JP2020086572A - 部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象部材を効率的に評価することのできる部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムを提供することを目的とする。【解決手段】切欠き半径推定部21は、対象部材の解析モデルを用いて、対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定部27と、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、第1応力及び第2応力に基づいて、対象部材における所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定部28とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムに関するものである。
金属等で構成される部材の評価(安全率や疲労寿命等の評価)は、例えば解析モデルに対して有限要素解析を適用し応力分布を求める方法や、多数の疲労試験の実施結果に基づく方法等を用いて行われている。
例えば、特許文献1には、自由熱膨張試験、熱疲労試験、及び引張試験の3種類を用いて材質を評価することが記載されている。
特開平4−143634号公報
しかしながら、解析モデルを用いて有限要素解析を行う場合、対象部材の大規模化や複雑化等に伴って評価点が膨大となり、解析に多大な時間を要する場合がある。また、多数の疲労試験を行う場合には、十分な試験結果データを取得するために多大な時間を要する場合がある。
特に、評価対象の部材の表面形状が連続的に変化している場合には、部材表面の各位置において、応力集中係数や、部材内部の応力分布の影響を反映した疲労強度低下係数を推定することが困難である。このため、表面応力のみを考慮して安全率を評価する等の方法が用いられており、過安全の評価となってしまう傾向にある。このように、部材内部の応力分布等を考慮してより正確に部材の評価を行うことが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、対象部材を効率的に評価することのできる部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、対象部材の解析モデルを用いて、前記対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、前記所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定部と、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、前記第1応力及び前記第2応力に基づいて、前記対象部材における前記所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定部と、を備える部材評価システムである。
上記のような構成によれば、対象部材を評価するための切欠き半径を効率的に推定することが可能となる。具体的には、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用いることによって、対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力の2点に基づいて切欠き半径を推定することができる。すなわち、部材内部の応力分布を反映して、部材を評価するための切欠き半径を推定することが可能となる。また、切欠き半径を推定するためのデータを最小限に抑制できるため、対象部材の解析モデルの大規模化・複雑化にも対応して、対象部材をより効率的に評価することが可能となる。
上記部材評価システムにおいて、前記半径推定部において用いる前記関係性は、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を式で示した西谷式であることとしてもよい。
上記のような構成によれば、西谷式を用いることで効率的に切欠き半径を推定することが可能となる。
上記部材評価システムにおいて、前記半径推定部は、前記関係性を用いて前記第1応力及び前記第2応力により前記対象部材における応力分布を特定し、特定した応力分布を弾塑性応力の分布へ変換し、前記関係性を用いて応力分布が前記弾塑性応力の分布となる場合に想定される切欠きの切欠き半径を推定することとしてもよい。
上記のような構成によれば、対象部材における深さ方向の応力分布を特定し、特定した応力分布を弾塑性応力の分布へ変換するため、塑性変形を考慮することができる。このため、低サイクル疲労評価にも適応することができる。
上記部材評価システムにおいて、前記半径推定部は、Neuber則を用いて前記変換を行うこととしてもよい。
上記のような構成によれば、Neuber則を用いることによって、時間やコストを要する弾塑性の有限要素解析(FEM計算)を行うことなく、弾性の有限要素解析(FEM計算)等の結果による応力分布を用いて、弾塑性応力の分布を得ることができる。すなわち、より効率的に弾塑性応力の分布を得ることが可能となる。
上記部材評価システムにおいて、前記応力推定部は、前記対象部材に対して推定される最大荷重状態及び最小荷重状態のそれぞれにおいて、前記第1応力及び前記第2応力を推定し、前記半径推定部は、前記最大荷重状態に対応した切欠き半径と、前記最小荷重状態に対応した切欠き半径とを推定することとしてもよい。
上記のような構成によれば、対象部材に対して推定される最大荷重状態及び最小荷重状態のそれぞれに応じた切欠き半径を推定し、効率的に部材評価を行うことができる。
上記部材評価システムにおいて、前記対象部材の引張強さを用いて、前記対象部材における疲労限度を推定する疲労限度推定部と、前記疲労限度に基づいて、前記対象部材に生じている固有欠陥の長さを推定する長さ推定部と、前記半径推定部において推定した前記切欠き半径と、前記長さ推定部において推定した前記固有欠陥の長さとを用いて、応力拡大係数を算出する算出部と、を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、推定した切欠き半径と、推定した固有欠陥の長さとを用いることによって、対象部材における応力拡大係数を容易に算出することができる。例えば、重ね合せの式を用いて応力拡大係数を算出する場合と比較して、精度を向上させることができる。
上記部材評価システムにおいて、前記算出部は、Lukasの式を用いて前記応力拡大係数を算出することとしてもよい。
上記のような構成によれば、例えば重ね合わせ法やBuchaletの手法と比較し、精度良く簡便に応力拡大係数を算出することが可能となります。
上記部材評価システムにおいて、前記対象部材における平均応力に基づいて、き裂進展下限界値を推定する限界値推定部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、き裂進展下限界値を容易に推定することができる。
上記部材評価システムにおいて、前記応力拡大係数と、前記き裂進展下限界値とに基づいて、前記対象部材における安全率を算出する安全評価部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、応力拡大係数及びき裂進展下限界値によって安全率を算出することができ、対象部材を効果的に評価することができる。
上記部材評価システムにおいて、前記安全率に基づいて、疲労寿命を評価する寿命評価部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、疲労寿命を容易に評価することができる。
本発明の第2態様は、対象部材の解析モデルを用いて、前記対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、前記所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定工程と、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、前記第1応力及び前記第2応力に基づいて、前記対象部材における前記所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定工程と、を有する部材評価方法である。
本発明の第3態様は、対象部材の解析モデルを用いて、前記対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、前記所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定処理と、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、前記第1応力及び前記第2応力に基づいて、前記対象部材における前記所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定処理と、をコンピュータに実行させるための部材評価プログラムである。
本発明によれば、対象部材を効率的に評価することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る部材評価システムの対象部材の断面図を例示した図である。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムの対象部材における切欠きを例示した図である。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムのハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムが備える機能を示した機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムにおいて推定した第1応力と第2応力の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムの対象部材における切欠きを例示した図である。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムにおけるき裂進展下限界値と平均応力の関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る部材評価システムにおける部材評価のフローチャートを示した図である。 本発明の第2実施形態に係る低サイクル疲労における応力分布の一例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る部材評価システムにおける応力−ひずみ関係を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る弾塑性応力変換の例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る弾塑性応力変換の例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る弾塑性応力変換の例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る弾塑性応力変換の例を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る弾塑性応力分布を示した図である。 構造体解析・評価システムの概念図である。
〔第1実施形態〕
以下に、本発明に係る部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムの第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、切欠き半径推定部(切欠き半径推定システム)21及び固有欠陥長推定部(固有欠陥長推定システム)22が部材評価システム20に含まれる場合について説明するが、切欠き半径推定システム及び固有欠陥長推定システムはそれぞれ単体として用いることとしてもよい。なお、本実施形態において、切欠き3とは、部材における表面から内部方向の応力分布を等価的に表現した部材表面における仮想的な切欠きであり、後述する西谷式を用いて該応力分布を切欠き半径ρとして表したものである。固有欠陥4とは、内部のグラファイト2等の影響を部材表面に欠陥として等価的に想定したものであり、後述するように、引張強さから算出される。このように、切欠き3や固有欠陥4は、部材表面に実在するものではなく、部材評価のために仮想的に表したものである。すなわち、解析モデルより得た内部方向の応力分布の影響を切欠き3(切欠き半径)として表し、内部のグラファイト2等の影響を固有欠陥4として表し、切欠き3及び固有欠陥4に基づいて評価を行うことで、精度良く効率的に部材を評価することができる。
本実施形態に係る部材評価システム20は、例えば、図16に示されるような構造体を総合的に評価する構造体解析・評価システム100に組み込まれる。図16は、構造体解析・評価システム100の機能構成を概念的に示した図である。構造体を解析して評価するためには、有限要素解析等の解析手法が用いられるが、構造体の大規模化や高度化(複雑化)、評価手法の多様化に伴って課題が生じている。具体的には、該課題として、(1)構造体の大規模化や高度化(複雑化)に伴って解析に要する時間及びコストが増大すること、(2)構造体の大規模化や高度化(複雑化)に伴って全体的な解析及び評価を行うことができず部分的(位置的、時間的、条件的)な解析となってしまうこと、(3)一般的に用いられる(例えば、市販の)大規模対応評価システムでは個々に評価手法が異なり、統一できないこと、(4)評価手法の多様化に伴って、評価手法の選択によって結果に誤差が生じてしまうこと、(5)評価手法の多様化に伴って、使用者の評価の標準化が困難であること、等が挙げられる。すなわち、構造体解析・評価システム100では、上記課題を解決して総合的に構造体を解析及び評価できるものである。
具体的には、構造体解析・評価システム100では、構造体の設計データ101等(例えば、CADデータ)が入力されると、材料データベース107等のデータベースより構造体の解析に必要な情報(例えば、ヤング率等)を取得し、解析モデルを構築する(102)。そして、構築した解析モデルを解析すること(所定の解析コードによる解析を行うこと)によって(103)、例えば応力(応力分布等)を抽出する(104)。なお、応力以外の指標について解析を行うこととしてもよい。そして、抽出した応力や、材料データベース107等の各種データベースの情報(例えば、SN線図等)に基づいて、メタル強度評価や複合材強度評価、振動評価等の所定の評価項目に従って構造体を評価する(105)。なお、解析モデルの構築に対して、所定の最適化手法を用いて最適化(例えば、解析を効率的に行うための最適化等)を行ってもよい(106)。また、最適化処理としては、解析モデルによる解析結果を用いて最適化を行い、解析モデルを再構築(最適化)してもよいし、再構築した解析モデルによる解析を実行して再度最適化を行う等のループ処理を行うこととしてもよい。
すなわち、構造体解析・評価システム100は、解析モデルを統括的に解析及び評価できる総合的なプラットフォームとして構成されている。本実施形態における部材評価システム20は、構造体解析・評価システム100を構築するための一部として組み込むことが可能とされている。具体的には、部材評価システム20は、部材の評価(疲労状態等)を行う。なお、部材評価システム20は、図16のような構造体解析・評価システム100に組み込まれてもよいし、構造体の接合部を評価するシステムとして個別に設けられてもよい。
本実施形態における評価の対象部材は、主に金属部材であり、特に、鋳鉄(鋳物)1である。鋳鉄1は、複雑な形状の物が容易に製造できる一方で、図1に示すように鋳鉄1内にはグラファイト2が晶出しており強度が低下する可能性がある。このため、特に鋳鉄1においては、き裂進展下限界値による疲労安全率の評価や、疲労寿命の評価等を実施する必要がある。以下の説明では、鋳鉄1を評価対象部材とする場合について説明するが、鋳鉄1に限定されず、様々な材料の部材を評価対象部材とすることが可能である。本実施形態における部材評価システム20は、複雑な表面形状の対象部材にも対応し、部材の内部における(深さ方向)の応力分布を考慮して部材の評価を行うことが可能である。鋳鉄1は例えばシリンダヘッド等に用いられる。
部材評価システム20は、対象部材に対して仮想的に想定される切欠き3の切欠き半径及び固有欠陥4の長さを推定し、これらに基づいて疲労安全率の評価や疲労寿命の評価を行う(破壊力学的評価)。鋳鉄1には、表面から内部方向において応力分布が存在している。また、図1に示すように、鋳鉄1には多数のグラファイト2が含まれており、これらのグラファイト2は鋳鉄1の強度劣化に影響を及ぼしている。このため、部材評価システム20は、鋳鉄1の内部における応力分及びグラファイト2の影響を、図2に示すように切欠き3(仮想的な切欠き)及び固有欠陥4として仮定し、仮定した切欠き3及び固有欠陥4を元に強度評価を行う。
図3は、本発明の第1実施形態に係る部材評価システム20のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。部材評価システム20は、図3に示すように、コンピュータ(計算機システム)を有し、例えば、CPU11、CPU11が実行するプログラム及びこのプログラムにより参照されるデータ等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能する主記憶装置13、ネットワークに接続するための通信インターフェース14、キーボードやマウス等からなる入力部15、及びデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部16等を備えている。これら各部は、例えば、バス18を介して接続されている。補助記憶装置12は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が一例として挙げられる。
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で補助記憶装置12に記憶されており、このプログラムをCPU11が主記憶装置13に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、補助記憶装置12に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
図4は、本実施形態に係る部材評価システム20が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。図4に示すように、部材評価システム20は、切欠き半径推定部21と、固有欠陥長推定部22と、算出部23と、限界値推定部24と、安全評価部25と、寿命評価部26とを備えている。
なお、切欠き半径推定部21及び固有欠陥長推定部22は、図1に示すような対象部材を図2に示すような切欠き3及び固有欠陥4を有する部材として示した場合における切欠き半径ρ及び固有欠陥4の長さaを推定し、部材を評価する。
切欠き半径推定部21は、対象部材に対して仮想的に想定した切欠き3における切欠き半径を想定する。このため、切欠き半径推定部21は、応力推定部27と、半径推定部28とを有している。
応力推定部27は、対象部材の解析モデルを用いて、対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する。対象部材の解析モデルとは、対象部材を有限要素解析等により解析可能なように、対象部材の形状や材料に係る情報等の部材解析に必要な情報を含んで構成される数理モデル(論理モデル)である。すなわち、解析モデルに対して有限要素解析等を適用することによって、仮想的に対象部材の解析(各所定位置における応力解析)を行うことができる。なお、解析モデルは、部材解析に必要な情報であれば、上記に限らず含めることが可能である。
応力推定部27は、解析モデルに対して有限要素解析(FEM)を行うことにより、対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する。本実施形態では、対象部材に対して推定される最大荷重状態及び最小荷重状態のそれぞれにおいて、第1応力及び第2応力を推定する。なお、最大荷重及び最小荷重とは、対象部材が使用される環境おいて対象部材に実際にかかると推定される応力変動における最大の荷重状態及び最小の荷重状態である。すなわち、応力推定部27は、最大荷重状態における第1応力及び第2応力と、最小荷重状態における第1応力及び第2応力とを有限要素解析により推定する。
第1応力とは、対象部材の表面の応力であり、表面における所定の位置に生ずる応力である。第2応力とは、第1応力を算出した表面における所定位置に対応し、該所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずると推定される応力である。深さ方向とは、部材の内部方向であって、表面における所定位置の接平面と垂直な角度を成す方向である。所定距離とは、本実施形態では、後述する対象部材に生じている固有欠陥4の長さaとする。なお、第2応力を推定する所定距離については、固有欠陥4の長さに限定されず適用することとしてもよい。
応力推定部27によって推定した第1応力と第2応力の例を図5に示す。図5では、横軸を表面からの深さ、縦軸を応力としており、最大荷重状態における第1応力がa1、第2応力がa2として示されている。また、最小荷重状態における第1応力がb1、第2応力がb2として示されている。応力推定部27において推定した各応力は、半径推定部28へ出力される。
半径推定部28は、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、第1応力及び第2応力に基づいて、対象部材における所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する。切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性とは、部材に切欠き(例えば楕円孔等)が生じていると仮定した場合に、仮定した切欠きの特徴(切欠き半径)と深さ方向の応力分布との関係を示すものである。切欠き半径ρとは、切欠きにおける先端部(例えば、深さ方向の最深部(切欠き底))における曲率半径である。
本実施形態では、該関係性として西谷式を用いる。西谷式とは、深さ方向の応力分布と切欠き3(仮想的に想定した切欠き)の切欠き半径との関係を示す近似式である。すなわち、西谷式は、図1のような部材における深さ方向の応力分布を、図2に示すような切欠き3を用いて表した場合における切欠き3の切欠き半径を示す近似式である。西谷式を以下に示す。なお、以下(1)式については、表面からの応力分布を仮想の切欠き半径ρで表現するために、西谷式における切欠き深さの影響を排除し簡略化した式である。すなわち、修正された西谷式は、仮想の切欠きの底を実際の部材の表面として近似し、切欠きの底(表面)からの深さ方向の応力分布を示す式である。西谷式を用いることで、欠陥を含む部材(実際の部材)における表面からの深さ方向の応力分布が、欠陥を等価的に切欠きとして表現し、切欠きの底から深さ方向に該応力分布を持つような切欠きの切欠き半径を推定することが可能となる。
Figure 2020086572
(1)式において、σpは表面ピーク応力であり、xは表面からの深さであり、ρは切欠き半径である。なお、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す関係性であれば、例えば村上の式等、西谷式に限定されず適用可能である。
半径推定部28は、応力推定部27によって推定した第1応力及び第2応力を用い、(1)式により切欠き半径を算出する。すなわち、(1)式におけるσpに第1応力を代入し、xに第2応力を求めた位置(所定距離)を代入し、σに第2応力を代入し、(1)式をρに対して解くことにより、切欠き半径を算出することができる。このようにして、半径推定部28は、最大荷重状態における第1応力及び第2応力に基づいて、最大荷重状態に対応した切欠き半径ρmaxを算出する。半径推定部28は、最小荷重状態における第1応力及び第2応力に基づいて、最小荷重状態に対応した切欠き半径ρminを算出する。
(1)式によって切欠き半径が特定されることで、(1)式は、深さ方向(x)に対して連続的な応力分布を示すことができる。図5は、(1)式を用いて、最大荷重状態及び最小荷重状態における連続的な応力分布を示している。なお、図5において、L1が最大荷重状態における連続的な応力分布であり、L2が最小荷重状態における連続的な応力分布である。すなわち、(1)式を用いることで、第1応力及び第2応力により対応する連続的な応力分布を推定できる。
このように、切欠き半径推定部21では、第1応力及び第2応力に基づいて切欠き半径を推定している。切欠き半径推定部21では、深さ方向の応力状態を少なくとも2点(第1応力及び第2応力)用いて切欠き半径を算出可能なため、有限要素解析等を行う場合の処理負荷を抑制することができる。
固有欠陥長推定部22は、対象部材の表面に生じている固有欠陥4の長さ(a)を推定する。このため、固有欠陥長推定部22は、疲労限度推定部29と、長さ推定部30とを有している。
疲労限度推定部29は、対象部材の引張強さを用いて、対象部材における疲労限度を推定する。なお、部材の引張強さについては、引張試験等によって予め取得した引張強さをユーザ等により設定されることとしてもよいし、部材の材質や厚さ等から引張強さを推定して用いることとしてもよい。疲労限度とは、部材が一定振幅の繰り返し応力を受けると仮定した場合に、何回繰り返しても疲労破壊に至らないと推定される応力値である。疲労限度推定部29は、対象部材の引張強さによって対象部材における疲労限度を推定できる。
具体的には、疲労限度推定部29は、疲労強度を引張強さの一次式で近似した式を用いて、引張強さから疲労強度を推定する。一次式とは、例えば以下の式で示される。
Figure 2020086572
(2)式において、σwは疲労強度であり、例えば鋳鉄1の両振引張圧縮疲労限度の中央値である。また、σbは引張強さである。A及びBは、σwとσbを一次式で近似した場合における1次の項の係数及び定数項である。A及びBについては、対象部材における引張強さと疲労限度との相関関係に基づいて予め設定される値である。なお、A及びBは、製造ロットの異なる対象部材に対して引張強さと疲労限度との関係を試験し、相関関係を特定することが好ましい。すなわち、(2)式を用いることで、疲労試験(負荷を繰り返し与えて破壊する限度を調べる試験)を行わなくても比較的容易に取得できる引張強さによって疲労強度を推定することができる。
疲労限度推定部29は、(2)式によって引張強さから疲労強度を算出し、算出した疲労強度を長さ推定部30へ出力する。
長さ推定部30は、疲労限度に基づいて、対象部材の表面に生じている固有欠陥4の長さ(深さ方向の固有欠陥4の長さ)を推定する。固有欠陥4の長さとは、引張強さから仮想的に推定される部材表面の欠陥(亀裂等)の深さ方向の長さである。上述の仮想的な切欠きと組み合わせると、図6に示すように、切欠き底に欠陥が生じていると考えることができる。なお、図6は、部材の深さ方向における軸と平行に部材を切断した場合における縦断面図である。長さ推定部30は、以下の式に基づいて固有欠陥長aを算出する。
Figure 2020086572
(3)式において、ΔKthはき裂進展下限界値(例えば、両振引張圧縮のときの鋼材の平均値)であり、Δσwは(2)式におけるσwの2倍の値である。
長さ推定部30は、(3)式により、疲労限度がσwとなる場合において、対象部材の表面に仮想的に推定した固有欠陥4の長さaを算出する。
すなわち、固有欠陥長推定部22では、引張強さにより想定される固有欠陥4の長さaを推定しており、膨大な時間を要する疲労試験を行う必要がなく、有限要素解析等を行う場合の処理負荷を抑制することができる。また、引張強さには、部材の内部に存在するグラファイト2等の内部状態の影響が反映されているため、引張強さに基づいて上記のように固有欠陥長aを算出することで、固有欠陥4の長さaにグラファイト2等の影響を反映させることができる。
なお、固有欠陥長推定部22において用いるき裂進展下限界値については、後述する限界値推定部24により推定したき裂進展下限界値を用いることとしてもよい。
算出部23は推定した切欠き半径と、推定した固有欠陥長とを用いて、応力拡大係数を算出する。応力拡大係数とは、き裂先端付近の応力分布の強さを示す物理量であり、応力拡大係数が大きいほど破壊に至り易いことを示している。図6のように切欠き3と固有欠陥4とを組み合わせることで、鋳鉄1の内部のグラファイト2等の影響及び部材表面から内部への応力分布を加味して、応力拡大係数を評価することが可能となる。このために、算出部23は、Lukasの式を用いて応力拡大係数Kを算出する。Lukasの式は、切欠き半径及び固有欠陥長と、応力拡大係数との関係を示す式である。Lukasの式を以下に示す。
Figure 2020086572
(5)式において、ρが切欠き半径であり、aが固有欠陥長である。また、σpは(1)式における表面ピーク応力である。なお、(5)式において、ρ<aの場合には、ρ=aとする。算出部23は、(5)式より応力拡大係数を算出する。
算出部23には、切欠き半径推定部21より、最大荷重状態に対応した切欠き半径ρmax及び最小荷重状態に対応した切欠き半径ρminが入力される。このため、算出部23は、最大荷重状態に対応した応力拡大係数Kmax及び最小荷重状態に対応した応力拡大係数Kminを算出する。最大荷重状態における表面ピーク応力をσpmax、最小荷重状態における表面ピーク応力をσpminとすると、応力拡大係数Kmax及び応力拡大係数Kminは、以下の式で示される。
Figure 2020086572
算出部23は、(6)式及び(7)式に基づいて、応力拡大係数Kmax及び応力拡大係数Kminを算出し、これらの差(Kmax−Kmin)により応力拡大係数範囲ΔKを算出する。応力拡大係数範囲は、想定される応力変動に応じて変化する応力拡大係数の範囲である。
限界値推定部24は、対象部材における平均応力に基づいて、き裂進展下限界値を推定する。き裂進展下限界値は、脆性破壊によるき裂が発生すると推定される応力拡大係数範囲の境界値である。すなわち、応力拡大係数範囲がき裂進展下限界値以上となると、切欠きにき裂が発生すると推定される。限界値推定部24は、例えば図7に示すようなグラフを有している。図7は、縦軸がき裂進展下限界値であり、横軸が平均応力に係る物理量(1−R)である。図7では、横軸を複数の範囲に分割し、各範囲においてき裂進展下限界値と1−Rとの関係を一次近似している。このように複数の範囲に分割することでき裂進展下限界値をより正確に求めることができると共に、各範囲を一次近似することで、き裂進展下限界値と平均応力に係る物理量(1−R)との関係を簡略化することができる。
平均応力は、応力比Rを用いて示すことができる。すなわち、応力比Rは平均応力を示すパラメータである。応力比は、応力拡大係数Kmax及び応力拡大係数Kminを用いて以下の式で示される。平均応力は、最大応力と最小応力の平均であり、応力比は最大応力に対する最小応力の比である。すなわち、平均応力と応力比とは相関関係を有しており、平均応力が大きいと応力比も大きくなり、平均応力が小さいと応力比も小さくなる。そして、応力拡大係数(K値)と応力は比例関係にあるため、(8)式のように応力比を定義することで、平均応力と相関関係のある応力比を応力拡大係数(K値)を用いて表すことができる。
Figure 2020086572
すなわち、(8)式を用いることで、応力拡大係数範囲の算出過程において導出された応力拡大係数に基づいて平均応力に係るパラメータ(応力比R)を容易に算出することができる。すなわち、平均応力と相関のある応力比Rを用いて、図7より1−Rに対応するき裂進展下限界値を取得することができる。このように、限界値推定部24では、平均応力(平均応力を示すパラメータである応力比)に基づいてき裂進展下限界値を算出する。
なお、図7に示すようなき裂進展下限界値と平均応力に係る物理量(1−R)との関係性については、事前に過去データや試験等によって設定される。限界値推定部24は、図7のようなグラフを有していてもよいし、図7に示すグラフを数式的に有していてもよい。また、テーブルとして有してもよい。
安全評価部25は、応力拡大係数と、き裂進展下限界値とに基づいて、対象部材における安全率(疲労安全率)を算出する。具体的には、安全評価部25は、応力拡大係数範囲とき裂進展下限界値との比を用いて部材の安全性(き裂進展下限界値に対する安全度)を評価する。疲労安全率Sfは、応力拡大係数範囲ΔKとき裂進展下限界値ΔKthとを用いると以下の式により算出される。
Figure 2020086572
(9)式において、応力拡大係数範囲がき裂進展下限界値ΔKthより大きい場合、疲労安全率が1未満となると、部材にき裂が発生する(発生しやすい)可能性が高いと推定される。一方で、応力拡大係数範囲がき裂進展下限界値ΔKthより小さい場合、疲労安全率が1以上となると、部材にき裂が発生する(発生しやすい)可能性が低いと推定される。
このように、(9)式に示す疲労安全率によって、き裂進展下限界値ΔKthに対する安全度を容易に評価することができる。
また、疲労安全率を用いると、以下の式により、評価応力振幅σa及び評価平均応力σmを算出することができる。
Figure 2020086572
(10)式において、σwrは応力比Rに対応する疲労強度であり、(12)式により算出される。評価応力振幅σa及び評価平均応力σmを求めることにより、部材をより詳細に評価することができる。
寿命評価部26は、疲労安全率に基づいて、疲労寿命を評価する。具体的には、寿命評価部26は、疲労安全率に基づいて、以下の式から疲労寿命Ncを算出する。
Figure 2020086572
(13)式において、σa/σwは無次元応力であり、疲労安全率に基づいて(14)式により算出さる。このように、寿命評価部26では、疲労安全率に基づいて疲労寿命を算出する。なお、(13)式において、σa/σw<0.92である場合には、疲労寿命を無限(無限寿命)とする。
次に、上述の応力評価システムによる評価フローについて図8を参照して説明する。図8に示すフローは、例えばユーザによって部材の評価の開始指示が入力されると実行される。
まず、引張強さから固有欠陥長を算出する(S101)。具体的には、引張強さから疲労強度を算出し、算出した疲労強度に基づいて固有欠陥長を算出する。
次に、解析モデルに有限要素解析を適用して求めた第1応力及び第2応力に基づいて、切欠き半径を算出する(S102)。S102では、最大荷重状態における切欠き半径と最小荷重状態における切欠き半径とが算出される。なお、S101及びS102については、順番を入れ替えることとしても良いし、並行処理することとしてもよい。
次に、算出した切欠き半径に基づいて、応力拡大係数範囲を算出する(S103)。具体的には、最大荷重状態における切欠き半径を用いて算出した応力拡大係数から、最大荷重状態における切欠き半径を用いて算出した応力拡大係数を減算した値を応力拡大係数範囲として算出する。
次に、平均応力に基づいてき裂進展下限界値を算出する(S104)。なお、本実施形態では、応力拡大係数Kmax及び応力拡大係数Kminに基づいて、平均応力に係るパラメータである応力比Rを算出する。そして、応力比Rよりき裂進展下限界値を算出する。
次に、算出した応力拡大係数範囲及びき裂進展下限界値に基づいて、疲労安全率を算出する(S105)。
次に、疲労安全率に基づいて、疲労寿命を算出する(S106)。
このように、切欠き半径及び固有欠陥長を推定することにより、部材を効率的に評価することができる。具体的には、切欠き半径及び固有欠陥長に基づいて、き裂進展下限界値に対する疲労安全率、及び疲労寿命を算出することにより、部材を効率的に評価することが可能となる。
なお、切欠き3は、部材表面における所定の位置に生じていると仮定し、切欠き3にかかる評価が実行されるが、解析モデル全体としては、複数の表面位置において同様に切欠き3が仮定され評価が実行される。すなわち、対象部材において、切欠き3を用いた評価が所定間隔ごと(例えば有限要素解析におけるメッシュごと)に実行され、部材全体としての評価が行われる。本実施形態では、深さ方向に2点の応力データ(第1応力及び第2応力)に基づいて切欠き半径を算出し、また、引張強さに基づいて固有欠陥長が算出される。すなわち、深さ方向の応力データを最小限に抑制し、また、多大な時間を要する疲労試験を不要とすることができるため、対象部材が大規模化や複雑化したとしても部材の評価を効率的に実行することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムによれば、対象部材を評価するための切欠き半径を効率的に推定することが可能となる。具体的には、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性である西谷式を用いることによって、対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力の2点に基づいて切欠き半径を推定することができる。すなわち、切欠き半径を推定するためのデータを最小限に抑制できるため、対象部材の解析モデルの大規模化・複雑化にも対応して、対象部材をより効率的に評価することが可能となる。
また、対象部材の引張強さによって疲労限度を推定し、固有欠陥長を推定するため、多大な時間を要する疲労試験を行うことなく、対象部材を評価するための固有欠陥長を容易に推定することが可能となる。すなわち、対象部材を効率的に評価することができる。
また、切欠き半径と、固有欠陥長とを用いることによって、対象部材における応力拡大係数を容易に算出することができる。例えば、重ね合せの式を用いて応力拡大係数を算出する場合と比較して、精度を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムについて説明する。
本実施形態では、弾塑性を考慮して切欠き半径を推定する場合について説明する。以下、本実施形態に係る部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムについて、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
疲労破壊は、繰り返し荷重により破壊繰り返し数により評価される。破壊繰り返し回数が1万回(10の4乗回)程度以上の疲労現象を高サイクル疲労といい、破壊繰り返し回数が1万回(10の4乗回)程度未満の疲労現象を低サイクル疲労という。高サイクル疲労では、繰り返し荷重により与える応力振幅が小さく、塑性変形が少ない。このため、疲労評価には高サイクル疲労に適用される場合が多い。低サイクル疲労では、高サイクル疲労よりも早く(繰り返し回数が少なく)破壊に至るため、応力振幅が大きい。このため、低サイクル疲労では、塑性変形の影響が表れ、疲労の評価が困難となっている。そこで、本実施形態における部材評価システム20は、弾塑性を考慮し、低サイクル疲労における評価精度を向上させた。
本実施形態における半径推定部28は、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用いて第1応力及び第2応力により対象部材における応力分布を特定し、特定した応力分布を弾塑性応力の分布へ変換し、該関係性を用いて応力分布が弾塑性応力の分布となる場合に想定される切欠きの切欠き半径を推定する。本実施形態において、半径推定部28は、Neuber則を用いて変換を行う。
半径推定部28において、(1)式に記載の西谷式を用いることによって、第1応力及び第2応力に基づいて切欠き半径を特定し、連続的な応力分布を特定することが可能である。本実施形態では、低サイクル疲労における場合を想定しているため、半径推定部28において推定された応力分布は図9のような分布となっているものとする(最大荷重状態における連続的な応力分布L3、最小荷重状態における連続的な応力分布L4)。図9に示す応力分布は、図5に示す分布と同様に、第1応力及び第2応力に基づいて連続的な分布が推定されたものである。なお、図9に示す応力分布は、低サイクル疲労における一例であり、図5に示される分布等の他の分布状態についても同様に適応することが可能である。図9に示す応力分布においても、図5と同様に、第1応力及び第2応力を通過する分布曲線となる。しかしながら、西谷式を用いて特定された応力分布(図5及び図9)は弾塑性が反映されていないため(弾性応力)、低サイクル疲労における評価に適していない。そこで、半径推定部28では、Neuber則を用いて特定した応力分布を弾塑性応力の分布へ変換する。なお、弾性応力を弾塑性応力へ変換できれば、Neuber則に限定されず適用することが可能である。例えば、降伏応力を超える応力については降伏応力を弾塑性応力とする方法や、降伏点を超えた弾塑性領域までの応力と歪の関係(σ−ε線図)を予め用意し、該関係と弾性応力/縦弾性係数で算出される歪とから算出される応力を弾塑性応力とする方法等を用いてもよい。
半径推定部28では、図10に示すような応力−ひずみ関係を予め有している。応力−ひずみ関係は、対象部材に対する材料試験等によって予め取得されている。材料試験等では、例えば図10における特性S1(一点鎖線)が取得される。取得されたS1は、部材評価しやすいように、2直線近似され、特性S2(直線)へ変換される。特性S2では、2直線近似されることによって、2つの直線の交点(曲がり点)が、それぞれσy(材質に固有の物性値で、引張り応力作用時の降伏応力(塑性変形開始応力))、σyc(材質に固有の物性値で、圧縮応力作用時の降伏応力)となる。なお、一般的な鉄鋼材料では、σy≒σycとなるが、鋳鉄1ではσy≠σycのため、区別して用いることが好ましい。半径推定部28では、図10に示されるような応力−ひずみ曲線(特性S2)を用いて弾塑性応力分布変換を行う。なお、本実施形態では、特性S1(一点鎖線)を2直線近似することとしているが、材料試験等で取得した特性S1(一点鎖線)をそのまま用いることとしてもよいし、他の近似手法(例えば、3直線以上の多直線近似など)を適用することとしてもよい。
次に、Neuber則を用いた弾塑性応力変換の方法について図を参照して説明する。なお、以下の説明では、図9に示す最小荷重状態の応力分布におけるσminに基づいて、σminに対応した最小荷重状態における弾塑性応力、及び最大荷重状態における弾塑性応力を算出する場合について説明するが、図9に示す最小荷重状態における深さ方向の各応力を用いて同様に最小荷重状態における弾塑性応力、及び最大荷重状態における弾塑性応力を算出することができる。すなわち、最小荷重状態の応力分布における深さ方向の各応力を用いて算出された弾塑性応力を用いることで、最小荷重状態及び最大荷重状態における弾塑性の応力分布を得ることができる。
まず、図11に示すように、2直線近似した特性S2における原点を通る近似直線の延長線上に、図9に示す最小荷重状態の応力分布におけるσminに対応した点(ε1、σ1)をプロットする。なお、σ1は、弾塑性変換する応力値であり、σminである。ε1は、σ1に対応したひずみ値である。
そして、点(ε1、σ1)を通る曲線C1と、特性S2との交点(ε2、σ2)を求める。なお、曲線C1は、以下の式で示される。
Figure 2020086572
このようにして求められた交点(ε2、σ2)は、最小荷重状態におけるσminに対応した弾塑性応力となる。すなわち、上記のような変換を行うことで、最小荷重状態の応力点(ε1、σ1)を、材料試験によって求めた応力−ひずみ特性における特性S2に対応した弾塑性応力へ変換することができる。
次に、最小荷重状態におけるσminに対応した弾塑性応力(ε2、σ2)に対応した最大荷重状態における弾塑性応力を算出する。まず、図9に示されるような弾性応力分布において、対象としている最小荷重状態の応力(σmin)と、対象としている最小荷重状態の応力と深さ方向の距離が等しい最大荷重状態の応力(σmax)との差Δσを算出する。応力−ひずみ曲線上では、図12に示すように、最小荷重状態における応力と最大荷重状態の応力とは、縦軸方向(応力分)にΔσの差があり、横軸方向(ひずみ分)にΔεの差がある。Δσについては、弾性応力における深さ方向の距離が等しい最小荷重状態の応力と最大荷重状態の応力との差で表され、例えば図9の応力分布においては、深さ方向に異なる各応力の対(最小荷重状態の応力と最大荷重状態の応力)でΔσは異なる。なお、Δεについても同様である。
まず、図13に示すように、最小荷重状態における弾塑性応力(ε2、σ2)に対応した応力−ひずみ曲線(特性S3(2点鎖線))を設定する。特性S3は、最小荷重状態における弾塑性応力(ε2、σ2)が降伏応力となるように特性S2の2直線近似線を平行移動させることで取得される。そして、弾塑性応力(ε2、σ2)を通る直線の延長線上に、最小荷重状態における応力(ε1、σ1)に対応した最大荷重状態における弾性応力をプロットする。すなわち、(ε2+Δε、σ2+Δσ)を最大荷重状態における弾性応力としてプロットする。なお、Δεについては、Δσ/Eで表される。なお、Eは、縦弾性係数(ヤング率)であり、弾性域(降伏しない範囲)での応力と歪の関係を表す係数(応力−歪線図における弾性域の傾きに相当する)である。
そして、最大荷重状態における弾性応力(ε2+Δε、σ2+Δσ)を、弾塑性変換する。具体的には、点(ε2+Δε、σ2+Δσ)を通る曲線C2と、特性S3との交点(ε3、σ3)を求める。なお、曲線C2は、以下の式で示される。
Figure 2020086572
このようにして求められた交点(ε3、σ3)は、最大荷重状態におけるσmaxに対応した弾塑性応力となる。すなわち、上記のような変換を行うことで、最大荷重状態の応力点を、応力−ひずみ特性における特性S3に対応した弾塑性応力へ変換することができる。
なお、上記の例では、Δσ>2σyの場合を示しており、最大荷重状態における弾性応力(ε2+Δε、σ2+Δσ)が特性S3上にない場合を示した。一方で、Δσ≦2σyの場合には、最大荷重状態における弾性応力(ε2+Δε、σ2+Δσ)は、図14のように特性S3上となるため、曲線C2を用いた変換は不要である。
このようにして、最小荷重状態の弾性応力分布における特定の深さ方向距離の応力に基づいて、最小荷重状態における該深さ方向距離の弾塑性応力、及び最大荷重状態における該深さ方向距離の弾塑性応力が算出される。弾性応力分布における深さ方向の各点に同様の変換処理を行うことで、最小荷重状態における弾塑性応力分布と、最大荷重状態における弾塑性応力分布とを求めることが可能となる。すなわち、図15に示すように、図9の弾性応力分布から弾塑性応力分布へ変換することがき、低サイクル疲労を考慮した応力分布を得ることができる。図15では、最大荷重状態における連続的な弾塑性応力分布をL5、最小荷重状態における連続的な弾塑性応力分布をL6として示している。
このように弾塑性応力分布を求めることができるため、(1)式における西谷式を用いて、最大荷重状態における弾塑性応力の分布及び最小荷重状態における弾塑性応力の分布のそれぞれの応力分布に対応する切欠き半径を取得することができる。すなわち、弾塑性応力を考慮した場合における切欠き半径を得ることができ、この切欠き半径を用いて拡大応力係数を算出し、疲労安全率や疲労寿命を評価することで、低サイクル疲労に対応した部材の強度評価を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る部材評価システム及びその部材評価方法並びに部材評価プログラムによれば、対象部材における深さ方向の応力分布を特定し、特定した応力分布を弾塑性応力の分布へ変換するため、塑性変形を考慮することができる。このため、低サイクル疲労評価にも適応することができる。
また、Neuber則を用いることによって、時間やコストを要する弾塑性の有限要素解析(FEM計算)を行うことなく、弾性の有限要素解析(FEM計算)等の結果による応力分布を用いて、弾塑性応力の分布を得ることができる。すなわち、より効率的に弾塑性応力の分布を得ることが可能となる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。なお、各実施形態を組み合わせることも可能である。
例えば、各実施形態では、対象部材として鋳鉄1を想定したが、他の材質の部材についても同様に適応可能である。
1 :鋳鉄
2 :グラファイト
3 :切欠き
11 :CPU
12 :補助記憶装置
13 :主記憶装置
14 :通信インターフェース
15 :入力部
16 :表示部
18 :バス
20 :部材評価システム
21 :切欠き半径推定部
22 :固有欠陥長推定部
23 :算出部
24 :限界値推定部
25 :安全評価部
26 :寿命評価部
27 :応力推定部
28 :半径推定部
29 :疲労限度推定部
30 :長さ推定部
100 :構造体解析・評価システム
101 :設計データ
107 :材料データベース

Claims (12)

  1. 対象部材の解析モデルを用いて、前記対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、前記所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定部と、
    切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、前記第1応力及び前記第2応力に基づいて、前記対象部材における前記所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定部と、
    を備える部材評価システム。
  2. 前記半径推定部において用いる前記関係性は、切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を式で示した西谷式である請求項1に記載の部材評価システム。
  3. 前記半径推定部は、前記関係性を用いて前記第1応力及び前記第2応力により前記対象部材における応力分布を特定し、特定した応力分布を弾塑性応力の分布へ変換し、前記関係性を用いて応力分布が前記弾塑性応力の分布となる場合に想定される切欠きの切欠き半径を推定する請求項1または2に記載の部材評価システム。
  4. 前記半径推定部は、Neuber則を用いて前記変換を行う請求項3に記載の部材評価システム。
  5. 前記応力推定部は、前記対象部材に対して推定される最大荷重状態及び最小荷重状態のそれぞれにおいて、前記第1応力及び前記第2応力を推定し、
    前記半径推定部は、前記最大荷重状態に対応した切欠き半径と、前記最小荷重状態に対応した切欠き半径とを推定する請求項1から4のいずれか1項に記載の部材評価システム。
  6. 前記対象部材の引張強さを用いて、前記対象部材における疲労限度を推定する疲労限度推定部と、
    前記疲労限度に基づいて、前記対象部材に生じている固有欠陥の長さを推定する長さ推定部と、
    前記半径推定部において推定した前記切欠き半径と、前記長さ推定部において推定した前記固有欠陥の長さとを用いて、応力拡大係数を算出する算出部と、
    を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の部材評価システム。
  7. 前記算出部は、Lukasの式を用いて前記応力拡大係数を算出する請求項6に記載の部材評価システム。
  8. 前記対象部材における平均応力に基づいて、き裂進展下限界値を推定する限界値推定部を備える請求項6または7に記載の部材評価システム。
  9. 前記応力拡大係数と、前記き裂進展下限界値とに基づいて、前記対象部材における安全率を算出する安全評価部を備える請求項8に記載の部材評価システム。
  10. 前記安全率に基づいて、疲労寿命を評価する寿命評価部を備える請求項9に記載の部材評価システム。
  11. 対象部材の解析モデルを用いて、前記対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、前記所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定工程と、
    切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、前記第1応力及び前記第2応力に基づいて、前記対象部材における前記所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定工程と、
    を有する部材評価方法。
  12. 対象部材の解析モデルを用いて、前記対象部材の表面における所定位置に生ずる第1応力と、前記所定位置から深さ方向に所定距離離れた位置に生ずる第2応力とを推定する応力推定処理と、
    切欠き半径と深さ方向の応力分布との関係を示す所定の関係性を用い、前記第1応力及び前記第2応力に基づいて、前記対象部材における前記所定位置に仮想的に想定される切欠きの切欠き半径を推定する半径推定処理と、
    をコンピュータに実行させるための部材評価プログラム。
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