JP2010191535A - 車両用サスペンションの設計支援装置、車両用サスペンションの設計支援方法、及び車両用サスペンションの設計支援プログラム - Google Patents

車両用サスペンションの設計支援装置、車両用サスペンションの設計支援方法、及び車両用サスペンションの設計支援プログラム Download PDF

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直樹 倉田
Yuichi Tetsumoto
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Abstract

【課題】車両用サスペンションの設計時間を短縮可能な設計支援装置を提供する。
【解決手段】演算処理装置において、予め設定した初期設計諸元値に等しい設計諸元値を有する初期サスペンションモデルを生成してその動作シミュレーションを実行することで該モデルの入力−出力特性を算出し(ステップS3の処理を実行し)、さらに、初期サスペンションモデルの設計諸元値を初期設計諸元値から変更したとした場合におけるその出力値の予測変化量を算出する予測式を求めて(ステップS4の処理を実行し)、設計者が設計諸元値を設定するべく入力した初期設計諸元値からの変更量を、上記予測式に代入して得られる予測変化量ΔFiと、動作シミュレーションにより算出した初期サスペンションモデルの入力−出力特性とから、解析対象サスペンションの入力−出力特性を求める(ステップS6の処理を実行する)。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両用サスペンションの設計を支援するための設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラムに関する技術分野に属する。
従来より、CAD(Computer Aided Design)システムを利用して、車両用サスペンションの干渉解析や動特性解析を行うようにした車両用サスペンションの設計支援装置は知られている。
例えば特許文献1に示す設計支援装置では、起動時に、入力ウィンドがモニタ上に開かれて、設計者が入力ウィンド内の入力ボックス内に、所望の設計諸元値を入力することで、該入力された設計諸元値を有するサスペンションのシミュレーションモデルが構築されてその干渉解析及び動特性解析が実行されるようになっている。この干渉解析及び動特性解析の結果は、モニタ画面上に開かれた干渉解析ウィンド及び動特性解析ウィンドにそれぞれ表示され、これにより、設計者は、解析ウィンドの表示を見て設計諸元値(入力ボックスの入力値)を更新するという作業を繰り返すことで、サスペンションの設計諸元値として最適な値を決定することが可能となる。
特開2001−282866号公報
しかしながら、上述の特許文献1に示す車両用サスペンションの設計支援装置では、設計者が設計諸元値を更新する度に、シミュレーションモデルの構築及び更新された設計諸元値をもとに力学的運動方程式に立ち返った解析を行い出力を算出するといった演算量の多い処理が実行されて、最終的に設計諸元値を決定するまでに要する時間が長くなるという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用サスペンションの設計支援装置に対して、その構成に工夫を凝らすことで、サスペンションの設計時間の短縮化を図ろうとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、予め設定した初期設計諸元値を有する車両用サスペンションのモデルに対して動作シミュレーションを実行してその入力−出力特性を算出し、さらに、該モデルの設計諸元値を初期設計諸元値から変更したとした場合におけるその出力パラメータの値の予測変化量を算出する予測式を求めておき、設計者が初期設計諸元値からの変更量を入力する形で設定した設計諸元値を有する解析対象サスペンションの入力−出力特性を、上記予測式を基に入力された変更量から直接的に算出される予測変化量と、動作シミュレーションにより算出した上記モデルの入力−出力特性とから求めるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、車両用サスペンションの設計を支援するための設計支援装置を対象とする。
そして、設計者が、上記車両用サスペンションの設計諸元値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力することにより設定するための入力設定手段と、上記初期設計諸元値を有するサスペンションのモデルを構築するとともに、該構築したモデルを使用して、当該モデルにおける所定の入力パラメータの値を変化させたときの所定の出力パラメータの値の変化特性を示す入力−出力特性を算出するシミュレーション手段と、上記モデルの設計諸元値を上記初期設計諸元値から変更したとした場合における該モデルの上記出力パラメータの値の予測変化量を算出するための予測式を、上記入力パラメータと、該設計諸元値の変更量と、を変数とする近似式の形で求める近似予測式算出手段と、上記入力設定手段により入力された変更量を上記近似式に代入することで少なくとも上記予測変化量を算出する出力情報算出手段と、上記出力情報算出手段による算出結果を出力するための出力手段と、を備えているものとする。
この構成によれば、車両用サスペンションの設計に際して、設計者が、予め設定された初期設計諸元値を有するサスペンションモデルを基準として、所望の設計諸元値を該初期設計諸元値からの変更量を入力する形で設定すれば、出力情報算出手段によって、該変更量に対応する出力値(出力パラメータの値)の予測変化量が算出され、出力手段によって、出力情報算出手段による算出結果、例えば、予測変化量や、予測変化量を基に算出される解析対象サスペンション(設計者が設定した設計諸元値を有するサスペンション)の入力−出力特性が出力される。
このように、予測変化量や解析対象サスペンションの入力−出力特性を、シミュレーションによらずに近似式を用いて直接的に求めるようにしたことで、演算時間の短縮化を図ることができる。これにより、設計諸元値の設定値が変化する度に解析対象サスペンションのシミュレーション解析を力学的運動方程式に立ち返って実行するようにした場合に比べて、サスペンションの設計時間を大幅に短縮することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記出力情報算出手段は、上記入力設定手段により入力された変更量を上記近似式に代入することで上記予測変化量を算出するとともに、該算出した予測変化量と、上記シミュレーション手段により算出された上記モデルの入力−出力特性とを基に、上記設計者が設定した設計諸元値を有する解析対象サスペンションの入力−出力特性を算出するように構成され、上記出力手段は、上記出力情報算出手段により算出された上記解析対象サスペンションの入力−出力特性を出力するように構成されているものとする。
この構成によれば、出力情報算出手段によって、上記予測変化量が算出されるとともに、該算出した予測変化量を基に解析対象サスペンションの入力−出力特性が算出され、出力手段によって、解析対象サスペンションの入力−出力特性が設計者に認識可能に出力される。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、上記設計諸元値の上記初期設計諸元値からの変更量と該変更量に対応する上記予測変化量とをデータ値として有する予測式算出用データを複数記憶した予測式算出用データ記憶手段をさらに備え、上記近似予測式算出手段は、上記近似式を、上記設計諸元値の変更量を変数とする所定次数の多項式で表しておき、その上で、上記予測式算出用データ記憶手段により記憶された予測式算出用データのデータ値を該多項式に代入して、該多項式の各項の係数を未知数とする連立方程式を得るとともに、該連立方程式を解くことで該各係数を算出して上記近似式を求めるように構成されているものとする。
この構成によれば、上記予測変化量を算出するための近似式(予測式)を、設計諸元値の変更量を変数とする多項式の形で簡単な演算により求めることができる。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、上記所定次数は2であるものとする。
これによれば、近似式(多項式)の近似精度を十分に確保しつつ、その算出に必要な連立方程式及び予測式算出用データの数を極力減らして演算負担の低減を図ることができる。
請求項5の発明では、請求項2乃至4のいずれか一つの発明において、上記出力手段は、モニタを含んでいて、上記入出力特性算出手段により算出された上記解析対象サスペンションの入力−出力特性を、該モニタの画面上にグラフ形式で表示するように構成されているものとする。
この構成によれば、設計者が、初期設計諸元値からの変更量を入力して設計諸元値の設定値を変更するのに応じて、解析対象サスペンションの入力−出力特性が、モニタの画面上にグラフ形式でリアルタイム表示される。これにより、設計者は、解析対象サスペンションの入力−出力特性をモニタ画面を通して容易に認識することができ、車両用サスペンションの設計諸元値を決定するまでのプロセスを効率的に進めることができる。
請求項6の発明では、請求項5の発明において、上記設計諸元値の変更量の下限値及び上限値をそれぞれ設定するための変更レンジ設定手段をさらに備え、上記出力手段は、上記設計諸元値の変更量が上記変更レンジ設定手段により設定された下限値であるとした場合における上記入力―出力特性と、上記上限値であるとした場合における上記入力―出力特性とを、上記解析対象サスペンションの入力―出力特性とともに上記モニタ画面上にグラフ形式で同時に表示するように構成されているものとする。
この構成によれば、設計者が、許容されている設計諸元値の上下限値に対する入力―出力特性を認識しながら適正な設計諸元値を設定することができる。
請求項7の発明では、請求項2乃至6のいずれか一つの発明において、上記解析対象サスペンションのモデルを構築するモデル構築手段をさらに備え、上記出力手段は、モニタを含んでいて、上記モデル構築手段により構築された上記解析対象サスペンションのモデルを該モニタの画面上に表示するように構成されているものとする。
この構成によれば、解析対象サスペンションのモデルがモニタ画面上に表示される。したがって、この解析対象サスペンションのモデルを、例えば該サスペンションが搭載される車両のモデル上に重畳表示させることで、干渉チェック等を容易に行うことができる。
請求項8の発明では、請求項7の発明において、上記モデル構築手段は、上記設計者による所定操作を検出した場合にのみ、上記解析対象サスペンションのモデルを構築するように構成されているものとする。
この構成によれば、設計者が、モニタ画面上に予め設けられたタグをクリックする等の所定操作を行わない限り、解析対象サスペンションのモデルが構築されず当該モデルがモニタ画面上に表示されることもない。よって、演算負担が比較的大きい、モデルの構築及びそのモニタ画面上への表示といった処理が、設計者の意志に反して不必要に実行されるのを防止し、延いては、設計時間の短縮化を図ることが可能となる。
請求項9の発明では、請求項1乃至8のいずれか一つの発明において、上記入力−出力特性は非線形特性を有しているものとする。
このように、入力−出力特性が非線形特性を有している場合であっても、請求項1乃至8の発明によれば、上記近似式を用いて、解析対象サスペンションの入力−出力特性を精度良く迅速に算出することができる。
請求項10の発明では、請求項1乃至9のいずれか一つの発明において、上記出力手段は、モニタを含んでおり、上記入力設定手段は、上記モニタの画面上に入力設定用スライドバーを画像として表示させるようになっていて、該スライドバーをスライドさせてその位置調整を行うことで上記設計諸元値の変更量を調整可能に構成されている。
この構成によれば、設計者は、解析対象モデルの入力―出力特性を確認しながら設計諸元値を連続的に変更することができる。
請求項11の発明では、車両用サスペンションの設計をコンピュータによって支援する設計支援方法を対象とする。
そして、設計者が、設計者が、上記コンピュータに、上記車両用サスペンションの設計諸元値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力することにより設定する入力設定ステップと、上記コンピュータが、上記初期設計諸元値を有するサスペンションのモデルを構築するとともに、該構築したモデルを使用して、当該モデルにおける所定の入力パラメータの値を変化させたときの所定の出力パラメータの値の変化特性を示す入力−出力特性を算出するシミュレーションステップと、上記コンピュータが、上記モデルの設計諸元値を上記初期設計諸元値から変更したとした場合における該モデルの上記出力パラメータの値の予測変化量を算出するための予測式を、上記入力パラメータと、該設計諸元値の変更量と、を変数とする近似式の形で求める近似予測式算出ステップと、上記コンピュータが、上記入力設定ステップにて入力された変更量を上記近似式に代入することにより少なくとも上記予測変化量を算出する出力情報算出ステップと、上記コンピュータが、上記出力情報算出ステップにおける算出結果を出力する出力ステップと、を含むものとする。
この方法によれば、請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項12の発明では、車両用サスペンションの設計をコンピュータによって支援するための設計支援プログラムを対象とする。
そして、上記コンピュータに対して、設計者に、上記車両用サスペンションの設計諸元値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力させることにより設定させる入力設定ステップと、上記初期設計諸元値を有するサスペンションのモデルを構築するとともに、該構築したモデルを使用して、当該モデルにおける所定の入力パラメータの値を変化させたときの所定の出力パラメータの値の変化特性を示す入力−出力特性を算出するシミュレーションステップと、上記モデルの設計諸元値を上記初期設計諸元値から変更したとした場合における該モデルの上記出力パラメータの値の予測変化量を算出するための予測式を、上記入力パラメータと、該設計諸元値の変更量と、を変数とする近似式の形で求める近似予測式算出ステップと、上記入力設定ステップにて入力された変更量を上記近似式に代入することにより少なくとも上記予測変化量を算出する出力情報算出ステップと、
上記出力情報算出ステップにおける算出結果を出力する出力ステップと、を実行させるものとする。
この設計支援プログラムによれば、コンピュータに上記各ステップを実行させることで、請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によると、予め設定した初期設計諸元値を有する車両用サスペンションのモデルに対して動作シミュレーションを実行してその入力−出力特性を算出し、さらに、該モデルの設計諸元値を初期設計諸元値から変更したとした場合におけるその出力パラメータの値の予測変化量を算出する予測式を求めておき、設計者が初期設計諸元値からの変更量を入力する形で設定した設計諸元値を有する解析対象サスペンションの入力−出力特性を、上記予測式を基に算出される予測変化量と、動作シミュレーションにより算出した上記モデルの入力−出力特性とから求めるようにしたことで、車両用サスペンションの設計時間の短縮化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンションの設計支援装置1の概略構成を示し、この設計支援装置1は、設計者(ユーザ)が、サスペンションの設計諸元値Hnとして所望の値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力する形で設定することにより、該設定した設計諸元値Hnを有するサスペンション(以下、解析対象サスペンションという)の入力−出力特性を算出してモニタ(ディスプレイ)に表示するように構成されている。
上記設計支援装置1は、装置1が起動されると先ず、初期サスペンションモデル(設計諸元値Hnが初期設計諸元値に等しいサスペンションのモデル)を生成(構築)して動作シミュレーションを行うことによりその入力−出力特性を算出し、その後は、この算出結果を基に、後述する予測式(近似式)を用いて解析対象サスペンションの入力−出力特性を算出する。
ここで、設計諸元値Hnとは、サスペンションの設計諸元項目Dnの値を意味し、設計諸元項目Dnとは、サスペンションの設計に際して値を決定しなくてはならない項目、換言するとサスペンションの設計に際して最適化するべき設計変数を意味する。
また、サスペンションの入力−出力特性とは、本実施形態においては、サスペンションを車両に取付けた状態でホイール2(図2乃至図4参照)を上下方向に移動させた場合における、トー角F1、キャンバ角F2、及びキャスタ角F3(トー角F1については図示されていない)の変化特性を意味する。すなわち、ここでいう入力−出力特性の「入力」とは、ホイールセンタ2aの上下方向(z軸方向)の中立位置(サスペンションのダンパ3の変位量が0の位置)からの移動量qであり、「出力」とは、トー角F1、キャンバ角F2、及びキャスタ角F3である。尚、以下の説明において、出力Fiというときは、トー角F1,キャンバ角F2,キャスタ角F3の全てを意味するものとする。
設計支援装置1は、コンピュータからなるものであって、キーボードやマウス等の入力機器10と、モニタ等の表示装置11と、ハードディスクやROM等により構成されたデータ記憶装置12と、CPU等により構成され、これら入力機器10、表示装置11、及び記憶装置12に、バスを介して接続された演算処理装置13と、を備えている。
上記データ記憶装置12は、入出力パラメータ記憶部15と、プログラム記憶部16と、予測式算出用データ記憶部17と、サスペンション初期形状記憶部18と、設計諸元データ記憶部19とを備えている。
入出力パラメータ記憶部15には、本設計支援装置1にてサスペンションの入力−出力特性を求めるにあたって、変化させるべき入力パラメータ(つまり入力q)と、算出するべき出力パラメータ(つまり出力Fi(トー角F1、キャンバ角F2、キャスタ角F3))とが記憶されている。
プログラム記憶部16には、サスペンションモデル(サスペンションのモデル)を生成するモデル生成プログラムと、初期サスペンションモデルを用いてシミュレーションを実行することでその入力−出力特性を算出するシミュレーションプログラムと、シミュレーションプログラムの実行結果を基に、後述する予測式を用いて解析対象サスペンションの入力−出力特性を算出する近似解析プログラムと、表示装置11のモニタ画面の表示を制御する表示制御プログラムと、該各プログラムの実行タイミングを制御するメインプログラムとが記憶されている。尚、モデル生成プログラムやシミュレーションプログラムとしては、例えば、汎用の機構解析ソフトのプログラムを利用することができる。
予測式算出用データ記憶部17には、後述する予測式の感度係数a乃至a10を決定する際に使用する予測式算出用データが記憶されている。
サスペンション初期形状記憶部18には、上記初期サスペンションモデルの3次元CADデータが記憶されている。この初期サスペンションモデルは、ストラットタイプのサスペンションモデルとされ、サスペンション搭載車両(設計対象となるサスペンションを搭載しようとする車両)との間で干渉等が生じないようにロアアーム長さやストラット長さといった代表寸法が設定されている。尚、サスペンション搭載車両の車種等によっては、初期サスペンションモデルのサスペンションタイプとしてダブルウィッシュボーンタイプを採用する等してもよい。
設計諸元データ記憶部19には、予め設定された設計諸元項目Dnが記憶されている。本実施形態では、この設計諸元項目Dnは、図2乃至図4に示すように、ダンパ3とナックル4との結合部に設定した定義点Uのx軸方向(車両前後方向)の位置(Lower Strut pipot X:項目D1)とy軸方向(車幅方向)の位置(Lower Strut pipot Y:項目D2)とz軸方向(上下方向)の位置(Lower Strut pipot Z:項目D3)との3つの項目D1乃至D3からなる。以下の説明では、設計諸元項目Dnはこれら3つであるものとして(n=1〜3として)説明を行う。
演算処理装置13は、入力機器10を介して設計者が起動操作を行うと、装置全体を起動させるべくプログラム記憶部16に記憶されたメインプログラムを実行する。
演算処理装置13は、起動後に先ず、上記モニタ画面上に入出力パラメータセットウィンド(図示省略)及び設計諸元値入力ウィンド20(図5及び図6参照)を表示させる。
入出力パラメータセットウィンドは、入力−出力特性を算出するにあたって変化させるべき入力パラメータ(つまり入力q)の変化レンジを設定するためのものである。具体的には、入出力パラメータセットウィンドには、入力qの変化レンジの上限値及び下限値を入力可能な入力ボックスが設けられており、設計者が入力ボックス内にキーボードから所望の値を入力することで、変化レンジを設定可能になっている。入力ボックスを介して入力設定された変化レンジの設定情報はバスを介して演算処理装置13へと出力される。
設計諸元値入力ウィンド20は、図5及び図6に示すように、上記各設計諸元項目D1乃至D3を表示する項目表示ボックス21と、各設計諸元項目D1乃至D3の設計諸元値H1乃至H3を、それぞれの初期設計諸元値xo,yo,zoからの変更量Δx,Δy,Δzを調整(入力)する形で設定する入力設定用スライドバー22と、変更量Δx,Δy,Δzの上限値及び下限値を設定するための上限値入力ボックス23及び下限値入力ボックス24と、各設計諸元項目D1乃至D3ごとに現在設定されている変更量Δx,Δy,Δzを表示する変更量表示ボックス25と、入力設定用スライドバー22を介して設定された設計諸元値Hn(変更量Δx,Δy,Δzとも言える)の現在値を、後述するモデル表示ウィンド26内のサスペンションモデルに反映させるための設定更新タグ27と、を有している。
入力設定用スライドバー22は、マウス操作により図の左右に移動可能(スライド可能)になっており、当該設定用スライドバー22を移動させると、各設計諸元項目D1乃至D3のそれぞれの変更量Δx,Δy,Δzが上記変更レンジ内で変化するようになっている。具体的には、本実施形態では、設定用スライドバーを移動ライン28の中央に設定した状態では、変更量Δx,Δy,Δzは0とされ、それよりも右側に移動させていくと変更量Δx,Δy,Δzは+方向に増加し、左側に移動させると該変更量Δx,Δy,Δzは−方向に減少するようになっている。そうして、入力設定用スライドバー22により設定された変更量Δx,Δy,Δz(設定設計諸元値Hn)の設定値情報は、バスを介して演算処理装置13へと出力される。
尚、設計諸元値の変更量の入力は、上述の入力設定用スライドバー22による方法に代えて、図2に示す3次元CAD図上にて、マウスにより定義点を指定した後に所望の変更量に応じたドラッグ操作を行うことで入力することとしても良い。
演算処理装置13は、上記入出力パラメータセットウィンドを介して入力された変化レンジ設定情報を受け取ったときには、上記初期サスペンションモデルに対して、入力qを、設定された変化レンジ内で付与する初期シミュレーションを実行する(初期サスペンションモデルを使用した擬似演算を実行する)。
そして、演算処理装置13は、初期シミュレーションを実行することで得られた初期サスペンションモデルの入力−出力特性を基に、解析対象サスペンションの入力−出力特性、つまり上記設計諸元値入力ウィンド20にて設定(入力)された設計諸元値H1乃至H3を有するサスペンションの入力−出力特性を算出する。
演算処理装置13は、解析対象サスペンションの入力−出力特性の算出にあたって、先ず、初期サスペンションモデルの定義点Uの座標位置(x,y,z)を初期設定位置(xo,yo,zo)から(xo+Δx,yo+Δy,zo+Δz)へ変更したとした場合に生じる出力Fiの予測変化量ΔFiを算出する予測式(近似式)を求める。
ここで、演算処理装置13における予測式の算出方法について説明する。
一般的に、n個の変数xj(j=1,2,・・n)の連続関数F(x1,x2,・・・,xn)は、比較的低次の多項式により近似することができる。例えば、連続関数F(x1,x2,・・・xn)を4次の多項式で近似する場合には、式(1−1)で、2次の多項式で近似する場合には、式(1−2)で、
Figure 2010191535
と表すことができる。
連続関数F(x1,x2,・・・,xn)の非線形性が強い場合には近似精度を確保するために4次の多項式を近似式として用いる必要があるが、車両用サスペンションの設計支援においては、2次の多項式を用いても十分に良い精度が確保されて処理負担が少なく処理時間も短いことが検証されたため、本実施形態では2次の多項式を近似式として採用するようにしている。
上記初期サスペンションモデルの定義点Uの位置(xo,yo,zo)を(xo+Δx,yo+Δy,zo+Δz)へ変更したとした場合における出力Fiの予測変化量ΔFiは、ΔxとΔyとΔzとqとの4変数の関数であるが、変数qを固定すればΔxとΔyとΔzとの3変数の関数となる。したがって、特定入力q=q1,q2,…,qk(本実施形態ではk=11)の各qkに対する出力Fiの予測変化量ΔFi(=ΔFiq=qk(Δx,Δy,Δz))は、2次多項式(1−2)を基に式(2)の右辺に示す多項式で近似することができる。
Figure 2010191535
したがって、この多項式の各項の係数(以下、感度係数という)a〜a10を決定(算出)すれば、q=qk(k=1〜11)の各qkについてそれぞれ、上記予測式を2次の多項式の形で求めることができる。
上記データ記憶装置12の予測式算出用データ記憶部17には、入力q=qk(k=1〜11)の各qkごとにそれぞれ、(Δx,Δy,Δz,ΔFi)を1セットとする予測式算出用データが複数記憶されている。本実施形態では、予測式の感度係数(未知変数)が10個(a〜a10)であることから、各qk(k=1〜11)ごとに10セットの予測式算出用データが記憶されている。予測式算出用データに含まれるΔx,Δy,Δzの値はコンピュータにより乱数を発生させる等してランダムに設定すればよい。但し、Δx,Δy,Δzは近似式(予測式)の近似精度を確保することができる程度に十分に小さい値とすることが好ましい。ΔFiは、例えば、実際の車両実験に基づく実験データ、又は力学的運動方程式による機構解析ソフトを用いたシミュレーション実験により予め求める等すればよい。
そして、演算処理装置13は、該予測式算出用データ記憶部17に記憶された予測式算出用データのデータ値を、式(2)の2次多項式に代入することで、各qkについてそれぞれ、感度係数a乃至a10を未知変数とする連立方程式を得る。
演算処理装置13は、この連立方程式を解くことで感度係数a乃至a10の値を算出して予測式を求める。連立方程式の解法としては、例えば、公知の方法であるニュートンラプソン法等を採用すればよい。尚、式(2)の2次多項式は、上記近似解析プログラムの組み込み関数としてプログラム記憶部16に予め記憶されている。
演算処理装置13は、そうして算出した予測式(式(2)の右辺の多項式)に、上記入力設定用スライドバー22を介して入力された任意の変更量Δx,Δy,Δzを代入することで、入力q=qk(k=1〜11)の各qkついての予測変化量ΔFi(=Fiq=qk(Δx,Δy,Δz))を算出する。そして、算出した予測変化量ΔFiと、上記初期シミュレーションを実行することで得られる、初期サスペンションモデルの各qkに対する出力F1(=Io1q=qk),出力F2(=Io2q=qk),F3(=Io3q=qk)とを足し合わせることで、解析対象サスペンションの入力q=qk(k=1〜11)の各qkについてそれぞれ出力Fi(=Fiq=qk(Δx,Δy,Δz))を求める(式(3)参照)。
Figure 2010191535
そうして、演算処理装置13は、解析対象サスペンションの入力qと出力Fiとの関係を示す入力−出力特性を、シミュレーションによらずに上記予測式を基に直接的に算出することができる。
尚、上記は、入力が、特定入力q=qkの固定とした場合の予測式算出について述べたが、入力qも変数とした場合には、予測変化量ΔFiがΔx,Δy,Δz,qの4変数の関数となるが、上記と同様に式(4)に示す2次の多項式で近似することが出来る。
Figure 2010191535
そして、予測式算出用データ記憶部17に記憶された予測式算出用データを式(4)に代入して得られる連立方程式を解けば係数a乃至a15を求めることができ、この求めた予測式から、上記入力設定用スライドバー22を介して入力された任意の変更量Δx,Δy,Δzを代入することで、入力qの変化レンジの上限値から下限値までの全ての入力範囲に亘って、シミュレーションによらずに直接的に、出力である予測変化量ΔFi、さらに出力Fiを求めることができる。ここで、予測式算出用データとしては、(Δx,Δy,Δz,q,ΔFi)を1セットとするデータを用いればよく、予測式の感度係数(未知変数)が15個であることから、このデータを15セット記憶しておくようにすればよい。予測式算出用データに含まれるΔx,Δy,Δz,qの値は、上述の3変数の場合と同様に、コンピュータにより乱数を発生させる等してランダムに設定すればよく、ΔFiについては、実際の車両実験に基づく実験データやシミュレーション実験から求めるようにすればよい。
演算処理装置13は、上記算出した入力−出力特性を上記モニタ画面上に表示する。具体的には、演算処理装置13は、図5に示すように、モニタ画面上における設計諸元値入力ウィンド20の下側のスペースに、トー角特性表示ウィンド30と、キャンバ角特性表示ウィンド31と、キャスタ角特性表示ウィンド32とを並べて表示させる。各特性表示ウィンド30乃至32にはそれぞれ、ホイールセンタ2aの移動量qを横軸にとってトー角F1を縦軸にとったグラフと、ホイールセンタ2aの移動量qを横軸にとってキャンバ角F2を縦軸にとったグラフと、該移動量qを横軸にとってキャスタ角F3を縦軸にとったグラフとがそれぞれ表示される。
演算処理装置13は、各グラフ(図7乃至図9参照)にそれぞれ3本の特性線41乃至43を表示させる。特性線41は、設計諸元値H1乃至H3を上記設定レンジの下限値に設定した場合に対応する特性線を示し、特性線42は、設計諸元値H1乃至H3を上記設定レンジの上限値に設定した場合に対応する特性線を示す。特性線43は、設計諸元値H1乃至H3の現在の設定値に対応する特性線を示していて、設計諸元値H1乃至H3の設定値の変化(つまり変更量Δx,Δy,Δzの変化)に応じてリアルタイムで更新される。
演算処理装置13はさらに、上記モニタ画面上における設計諸元値入力ウィンド20の右側のスペースに、モデル表示ウィンド26を表示させる。このモデル表示ウィンド26には、デフォルトにて、上記初期サスペンションモデルが車両モデル(図示省略)に組み付けられた状態(重畳して)で表示される。
演算処理装置13は、上記設計諸元値入力ウィンド20に設けられた設定更新タグ27がクリックされると(所定操作が実行されると)、該クリック時における設計諸元値H1乃至H3の設定値に対応するサスペンションモデルを生成して、生成したサスペンションモデルを該モデル表示ウィンド26に表示させる。こうして、演算処理装置13は、設定更新タグ27がクリックされると、該クリック時における設計諸元値Hnの設定入力値を、モデル表示ウィンド26内に表示されたサスペンションモデルに反映させる。
次に、演算処理装置13における主要な処理ついて、図10のフローチャートを基に説明する。
ステップS1では、上記入出力パラメータセットウィンドを介して設定された入力qの変化レンジと、設計諸元値入力ウィンド20を介して設定(入力)された変更量Δx,Δy,Δzとを読み込む。
ステップS2では、データ記憶装置12(サスペンション初期形状記憶部18)に記憶された初期サスペンションモデルの3次元CADデータを読み込む。
ステップS3では、ステップS2にて読み込んだCADデータを基に初期サスペンションモデルを生成して仮想空間内で動作シミュレーションを実行する。
具体的には、初期サスペンションモデルを仮想ホイールモデルに連結した状態で、ホイールセンタ2aをステップS1で読み込んだ変化レンジ内で移動させるとともに、ホイールセンタ2aの移動量q=qkとなったときの、トー角F1、キャンバ角F2、及びキャスタ角F3の値であるIo1q=qk,Io2q=qk,Io3q=qk(図11参照)を求める。
尚、この動作シミュレーションを、グリッドコンピューティングによって、つまりネットワークを介して接続された複数の演算処理装置13に分散処理させることによって実行するようにしてもよい。こうすることで、シミュレーションに要する時間を飛躍的に短縮することができる。
ステップS4では、トー角F1、キャンバ角F2、及びキャスタ角F3のそれぞれについて、入力q=qkの各qkごとに上記予測式を算出する。予測式の算出方法は上述した通りである。
ステップS5では、ステップS4で算出した予測式により、ステップS1で読み込んだ任意の変更量Δx,Δy,Δzを代入して予測変化量ΔFi(=Fiq=qk(Δx,Δy,Δz))を算出する。
ステップS6では、解析対象サスペンションの入力q=qk(k=1〜11)の各qkについてそれぞれ出力Fi(=Fiq=qk(Δx,Δy,Δz))を求める。算出式は、式(3)に示す通りである。
ステップS7では、ステップS6で求めた、入力qと出力Fi(=Fiq=qk(Δx、Δy,Δz))との関係を、横軸に入力qをとり且つ縦軸に出力Fiをとったグラフにプロットする。そして、各プロットをスプライン曲線で結んだ特性線を、解析対象サスペンションの入力−出力特性として上記モニタ画面上の各特性表示ウィンド30乃至32に表示させる。尚、本ステップS7の処理は、設定更新タグ27がクリックされたことを示すクリック信号を受信した場合のみ実行される。
尚、上記ステップS5〜S7に代えて式(4)を用いた場合は、以下のものとなる。
ステップS5では、ステップS4で算出した予測式により、ステップS1で読み込んだ任意の変更量Δx,Δy,Δzを代入するとともに、入力qの下限値から上限値までの全範囲に亘って式(4)により予測変化量ΔFi(Δx、Δy,Δz、q)を算出する。
ステップS6では、解析対象サスペンションの全範囲の入力qについてそれぞれ出力Fi(Δx,Δy,Δz,q)を求める。
ステップS7では、ステップS6で求めた、全範囲の入力qと出力Fi(Δx、Δy,Δz、q)との関係を、横軸に入力qをとり且つ縦軸に出力Fiをとったグラフにプロットする。そして、この特性線を、解析対象サスペンションの入力−出力特性として上記モニタ画面上の各特性表示ウィンド30乃至32に表示させる。尚、本ステップS7の処理は、設定更新タグ27がクリックされたことを示すクリック信号を受信した場合のみ実行される。
以上のように構成された設計支援装置1によれば、設計者が、入力設定用スライドバー22をスライドしてその位置調整を行うことにより、サスペンションの設計諸元値H1乃至H3として所望の値を、初期設計諸元値xo,yo,zoからの変更量Δx,Δy,Δzを入力する形で設定すれば、設定した設計諸元値H1乃至H3を有するサスペンション、つまり解析対象サスペンションの入力qに対する出力Fi(トー角F1,キャンバ角F2,キャスタ角F3)の変化特性が入力−出力特性として上記モニタ画面の各特性表示ウィンド30乃至32にそれぞれグラフ形式で表示される。
したがって、設計者は、モニタ画面に表示されたグラフを見ながら、サスペンションの設計諸元値Hnの決定プロセスを効率的に進めることができる。
すなわち、設計者は、表示されたグラフの特性線43の形状や値から解析対象サスペンションが所望の特性を満たしていると判断した場合には、設定更新タグ27をクリックすることで、設計諸元値Hn(変更量Δx,Δy,Δzとも言える)の現在値を、モデル表示ウィンド26内のサスペンションモデルに反映させて干渉チェック等を行えばよいし、解析対象サスペンションの入力−出力特性が所望の特性とは異なっていると判断した場合には、入力設定用スライドバーの位置を再調整すればよい。
ここで、上記実施形態では、演算処理装置13は、解析対象モデルの入力−出力特性の算出を、そのモデルによるシミュレーション解析を実行することなく入力と出力の関係を直接算出する予測式(近似式)を基に算出するように構成されている。このため、設計者が設定した設計諸元値Hnの設定値が変化する度に解析対象サスペンションのシミュレーション解析を実行するようにした場合に比べて、サスペンションの設計時間を大幅に短縮することができる。
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、予測変化量ΔFiに初期サスペンションモデルの出力Ioiを足し合わせることで出力Fiの絶対量を表示することとしているが、予測変化量ΔFiのみを表示することとしても良い。
上記実施形態では、ダンパ3とナックル4との結合部に設定した定義点Uのx軸,y軸、及びz軸方向の位置をそれぞれ設計諸元項目D1乃至D3としているが、これに限ったものではなく、例えば、タイロッドアウタとロアボードジョイントとの結合部に設定した定義点のx軸、y軸、及びz軸方向の位置を設計諸元項目Dnに加えてもよいし、結合部に装着されるブッシュの特性値(例えば弾性係数)等を設計諸元項目Dnに加えてもよい。
上記実施形態では、設計諸元項目Dnを3つとしているが、これに限ったものではなく、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
上記実施形態では、予測式を2次の多項式としているが、これに限ったものではなく、3次以上であってもよい。尚、演算処理装置13の演算負担を低減する観点では、予測式の次数は2〜4次であることが好ましく、近似精度を十分に確保しながら演算量を最も減らすためには、上記実施形態の如く、次数を2とすればよい。
上記実施形態では、解析対象サスペンションが所望の特性を満足しているか否かを、設計者が判断するようにしているが、これに限ったものではなく、演算処理装置13にてその判定を行うようにしてもよい。具体的には、例えば、上記各特性表示ウィンド30乃至32に表示された特性線43の入力q=qkにおける微分値を求めてこの微分値が所定値以下(若しくは所定範囲内)であるか否かを判定して、つまり、特性線が入力qの値によらず略一定となるフラット形状を呈しているか否かを判定して、所定値以下であると判定した場合には、解析対象サスペンションが所望の特性を満たしているものと判断すればよい。こうすることで、サスペンションの設計諸元値Hnの決定プロセスの自動化を図ることができる。
またさらに、上記設計諸元値の入力変更量が、上下限値の範囲内であっても非常に大きな場合は、予測式による解の正確性が落ちてくるため、一定の変更量以上になった場合には、自動的にシステムがバッチ処理にて再計算を実行し予測式を再構築することで精度を確保するようにしてもよい。
本発明は、車両用サスペンションのモデルを生成してそのシミュレーション解析を実行する機能を有する車両用サスペンションの設計支援装置、及び車両用サスペンションの設計支援方法、及び車両用サスペンションの設計支援プログラムに有用である。
本発明の実施形態に係る車両用サスペンションの設計支援装置の構成を示す概略図である。 車両用サスペンションに設定した定義点を示す、該サスペンションをその側方の斜め上側から見た斜視図である。 車両用サスペンションに設定した定義点を示す、該サスペンションを車幅方向の左側から見た図である。 車両用サスペンションに設定した定義点を示す、該サスペンションを車両前後方向の後側から見た図である。 モニタ画面に表示される設計諸元値入力ウィンド及び特性表示ウィンド及びモデル表示ウィンドを示す概略図である。 設計諸元値入力ウィンドを拡大して示す図である。 トー角特性表示ウィンド内に表示される、解析対象サスペンションの入力(ホイールセンタの中立位置からの移動量)とトー角との関係を示すグラフである。 キャンバ角特性表示ウィンド内に表示される、解析対象サスペンションの入力とキャンバ角との関係を示すグラフである。 キャンバ角特性表示ウィンド内に表示される、解析対象サスペンションの入力とキャスタ角との関係を示すグラフである。 演算処理装置における主要な処理を示すフローチャートである。 解析対象サスペンションの入力−出力特性を示す特性線と、初期サスペンションモデルの入力−出力特性を示す特性線とを示すグラフである。
q 入力(入力パラメータ)
Fi 出力(出力パラメータ)
F1 トー角(出力)
F2 キャンバ角(出力)
F3 キャスタ角(出力)
Δx 変更量
Δy 変更量
Δz 変更量
1 設計支援装置
10 入力機器(入力設定手段)
11 表示装置(入力設定手段、出力手段)
13 演算処理装置(シミュレーション手段、近似式算出手段、出力情報算出手段)
17 予測式算出用データ記憶部(予測式算出用データ記憶手段)

Claims (12)

  1. 車両用サスペンションの設計を支援するための設計支援装置であって、
    設計者が、上記車両用サスペンションの設計諸元値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力することにより設定するための入力設定手段と、
    上記初期設計諸元値を有するサスペンションのモデルを構築するとともに、該構築したモデルを使用して、当該モデルにおける所定の入力パラメータの値を変化させたときの所定の出力パラメータの値の変化特性を示す入力−出力特性を算出するシミュレーション手段と、
    上記モデルの設計諸元値を上記初期設計諸元値から変更したとした場合における該モデルの上記出力パラメータの値の予測変化量を算出するための予測式を、上記入力パラメータと、該設計諸元値の変更量と、を変数とする近似式の形で求める近似予測式算出手段と、
    上記入力設定手段により入力された変更量を上記近似式に代入することで少なくとも上記予測変化量を算出する出力情報算出手段と、
    上記出力情報算出手段による算出結果を出力するための出力手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  2. 請求項1記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記出力情報算出手段は、上記入力設定手段により入力された変更量を上記近似式に代入することで上記予測変化量を算出するとともに、該算出した予測変化量と、上記シミュレーション手段により算出された上記モデルの入力−出力特性とを基に、上記設計者が設定した設計諸元値を有する解析対象サスペンションの入力−出力特性を算出するように構成され、
    上記出力手段は、上記出力情報算出手段により算出された上記解析対象サスペンションの入力−出力特性を出力するように構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記設計諸元値の上記初期設計諸元値からの変更量と該変更量に対応する上記予測変化量とをデータ値として有する予測式算出用データを複数記憶した予測式算出用データ記憶手段をさらに備え、
    上記近似予測式算出手段は、上記近似式を、上記設計諸元値の変更量を変数とする所定次数の多項式で表しておき、その上で、上記予測式算出用データ記憶手段により記憶された予測式算出用データのデータ値を該多項式に代入して、該多項式の各項の係数を未知数とする連立方程式を得るとともに、該連立方程式を解くことで該各係数を算出して上記近似式を求めるように構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  4. 請求項3記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記所定次数は2であることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記出力手段は、モニタを含んでいて、上記出力情報算出手段により算出された上記解析対象サスペンションの入力−出力特性を、該モニタの画面上にグラフ形式で表示するように構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  6. 請求項5記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記設計諸元値の変更量の下限値及び上限値をそれぞれ設定するための変更レンジ設定手段をさらに備え、
    上記出力手段は、上記設計諸元値の変更量が上記変更レンジ設定手段により設定された下限値であるとした場合における上記入力―出力特性と、上記上限値であるとした場合における上記入力―出力特性とを、上記解析対象サスペンションの入力―出力特性とともに上記モニタ画面上にグラフ形式で同時に表示するように構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれか一項に記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記解析対象サスペンションのモデルを構築するモデル構築手段をさらに備え、
    上記出力手段は、モニタを含んでいて、上記モデル構築手段により構築された上記解析対象サスペンションのモデルを該モニタの画面上に表示するように構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  8. 請求項7記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記モデル構築手段は、上記設計者による所定操作を検出した場合にのみ、上記解析対象サスペンションのモデルを構築するように構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記入力−出力特性は非線形特性を有していることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車両用サスペンションの設計支援装置において、
    上記出力手段は、モニタを含んでおり、
    上記入力設定手段は、上記モニタの画面上に入力設定用スライドバーを画像として表示させるようになっていて、該スライドバーをスライドさせてその位置調整を行うことで上記設計諸元値の変更量を調整可能に構成されていることを特徴とする車両用サスペンションの設計支援装置。
  11. 車両用サスペンションの設計をコンピュータによって支援する設計支援方法であって、
    設計者が、上記コンピュータに、上記車両用サスペンションの設計諸元値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力することにより設定する入力設定ステップと、
    上記コンピュータが、上記初期設計諸元値を有するサスペンションのモデルを構築するとともに、該構築したモデルを使用して、当該モデルにおける所定の入力パラメータの値を変化させたときの所定の出力パラメータの値の変化特性を示す入力−出力特性を算出するシミュレーションステップと、
    上記コンピュータが、上記モデルの設計諸元値を上記初期設計諸元値から変更したとした場合における該モデルの上記出力パラメータの値の予測変化量を算出するための予測式を、上記入力パラメータと、該設計諸元値の変更量と、を変数とする近似式の形で求める近似予測式算出ステップと、
    上記コンピュータが、上記入力設定ステップにて入力された変更量を上記近似式に代入することにより少なくとも上記予測変化量を算出する出力情報算出ステップと、
    上記コンピュータが、上記出力情報算出ステップにおける算出結果を出力する出力ステップと、
    を含むことを特徴とする車両用サスペンションの設計支援方法。
  12. 車両用サスペンションの設計をコンピュータによって支援するための設計支援プログラムであって、
    上記コンピュータに対して、
    設計者に、上記車両用サスペンションの設計諸元値を、予め設定された初期設計諸元値からの変更量を入力させることにより設定させる入力設定ステップと、
    上記初期設計諸元値を有するサスペンションのモデルを構築するとともに、該構築したモデルを使用して、当該モデルにおける所定の入力パラメータの値を変化させたときの所定の出力パラメータの値の変化特性を示す入力−出力特性を算出するシミュレーションステップと、
    上記モデルの設計諸元値を上記初期設計諸元値から変更したとした場合における該モデルの上記出力パラメータの値の予測変化量を算出するための予測式を、上記入力パラメータと、該設計諸元値の変更量と、を変数とする近似式の形で求める近似予測式算出ステップと、
    上記入力設定ステップにて入力された変更量を上記近似式に代入することにより少なくとも上記予測変化量を算出する出力情報算出ステップと、
    上記出力情報算出ステップにおける算出結果を出力する出力ステップと、
    を実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
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