程。一つの実施態様では、支配方程式(単数または複数)を解く際に前記材料の形態キャラクタリゼーションを用いる部分工程は、例えば時間tより早い時間において、前記形態キャラクタリゼーションにもとづいて、前記材料の粘度を定める工程を含む。
別の様相では、本発明は、射出成型部品の内部の構造物の形態特性値を予測する方法を含み、この方法は、以下の工程を含む。すなわち、射出成型プロセスのモデルを準備する工程、射出成型プロセスの間に流れが生じる場合、材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、および前記流れキャラクタリゼーションを用いて、前記射出成型部品の少なくとも一部の内部の構造物の形態キャラクタリゼーションを予測する工程。一つの実施態様では、形態キャラクタリゼーションを予測する工程は、以下、すなわち、射出成型部品の内部の結晶子の配向、射出成型部品の内部の結晶子のサイズ分布、射出成型部品の内部の位置の関数としての結晶体積、および射出成型部品の内部の位置の関数としての配向因子の一つ以上を予測する工程を含む。一つの実施態様では、形態キャラクタリゼーションを予測する工程は、材料の結晶化速度の記述を用いて実行される。一つの実施態様では、結晶化速度の記述は、過剰自由エネルギーの表式を含む。
詳細な説明
表1は、本明細書で用いられるさまざまな記号の一覧であり、読者の便宜を図るものである。表1の記入事項は、本明細書で説明する本発明の実施態様の解釈を限定するものではない。
Figure 2006523351
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Figure 2006523351
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本発明は、製造される部品の構造解析に用いるための物性を予測する方法を提供する。これらの方法は、特に加工中(および/または加工後)に結晶化するか、さもなければ相変化または状態の変化を経る材料で構成されている部品について、部品を構成する材料の形態に対する加工の効果を考慮する。図1は、加工される材料の性質を予測する例となる方法の工程を示すブロック図100である。この方法は、所定のプロセス全体にわたり、一連の時間ステップのそれぞれにおいて、プロセスモデル104を解いて加工される材料の流れキャラクタリゼーション106を得、二相結晶化モデル108のそれぞれの時間ステップにおいて、流れキャラクタリゼーション106を用いて材料の形態キャラクタリゼーション116を得ることによって動作する。次に、工程118において、所定の時間ステップにおける材料形態の関数として一つ以上の材料物性を予測する。プロセスモデル104で、今度は予測された物性118を用いて、次の時間ステップにおける流れキャラクタリゼーション106を予測する。この方法では、最終工程120に達するまで工程104、106、108、116および118を反復する。図1のブロック図100の時間ステップの進行は明示的で非再帰的であるが、代わりの実施態様は、非明示的および/または再帰的解法手順を含み、所定の時間ステップに対応する予測材料物性が、同じ時間ステップに対応する流れキャラクタリゼーションと同時に定められる。
図1の方法は、最終時間ステップ後に終了するか、あるいはオプションとして、この方法は工程122で別の材料物性を予測することによって続行する。所定のプロセスを通じて問題となるすべての材料物性の変化を追跡する必要はないことがある。例えば、いくつかの物性は、所定のプロセスの終了時に予測するだけでよい。特定の実施態様では、次の時間ステップにおいて流れキャラクタリゼーション106を得る際に用いることができるよう、所定のプロセスの各時間ステップにおいて粘度、密度(または比体積)および/または緩和時間などの特定の材料物性を決定することが重要である。次に、最終時間ステップ後に、プロセスの終了時における材料の形態キャラクタリゼーションにもとづいて、別の材料物性、例えば弾性モジュラスおよび複素弾性率が予測される。あるいは、所定のプロセス全体にわたって、予測弾性モジュラス、複素弾性率および/またはその他のより複雑な「誘導される」物性が、プロセス時間の関数として追跡されることがある。
図1の方法は、所定の製造プロセスに対応する一連の時間ステップのそれぞれにおいて、プロセス入力102を用いて所定の制御体積の中の流れキャラクタリゼーション106を決定するプロセスモデル104を含む。プロセスモデル104は、例えば、流体射出金型の内部などの体積を表す解ドメインを含む。プロセスモデル104は、初期条件、境界条件およびモデルパラメータの形で所定のプロセス入力102に従って、解法ドメイン上で支配方程式の組を解く。プロセスモデル104は、プロセスの一つ以上の段階、例えば射出成型プロセス、押し出しプロセス、ブロー成型プロセス、真空成型プロセス、紡糸プロセスまたは硬化プロセスをシミュレーションする。
図1の方法におけるプロセスモデル104のための支配方程式は、例えば、質量(連続体)、運動量およびエネルギー保存の式を含む。式1、2および3は、それぞれ一般化質量(連続体)、運動量およびエネルギー保存の式を示す。
Figure 2006523351
ここで、
Figure 2006523351
は速度、ρは密度、Pは圧力、ηは粘度、Tは温度、cは熱容量、kは熱伝導率である。エネルギー保存の式(式3)は、対流、圧縮加熱、粘性散逸、熱伝導および/または反応熱などの熱源に由来する温度の変化を、位置および時間の関数として取り入れる。式1,2および3は、関与する特定のプロセスおよび/または解ドメインによって、簡略化(またはさらに一般化)されることがある。図1のプロセスモデル104は、コンピュータによる数値解法を用いて、任意の幾何学的形状の制御体積について解くことができる。参照によって本明細書に開示が全体として組み込まれる本出願人による以下の特許および特許出願には、コンピュータによるプロセスシミュレーションのためのさまざまな技法が提示されている。すなわち、ユー(Yu)らに発行された米国特許第6,096,088号明細書、フリードル(Friedl)らによる米国特許出願第09/404,932号明細書、およびユーらによる米国特許出願第10/771,739号明細書。本出願人による上記の特許出願で説明されている利点は、本明細書で開示する方法の総合的な速さおよび正確さに寄与する改善されたプロセスモデル化効率を提供する。共同発明者ピーター・ケネディ(Peter Kennedy)による「射出金型の流れ解析(Flow Analysis of Injection Molds)」、ハンザー/ガードナー出版社(Hanser/Gardner Publications, Inc.)、シンシナティ(Cincinnati)(ハンザー出版(Hanser Publishers)、ニュー・ヨーク(New York))、1995年にも特定のプロセスシミュレーション技法が提示されている。
図1の方法では、加工される材料は、二相モデル108において、半結晶性実体の懸濁液が成長し、非晶質相のマトリックス中に広がる結晶化システムとして表される。二相モデル108は、非晶質相構成モデル110、半結晶相構成モデル112および結晶化速度モデル114を含み、結晶化速度モデル114は、半結晶実体がどのように成長し非晶質相マトリックス中に広がるかを記述する。二相モデル108は、所定の時間ステップにおいて形態キャラクタリゼーション116を提供する。形態キャラクタリゼーション116は、例えば、半結晶相に関する相対結晶化度α、非晶質相配座テンソル
Figure 2006523351
および/または二次配向テンソル
Figure 2006523351
を含む。次に、工程118において、混合物全体について、工程116で求めた形態キャラクタリゼーションの関数として物性値を予測する。この手法では、非晶質相の物性値は結晶化度とは独立に仮定され、混合物全体の物性値に対する半結晶相の寄与は、結晶化度の増加とともに増大すると仮定される。システム全体の粘度は、以下のように式4で表される。
Figure 2006523351
ここで、ηは混合物全体の粘度、ηは非晶質相の粘度(結晶化度とともに変化しない)、αは所定の時間における相対結晶化度であり、αは結晶化し得る体積全体に対する結晶化した体積の比、または、同じことであるが、体積全体で除した半結晶相の体積として定義され、A、βおよびβは経験的パラメータである。
相対結晶化度αは、所定の時間における体積全体に対する結晶体積の比として定義される絶対結晶化度とは異なる。相対結晶化度は0から1の範囲であるが、一方、半結晶相が結晶構造だけからなることはないので、絶対結晶化度は決して1には達しない。好ましい実施態様では、ミクロ構造物はラメラレベルではなく、球晶レベルにあるとみなされる。すなわち、懸濁した「結晶」は、純粋に結晶性の構造物としてではなく、結晶性の構造物と非晶質相材料の複雑な凝集体としてモデル化される。従って、好ましい実施態様では、材料の二相構成記述の結晶化相は、本明細書で半結晶相と呼ばれる。式4において、A、βおよびβは、経験的パラメータである。パラメータAは幾何構造の効果を表し、例えば約0.44から約0.68の範囲のことがある。滑らかな球状結晶子では、Aは約0.68、表面の粗い緊密な結晶子では、Aは約0.44である。Aの値は、経験的に決定されることがある。パラメータβおよびβも、経験的に決定されることがある。式4は、α<Aの場合に用いられることがある。α→Aのとき、粘度の計算値は増大し、無限大に近づく。
二相システムの全応力は、以下のように式5において熱機械応力(「熱および圧力誘起」応力とも呼ばれる)と流れ誘起「追加」応力(偏差応力)との和として表され、
Figure 2006523351
ここで、
Figure 2006523351
は全応力テンソル、pは静水圧(図1のプロセスモデル104において流れキャラクタリゼーション106の一部として定められる)、
Figure 2006523351
は単位テンソル、
Figure 2006523351
は追加応力テンソルである。結晶性システムでは、非晶質相と半結晶相との両方が内部応力を生じさせ、非晶質に由来する応力はα→1(完全結晶化)の極限で消失する。混合物全体の追加応力に対するこれらの二つの相のそれぞれの寄与は、式6に示すように、例えば加法規則によって表され、
Figure 2006523351
ここで、
Figure 2006523351
は、それぞれ非晶質相および半結晶相の追加応力の寄与である。このキャラクタリゼーションは、各点において二つの成分の完全混和を仮定する。これは、特に、結晶化度が低く結晶が小さい結晶化の初期においては満足できる近似である。射出成型プロセスのシミュレーションを含む実施態様では、凍結した材料中に応力が「ロック」されているとしてキャラクタリゼーションされる実質的に完全な材料の固化の時点まで、材料に関連する流れ誘起応力を計算するために式6が用いられることがある。その後では、材料は少なくとも部分的に「ロックされた」残留応力から生じる緩和挙動を示す。通常、固化は低い結晶化度で起こるので、射出成型シミュレーションにおける式6の適用は通常満足できる。あるいは、以下のように、式6は式7で置き換えられることがある。
Figure 2006523351
一般に、流れ誘起応力は、熱機械応力より約1桁小さい。しかし、流れ誘起応力は、物質のミクロ構造の発達に対して顕著な効果を有し、従って、図1の方法100では、材料形態にもとづいて物性を予測するために、流れ誘起応力が考慮されている。
式6の追加応力は、材料の二つの相のそれぞれのミクロ力学表式を、一般に構成方程式の組の形で用いて決定される。図1の方法は、非晶質相モデル110および半結晶相モデル112を、それぞれ一つ以上の構成方程式の形で取り扱う。本発明の好ましい実施態様では、部分的には計算上の簡便さのために、ダンベル模型が用いられる。例えば、非晶質相は、FENE−Pダンベル(すなわち、ペテルリン・クロージャー近似を用いる有限伸長可能非線形弾性モデル)を用いてキャラクタリゼーションされ、一方半結晶相は剛体ダンベルとしてモデル化される。あるいは、その他のミクロ力学モデルが用いられることがある。例えば、非晶質相は、ポンポンモデル、拡張ポンポンモデル、ギーセクスモデルまたはファン−チエン・タナーモデルを用いて表されることがある。
図1の非晶質相モデル110は弾性ダンベル模型のことがあり、その場合、重合体主鎖は、例えば図1の工程106で求められる所定の流れの場によって、経路に沿って転がる、有限伸長可能なコネクタで結ばれた二つのビーズとして理想化される。弾性ダンベルのシステムに関する流れ誘起自由エネルギー変化は、次のように式8で表され、
Figure 2006523351
ここで、ΔFは単位体積あたりの流れ誘起自由エネルギー変化(J/mで測定)、nは分子の数密度、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、ψは流動条件下でのダンベル末端間ベクトル
Figure 2006523351
の配置間分布関数である。量
Figure 2006523351
は、
Figure 2006523351
との間にある末端間ベクトルを有するダンベルを見いだす確率を表し、一方ψは対応する平衡分布関数である。角ブラケットは、現在の分布関数ψで重み付けした配向空間上の集合平均を示す。分布関数は、以下のように配置間空間内の連続性の式9を満たし、
Figure 2006523351
ここで、量
Figure 2006523351
は、ビーズに関する力の釣り合いを考慮して定められる。特定の非線形ばね力のモデルの場合、式9は数値的に解かれる。しかし、FENE−Pモデルの場合、式9は解析的に解くことができ、対応する自由エネルギー変化は、式10のように表される。
Figure 2006523351
ここで、bはb=HQ /kT、Hはばね弾性定数、Qはダンベルの最大伸びとして定義される非線形ばねの無次元パラメータであり、tr(c)はテンソル
Figure 2006523351
のトレース、すなわち量c11+c22+c33を示し、
Figure 2006523351
はテンソル
Figure 2006523351
の行列式を示し、
Figure 2006523351
である。ただし、
Figure 2006523351
は単位テンソルを表し、cは式11のように定義される無次元配座テンソルである。
Figure 2006523351
配座テンソル
Figure 2006523351
は、以下の構成方程式12を満たし、
Figure 2006523351
式中、λα=ζ/4Hは流体(非晶質相)の緩和時間であり、ここでζは摩擦係数、Δ/Δtは、式13のように定義される上に凸の導関数である。
Figure 2006523351
ここで、
Figure 2006523351
は速度、
Figure 2006523351
は速度勾配であり、上付添字Tはテンソルの転置演算を意味する。速度
Figure 2006523351
は、図1の方法のプロセスモデル104によって定めた流れキャラクタリゼーション106の一部である。非晶質相に由来する追加応力は、式14のように記述されることがある。
Figure 2006523351
一つの実施態様では、上記の式の解は、緩和時間λαおよびパラメータbに関してキャラクタリゼーションされる。これらの二つのパラメータは分子レベルの解釈を有するが、一般にモデルパラメータζ、HおよびQを決定するのは難しい。非晶質相緩和時間λαは、データから決定されることがある。非線形ばねパラメータbも、レオロジー的なデータから決定されることがある。しかし、代わりにbを調整パラメータとみなすことがある。約3から約1000の範囲のbの値を用いて実行した計算によって、大きさは変るが、類似の傾向を示す結果が得られる。一つの実施態様では、bは約5であるとして選ばれる。式12、13および14を組み合わせることによって、変数cは消去することができ、追加応力テンソルταに対する構成方程式が得られる。
好ましい実施態様では、非晶質相は、熱レオロジー的に単純な材料としてキャラクタリゼーションされ、従って、λαの温度依存性を説明するために、式15のように時間−温度重ね合わせの原理が用いられる。
Figure 2006523351
ここで、Tは参照温度、αは式16のようにアレニウスの形で表したシフト因子である。
Figure 2006523351
ここで、定数E/Rは、実験データから決定できる。
図1の二相モデル108の半結晶相モデル112は剛体ダンベルモデルであり、重合体主鎖は、所定の流れの場によって、経路に沿って転がる、剛体結合子でつながれ距離R離れた二つのビーズとしてキャラクタリゼーションされる。溶媒および主鎖それ自体との相互作用は、すべてそれぞれ摩擦係数ζと無視できる質量に関連する二つのビーズに局在化される。ダンベル自体は、半結晶相の形態の詳細を表さないが、流れの場の中に配向するという特徴を有し、その配向分布は結晶成長の異方性の度合いを示す。剛体ダンベルは伸張できないので、その配向を表すために単位ベクトル
Figure 2006523351
を用いると便利である。この単位ベクトルの配向の変化速度は、式17のように表わされることがある。
Figure 2006523351
ここで、
Figure 2006523351
はランダムな力であり、
Figure 2006523351
として定義される有効速度勾配である。ただし、
Figure 2006523351
は速度勾配であり、vは速度であり、( )は転置演算を意味し、
Figure 2006523351
として定義される変形テンソルの速度であり、ξは約0から約2の範囲にある「非アフィン」パラメータである。ξが増加すると、渦度に対する歪み速度の相対的な強さが減る。「非アフィン」剛体ダンベルは、有限アスペクト比を可能にする楕円(またはロッド状)モデルに類似している。一つの実施態様では、この方法は、有効アスペクト比2を有するロッド状形状に対応するξ=0.4を選ぶ。
連続性の式に式17を代入(すなわち、
Figure 2006523351
をそれぞれ
Figure 2006523351
で置き換えた式9)すると、配置間分布関数
Figure 2006523351
について解くことができるフォッカー−プランク(Fokker−Planck)の式が得られる。すると、二次配向テンソルは、分布関数について
Figure 2006523351
として計算できる。あるいは、フォッカー−プランクの式を用いることなく、二次配向テンソル
Figure 2006523351
について式18のように発展方程式が得られ、
Figure 2006523351
ここで、Δ/Δtは有効速度勾配テンソル
Figure 2006523351
を用いて定義される上に凸の導関数(すなわち式13)であり、λはλ=ζR/12kTとして表される剛体ダンベルの時定数である。あるいは、λは、式19のように相対結晶化度の関数である調整可能なパラメータとして取り扱われる。
Figure 2006523351
ここで、λαは式12および15でキャラクタリゼーションされる非晶質相の緩和時間である。パラメータA、βおよびβは式4のようにキャラクタリゼーションされ実験データによって定められる。式19は、半結晶相の緩和時間はゼロ結晶化度ではゼロであり、緩和時間はα→Aにつれて増加し無限大に近づくと予測する。
式18から二次配向テンソル
Figure 2006523351
を計算するために、一つの実施態様は、
Figure 2006523351
で表すためにクロージャー近似を用いる。一つの実施態様では、三次元配向のためにクロージャー近似が用いられるが、これはランダム分布および完全配列の場合に正確である。
追加応力に対する半結晶相の寄与は、式20でキャラクタリゼーションされることがある。
Figure 2006523351
右辺第一項はλのオーダーの緩和時間を有するエントロピー項であり、第三項は粘性応力項である。一般に、一定の緩和時間を有する剛体ダンベルシステムでは、粘性応力はひずみ速度の中で瞬間的−−流れが止まった瞬間に粘性応力は瞬時に消えるとみなされる。しかし、好ましい実施態様では、メルトが凍結するとき緩和時間Aは劇的に増加するので、粘性応力は固化する材料中で「凍結」するとみなされる。
本明細書において上記で説明した非晶質相モデル110および半結晶相モデル112に加えて、図1の方法の二相モデル108は、材料が非晶質相から半結晶相に変化する速度を決定し、プロセスモデル104によって特徴づけられるように流れの効果を説明する結晶化速度モデル114を含む。一つの実施態様では、結晶化速度モデル114は、材料加工の間に発生する流れを説明するために、静止条件下の結晶化のコルモゴロフ(Kolmogoroff)/アブラミ結晶化速度記述を拡張する。結晶化速度モデル114は、流れ促進核形成と結晶性流動物質の自由エネルギー変化との間の連結を提供する。好ましい実施態様では、結晶核形成は流れと温度との両方の関数として記述され、一方結晶成長速度は主に温度の関数(あるいは温度だけの関数)として記述される。材料の結晶化速度は、重合体溶融物の分子の配向に数値指数を関連付ける式を用いて記述される。この指数は結晶性材料の配向状態を示すために使われることがあり、これによって約3の値は球状結晶子を示し、一方約3より小さい値は結晶子の整列配向状態を示す。
例えば、図1の結晶化速度モデル114は、(1)結晶は時間sにおいて線型成長速度Gで成長を開始し、(2)時間sにおける単位体積あたりの核生成速度は、式21
Figure 2006523351
または微分形式で式22
Figure 2006523351
ここで、D/Dtは実体導関数を表し、Cは形状因子、mは修正アブラミ指数とみなされることがある次元指数項である、によって
Figure 2006523351
であると仮定して、時間t(結晶の重複が許される)における「幻の結晶」の架空体積分率αをキャラクタリゼーションする。例えば、球状成長の場合、m=3、C=4π/3であり、ロッド状成長の場合、m=1でありCはロッドの断面を表す。特定の文書では、「アブラミ指数」は、式22の指数mとは別に定義されるアブラミ式α=1−exp(−ktm’)の指数を指す。
ほとんどの加工の状況では、結晶成長の混合次元数がある。従って、図1の結晶化速度論モデル114では、修正アブラミ指数mが、例えばデータフィッティングによって決定される非整数値をとることを可能にする。好ましい実施態様では、修正アブラミ指数は半結晶相の配向分布の関数として表される。例えば、mは、以下のごとく式23によって、半結晶相の二次配向テンソルの第二の不変量の関数として表される。
Figure 2006523351
式23で、mは球状成長に対応するランダム配向状態では3に等しく、ロッド状成長に対応する完璧に整列した配向状態では1に等しい。mの非整数値の場合、形状係数Cは実験的に定められた定数、あるいは配向状態の関数のどちらかとして取り扱われることがある。一つの実施態様は、球状形状因子、C=4π/3を用いる。射出成型の場合、球状成長領域がほとんどの区域を占め、従ってこの近似は良好である。
式21の架空体積率キャラクタリゼーションでは、結晶の体積は無制限に成長すると仮定する。それでも、二相モデル108は、例えば式24
Figure 2006523351
に従って架空体積率を実際の相対結晶化度に関連付ける。ここで、式24は、空間充填効果による衝突を考慮している。
例えば、短期せん断取り扱いの場合、核形成プロセスは主に流れによって影響され、成長速度は流れには強く影響されない。従って、一つの実施態様では、図1の方法の結晶化速度モデル114は、式25に表すように、結晶成長速度は温度だけに依存すると仮定する。
Figure 2006523351
ここで、GおよびKは静止条件下で実験によって定められる定数、Uは運動の活性化エネルギー、Rは気体定数、T=T−30(ここで、Tはガラス転移点)、ΔT=T −Tは過冷却の度合いであり、T は圧力だけに依存すると仮定される平衡融点である。式26のように、圧力依存性を記述するために多項式関数が用いられることがある。
Figure 2006523351
ここで、αp0、αp1およびαp2は定数である。
図1の結晶化速度モデル114は、活性化した核の総数を、式27によって、静止条件における活性化核の数Nと、流れが誘起した活性化核の数Nとの和として表して、単位体積あたりの核発生速度を記述する。
Figure 2006523351
静止条件における活性化核の数は、式28で記述される過冷却温度ΔTの固有関数と仮定されることがある。
Figure 2006523351
ここでαおよびbは定数である。
流れによって誘起される核の数は、式29によって以下のように表される。
Figure 2006523351
ここで、λは大きな値を有し温度とともに変化する緩和時間、fは流れの効果を取り入れる関数である。例えば、fは式
Figure 2006523351
によって記述されることがある。ここで、
Figure 2006523351
はせん断速度、
Figure 2006523351
は活性化の臨界せん断速度、gは実験的に定められるか、または評価される因子[m−3−1]である。あるいは、項
Figure 2006523351
は、偏差体積不変弾性フィンガー(Finger)テンソルの第二不変項の関数で置換されることがある。fはt=0における核形成速度を表すので、結晶化速度モデル114の一つの実施態様は、静止条件下での核形成速度の式で開始され、流れによって誘起される自由エネルギー変化を前記式に加え、式30
Figure 2006523351
を得る。ここで、Cは実験的に定められる定数であり、ΔFは静止条件下のギブス(Gibbs)自由エネルギーであり、例えばΔF=ΔHΔT/T として表され、ΔHは結晶化の潜熱であり、係数
Figure 2006523351
で表される。
相対結晶化度(すなわち、半結晶相の体積分率)および核形成速度が計算された後、球状晶の平均体積は、V(t)=α(t)/N(t)によって記述される。ここで核の活性数Nは、
Figure 2006523351
によって表される。
従って、図1の方法の二相モデル108は、プロセスモデル104によって提供される流れキャラクタリゼーション106の関数として、結晶性システムの形態キャラクタリゼーション116を提供する。二相モデル108は、流れ促進核形成を所定の流れの場に置かれた非晶質相の自由エネルギー変化に結び付けること、および結晶成長速度を因子m乗することによって、結晶化速度を記述する。ここでmは、所定の流れの場に置かれた半結晶相のミクロ力学モデルから得られる。より詳しくは、二相モデル108は、二相結晶化システムの非晶質相をミクロ力学弾性ダンベルモデルで表し、流れ誘起非晶質相自由エネルギー変化ΔFを、式10によって配座テンソル
Figure 2006523351
の関数として表し、式12の粘弾性構成関係式によって
Figure 2006523351
を流れの速度
Figure 2006523351
の関数として表す。式29および30によって、流れ促進核形成の速度を流れ誘起自由エネルギー変化ΔFf’に結び付け、式21、24および27によって、相対結晶化度αを流れ促進核形成の速度に結び付ける。さらに、図1の二相モデル108は、二次配向テンソル
Figure 2006523351
が式18の粘弾性構成関係式によって流速
Figure 2006523351
の関数として表される剛体ダンベルモデルを用いて二相システムの半結晶相を表す。式23は、スケーリング因子mを配向テンソル
Figure 2006523351
に結び付け、式21、23および24は、相対結晶化度αを流れの場
Figure 2006523351
の下の配向テンソル
Figure 2006523351
に結び付ける。
本発明の特定の実施態様は、形態キャラクタリゼーション116を得るために、図1の方法の二相モデル108で用いるための結晶化速度およびミクロ力学構成関係式に関連する実験的に定められるパラメータを含む。例えば、コッシャー(Koscher)とフルキロン(Fulchiron)との「ポリプロピレン結晶化に対するせん断の影響 形態の発達および速度(Influence of Shear on Polypropylene Crystallization: Morphology Development and Kinetics)」、ポリマー(Polymer)、第43巻(2002年)、6931〜6942ページに、ポリプロピレン結晶化に関する実験が記載されている。
図1の二相モデル108で用いるためのさまざまなパラメータを決定するために、静止(非流動)条件下で実験が行なわれることがある。例えば、式25でモデル化される結晶成長速度に関連するパラメータGおよびKは、静止条件下で実験することによって得られることがある。球晶半径は、偏光顕微鏡を用いて所定の温度で時間の関数として得られる。結果として得られる半径対時間のプロットに一次関数をフィッティングし、その直線の傾きから所定の温度での成長速度が得られる。この実験をいろいろな温度で繰り返し、パラメータGおよびKを得るために、式25に従ってデータをフィッティングする。
式28でモデル化した静止条件下の活性核の数に関連するパラメータaおよびbは、(1)顕微鏡画像から核の数を数え、(2)画像の面積で除し、(3)単位体積あたりの核の数Nに変換し、ここでN=(核の数/面積)3/2、(4)式28によって曲線をフィッティングし、パラメータaおよびbを得ることによって、得られることがある。
式15および16によって緩和スペクトルλおよび時間−温度シフト因子aを得るために、動的周波数掃引実験を行なうことがある。
リンカム(Linkam)せん断ホットステージ装置および顕微鏡を用いて、せん断条件下(または短期間のせん断後)の結晶化が実行されることがある。透過強度対時間が測定され、それから半結晶化時間が評価されることがある。レオメータを用いて結晶化実験が実行されることもある。結晶化の間に測定したレオメ−タによる物性値は、シミュレーションを検証し、結果を顕微鏡観察および/またはリンカムせん断装置を用いて求めたものと比較するために用いられることがある。
図1に示した方法は、プロセスシミュレーション104の複数の時間ステップのそれぞれにおいて、材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程116を含む。例えば、材料が射出成型プロセスにかけられる場合、図1の方法は、プロセスモデル104によって記述されるように、初期化段階、注入段階、充填段階および/または成型後段階(すなわち冷却段階)の複数の時間ステップにおいて、材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程を含む。冷却段階は、注入段階および/または充填段階の一部または全部と重なり合うことがある。形態キャラクタリゼーション116は、本明細書において上記で詳述したように、材料の結晶化速度の記述を用いて得られる。
以下は、図1に示した方法の一連の時間ステップのそれぞれにおいて形態キャラクタリゼーション116を求める解法手順の例である。
1.プロセスについて、流れの運動を時間の関数として定めるために、流動解析を実行する。例えば、射出成型プロセスシミュレーションの所定の時間ステップにおいて、金型の空洞内の圧力P、温度Tおよび流速
Figure 2006523351
の分布を定める。紡糸、押し出し、真空成型またはブロー成型など、その他のプロセスについては、特定のプロセスに適用される支配方程式、初期条件および境界条件にもとづいてプロセスの運動像を記述する。
2.工程1で計算した流れの運動像を用い、式12を用いて配座テンソル
Figure 2006523351
を計算する。
3.式10を用いて、自由エネルギーΔFを計算する。
4.式30を用いて、関数fを計算する。
5.式27、28および29を用いて、単位体積あたりの核の数Nを計算する。
6.式25および26を用いて、成長速度Gを計算する。
7.式18を用いて、配向テンソル
Figure 2006523351
を計算する。
8.式23を用いて、結晶成長因子mを計算する。
9.式22および24を用いて、結晶化度αを計算する。
10.式14を用いて、非晶質応力
Figure 2006523351
を計算する。
11.式19および20を用いて、半結晶相応力
Figure 2006523351
を計算する。
12.式6を用いて、全応力
Figure 2006523351
を計算する。
13.式4を用いて、粘度η(α)を更新する。
14.式15、16および19を用いて、緩和時間λおよびλを更新する。
15.純粋な結晶(半結晶に対して)相および非晶質相材料のそれぞれの比体積vおよびvを得るために、PVT(圧力−体積−温度)関係式を用いて、比体積v(α)(ここでv(α)=ρ−1(α))を更新する。PVT関係式の例は、ピーター・ケネディ著「射出金型の流動解析」、ハンザー/ガードナー出版社、シンシナティ(ハンザー出版、ニュー・ヨーク)、1995年の28〜29ページに示されている。次に、以下のように式31および32をvについて解く。
Figure 2006523351
ここで、χは材料の最終結晶化度(最大絶対結晶化度、一般に実験的に定められる)、αは工程9で予測される相対結晶化度、vおよびvはそれぞれ半結晶相および非晶質相の比体積、vは半結晶相と非晶質相との混合物の比体積である。あるいは、最終結晶化度χはさまざまな加工条件によって変化しない定数であると仮定すると、vおよびvの値は材料に関するPVT(圧力−体積−温度)関係式から得られることがあり、式32は工程9で予測されるαを用いてνについて解かれる。
16.工程13および15で定められた更新粘度η(α)および比体積v(α)を用いて、次の時間ステップにおける流れの運動像を定めるために、プロセスモデル104に戻る。プロセスまたはプロセス段階の終りに対応する時間に達するまで、工程2から工程16を反復する。
上記の工程の順番は変更されることがある。例えば、代わりの実施態様では、工程2の直後に工程10が実行され、および/または工程7の直後に工程11および12が実行される。また、式10および12において、配座テンソル
Figure 2006523351
が式14によって応力テンソルで置き換えられると、上記の計算は配座テンソルの代わりに応力に関する表式となり、物性値に対する応力の効果がより直接的に見られる。式14および20に示したように、応力は配座テンソルおよび配向テンソルに密接に関連する。応力は巨視的な量であるが、配座テンソルおよび配向テンソルはミクロ構造表現である。一つの実施態様では、必要なら、結晶化度の計算値と単位体積あたりの核の数から、球状結晶の体積が計算される。
特定のプロセス条件下では、図1のプロセスモデル104の連続性および運動量保存の式(式1および2)は以下のように組み合わされ、ヘレ−ショー(Hele−Shaw)式33として表すことができる。
Figure 2006523351
ここで、Bは圧縮率項を表し、Sは、
Figure 2006523351
として評価される流れコンダクタンス、ここでhは材料が流れる空洞の厚みの半分の値、ηは粘度、zは中心線から測定される厚さ方向の座標、
Figure 2006523351
は、追加応力
Figure 2006523351
(ヘレ−ショー式では応力テンソルのその他の成分は無視されるので、全テンソル
Figure 2006523351
の代わりに量
Figure 2006523351
が用いられる)の二つのせん断応力成分である。量
Figure 2006523351
は、例えば式6、14、18および20によって、図1の形態キャラクタリゼーション116(すなわち配座テンソル
Figure 2006523351
および配向テンソル
Figure 2006523351
)に関連する。
図1の方法の一つの実施態様は、「結合」手法を使用する。この手法では、ヘレ−ショー式(またはプロセスモデル104の運動量および連続性の式のその他の形)は、二相モデル108の式、例えば式6、14、18および20と同時に解かれる。
コンピュータ処理時間およびデータ記憶要件を低減するために、図1の方法の一つの実施態様は、「結合解除」手法を使用する。この手法では、ヘレ−ショー式(またはプロセスモデル104の運動量および連続性の式のその他の形)は、図1の方法における流れキャラクタリゼーション106を定めるために、式33の追加応力項
Figure 2006523351
を無視して解かれる。次に、形態キャラクタリゼーション116を決定するために、二相モデル108(すなわち非晶質相および半結晶相構成式、式12および18)において、流れキャラクタリゼーション106が用いられる。従って、結合解除手法は、プロセスモデル104を解いて流れキャラクタリゼーション106を定めるために、一般化ニュートン挙動を仮定する(追加応力を無視する)。しかし、結合解除手法は、工程116において形態キャラクタリゼーションを定めるため、および工程118において材料物性値を予測するために、二相モデル108における追加応力を取り入れる。工程118で定められる特定の物性(例えば粘度および密度)は、今度は結合解除手法の次の時間ステップにおいて流れキャラクタリゼーション106を計算するために、プロセスモデル104の入力として用いられる。例えば、ヘレ−ショー式を使用する結合解除手法では、図1の工程118で相対結晶化度αの関数として定められる粘度η(α)は、次の時間ステップにおける流れキャラクタリゼーション106を定めるために、流動係数(流れコンダクタンス)Sを介して、プロセスモデル104(すなわち式33)にフィードバックされる。
粘度η(α)、密度ρ(α)、比体積v(α)、全応力
Figure 2006523351
、追加応力
Figure 2006523351
および緩和時間λに加えて、図1の方法の工程118は、弾性モジュラス、複素弾性率および/または動粘度などの物性値の予測を含むことがある。例えば、二枚の平行板の間の重合体流体の小振幅振動せん断流動の場合について、図1の二相モデル108のそれぞれの相の中で構成方程式を解くことによって、製造される部品の内部または表面の選ばれた一つ以上の位置における複素弾性率G(またはG’およびG”)の値を予測することができる。式34および35にそれぞれ示すように、半結晶相および非晶質相における追加応力のxy成分について、本明細書において上記で考察したミクロ力学モデルを解くために、摂動法が用いられることがある。
Figure 2006523351
ここで、二枚の平行板の一方は、自身の面内の×方向に周波数ωで振動する。yは両方のプレートに垂直な方向であり、
Figure 2006523351
、γはせん断歪みの大きさである。従って、G’およびG”は以下のように式36および37によって定められる。
Figure 2006523351
μおよびλはαの関数なので、従ってG’およびG”の値はαおよびωの関数である。動粘度は、式38によって複素弾性率に関連付けられる。
Figure 2006523351
加工重合体の等価弾性モジュラステンソルCijklは、以下の情報によって定められることがある。(1)非晶質相(マトリックス)の弾性モジュラステンソルCijkl (a)、(2)半結晶相(封入体)の弾性モジュラステンソルCijkl (c)、および(3)図1の工程116で定められる形態キャラクタリゼーション、例えば相対結晶化度α、幾何学的形状[3つの主軸a(i=1,2,3)を有する楕円球体封入物を取り入れる]および配向。項目(1)および(2)は、音響モジュラスの測定値を用いて求められる。項目(3)は、本明細書において上記で説明した方法を用いて定められる。従って、加工重合体の等価弾性モジュラステンソルCijklは、以下のように式39によって記述されることがある。
Figure 2006523351
ここで、εij は結晶封入体を有しない重合体マトリックス中の一様な歪みであり、εij は封入体の変換歪みまたは固有歪みであり、包含物が別個の実体なら、面力または応力を有しない一様な歪みεij を得ることになろう。量εij は、式40によってεij で表されることがある。
Figure 2006523351
ここで、Eijklはエシェルビー(Eshelby)の変換テンソルであり、その成分は封入体の幾何学的形状およびマトリックスの弾性定数に依存する。この式によって、球状体から偏球面、さらにはペニー状および円筒形に及ぶ封入体を有するシステムの考慮が可能になり、従って異方性、有効物性値を予測することができる。
エシェルビーテンソルの成分の値は、例えば楕円体の中心に原点を有し、主軸aと整列した軸×を有する直交座標系[x(i=1,2,3)]を用いて、以下のように式41によって定められることがある。
Figure 2006523351
ここで
Figure 2006523351
ここで、εijkは以下のように定義される順列テンソルである。
Figure 2006523351
一般的な場合については、ガウス(Gauss)の求積法を用いて二重積分が数値的に計算されることがある。横方向等方性材料などの簡単な場合については、エシェルビーテンソルのための明示的な表式が用いられることがある。
複素弾性率の値から加工される材料のさまざまな物性値が定められることがある。例えば、G’およびG”の値から定常状態せん断速度を予測するために、コックス−メルツ(Cox−Merz)則が適用されることがある。予測した結晶化度依存PVT(圧力−体積−温度)データから、体積熱膨張係数、圧縮率、体積弾性率および音速の値が定められることがある。
図1の方法において形態キャラクタリゼーション116の一部として求めた分子配向から、複屈折率が評価されることがある。これは、式42によって計算した配向テンソルから、まず半結晶相の配向因子fを計算することによって実行される。
Figure 2006523351
ここで<u>は、テンソル
Figure 2006523351
の直交座標成分であり、下添字1は流れの方向を示す。配向因子は、流れの方向に対する半結晶配向の測定値である。例えば、f=0はランダム配向に対応し、f=1は流れの方向への完全な整列、f=−0.5は垂直な配向である。同様に、FENE−Pモデル(式12)から非晶質相についての配向因子fが求められる。完全に配向した相の複屈折値nおよびnがそれぞれ定まれば、複屈折Δnは以下のように式43によって計算することができる。
Δn=αχ+(1−αχ)f
ここで、αχは絶対結晶化度である。
伝熱理論と力学理論との間の類似は、以下のように式44によって表される。
Figure 2006523351
ここで、
Figure 2006523351
は熱流束、
Figure 2006523351
は熱伝導率である。本明細書で説明する力学的性質を予測する方法は、式44の類似によって、熱伝導率およびその他の熱的物性値を予測するために同じように用いられることがある。
図2は、製造中の材料の流れを説明するように予測される材料物性の値を用いて、製造される部品の構造解析を実行する方法の工程を示すブロック図200である。この方法は、製造される部品の構造解析構成モデル202とともに、本明細書において上記で考察した図1の方法の要素を含む。
図1の方法と同じく、図2の方法は、所定の製造プロセス(またはプロセスの一つ以上の段階)を通じて、一連の時間ステップのそれぞれにおいて、加工される材料の流れキャラクタリゼーション106を得るために、プロセスモデル104を解く工程、および材料の形態キャラクタリゼーション116を得るために、二相結晶化モデル108の各時間ステップにおける流れキャラクタリゼーション106を用いることを含む。次に、工程118において、所定の時間ステップにおける材料形態の関数として、一つ以上の材料物性値が予測される。次の時間ステップにおける流れキャラクタリゼーション106を予測するために、予測された物性値118が今度はプロセスモデル104で用いられ、この方法は、最終工程120に達するまで、工程104、106、108、116および118を反復する。図2の項目102、104、106、108、116、118、および120については、本明細書において上記で図1の方法に関してさらに詳細に考察している。
図2の方法では、製造される部品の構造解析構成モデル202中で、上記の方法によって予測した材料物性値を用いる工程が加わる。構造解析構成モデル202は、例えば動的機械分析(DMA)モデル、機械的事象シミュレーション(MES)、反りモデル、亀裂伝播モデル、あるいは製造される部品のクリープ、摩耗、ヒステリシス、転がり抵抗、衝撃強度、剛性、破壊および/または老化現象を予測するモデルのことがある。好ましい実施態様では、構造解析構成モデル202中で入力として用いられる一つ以上の材料物性値は、工程104でモデル化したプロセスの完了後に存在する製造される部品の材料の状態に対応する。しかし、モデル化したプロセスを通じて、一つ以上の物性値の変化の跡が構造解析モデル202で入力として用いられることがある。材料物性予測値に加えて、図2の構造解析構成モデル202で用いられるその他の入力204は、例えば、外力、負荷、支持体、環境条件および類似物を含むことがある。構造モデル出力206は、例えば加えられた力に対する製造される部品の予測される応答、および/または亀裂伝播、クリープ、摩耗、ヒステリシス、転がり抵抗、衝撃強度、剛性破壊および/または老化の度合いを定量化する値を含む。
特定の実施態様では、図2の方法の工程118で予測されるすべての物性値が構造解析構成モデル202中で用いられるわけではない。例えば、粘度η(α)および密度ρ(α)(相対結晶化度αの関数として定められる)など、工程118で予測される特定の属性値は、プロセスモデル104において変化する材料形態を説明するために計算され、必ずしも構造解析構成モデル202中で入力として用いられるわけではない。弾性モジュラスおよび複素弾性率など、図2の工程118で予測されるその他の物性値は、構造解析構成モデル202で入力として用いられる。これらの予測物性値は、工程104でモデル化されるプロセスの終りに対応する形態キャラクタリゼーションの関数として定められることがあり、必ずしもプロセスモデル104の各時間ステップにおいて予測されるわけではないことに注意すること。さらに、特定の実施態様では、プロセスモデル104および二相モデル108は、必ずしも各時間ステップにおいて更新されるわけではない。例えば、工程118で予測される物性値は、形態キャラクタリゼーション116を求めること、および流れキャラクタリゼーション106を予測することを目的とする、プロセスモデル104に対応する各時間ステップで更新されないことがある。プロセスモデル104の二つ以上の時間ステップで流れキャラクタリゼーションを決定する目的には、所定の時間tにおいて定めた形態キャラクタリゼーション116が十分とみなされることがある。また、二相モデル109および/または構造解析構成モデル202は種々の集合の式の解法を含むので、プロセスモデル104の解法ドメインの離散化は、二相モデル109および/または構造解析構成モデル202のそれと異なることがある。
図3は、製造される部品の構造解析−例えば、成型後冷却および/または再加熱プロセスの間の射出成型部品の反りおよび/または収縮の解析−を実行する方法の工程を示すブロック図300であり、この方法は、構造解析に入力を提供するために、プロセスの間に変化する形態および変化する性質を追跡する。図1および2の方法と同じく、図3の方法はプロセスモデル104を解く工程を含む。しかし、流れがないことがあるので、図3の方法は、加工される材料の流れキャラクタリゼーションに関連することもあり、関連しないこともあるプロセスモデル出力302を作り出す。例えば、プロセスモデル104は、金型から取り出した後の製造される部品の冷却および/またはその後の再加熱をシミュレーションすることがある。流れはなくても、材料の形態はこのプロセスの間に変化していることがあり、従って、プロセスの所定の時間ステップにおける材料の形態キャラクタリゼーション116を求めるために、二相結晶化モデル108が用いられる。次に、工程118において、所定の時間ステップにおける材料形態の関数として一つ以上の材料物性値が予測される。次の時間ステップにおけるプロセスモデル出力106を予測するために、プロセスモデル104中で今度は予測物性値118が用いられ、この方法は、最終時間ステップに至るまで工程104、302、108、116および118を反復する。あるいは、プロセスモデル出力302が工程118で予測した変化する物性値によって影響されないなら、プロセスモデル104は、図3に示したフィードバックループなしで、独立に解かれることがある。
図3の方法は、構造解析構成モデル304が、工程118で予測される、モデル化されるプロセスの間の複数の時間ステップにおける材料に対応する材料物性値を用いる点で、図2の方法と異なる。例えば、プロセスが部品の射出成型の成型後冷却または再加熱段階である場合、構造解析構成モデル304は、工程118で予測される一つ以上の材料物性値の変化を入力として用いる収縮または反りモデルのことがある。本明細書では下記で図8に関して、反り解析の例をさらに詳細に考察する。
図4A、4Bおよび4Cは、射出成型部品の構造解析を実行する方法の段階を示すブロック図400を示し、この方法は、製造される部品の材料の形態に対する注入、充填および成型後段階の間の流れ運動像およびプロセス条件の効果を説明する。図4A、4Bおよび4Cの方法は、多段製造プロセスを通じての材料物性値の予測法を示す。図4の方法は、注入段階を通じて一連の時間ステップのそれぞれにおいて材料の流れキャラクタリゼーション406を求めるために、プロセス入力402を用いて、および材料の形態キャラクタリゼーション410を得るために、二相結晶化モデル408の各時間ステップにおける流れキャラクタリゼーション406を用いて、射出成型プロセスの注入段階のモデル404を解く工程を含む。次に、工程412において、一つ以上の材料物性値が所定の時間ステップにおける材料形態の関数として予測される。次の時間ステップにおける流れキャラクタリゼーション406を予測するために、プロセスモデル404中で今度は予測物性値412が用いられ、この方法は、注入段階414の最終時間ステップに至るまで工程404、406、408、410および412を反復し、その後、この方法は、図4Bの充填段階モデル416に進む。特定の実施態様では、注入段階の前に初期化段階がモデル化される。図4Aの項目402、404、406、408、410および412については、本明細書において上記で図1の方法の類似の工程に関してさらに詳しく考察してある。
射出成型プロセスの充填段階に関する図4Bの項目416、418、420、422、424、426および428は、図4Aの項目に類似している。同様に、射出成型プロセスの成型後(すなわち冷却)段階に関する図4Cの項目430、432、434、436、438、440および442は、図4Aおよび4Bの項目に類似している。成型後段階の終わり(例えば、製造される部品全体にわたって材料の温度が周囲温度と平衡に達したとき)に、構造モデル出力450を作成するために、工程444で機械的性質、例えば弾性モジュラスおよび複素弾性率が予測され、その他の入力448とともに構造解析構成モデル446の入力として用いられる。構造解析構成モデル446は、例えば動的機械分析(DMA)モデル、機械的事象シミュレーション(MES)、反りおよび/または収縮モデル、亀裂伝播モデル、あるいは製造される部品のクリープ、摩耗、ヒステリシス、転がり抵抗、衝撃強度、剛性、破壊および/または老化現象を予測するその他のモデルのことがある。好ましい実施態様では、図4Cの工程444で予測される材料物性値は、射出成型プロセスの完了後に存在する製造される部品の材料の状態に対応する。しかし、構造解析モデル446では、モデル化されたプロセス全体の一つ以上の物性値の変化の跡が入力444として用いられることがある。金型から取り出された後、部品は冷却および/または再加熱プロセスにかけられることがある。例えば、自動車産業では、型から取り出された成型部品に塗料が塗布され、部品は高温への曝露によって硬化処理される。部品の温度が高まるにつれて、部品の材料物性が変化し、応力の緩和によって反りが生じることがある。図4Cの工程444では、成型後プロセスの間の部品の材料物性の変化が定められ、構造解析モデル446の入力として用いられる。
図5Aおよび5Bは、射出成型部品の内部の結晶構造物の形態キャラクタリゼーションを予測する図1の方法の利用例を示す。この形態キャラクタリゼーションは、プロセス履歴を説明する。図5Aは、射出成型部品の代表例500を示し、これに関する形態キャラクタリゼーションが、本発明の方法によって定められる。図5Aの射出成型部品に関する形態キャラクタリゼーションを定める方法は、図1のブロック図100に従い、図1の方法に関して本明細書において上記で説明したように、形態キャラクタリゼーション116が求められる。図5Bは、射出成型の間の流れのキャラクタリゼーションを得るために、プロセスモデル104中で使用するための網目解ドメイン520を示す。網目解ドメインでは、得られる形態キャラクタリゼーションに流れの効果が反映される。形態キャラクタリゼーション116は、例えば、製造される部品の内部の位置の関数として定められる結晶体積および結晶配向および時間の値を含む。図5Cは、射出成型の完了後に、図5Bに示した部品の表面の点A、BおよびCにおける表皮−コア深さの関数として予測される結晶体積を示すグラフ540であり、図5Dは、射出成型の完了後に、点A、BおよびCにおける表皮−コア深さの関数として予測される結晶配向因子fを示すグラフ560である。ここでfは式42で定義される。図5Cおよび5Dのグラフ540、560に示す結晶体積および配向因子の分布には、流れおよびプロセス履歴の効果が反映される。
図6A、6B、7Aおよび7Bは、製造される部品中の材料物性分布を予測する図1の方法の応用例を示す。予測される物性値は部品の加工履歴を説明する。図6Aは、厚さ3mmの射出成型部品の中の深さの関数としてプロットした、流れの方向に垂直な方向および平行な方向のヤング率の測定値を示すグラフ600である。成型部品をミクロトームで薄切りして、部品の厚さ全体にわたってさまざまな試料が得られ、各試料について引っ張り試験機を用いて平行方向および垂直方向のヤング率が得られた。図6Bは、図1の方法によって図6Aの厚さ3mmの部品について定められた、厚さ(x軸上の無次元厚さとして表される)の関数としてプロットした部品中のヤング率の予測値を示すグラフ620である。計算値は、測定データに見られると同じ傾向(モジュラスは、試料の深さ全体にわたって比較的一定である)を予測している。
図7Aは、厚さ1mmの射出成型部品の中の深さの関数としてプロットした、流れの方向に垂直な方向および平行な方向のヤング率の測定値を示すグラフ700である。成型部品をミクロトームで薄切りして、厚さ全体にわたってさまざまな試料が得られ、各試料について引っ張り試験機を用いて平行方向および垂直方向のヤング率が得られた。図7Aのグラフ700と図6Aのグラフ600とを比較すると、厚さ1mmの部品は、厚さ3mmの部品より高い異方性と、部品の厚さ全体にわたって変化の大きいモジュラスを有することがわかる。この情報がなければ、正確な力学解析は実行できない。図7Bは、図1の方法によって定められた、厚さ(x軸上の無次元厚さとして表される)の関数としての、厚さ1mmの部品のヤング率の予測値を示すグラフ720である。計算値は、測定データと同じ傾向を予測している。ヤング率を予測する際に加工の効果が取り入れられ、予測値は、射出成型部品のより正確な構造解析のために用いることができる。この改良された構造解析によって、プラスチック部品を設計する改良された方法、およびプラスチック成型品が製造されるプロセスを開発する改良された方法が可能になる。
図8は、射出成型部品の反り分析を実行する方法の応用の出力を示す。この出力は、成型後(すなわち冷却)プロセスの間の所定の時間における反り予測に対応する変形マップ800として表されている。図8の変形マップ800は、金型からの放出後のコンポーネントの計算された変形を示す。図8のカラースケールは、変形の大きさを示し、観察者に最も近い辺がそのもとの位置から内向きに約2mm曲がる傾向があることを示す。この部品は、別の部品と合体して完全なコンポーネントを形成するように設計されているので、反りがあるとこの部品をその相手方に取り付けることが難しくなる。従って、特定の加工上の制約の下で反りが最小限になるように、プロセス条件および/または部品の設計を調整することが望ましい。この反りモデルによって、実際に部品を製造する必要なしに、プロセスおよび/または設計の入力の関数として、予測変形が可能になる。
図8の変形マップ800では、反り予測の一枚のフレームを示したが、冷却プロセスの間のさまざまな時間に対応する一連の時間ステップにおいて、反りが計算される。冷却時間の関数としての反りのアニメーションを製作するために、一連の反りマップのフレームが集められることがある。
図8の例の変形を予測するために用いられた方法は、図3のブロック図300に従っている。この方法は、成型後プロセスの間の部品材料の変化する形態および変化する物性値を追跡し、予測した物性値を反り解析構成モデル304中で入力として用いる。構成モデル304は、参照によって本明細書に明細書が全体として組み込まれる、国際公開番号WO01/29712号として公開された本出願人による国際(PCT)特許出願番号PCT/AU00/01242号明細書から手直しして作成される。ゼン(Zheng)ら、「繊維強化熱可塑性プラスチックの収縮および反りの予測のための射出成型における熱および圧力誘起応力の熱粘弾性シミュレーション(Thermoviscoelastic simulation of thermally and pressure−induced stresses in injection moulding for the prediction of shrinkage and warpage for fibre−reinforced thermoplastics)」、ジャーナル・オブ・ノン・ニュートニアン・フルード・メカニクス(J.Non−Newtonian Fluid Mech.),第84巻、159〜190頁(1999年)、およびファン(Fan)ら、「固体幾何形状の反り解析(Warpage analysis of solid geometry)」、プラスチック技術者協会社(Society of Plastics Engineers, Inc.)、ANTEC2000会議予稿集、2000年5月7〜11日、フロリダ州オーランド(Orlando, Florida)、第I巻−加工(Processing)に、反り解析構成モデルの開発に関する情報がさらに提示されている。
図8の例で利用した、図3の方法の物性予測の工程118は、以下のように式45で表される応力−ひずみ関係式を含む。
Figure 2006523351
ここで、cijklは、本明細書で説明した方法によって予測される粘弾性緩和弾性モジュラス、αklは膨張係数であり、ξ(t)はt’=0からtまでの(1/a)dt’の積分によって表される擬時間尺度、aは時間−温度シフト因子である。式45を解くことによって、成型後プロセスの全体にわたる一連の時間ステップのそれぞれにおいて残留応力分布が定められ、各時間ステップにおける部品の変形を定めるために、構造解析モデル304中で残留応力分布の値が用いられる。代わりの実施態様では、式45は用いられず、代わりに材料は粘弾性であると仮定され、弾性は無視され、結晶化度および温度の関数としてモジュラスが予測される。
図9は、所定の射出成型部品について、流れの方向に対して垂直な方向および平行な方向の収縮の測定値を時間の関数として示すグラフ900である。図9の例では、平行収縮は著しく変化するが、一方垂直収縮は時間の経過に対して比較的一定である。グラフ900は、成型後に収縮は時間の関数として変化し、従って、製造される部品の収縮のモデルでは時間依存性を取り入れることが重要であることを示している。本発明の方法は、例えば、射出成型プロセスの成型後(すなわち冷却および/または再加熱)段階の間の変化する形態の関数として、収縮を予測するために用いることができる。
図10は、本明細書で説明した方法の任意のものを実行するために適するコンピュータハードウェア装置1000を示す。装置1000は、本明細書で考察した機能を支えるために必要な計算速度および精度を有するポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、メインフレーム、あるいはその他の適当なコンピュータのことがある。一般に、コンピュータ1000は、本明細書で説明した方法の一つ以上を包含するソフトウェアコードに含まれる命令を実行する一つ以上の中央処理装置1002を含む。一時的または恒久的のどちらかでコードを保持するために、ランダムアクセスメモリおよび/または読出し専用メモリなどの記憶装置1004、ならびにコンピュータ1000が必要とするその他のオペレーティングソフトウェアが提供される。一般に、コードの使用時にも非使用時にもコードを記憶し、ソフトウェアが生成するデータを記憶するために、ハードディスクなどの恒久的な不揮発読み出し/書き込みメモリが用いられる。ソフトウェアは、例えば磁気ディスク、磁気テープ、CD−ROMおよび半導体メモリなどの機械可読媒体に記録された一つ以上のモジュールを含むことがある。好ましくは、機械可読媒体は、コンピュータ1000の内部に常に存在する。代わりの実施態様では、機械可読媒体は通信リンクによってコンピュータ1000に接続してもよい。例えば、ソフトウェアのユーザは、インターネットを経由して入力データを提供し、コンピュータ1000がデータを遠隔処理し、それからシミュレーション出力がユーザに送られる。代わりの実施態様では、ソフトウェアを結線による論理回路の形の計算機命令で置き換えてよく、あるいはソフトウェアをファームウェア(すなわち、PROM、EPROM、EEPROMおよび類似物などのデバイスに記録した計算機命令)で置き換えてよい。本明細書で用いられる用語「機械可読命令」は、ソフトウェア、結線による論理回路、ファームウェア、オブジェクトコードおよび類似物を包含するものとする。好ましくは、コンピュータ1000は汎用コンピュータである。コンピュータ1000は、例えば、埋め込みコンピュータ、ラップトップまたはデスクトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ、サーバ、あるいはソフトウェアを実行し、適当な制御命令を発し、情報を記録することができる別の種類のコンピュータであってよい。コンピュータ1000は、ユーザからデータおよび命令などの入力を受けるためのキーボードおよびディスクリーダなどの一つ以上の入力装置1006、グラフィックおよびその他の形式でシミュレーション結果を提供するためのモニタまたはプリンターなどの一つ以上の出力装置1008を含む。さらに、望みに応じて、すべてのコンポーネントを一緒にリンクし、他のコンピュータおよびコンピュータネットワークとの通信を可能にするために、通信バスおよびI/Oポートが提供されることがある。
均等物
特定の好ましい実施態様を参照して、本発明を詳細に示し説明してきたが、添付の請求項によって定められる本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、本発明の形式および細部においてさまざまな変化が施され得ることは、当業者には明らかなはずである。
本発明の目的および特徴は、以下に説明する図面と、請求項とを参照してさらによく理解できる。これらの図面は必ずしも実寸に比例せず、むしろ本発明の原理を一般的に説明することに重きを置いている。これらの図面では、さまざまな図を通じて類似の部品を示すために類似の番号が用いられる。本特許または出願書類は、少なくとも一枚のカラー図面を含む。本特許または本特許出願の出版物のコピーは、請求および必要な料金の支払いをすれば米国特許登録商標庁によって、カラー図面(単数または複数)とともに提供される。
図1は、加工される材料の物性を予測する方法の工程を示すブロック図であり、この方法は、本発明の例となる実施態様によって、加工中に変化する材料の形態を取り入れる。 図2は、製造される部品の構造解析を実行する方法の工程を示すブロック図であり、この方法は、本発明の例となる実施態様によって、材料の形態に対するプロセス流れ運動の効果を取り入れる。 図3は、製造される部品の構造解析、例えば、成型後(すなわち冷却)プロセスの間の射出成型部品の反りおよび/または収縮の解析を実行する方法の工程を示すブロック図であり、この方法は、構造解析に入力を提供するために、本発明の例となる実施態様によって、プロセス中に変化する形態および変化する物性を追跡する。 図4A、4Bおよび4Cは、射出成型部品の構造解析を実行する方法の工程を示すブロック図を示し、この方法は、本発明の例となる実施態様によって、注入、充填および成型後段階における前記材料の形態に対する流れ運動の効果を取り入れる。 図4A、4Bおよび4Cは、射出成型部品の構造解析を実行する方法の工程を示すブロック図を示し、この方法は、本発明の例となる実施態様によって、注入、充填および成型後段階における前記材料の形態に対する流れ運動の効果を取り入れる。 図4A、4Bおよび4Cは、射出成型部品の構造解析を実行する方法の工程を示すブロック図を示し、この方法は、本発明の例となる実施態様によって、注入、充填および成型後段階における前記材料の形態に対する流れ運動の効果を取り入れる。 図5Aは、本発明の例となる実施態様によって、形態キャラクタリゼーションが定められる、射出成型部品の代表例を示す。 図5Bは、図5Aに示した部品の射出成型プロセス中に発生する流れのキャラクタリゼーションを得るメッシュ状の解ドメインを表す。この流れのキャラクタリゼーションに続き、本発明の例となる実施態様によって、点A、BおよびCから測定した表皮−コア深さの関数として、形態キャラクタリゼーションが予測される。 図5Cは、図5Aに示した部品の射出成型後の表面の点A、BおよびCにおける表皮−コア深さの関数として予測される結晶体積を示すグラフであり、この予測は、本発明の例となる実施態様によって、プロセス流れ運動を取り入れている。 図5Dは、図5Aに示した部品の射出成型後の表面の点A、BおよびCにおける表皮−コア深さの関数として予測される結晶配列因子fを示すグラフであり、この予測は、本発明の例となる実施態様によって、プロセス流れ運動を取り入れている。 図6Aは、本発明の例となる実施態様によって、厚さ3mmの射出成型部品の深さの関数としてプロットした、流れ方向に垂直な方向および平行な方向の弾性モジュラスの測定値を示すグラフである。図6Bは、図6Aの厚さ3mmの射出成型部品の深さの関数としてプロットした、流れ方向に垂直な方向および平行な方向の予測弾性モジュラスを示すグラフであり、この予測は、本発明の例となる実施態様によって、プロセス流れ運動を取り入れている。 図7Aは、本発明の例となる実施態様によって、厚さ1mmの射出成型部品の深さの関数としてプロットした、流れ方向に垂直な方向および平行な方向の弾性モジュラスの測定値を示すグラフである。図7Bは、図7Aの厚さ1mmの射出成型部品の深さの関数としてプロットした、流れ方向に垂直な方向および平行な方向の予測弾性モジュラスを示すグラフであり、この予測は、本発明の例となる実施態様によって、プロセス流れ運動を取り入れている。 図8は、射出成型部品の反り分析を実行する方法の出力を表し、この出力は、成型後冷却プロセスの間の所定の時間における反り予測に対応する変形マップとして表され、この方法は、本発明の例となる実施態様によって、プロセスの間に変化する形態および変化する物性値を取り入れている。 図9は、本発明の例となる実施態様によって、流れの方向に垂直な方向および平行な方向の収縮の測定値を時間の関数として示すグラフである。 図10は、本発明の例となる実施態様によって、本明細書で説明する方法を実行するために適するコンピュータハードウェア装置を表す。

Claims (71)

  1. 加工される材料の物性の値を予測する方法であって、
    (a)少なくとも一つの支配方程式を含むプロセス記述を提供する工程、
    (b)前記プロセス記述を用いて、材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、
    (c)前記材料の前記流れの前記キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程、および
    (d)前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程
    を含む方法。
  2. 前記プロセス記述は、射出成型プロセスの表現を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プロセス記述は、押し出しプロセス、ブロー成型プロセス、真空成型プロセス、紡糸プロセスおよび硬化プロセスからなる群の少なくとも一つのプロセスの表現を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも一つの支配方程式は、質量保存、運動量保存およびエネルギー保存の式を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 工程(d)は、材料の弾性モジュラスを予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記弾性モジュラスは、縦方向ヤング率、横方向ヤング率、面内せん断弾性率、面外せん断弾性率および平面歪み体積弾性率からなる群の一つである、請求項5に記載の方法。
  7. 工程(d)は、前記材料の複素弾性率を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  8. (e)前記複素弾性率から前記材料の物性の値を予測する工程
    をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 工程(d)は、機械的性質、熱的性質および光学的性質からなる群の少なくとも一つの性質を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 工程(d)は、熱膨張係数、熱伝導率、体積弾性率および音速の少なくとも一つを予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 工程(d)は、透明度、不透明度、表面光沢、色ぶれ、複屈折率および屈折率の少なくとも一つを予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 工程(d)は、応力テンソルの少なくとも一つの成分を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記応力テンソルは、流れ誘起応力の指標を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記形態キャラクタリゼーションは、配座テンソルの少なくとも一つの成分を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記形態キャラクタリゼーションは、配向テンソルの少なくとも一つの成分を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記形態キャラクタリゼーションは、結晶化度の指標を含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記結晶化度の指標は、相対結晶化度の指標である、請求項16に記載の方法。
  18. 工程(c)は、前記材料の結晶化速度の記述を用いて、形態キャラクタリゼーションを得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記材料の前記結晶化速度の記述は、次元指数を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記材料の前記結晶化速度の記述は、流れ誘起自由エネルギー変化の記述を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記材料の前記結晶化速度の記述は、流れ誘起核形成の記述を含む、請求項18に記載の方法。
  22. 工程(c)は、前記材料の二相記述を用いて前記形態キャラクタリゼーションを得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記二相記述は、結晶化速度モデル、非晶質相モデルおよび半結晶相モデルの少なくとも一つを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記二相記述は、結晶化速度モデル、非晶質相モデルおよび半結晶相モデルを含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記二相記述は、非晶質相を記述する粘弾性構成方程式を含む、請求項22に記載の方法。
  26. 前記粘弾性構成方程式は、FENE−Pダンベルモデルを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記粘弾性構成方程式は、拡張POM−POMモデルおよびPOM−POMモデルの少なくとも一つを含む、請求項25に記載の方法。
  28. 前記粘弾性構成方程式は、ギーセクスモデルおよびファン−チエン・タナーモデルの少なくとも一つを含む、請求項25に記載の方法。
  29. 前記二相構成記述は、半結晶相を記述する剛体ダンベルモデルを含む、請求項22に記載の方法。
  30. (e)前記材料の前記物性の前記値を用いて、前記加工される材料から製作した製品の構造解析を実行する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  31. 工程(e)は、前記製品の反りを予測する工程を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 工程(e)は、前記製品の収縮を予測する工程を含む、請求項30に記載の方法。
  33. 工程(e)は、前記製品が力に対してどのように反応するか予測する工程を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 工程(e)は、亀裂成長、クリープおよび摩耗からなる群の少なくとも一つを予測する工程を含む、請求項30に記載の方法。
  35. 工程(e)は、衝撃強度、破壊のモード、延性破壊のモード、脆性破壊のモード、破壊応力、破壊歪み、破壊モジュラス、破壊曲げ弾性率、破壊引張係数、剛性、最大負荷および破裂強度からなる群の少なくとも一つの性質を予測する工程を含む、請求項30に記載の方法。
  36. 前記流れキャラクタリゼーションを得る工程は、デュアルドメイン解法を用いる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  37. 前記流れキャラクタリゼーションを得る工程は、ハイブリッド解法を用いる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  38. 工程(b)は、工程(a)の前記少なくとも一つの支配方程式の解に関連する複数の時間ステップのそれぞれの後で実行される、請求項1に記載の方法。
  39. 工程(b)および(c)は、工程(a)の前記少なくとも一つの支配方程式の解に関連する複数の時間ステップのそれぞれの後で実行される、請求項1に記載の方法。
  40. 工程(b)、(c)および(d)は、工程(a)の前記少なくとも一つの支配方程式の解に関連する複数の時間ステップのそれぞれの後で実行される、請求項1に記載の方法。
  41. 工程(c)は、前記形態キャラクタリゼーションを得るために用いられる一つ以上のパラメータを決定するために、一つ以上の結晶化実験を実行する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  42. 工程(c)は、静止条件における前記材料の結晶成長速度を決定するために、一つ以上の結晶化実験を実行する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  43. 工程(c)は、半結晶化時間を決定するために、一つ以上の結晶化実験を実行する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  44. 工程(c)は、緩和スペクトルおよび時間依存性シフト因子の少なくとも一つを測定するために、一つ以上の実験を実行する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  45. 製造される部品の構造解析を実行する方法であって、
    (a)少なくとも一つの支配方程式を含むプロセス記述を提供する工程、
    (b)前記プロセス記述を用いて、材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、
    (c)前記材料の前記流れの前記キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程、
    (d)前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程、および
    (e)前記物性の前記予測値を用いて、前記材料から製作された部品の構造解析を実行する工程
    を含む方法。
  46. 工程(e)は、構造解析構成モデルを創出する工程を含む、請求項45に記載の方法。
  47. 工程(e)は、負荷に対する前記部品の応答を予測する工程を含む、請求項45に記載の方法。
  48. 工程(e)は、前記部品の反りを予測する工程を含む、請求項45に記載の方法。
  49. 工程(e)は、反り、収縮、亀裂成長、クリープ、摩耗、寿命および破壊からなる群の少なくとも一つの性質を予測する工程を含む、請求項45に記載の方法。
  50. 部品を設計する方法であって、
    (a)部品の試験的な設計を提供する工程であって、前記部品は材料から製作される工程、
    (b)容積体の内部で適用される少なくとも一つの支配方程式を含むプロセス記述を提供する工程であって、前記容積体は前記部品の前記試験設計にもとづく工程、
    (c)前記プロセス記述を用いて、前記材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、
    (d)前記材料の前記流れの前記キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程、
    (e)前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程、
    (f)部品性能の指標を評価するために、前記物性の前記値を用いる工程、および
    (g)前記部品性能の指標が、予め定められた基準を満たすかどうか判定する工程
    を含む方法。
  51. 前記方法は、
    (h)前記部品性能の指標が前記予め定められた基準を満たさない場合に、前記試験設計を変更する工程
    をさらに含む、請求項50に記載の方法。
  52. 製造プロセスを設計する方法であって、
    (a)材料から製品を製造するプロセスへの入力の試験セットを準備する工程、
    (b)前記プロセスの記述を提供する工程であって、前記記述は少なくとも一つの支配方程式を含む工程、
    (c)前記プロセス記述および前記入力の試験セットを用いて、前記材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、
    (d)前記材料の前記流れの前記キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程、
    (e)前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程、
    (f)製品性能の指標を評価するために、前記物性の前記値を用いる工程、および
    (g)前記製品性能の指標が、予め定められた基準を満たすかどうか判定する工程
    を含む方法。
  53. 加工される材料の物性の値を予測する装置であって、
    (a)命令のセットを定めるコードを記憶するメモリ、および
    (b)前記命令を実行し、それによって
    (i)少なくとも一つの支配方程式を含むプロセス記述を用いて、材料の流れのキャラクタリゼーションを求め、
    (ii)前記材料の流れの前記キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを求め、
    (iii)前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測するプロセッサ
    を含む装置。
  54. 加工される材料の物性の値を予測する方法であって、
    (a)少なくとも一つの支配方程式を含むプロセス記述を提供する工程、
    (b)前記プロセス記述を用いて、材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程、
    (c)前記材料の二相記述を提供する工程であって、前記記述は前記材料の前記流れの前記キャラクタリゼーションに部分的にもとづいている工程、
    (d)前記二相記述を用いて、前記材料の形態キャラクタリゼーションを得る工程、および
    (e)前記形態キャラクタリゼーションを用いて、前記材料の物性の値を予測する工程
    を含む方法。
  55. 前記材料は、加工の間に相の変化を起こす、請求項54に記載の方法。
  56. 前記二相記述は、非晶質相モデルおよび半結晶相モデルを含む、請求項54に記載の方法。
  57. 金型の空洞の内部の流体の流れをシミュレーションする方法であって、
    (a)材料が流れ込む金型の空洞の表式を提供する工程、
    (b)前記表式にもとづいて、解ドメインを定める工程、および
    (c)少なくとも一つの支配方程式を用いて、時間tにおいて前記解ドメイン内でプロセス変数について解く工程
    を含み、工程(c)は、前記少なくとも一つの支配方程式を解く際に前記材料の形態キャラクタリゼーションを用いる前記部分工程を含む方法。
  58. 前記少なくとも一つの支配方程式を解く際に前記材料の形態キャラクタリゼーションを用いる前記部分工程は、前記材料の前記形態キャラクタリゼーションにもとづいて前記材料の粘度を少なくとも部分的に決定する工程を含む、請求項57に記載の方法。
  59. 前記少なくとも一つの支配方程式を解く際に前記材料の形態キャラクタリゼーションを用いる前記部分工程は、少なくとも部分的に前記時間tより早い時間における前記材料の前記形態キャラクタリゼーションにもとづいて前記材料の粘度を決定する工程を含む、請求項57に記載の方法。
  60. 製造される部品の内部の構造物の形態特性を予測する方法であって、
    (a)製造プロセスの少なくとも一つの段階のモデルを提供する工程、
    (b)材料の流れのキャラクタリゼーションを得る工程であって、前記流れは、前記製造プロセスの前記少なくとも一つの段階中に起こるものとする工程、および
    (c)前記流れキャラクタリゼーションを用いて、製造される部品の少なくとも一部の内部の構造物の形態キャラクタリゼーションを予測する工程
    を含む方法。
  61. 工程(c)は、前記製造される部品の内部の結晶子の配向を予測する工程を含む、請求項60に記載の方法。
  62. 工程(c)は、前記製造される部品の内部の結晶子のサイズ分布を予測する工程を含む、請求項60に記載の方法。
  63. 工程(c)は、前記製造される部品の内部の位置の関数として結晶体積を予測する工程を含む、請求項60に記載の方法。
  64. 工程(c)は、前記製造される部品の内部の位置の関数として配向因子を予測する工程を含む、請求項60に記載の方法。
  65. 工程(c)は、前記材料の結晶化速度の記述を用いて、前記形態キャラクタリゼーションを予測する工程を含む、請求項60に記載の方法。
  66. 前記結晶化速度の記述は、過剰自由エネルギーの表式を含む、請求項65に記載の方法。
  67. 前記製造プロセスは、射出成型プロセスである、請求項60に記載の方法。
  68. 工程(d)は、前記加工される材料から製作された部品の内部の複数の位置における材料物性値を予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  69. 工程(d)は、任意の幾何学的形状を有する部品の材料物性値を予測する工程を含み、前記部品は前記加工される材料から製作されるものとする、請求項1に記載の方法。
  70. 前記プロセス記述は、異形押し出しプロセス、ブローフィルム押し出しプロセスおよびフィルム押し出しプロセスからなる群の少なくとも一つのプロセスの表現を含む、請求項3に記載の方法。
  71. 工程(e)は、熱負荷に対する前記部品の応答を予測する工程を含む、請求項45に記載の方法。
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