JP3626460B2 - 二次元応力場計測システム及び二次元応力場計測プログラム - Google Patents

二次元応力場計測システム及び二次元応力場計測プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次元応力場計測システム、二次元応力場計測方法及びプログラムに係り、特に、画像解析と逆解析理論を利用した二次元応力場計測システム、二次元応力場計測方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
材料試験装置を用いたいわゆる材料試験は、例えば、材料試験体に荷重をかけ、そのときの材料試験体の伸びや縮みを計測するものである。この材料試験では、材料試験体が一様に変形し、さらに、一様に応力を受けていると仮定し、材料試験体の平均的な応力を計測している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、材料試験体が破壊に至る直前の過程では、実際には、変形や応力は一様とはならない場合が想定される。これは、破壊前には亀裂等の損傷が材料試験体に発生し、そこに変形や応力が集中するためである。各種材料試験体の破壊の状態を正しく計測することは、各種材料を限界により近い状態まで効率的に使うことにつながる。したがって、破壊直前(又は、破壊時)の、特に損傷を受ける部分の一様でない変形や応力の状態を計測することが必要となっている。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、材料試験体の一様でない変形や応力の状態を計測し、破壊直前又は破壊時の材料試験体の特性をより正しく計測することを目的とする。また、本発明は、材料試験体の表面の変位の分布を高精度・高分解能の画像解析によって計測し、新しく確立された逆解析理論を用いて応力分布を推定・計測することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
前記撮影系により計測された標点の各位置に対応する少なくとも2成分のひずみ分布と、前記載荷系により計測された前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション分布とに基づき、前記試験体に関する所定の境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する3成分の応力分布を計算する解析系と
を備えた二次元応力場計測システムが提供される。
【0006】
本発明の第2の解決手段によると、
複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
前記載荷系及び前記撮影系で計測された値に基づいて、標点毎の応力分布を計測する解析系と
を備え、
前記解析系は、さらに、
前記撮影系により計測された、標点の各位置に対応する少なくとも2成分のひずみ量を、ひずみ分布として記憶する第1ファイルと、
前記載荷系により計測された、前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション量を、トラクション分布として記憶する第2ファイルと、
前記第1ファイル及び前記第2ファイルを読み出して、ひずみ分布及びトラクション分布に基づき設定された前記試験体に関する境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する少なくとも3成分の応力を計算する処理部と、
前記処理部により計算された応力を、応力分布として記憶する第3ファイルとを有する二次元応力場計測システムが提供される。
【0007】
本発明の第3の解決手段によると、
複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
前記載荷系及び前記撮影系で計測された値に基づいて、標点毎の応力分布を計測する解析系と
を備えた二次元応力場計測システムに用いられる二次元応力場計測方法であって、
前記撮影系により計測された、標点の各位置に対応する少なくとも3成分のひずみ量を、ひずみ分布として第1ファイルに記憶する機能と、
前記載荷系により計測された、前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション量を、トラクション分布として第2ファイルに記憶する機能と、
前記第1ファイル及び前記第2ファイルを読み出して、ひずみ分布及びトラクション分布に基づき設定された前記試験体に関する境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する3成分の応力を計算し、応力分布として第3ファイルに記憶する機能と
を含む二次元応力場計測方法が提供される。
【0008】
本発明の第4の解決手段によると、
複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
前記載荷系及び前記撮影系で計測された値に基づいて、標点毎の応力分布を計測する解析系と
を備えた二次元応力場計測システムに用いられる二次元応力場計測プログラムであって、
標点の各位置に対応する少なくとも3成分のひずみ量を、ひずみ分布として第1ファイルに記憶する手順と、
前記撮影系により計測された、前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション量を、トラクション分布として第2ファイルに記憶する手順と、
前記載荷系により計測された、前記第1ファイル及び前記第2ファイルを読み出して、ひずみ分布及びトラクション分布に基づき設定された前記試験体に関する境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する3成分の応力を計算し、応力分布として第3ファイルに記憶する手順と
をコンピュータに実行させるための二次元応力場計測プログラムが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、二次元応力場計測システム100の概略構成図である。
二次元応力場計測システム100は、例えば、載荷系1と、撮影系2と、解析系3とを備える。載荷系1は、例えば、一般的な載荷装置11と圧力計10とを含む。この載荷装置11は、例えば、この載荷装置11に設置された材料試験体(試験体)12に荷重を加える。圧力計10は、例えば、試験体12に加えられた圧力値(例えば、トラクション分布と呼ばれる試験体12と載荷装置11荷重部との境界に働く単位面積毎の力の分布)を、信号ケーブルを介して接続された解析系3に出力する。圧力値は、試験体12の上端、下端、測端又は複数端に加えられた値を適宜用いる。なお、圧力計10としてトランスデューサーを用いてもよい。撮影系2は、例えば、ディジタルビデオカメラ21を含む。このディジタルビデオカメラ21は、例えば、載荷系1に含まれる試験体12の表面の変位分布を計測する。なお、撮影系2では、ディジタルビデオカメラ21に限られず、ビデオカメラ、レーザー変位計等の適宜の撮影手段又は測定手段を用いることができる。また、解析系3は、例えば、ワークステーション31を含む。このワークステーション31は、例えば、撮影系2のディジタルビデオカメラ21より得られた変位分布からひずみ分布を計算し、さらに、載荷系1の圧力計10よりトラクション分布を得て、逆解析によって応力分布を推定・計測するコンピュータである。
【0010】
図2は、試験体12の拡大図である。
試験体12の表面には、例えば、複数の標点13が施されている。なお、この標点13は、試験体12の表面の適宜の位置に施されてもよい。撮影系2は、ディジタルビデオカメラ21により材料実験中の標点13の動きを撮影することで、試験体12の表面の変位分布を計測することになる。
【0011】
図3は、ワークステーション31の構成図である。
ワークステーション31は、例えば、インターフェース(I/F)部35と、演算部(CPU)32と、メモリ38とを含む。I/F部35は、例えば、各種データ(ここでは、載荷系1からのトラクション分布に関するデータ、撮影系2からのひずみ分布に関するデータ)を入力する。演算部32は、入力部35から入力された各種データに基づいて、計測・演算を行う。メモリ38は、例えば、ひずみ分布ファイル40、トラクション分布ファイル50、応力分布ファイル60を含む。また、演算部32は、演算した値等を、メモリ38に含まれる上述の所定のファイルに書き込み及び/又は読み出す。
つぎに、解析系3での処理について主に説明する。解析系3では、撮影系2で撮影された載荷系1より荷重を受けながら変形する試験体12の画像の解析を行う。
【0012】
図4は、二次元応力場計測システム100のフローチャートである。
まず、撮影系2のディジタルビデオカメラ21は、載荷系1より荷重を受けた試験体12の表面の標点の変位分布を測定し取得する(S101)。解析系3の演算部32は、この変位分布をI/F部35を介して入力し、その変位分布から試験体12の表面のひずみ分布を計算するための、高精度・高分解能の画像解析を行い、ひずみ分布を計算し、ひずみ分布ファイル40に記憶する(S102)。さらに、演算部32は、圧力計10で計測したトラクション分布をトラクション分布ファイル50に記憶する(S102)。解析系3の演算部32は、ひずみ分布ファイル40からひずみ分布を読み出し、トラクション分布ファイル50からトラクション分布を読み出し、これらの各分布から応力分布を推定・計測するための、新しい逆解析理論に基づく数値解析を行い、応力分布を推定・計測する(S103)。
【0013】
ステップS103においては、通常、撮影系2により撮影された画像から計測されるものは変位のみであるため、解析系3は、載荷系1より荷重を受けた材料試験体12の変形の様子を知ることはできるが、それだけでは、材料試験としては不十分である。なぜなら、通常変形のみならず、応力も同時に測らなければ、材料の特性を知ることができないためである。そこで、本実施の形態の二次元応力場計測システム100は、高い空間分解能や高い精度で変形を計測することに加え、新しく構築された逆解析理論を応用することで、応力分布の推定・計測を可能とするものである。このため、二次元応力場計測システム100では、分解能や精度を極限まで上げた高度な定量的画像解析が必要となり、解析データ取得に見合う分解能や精度での画像解析が重要となる。
【0014】
以下に、ステップS103での逆解析理論とその応用について説明する。この解析系3による数値解析は特に重要な解析であって、例えば、上述の画像解析によって得られるデータ(後述のひずみ分布ファイル40、トラクション分布ファイル50等)を利用して設定される境界値問題を解くことで、応力分布を表す関数を求めるものである。応力分布の境界値問題を設定するところに、新しく確立された逆解析理論(応力逆解析理論)が利用される。
【0015】
図5は、解析系3の応力逆解析理論に基づく数値解析のフローチャートである。
解析系3の応力逆解析理論による数値解析では、まず、演算部32は、画像解析より計測されたひずみ分布に基づくひずみ分布ファイル40を、メモリ38から読み出し(S1031)、さらに、試験体12の縁のトラクション計測の結果又は仮定に基づくトラクション分布ファイル50を、メモリ38から読み出す(S1032)。
【0016】
つぎに、演算部32は、ステップS1031、S1032から読み出されたデータを基に、応力成分に関する境界値問題を設定する(S1033)。演算部32は、ステップS1033で設定された境界値問題を、いわゆる有限要素法と同様、弱形式を用いた定式化と数値解法の適用によって解き、応力分布の計算を行い(S1034)、この計算結果を応力分布ファイル60に書き込む(S1035)。
【0017】
以下、上述のフローチャートの主なステップの処理を詳細に説明する。
(境界値問題の設定:ステップS1033について)
図6は、ひずみ分布ファイル40及び要素構成ファイル49の説明図である。
図6(a)に示すように、ひずみ分布ファイル40は、例えば、試験体12の標点13の位置に関するひずみが記憶されているファイルである。このひずみ分布ファイル40は、例えば、ポイントID42、位置(x、y)43、ひずみ量(εxx、εyy、εxy)44を含む。
【0018】
また、ひずみ分布ファイル40の代わりに要素構成を示すファイルを用いてもよい。要素構成ファイル49は、例えば、ひずみ分布ファイル40と同様に、試験体12の標点13の位置に関するひずみの種類(ここでは、「要素構成」という概念)が記憶されているファイルである(図6(b))。この要素構成ファイル49は、例えば、要素番号46、要素タイプ(例えば、15節点三角形)47、要素構成ID(例えば、1〜15)48を含む。なお、要素構成ファイル49は、例えば、上述のステップS102で作成することになるが、ユーザの選択により、適宜作成しないようにすることもできる。
【0019】
図7は、トラクション分布ファイル50の説明図である。
トラクション分布ファイル50は、例えば、ポイントID51、位置(x、y)52、トラクション量(t、t)53を含む。トラクションとは、例えば、上述のように、「境界に働く単位面積毎の力」とされる。境界は、試験体12の縁を指し、例えば、試験体12が四角形であれば四つの辺が境界となる。トラクションの計測では、例えば、縁に何も接触していない場合、トラクションを0とし、一方、縁に何か接触している場合、その接触している物体に圧力計10(例えば、トランスデューサー)を当てて圧力を計測し、トラクションを近似的に評価する。トラクション分布ファイル50は、例えば、材料試験体12の縁(境界)でのトラクションを計測又は仮定することで得られるファイルである。なお、このトラクション分布ファイル50に含まれるトラクションは、応力成分の境界条件となる。
【0020】
以下、演算部32での計算過程を詳細に説明する。
載荷系1で荷重を加えられ、平面応力状態や平面ひずみ状態にある材料試験体12では、考慮すべき材料内の応力成分は3成分、即ち、xx成分、yy成分、xy成分のみである。この3成分は、以下の2つの釣り合い式(1)(2)を満たしている。
δσxx/δx+δσxy/δy=0 (1)
δσxy/δx+δσyy/δy=0 (2)
【0021】
ここで、2つの釣り合い式(1)(2)は、xとyを座標系として、応力成分xx成分、yy成分、xy成分を、それぞれσxx、σyy、σxyとしたものである。なお、σxxとσyyは、x方向とy方向の直応力であり、σxyは、せん断応力である。
【0022】
また、ひずみとこの応力3成分の間に一つの関係式(次式(3))が分かっていれば、ひずみを計測し、これを解析データとすると、3つの応力成分に対し、つりあい式とひずみの解析データの3つの式が成り立つことになる。すなわち、十分な数の条件式が応力成分に与えられることになる。
σxx+σyy=κ(εxx ̄+εyy ̄) (3)
【0023】
ここで、εxx ̄とεyy ̄は、ひずみのxxとyy成分、κは、適宜仮定された定数(例えば、弾性定数)である。なお、明細書中、「 ̄」は、直接又は間接的に計測可能な既知の値を示すものであり、実際には、各式中文字のそれぞれ真上に付されたものと同一である。
【0024】
以上より、演算部32は、ステップS101、S102において、試験体12のひずみ分布と縁のトラクション分布を計測することで得られたひずみ分布ファイル40及びトラクション分布ファイル50を、メモリ38から読み出し(S1031、S1032)、さらに、「3つの条件式と境界条件」に基づいて、応力3成分に対する境界値問題を設定する(S1033)。
【0025】
ここで、「3つの条件式と境界条件」による境界値問題の具体例について説明する。この境界値問題は、偏微分方程式を支配方程式としており、以下、数理的に表現する。 まず、いわゆるエイリの応力関数Aは、次式のように、釣り合い状態にある応力成分を与える。
【0026】
【数6】
Figure 0003626460
【0027】
つぎに、エイリの応力関数Aに対する境界値問題は、以下の支配方程式及び境界条件により表現される。
支配方程式は、
【0028】
【数7】
Figure 0003626460
となる。
境界条件は、
【0029】
【数8】
Figure 0003626460
となる。
ここで、nとnを、境界の単位法線ベクトルのx方向成分とy方向成分、κは、仮定された弾性定数である。
【0030】
また、ε ̄とr ̄は、計測されたひずみεxx、εyyとトラクションで決定される次の関数である。
【0031】
【数9】
Figure 0003626460
【0032】
ここで、εxx ̄、εyy ̄は、直ひずみのx方向成分とy方向成分であり、t ̄、t ̄は、トラクションのx方向成分とy方向成分である。
なお、ひずみと応力の関係式が線形であれば、応力3成分に対する境界値問題は線形となる。また、ひずみと応力の関係式が線形でない場合でも、ひずみと応力の増分の間には線形関係が成立すれば、応力増分の3成分に関しては、同様に線形の境界値問題を設定することができる。
【0033】
(応力分布の計算:ステップS1034について)
演算部32により、ステップS1033で設定された応力ないし応力増分に対する線形境界値問題は、その線形性により、数値計算によって解を求めることができる。なお、計測データとなるひずみ分布やトラクション分布をこの境界値問題に取り入れたり、また、線形問題を正確に計算するには、相応の工夫が必要となる。
【0034】
演算部32は、応力逆解析理論による数値解析コードにおいて、例えば、堅牢性や適用範囲を考慮し、いわゆる有限要素法と同様に、弱形式を用いた定式化と、値積分や形状関数に高度な数値テクニックを適用した解析手法で上述の境界値問題を解く。即ち、上述の境界値問題に対し、支配方程式の弱形式の主要部(領域内の積分)は、次のように積分表示することができる。
【0035】
【数10】
Figure 0003626460
【0036】
ここで、ψは、重み関数であり、εxx ̄、εyy ̄は、計測された変位のx方向成分とy方向成分である。なお、この弱形式によれば、計測された変位を直接データとして用いることができる。その後、演算部32は、境界値問題を解くことで得られる応力分布の計算結果を、応力分布ファイル60に書き込む。
【0037】
図8は、応力分布ファイル60の説明図である。
応力分布ファイル60は、例えば、境界値問題を解くことで得られる応力分布の計算結果を示しており、ポイントID61、位置(x、y)62、応力(σxx、σyy、σxy)63を含む。
【0038】
【発明の効果】
本発明によると、以上説明した通り、材料試験体の一様でない変形や応力の状態を計測し、破壊直前又は破壊時の材料試験体の特性をより正しく計測することができる。また、本発明によると、材料試験体の表面の変位の分布を高精度・高分解能の画像解析によって計測し、新しく確立された逆解析理論を用いて応力分布を推定・計測することができる。また、本発明によると、材料を限界に近い状態まで使うことができ材料利用の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二次元応力場計測システム100の概略構成図。
【図2】試験体12の拡大図。
【図3】ワークステーション31の構成図。
【図4】二次元応力場計測システム100のフローチャート。
【図5】解析系3の応力逆解析理論に基づく数値解析のフローチャート。
【図6】ひずみ分布ファイル40の説明図。
【図7】トラクション分布ファイル50の説明図。
【図8】応力分布ファイル60の説明図。
【符号の説明】
1 載荷系
2 撮影系
3 解析系
10 圧力計
11 載荷装置
12 試験体
21 ディジタルビデオカメラ
31 ワークステーション
40 ひずみ分布ファイル
50 トラクション分布ファイル
60 応力分布ファイル
100 二次元応力場計測システム

Claims (10)

  1. 複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
    前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
    前記撮影系により計測された標点の各位置に対応する少なくとも2成分のひずみ分布と、前記載荷系により計測された前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション分布とに基づき、前記試験体に関する所定の境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する3成分の応力分布を計算する解析系と
    を備えた二次元応力場計測システム。
  2. 複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
    前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
    前記載荷系及び前記撮影系で計測された値に基づいて、標点毎の応力分布を計測する解析系と
    を備え、
    前記解析系は、さらに、
    前記撮影系により計測された、標点の各位置に対応する少なくとも2成分のひずみ量を、ひずみ分布として記憶する第1ファイルと、
    前記載荷系により計測された、前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション量を、トラクション分布として記憶する第2ファイルと、
    前記第1ファイル及び前記第2ファイルを読み出して、ひずみ分布及びトラクション分布に基づき設定された前記試験体に関する境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する少なくとも3成分の応力を計算する処理部と、
    前記処理部により計算された応力を、応力分布として記憶する第3ファイルとを有する二次元応力場計測システム。
  3. 前記撮影系により計測されるひずみ量は、試験体のxx成分及びyy成分の変位を含み、
    前記載荷系により計測されるトラクション量は、試験体のx成分及びy成分のトラクションを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の二次元応力場計測システム。
  4. 前記ひずみ分布は、試験体のx方向の直応力、y方向の直応力、せん断応力を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二次元応力場計測システム。
  5. 前記解析系は、前記試験体において、次のつり合い式及び関係式に基づき、前記トラクション量を境界条件として境界値問題を計算するようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の二次元応力場計測システム。
    δσxx/δx+δσxy/δy=0
    δσxy/δx+δσyy/δy=0
    σxx+σyy=κ(εxx ̄+εyy ̄)
    (ここで、σxx、σyy、σxyは、応力成分のxx成分(直応力)、yy成分(直応力)、xy成分(せん断応力)、また、εxx ̄、εyy ̄は、ひずみのxx成分、yy成分、また、κは、仮定された弾性定数)
  6. 前記解析系は、
    前記境界値問題を、釣り合い状態にある応力成分を与える次式と、
    Figure 0003626460
    (ここで、Aは、エイリの応力関数、σxx、σyy、σxyは、応力成分のxx成分(直応力)、yy成分(直応力)、xy成分(せん断応力))
    支配方程式である次式と、
    Figure 0003626460
    (ここで、κは仮定された弾性定数、ε ̄は、ひずみのx成分εxx ̄及びy成分εyy ̄に基づいて得られる値)
    境界条件である次式と
    Figure 0003626460
    (ここで、nとnは境界の単位法線ベクトルのx方向成分とy方向成分、r ̄はトラクションのx成分t ̄とy成分t ̄に基づいて得られる値)
    により、境界値問題を計算するようにした請求項1乃至5のいずれかに記載の二次元応力場計測システム。
  7. 値ε ̄と値r ̄は、それぞれ計測されたひずみ量及びトラクション量に基づいて、次式により決定されるようにした請求項6に記載の二次元応力場計測システム。
    Figure 0003626460
    (ここで、nとnは境界の単位法線ベクトルのx方向成分とy方向成分、εxx ̄とεyy ̄はひずみのx成分とy成分、t ̄とt ̄はトラクションのx成分とy成分、lは領域)
  8. 前記解析系は、設定された境界値問題を、前記支配方程式の弱形式を次式のように積分表示することにより、前記標点の変位を直接データとして用いるようにした請求項6又は7に記載の二次元応力場計測システム。
    Figure 0003626460
    (ここで、ψは、重み関数、εxx ̄、εyy ̄は、計測された変位のx方向成分とy方向成分)
  9. 複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
    前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
    前記載荷系及び前記撮影系で計測された値に基づいて、標点毎の応力分布を計測する解析系と
    を備えた二次元応力場計測システムに用いられる二次元応力場計測方法であって、
    前記撮影系により計測された、標点の各位置に対応する少なくとも3成分のひずみ量を、ひずみ分布として第1ファイルに記憶する機能と、
    前記載荷系により計測された、前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション量を、トラクション分布として第2ファイルに記憶する機能と、
    前記第1ファイル及び前記第2ファイルを読み出して、ひずみ分布及びトラクション分布に基づき設定された前記試験体に関する境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する3成分の応力を計算し、応力分布として第3ファイルに記憶する機能と
    を含む二次元応力場計測方法。
  10. 複数の標点を含む試験体に荷重を加え、試験体の縁又は境界の各位置において加えられる力を示すトラクションを測定する載荷系と、
    前記載荷系により加えられた荷重による前記試験体の各標点の変位を計測する撮影系と、
    前記載荷系及び前記撮影系で計測された値に基づいて、標点毎の応力分布を計測する解析系と
    を備えた二次元応力場計測システムに用いられる二次元応力場計測プログラムであって、
    標点の各位置に対応する少なくとも3成分のひずみ量を、ひずみ分布として第1ファイルに記憶する手順と、
    前記撮影系により計測された、前記試験体の縁又は境界の各位置に対応する圧力を示す少なくとも2成分のトラクション量を、トラクション分布として第2ファイルに記憶する手順と、
    前記載荷系により計測された、前記第1ファイル及び前記第2ファイルを読み出して、ひずみ分布及びトラクション分布に基づき設定された前記試験体に関する境界値問題を解くことにより、標点の各位置に対応する3成分の応力を計算し、応力分布として第3ファイルに記憶する手順と
    をコンピュータに実行させるための二次元応力場計測プログラム。
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