JP7410365B2 - 部材配置システム及び部材配置プログラム - Google Patents

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本発明は、所定形状の素材から複数の部材を切り出すにあたって素材に複数の部材を自動的に配置する部材配置システム及び部材配置プログラムに関する。
形状の異なる複数の部材を矩形の鋼板等の素材から切り出すにあたって、できるだけ無駄なく素材に部材を配置する自動ネスティング(素材への自動的な部材配置)が行われている。
特許文献1には、素材データと、ネスティング対象の部材データを読み込み、自動ネスティングする場合に、素材上にランダムに部材を配置し、部材間の重なった部分又は素材からはみ出した部分をラップと認識し、このラップ部分に仮想的な反発力を発生させてラップがなくなるように部材を移動させる自動ネスティング方法が開示されている。
また、特許文献2には、複数の3次元形状部品を加工材より部品取りするにあたり、3次元形状部品データファイルと部品数と加工材の寸法を読込み、加工材の予め定められた面で面取りをする各部品の拘束面を指示し、拘束面の加工材に対しての2次元の投影形状面積と部品の奥行きとで各部品をグループ化し、グループの2次元投影形状面の空き面積部分に2次元ネスティングにより他の部品を配置し、部品取りする方法が開示されている。
また、特許文献3には、指示装置にて指示された外壁パネルの種類と枚数に基づいて、各種の組み合わせをコンピュータによってシミュレーションし、素板の破棄部分が最少となる最適組み合わせを作成する切断組み合わせ作成装置と、最適組み合わせの情報を表示・修正する表示・修正装置と、切断組み合わせ作成装置から出力されたNCデータに基づいて素板を切断するNC切断装置を備えた自動切断装置が開示されている。
また、特許文献4には、活性化関数に非線形関数を採用した第1ニューラルネットワークを用いて、ニューラルネットワークに含まれる各ニューロン間の結合の重み及びバイアスの少なくとも一方を含むパラメータを調整した学習済みモデルを取得する取得部と、学習済みモデルにしたがって、活性化関数に非線形関数の近似多項式を採用した第2ニューラルネットワークにパラメータを設定する設定部と、暗号化されたデータが入力されたとき、第2ニューラルネットワークを用いて、暗号化されたデータを暗号化したまま推論処理を実行する推論部を備えた推論装置が開示されている。
特開2005-327010号公報 特開2003-256011号公報 特開平6-83425号公報 特開2019-46460号公報
自動ネスティングを用いた配置結果には改善の余地があり、より素材の無駄を少なくするため自動ネスティングの配置結果に対して人手による手直しが行われている。しかし、例えば造船では1隻あたり数万単位の部材を取り扱うなど、部材の数が膨大になることも少なくない。さらに、後の作業工程を考慮すると、あまりネスティング作業に時間をかけることはできない。
また、様々な形状の部材に対応する必要があるため、ネスティング作業用に人手でその都度プログラミングすることは困難である。
また、ネスティング作業に単にAI(Artificial Intelligence)を適用しようとしても、部材の数が多い場合、ネスティング作業の際の部材の選択、配置場所、及び角度等を考慮すると、とりうる行動の数が膨大(離散化しても数億以上)となり、迅速な処理を行うことができない。
特許文献1~特許文献3は、自動ネスティングを用いて素材に歩留まり良く部材を配置しようとするものではあるが、ネスティングの結果を機械学習して自動ネスティングの精度を向上させ、これにより歩留まり率を改善するものではない。
また、特許文献4は、学習装置で作成した学習済みモデルを用いて推論装置で推論処理を行うものであるが、ネスティングに関する記載はなく、推論処理の結果を機械学習して学習済みモデルの精度を向上させるものでもない。
そこで本発明は、機械学習により自動ネスティングの精度を向上させ、歩留まり率を改善する部材配置システム及び部材配置プログラムを提供することを目的とする。
請求項1記載に対応した部材配置システムにおいては、所定の寸法の2次元形状の素材に、実際に配置したい複数のネスティング用2次元部材を自動的に配置する部材配置システムであって、学習用2次元部材データを保有する2次元部材データベースと、学習用サーバと、推論サーバを備え、学習用サーバは、行動の価値の推定と行動の設定を行なう行動設定部と、行動に基づいて学習用に配置した学習用2次元部材の素材に対する配置と報酬を、学習用2次元部材データを取得して演算する2次元部材配置演算部と、蓄積された配置と報酬の演算結果からエージェントを学習する学習部とを有し、学習の結果としての学習済モデルを生成し、推論サーバは、学習用サーバの学習済モデルを読み込む読込部と、2次元部材データファイルから実際に配置したい複数のネスティング用2次元部材のネスティング用2次元部材データを取得しネスティング用2次元部材の配置の順列を作成する配置順作成部と、学習済モデルのエージェントによる推論行動の設定を行なう推論行動設定部と、推論行動に基づいてネスティング用2次元部材の素材に対する配置と報酬を、ネスティング用2次元部材の順列に従って演算する2次元部材配置推論演算部と、最も報酬の高い配置結果をネスティング用2次元部材配置結果として出力する結果出力部とを有することを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、機械学習により生成された学習済モデル(例えば、ニューラルネットワークの構造情報と重み係数)を用いてネスティングを行うことで、配置すべき部材の数や形状が多い場合であっても、迅速、かつ報酬を高く得るように学習した結果(例えば、歩留まり率が高い結果)を反映して素材に複数の部材を配置することができる。
請求項2記載の本発明は、学習用サーバが、更新用の学習済モデルを評価して出力する評価・出力部を有したことを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によれば、更新用の学習済モデルを出力前に評価することで、報酬(歩留まり率)が改善する場合にのみ学習済モデルを更新するようにして、更新前よりも性能が低下することを防止できる。
請求項3記載の本発明は、2次元部材配置演算部に、学習用2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定部を有したことを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によれば、ルールベースとすることで、学習用2次元部材の選択と配置順の組み合わせ数が膨大になることを防ぎ処理を高速化することができる。
請求項4記載の本発明は、ルールベースとして学習用2次元部材の寸法的に大きい順に、又は学習用2次元部材の単品での歩留まり率の悪い順に配置順を設定することを特徴とする。
請求項4に記載の本発明によれば、処理をより高速化できる。
請求項5記載の本発明は、模倣用2次元部材配置結果を保有する模倣用2次元部材配置結果データベースを備え、学習用サーバの学習部が、模倣用2次元部材配置結果からエージェントを学習することを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によれば、配置結果から模倣学習を行うことで、より報酬を高く得るように学習した(より歩留まり率が高い)学習済モデルを生成することができる。
請求項6記載の本発明は、模倣用2次元部材配置結果は、人の配置した模倣用データ及び/又は推論サーバのネスティング用2次元部材配置結果に基づくものであることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明によれば、人(特に熟練者)の配置結果や推論サーバのネスティング用2次元部材配置結果から模倣学習を行うことで、さらに報酬を高く得るように学習した(さらに歩留まり率が高い)学習済モデルを生成することができる。
請求項7記載の本発明は、2次元部材データファイルは、ネスティング用2次元部材を設計するCADシステムと連係させたものであることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明によれば、CADシステムで設計した2次元部材データを基にネスティングを行うことができ、設計から部材の配置までが効率化できる。
請求項8記載の本発明は、推論サーバから出力するネスティング用2次元部材配置結果を、ネスティング用2次元部材を切断するNC切断用システムと連係させたことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明によれば、NC切断用システムにおいてネスティング用2次元部材配置結果に基づき部材の切り出しを行うことができる。
請求項9記載に対応した部材配置プログラムは、所定の寸法の2次元形状の素材に、実際に配置したい複数のネスティング用2次元部材を自動的に配置する部材配置プログラムであって、コンピュータに、2次元部材データベースから学習用2次元部材データを読み込ませるデータ読込ステップと、行動の価値の推定と行動の設定を行なう行動設定ステップと、行動に基づいて学習用に配置した学習用2次元部材の素材に対する配置と報酬を、学習用2次元部材データを用いて演算する2次元部材配置演算ステップと、蓄積された配置と報酬の演算結果からエージェントを学習する学習ステップと、学習の結果として学習済モデルを生成する学習済モデル生成ステップと、学習済モデルを読み込む学習済モデル読込ステップと、2次元部材データファイルから実際に配置したい複数のネスティング用2次元部材のネスティング用2次元部材データを取得しネスティング用2次元部材の配置の順列を作成する配置順作成ステップと、学習済モデルのエージェントによる推論行動の設定を行なう推論行動設定ステップと、推論行動に基づいてネスティング用2次元部材の素材に対する配置と報酬を、ネスティング用2次元部材の順列に従って演算する2次元部材配置推論演算ステップと、最も報酬の高い配置結果をネスティング用2次元部材配置結果として出力する2次元部材配置結果出力ステップとを実行させることを特徴とする。
請求項9に記載の本発明によれば、機械学習により生成された学習済モデルを用いてネスティングを行うことで、配置すべき部材の数や形状が多い場合であっても、迅速、かつ報酬を高く得るように学習した結果(例えば、歩留まり率が高い結果)を反映して素材に複数の部材を配置することができる。
請求項10記載の本発明は、学習済モデル生成ステップで生成した学習済モデルを更新のために評価する評価ステップを有したことを特徴とする。
請求項10に記載の本発明によれば、学習済モデルを更新前に評価することで、報酬(歩留まり率)が改善する場合にのみ学習済モデルを更新することができるため、更新前よりも性能が低下することを防止できる。
請求項11記載の本発明は、2次元部材配置演算ステップの演算に用いる学習用2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定ステップを有したことを特徴とする。
請求項11に記載の本発明によれば、ルールベースにすることで、学習用2次元部材の選択と配置順の組み合わせ数が膨大になることを防ぎ処理を高速化することができる。
請求項12記載の本発明は、ルールベースとして学習用2次元部材の寸法的に大きい順に、又は学習用2次元部材の単品での歩留まり率の悪い順に配置順を設定することを特徴とする。
請求項12に記載の本発明によれば、処理をより高速化できる。
請求項13記載の本発明は、学習ステップが、模倣用2次元部材配置結果データベースから模倣用2次元部材配置結果を取得して、模倣用2次元部材配置結果からエージェントを学習することを特徴とする。
請求項13に記載の本発明によれば、配置結果から模倣学習を行うことで、より報酬を高く得るように学習した(より歩留まり率が高い)学習済モデルを生成することができる。
請求項14記載の本発明は、2次元部材データファイルのネスティング用2次元部材データを、ネスティング用2次元部材を設計するCADシステムから取得することを特徴とする。
請求項14に記載の本発明によれば、CADシステムで設計した2次元部材データを基にネスティングを行うことができ、設計から部材の配置までが効率化できる。
請求項15記載の本発明は、2次元部材配置結果出力ステップで出力するネスティング用2次元部材配置結果を、ネスティング用2次元部材を切断するNC切断用システムに伝達することを特徴とする。
請求項15に記載の本発明によれば、NC切断用システムにおいてネスティング用2次元部材配置結果に基づき部材の切り出しを行うことができる。
本発明の部材配置システムによれば、機械学習により生成された学習済モデル(例えば、ニューラルネットワークの構造情報と重み係数)を用いてネスティングを行うことで、配置すべき部材の数や形状が多い場合であっても、迅速、かつ報酬を高く得るように学習した結果(例えば、歩留まり率が高い結果)を反映して素材に複数の部材を配置することができる。
また、学習用サーバが、更新用の学習済モデルを評価して出力する評価・出力部を有した場合には、更新用の学習済モデルを出力前に評価することで、報酬(歩留まり率)が改善する場合にのみ学習済モデルを更新するようにして、更新前よりも性能が低下することを防止できる。
また、2次元部材配置演算部に、学習用2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定部を有した場合には、ルールベースとすることで、学習用2次元部材の選択と配置順の組み合わせ数が膨大になることを防ぎ処理を高速化することができる。
また、ルールベースとして学習用2次元部材の寸法的に大きい順に、又は学習用2次元部材の単品での歩留まり率の悪い順に配置順を設定する場合には、処理をより高速化できる。
また、模倣用2次元部材配置結果を保有する模倣用2次元部材配置結果データベースを備え、学習用サーバの学習部が、模倣用2次元部材配置結果からエージェントを学習する場合には、配置結果から模倣学習を行うことで、より報酬を高く得るように学習した(より歩留まり率が高い)学習済モデルを生成することができる。
また、模倣用2次元部材配置結果は、人の配置した模倣用データ及び/又は推論サーバのネスティング用2次元部材配置結果に基づくものである場合には、人(特に熟練者)の配置結果や推論サーバのネスティング用2次元部材配置結果から模倣学習を行うことで、さらに報酬を高く得るように学習した(さらに歩留まり率が高い)学習済モデルを生成することができる。
また、2次元部材データファイルは、ネスティング用2次元部材を設計するCADシステムと連係させたものである場合には、CADシステムで設計した2次元部材データを基にネスティングを行うことができ、設計から部材の配置までが効率化できる。
また、推論サーバから出力するネスティング用2次元部材配置結果を、ネスティング用2次元部材を切断するNC切断用システムと連係させた場合には、NC切断用システムにおいてネスティング用2次元部材配置結果に基づき部材の切り出しを行うことができる。
また、本発明の部材配置プログラムによれば、機械学習により生成された学習済モデルを用いてネスティングを行うことで、配置すべき部材の数や形状が多い場合であっても、迅速、かつ報酬を高く得るように学習した結果(例えば、歩留まり率が高い結果)を反映して素材に複数の部材を配置することができる。
また、学習済モデル生成ステップで生成した学習済モデルを更新のために評価する評価ステップを有した場合には、学習済モデルを更新前に評価することで、報酬(歩留まり率)が改善する場合にのみ学習済モデルを更新することができるため、更新前よりも性能が低下することを防止できる。
また、2次元部材配置演算ステップの演算に用いる学習用2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定ステップを有した場合には、ルールベースにすることで、学習用2次元部材の選択と配置順の組み合わせ数が膨大になることを防ぎ処理を高速化することができる。
また、ルールベースとして学習用2次元部材の寸法的に大きい順に、又は学習用2次元部材の単品での歩留まり率の悪い順に配置順を設定する場合には、処理をより高速化できる。
また、学習ステップが、模倣用2次元部材配置結果データベースから模倣用2次元部材配置結果を取得して、模倣用2次元部材配置結果からエージェントを学習する場合には、配置結果から模倣学習を行うことで、より報酬を高く得るように学習した(より歩留まり率が高い)学習済モデルを生成することができる。
また、2次元部材データファイルのネスティング用2次元部材データを、ネスティング用2次元部材を設計するCADシステムから取得する場合には、CADシステムで設計した2次元部材データを基にネスティングを行うことができ、設計から部材の配置までが効率化できる。
また、2次元部材配置結果出力ステップで出力するネスティング用2次元部材配置結果を、ネスティング用2次元部材を切断するNC切断用システムに伝達する場合には、NC切断用システムにおいてネスティング用2次元部材配置結果に基づき部材の切り出しを行うことができる。
本発明の実施形態による部材配置システムの構成図 同強化学習のモデルを示す図 同マルコフ決定過程を示す図 同ネスティングの歩留まり率が機械学習の進行とともに向上するイメージ図 同学習用サーバにおける学習フェーズのフロー図 同推論サーバにおける推論フェーズのフロー図 同推論サーバによる配置計算結果の一例を示す図
以下、本発明の実施形態による部材配置システム及び部材配置プログラムについて説明する。
図1は本実施形態による部材配置システムの構成図である。
部材配置システムは、所定の寸法の2次元形状の素材に、複数の2次元部材を自動的に配置する。素材は矩形の鋼材等である。部材は素材から切り出され、船舶等の構成材料として用いられる。
部材配置システムは、データサーバ10と、データサーバ10に蓄積されたデータに基づいて機械学習を行い学習の結果としての学習済モデル40を生成する学習用サーバ20と、生成された学習済モデル40を用いて実際に配置したい部材についてのネスティングを行う推論サーバ30を備える。学習用サーバ20及び推論サーバ30には、部材配置プログラムが組み込まれている。学習用サーバ20及び推論サーバ30に用いる人工知能(AI)は、NN(neural network)又はCNN(Convolution neural network)等である。
データサーバ10は、2次元部材データベース11と模倣用2次元部材配置結果データベース12を有する。
2次元部材データベース11は、過去に用いた部材等を2次元化した2次元部材データを保有している。2次元部材データベース11には、機械学習のために様々な形状の部材を蓄積することが好ましく、例えば造船であれば過去何隻ものデータを蓄積する。2次元部材データベース11には、定期的又は任意のタイミングで新たな2次元部材データを追加して蓄積することができる。
模倣用2次元部材配置結果データベース12は、学習用サーバ20において摸倣学習を行うための摸倣用2次元部材配置結果のデータを保有している。摸倣用2次元部材配置結果は、熟練者がネスティングを行った結果や、推論サーバ30がネスティングを行った結果である2次元部材配置結果等である。
模倣用2次元部材配置結果データベース12には、定期的又は任意のタイミングで新たな摸倣用2次元部材配置結果のデータを追加して蓄積することができる。
学習用サーバ20は、2次元部材データベース11に蓄積されている2次元部材データ、又は模倣用2次元部材配置結果データベース12に保有されている摸倣用2次元部材配置結果を用いて強化学習を行い、学習済モデル40を生成する。
学習用サーバ20は、2次元部材データベース11が保有している2次元部材データを取得する取得部21と、模倣用2次元部材配置結果データベース12が保有している摸倣用2次元部材配置結果を取得し、摸倣用2次元部材配置結果から推定して行動履歴を生成する摸倣用データ処理部22と、2次元部材を配置する行動の価値の推定と行動の設定を行なう行動設定部23と、行動に基づいて2次元部材の素材に対する配置と報酬(例えば、歩留まり率)を、2次元部材データを取得して演算する2次元部材配置演算部24と、2次元部材配置演算部24による配置と報酬の演算結果、及び模倣用データ処理部22が生成した行動履歴を記憶する一時記憶部25と、一時記憶部25に蓄積された配置と報酬の演算結果からエージェントを学習する学習部26と、更新用の学習済モデル40を評価して出力する評価・出力部27を備える。なお、報酬としては歩留まり率だけでなく,重量的な観点もある。また、図1の点線で囲んだ行動設定部23、一時記憶部25、及び学習部26がエージェント(人工知能)である。
また、2次元部材配置演算部24は、2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定部24Aと、行動設定部23が設定した行動に基づいてネスティングを行うネスティング処理部24Bと、配置問題設定部24Aが設定した2次元部材の選択と配置順、又はネスティング処理部24Bがネスティングした結果に基づき画像データを生成する状態演算部24Cと、ネスティング処理部24Bがネスティングした結果に基づき報酬を算出する報酬演算部24Dを備える。
なお、データサーバ10、学習用サーバ20、推論サーバ30は、図1においては別々に構成されているが、一つのものとして構成したり、任意に組み合わせて構成することもできる。また、各サーバの中の構成要素も、それらの機能を果たす範囲で任意に組み合わせたり別設置とすることも可能である。各サーバ、又は構成要素を組み合わせる場合は、その繋ぎとしてネットワークを利用することもできる。
ここで、学習用サーバ20において行う強化学習について説明する。強化学習は、機械学習の一つであり、行動により報酬が得られる環境を与えて、各状態において報酬につながる行動が出力されるように、パラメータを調整する学習方法である。
図2は強化学習のモデルを示す図である。図2に示すエージェントは、行動を計画し、環境に対して行動を行うことができる人工知能(AI)にあたる。上述のように、図1では、点線で囲んだ行動設定部23、一時記憶部25、及び学習部26がエージェントとなる。また、図1では、2次元部材配置演算部24が環境となる。制御系の問題としてとらえると、エージェントは制御器に相当し、環境は制御対象になる。エージェントは、制御対象である環境から現在の状態と直前の状態遷移に伴う報酬を観測し、それに基づいて環境に対して働きかける行動を計画し、行動する。エージェントの行動に対して、環境は応答し、新しい状態に遷移する。このサイクルが繰り返される。強化学習は、報酬和を最大にすることを目的に学習する。
強化学習のエージェント(人工知能)は、二つのことを学習する。一つ目は、行動の評価方法を学習すること、二つ目は(評価に基づく)行動の選択方法(戦略)を学習することである。一つ目の行動評価方法を学習するとは、人間の場合、主観的・直観的な評価にあたる。強化学習が行う二つの学習は、(1)行動評価を行うための「価値の算出方法(状態評価)」と、(2)状態評価に基づく「行動の選択方法(戦略)」の 2点である。
強化学習を行う上では,与えられる「環境」が一定のルールに従っていることを仮定している。そのルールとは、「遷移先の状態は、直前の状態とそこでの行動のみに依存する。報酬は、直前の状態と遷移先に依存する」というものである。このルールをマルコフ性と呼び、このマルコフ性に従う環境をマルコフ決定過程と呼ぶ。マルコフ決定過程は、(1)状態、(2)行動、(3)状態遷移の確率(遷移関数)、(4)即時報酬(報酬関数)の構成要素からなる。図3はこれを図式化したものである。
図3に示すエージェントは、状態を受け取り、行動を出力する関数とみなせる。この関数を戦略 (Policy)と呼ぶ。前述のとおり学習の一つに「戦略を学習する」、すなわち戦略の関数を構成するパラメータを調整することがある。戦略を学習した結果を踏まえ、状態に応じた適切な行動を出力できるようにする。
図4はネスティングの歩留まり率が機械学習の進行とともに向上するイメージ図であり、図4(a)は学習初期の段階、図4(b)は学習中期の段階、図4(c)は学習後期の段階を示している。
素材1に部材A~Cを配置する場合、学習初期は図4(a)に示すように歩留まり率が悪い結果となるが、機械学習により人工知能が試行錯誤して歩留まり率が良い配置方法を学んでいくことで、学習中期は図4(b)に示すように歩留まり率が改善し、十分に学習した学習後期には熟練者が配置した場合の歩留まり率と同等の配置を行うことができるようになる。
図1に戻り、推論サーバ30は、素材から切り出そうとする複数の部材について、学習用サーバ20から出力された学習済モデル40を用いて人工知能によるネスティングを行う。
推論サーバ30は、学習済モデル40を読み込む読込部31と、2次元部材データファイル50から複数の2次元部材の2次元部材データを取得する推論取得部32と、2次元部材の配置の順列を作成する配置順作成部33と、学習済モデル40のエージェントによる推論行動の設定を行なう推論行動設定部34と、推論行動に基づいて2次元部材の素材に対する配置と報酬を、2次元部材の順列に従って演算する2次元部材配置推論演算部35と、最も報酬の高い配置結果を2次元部材配置結果として出力する結果出力部36を備える。2次元部材配置結果は、2次元部材配置結果データファイル60に格納される。
なお、図示は省略しているが、2次元部材配置推論演算部35は、推論行動設定部34が設定した推論行動に基づいてネスティングを行う推論ネスティング処理部と、配置順作成部33が設定した2次元部材の配置の順列、又は推論ネスティング処理部がネスティングした結果に基づき画像データを生成する推論状態演算部と、推論ネスティング処理部がネスティングした結果に基づき報酬を算出する推論報酬演算部を備える。
部材配置システムは、2次元部材を設計するCADシステム70と、2次元部材を切断するNC切断用システム80と連携している。
CADシステム70は、作成した2次元部材データを2次元部材データファイル50に格納する。2次元部材データは、推論サーバ30におけるネスティングに用いるデータであり、造船の場合は例えば設計中の1隻分の部材のデータとなる。CADシステム70と連携することにより、CADシステム70で設計した2次元部材データを基にネスティングを行うことができ、設計から部材の配置までが効率化できる。
NC切断用システム80は、2次元部材配置結果データファイル60に格納された2次元部材配置結果に従って素材から各部材の切断(切り出し)を行う。
図5は、部材配置プログラムの一部を実行する学習用サーバにおける学習フェーズのフロー図である。
2次元部材データベース11に新たな2次元部材データが蓄積されると、取得部21は、2次元部材データベース11から2次元部材データを読み込む(データ読込ステップS1)。
また、模倣用2次元部材配置結果データベース12に新たな摸倣用2次元部材配置結果が蓄積されると、模倣用データ処理部22は、模倣用2次元部材配置結果データベース12から模倣用2次元部材配置結果を読み込む(配置結果読込ステップS2)。
なお、データ読込ステップS1及び配置結果読込ステップS2は、新たな2次元部材データ又は摸倣用2次元部材配置結果が蓄積された場合に限らず、定期的又は任意のタイミングで開始することもできる。
学習用サーバ20は、データ読込ステップS1又は配置結果読込ステップS2の後、模倣学習を行うか否かを選択する(模倣学習選択ステップS3)。学習用サーバ20は、取得部21が2次元部材データベース11から2次元部材データを取得したときは模倣学習を行わない(No)を選択し、摸倣用データ処理部22が模倣用2次元部材配置結果データベース12から摸倣用2次元部材配置結果を取得したときは模倣学習を行う(Yes)を選択する。
模倣学習選択ステップS3において模倣学習を行わないことが選択された場合は、取得部21が、複数の2次元部材データについて、各部材の板厚や、使用箇所(船殻ブロック等)などといった基準をもとにグループ分けを行い、その結果を2次元部材配置演算部24へ送る(グループ分けステップS4)。
一方、模倣学習選択ステップS3において模倣学習を行うことが選択された場合は、模倣用データ処理部22が配置結果から行動履歴(状態s,行動a,次の状態s’,報酬r,終了判定t)を生成し、一時記憶部25に記憶する(行動履歴生成ステップS5)。摸倣学習は、逆強化学習等により行う。模倣学習において、人(特に熟練者)の配置結果や推論サーバの2次元部材配置結果から行動履歴を推定し、その行動履歴と同様の行動ができるように学習することで、さらに報酬を高く得るように学習した(さらに歩留まり率が高い)学習済モデル40を生成することができる。行動履歴生成ステップS5の後は、グループ分けステップS4に移行する。
グループ分けステップS4の後、グループ別に複数選択された2次元部材データを受け取った2次元部材配置演算部24は、配置問題設定部24Aにおいて初期化と部材の選択を行い、AIが理解できる形で問題を設定する(配置問題設定ステップS6)。配置問題設定ステップS6において配置問題設定部24Aは、2次元部材データを複数ランダムに抽出し、初期化を行う。初期化が行われると、素材に部材が配置されていない初期状態となる。部材の選択は、グループ分けされた部材について、素材に配置していく順序をルールベースとして定めるものである。ルールベースとすることで、2次元部材の選択と配置順の順序の組み合わせ数が膨大になることを防ぎ処理を高速化することができる。この際、ルールベースとして、2次元部材単品での寸法的に大きい順に、又は2次元部材単品での歩留まり率の悪い順(2次元部材単品での素材の廃棄面積が大きい順)に順列を設定することがより好ましい。これにより、処理をより高速化できる。
配置問題設定ステップS6の後、状態演算部24Cは、2次元部材データについて、AI処理のため、線群データから画像ピクセルデータに変換する(画像データ生成ステップS7)。これにより、配置状態における2次元の画像データが生成される。
画像データ生成ステップS7の後、行動設定部23は、εグリーディ法等の強化学習により、部材の配置に関する行動の価値の推定と、行動の価値の推定に基づく行動の設定を行う(行動設定ステップS8)。設定する行動には、各部材の配置場所と配置角度が含まれる。設定した行動は、2次元部材配置演算部24に命令として送られる。
2次元部材配置演算部24は、行動設定部23からの命令を受け取ると、行動に基づいて2次元部材の素材に対する配置と報酬を、2次元部材データを用いて演算する(2次元部材配置演算ステップS9)。
2次元部材配置演算ステップS9では、ネスティング処理部24Bにおいて各部材を素材に配置するネスティングを行い、ネスティングの結果に基づき、状態演算部24Cが画像データを生成すると共に、報酬演算部24Dが報酬として歩留まり率を算出し、行動に対応した配置と報酬の演算結果を出力する。報酬は0~1の間で設定され、例えば、歩留まり率が100%の場合の報酬は1となる。
2次元部材配置演算部24から出力された行動に対応した配置と報酬の演算結果は、一時記憶部25に記憶される。学習部26は一時記憶部25に蓄積された配置と報酬の演算結果からエージェントを学習する(学習ステップS10)。
学習ステップS10の後、評価・出力部27は、学習終了条件を満たすか否かを判断する(学習終了条件判断ステップS11)。学習終了条件は、例えば予め定められた学習回数である。
学習終了条件判断ステップS11において、学習終了条件を満たさない(No)と判断した場合、評価・出力部27は、配置終了条件を満たすか否かを判断する(配置終了条件判断ステップS12)。配置終了条件とは、取得したすべての部材の配置が完了することである。
評価・出力部27が、配置終了条件判断ステップS12において、すべての部材の配置が終わっており配置終了条件を満たす(Yes)と判断した場合は、2次元部材配置演算部24は、報酬演算部24Dによって演算された歩留まり率の計算結果と報酬を設定し、一時記憶部25に保存する(報酬設定ステップS13)。報酬設定ステップS13の後は、配置問題設定ステップS6に戻り、配置問題設定部24Aにおいて初期化と部材の選択を行う。
一方、評価・出力部27が、配置終了条件判断ステップS12において、配置の終わっていない部材があり配置終了条件を満たさない(No)と判断した場合は、2次元部材配置演算部24は、報酬演算部24Dによって演算された歩留まり率の計算結果に基づく報酬を0に設定し、一時記憶部25に保存する(報酬0設定ステップS14)。報酬0設定ステップS14の後は、画像データ生成ステップS7に戻る。
また、学習終了条件判断ステップS11において、学習終了条件を満たす(Yes)と判断した場合は、学習を終了し、学習の結果として学習済モデル40を生成する(学習済モデル生成ステップS15)。学習済モデル40は、例えば、ニューラルネットワークの構造の情報と重み係数の値が記載された数字が羅列された数百MB程度のファイルである。
評価・出力部27は、学習済モデル生成ステップS15で生成した学習済モデル40を更新のために評価する(評価ステップS16)。評価は、例えば、新たに生成した学習済モデル40を学習前の学習済モデル40と比較し、歩留まり率が向上しているか否かで判断する。評価・出力部27は、評価ステップS16において歩留まり率が向上していると判断した場合は、学習済モデル40を更新して推論サーバ30へ出力し学習を終了する。更新用の学習済モデル40を出力前に評価することで、報酬(歩留まり率)が改善する場合にのみ学習済モデル40を更新するようにして、更新前よりも性能が低下することを防止できる。なお、学習済モデル40を更新してもすぐには出力せず、推論サーバ30側から要求があった場合にのみ学習済モデル40を出力するよう設定することもできる。また、学習済モデル40を記憶媒体に保存して推論サーバ30側へ渡すこともできる。
一方、評価・出力部27は、評価ステップS15において歩留まり率が向上していないと判断した場合は学習済モデル40を更新するための出力を止める。このように、本実施形態は、学習済モデル40を更新すること、推論サーバ30の2次元部材配置結果を含めた模倣学習を行って学習済モデル40を更新すること、また更新に当っては歩留まり率が向上できる学習済モデル40のみを出力すること等を特徴としている。
図6は、部材配置プログラムの一部を実行する推論サーバにおける推論フェーズのフロー図である。
推論サーバ30において推論フェーズが開始されると、読込部31は、学習済モデル40を読み込む(学習済モデル読込ステップS21)。学習済モデル40を読み込むことにより、学習サーバ20によって更新された学習済モデル40が推論サーバ30にコピーされる。
推論取得部32は、2次元部材データファイル50から配置すべき全ての部材の2次元部材データを取得し、取得した2次元部材データについて、各部材の板厚や、使用箇所(船殻ブロック等)などといった基準をもとにグループ分けを行い、その結果を配置順作成部33へ送る(推論グループ分けステップS22)。
配置順作成部33は、グループ分けされた2次元部材を、部材単品の歩留まり率、又は部材単品の寸法的な大きさ(面積)等といったルールに基づいて並び替える(並び替えステップS23)。
並び替えステップS23の後、配置順作成部33は、2次元部材の配置の順列を作成する(配置順作成ステップS24)。配置順作成ステップS24では、素材に配置していない部材の中で、素材に最大配置可能な個数以内のすべての順列を生成する。順列の生成は予め定めたルールによって行うルールベースとすることが好ましい。ルールベースとすることで、順列の組み合わせ数が膨大になることを防ぎ処理を高速化することができる。この際、ルールベースとして、2次元部材単品での寸法的に大きい順に、又は2次元部材単品での歩留まり率の悪い順に順列を設定することがより好ましい。これにより、処理をより高速化できる。なお、推論取得部32で行なったグループ分けを配置順作成部33で行ってもよい。
配置順作成ステップS24の後、推論行動設定部34は、学習済モデル40のエージェントによる推論行動の設定を行なう(推論行動設定ステップS25)。推論行動設定ステップS25では、順列に対応する部材群に対してエージェントによる配置を行う。設定する推論行動には、部材の配置場所と配置角度が含まれる。設定した推論行動は、2次元部材配置推論演算部35に命令として送られる。
2次元部材配置推論演算部35は、推論行動に基づいて2次元部材の素材に対する配置と報酬を、2次元部材の順列に従って演算する(2次元部材配置推論演算ステップS26)。
2次元部材配置推論演算ステップS26では、推論ネスティング処理部において各部材を素材に配置するネスティングを行い、ネスティングの結果に基づき、推論状態演算部が画像データを生成すると共に、推論報酬演算部が報酬として歩留まり率を算出する。
2次元部材配置推論演算ステップS26の後、推論サーバ30は、すべての順列の計算が終わったか否かを判断する(演算終了判断ステップS27)。
演算終了判断ステップS27において、すべての順列の計算が終わっていない(No)と判断された場合は、推論行動設定ステップS25に戻り、未演算の順列に対応する部材群に対してエージェントによる推論行動の設定を行う。
演算終了判断ステップS27において、すべての順列の計算が終わった(Yes)と判断された場合は、結果出力部36が、最も歩留まり率の良い結果、すなわち最も報酬の高い配置結果を2次元部材配置結果として出力する(2次元部材配置結果出力ステップS28)。
出力された2次元部材配置結果は、2次元部材配置結果データファイル60に格納される。2次元部材配置結果は、NC切断用システム80へ送る際にはポスト処理によって必要なデータ形式に変換される。また、2次元部材配置結果は、模倣用2次元部材配置結果として、模倣用2次元部材配置結果データベース12へも送られる。
2次元部材配置結果出力ステップS28の後、推論サーバ30は、すべての部材を配置したか否かを判断する(部材配置完了判断ステップS29)。
部材配置完了判断ステップS29においてすべての部材を配置していない(No)と判断した場合は、配置順作成ステップS24に戻り、未配置の部材の中で、最大配置可能個数以内のすべての順列を作成する。
部材配置完了判断ステップS29においてすべての部材を配置した(Yes)と判断した場合は、推論フェーズを終了する。
図7は、推論サーバによる配置計算結果の一例を示す図である。なお、目盛りは素材の寸法(cm)を示している。
図7(a)は、学習用サーバ20において2次元部材データを用いた自己学習により生成した学習済モデル40を基に、5個の部材A~Eを素材1に配置した結果を示している。
図7(b)は、学習用サーバ20において2次元部材データを用いた自己学習により生成した学習済モデル40を基に、11個の部材A~Kを素材1に配置した結果を示している。
図7(c)の左側は、学習用サーバ20において2次元部材データを用いた自己学習により生成した学習済モデル40を基に、10個の部材A~Jを素材1に配置した結果を示している。この場合の歩留まり率は0.62である。
図7(c)の右側は、学習用サーバ20において模倣用2次元部材配置結果を用いた模倣学習により生成した学習済モデル40を基に、10個の部材A~Jを素材1に配置した結果を示している。この場合の歩留まり率は0.68である。
いずれの結果においても、歩留まり率よく部材が配置されていることが分かる。このように、機械学習を繰り返し行うことにより生成された学習済モデル40を用いてネスティングを行うことで、配置すべき部材の数や形状が多い場合であっても、迅速、かつ報酬を高く得るように学習した結果(歩留まり率が高い結果)を反映して素材に複数の部材を配置することができる。
なお、上記実施形態で説明した部材配置プログラムを実行する学習用サーバ20及び推論サーバ30は、コンピュータであってもよい。
また、必ずしも学習用サーバ20及び推論サーバ30が一体である必要はなく、例えば、学習用サーバ20と推論サーバ30を別々の場所に設けてもよい。この場合、機械学習を行わない推論サーバ30は、学習用サーバ20と比べて要求スペックを低くしてコストを抑えることができる。また、この場合、部材配置プログラムは、学習用サーバ20と推論サーバ30に分けて組み込まれる。また、別々の場所に設ける場合、学習用サーバ20と推論サーバ30とをネットワークを介して繋いでもよい。
本発明の部材配置システム及び部材配置プログラムは、2次元形状の素材に、複数の2次元部材を配置するあらゆる分野の自動ネスティングに用いることができ、特に、1隻ごとに2次元部材の形状が異なり、取り扱う部材の数が多い造船等において有効である。
11 2次元部材データベース
12 模倣用2次元部材配置結果データベース
20 学習用サーバ
23 行動設定部
24 2次元部材配置演算部
24A 配置問題設定部
26 学習部
27 評価・出力部
30 推論サーバ
31 読込部
33 配置順作成部
34 推論行動設定部
35 2次元部材配置推論演算部
36 結果出力部
40 学習済モデル
50 2次元部材データファイル
70 CADシステム
80 NC切断用システム
S1 データ読込ステップ
S6 配置問題設定ステップ
S8 行動設定ステップ
S9 2次元部材配置演算ステップ
S10 学習ステップ
S15 学習済モデル生成ステップ
S16 評価ステップ
S21 読込ステップ
S24 配置順作成ステップ
S25 推論行動設定ステップ
S26 2次元部材配置推論演算ステップ
S28 2次元部材配置結果出力ステップ

Claims (15)

  1. 所定の寸法の2次元形状の素材に、実際に配置したい複数のネスティング用2次元部材を自動的に配置する部材配置システムであって、
    学習用2次元部材データを保有する2次元部材データベースと、学習用サーバと、推論サーバを備え、
    前記学習用サーバは、行動の価値の推定と前記行動の設定を行なう行動設定部と、前記行動に基づいて学習用に配置した学習用2次元部材の前記素材に対する配置と報酬を、前記学習用2次元部材データを取得して演算する2次元部材配置演算部と、蓄積された前記配置と前記報酬の演算結果からエージェントを学習する学習部とを有し、前記学習の結果としての学習済モデルを生成し、
    前記推論サーバは、前記学習用サーバの前記学習済モデルを読み込む読込部と、2次元部材データファイルから実際に配置したい複数の前記ネスティング用2次元部材のネスティング用2次元部材データを取得し前記ネスティング用2次元部材の配置の順列を作成する配置順作成部と、前記学習済モデルの前記エージェントによる推論行動の設定を行なう推論行動設定部と、前記推論行動に基づいて前記ネスティング用2次元部材の前記素材に対する配置と報酬を、前記ネスティング用2次元部材の前記順列に従って演算する2次元部材配置推論演算部と、最も報酬の高い配置結果をネスティング用2次元部材配置結果として出力する結果出力部とを有することを特徴とする部材配置システム。
  2. 前記学習用サーバが、更新用の前記学習済モデルを評価して出力する評価・出力部を有したことを特徴とする請求項1に記載の部材配置システム。
  3. 前記2次元部材配置演算部に、前記学習用2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定部を有したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の部材配置システム。
  4. 前記ルールベースとして前記学習用2次元部材の寸法的に大きい順に、又は前記学習用2次元部材の単品での歩留まり率の悪い順に前記配置順を設定することを特徴とする請求項3に記載の部材配置システム。
  5. 模倣用2次元部材配置結果を保有する模倣用2次元部材配置結果データベースを備え、前記学習用サーバの前記学習部が、前記模倣用2次元部材配置結果から前記エージェントを学習することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の部材配置システム。
  6. 前記模倣用2次元部材配置結果は、人の配置した模倣用データ及び/又は前記推論サーバの前記ネスティング用2次元部材配置結果に基づくものであることを特徴とする請求項5に記載の部材配置システム。
  7. 前記2次元部材データファイルは、前記ネスティング用2次元部材を設計するCADシステムと連係させたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の部材配置システム。
  8. 前記推論サーバから出力する前記ネスティング用2次元部材配置結果を、前記ネスティング用2次元部材を切断するNC切断用システムと連係させたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の部材配置システム。
  9. 所定の寸法の2次元形状の素材に、実際に配置したい複数のネスティング用2次元部材を自動的に配置する部材配置プログラムであって、
    コンピュータに、
    2次元部材データベースから学習用2次元部材データを読み込ませるデータ読込ステップと、
    行動の価値の推定と前記行動の設定を行なう行動設定ステップと、
    前記行動に基づいて学習用に配置した学習用2次元部材の前記素材に対する配置と報酬を、前記学習用2次元部材データを用いて演算する2次元部材配置演算ステップと、
    蓄積された前記配置と前記報酬の演算結果からエージェントを学習する学習ステップと、
    前記学習の結果として学習済モデルを生成する学習済モデル生成ステップと、
    前記学習済モデルを読み込む学習済モデル読込ステップと、
    2次元部材データファイルから実際に配置したい複数の前記ネスティング用2次元部材のネスティング用2次元部材データを取得し前記ネスティング用2次元部材の配置の順列を作成する配置順作成ステップと、
    前記学習済モデルの前記エージェントによる推論行動の設定を行なう推論行動設定ステップと、
    前記推論行動に基づいて前記ネスティング用2次元部材の前記素材に対する前記配置と前記報酬を、前記ネスティング用2次元部材の前記順列に従って演算する2次元部材配置推論演算ステップと、
    最も報酬の高い配置結果をネスティング用2次元部材配置結果として出力する2次元部材配置結果出力ステップとを実行させることを特徴とする部材配置プログラム。
  10. 前記学習済モデル生成ステップで生成した前記学習済モデルを更新のために評価する評価ステップを有したことを特徴とする請求項9に記載の部材配置プログラム。
  11. 前記2次元部材配置演算ステップの演算に用いる前記学習用2次元部材の選択と配置順をルールベースにする配置問題設定ステップを有したことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の部材配置プログラム。
  12. 前記ルールベースとして前記学習用2次元部材の寸法的に大きい順に、又は前記学習用2次元部材の単品での歩留まり率の悪い順に前記配置順を設定することを特徴とする請求項11に記載の部材配置プログラム。
  13. 前記学習ステップが、模倣用2次元部材配置結果データベースから模倣用2次元部材配置結果を取得して、前記模倣用2次元部材配置結果から前記エージェントを学習することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の部材配置プログラム。
  14. 前記2次元部材データファイルの前記ネスティング用2次元部材データを、前記ネスティング用2次元部材を設計するCADシステムから取得することを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の部材配置プログラム。
  15. 2次元部材配置結果出力ステップで出力する前記ネスティング用2次元部材配置結果を、前記ネスティング用2次元部材を切断するNC切断用システムに伝達することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の部材配置プログラム。
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