JP2015148536A - 試験片の形状設定方法、試験片の製造方法、及び試験片 - Google Patents
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Abstract
【課題】実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することが可能な試験片の形状設定方法、試験片の製造方法、及び試験片を提供すること。
【解決手段】実機を模擬する棒状試験片1に形成する切欠き7の形状を設定する、棒状試験片1の形状設定方法であって、実機の評価対象部位での応力分布を取得し、取得した応力分布に対応する応力分布が棒状試験片1における切欠き7を形成する部位に付与されるように、切欠き7の形状を設定する。
【選択図】図2
【解決手段】実機を模擬する棒状試験片1に形成する切欠き7の形状を設定する、棒状試験片1の形状設定方法であって、実機の評価対象部位での応力分布を取得し、取得した応力分布に対応する応力分布が棒状試験片1における切欠き7を形成する部位に付与されるように、切欠き7の形状を設定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、試験片の形状設定方法、試験片の製造方法、及び試験片に関する。
非特許文献1には、棒状試験片及び板状試験片などが開示されている。これらの試験片は、断面積が一定に設定されている平行部と、平行部の両側に位置する一対のつかみ部と、を有している。
日本工業規格(JIS) Z 2241:2011「金属材料引張試験方法」、財団法人日本規格協会、平成23年2月21日改正
実機が複雑な形状を呈している、又は、実機が接合された複数の部材からなるなどの場合、実機は、構造的に不連続な部位を有する。実機が構造的に不連続な部位を有している場合、実機の供用中において実機に発生する応力状態が複雑であると共に、構造的に不連続な部位で応力が急激に高まるおそれがある。このため、実機において、構造的に不連続な部位を評価対象部位として、当該部位の疲労強度を評価することが求められる。
通常、実機の評価対象部位の疲労強度は、以下のように評価される。すなわち、実機の評価対象部位の代わりとなる試験片(棒状試験片又は板状試験片など)を用い、当該試験片の疲労寿命からS−N線図を求め、実機の疲労寿命を評価する。しかしながら、試験片が、棒状試験片又は板状試験片である場合、試験片に発生する応力は当該試験片の断面内において一様であるため、実機の評価対象部位での応力状態を模擬することは困難である。
本発明は、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することが可能な試験片の形状設定方法、試験片の製造方法、及び試験片を提供することを目的とする。
本発明の一つの観点に係る試験片の形状設定方法は、実機を模擬する試験片に形成する切欠きの形状を設定する、試験片の形状設定方法であって、実機の評価対象部位での応力分布を取得し、取得した上記応力分布に対応する応力分布が試験片における切欠きを形成する部位に付与されるように、切欠きの形状を設定する。
本発明の一つの観点に係る試験片の形状設定方法では、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布が試験片における切欠きを形成する部位に付与されるように、試験片に形成される切欠きの形状が設定される。これにより、試験片における切欠きが形成された部位に、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布が発現する。したがって、実機に比して簡単な形状を呈している試験片において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本発明の一つの観点に係る試験片の形状設定方法において、実機の評価対象部位が、構造的に不連続であり、試験片にも、実機を模擬する、構造的に不連続な部位が形成されており、切欠きを形成する部位を、試験片における構造的に不連続な部位としてもよい。この場合、試験片において、切欠きが構造的に不連続な部位に形成される。したがって、実機の評価対象部位が構造的に不連続な部位である場合でも、試験片において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本発明の一つの観点に係る試験片の形状設定方法において、構造的に不連続な部位が、二つの部材が接合されている部位であってもよい。二つの部材は、それぞれ異なる材料からなっていてもよい。
本発明の一つの観点に係る試験片は、実機を模擬する試験片であって、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布を付与する切欠きが形成されている。
本発明の一つの観点に係る試験片では、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布を付与する切欠きが形成されているので、試験片における切欠きを形成された部位に、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布が発現する。これにより、実機に比して簡単な形状を呈している試験片において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本発明の一つの観点に係る試験片において、切欠きが、構造的に不連続な部位に形成されていてもよい。この場合、実機の評価対象部位が構造的に不連続な部位であっても、試験片において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本発明の一つの観点に係る試験片において、構造的に不連続な部位が、二つの部材が接合されている部位であってもよい。二つの部材は、それぞれ異なる材料からなっていてもよい。
本発明の一つの観点に係る試験片の製造方法は、実機を模擬する試験片の製造方法であって、実機の評価対象部位での応力分布を取得し、取得した応力分布に対応する応力分布が試験片における切欠きを形成する部位に付与されるように、切欠きの形状を設定し、設定された形状を呈する切欠きを試験片に形成する。
本発明の一つの観点に係る試験片の製造方法では、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布が試験片における切欠きを形成する部位に付与されるように、試験片に形成される切欠きの形状が設定される。そして、設定された形状を呈する切欠きが、試験片に形成される。これにより、試験片における切欠きが形成された部位に、実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布が発現する。したがって、実機に比して簡単な形状を呈している試験片において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本発明によれば、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することが可能な試験片の形状設定方法、試験片の製造方法、及び試験片を提供することができる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1を参照して、本実施形態に係る疲労寿命の評価方法を説明する。本実施形態に係る疲労強度の評価方法は、試験片の形状設定方法及び試験片の製造方法を含んでいる。図1は、疲労寿命の評価方法を説明するためのフロー図である。
まず、実機の評価対象部位での応力分布σpが取得される(S101)。評価対象部位は、構造的に不連続な部位とされる。構造的に不連続な部位には、たとえば、複数の部材が接合されている部位、又は、形状が変化する部位(形状が不連続である部位)などが対象とされる。本実施形態では、実機の評価対象部位として、異なる材料からなる二つの部材が接合されている部位が選ばれている。接合される複数の部材の材料が異なる場合には、異なる材料からなる二つの部材が接合されている部位は、材料が不連続である部位となる。すなわち、構造的に不連続な部位には、材料が不連続である部位が含まれる。応力分布σpは、たとえば、有限要素法(FEM)解析により取得される。一般に、有限要素法解析による応力分布の算出については、既知であるため、詳細な説明は省略する。応力分布σpは、有限要素法解析以外に、ひずみ計測などにより、取得されてもよい。
次に、試験片に形成する切欠きの形状が決定される(S103)。試験片として、図2に示されるように、棒状試験片1が用いられる。棒状試験片1は、平行部3と、平行部3の両端に位置する一対のつかみ部5と、を備えている。平行部3及びつかみ部5の断面形状は、円形を呈している。棒状試験片1は、いわゆる丸棒試験片である。つかみ部5の直径は、平行部3の直径よりも大きく設定されている。図2は、試験片の構成を説明するための平面図である。
棒状試験片1の構成は、実機の評価対象部位の構成に対応している。すなわち、棒状試験片1は、異なる材料からなる二つの部材1a,1bを備えている。部材1aと部材1bとは、接合されている。部材1aは、たとえばニッケル基合金からなる。部材1bは、たとえばニッケルからなる。部材1aと部材1bとの接合は、たとえば部材1aと部材1bとの分子間結合により実現されている。すなわち、棒状試験片1は、構造的に不連続な部位として、材料が不連続である部位(異なる材料からなる二つの部材が接合されている部位)を有している。
切欠き7は、図3に示されるように、棒状試験片1の平行部3の全周にわたって一様に形成される。切欠き7は、部材1aと部材1bとが接合されている位置に形成される。本実施形態では、切欠き7は、切欠き7の底が部材1aと部材1bとの界面(接合面)に位置するように、棒状試験片1に形成される。切欠き7の形状を決定するパラメータには、棒状試験片1の直径D、切欠き7の幅2b、切欠き7の深さt、及び、切欠き7の曲率半径ρが含まれる。すなわち、棒状試験片1の直径Dの値、切欠き7の幅2bの値、切欠き7の深さtの値、及び、切欠き7の曲率半径ρの値が、それぞれ決定される。図3は、切欠きが形成された試験片の構成を説明するための平面図である。
次に、棒状試験片1の応力集中係数Ktが求められる(S105)。切欠きが形成された丸棒における応力集中係数Ktを求める手法は、『西谷弘信、野田尚昭 「60°V形切欠きを有する丸棒の引張りにおける応力集中の考察」 日本機械学会論文集(A編) 51巻461号(昭和60−1) 54〜62頁』により既知である。ここでは、当該文献に記載された手法にしたがい、応力集中係数Ktが以下のようにして求められる。
棒状試験片1に、決定された上記各パラメータの値を有する切欠き7が形成されていると仮定し、当該棒状試験片1における応力集中係数の相対値Kt/Kt0が求められる。相対値Kt/Kt0は、図4として示された図表を参照することにより、求められる。Ktは、三次元の応力集中係数である。Kt0は、二次元の応力集中係数である。図4は、半だ円切欠きを有する丸棒の引張りにおける応力集中係数の相対値Kt/Kt0を示す図表である。
二次元の応力集中係数Kt0が、図5として示された線図を参照することにより、求められる。図5は、半だ円切欠きを有する半無限板の引張りにおける応力集中係数の特性を示す線図である。縦軸は、半だ円切欠きを有する半無限板での応力集中係数KtEと、だ円孔を有する無限板での応力集中係数KtHと、の比KtE/KtHを表している。図5に示された特性は、半だ円切欠きを有する半無限板の引張り問題を体積力法によって解析することにより得られる。
二次元の応力集中係数Kt0は、図5に示された線図では、応力集中係数KtEとして表されている。すなわち、二次元の応力集中係数Kt0と、応力集中係数KtEと、の関係は、式(1)で表される。
Kt0=KtE ・・・ (1)
応力集中係数KtHは、式(2)で得られる。
KtH=1+2√(t/ρ) ・・・ (2)
したがって、切欠き7の深さtと切欠き7の曲率半径ρとの比t/ρから、二次元の応力集中係数Kt0が求められる。
Kt0=KtE ・・・ (1)
応力集中係数KtHは、式(2)で得られる。
KtH=1+2√(t/ρ) ・・・ (2)
したがって、切欠き7の深さtと切欠き7の曲率半径ρとの比t/ρから、二次元の応力集中係数Kt0が求められる。
応力集中係数の相対値Kt/Kt0と二次元の応力集中係数Kt0とにより、三次元の応力集中係数Ktが、求められる。すなわち、図4に示された図表から得られた相対値Kt/Kt0と図5に示された線図から得られた応力集中係数Kt0とを乗じることにより、応力集中係数Ktが得られる。
次に、棒状試験片1の応力分布σyが求められる(S107)。棒状試験片1に、決定された上記各パラメータの値を有する切欠き7が形成されていると仮定し、棒状試験片1における切欠き7を形成された部位の断面での応力分布σyが、式(3)により求められる。
Stは、公称応力である。公称応力Stは、後述する疲労試験にて付与される公称応力(正味断面平均応力)とされる。
式(3)におけるrは、図6に示されるように、xの座標系から−ρ/2だけx方向に移動した座標系を示している。したがって、rは、式(4)で表される。
r=x+ρ/2 ・・・ (4)
xは、切欠き7の底からの距離である。図6は、rの座標系と、xの座標系と、の関係を説明するための図である。
r=x+ρ/2 ・・・ (4)
xは、切欠き7の底からの距離である。図6は、rの座標系と、xの座標系と、の関係を説明するための図である。
次に、実機の評価対象部位での応力分布σpと、棒状試験片1の応力分布σyと、が比較される(S109)。ここでは、図7に示されるように、棒状試験片1の応力分布σyが、応力分布σpに対応しているか否かが判断される。応力分布σyは、切欠き7の底に対応する位置において最大値(ピーク応力値)をとり且つ棒状試験片1の軸心に向かうにしたがって上記最大値から漸減するように、変化する。応力分布σyは、棒状試験片1の軸心に対応する位置において、最小値をとる。図7は、実機での応力分布と、切欠きが形成された棒状試験片での応力分布と、を示した線図である。
応力分布σpと応力分布σyとの比較は、応力分布σpでのピーク応力値と、応力分布σyにおける切欠き7の底(x=0)でのピーク応力値と、が一致した状態で行われる。応力分布σpでのピーク応力値と、応力分布σyでの上記ピーク応力値と、が合わせられた状態で、応力分布σyにおけるピーク応力値から最小値に向かう特性変化が、同じくピーク応力値からの応力分布σpの特性変化に対応しているか否かが判断される。特性変化が対応しているとは、必ずしも、応力分布σyと応力分布σpとが一致していることに限られない。たとえば、応力分布σyが、応力分布σpから所定の範囲内に収まっていてもよい。
棒状試験片1の応力分布σyが、応力分布σpに対応していると判断された場合には、疲労試験が実施される(S111)。疲労試験の実施に先立って、棒状試験片1が製造される。すなわち、S103にて決定された形状を呈している切欠き7が形成された棒状試験片1が用意される。用意される棒状試験片1では、切欠き7の底が部材1aと部材1bとの界面(接合面)に位置するように、切欠き7が形成されている。その後、当該切欠き7が形成された棒状試験片1を用いて疲労試験が実施される。用意された棒状試験片1には、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyを付与する切欠き7が形成されている。
次に、疲労試験の結果に基づいて、疲労寿命が評価される(S113)。疲労試験と疲労寿命の評価とについては、既知であるため、詳細な説明は省略する。疲労試験と疲労寿命の評価との一例として、日本工業規格(JIS) Z 2273−1978 「金属材料の疲れ試験方法通則」又は日本機械学会基準 JSME S 001−1994 統計的疲労試験方法などが挙げられる。
S109にて、棒状試験片1の応力分布σyが、応力分布σpに対応していないと判断された場合、S103に戻り、棒状試験片1に形成する切欠き7の形状が新たに決定される。ここでは、棒状試験片1の直径D、切欠き7の幅2b、切欠き7の深さt、及び、切欠き7の曲率半径ρの全ての値を変更する必要はない。棒状試験片1の直径D、切欠き7の幅2b、切欠き7の深さt、及び、切欠き7の曲率半径ρうち、少なくとも一つのパラメータの値が変更されていればよい。その後、S105からの過程を繰り返す。
以上のように、本実施形態においては、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyが棒状試験片1における切欠き7を形成する部位に付与されるように、棒状試験片1に形成される切欠き7の形状が設定される。これにより、棒状試験片1における切欠き7が形成された部位に、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyが発現する。したがって、実機に比して簡単な形状を呈している棒状試験片1において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
図8に示されるように、切欠き7が形成されていない試験片21に発生する応力分布σy1は、当該試験片の断面内において一様である。このため、試験片21での応力分布σy1が、実機での応力分布σpに対応しない。切欠き7が形成されていない試験片21では、実機の評価対象部位での応力状態を模擬することは困難である。実機での応力分布σpのピーク応力値と、試験片21での応力分布σy1のピーク応力値と、が合わせられた状態では、実機に、実際に作用する応力よりも大きな応力が作用する状態で評価がなされる。すなわち、切欠き7が形成されていない試験片21が用いられる場合、実際よりも、必要以上に安全側での評価が行われてしまう。図8は、実機での応力分布と、切欠きが形成されていない棒状試験片での応力分布と、を示した線図である。
本実施形態では、棒状試験片1にも、実機を模擬する、構造的に不連続な部位が形成されており、切欠き7を形成する部位が、棒状試験片1における構造的に不連続な部位とされている。これにより、棒状試験片1において、切欠き7が構造的に不連続な部位に形成される。したがって、実機の評価対象部位が構造的に不連続な部位である場合でも、棒状試験片1において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本実施形態に係る棒状試験片1では、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyを付与する切欠き7が形成されている。これにより、棒状試験片1における切欠き7が形成された部位に、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyが発現する。したがって、実機に比して簡単な形状を呈している棒状試験片1において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本実施形態では、切欠き7が、棒状試験片1における、構造的に不連続な部位に形成されている。これにより、実機の評価対象部位が構造的に不連続な部位であっても、棒状試験片1において、実機の評価対象部位での応力状態を適切に模擬することができる。
本実施形態では、切欠き7は、切欠き7の底が部材1aと部材1bとの界面に位置するように、棒状試験片1に形成されている。このため、疲労試験にて付与される応力が、材料が不連続である部位(部材1aと部材1bとの界面)に確実に印加される。したがって、棒状試験片1を用いることにより、材料が不連続である部位での疲労寿命を適切に評価することができる。
ところで、切欠きが形成された試験片は、特開2010−175478号公報及び特開2010−175479号公報などに開示されている。しかしながら、これらの文献では、試験片に形成された切欠きは、実機に形成された微少欠陥を模擬するための切欠きであり、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyを付与する切欠き7ではない。すなわち、上述した各文献には、実機での応力分布σpに対応する応力分布σyが棒状試験片1における切欠き7を形成する部位に付与されるように、切欠き7の形状を設定するという技術的事項が開示、示唆されていない。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、試験片として、棒状試験片1が用いられるが、これに限られない。たとえば、試験片は、図9に示されるように、板状試験片10であってもよい。板状試験片10は、異なる材料からなる二つの部材10a,10bを備えている。部材10aと部材10bとは、接合されている。部材10aは、たとえばニッケル基合金からなる。部材10bは、ニッケルからなる。
板状試験片10にも、切欠き7を形成する部位に、実機の評価対象部位での応力分布σpに対応する応力分布σyが付与されるように、形成される切欠き7の形状が設定される。図9に示された板状試験片10では、上述したように設定された形状を呈している切欠き7が形成されている。切欠き7は、部材10aと部材10bとが接合されている位置に形成されている。
棒状試験片1及び板状試験片10では、二つの部材1a,1b,10a,10bが異なる材料からなっているが、これに限られない。たとえば、二つの部材1a,1b,10a,10bは、同じ材料からなっていてもよい。試験片に用いられる材料は、上述したニッケル基合金及びニッケルに限られない。
棒状試験片1及び板状試験片10は、接合される二つの部材1a,1b,10a,10bを備えているが、これに限られない。たとえば、棒状試験片1及び板状試験片10は、一つの部材により構成されていてもよい。
1…棒状試験片、7…切欠き、10…板状試験片。
Claims (9)
- 実機を模擬する試験片に形成する切欠きの形状を設定する、試験片の形状設定方法であって、
実機の評価対象部位での応力分布を取得し、
取得した前記応力分布に対応する応力分布が前記試験片における前記切欠きを形成する部位に付与されるように、前記切欠きの形状を設定する、試験片の形状設定方法。 - 実機の評価対象部位が、構造的に不連続であり、
前記試験片にも、実機を模擬する、構造的に不連続な部位が形成されており、
前記切欠きを形成する部位を、前記試験片における構造的に不連続な前記部位とする、請求項1に記載の試験片の形状設定方法。 - 構造的に不連続な前記部位が、二つの部材が接合されている部位である、請求項2に記載の試験片の形状設定方法。
- 前記二つの部材が、それぞれ異なる材料からなる、請求項3に記載の試験片の形状設定方法。
- 実機を模擬する試験片であって、
実機の評価対象部位での応力分布に対応する応力分布を付与する切欠きが形成されている、試験片。 - 前記切欠きが、構造的に不連続な部位に形成されている、請求項5に記載の試験片。
- 構造的に不連続な前記部位が、二つの部材が接合されている部位である、請求項6に記載の試験片。
- 前記二つの部材が、それぞれ異なる材料からなる、請求項7に記載の試験片。
- 実機を模擬する試験片の製造方法であって、
実機の評価対象部位での応力分布を取得し、
取得した前記応力分布に対応する応力分布が前記試験片における切欠きを形成する部位に付与されるように、前記切欠きの形状を設定し、
設定された前記形状を呈する前記切欠きを前記試験片に形成する、試験片の製造方法。
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