JP2009009429A - 設計支援方法および設計支援プログラム - Google Patents

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昌明 岡本
Koji Matsumoto
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【課題】設計対象物の物理的特性の値を適切なものとする設計諸元を迅速に算出する設計支援技術を提供する。
【解決手段】設計支援方法は、各々が複数のサスペンション設計諸元に対応する複数の組み合わせのサンプリング値を取得するステップと、取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々が複数のサスペンション設計諸元に採用されたときのサスペンション特性の値を算出するステップと、算出されたサスペンション特性の値を利用して、複数のサスペンション設計諸元と算出されたサスペンション特性との相関関係を導出するステップと、導出された相関関係を利用して、ユーザに入力された制約条件を満たすサスペンション特性が得られる複数のサスペンション設計諸元の値を算出するステップと、算出された複数のサスペンション設計諸元の値のうち、少なくとも1つをディスプレイに表示させるステップと、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は設計支援技術に関し、特に、所定の制約条件を満たす物理的特性が得られる設計諸元の値を算出する設計支援技術に関する。
設計対象物を試作する前に、その三次元モデルをコンピュータ上で仮想的に組み上げ、各構成要素の相互間の緩衝の有無を検出するなどの設計支援システムが知られている。しかし、例えば車両用のサスペンションには様々な型式が存在し、その型式の違いにより、三次元モデルの定義点の位置や個数も異なる。このため空間座標を入力すべき定義点の位置や個数をオペレータが迅速に認識することや、それらを正確に入力することが困難なものとなっている。このため、例えば、諸元値入力ウインドウ上でサスペンションに固有の各定義点に諸元値を入力し、各定義点の諸元値に基づいてシミュレーションモデルを生成する車両用サスペンションの設計支援方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−282866号公報
しかしながら、上述の特許文献に記載される技術では、サスペンション特性などの設計対象物の物理的特性の値を適切なものとする設計諸元を求めるべく、シミュレーションモデルを生成してシミュレーションを実施しても、まずシミュレーションの結果から設計対象物において適切な物理的特性が得られているかを設計者が判断する必要がある。さらに、適切な物理的特性が得られていない場合には、適切な物理的特性を得るまで別の設計諸元によるシミュレーションを繰り返し実施しなければならない。どのような設計諸元を採用すれば設計対象物における適切な物理的特性を得ることができるかの判断は一般的に難しい。このため、現状では適切な設計諸元を迅速に導出することは極めて困難なものとなっている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、設計対象物の物理的特性の値を適切なものとする設計諸元を迅速に算出する設計支援技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の設計支援方法は、各々が複数の設計諸元に対応する複数の組み合わせのサンプリング値を取得するステップと、取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々が複数の設計諸元に採用されたときの設計対象物の物理的特性の値を算出するステップと、算出された物理的特性の値を利用して、前記複数の設計諸元と算出された設計対象物の物理的特性との相関関係を導出するステップと、導出された相関関係を利用して、所定の制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られる前記複数の設計諸元の値を算出するステップと、を備える。
この態様によれば、複数の設計諸元と算出された設計対象物の物理的特性との間で導出された相関関係を利用することにより、制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られる複数の設計諸元を効率的に算出することができる。このため、制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られるまで設計諸元を設定して設計対象物の物理的特性を算出する工程を繰り返すような場合に比べ、ユーザの手間を軽減することができる。また、設計対象物の物理的特性を適切なものとする設計諸元を迅速に算出することが可能となる。
算出された前記複数の設計諸元の値のうち、少なくとも1つをディスプレイに表示させるステップをさらに備えてもよい。この態様によれば、ユーザは算出された複数の設計諸元を視覚で容易に確認することができる。
相関関係は、取得した複数の組み合わせのサンプリング値、および取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々が前記複数の設計諸元に採用されたときの設計対象物の物理的特性の値に、応答曲面法による多項式フィッティングを実施して導出されてもよい。
この態様によれば、サンプリングの結果、散在する点として表された複数の設計諸元と設計対象物の物理的特性との関係を、連続した式によって表される相関関係として把握することができる。このため、サンプリング値以外の値が設計諸元に採用された場合においても、設計対象物の物理的特性を容易に算出することが可能となる。
前記複数の設計諸元の各々の値がばらついたときの設計対象物の物理的特性の値のばらつきを算出するステップをさらに備えてもよい。前記複数の設計諸元は、設計対象物の物理的特性の値が所定範囲内でばらついても所定の制約条件を満たすよう、算出された設計対象物の物理的特性の値のばらつきも利用して算出されてもよい。
サスペンションの所定箇所の座標やブッシュの剛性などの設計諸元は、設計値に対して実際に製造されたものの値に若干のばらつきが生じる。このように設計諸元がばらつくことにより、設計対象物の物理的特性にもまたばらつきが生じる。この態様によれば、設計対象物のばらつきを考慮して複数の設計諸元の値を算出することができるため、設計諸元のばらつきによって設計対象物が制約条件を満たさなくなることを回避することができる。
設計対象物の物理的特性の値のばらつきは、1次近似2次モーメント法を用いて算出されてもよい。
たとえばモンテカルロ法では、設計対象物の物理的特性のばらつきを取得するために、多くの時間を要することになる。このように1次近似2次モーメント法を用いることにより、設計対象物の物理的特性のばらつきの取得工数の増大を抑制することが可能となる。
前記設計諸元はサスペンション設計諸元であり、前記物理的特性はサスペンション特性であってもよい。
車両のサスペンションは、例えばタイロッドエンドやタイヤの接地点など所定箇所の位置や、ブッシュ剛性などの様々なサスペンション設計諸元の値に応じて様々なサスペンション特性が変化する。サスペンションにおいては、これらサスペンション設計諸元やサスペンション特性の種類が一般的に多い。このため、多くのサスペンション特性を適正なものとするサスペンション設計諸元を設定するのは容易ではなく、適切なサスペンション特性を得るサスペンション設計諸元を簡易に算出する技術が常に求められている。この対応によれば、導出された相関関係を利用して、所定の制約条件を満たすサスペンション特性が得られる複数のサスペンション設計諸元を簡易に算出することができ、サスペンション設計工数を削減することが可能となる。
本発明の別の態様は、設計支援プログラムである。このプログラムは、ユーザによって入力された、設計対象物における複数の物理的特性の各々に関する制約条件を取得する機能と、複数の設計諸元の各々についてサンプリングを実施することにより導出された、前記複数の設計諸元と設計対象物の物理的特性との相関関係を取得する機能と、導出された相関関係を利用して、所定の制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られる前記複数の設計諸元の値を算出する機能と、をコンピュータに実現させる。
現在、複数の設計諸元の値から設計対象物の物理的特性を算出する多くのソフトウェアが市場に存在する。この態様によれば、例えばこのようなソフトウェアで算出された設計対象物の物理的特性を利用して、所定の制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られる複数の設計諸元をコンピュータを用いて迅速に算出することができる。
前記複数の設計諸元のいずれかと設計対象物の物理的特性との関係を2次元のグラフに表した感度グラフをディスプレイに表示させる機能をコンピュータにさらに実現させてもよい。この態様によれば、単一の設計諸元が物理的特性に与える影響を視覚により簡易に確認することができ、ユーザは、物理的特性を大きく変化させるのはどの設計諸元かなどを容易に確認することができる。
算出された、前記複数の設計諸元によって得られる設計対象物の物理的特性の値をディスプレイに表示させる機能と、前記複数の設計諸元の値のうち、ユーザによって変更された設計諸元の値を取得する機能と、ユーザによって変更された設計諸元の値を取得した場合、変更後の前記複数の設計諸元の値により得られる設計対象物の物理的特性の値をディスプレイに表示させる機能と、をコンピュータにさらに実現させてもよい。
この態様によれば、ユーザは、設計諸元を変更することにより、設計諸元変更後の設計対象物の物理的特性をリアルタイムに確認することができる。このため、設計諸元を変更することにより設計対象物の物理的特性がどのように変化するかを簡易かつ迅速に確認することができる。
前記複数の設計諸元の各々の値がばらついたときの設計対象物の物理的特性の値のばらつきを取得する機能をコンピュータにさらに実現させるものであり、前記複数の設計諸元は、設計対象物の物理的特性の値が所定範囲内でばらついても所定の制約条件を満たすよう、算出された設計対象物の物理的特性の値のばらつきも利用して算出されてもよい。
導出された相関関係を利用して、設計対象物の複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近い適切な組み合わせとなるよう前記複数の物理的特性の値を算出する機能をコンピュータにさらに実現させてもよい。
設計対象物の物理的特性が複数ある場合、いずれかの物理的特性を目標の値に変化させようとすると、別の物理的特性も変化する可能性がある。この態様によれば、複数の物理的特性の各々を目標の値に近いものとすることができ、複数の物理的特性の各々において適切な物理的特性を得るための設計諸元を簡易に算出することが可能となる。
設計対象物の複数の物理的特性の値の適切な組み合わせは、各々が共通の変数と前記複数の物理的特性のそれぞれとが組み合わされた複数の制約条件を成立させつつ複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近づくよう、前記共通の変数を最大化または最小化することにより算出されてもよい。
この態様によれば、共通の変数を最大化または最小化するという単一目的を達成させることにより、複数の物理的特性の各々について個別に目標の値に近づけようとする場合に比べ、設計対象物の複数の物理的特性の適切な組み合わせを簡易に導出することができる。
なお、このプログラムが、算出された複数の設計諸元の値のうち、少なくとも1つをディスプレイに表示させる機能をコンピュータにさらに実現させるものであってもよく、また、設計諸元はサスペンション設計諸元であり、物理的特性はサスペンション特性であってもよい点は、上述の設計支援方法と同様である。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係る設計支援技術によれば、設計対象物の物理的特性の値を適切なものとする設計諸元を迅速に算出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る設計支援装置10の構成を示すブロック図である。設計支援装置10は、ハードウェアとしては、PC12、ディスプレイ14、マウス(図示せず)、およびキーボード(図示せず)により構成される。ディスプレイ14、マウス、およびキーボードはPC12に接続されている。
PC12は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有し、OS(Operating System)がインストールされている。PC12には、さらに第1設計支援ソフトウェア、第2設計支援ソフトウェア、および第3設計支援ソフトウェアがインストールされている。第1設計支援ソフトウェアには、サンプリング機能、フィッティング機能、ばらつき演算機能をPC12に実現させるプログラムが組み込まれている。第2設計支援ソフトウェアには、サスペンション特性解析機能をPC12に実現させるプログラムが組み込まれている。第3設計支援ソフトウェアには、サスペンション設計諸元算出機能、およびサンプリング結果表示機能などをPC12に実現させるプログラムが組み込まれている。
なお、図1においてPC12は、CPU、ROM、およびRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組み合せによって様々な形で実現することができる。
PC12は、サンプリング範囲取得部16、サンプリング計画部18、サンプリング値取得部20、サスペンション特性解析部22、サスペンション特性近似部24、統計データ取得部26、制約条件取得部28、設計諸元算出部30、設計諸元取得部32、表示制御部34、および記憶部36を有する。
第1設計支援ソフトウェアを実行すると、ユーザは、マウスやキーボードを使ってPC12にサンプリング範囲を入力することができる。サンプリング範囲取得部16は、複数のサスペンション設計諸元の各々について、ユーザによってPC12に入力されたサンプリング範囲を取得する。
サンプリング計画部18は、取得したサンプリング範囲におけるサンプリングの計画を作成する。本実施形態に係るサンプリング計画部18は、D−最適計画によってサンプリング計画を作成する。D−最適計画は公知の技術であるため説明を省略する。なお、サンプリング計画部18は、やはり公知であるLatinHyperCube計画によってサンプリング計画を作成してもよい。
サンプリング値取得部20は、作成されたサンプリング計画にしたがってサンプリングされたサンプリング値を取得する。サンプリング値取得部20は、取得したサンプリング値を所定のファイル形式でハードディスクである記憶部36に格納する。なお、記憶部36は、RAMまたはフラッシュメモリなどによって構成されてもよい。サンプリング範囲取得部16、サンプリング計画部18、およびサンプリング値取得部20によるこれらのサンプリング機能は、第1設計支援ソフトウェアに組み込まれたプログラムを実行することにより実現する。
サスペンション特性解析部22は、ユーザにより入力され、または所定のファイル形式で記憶部36に格納された複数のサスペンション設計諸元に対応する組み合わせのサンプリング値を取得し、その組み合わせのサンプリング値がサスペンション設計諸元として採用されたときの様々なサスペンション特性を算出する。サスペンション特性解析部22によるこのようなサスペンション特性解析機能は、第2設計支援ソフトウェアに組み込まれたプログラムを実行することにより実現する。
サスペンション設計諸元としては、例えば、タイロッドエンド位置、接地点位置、ホイール回転軸位置など、サスペンション特性に影響を与えうる車両の部材の位置や所定の基準位置が含まれる。また、サスペンション設計諸元としては、ロアアームのブッシュ剛性、ギヤマウントのブッシュ剛性、サスペンションのアッパーサポートのブッシュ剛性など、サスペンション特性に影響を与え得る弾性体の剛性が含まれる。
サスペンション特性近似部24は、算出されたサスペンション特性を利用して、複数のサスペンション特性と複数のサスペンション設計諸元との相関関係を導出する。具体的には、サスペンション特性近似部24は、取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々、および取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々が複数の設計諸元に採用されたときのサスペンション特性に、応答曲面法による多項式フィッティングを実施してその相関関係を導出する。導出された相関関係は、サスペンション特性をf(x)、複数のサスペンション設計諸元の各々をx(i=1、2・・)として、以下のように表すことができる。
Figure 2009009429
統計データ取得部26は、複数のサスペンション設計諸元の各々の値がばらついたときのサスペンション特性のばらつきを算出する。本実施形態では、統計データ取得部26は、1次近似2次モーメント法を用いてサスペンション特性のばらつきを算出する。具体的には、上述の数式1から、以下の式を導出する。
Figure 2009009429
これより、サスペンション特性の分散であるσは、σxi をサスペンション設計諸元の各々の分散として、以下の式で表すことができる。
Figure 2009009429
統計データ取得部26は、算出したサスペンション特性の平均値と分散値を、所定のファイル形式で記憶部36に格納する。サスペンション特性近似部24および統計データ取得部26によるこれらの機能は、第1設計支援ソフトウェアに組み込まれたプログラムを実行することにより実現する。
第3設計支援ソフトウェアを実行すると、ユーザは、マウスやキーボードを使って、サスペンション特性の制約条件をPC12に入力することができる。制約条件取得部28は、ユーザにより入力されたサスペンション特性の制約条件を取得する。
設計諸元算出部30は、導出された相関関係を利用して、サスペンション特性ごとに設定された所定の制約条件を満たすサスペンション特性が得られる複数のサスペンション設計諸元の値を算出する。このとき、設計諸元算出部30は、サスペンション特性が所定範囲内でばらついてもその制約条件を満たすよう、算出されたサスペンション特性の分散値などを利用して複数のサスペンション設計諸元の値を算出する。また、後述するように、ユーザはマウスやキーボードを使ってサスペンション設計諸元を入力することが可能となっている。設計諸元取得部32は、ユーザによって入力されたサスペンション設計諸元を取得する。
表示制御部34は、サスペンション特性と複数のサスペンション設計諸元との相関関係や、サスペンション特性のばらつき、サスペンション特性が制約条件を満たすときの複数のサスペンション設計諸元など、様々な情報をディスプレイ14に表示させる。設計諸元算出部30によるサスペンション設計諸元算出機能、および表示制御部34によるサンプリング結果表示機能は、第3設計支援ソフトウェアに組み込まれたプログラムを実行することにより実現する。
図2は、本実施形態に係る設計支援装置10を利用した設計手順を示すフローチャートである。ユーザによって第1設計支援ソフトウェアが実行されると、ユーザは、PC12にサスペンション設計諸元のサンプリング範囲を入力することが可能になる。ユーザによりサスペンション設計諸元のサンプリング範囲がPC12に入力されると、サンプリング範囲取得部16は、入力されたサスペンション設計諸元のサンプリング範囲を取得する(S10)。第1設計支援ソフトウェアにおいてユーザによって所定の操作が行われると、サンプリング計画部18は、取得したサスペンション設計諸元のサンプリング範囲内においてサンプリングを実施するサンプリング計画を作成する(S12)。
第1設計支援ソフトウェアにおいてさらにユーザによって所定の操作が行われると、サンプリング値取得部20は、作成されたサンプリング計画にしたがって、複数のサスペンション設計諸元の各々について、複数のサンプリング値を取得する。このとき、サンプリング値取得部20は、各々が複数のサスペンション設計諸元に対応する複数の組み合せのサンプリング値を取得する。サンプリング値取得部20は、取得したサンプリング値を、所定のファイル形式で記憶部36に格納する。
次に、ユーザによって第2設計支援ソフトウェアが実行され、実行された第2設計支援ソフトウェアにおいてさらにユーザによって所定の操作が行われると、サスペンション特性解析部22は、記憶部36に格納されたサンプリング値を利用して、サスペンション特性を算出するサスペンション特性解析を実施する(S14)。具体的には、サスペンション特性解析部22は、複数のサスペンション設計諸元についての複数の組み合せのサンプル値のうち、一つの組み合わせのサンプル値を複数のサスペンション設計諸元に採用したときのサスペンション特性を算出する。次にサスペンション特性解析部22は、別の一つの組み合わせのサンプリング値を複数のサスペンション設計諸元に採用したときのサスペンション特性を算出する。サスペンション特性解析部22は、この工程を繰り返すことにより、複数のサスペンション設計諸元についての多くの組み合せのサンプリング値に対応するサスペンション特性を算出する。
このようなサスペンション特性解析部22によるサスペンション特性解析の結果の一例を図3に示す。図3では、右方向に延びる軸に、サスペンション設計諸元であるタイロッドエンドの座標が示され、左方向に延びる軸に、同じくサスペンション設計諸元である所定箇所のブッシュ剛性が示されている。縦軸には、サスペンション特性である横力ステアが示されている。横力ステアとは、車輪の接地点における車両横方向への力に対するステアリング角度をいう。この場合、サンプリング値取得部20は、タイロッドエンド座標およびブッシュ剛性についての複数の組み合せのサンプリング値を取得し、サスペンション特性解析部22は、タイロッドエンド座標およびブッシュ剛性についての各々の組み合せのサンプリング値に対応する横力ステアを算出する。このとき、サンプリング値の組み合わせの数だけ横力ステアが算出され、この座標系に点としてプロットされる。
図2に戻る。サスペンション特性解析が実施されると、サスペンション特性近似部24は、複数のサスペンション設計諸元についての複数の組み合せのサンプリング値、およびそれらのサンプリング値を用いて算出されたサスペンション特性に対して、応答曲面法による多項式フィッティングを実施し、サスペンション特性と複数のサスペンション設計諸元との相関関係を導出する(S16)。
このようにサスペンション特性近似部24によって実施された、応答曲面法による多項式フィッティングの実施結果の一例を図4に示す。図4の座標系は図3のものと同様である。応答曲面法による多項式フィッティングを実施することによって、点として表されていたサスペンション設計諸元とサスペンション特性との関係が、この例では連続した面として把握することができる。このため、サンプリングした以外の点においても、サスペンション特性と複数のサスペンション設計諸元との相関関係を求めることが可能となる。サスペンション特性近似部24は、このように導出したサスペンション特性と複数のサスペンション設計諸元との相関関係を記憶部36に格納する。
図2に戻る。ユーザは、第2設計支援ソフトウェアを実行し、実行された第2設計支援ソフトウェアにおいて、ばらつき近似式を作成する対象となる相関関係を、記憶部36に格納された相関関係から指定することができる。相関関係がユーザによって指定されると、統計データ取得部26は、指定された相関関係に対して1次近似2次モーメント法を用いて、サスペンション特性の平均値や分散値など、ばらつきに関するデータを算出する(S18)。
ユーザによって第3設計支援ソフトウェアが実行されると、ユーザは、PC12にサスペンション特性の制約条件を入力することが可能になる。ユーザによりサスペンション特性の制約条件がPC12に入力されると、制約条件取得部28は、入力された制約条件を取得する(S20)。サスペンション特性の制約条件とは、サスペンション特性の条件値および下限値などをいう。また、第3設計支援ソフトウェアの実行中は、ユーザは、サスペンション設計諸元の範囲および公差を入力することが可能になる。設計諸元取得部32は、ユーザによって入力されたサスペンション設計諸元の範囲、および公差を取得する(S22)。
サスペンション特性の制約条件や、サスペンション設計諸元の範囲および公差の入力後、ユーザによってPC12に所定の操作が行われた場合、設計諸元算出部30は、ロバスト設計によってサスペンション設計諸元の値を算出する(S24)。具体的には、設計諸元算出部30は、導出されたサスペンション特性と複数のサスペンション設計諸元との相関関係を利用して、ユーザによって入力された制約条件を満たすサスペンション特性が得られるサスペンション設計諸元のサンプリング値を算出する。このとき、設計諸元算出部30は、サスペンション特性が所定範囲内でばらついてもユーザに入力された制約条件を満たすよう、サスペンション特性の平均値や分散値などサスペンション特性のばらつきを示すデータも利用して、サスペンション設計諸元の値を算出する。
サスペンション特性の制約条件とばらつきとの関係の一例を図5に示す。図5に示す例では、横軸に前後力コンプライアンス、縦軸に横力コンプライアンスステアが設定されている。ユーザによって、前後力コンプライアンスの最小値Xmin、最大値Xmaxが予め入力されており、また、横力コンプライアンスステアの最小値Ymin、最大値Ymaxが予め入力され、設定されているものとする。この場合、前後力コンプライアンスの値および横力コンプライアンスステアの値が図5において斜線で囲まれた矩形の内部に位置することが制約条件となる。
図5におけるB点では、前後力コンプライアンスも横力コンプライアンスステアもユーザに入力された制約条件を満たしている。しかし、例えばB点の3σのばらつき範囲がB点周りの破線となる場合、前後力コンプライアンスや横力コンプライアンスステアがばらつくことにより、製造された多くのサスペンションが制約条件を満たさないことになる可能性が生じる。
このため、設計諸元取得部32は、所定のばらつき範囲のすべてが制約条件を満たすA点のようなサスペンション特性を得るサスペンション設計諸元の値を算出する。たとえば、ばらつき範囲を3σとした場合、A点の3σのばらつき範囲がA点周りの破線として、破線に囲まれる領域がすべて制約条件を満たすようなサスペンション特性を得るサスペンション設計諸元を特定する。このようなサスペンション設計諸元を採用することにより、製造されたほとんどのサスペンションが制約条件を満たすことを期待することができる。このようにサスペンション特性が所定範囲内でばらついてもユーザに入力された制約条件を満たすようサスペンション設計諸元の値を算出することにより、サスペンション設計諸元のばらつきによってサスペンション特性にばらつきが生じた場合においても、サスペンション特性を安定して制約条件の範囲内に位置づけることが可能となる。
図2に戻る。第3設計支援ソフトウェアの実行中においてユーザによって所定の操作がなされると、表示制御部34は、サンプリング結果やサスペンション設計諸元の算出結果などをディスプレイ14に表示する(S26)。
図6は、第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイ14に表示される結果表示画面40を示す図である。複数のサスペンション設計諸元の各々について取得したサンプリング値を利用してサスペンション特性を算出する工程が終了すると、表示制御部34は、その結果を示す結果表示画面40をディスプレイ14に表示する。結果表示画面40には、サスペンション特性分布表示欄42、サスペンション諸元表示欄44、およびサンプリング結果表示欄46が含まれる。
サスペンション特性分布表示欄42では、横軸には複数のサスペンション特性の各々が設定され、縦軸には設定した制約条件を±100として標準化した値が設定される。このように縦軸に、複数のサスペンション特性に対して標準化した値を設定することにより、ユーザはどのサスペンション特性がより適切な値となっているかなどを一見して判断することができる。図6に示す例では、複数のサスペンション特性の組み合わせの一例として、
(1)前後力に対する接地点変位
(2)前後力に対するステアリング角度変化
(3)前後力に対するホイール中心点変位
(4)横力に対する接地点変位
(5)横力に対するキャンバ角度変化
(6)横力に対するステアリング角度変化
(7)ロールステア
が表示されている。サスペンション特性分布表示欄42には、ユーザによって入力された、サスペンション特性の各々の上限値および下限値も表示される。
サスペンション諸元表示欄44には、複数のサスペンション設計諸元について取得したサンプリング値の複数の組み合わせのうち、一つの組み合わせのサンプリング値が、サスペンション設計諸元の各々の値として表示される。図6に示す例では、サスペンション特性に影響を与える車両箇所であるB点およびC点の各々のx座標、y座標、およびz座標が一例として示されている。なお、サスペンション特性に影響を与える車両箇所が多数存在し、また、サスペンション特性に影響を与えるブッシュも多数存在するため、サスペンション諸元表示欄44には実際には多数のサスペンション設計諸元の数値が表示される。
サスペンション諸元表示欄44には、数値変更バー、および数値変更ボタンが設けられている。ユーザは、マウスを使って数値変更バーを左右に移動させることにより、または数値変更バーの左右の各々に設けられた数値変更ボタンをマウスでクリックすることにより、サスペンション諸元表示欄44に表示されたサスペンション設計諸元の数値を変更することができる。ユーザによってサスペンション諸元表示欄44に表示されたサスペンション設計諸元が変更されると、表示制御部34は、すでに導出されたサスペンション設計諸元とサスペンション特性との相関関係の式を利用して、サスペンション設計諸元変更後のサスペンション特性を算出し、サスペンション特性分布表示欄42にサスペンション設計諸元変更後のサスペンション特性を表示する。このように、サスペンション諸元表示欄44によってサスペンション設計諸元が変更された場合に、サスペンション特性の表示にリアルタイムに反映させることによって、ユーザは、サスペンション特性をPC12において簡易に仮想的に調整することが可能となる。
また、サスペンション諸元表示欄44は、複数のサスペンション設計諸元の各々について取得したサンプリング値を利用してサスペンション特性を算出する工程を終了すると、サスペンション設計諸元のサンプリング値に対応するサスペンション特性の値を、多数の点としてサンプリング結果表示欄46に表示する。図6に示す例では、サンプリング結果が白い多数の点としてサンプリング結果表示欄46に表されている。
サンプリング結果表示欄46は、横軸が一つのサスペンション特性、縦軸が別の一つのサスペンション特性とされている。図6に示す例では、サスペンション特性は7種類とされているため、異なるサスペンション特性の組み合わせは21種類となる。図6に示すサンプリング結果表示欄46の一例は、その21種類のうちの1種類である、横力に対する接地点変位と横力に対するステアリング角度変化との組み合わせにおいて、サンプリング値によるサスペンション特性の算出結果を示したものである。表示制御部34が他の20種類のサスペンション特性の組み合わせについてサンプリング結果表示欄46を表示することができることは勿論である。
表示制御部34は、サスペンション諸元表示欄44に最初に表示されたサスペンション設計諸元が採用されたときのサスペンション特性の点を所定の色(例えば黒)でディスプレイ14に表示する。図6に示す例では、この点はC点として表されている。また、表示制御部34は、ユーザによってサスペンション諸元表示欄44に表示されたサスペンション設計諸元が変更された場合、変更後のサスペンション設計諸元が採用されたときのサスペンション特性の点を、別の所定の色(例えば赤)でディスプレイ14に表示する。図6に示す例では、この点はD点として表されている。このように、サスペンション設計諸元を変更する前後におけるサスペンション特性を表示することにより、どのサスペンション設計諸元を変更すればどのサスペンション特性がどのように変化するかを、ユーザにわかりやすく示すことができる。
図7は、第3設計支援ソフトウェアの実行中に表示される最適化ツールボックス48を示す図である。図6の結果表示画面40が表示されている状態で、ユーザによりPC12に所定の操作が行われると、表示制御部34は最適化ツールボックス48を結果表示画面40の上に重ねるように表示する。最適化ツールボックス48において、ユーザによって「制約条件絞り込み」タブがクリックされると、表示制御部34は、第1候補データ数表示欄50および第2候補データ数表示欄54を表示する。
表示制御部34は、第1候補データ数表示欄50に、算出した複数のサスペンション特性の各々の平均値が各々の下限値以上且つ上限値以下の場合、すなわち制約条件を満たす場合の、複数のサスペンション特性の組み合わせ数を表示する。図7に示す例では、サンプリングにより得られた複数のサスペンション特性の多数の組み合わせのうち、17の組み合わせにおいて、算出した複数のサスペンション特性が制約条件を満たすことを示している。第1表示データ番号表示欄52には、結果表示画面40に表示されているのが、第1候補データ数表示欄50に表示された候補データ数のうち何番目のデータに相当するものかが表示され、ユーザは、NEXTボタン58をクリックすることにより、第1表示データ番号表示欄52に表示される表示データ番号を変更することができる。
また、表示制御部34は、第1候補データ数表示欄50に、算出した複数のサスペンション特性の平均値から所定のばらつき範囲内(この例では3σ)で各々のサスペンション特性がばらついたときにおいても、算出した複数のサスペンション特性が各々の下限値以上且つ上限値以下の場合、すなわち制約条件を満たす場合の、複数のサスペンション特性の組み合わせ数を表示する。図7に示す例では、サンプリングにより得られた複数のサスペンション特性の多数の組み合わせのうち、7つの組み合わせにおいて、算出した複数のサスペンション特性が、各々のばらつきを考慮しても制約条件を満たすことを示している。第2表示データ番号表示欄56には、結果表示画面40に表示されているのが、第2候補データ数表示欄54に表示された候補データ数のうち何番目のデータに相当するものかが表示され、ユーザは、NEXTボタン60をクリックすることにより、第2表示データ番号表示欄56に表示される表示データ番号を変更することができる。
表示制御部34は、第1表示データ番号表示欄52に表示される表示データ番号、または第2表示データ番号表示欄56に表示される表示データ番号が変更された場合、変更後の表示データ番号のサンプル値の組み合わせをサスペンション諸元表示欄44に表示し、そのサンプル値の組み合わせが採用された場合のサスペンション特性を、サスペンション特性分布表示欄42およびサンプリング結果表示欄46に表示する。
図8は、第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイ14に表示される最適化結果表示欄62およびサスペンション特性分布表示欄42を示す図である。設計諸元算出部30は、導出されたサスペンション設計諸元とサスペンション特性との相関関係を利用して、複数のサスペンション特性の各々が目標の値に近い適切な組み合わせとなるよう複数のサスペンション特性を算出し、そのような複数のサスペンション特性が得られるときのサスペンション設計諸元の値を算出する機能を有する。図8は、(1)前後力に対する接地点変位と、(6)横力に対するステアリング角度変化において、(1)の現状の設計値が3.71(mm/981N)、(6)の設計値が0.07(deg/981N)であった場合に、(1)を目標値である2.5(mm/981N)に、(6)を目標値である0.2(deg/981N)に近づけるよう、複数のサスペンション特性の各々を算出する最適化を実施した例である。この例では、最適化の結果、(1)を2.55(mm/981N)、(6)を0.19(deg/981N)にすることができ、現状の設計値よりも(1)および(6)のサスペンション特性の値を目標値に近づけている。
表示制御部34は、サスペンション特性の最適化を実施すると、その結果得られた値を、最適化結果表示欄62およびサスペンション特性分布表示欄42に表示する。表示制御部34は、サスペンション特性分布表示欄42に最適化の実施結果を表示する場合、最適化の対象となったサスペンション特性以外のサスペンション特性についても、変化後の値を表示する。
設計諸元算出部30は、単一目的化という手法により、複数のサスペンション特性の各々の値を目標値に近づけるよう算出している。単一目的化とは、各々が共通の変数と前記複数の物理的特性のそれぞれとが組み合わされた複数の制約条件を成立させつつ複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近づくよう、共通の変数を最大化または最小化することにより、設計対象物の複数の物理的特性の値の適切な組み合わせを算出する手法をいう。この単一目的化の手法について、図9および図10に関連して以下に詳述する。
図9は、複数のサスペンション特性の例を示す図である。図9では、Y1からY6までの6種類のサスペンション特性における現状の値が示されている。この例では、Y2がサスペンション特性の上限値を超えている。この例では、Y2を上限値以下に下げるだけでなく、6種類のサスペンション特性の各々をできるだけ小さい値にすることを目標とする。この場合、βを共通の変数として、以下の式において、βを最小化することが目標となる。設計諸元算出部30は、以下の式を満足させつつ、βを最小化させるよう、導出したサスペンション設計諸元とサスペンション特性との相関関係を利用して複数のサスペンション特性の各々を算出する。
Figure 2009009429
このように、サスペンション特性の各々を個別に最小化するのではなく、βを最小化させるという単一目的化によって複数のサスペンション特性の各々を目標値に近づけることにより、最適化のための演算を簡易なものとすることができ、PC12に与える負担を軽減させることができる。
図10は、複数のサスペンション特性の別の例を示す図である。図10では、Y1からY6までの6種類のサスペンション特性における現状の値が示されている。実際のサスペンション設計においては、いずれかのサスペンション特性は最小化させたいが、いずれかのサスペンション特性は最大化させたいなど、サスペンション特性とその目標値との関係は様々なものとなる。このような場合においても、以下に示すような手順によって単一目的化は可能である。
図10に示される例では、Y2およびY4のサスペンション特性を最小化し、Y3のサスペンション特性を最大化することが目標であるとする。このとき、制約条件は、以下の式によって表される。
Figure 2009009429
Figure 2009009429
ここで、βupper_iとβlower_iとの関係を、以下の式によって定義する。
Figure 2009009429
設計諸元算出部30は、数式7を満足させつつ、βを最小化させるよう、導出したサスペンション設計諸元とサスペンション特性との相関関係を利用して複数のサスペンション特性の各々を算出する。このように単一目的化によってサスペンション特性の最適化を実施することにより、最大化させたいサスペンション特性と最小化させたいサスペンション特性とが混在するような場合においても、最適なサスペンション特性の組み合わせを円滑に算出することができる。
図11は、第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイ14に表示されるリアルタイムパラメータ表示画面64を示す図である。表示制御部34は、複数のサスペンション設計諸元の各々について取得したサンプリング値を利用してサスペンション特性を算出する工程を終了した後、ユーザによってPC12に所定の操作がなされると、リアルタイムパラメータ表示画面64をディスプレイに表示させる。リアルタイムパラメータ表示画面64には、第1グラフ66、第2グラフ68、およびサスペンション諸元表示欄44が含まれる。
図11に示す例において、第1グラフ66では、横軸にサスペンション特性であるトー角変化量が設定され、縦軸にサスペンション特性であるバウンド量が設定されている。また、第2グラフ68では、横軸にサスペンション特性であるキャンバ角変化量が設定され、縦軸にバウンド量が設定されている。なお、リアルタイムパラメータ表示画面64に表示されるのが、これらのサスペンション特性の関係に限られないことは勿論であり、また、表示されるサスペンション特性の関係の数が2つに限られないことも勿論である。
表示制御部34は、リアルタイムパラメータ表示画面64を表示したときにサスペンション諸元表示欄44に表示されたサスペンション設計諸元が採用された場合の複数のサスペンション特性を、予め導出されたサスペンション設計諸元とサスペンション特性との相関関係を利用して算出する。表示制御部34は、算出した複数のサスペンション特性の一対一の関係を第1グラフ66や第2グラフ68に所定の色(例えば黒)で表示する。
サスペンション諸元表示欄44を使ってユーザによりいずれかのサスペンション設計諸元が変更された場合、表示制御部34は、変更後のサスペンション設計諸元が採用された場合の複数のサスペンション特性を算出し、予め表示されていた第1グラフ66および第2グラフ68に、算出した複数のサスペンション特性の一対一の関係を別の所定の色(例えば赤)で重ねて表示する。このように、変更されたサスペンション設計諸元が採用された場合のサスペンション特性の関係をリアルタイムで表示することにより、サスペンション設計諸元を変更したときにサスペンション特性同士の関係がどのように変化するかを容易に確認することが可能となる。
表示制御部34は、第1グラフ66および第2グラフ68の各々に2つのサスペンション特性の関係を表示する場合、サスペンション設計諸元に所定範囲のばらつき(例えば3σ)が生じたときのサスペンション特性の変化範囲を表示する。図11に示す例では、この変化範囲は、左右に延びる線分として表されている。
図12は、第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイ14に表示される設計諸元感度グラフ70を示す図である。表示制御部34は、複数のサスペンション設計諸元の各々について取得したサンプリング値を利用してサスペンション特性を算出する工程を終了した後、ユーザによってPC12に所定の操作がなされると、設計諸元感度グラフ70をディスプレイに表示させる。
設計諸元感度グラフ70では、縦軸にサスペンション設計諸元のいずれかが設定され、横軸にサスペンション特性のいずれかが設定された複数のグラフが表示される。図12に示す例では、
(1)横力に対するキャンバ角度変化
(2)横力に対するステアリング角度変化
(3)ロールステア
(4)ホイールレート
のサスペンション特性の各々と、これらのサスペンション特性に影響を与える車両のA点のx座標、y座標、およびz座標の各々との関係が2次元のグラフとして示されている。たとえば、(3)のロールステアは、A点のx座標およびy座標を変化させても大きく変化しないが、z座標を変化させることによって大きく変化することが分かる。一方、A点のz座標を変化させても、(1)、(2)、および(4)のサスペンション特性には大きく影響しないことも分かる。このため、他のサスペンション特性をあまり変化させることなくロールステアの値を変化させたい場合には、A点z座標を変化させればよいことが容易に理解することができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
本実施形態に係る設計支援装置10がサスペンションの設計以外の設計に使用されてもよい。たとえば、サスペンション設計諸元に代えて車両の他の部分の設計諸元がサンプリングされてもよく、取得したサンプリング値を利用して、所定の拘束条件を満たすときの当該他の部分の物理的特性の値を算出してもよい。このように、本実施形態に係る設計支援装置10を利用して、サスペンション以外の様々な設計対象物についても、物理的特性の値を迅速に算出することができる。
本実施形態に係る設計支援装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る設計支援装置を利用した設計手順を示すフローチャートである。 サスペンション特性解析部によるサスペンション特性解析の結果の一例を示す図である。 サスペンション特性近似部による多項式フィッティングの実施結果の一例を示す図である。 サスペンション特性の制約条件とばらつきとの関係の一例を示す図である。 第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイに表示される結果表示画面を示す図である。 第3設計支援ソフトウェアの実行中に表示される最適化ツールボックスを示す図である。 第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイに表示される最適化結果表示欄およびサスペンション特性分布表示欄を示す図である。 複数の種類のサスペンション特性の例を示す図である。 複数のサスペンション特性の別の例を示す図である。 第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイに表示されるリアルタイムパラメータ表示画面を示す図である。 第3設計支援ソフトウェアの実行中にディスプレイに表示される設計諸元感度グラフを示す図である。
符号の説明
10 設計支援装置、 12 PC、 14 ディスプレイ、 16 サンプリング範囲取得部、 18 サンプリング計画部、 20 サンプリング値取得部、 22 サスペンション特性解析部、 24 サスペンション特性近似部、 26 統計データ取得部、 28 制約条件取得部、 30 設計諸元算出部、 32 設計諸元取得部、 34 表示制御部。

Claims (16)

  1. 各々が複数の設計諸元に対応する複数の組み合わせのサンプリング値を取得するステップと、
    取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々が複数の設計諸元に採用されたときの設計対象物の物理的特性の値を算出するステップと、
    算出された物理的特性の値を利用して、前記複数の設計諸元と算出された設計対象物の物理的特性との相関関係を導出するステップと、
    導出された相関関係を利用して、所定の制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られる前記複数の設計諸元の値を算出するステップと、
    を備えることを特徴とする設計支援方法。
  2. 算出された前記複数の設計諸元の値のうち、少なくとも1つをディスプレイに表示させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の設計支援方法。
  3. 相関関係は、取得した複数の組み合わせのサンプリング値、および取得した複数の組み合わせのサンプリング値の各々が前記複数の設計諸元に採用されたときの設計対象物の物理的特性の値に、応答曲面法による多項式フィッティングを実施して導出されることを特徴とする請求項1に記載の設計支援方法。
  4. 前記複数の設計諸元の各々の値がばらついたときの設計対象物の物理的特性の値のばらつきを算出するステップをさらに備え、
    前記複数の設計諸元は、設計対象物の物理的特性の値が所定範囲内でばらついても所定の制約条件を満たすよう、算出された設計対象物の物理的特性の値のばらつきも利用して算出されることを特徴とする請求項1に記載の設計支援方法。
  5. 設計対象物の物理的特性の値のばらつきは、1次近似2次モーメント法を用いて算出されることを特徴とする請求項1に記載の設計支援方法。
  6. 導出された相関関係を利用して、設計対象物の複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近い適切な組み合わせとなるよう前記複数の物理的特性の値を算出するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の設計支援方法。
  7. 設計対象物の複数の物理的特性の値の適切な組み合わせは、各々が共通の変数と前記複数の物理的特性のそれぞれとが組み合わされた複数の制約条件を成立させつつ複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近づくよう、前記共通の変数を最大化または最小化することにより算出されることを特徴とする請求項6に記載の設計支援方法。
  8. 前記設計諸元はサスペンション設計諸元であり、前記物理的特性はサスペンション特性であることを特徴とする請求項1に記載の設計支援方法。
  9. ユーザによって入力された、設計対象物における複数の物理的特性の各々に関する制約条件を取得する機能と、
    複数の設計諸元の各々についてサンプリングを実施することにより導出された、前記複数の設計諸元と設計対象物の物理的特性との相関関係を取得する機能と、
    導出された相関関係を利用して、所定の制約条件を満たす設計対象物の物理的特性が得られる前記複数の設計諸元の値を算出する機能と、
    をコンピュータに実現させることを特徴とする設計支援プログラム。
  10. 算出された前記複数の設計諸元の値のうち、少なくとも1つをディスプレイに表示させる機能を、コンピュータにさらに実現させることを特徴とする請求項9に記載の設計支援プログラム。
  11. 前記複数の設計諸元のいずれかと設計対象物の物理的特性との関係を2次元のグラフに表した感度グラフをディスプレイに表示させる機能をコンピュータにさらに実現させることを特徴とする請求項9に記載の設計支援プログラム。
  12. 算出された、前記複数の設計諸元によって得られる設計対象物の物理的特性の値をディスプレイに表示させる機能と、
    前記複数の設計諸元の値のうち、ユーザによって変更された設計諸元の値を取得する機能と、
    ユーザによって変更された設計諸元の値を取得した場合、変更後の前記複数の設計諸元の値により得られる設計対象物の物理的特性の値をディスプレイに表示させる機能と、
    をコンピュータにさらに実現させることを特徴とする請求項9に記載の設計支援プログラム。
  13. 前記複数の設計諸元の各々の値がばらついたときの設計対象物の物理的特性の値のばらつきを取得する機能をコンピュータにさらに実現させるものであり、
    前記複数の設計諸元は、設計対象物の物理的特性の値が所定範囲内でばらついても所定の制約条件を満たすよう、算出された設計対象物の物理的特性の値のばらつきも利用して算出されることを特徴とする請求項9に記載の設計支援プログラム。
  14. 導出された相関関係を利用して、設計対象物の複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近い適切な組み合わせとなるよう前記複数の物理的特性の値を算出する機能をコンピュータにさらに実現させることを特徴とする請求項9に記載の設計支援プログラム。
  15. 設計対象物の複数の物理的特性の値の適切な組み合わせは、各々が共通の変数と前記複数の物理的特性のそれぞれとが組み合わされた複数の制約条件を成立させつつ複数の物理的特性の各々の値が目標の値に近づくよう、前記共通の変数を最大化または最小化することにより算出されることを特徴とする請求項14に記載の設計支援プログラム。
  16. 前記設計諸元はサスペンション設計諸元であり、前記物理的特性はサスペンション特性であることを特徴とする請求項9に記載の設計支援プログラム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010191535A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Mazda Motor Corp 車両用サスペンションの設計支援装置、車両用サスペンションの設計支援方法、及び車両用サスペンションの設計支援プログラム
JP2012076638A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Mitsubishi Motors Corp 前照灯光軸調整装置
JP2016194321A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 株式会社ショーワ 反力調整支援装置、プログラムおよび反力調整支援方法

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