JP7280511B2 - 応力解析方法、応力解析装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

応力解析方法、応力解析装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、応力解析方法、応力解析装置及びコンピュータプログラムに関する。
金属を加工する方法の1つにプレス成形の方法がある(特許文献1参照)。プレス成形とは、対象物であるブランク材(金属材料)に金型を押し付けることにより、ブランク材の形状を金型の形状に合わせて塑性変形させる加工方法のことである。プレス成形においては、プレス成形されたブランク材を金型から取り出す動作である離型が行われると、離型前の内部応力を原因とするスプリングバック(弾性変形)が起きる。そのため、プレス成形においては、離型後のブランク材の形状が離型前の形状と異なる形状になるという問題がある。
上記問題への対策として、スプリングバックの影響を考慮して金型を作成することが行われる。スプリングバックへの影響を調べるため、プレス成形後のブランク材内の部位ごとに、各部位の内部応力が形状の変化に与える影響の強さを有限要素法等の数値解析によって算出する場合がある。例えば、特許文献2に記載の技術では、離型前のブランク材の形状と離型前のブランク材の内部応力とを初期条件とする有限要素法による解析を、ブランク材の一部の内部応力が有限の場合と0の場合との2回実行する。
特許第6372592号公報 特許第4894294号公報
このように従来の数値解析の方法は、一部の内部応力が異なるものの初期条件の形状は同じである有限要素法による解析を複数回実行する。初期条件の形状が同じ場合、たとえ一部の内部応力が異なっていても有限要素法による解析の計算負荷はほぼ同じである。有限要素法による解析は1回の計算であっても計算負荷が高いことが知られている。そのため、計算負荷がほぼ同一の計算を複数回実行しなければならないことは計算負荷の点で問題であり、計算負荷を軽減する技術が求められていた。また、このような問題はスプリングバックに限らず、内部応力が影響する現象を数値解析する場合に共通する問題である。
上記事情に鑑み、本発明は、内部応力の影響の強さを推定する数値解析における計算負荷を軽減する技術を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、部材の変形前の第1の形状を示す情報と、第1の内部応力分布を示す情報と、物性値を示す情報とを有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、変形後の第2の形状を算出する第1解析ステップと、前記第1の内部応力分布と異なる内部応力分布であって、前記部材の一部である対象部位における内部応力が前記第1の内部応力分布が示す前記対象部位における内部応力に基づき演算処理を行った内部応力である第2の内部応力分布を決定する決定ステップと、前記第2の形状を示す情報と、前記第2の内部応力分布と、前記物性値を示す情報を有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、前記第2の形状において前記第2の内部応力分布が示す内部応力が生じた場合の変形後の前記部材の形状である第3の形状を算出する第2解析ステップと、を有する応力解析方法である。
本発明の一態様は、部材の変形前の第1の形状を示す情報と、第1の内部応力分布を示す情報と、物性値を示す情報とを有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、変形後の第2の形状を算出する第1解析部と、前記第1の内部応力分布と異なる内部応力分布であって、前記部材の一部である対象部位における内部応力が前記第1の内部応力分布が示す前記対象部位における内部応力に基づき演算処理を行った内部応力である第2の内部応力分布を決定する決定部と、前記第2の形状を示す情報と、前記第2の内部応力分布と、前記物性値を示す情報を有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、前記第2の形状において前記第2の内部応力分布が示す内部応力が生じた場合の変形後の前記部材の形状である第3の形状を算出する第2解析部と、を備える応力解析装置である。
本発明の一態様は、上記の応力解析装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
本発明により、内部応力の影響の強さを推定する数値解析における計算負荷を軽減することが可能となる。
第1の実施形態における応力解析方法における処理の流れの一例を示すフローチャート。 第1の実施形態における応力解析方法を説明する説明図。 第1の実施形態における点位置変化量を説明する説明図。 、第1の実施形態における第1角度変化量を説明する説明図。 第1の実施形態における第2角度変化量を説明する説明図。 第1の実施形態における第1距離変化量を説明する説明図。 第1の実施形態における第3角度変化量を説明する説明図。 第1の実施形態における第4角度変化量を説明する説明図。 第1の実施形態における第2距離変化量を説明する説明図。 第1の実施形態の応力解析装置の機能構成の一例を示す図。 第1の実施形態における制御部の機能構成の一例を示す図。 第2の実施形態における応力解析方法における処理の流れの一例を示すフローチャート。 第2の実施形態の応力解析装置の機能構成の一例を示す図。 第2の実施形態における制御部の機能構成の一例を示す図。 第3の実施形態における応力解析方法における処理の流れの一例を示すフローチャート。 第3の実施形態の応力解析装置の機能構成の一例を示す図。 第3の実施形態における制御部の機能構成の一例を示す図。 第1の実施形態における解析対象の部材の一例を示す図。 第1の実施形態における解析対象の部材における内部応力分布の一例を示す図。 第1の実施形態における解析対象の部材のスプリングバックによる変位の分布の一例を示す第1の図。 第1の実施形態における解析対象の部材のスプリングバックによる変位の分布の一例を示す第2の図。 第1の実施形態における解析対象の部材のスプリングバックによる変位の分布の一例を示す第3の図。 第1の実施形態における部位指示情報が示す対象部位の一例を示す第1の図。 第1の実施形態における部位指示情報が示す対象部位の一例を示す第2の図。 第1の実施形態における部位指示情報が示す対象部位の一例を示す第3の図。 第1の実施形態における出力部14が表示する内部応力影響度を示す情報の一例を示す第1の図。 第1の実施形態における出力部14が表示する内部応力影響度を示す情報の一例を示す第2の図。 第1の実施形態における内部応力影響度を示す情報の一例を示す第3の図。 変形例における解析対象の部材の一例を示す図。
(第1の実施形態)
以下、第1実施形態の応力解析装置、応力解析方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。まず第1の実施形態の応力解析装置が実行する応力解析方法を説明する。
(応力解析方法の概要)
第1の実施形態における応力解析方法は、内部応力分布によって引き起こされる解析対象の部材の変形について、解析対象の部材の位置ごとに当該位置における内部応力の変形への影響の強さを算出する方法である。第1の実施形態における応力解析方法では、まず、応力解析装置が1回目の弾性解析(以下「第1解析」という。)を実行する。具体的には、応力解析装置が、解析対象の部材を表す弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、解析対象の部材の変形後の形状を算出する。次に、第1の応力解析方法では、応力解析装置が2回目の弾性解析(以下「第2解析」という。)を実行する。具体的には、形状が第1解析の結果が示す形状であり一部にだけ内部応力が発生している部材を表す弾性変形のための数値解析モデルについて応力解析装置が弾性解析を行う。第1の実施形態における応力解析方法では、応力解析装置は、第1解析の結果と第2解析の結果とに基づいて、内部応力の変形への影響の強さを算出する。
第2解析は、解析対象の部材の一部にだけ内部応力が発生している数値解析モデルについての弾性解析である。そのため、たとえ、大変形解析(非線形解析)であったとしても部材の全てに内部応力が発生している数値解析モデルについての弾性解析よりも演算の収束が早く、応力解析装置の計算負荷が少ない。また、第2解析は解析対象の部材の一部にだけ内部応力が発生している数値解析モデルについての弾性解析であるため、解析結果は微小変形解析(線形解析)と略同一の結果である。そのため、第2解析の解析結果は精度が高い。一方、例えば、特許文献2に記載の方法では、2回の第1解析の実行結果に基づいて、内部応力影響度が算出され、第2解析は実行されない。そのため、第1の実施形態における応力解析方法は、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。
(応力解析方法)
図1は、第1の実施形態における応力解析方法における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図2は、第1の実施形態における応力解析方法を説明する説明図である。より詳しくは、図2は、第1の実施形態における応力解析方法を、解析対象の部材の一例を用いて具体的に説明する説明図である。
応力解析装置が第1解析を実行する(ステップS101)。具体的には、応力解析装置が、解析対象の部材に関する第1形状情報と、第1内部応力分布情報と、物性値情報とを有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、第2形状情報を算出する。第1形状情報は、解析対象の部材の変形前の第1の形状を示す情報である。第1内部応力分布情報は、解析対象の部材の変形前における第1の内部応力分布を示す情報である。物性値情報は、解析対象の部材の物性値を示す情報である。物性値は、ヤング率、ポアソン比及び板厚を含む。内部応力分布は、解析対象の部材における内部応力の分布を意味する。解析対象の部材は、例えば、プレス成型後の成形品(以下「対象成形品」という。)である。この場合、第1の形状は、例えば、プレス成形された部材の離型前の形状である。内部応力は、例えば、スプリングバックを引き起こす原因となる内部応力であってもよい。内部応力は、例えば、スポット溶接によって生じる内部応力であってもよい。内部応力は、例えば、熱応力であってもよい。なお、内部応力はこれらに限られない。また、内部応力はこれらの組合せであってもよい。弾性解析は、例えば、有限要素法によって実行される。弾性解析は有限要素法に限らず例えば、境界要素法によって実行されてもよいし、有限差分法によって実行されてもよい。以下、説明の簡単のため有限要素法を例に説明する。第2形状情報は、第1の内部応力分布が示す内部応力による変形後の解析対象の部材の形状(以下「第2の形状」という。)である。
図2において、モデルM0は、形状が第1の形状であり内部応力分布が第1の内部応力分布である解析対象の部材を表す。図2は、モデルM0において、部材上の点P1と点P2との間の距離がW0(W0は正の実数)であることを示す。図2は、モデルM0において、部材上の点P1と点P2と点P3とが一直線上に位置することを示す。図2は、モデルM0において、部材の全ての位置で内部応力が0では無いことを示す。
図2において、モデルR0は、形状が第2の形状であり内部応力が0である解析対象の部材を表す。図2は、モデルR0において、部材上の点P1と点P2との間の距離がW1(W1>W0)であることを示す。図2は、モデルR0において、部材上の点P1と点P2と点P3とが一直線上に位置しないことを示す。モデルR0において、点P1と点P2とを通る線(以下「P1-P2線」という。)と、点P3を通りP1-P2線に平行な線との距離はh1(h1は0以外の正の実数)である。
ステップS101の次に、応力解析装置は、形状が第2の形状である解析対象の部材の一部に、第1の内部応力分布に基づく内部応力が生じている内部応力分布(以下「第2の内部応力分布」という。)を決定する。第2の内部応力分布は、第1の内部応力分布と異なる内部応力分布である。以下、第2の内部応力分布において内部応力が生じる部材の一部を対象部位という。
対象部位における内部応力は、例えば、第1の内部応力分布が示す対象部位の内部応力に基づく内部応力である。対象部位における内部応力は、例えば、第1の内部応力分布が示す対象部位の内部応力に基づいて演算処理が行われることで算出される内部応力である。より具体的には、対象部位における内部応力は、例えば、第1の内部応力分布が示す対象部位の内部応力の各成分に対して成分ごとに予め定められた所定の値を乗算した値である。成分ごとに予め定められた所定の値は、例えば、成分に依らず同一の値k(kは0以外の実数)(以下「対象部位係数k」という。)であってもよい。
以下、成分に依らず同一の対象部位係数kが乗算された対象部位の内部応力を、同一内部応力という。成分ごとに予め定められた所定の値は、例えば、複数の成分の一部の成分に乗算される所定の値は対象部位係数k(kは0以外の実数)であり、複数の成分のその他の成分に乗算される所定の値は0であってもよい。以下、複数の成分の一部の成分に対象部位係数kが乗算され、複数の成分のその他の成分に0が乗算された対象部位の内部応力を、非同一内部応力という。
対象部位係数kは0以外の実数であればどのような値であってもよいが、対象部位係数kは、(-1)が望ましい。
図2において、モデルM1は、形状が第2の形状であり内部応力分布が第2の内部応力分布である解析対象の部材を表す。図2は、モデルM1において部材の一部にだけ内部応力が生じていることを示す。モデルM1において内部応力が生じている部位が対象部位である。対象部位に生じている第2の内部応力分布における内部応力は、第1の内部分布が示す対象部位の内部応力に対象部位係数kを乗算した値である。
ステップS102の次に、応力解析装置は第2解析を実行する(ステップS103)。具体的には、応力解析装置は、解析対象の部材に関する第2形状情報と、第2内部応力分布情報と、物性値情報とを有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、第3形状情報を算出する。第2内部応力分布情報は、第2の内部応力分布を示す情報である。第3形状情報は、第2の内部応力分布が示す内部応力による変形後の解析対象の部材の形状(以下「第3の形状」という。)である。
図2において、モデルR1は、形状が第3の形状であり内部応力が0である解析対象の部材を表す。図2は、モデルR1において、部材上の点P1と点P2との間の距離がW2(W1>W2>W0)であることを示す。図2は、モデルR1において、部材上の点P1と点P2と点P3とが一直線上に位置しないことを示す。モデルR1において、P1-P2線と点P3を通りP1-P2線に平行な線との距離はh2(h2は0<h2<h1)である。
ステップS103の次に、応力解析装置は、第2の形状と第3の形状とを比較し、第1変化量を取得する(ステップS104)。第1変化量は、予め内容が第1の内容に定義された量であって解析対象の部材の形状の変化に関する量(以下「第1定義量」という。)の、第2の形状から第3の形状への形状の変化における変化量である。第1変化量及び第1定義量の詳細は後述する。
ステップS104の次に、応力解析装置は、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量と、第1変化量とに基づいて、内部応力影響度を算出する(ステップS105)。内部応力影響度は、解析対象の形状の変化に対する対象部位の内部応力の影響の強さである。内部応力影響度は、例えば、スプリングバックにおける変形の内部応力の影響の強さである。内部応力影響度は、例えば、解析対象の形状の変化に対するスポット溶接の影響の強さである。内部応力影響度は、例えば、解析対象の形状の変化に対する熱応力の影響の強さである。
ステップS105で、応力解析装置は具体的には、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量に比例する値によって第1変化量を割り算した値を、内部応力影響度として算出する。対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量に比例する値は、例えば、対象部位係数kである。
ここで、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合を例にステップS105をより具体的に説明する。第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合、ステップS105では、例えば、対象部位係数kを(-1)倍した値によって第1変化量を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。なお、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が非同一内部応力である場合であっても同様である。すなわち、ステップS105では、対象部位係数kを(-1)倍した値によって第1変化量を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。内部応力影響度は、対象部位係数kを第1変化量で割り算した値であってもよい。
ステップS105において算出される内部応力影響度は、例えば、以下の式(1)によって表される。
Figure 0007280511000001
式(1)においてEは、内部応力影響度を表す。式(1)においてX1は、第1変化量を表す。
このような第1の実施形態における応力解析方法では、1回の第1解析と1回の第2解析との実行結果に基づいて、内部応力影響度が算出される。第2解析は、対象部位以外の部位における内部応力が0である第2の内部応力分布に基づいた弾性解析である。このように第2解析では一部にだけ内部応力が生じているため、たとえ、第2解析が大変形解析(非線形解析)であったとしても部材の全てに内部応力が発生している数値解析モデルについての弾性解析よりも演算の収束が早い。また、そのため、第2解析では、応力解析装置の計算負荷が少ない。また、第2解析では一部にだけ内部応力が生じているため、解析結果は微小変形解析(線形解析)と略同一の結果であり第2解析の解析結果は精度が高い。一方、例えば、特許文献2に記載の方法では、2回の第1解析の実行結果に基づいて、内部応力影響度が算出され、第2解析は実行されない。そのため、第1の実施形態における応力解析方法は、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。計算負荷の軽減の効果は、実験結果によって示されている。
特許文献2に記載の方法による内部応力影響度の算出までの時間と第1の実施形態の応力解析方法による内部応力影響度の算出までの時間とを比較した実験結果を説明する。実験において、特許文献2に記載の方法におけるモデル要素数と第1の実施形態の応力解析方法におけるモデル要素数とは同一であった。モデル要素数の定義は、有限要素法におけるメッシュの数である。また、実験において、特許文献2に記載の方法におけるモデル分割数と第1の実施形態の応力解析方法におけるモデル分割数とは同一であった。モデル分割数の定義は、対象部位の数である。実験では、モデル要素数は21359であり、モデル分割数は1776であった。実験において、コンピュータの演算速度は特許文献2に記載の方法と第1の実施形態における応力解析方法とで同一であった。実験において、第1形状情報、第1内部応力分布情報及び物性値情報は特許文献2に記載の方法と第1の実施形態における応力解析方法とで同一であった。実験の結果、特許文献2に記載の方法では、解析結果が出るまでに22.7時間を要した。一方、第1の実施形態の応力解析方法では、解析結果が出るまでに8.3時間を要した。このように、第1の実施形態の応力解析方法によって、63.4%の時間が短縮された。なお、解析結果は、特許文献2に記載の方法と第1の実施形態の応力解析方法とで略同一であった。
(第1変化量及び第1定義量の詳細)
図3~図9を用いて第1変化量及び第1定義量の詳細を説明する。
第1変位量は、例えば、解析対象の部材の所定の箇所の弾性変形による変位量(以下「点位置変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材の所定の箇所の位置である。
図3は、第1の実施形態における点位置変化量を説明する説明図である。
図3は、解析対象の部材のXY面内の形状が形状S1から形状S1´に変形することを示す。図3は、形状S1から形状S1´への変形によって、解析対象の部材の所定の箇所P4の位置が変位することを示す。具体的には、箇所P4は、X座標の座標値がXaであってY座標の座標値がYaの位置から、X座標の座標値がXa´であってY座標の座標値がYaの位置に移動する。
図3において、第1定義量は箇所P4の位置である。図3において、点位置変化量は(Xa´-Xa)である。図3において、形状S1が第2の形状であって形状S2が第3の形状である場合、第1変化量は(Xa´-Xa)である。
第1変化量は、例えば、解析対象の部材の所定の断面の角度の弾性変形による変化量(以下「第1角度変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材の所定の断面の角度である。
図4は、第1の実施形態における第1角度変化量を説明する説明図である。
図4は、解析対象の部材のXY面内の形状が形状S1から形状S1´に変形することを示す。図4は、形状S1から形状S1´への変形によって、部材の所定の断面の一辺に平行な線L1とY軸に平行な線とのなす角が0からθ1(θ1は0以外の実数)に変化することを示す。図4における線L1とY軸に平行な線とのなす角が解析対象の部材の所定の断面の角度である。
図4において、第1定義量は、線L1とY軸とのなす角である。図4において、第1角度変化量は線L1とY軸に平行な線とのなす角の変化量θ1である。図4において、形状S1が第2の形状であって形状S2が第3の形状である場合、第1変化量は線L1とY軸に平行な線とのなす角の変化量θ1である。なお、なす角は、線L1と解析対象の部材の変形によって位置又は向きが変わらない線(以下「基準線」という。)とのなす角であれば、必ずしも線L1とY軸に平行な線とのなす角でなくてもよい。図4において基準線はY軸に平行な線である。
第1変化量は、例えば、解析対象の部材の所定の2点を通る線の弾性変形による角度の変化量(以下「第2角度変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角である。
図5は、第1の実施形態における第2角度変化量を説明する説明図である。
図5は、解析対象の部材のXY面内の形状が形状S1から形状S1´に変形することを示す。図5は、解析対象の部材の第1の所定の箇所P5と第2の所定の箇所P6とを通る線L2と基準線とのなす角が、形状S1から形状S1´の変形によって、θ2からθ2´に変化することを示す(θ2及びθ2´は0以外の実数)。図5において基準線はX軸である。
図5において、第1定義量は、線L2と基準線とのなす角である。図5において、第2角度変化量は、線L2と基準線とのなす角の変化量(θ2´―θ2)である。図5において、形状S1が第2の形状であって形状S2が第3の形状である場合、第1変化量は、線L2と基準線とのなす角の変化量(θ2´―θ2)である。
第1変化量は、例えば、解析対象の部材の所定の2点間の距離の弾性変形による変化量(以下「第1距離変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材の所定の2点間の距離である。
図6は、第1の実施形態における第1距離変化量を説明する説明図である。
図6は、解析対象の部材のXY面内の形状が形状S1から形状S1´に変形することを示す。図6は、解析対象の部材の第3の所定の箇所P7と第4の所定の箇所P8との間の距離が、形状S1から形状S1´の変形によって、D1からD1´に変化することを示す。
図6において、第1定義量は、第3の所定の箇所P7と第4の所定の箇所P8との間の距離である。図6において、第1距離変化量は、第3の所定の箇所P7と第4の所定の箇所P8との間の距離の変化量(D1´―D1)である。図6において、形状S1が第2の形状であって形状S2が第3の形状である場合、第1変化量は、第3の所定の箇所P7と第4の所定の箇所P8との間の距離の変化量(D1´―D1)である。
第1変化量は、例えば、解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度の弾性変形による変化量(以下「第3角度変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度である。
図7は、第1の実施形態における第3角度変化量を説明する説明図である。
図7は、解析対象の部材の形状が形状S2から形状S2´に変形することを示す。図7は、線L3と線L4とのなす角が、形状S2から形状S2´への形状の変化によって、θ3からθ3´に変化することを示す(θ3及びθ3´は0以外の実数)。線L3は、解析対象の部材の1つの断面内の第5の所定の箇所9と第6の所定の箇所P10とを結ぶ線である。線L4は解析対象の部材の他の1つの断面内の第7の所定の箇所P11と第8の所定の箇所P12とを結ぶ線である。線L3と線L4とのなす角は、線L3と線L4とが非平行、かつ、交わらない場合(すなわち立体交差する場合)には、線L3´と線L4´とのなす角を意味する。線L3´は、線L3を線L3及び線L4に平行な面U上に射影した線である。線L4´は、線L4を面U上に射影した線である。
図7において、第1定義量は、線L3と線L4とのなす角である。図7において、第3角度変化量は、線L3と線L4とのなす角の変化量(θ3´―θ3)である。図7において、形状S2が第2の形状であって形状S2´が第3の形状である場合、第1変化量は、線L3と線L4とのなす角の変化量(θ3´―θ3)である。
第1変化量は、例えば、解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角の弾性変形による変化量(以下「第4角度変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角である。
図8は、第1の実施形態における第4角度変化量を説明する説明図である。
図8は、解析対象の部材の形状が形状S2から形状S2´に変形することを示す。図8は、解析対象の部材の線L5と線L6とのなす角が、形状S2から形状S2´への変形によって、θ4からθ4´に変化することを示す。線L5は、解析対象の部材の第9の所定の箇所P13と第10の所定の箇所P14とを通る線である。線L6は、解析対象の部材の第10の所定の箇所P14と第11の所定の箇所P15とを通る線である。図8においては、線L5と線L6とは、同一面内に位置し無いが、線L5と線L6とは同一面内に位置してもよい。
図8おいて、第1定義量は、線L5と線L6とのなす角である。図8において第4角度変化量は、線L5と線L6とのなす角の変化量(θ4´―θ4)である。図8において、形状S2が第2の形状であって形状S2´が第3の形状である場合、第1変化量は、線L5と線L6とのなす角の変化量(θ4´―θ4)である。
第1変化量は、例えば、解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離の弾性変形による変化量(以下「第2距離変化量」という。)であってもよい。この場合、第1定義量は、解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離である。
図9は、第1の実施形態における第2距離変化量を説明する説明図である。
図9は、解析対象の部材の形状が形状S1から形状S1´に変形することを示す。図9は、解析対象の部材の第12の所定の箇所P16と第13の所定の箇所P17とを通る線L7と点P18との間の距離が、形状S1から形状S1´への変形によって、D2からD2´に変化することを示す。
図9において、第1定義量は、線L7と第14の所定の箇所P18との間の距離である。図9において第2距離変化量は、線L7と第14の所定の箇所P18との間の距離の変化量(D2´―D2)である。図9において、形状S1が第2の形状であって形状S2が第3の形状である場合、第1変化量は、線L7と第14の所定の箇所P18との間の距離の変化量(D2´―D2)である。
ここまでで、第1の実施形態における応力解析方法の説明を終了する。次に、第1の実施形態における応力解析方法によって内部応力影響度を算出する応力解析装置1の一例を説明する。
図10は、第1の実施形態の応力解析装置1の機能構成の一例を示す図である。
応力解析装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部11を備え、プログラムを実行する。応力解析装置1は、プログラムの実行によって制御部11、入力部12、記憶部13及び出力部14を備える装置として機能する。より具体的には、プロセッサ91が記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、応力解析装置1は、制御部11、入力部12、記憶部13及び出力部14を備える装置として機能する。
入力部12は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部12は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部12は、自装置に対する各種情報の入力を受け付ける。各種情報は、第1形状情報、第1内部応力分布情報、物性値情報、部位指示情報及び部位応力指示情報を含む。部位指示情報は、対象部位を示す情報である。部位応力指示情報は、第2の内部応力分布における対象部位の内部応力(以下「指示応力」という。)に関する情報を示す。部位応力指示情報は、例えば、指示応力そのものを示してもよい。部位応力指示情報は、例えば、対象部位係数kを示してもよい。指示応力は、第1の内部応力分布の対象部位における内部応力に対象部位係数kの(-1)倍が乗算された値である。例えば、対象部位係数kは1であることが望ましい。以下、説明の簡単のため、部位応力指示情報が、対象部位係数kを示す場合を例に説明する。
入力部12は、入力された情報を制御部11に出力する。なお、部位指示情報が示す対象部位は、1つであってもよいし、複数であってもよい。すなわち、部位指示情報が示す対象部位は、解析対象の部材を形成するN個(Nは2以上の整数)の部位のうちのn個(nは1以上N以下の整数)の部位であってもよい。部位指示情報が示す対象部位が複数である場合、応力解析装置1は対象部位ごとに第2解析を実行し、対象部位ごとに内部応力影響度を推定する。なお、部位指示情報が示す対象部位は、メッシュ分割によって生成された有限要素法における要素を1つ含んでもよいし、複数含んでもよい。
記憶部13は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体を用いて構成される。記憶部13は応力解析装置1に関する各種情報を記憶する。記憶部13は、例えば、入力部12に入力された第1形状情報、第1内部応力分布情報、物性値情報、部位指示情報及び部位応力指示情報を記憶する。
出力部14は、各種情報を出力する。出力部14は、例えば、内部応力影響度を示す情報を出力する。出力部14は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部14は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。
図11は、第1の実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図である。
制御部11は、情報取得部111、第1解析部112、決定部113、第2解析部114及び算出部115を備える。情報取得部111は、第1形状情報、第1内部応力分布情報、物性値情報、部位指示情報及び部位応力指示情報を含む各種情報を取得する。情報取得部111が情報を取得するとは、情報取得部111が記憶部13から情報を読み出すことと、入力部12に入力された情報を取得することとのいずれか一方又は両方を意味する。
第1解析部112は、第1解析を実行する。すなわち、第1解析部112は、ステップS101の処理を実行する。第1解析部112は、第1解析の実行によって、第2の形状を算出する。すなわち、第1解析部112は、第1解析の実行によって第2形状情報を取得する。
決定部113は、ステップS102の処理を実行する。すなわち、決定部113は、部位指示情報、部位応力指示情報及び第1内部応力分布情報に基づいて、第2の内部応力分布を決定する。
第2解析部114は、ステップS103の処理を実行する。すなわち、第2解析部114は、第2解析を実行する。第2解析部114は、第2解析の実行によって、第3の形状を算出する。すなわち、第2解析部114は、第2解析の実行によって第3形状情報を取得する。
算出部115は、ステップS104及びステップS105の処理を実行する。すなわち、算出部115は、第2形状情報及び第3形状情報に基づき、内部応力影響度を算出する。算出部115は、第1変化量取得部501及び影響度取得部502を備える。第1変化量取得部501は、第2形状情報が示す形状と第3形状情報が示す形状とを比較し、第1変化量を算出する。すなわち第1変化量取得部501は、ステップS104の処理を実行する。影響度取得部502は、第1変化量及び対象部位係数kを用いて、内部応力影響度を算出する。すなわち影響度取得部502は、ステップS105の処理を実行する。
このように構成された第1の実施形態の応力解析装置1は、第1の実施形態における応力解析方法によって内部応力影響度を算出するため、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2実施形態の応力解析装置、応力解析方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。図12を用いて、第2の実施形態の応力解析装置が実行する応力解析方法を説明する。図12は、第2の実施形態における応力解析方法における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(応力解析方法)
図12において第1の実施形態における応力解析方法と同様の処理については図1と同様の符号を付すことで説明を省略する。
応力解析装置は、ステップS101~ステップS104の処理を実行する。次に、応力解析装置は、第1の形状と第2の形状とを比較し、第2変化量を取得する(ステップS201)。
第2変化量は、予め内容が第2の内容に定義された量であって解析対象の部材の形状の変化に関する量(以下「第2定義量」という。)の、第1の形状から第2の形状への形状の変化における変化量である。
第2定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の箇所の位置であってもよい。第2定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の断面の角度であってもよい。第2定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角であってもよい。第2定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の2点間の距離であってもよい。第2定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度であってもよい。第2定義量は、例えば、解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角であってもよい。例えば、第2定義量は、解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離であってもよい。
第2の内容は第1の内容と同様である。
例えば、第1定義量が解析対象の部材の所定の箇所の位置である場合には、第2定義量も解析対象の部材の所定の箇所の位置である。例えば、第1定義量が解析対象の部材の所定の断面の角度である場合には、第2定義量も解析対象の部材の所定の断面の角度である。例えば、第1定義量が解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角である場合には、第2定義量も解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角である。例えば、第1定義量が解析対象の部材の所定の2点間の距離である場合には、第2定義量も解析対象の部材の所定の2点間の距離である。例えば、第1定義量が解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度である場合には、第2定義量も解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度である。例えば、第1定義量が解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角である場合には、第2定義量も解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角である。例えば、第1定義量が解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離である場合には、第2定義量も解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離である。
ステップS201の次に、応力解析装置は、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量と、第1変化量と、第2変化量とに基づいて、内部応力影響度を算出する(ステップS202)。
ステップS202で、応力解析装置は具体的には、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量に比例する値と第2変化量とによって第1変化量を割り算した値を、内部応力影響度として算出する。ステップS202において算出される内部応力影響度は、例えば、以下の式(2)によって表される。
Figure 0007280511000002
式(2)においてEは、内部応力影響度を表す。式(2)においてX1は、第1変化量を表す。式(2)においてX2は、第2変化量を表す。なお、内部応力影響度は、対象部位係数kと第2変化量とによって第1変化量を割り算した値であってもよい。
ここで、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合を例にステップS202をより具体的に説明する。第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合、ステップS202では、対象部位係数kを(-1)倍した値と第2変化量とによって第1変化量を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。なお、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が非同一内部応力である場合であっても同様である。すなわち、ステップS202では、対象部位係数kを(-1)倍した値と第2変化量とによって第1変化量を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。
このような第2の実施形態における応力解析方法では、1回の第1解析と1回の第2解析との実行結果に基づいて、内部応力影響度が算出される。そのため、第2の実施形態の応力解析方法は、第1の実施形態の応力解析方法と同様に、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。
ここまでで、第2の実施形態における応力解析方法の説明を終了する。次に、第2の実施形態における応力解析方法によって内部応力影響度を算出する応力解析装置1aの一例を説明する。
図13は、第2の実施形態の応力解析装置1aの機能構成の一例を示す図である。
応力解析装置1aは、制御部11に代えて制御部11aを備える点で応力解析装置1と異なる。制御部11aは、プロセッサ91とメモリ92とを備える。以下、応力解析装置1と同様の機能を備えるものについては、図10と同様の符号を付すことで説明を省略する。
図14は、第2の実施形態における制御部11aの機能構成の一例を示す図である。
制御部11aは、算出部115に代えて算出部115aを備える点で制御部11と異なる。以下、制御部11と同様の機能を有するものについては、図11と同じ符号を付すことで説明を省略する。
算出部115aは、ステップS104、ステップS201及びステップS202の処理を実行する。すなわち、算出部115aは、第1の形状情報、第2形状情報及び第3形状情報に基づき、内部応力影響度を算出する。算出部115は、第1変化量取得部501、第2変化量取得部503及び影響度取得部502aを備える。第2変化量取得部503は、第1の形状と第2の形状とを比較し、第2変化量を算出する。すなわち、第2変化量取得部503は、ステップS201の処理を実行する。影響度取得部502aは、第1変化量、第2変化量及び対象部位係数kを用いて、内部応力影響度を算出する。すなわち、影響度取得部502aは、ステップS202の処理を実行する。
このように構成された第2の実施形態の応力解析装置1aは、第2の実施形態における応力解析方法によって内部応力影響度を算出するため、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3実施形態の応力解析装置、応力解析方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。図15を用いて、第3の実施形態の応力解析装置が実行する応力解析方法を説明する。図15は、第3の実施形態における応力解析方法における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(応力解析方法)
図15において第1の実施形態における応力解析方法又は第2の実施形態における応力解析方法と同様の処理については図1又は図12と同様の符号を付すことで説明を省略する。
応力解析装置は、ステップS101~ステップS103の処理を実行し、次にステップS201の処理を実行する。次に、応力解析装置は、第1の形状と第3の形状とを比較し、第3変化量を取得する(ステップS301)。
第3変化量は、予め内容が第3の内容に定義された量であって解析対象の部材の形状の変化に関する量(以下「第3定義量」という。)の、第1の形状から第3の形状への形状の変化における変化量である。
第3定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の箇所の位置であってもよい。第3定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の断面の角度であってもよい。第3定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角であってもよい。第3定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の2点間の距離であってもよい。第3定義量は、例えば、解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度であってもよい。第3定義量は、例えば、解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角であってもよい。例えば、第3定義量は、解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離であってもよい。
第3の内容は第2の内容と同様である。
例えば、第2定義量が解析対象の部材の所定の箇所の位置である場合には、第3定義量も解析対象の部材の所定の箇所の位置である。例えば、第2定義量が解析対象の部材の所定の断面の角度である場合には、第3定義量も解析対象の部材の所定の断面の角度である。例えば、第2定義量が解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角である場合には、第3定義量も解析対象の部材の所定の2点を通る線と基準線とのなす角である。例えば、第2定義量が解析対象の部材の所定の2点間の距離である場合には、第3定義量も解析対象の部材の所定の2点間の距離である。例えば、第2定義量が解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度である場合には、第3定義量も解析対象の部材の所定の2つの断面の間の角度である。例えば、第2定義量が解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角である場合には、第3定義量も解析対象の部材を通る2つの所定の線のなす角である。例えば、第2定義量が解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離である場合には、第3定義量も解析対象の部材の特定の2点を通る線と他の3つ目の点との間の距離である。
ステップS301の次に、応力解析装置は、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量と、第2変化量と、第3変化量とに基づいて、内部応力影響度を算出する(ステップS302)。
ステップS302で、応力解析装置は具体的には、例えば、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量に比例する値によって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値を算出する。算出された値が内部応力影響度である。このような場合ステップS302において算出される内部応力影響度は、例えば、以下の式(3)によって表される。
Figure 0007280511000003
式(3)において、Eは内部応力影響度を表す。式(3)においてX3は、第3変化量を表す。式(3)においてX2は第2変化量を表す。なお、内部応力影響度は、対象部位係数kによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値であってもよい。
ここで、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合を例に式(3)によって内部応力影響度が算出されるステップS302の処理をより具体的に説明する。第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合、ステップS302では、対象部位係数kによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。なお、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が非同一内部応力である場合であっても同様である。すなわち、ステップS302では、対象部位係数kによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。
なお、ステップS302で、応力解析装置は例えば、対象部位における第1の内部応力分布が示す内部応力から第2の内部応力分布が示す内部応力への変化量に比例する値と第2変化量とによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値を算出してもよい。算出された値が内部応力影響度である。このような場合ステップS302において算出される内部応力影響度は、例えば、以下の式(4)によって表される。
Figure 0007280511000004
式(4)において、Eは内部応力影響度を表す。式(4)においてX3は、第3変化量を表す。式(4)においてX2は第2変化量を表す。なお、内部応力影響度は、対象部位係数kと第2変化量とによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値であってもよい。
ここで、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合を例に式(4)によって内部応力影響度が算出されるステップS302の処理をより具体的に説明する。第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が同一内部応力である場合、ステップS302では、対象部位係数kを(-1)倍した値と第2変化量とによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。なお、第2の内部応力分布が示す対象部位の内部応力が非同一内部応力である場合であっても同様である。すなわち、ステップS302では、対象部位係数kを(-1)倍した値と第2変化量とによって第3変化量と第2変化量との差を割り算した値が、内部応力影響度として算出される。
このような第3の実施形態における応力解析方法では、1回の第1解析と1回の第2解析との実行結果に基づいて、内部応力影響度が算出される。そのため、第3の実施形態の応力解析方法は、第1の実施形態の応力解析方法と同様に、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。
ここまでで、第3の実施形態における応力解析方法の説明を終了する。次に、第3の実施形態における応力解析方法によって内部応力影響度を算出する応力解析装置1bの一例を説明する。
図16は、第3の実施形態の応力解析装置1bの機能構成の一例を示す図である。
応力解析装置1bは、制御部11aに代えて制御部11bを備える点で応力解析装置1aと異なる。制御部11bは、プロセッサ91とメモリ92とを備える。以下、応力解析装置1aと同様の機能を備えるものについては、図13と同様の符号を付すことで説明を省略する。
図17は、第3の実施形態における制御部11bの機能構成の一例を示す図である。
制御部11bは、算出部115aに代えて算出部115bを備える点で制御部11aと異なる。以下、制御部11aと同様の機能を有するものについては、図14と同じ符号を付すことで説明を省略する。
算出部115bは、ステップS201、ステップS301及びステップS302の処理を実行する。すなわち、算出部115bは、第1の形状情報、第2形状情報及び第3形状情報に基づき、内部応力影響度を算出する。算出部115bは、第2変化量取得部503、第3変化量取得部504及び影響度取得部502bを備える。第3変化量取得部504は、第1の形状と第3の形状とを比較し、第3変化量を算出する。すなわち、第3変化量取得部504は、ステップS301の処理を実行する。影響度取得部502bは、第2変化量、第3変化量及び対象部位係数kを用いて、内部応力影響度を算出する。すなわち影響度取得部502bは、ステップS302の処理を実行する。
このように構成された第3の実施形態の応力解析装置1bは、第3の実施形態における応力解析方法によって内部応力影響度を算出するため、特許文献2に記載の方法よりも計算負荷を軽減することができる。
(適用例)
以下、図18~図28を用いて、第1の実施形態における応力解析方法を適用した解析結果の一例を説明する。しかし、図18~図28の結果は、第2の実施形態又は第3の実施形態における応力解析方法を適用しても同様に得られる。
図18は、第1の実施形態における解析対象の部材の一例を示す図である。図18に示す解析対象の部材は、プレス成形によって成形され金型から取り出された直後(すなわち、離型直後)の部材である。
図19は、第1の実施形態における解析対象の部材における内部応力分布の一例を示す図である。図19(A)は、X方向の平均応力の分布を示す図である。図19(B)は、Y方向の平均応力の分布を示す図である。図19(C)は、板厚方向の偏差応力の分布を示す図である。上記平均応力は、内部応力についての板厚方向の平均値である。偏差応力は、内部応力から平均応力を引き算した値である。
図20~図22は、それぞれ、第1の実施形態における解析対象の部材のスプリングバックによる変位の分布の一例を示す第1~第3の図である。図20~図22に示す解析対象の部材は、板厚1.2mmの980MPa級冷延鋼板である。
図20は、第1の実施形態における解析対象の部材のスプリングバックによる変位の分布の一例を示す平面視の図である。図20は、色が濃いほど変位が大きいことを示す。図20のAA´における断面のスプリングバック前とスプリングバック後との形状の変化は図21に示す変化である。図20のBB´における断面のスプリングバック前とスプリングバック後との形状の変化は図22に示す変化である。
図23は、第1の実施形態における部位指示情報が示す対象部位の一例を示す第1の図である。図23は、解析対象の部材の表面に白又は黒の領域が交互に配置された模様を示す。白又は黒の領域の1つ1つはそれぞれ解析対象の部材を形成する部位であって部位指示情報が示す1つの対象部位である。部位指示情報が図23の各領域を指示する場合、応力解析装置1は、図23に示す領域ごとに内部応力影響度を取得する。
図24は、第1の実施形態における部位指示情報が示す対象部位の一例を示す第2の図である。図24は、解析対象の部材の表面に複数の領域が交互に配置されていることを示す。図24において、互いに隣接する領域は異なる色で表現されている。領域の1つ1つは、それぞれ解析対象の部材を形成する部位であって部位指示情報が示す1つの対象部位である。部位指示情報が図24の各領域を指示する場合、応力解析装置1は、図24に示す領域ごとに内部応力影響度を取得する。
図25は、第1の実施形態における部位指示情報が示す対象部位の一例を示す第3の図である。図25は、解析対象の部材の表面に複数の領域が交互に配置されていることを示す。図25において、互いに隣接する領域は異なる色で表現されている。領域の1つ1つは、それぞれ解析対象の部材を形成する部位であって部位指示情報が示す1つの対象部位である。部位指示情報が図25の各領域を指示する場合、応力解析装置1は、図25に示す領域ごとに内部応力影響度を取得する。
図26は、第1の実施形態における出力部14が表示する内部応力影響度を示す情報の一例を示す第1の図である。図26において、第1変化量は、図20に示すBB´の断面の両端及び中央の3節点の角度(以下「断面角度」という。)の変化量である。図26は、色が濃い部位ほど、平均応力及び偏差応力の変化による断面角度の変化が大きいことを示す。平均応力及び偏差応力は、内部応力から算出される応力である。
図26の結果は、第1対象部位係数条件と第2対象部位係数条件との元に、各部位ごとに応力解析装置1によって解析された結果である。第1対象部位係数条件は、対象部位の平均応力及び偏差応力に対する対象部位係数kが(-1)であるという条件である。第2対象部位係数条件は、対象部位以外の部位の平均応力及び偏差応力に対する対象部位係数kが0であるという条件である。
図27は、第1の実施形態における出力部14が表示する内部応力影響度を示す情報の一例を示す第2の図である。図27において、第1変化量は、断面角度の変化量である。図27は、色が濃い部位ほど、平均応力の変化による断面角度の変化が大きいことを示す。図27の結果は、第3対象部位係数条件と第4対象部位係数条件との元に、各部位ごとに応力解析装置1によって解析された結果である。第3対象部位係数条件は、対象部位の平均応力に対する対象部位係数kが(-1)であって、対象部位の偏差応力に対する対象部位係数kが0という条件である。第4対象部位係数条件は、対象部位以外の部位の平均応力及び偏差応力に対する対象部位係数kが0であるという条件である。
図28は、第1の実施形態における内部応力影響度を示す情報の一例を示す第3の図である。図28において、第1変化量は、断面角度の変化量である。図28は、色が濃い部位ほど、偏差応力の変化による断面角度の変化が大きいことを示す。図28の結果は、第5対象部位係数条件と第6対象部位係数条件との元に、各部位ごとに応力解析装置1によって解析された結果である。第5対象部位係数条件は、対象部位の偏差応力に対する対象部位係数kが(-1)であって、対象部位の平均応力に対する対象部位係数kが0という条件である。第6対象部位係数条件は、対象部位以外の部位の平均応力及び偏差応力に対する対象部位係数kが0であるという条件である。
(変形例)
入力部12は、自装置に対する各種情報の入力を受け付けるものであればどのようなものであってもよい。例えば入力部12は、自装置に対する各種情報を送信する外部装置と通信する通信インタフェースを含んで構成されるものであってもよい。
部位指示情報は必ずしも入力部12を介してユーザ又は外部装置によって入力される必要は無い。部位指示情報は、予め記憶部13に記憶されていてもよい。なお、部位応力指示情報は、必ずしも入力部12を介してユーザ又は外部装置によって入力される必要は無い。部位応力指示情報は、予め記憶部13に記憶されていてもよい。
第1形状情報及び第1内部応力分布情報は、外部装置によって所定の六自由度拘束条件の元に解析対象の部材の形状及び内部応力分布が解析された結果であってもよい。このような場合、第1形状情報及び第1内部応力分布情報は、入力部12を介して第1形状情報及び第1内部応力分布情報を取得した外部装置から応力解析装置1に入力されてもよいし、入力部12を介してユーザによって入力されてもよい。
解析対象の部材は、複数の部品によって構成されてもよい。図29は、変形例における解析対象の部材の一例を示す図である。図29は、スポット溶接打点を備える解析対象の部材を示す。図29に示す解析対象の部材は、スポット溶接打点によって溶接された二つの部品によって構成される。
なお、応力解析装置1、1a及び1bの各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
応力解析装置1、1a及び1bは、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、応力解析装置1、1a及び1bが備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、第1解析部112、決定部113及び第2解析部114と、算出部115とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、第1解析部112、決定部113及び第2解析部114と、算出部115aとはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。例えば、第1解析部112、決定部113及び第2解析部114と、算出部115bとはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1、1a、1b…応力解析装置, 11…制御部, 12…入力部, 13…記憶部, 14…出力部, 111…情報取得部, 112…第1解析部, 113…決定部, 114…第2解析部, 115、115a、115b…算出部

Claims (13)

  1. 部材の変形前の第1の形状を示す情報と、第1の内部応力分布を示す情報と、物性値を示す情報とを有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、前記第1の内部応力分布が示す内部応力に起因する変形による変形後の第2の形状を算出する第1解析ステップと、
    前記第1の内部応力分布と異なる内部応力分布であって、前記部材の一部である対象部位における内部応力が前記第1の内部応力分布が示す前記対象部位における内部応力に基づき演算処理を行った内部応力である第2の内部応力分布を決定する決定ステップと、 前記第2の形状を示す情報と、前記第2の内部応力分布と、前記物性値を示す情報を有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、前記第2の形状において前記第2の内部応力分布が示す内部応力が生じた場合の変形後の前記部材の形状である第3の形状を算出する第2解析ステップと、
    を有し、
    前記物性値は、ヤング率、ポアソン分布及び板厚を含む、
    応力解析方法。
  2. 前記第1解析ステップ及び前記第2解析ステップの解析結果に基づいて、前記部材の形状の変化に対する前記対象部位の内部応力の影響の強さを表す内部応力影響度を算出する算出ステップ、
    をさらに有する請求項1に記載の応力解析方法。
  3. 前記第2の内部応力分布における前記対象部位の内部応力の各成分の値は、前記第1の内部応力分布が示す前記対象部位の内部応力の各成分に対して成分ごとに予め定められた所定の値を乗算した値である、
    請求項2に記載の応力解析方法。
  4. 前記所定の値は、前記成分に依らず同一の値k(kは0以外の実数)である、
    請求項3に記載の応力解析方法。
  5. 複数の前記成分の一部の成分に乗算される前記所定の値は値k(kは0以外の実数)であり、複数の前記成分のその他の成分に乗算される前記所定の値は0である、
    請求項3に記載の応力解析方法。
  6. 前記内部応力影響度は、前記第2の形状及び前記第3の形状の比較により決定される前記部材の形状の変化量である第1変化量を、前記値kを(-1)倍した値によって割り算した値である、
    請求項4又は5に記載の応力解析方法。
  7. 前記内部応力影響度は、前記第2の形状及び前記第3の形状の比較により決定される前記部材の形状の変化量である第1変化量を、前記第1の形状及び前記第2の形状の比較により決定される前記部材の形状の変化量である第2変化量と前記値kを(-1)倍した値とによって割り算した値である、
    請求項4又は5に記載の応力解析方法。
  8. 前記内部応力影響度は、前記第1の形状及び前記第3の形状の比較により決定される前記部材の形状の変化量である第3変化量と前記第1の形状及び前記第2の形状の比較により決定される前記部材の形状の変化量である第2変化量との差を、前記値kを(-1)倍した値によって割り算した値である、
    請求項4又は5に記載の応力解析方法。
  9. 前記部材は、複数の部品によって構成される、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の応力解析方法。
  10. 前記対象部位は、前記部材を形成するN個(Nは2以上の整数)の部位のうちのn個(nは1以上N以下の整数)の部位である、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の応力解析方法。
  11. 前記部材の変形前の第1の形状は、プレス成形された部材の離型前の形状である、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の応力解析方法。
  12. 部材の変形前の第1の形状を示す情報と、第1の内部応力分布を示す情報と、物性値を示す情報とを有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、前記第1の内部応力分布が示す内部応力に起因する変形による変形後の第2の形状を算出する第1解析部と、
    前記第1の内部応力分布と異なる内部応力分布であって、前記部材の一部である対象部位における内部応力が前記第1の内部応力分布が示す前記対象部位における内部応力に基づき演算処理を行った内部応力である第2の内部応力分布を決定する決定部と、
    前記第2の形状を示す情報と、前記第2の内部応力分布と、前記物性値を示す情報を有する弾性解析のための数値解析モデルについて弾性解析を行い、前記第2の形状において前記第2の内部応力分布が示す内部応力が生じた場合の変形後の前記部材の形状である第3の形状を算出する第2解析部と、
    を備え
    前記物性値は、ヤング率、ポアソン分布及び板厚を含む、
    応力解析装置。
  13. 請求項12に記載の応力解析装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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