JP6958839B2 - 機械部品のひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定装置 - Google Patents

機械部品のひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、機械部品のひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定装置に関する。
例えば機械部品の一例として、ガスタービンや蒸気タービンに使用されるタービン動翼は、回転時に作用する遠心力や熱の影響により損傷を受ける。そのため、使用されたタービン動翼に対して解析による損傷の予測や、き裂有無の点検調査等を実施することで、健全性の維持に努めている。
例えば特許文献1には、タービン動翼のクリープ変形量から損傷を評価する方法が開示されている。この方法では、例えばタービン動翼に試験装置を用いて各種応力を加え、その際に発生するクリープ変形量や蓄積速度の測定値に基づいてタービン動翼の使用の可否を判断する。
特開2013−253599号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法では、試験装置によって応力が与えられたタービン動翼と実際の運転中に各種応力が作用したタービン動翼とでは、クリープ変形量(非弾性ひずみの分布)に差がある。そのため、タービン動翼のクリープ損傷を精度良く評価することが困難であった。
また、機械部品に対してひずみ修正工程やショットピーニング工程を施した際の残留応力を評価する際にも、非弾性ひずみ分布を精度良く把握できることが好ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、非弾性ひずみ分布を精度良く取得することができる機械部品のひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の一の態様に係る機械部品のひずみ分布推定方法は、変形前の機械部品の形状に対応した変形前構造モデルを取得する変形前構造モデル取得工程と、前記変形前構造モデルに対して、初期メッシュを適用することで、前記変形前構造モデルが複数の要素に分割された初期メッシュモデルを取得する初期メッシュモデル取得工程と、変形後の前記機械部品の形状に対応する変形後構造モデルを取得する変形後構造モデル取得工程と、前記変形後構造モデルに対して、前記初期メッシュに対応する仮想変位メッシュを適用することで、前記変形後構造モデルが複数の要素に分割された仮想変位メッシュモデルを取得する仮想変位メッシュモデル取得工程と、を含み、前記初期メッシュモデルの特徴線上の節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した初期節点位置とされ、前記仮想変位メッシュモデルでは、前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記仮想変位メッシュモデルの特徴線上の節点が、前記初期節点位置に対応する分割比で該特徴線を分割する仮想節点位置に配置されており、前記初期メッシュモデルの各要素に任意の非弾性ひずみを入力して取得されるメッシュモデルのうち、前記仮想変位メッシュモデルとの変位差が最小となるメッシュモデルである逆解析メッシュモデル、及び、該逆解析メッシュモデルの各要素の非弾性ひずみの値である仮想ひずみ分布を取得する逆解析工程と、前記逆解析工程の後に、収束条件を満たしているか否かを判定する判定工程と、を含み、前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記逆解析メッシュモデルの特徴線上の各節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した更新節点位置とされ、前記判定工程で前記収束条件を満たさないと判定された場合に、前記仮想変位メッシュモデルの前記仮想節点位置を、前記更新節点位置に対応する分割比で前記特徴線を分割する位置に更新する仮想変位メッシュモデル更新工程を含み、前記仮想変位メッシュモデル更新工程の後に、前記逆解析工程及び前記判定工程が繰り返し行われる。
本発明の一の態様に係る機械部品のひずみ分布推定装置は、変形前の機械部品の形状に対応した変形前構造モデルを取得する変形前構造モデル取得部と、前記変形前構造モデルに対して、初期メッシュを適用することで、前記変形前構造モデルが複数の要素に分割された初期メッシュモデルを取得する初期メッシュモデル取得部と、変形後の前記機械部品の形状に対応する変形後構造モデルを取得する変形後構造モデル取得部と、前記変形後構造モデルに対して、前記初期メッシュに対応する仮想変位メッシュを適用することで前記変形後構造モデルが複数の要素に分割された仮想変位メッシュモデルを取得する仮想変位メッシュモデル取得部と、を含み、前記初期メッシュモデルの特徴線上の節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した初期節点位置とされ、前記仮想変位メッシュモデルでは、前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記仮想変位メッシュモデルの特徴線上の節点が、前記初期節点位置と同一の分割比で該特徴線を分割する仮想節点位置に配置されており、前記初期メッシュモデルの各要素に任意の非弾性ひずみを入力して取得されるメッシュモデルのうち、前記仮想変位メッシュモデルとの変位差が最小となるメッシュモデルである逆解析メッシュモデル、及び、該逆解析メッシュモデルの各要素の非弾性ひずみの値である仮想ひずみ分布を取得する逆解析を行う逆解析部と、前記逆解析部が前記逆解析を行った後に、収束条件を満たしているか否かを判定する判定部と、を含み、前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記逆解析メッシュモデルの特徴線上の各節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した更新節点位置とされ、前記判定部が前記収束条件を満たさないと判定した場合に、前記仮想変位メッシュモデルの前記仮想節点位置を、前記更新節点位置に対応する分割比で前記特徴線を分割する位置に更新する仮想変位メッシュモデル更新部を含み、前記仮想変位メッシュモデル更新部が前記仮想設定位置を更新した後に、前記逆解析部による逆解析及び前記判定部による判定を繰り返し行う。
上記態様によれば、変形前の機械部品の形状に対応する初期メッシュモデルと実際の変形が生じた変形後の機械部品の形状に対応する仮想変位メッシュモデルとに基づいて、変形後の機械部品の非弾性ひずみの分布としての仮想ひずみ分布を取得することができる。
ここで、メッシュモデルのある要素に非弾性ひずみを入力して固有ひずみ解析を行った際のメッシュモデルの変形量(節点の変位)は、一意的に定まる。また、各要素に個別に非弾性ひずみを入力して固有ひずみ解析を行った際の変形量の和と、これら各要素に同時に非弾性ひずみを入力して固有みずみ解析を行った際の変形量は同一となる。即ち、固有ひずみ解析における非弾性ひずみと変形量とは線形の関係にある。
よって、仮想変位メッシュモデルの特徴線上の節点を仮の位置(仮想節点位置)に設定することで、解の一意性を確保した上で逆解析メッシュモデル及び仮想ひずみ分布を取得する逆解析を行うことができる。
なお、メッシュモデルを細分化して仮想変位数を増やすことでもまた、解の安全性は向上する。
上記態様の機械部品のひずみ分布推定方法は、前記判定工程で前記収束条件を満たすと判定された場合に、前記仮想ひずみ分布を前記機械部品の非弾性ひずみ分布として確定するひずみ分布確定工程を含む。
逆解析により取得した逆解析メッシュモデルの節点の位置は、初期メッシュモデルに基づく仮想変位メッシュモデルの節点の位置よりも、実際の変形後の機械部品の形状に近くなる。そのため、仮想変位メッシュモデルの節点の位置を逆解析メッシュモデルの節点の位置に対応するように更新することで、最終的に取得できる仮想ひずみ分布の精度を向上させることができる。また、収束条件を満たさない場合に、仮想変位メッシュモデル更新工程、逆解析工程を繰り返し行うことで、より精度を向上させることができる。
上記態様の機械部品のひずみ分布推定方法は、前記初期節点位置は、前記初期メッシュモデルの前記特徴線上の節点が、該特徴線を等分割する位置であってもよい。
これによって、当初の仮想変位メッシュモデルの節点位置を機械的に定めることができる。
上記態様の機械部品のひずみ分布推定方法では、前記逆解析工程は、前記初期メッシュモデルにおける互いに隣接する複数の要素からなる単位領域に、一様な非弾性ひずみを入力することで行われてもよい。
これにより、各要素に異なる非弾性ひずみが入力される場合に比べて、逆解析時のパラメータの数が減少するため、解の安定性を向上させることができる。
本発明によれば、非弾性ひずみの分布を精度高く取得することができる。
本発明の実施形態に係るひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定方法の適用対象となるタービン動翼(機械部品)の変形前及び変形後の形状を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るひずみ分布推定装置のハードウェア構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るひずみ分布推定装置の機能ブロック図である。 (a)は変形前構造モデルを示す図であって、(b)は初期メッシュモデルを示す図である。 (a)は変形後構造モデルを示す図であって、(b)は仮想変位メッシュモデルを示す図である。 逆解析メッシュモデル及び該逆解析メッシュモデルの仮想ひずみ分布を示す図である。 本発明の実施形態に係る機械部品のひずみ分布推定方法の手順を示すフローチャートである。 測定部による変形前のタービン動翼を測定する状態を示す模式的な斜視図である。 (a)は模式化した変形前構造モデルを示す図であって、(b)は模式化した初期メッシュモデルを示す図である。 測定部による変形後のタービン動翼を測定する状態を示す模式的な斜視図である。 (a)は模式化した変形後構造モデルを示す図であって、(b)は模式化した仮想変位メッシュモデルを示す図である。 初期メッシュモデル、仮想変位メッシュモデル、及びこれらに基づいて逆解析によって取得される逆解析メッシュモデルを示す模式図である。 仮想節点位置を更新した仮想変位メッシュモデルを示す模式図である。 互いに隣接する複数の要素からなる単位領域に一様な非弾性ひずみを入力した状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る機械部品のひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定装置について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、ひずみ分布推定方法及びひずみ分布推定装置の対象となる機械部品をガスタービンのタービン動翼とした例について説明する。
図1に示すように、タービン動翼10は、翼根11、該翼根11に一体に設けられたプラットフォーム12及び該プラットフォーム12から突出するように延びる翼本体13を有する。タービン動翼10には、回転時に作用する遠心力や熱の影響により特に翼本体13に非弾性ひずみとしてのクリープひずみが生じる。本実施形態のひずみ分布推定方法では、変形前のタービン動翼10Aの形状と変形後のタービン動翼10Bの形状とに基づいて、変形後のタービン動翼10Bに生じている非弾性ひずみ分布Srを推定する。ここで、変形前のタービン動翼10Aとは、ガスタービンの運転に使用されていないタービン動翼10である。また、変形後のタービン動翼10Bとは、変形前のタービン動翼10Aをガスタービンの運転に使用した結果、クリープひずみが生じたタービン動翼10である。
図2に示すように、ひずみ分布推定方法を実行するひずみ分布推定装置20は、CPU21(Central Processing Unit)、ROM22(Read Only Memory)、RAM23(Random Access Memory)、HDD24(Hard Disk Drive)、信号受信モジュール25を備えるコンピュータである。信号受信モジュール25には、後述する測定部41からの信号が入力される。
ひずみ分布推定装置20のCPU21は予め自装置で記憶するプログラムを実行することにより、図3に示すように、変形前構造モデル取得部31、初期メッシュモデル取得部32、変形後構造モデル取得部33、仮想変位メッシュモデル取得部34、逆解析部35、判定部36、仮想変位メッシュモデル更新部37、及び、ひずみ分布確定部38として機能する。
変形前構造モデル取得部31は、測定部41による変形前のタービン動翼10Aの測定結果に基づいて、図4(a)に示すように、変形前のタービン動翼10Aの形状に対応した変形前構造モデル100を取得する。
初期メッシュモデル取得部32は、図4(b)に示すように、変形前構造モデル100に初期メッシュ120を適用した初期メッシュモデル110を取得する。
変形後構造モデル取得部33は、測定部41による変形後のタービン動翼10Bの測定結果に基づいて、図5(a)に示すように、変形後のタービン動翼10Bの形状に対応する変形後構造モデル130を取得する。
仮想変位メッシュモデル取得部34は、図5(b)に示すように、変形後構造モデル130に対して初期メッシュ120に対応する仮想変位メッシュ150を適用した仮想変位メッシュモデル140を取得する。
逆解析部35は、初期メッシュモデル110と仮想変位メッシュモデル140とに基づいて逆解析を行うことで、図6に示すように、逆解析メッシュ170を有する逆解析メッシュモデル160及び仮想ひずみ分布Stを取得する。
判定部36は、逆解析部35の逆解析結果が収束条件を満たしているか否か判定する。
仮想変位メッシュモデル更新部37は、判定部36が収束条件を満たしていないと判定した場合に、逆解析メッシュモデル160に基づいて仮想変位メッシュモデル140の仮想変位メッシュ150を更新する。上記逆解析部35は、初期メッシュモデル110と更新された仮想変位メッシュモデル140とに基づいて逆解析を行い、その後、判定部36による判定が再度行われる。
ひずみ分布確定部38は、判定部36が収束条件を満たしていると判定した場合に、当該収束条件の判定に用いられた仮想ひずみ分布Stを非弾性ひずみ分布Srとして確定し、表示部42に当該非弾性ひずみ分布Srを出力する。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、ひずみ分布推定装置20で実行されるひずみ分布推定方法の手順を詳細に説明する。
本実施形態のひずみ分布推定方法は、変形前構造モデル取得工程S1、初期メッシュモデル取得工程S2、変形後構造モデル取得工程S3、仮想変位メッシュモデル取得工程S4、逆解析工程S5、判定工程S6、ひずみ分布確定工程S8、及び仮想変位メッシュモデル更新工程S7を含む。
<変形前構造モデル取得工程>
まず、変形前構造モデル取得工程S1を行う。変形前構造モデル取得工程S1は、変形前構造モデル取得部31によって行われる。変形前構造モデル取得部31は、図8に示すように、測定部41による変形前のタービン動翼10Aの三次元測定結果に基づいて、変形前のタービン動翼10Aの形状をモデル化する。これによって、変形前のタービン動翼10Aの形状に対応する変形前構造モデル100を取得する。
ここで、本実施形態では理解を容易にするため、図9(a)に示すように、変形前構造モデル100を単純な片持ち梁として模式化して説明する。当該変形前構造モデル100は、基端部となる固定端から先端部となる自由端まで延びる上辺101及び下辺102を有している。上辺101及び下辺102は、それぞれ変形前構造モデル100の特徴線である。上辺101及び下辺102の両端は、変形前構造モデル100の先端部及び基端部の角部(特徴点103)を結んでいる。上辺101及び下辺102の長さは、互いに同一のAとされている。
<初期メッシュモデル取得工程>
次に、初期メッシュモデル取得工程S2を行う。初期メッシュモデル取得工程S2は、初期メッシュモデル取得部32によって行われる。初期メッシュモデル取得部32は、三次元メッシュ状をなす初期メッシュ120を変形前構造モデル100に適用して該変形前構造モデル100を複数の要素に分割することで初期メッシュモデル110を取得する。即ち、変形前構造モデル100に初期メッシュ120を適用することで、図9(b)に示すように、有限要素モデルとしての初期メッシュモデル110を取得する。
変形前構造モデル100に初期メッシュ120を適用する際には、初期メッシュ120を構成する線分の一部を、変形前構造モデル100の特徴線に一致させる。これにより、変形前構造モデル100の特徴線、即ち、初期メッシュモデル110の特徴線上には、初期メッシュ120の節点が配置される。
本実施形態では、初期メッシュモデル110の上辺101及び下辺102には、それぞれ5つの節点が配置されている。ここで、上辺101及び下辺102における初期メッシュ120の節点の位置を、これら上辺101及び下辺102を所定の分割比で分割する初期節点位置P1と定義する。
初期メッシュモデル110の上辺101及び下辺102の節点は、これら上辺101及び下辺102を均等に分割している。図9(b)に示すように、上辺101及び下辺102は、それぞれ0.25Aの長さに分割されている。即ち、本実施形態では、初期節点位置P1は、上辺101及び下辺102をそれぞれ等分割する位置とされている。
<変形後構造モデル取得工程>
次に、変形後構造モデル取得工程S3を行う。変形後構造モデル取得工程S3は、変形後構造モデル取得部33によって行われる。変形後構造モデル取得部33は、図10に示すように、測定部41による変形後のタービン動翼10Bの三次元測定結果に基づいて、変形後のタービン動翼10の形状をモデル化する。これによって、変形後のタービン動翼10Bの形状に対応する変形後構造モデル130を取得する。
ここでも上記同様、理解を容易にするため、図11(a)に示すように、変形後構造モデル130を単純な片持ち梁として模式化している。当該変形後構造モデル130は、変形前構造モデル100の角部(特徴点103)と対応する角部(特徴点133)を有している。したがって、変形後構造モデル130の角部を結ぶ上辺131及び下辺132は、それぞれ変形前構造モデル100の上辺101及び下辺102に対応している。即ち、変形前構造モデル100の上辺101及び下辺102が変形した結果が、変形後構造モデルの上辺131及び下辺132となる。変形後構造モデル130の上辺の長さはBとされ、下辺の長さはCとされている。
<仮想変位メッシュモデル取得工程>
次に、仮想変位メッシュモデル取得工程S4を行う。仮想変位メッシュモデル取得工程S4は、仮想変位メッシュモデル取得部34によって行われる。仮想変位メッシュモデル取得部34は、三次元メッシュ状をなす仮想変位メッシュ150を用いて、変形後構造モデル130を複数の要素に分割する。即ち、変形後構造モデル130に仮想変位メッシュ150を適用することで、図11(b)に示すように、有限要素モデルとしての仮想変位メッシュモデル140を取得する。
仮想変位メッシュ150は、初期メッシュ120に対応しており、該初期メッシュ120と同様の要素分布を有している。即ち、仮想変位メッシュ150は、初期メッシュ120と同一数の要素を同一の配置関係で有している。仮想変位メッシュ150は、初期メッシュ120の変形後のメッシュを模擬したものである。
変形後構造モデル130に仮想変位メッシュ150を適用する際には、仮想変位メッシュ150を構成する線分の一部を、変形後構造モデル130の特徴線に一致させる。これにより、変形後構造モデル130の特徴線、即ち、仮想変位メッシュモデル140の特徴線上には、仮想変位メッシュ150の節点が配置される。
本実施形態では、仮想変位メッシュモデル140の特徴線である上辺131及び下辺132には、それぞれ5つの節点が配置されている。そして、仮想変位メッシュモデル140の特徴線上の各節点は、初期節点位置P1に対応する分割比で該特徴線を分割する仮想節点位置P2に配置されている。
本実施形態では、初期節点位置P1が初期メッシュモデル110の特徴線を均等に分割しているため、仮想変位メッシュモデル140の節点が配置される仮想節点位置P2は、該仮想変位メッシュモデル140の特徴線を均等に分割する位置とされている。これによって、図11(b)に示すように、仮想変位メッシュモデル140の上辺131は、長さが0.25Bの4つの線分に均等に分割され、下辺は、長さが0.25Cの4つの線分に均等に分割されている。
以上のように、仮想変位メッシュモデル取得工程S4では、変形後構造モデル130に対して、特徴線上の節点の分割比が初期メッシュモデル110と同様になるように仮想変位メッシュ150を適用することで、仮想変位メッシュモデル140を取得する。仮想変位メッシュモデル140の特徴線上の節点の位置は、変形前の節点の位置に対する節点の仮想変位を意味している。
<逆解析工程>
次に逆解析工程S5を行う。逆解析工程S5は、逆解析部35によって行われる。逆解析部35は、図12に示すように、初期メッシュモデル110と仮想変位メッシュモデル140に基づいて逆解析を行うことで、仮想ひずみ分布St及び逆解析メッシュモデル160を取得する。
即ち、逆解析工程S5では、初期メッシュモデル110の各要素に任意の非弾性ひずみを入力する固有ひずみ解析を行うことで得られメッシュモデルのうち、仮想変位メッシュモデル140との変位差が最小となるメッシュモデルを逆解析メッシュモデル160として逆解析により取得する。
併せて、逆解析工程S5では、初期メッシュモデル110の各要素に任意の非弾性ひずみを入力する固有ひずみ解析を行うことで初期メッシュモデル110を変形させた場合に、当該変形させた初期メッシュモデル110と仮想変位メッシュ150との変位差が最小となる非弾性ひずみの組み合わせを仮想ひずみ分布Stとして取得する。仮想ひずみ分布Stは、上記逆解析メッシュモデル160の各要素の非弾性ひずみの分布である。
このような逆解析には、初期メッシュモデル110を変形させた際の各節点の変位と、これら各設定に対応する仮想変位メッシュモデル140の各節点の変位との差分(変位差)の自乗和を用いた最小二自法が適用される。当該最小自乗法を用いて、変位差の自乗和が最も小さくなる非弾性ひずみの組み合わせが仮想ひずみ分布Stとして取得され、その際の各節点の変位の集合が逆解析メッシュモデル160として取得される。逆解析メッシュモデル160の節点を結ぶメッシュが逆解析メッシュ170となる。逆解析メッシュ170は、初期メッシュ120に対応するメッシュである。即ち、逆解析メッシュ170は、初期メッシュ120と同一数の要素を同一の配置関係で有している。逆解析メッシュ170は、仮想変位メッシュ150同様、初期メッシュ120の変形後のメッシュを模擬したものである。
逆解析メッシュモデル160は、仮想変位メッシュモデル140同様、変形後のタービン動翼10Bの形状を模擬したものとなるが、仮想変位メッシュモデル140とは完全には一致していない。
即ち、逆解析の結果得られる逆解析メッシュモデル160は、図12に示すように、上辺161及び下辺162の長さは、初期メッシュモデル110や仮想変位メッシュモデル140とは異なるものになる。ここでは、逆解析メッシュモデル160の上辺161の長さがD、下辺の長さがEであるとする。
また、逆解析メッシュモデル160の上辺161及び下辺162の節点による分割比も、初期メッシュモデル110や仮想変位メッシュモデル140と異なるものとなる。上辺161は基端部から先端部に向かって0.23:0.27:0.27:0.23の分割比で分割されている。下辺、基端部から先端部に向かって0.27:0.23:0.23:0.27の分割比で分割されている。逆解析メッシュモデル160の上辺161及び下辺162の節点の位置は、均等配置として仮に定めた仮想変位メッシュモデル140の上辺131及び下辺132の節点の位置よりも、実形状に近い配置となる。
ここで、逆解析メッシュモデル160の特徴線上(上辺161及び下辺162)の各節点の位置を、該特徴線を所定の分割比で分割した更新節点位置P3と定義する。逆解析メッシュモデル160における上辺161及び下辺162の分割比は、更新節点位置P3の分割比として、後述する仮想変位メッシュモデル更新工程S7で使用される。
<判定工程>
逆解析工程S5の後に、判定工程S6を行う。判定工程S6は、判定部36によって行われる。判定部36は、逆解析工程S5の逆解析結果が収束条件を満たすか否かを判定する。
上記逆解析工程S5が一回しか行われていない場合には、収束条件を満たさないと判定し、次いで仮想変位メッシュモデル更新工程S7が行われる。収束条件の詳細については後述する。
<仮想変位メッシュモデル更新工程>
仮想変位メッシュモデル更新工程S7は、仮想変位メッシュモデル更新部37によって行われる。仮想変位メッシュモデル更新部37は、逆解析工程S5で用いられた仮想変位メッシュモデル140の上辺131及び下辺132の節点の位置(仮想節点位置P2)を異なる位置に更新する。より詳細には、仮想変位メッシュモデル更新部37は、仮想変位メッシュモデル140の仮想節点位置P2を、上記更新節点位置P3と同一の分割比で上辺131及び下辺132を分割する位置に更新する。
即ち、上辺131及び下辺132の節点による分割比が均等であった仮想変位メッシュモデル140を、図13に示すように、上辺131の節点による分割比が基端部から先端部に向かって0.23:0.27:0.27:0.23、下辺の節点による分割比が基端部から先端部に向かって0.27:0.23:0.23:0.27の仮想変位メッシュモデル140に更新する。
仮想変位メッシュモデル更新工程S7が行われた後は、更新された仮想変位メッシュモデル140及び初期メッシュモデル110に基づいて逆解析工程S5及び判定工程S6が繰り返し行われる。
判定工程S6では、今回の逆解析工程S5による仮想ひずみ分布St及び逆解析メッシュモデル160と、前回の逆解析工程S5による仮想ひずみ分布St及び逆解析メッシュモデル160とを比較する。その結果、例えばこれらの差分が規定値を下回った場合には、逆解析結果が収束したとして収束条件を満たすと判定される。一方、これらの差分が規定値以上である場合には、収束条件を満たさないとして、再度仮想変位メッシュモデル更新工程S7、逆解析工程S5、判定工程S6が順次行われる。
<ひずみ分布確定工程>
判定工程S6で収束条件を満たすと判定された場合には、ひずみ分布確定工程S8を行う。ひずみ分布確定工程S8は、ひずみ分布確定部38によって行われる。ひずみ分布確定部38は、最終的な逆解析の結果である仮想ひずみ分布Stを変形後のタービン動翼10Bの非弾性ひずみ分布Srであるとして確定する。そして、ひずみ分布確定部38は、当該非弾性ひずみ分布Srを表示部42に出力する。
以上のように本実施形態によれば、変形前のタービン動翼10Aの形状に対応する初期メッシュモデル110と実際の変形が生じた変形後のタービン動翼10Bの形状に対応する仮想変位メッシュモデル140とに基づいて、変形後のタービン動翼10Bの非弾性ひずみの分布である仮想ひずみ分布Stを取得することができる。即ち、実際の変形後のタービン動翼10Bの形状に基づいて仮想ひずみ分布Stを得ることができる。したがって、例えば試験装置等によってタービン動翼10に応力を付与し非弾性ひずみ生じさせた場合等に比べて、より実機に即した非弾性ひずみ分布Srを取得することができる。
ここで、メッシュモデルのある要素に非弾性ひずみを入力して固有ひずみ解析を行った際の変形量(節点の変位)は、一意的に定まる。即ち、例えばある要素に二倍の非弾性ひずみを入力した場合には、変形量も二倍となる。また、各要素に個別に非弾性ひずみを入力した際の変形量の和と、これら各要素に同時に非弾性ひずみを入力した際の変形量は同一となる。即ち、非弾性ひずみと変形量とは線形の関係にある。
よって、本実施形態のように、仮想変位メッシュモデル140の特徴線上の節点を仮の位置(仮想節点位置P2)に設定することで、解の一意性を確保した上で逆解析を行うことができる。これにより、逆解析時に発散させることなく、非弾性ひずみの分布を一意的に求めることができる。
したがって、非弾性ひずみ分布を精度高く取得することができる。このような非弾性ひずみ分布を用いて変形後のタービン動翼10Bのクリープ損傷を解析することで、タービン動翼10Bの健全性をより精度高く評価することができる。
また、逆解析により取得した逆解析メッシュモデル160の特徴線上の節点の位置は、初期メッシュモデル110に基づく仮想変位メッシュモデル140の特徴線上の節点の位置よりも、変形後の実際の変形後のタービン動翼10の形状に近いものとなる。そのため、仮想変位メッシュモデル140の節点の位置を逆解析メッシュモデル160の節点の位置に対応するように更新することで、最終的に取得できる仮想ひずみ分布Stの精度を向上させることができる。また、収束条件を満たさない場合に、仮想変位メッシュモデル更新工程S7、逆解析工程S5を繰り返し行うことで、より精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態では、両端に特徴点を有する線分として特徴線を説明したが、これに限定されることはない。変形前の形状と変形後の形状とで同一性が担保される線分であるのならば、このような線分を特徴線としてもよい。例えば、タービン動翼10の前縁と後縁からの割合位置が翼高さ方向で一点の線分を特徴線としてもよい。
例えば実施形態では、タービン動翼10を模式的に二次元のメッシュモデルの片持ち梁として説明したが、タービン動翼10の三次元メッシュモデルに本発明を適用する場合には、例えば、翼高さ方向に延びる特徴線での各節点の分割比、及び、任意の翼高さ位置での翼断面における前縁と後縁を結ぶ特徴線上での各節点の分割比がそれぞれ維持されるように、仮想節点位置P2を設定すればよい。これによって、節点の仮想変位を三次元の場合であっても適切に設定することができる。
また、本実施形態の逆解析工程S5では初期メッシュモデル110の各要素に非弾性ひずみを入力する逆解析を行ったが、例えば図14に示すように、互いに隣接する複数の要素からなる単位領域Qに、一様な非弾性ひずみを入力してもよい。ここで、一様な非弾性ひずみとは、互いに同一の非弾性ひずみである。なお、一様な非弾性ひずみを、例えば単位領域の一方の角部から対向する他方の角部に向けて線形に変化する非弾性ひずみとしてもよい。
これにより、各要素に異なる非弾性ひずみが入力される場合に比べて、逆解析時のパラメータの数が減少するため、解の安定性を向上させることができる。即ち、振動解となることを回避することができる。
変形前構造モデル100を測定部41による変形前のタービン動翼10Aの測定結果に基づいて取得するのではなく、例えばタービン動翼10の設計図等に基づいて取得してもよい。従って、変形前構造モデル取得工程S1と変形後構造モデル取得工程S3の順番は問わない。
また、初期メッシュ120及び仮想変位メッシュ150によって分割される各要素の大きさは、均等としてもよいし、予め行った実験・解析等による非弾性ひずみが発生し易い箇所の要素を他の部分の要素よりも小さく設定してもよい。
実施形態では、仮想変位メッシュモデル140の仮想節点位置P2による特徴線の分割比を、初期節点位置P1による特徴線の分割比と同一にする例について説明したが、これに限定されることはない。仮想節点位置P2の分割比と初期節点位置P1の分割比とが対応関係にあるのであれば、完全に同一としなくてもよい。例えば、仮想節点位置P2の分割比を、初期節点位置P1の分割比の大小関係のみが一致するように節点してもよい。
仮想変位メッシュモデル140の仮想節点位置P2を更新する場合にも、当該仮想節点位置P2による特徴線の分割比が、更新節点位置P3による特徴線の分割比に一致していればよい。
なお、実施形態では、判定工程S6で収束条件を満たさない場合に、仮想変異メッシュモデル更新工程S7、逆解析工程S5を繰り返し行い、最終的に収束条件を満たす手法を説明したが、以下の手法を用いてもよい。
第一の手法は以下の通りである。即ち、逆解析工程S6で、初期メッシュモデル110に仮想ひずみ分布Stを入力して逆解析メッシュモデル160を取得する。その後、判定工程S6で収束条件を満たさない場合には、逆解析メッシュモデル160のひずみ分布と仮想変位メッシュモデル140のひずみ分布の差分を表現する差分ひずみ分布を推定する。
そして、当該差分ひずみ分布を上記の仮想ひずみ分布Stに足し合わせたものを修正ひずみ分布とし、当該修正ひずみ分布を初期メッシュモデル110に入力することで、修正されたメッシュモデルを取得する。そして、当該メッシュモデルについて再度判定工程S6で収束条件を満たすか否か判断し、満たしていない場合には上記手法を繰り返す。
第二の手法は以下の通りである。即ち、逆解析工程S6で取得した仮想ひずみ分布Stに逆符号をかけることで、逆仮想ひずみ分布を取得する。この逆符号仮想ひずみ分布を初期メッシュモデル110に入力し、これによって変形したメッシュモデルを第一メッシュモデルとして取得する。次いで、第一メッシュモデルと仮想変位メッシュモデルを足し合わせたメッシュモデルを第二メッシュモデルとして取得する。その後、第二メッシュモデルと初期メッシュモデル110の差分を表現する差分ひずみ分布を推定する。
そして、上記第一の手法と同様、当該差分ひずみ分布を上記の仮想ひずみ分布Stに足し合わせたものを修正ひずみ分布とし、当該修正ひずみ分布を初期メッシュモデル110に入力することで、修正されたメッシュモデルを取得する。そして、当該メッシュモデルについて再度判定工程S6で収束条件を満たすか否か判断し、満たしていない場合には上記手法を繰り返す。
第三の手法は以下の通りである。即ち、逆解析工程S6で、初期メッシュモデル110に仮想ひずみ分布Stを入力して逆解析メッシュモデル160を取得する。そして、当該逆解析メッシュモデル160を用いて、固有ひずみ分布を推定する。さらに、当該固有ひずみ分布を初期メッシュモデル110に入力することで修正された仮想変位メッシュモデル140である修正仮想変位メッシュモデルを取得する。そして、この修正仮想変位メッシュモデルを用いて固有ひずみ分布を推定する過程を繰り返すことで、収束条件を満たすように収束させる。
実施形態では、ガスタービンのタービン動翼10の非弾性ひずみ分布Srを推定する例について説明したが、ガスタービンの他の部材、蒸気タービンを構成する部材、その他、ターボチャージャーケーシング、エンジンシリンダヘッド等の他の機械部品の非弾性ひずみ分布Srを推定してもよい。
実施形態では、タービン動翼10のクリープ損傷に基づく非弾性ひずみを推定する方法について説明したが、例えば機械部品に対して、ひずみ修正工程やショットピーニング工程を施した後の非弾性ひずみを推定するために本発明を用いてもよい。これによって、残留応力の分布を適切に評価することができる。
10 タービン動翼
10A 変形前のタービン動翼
10B 変形後のタービン動翼
11 翼根
12 プラットフォーム
13 翼本体
20 ひずみ分布推定装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 信号受信モジュール
31 変形前構造モデル取得部
32 初期メッシュモデル取得部
33 変形後構造モデル取得部
34 仮想変位メッシュモデル取得部
35 逆解析部
36 判定部
37 仮想変位メッシュモデル更新部
38 ひずみ分布確定部
100 変形前構造モデル
41 測定部
42 表示部
101 上辺(特徴線)
102 下辺(特徴線)
103 特徴点
110 初期メッシュモデル
120 初期メッシュ
130 変形後構造モデル
131 上辺(特徴線)
132 下辺(特徴線)
133 特徴点
140 仮想変位メッシュモデル
150 仮想変位メッシュ
160 逆解析メッシュモデル
161 上辺(特徴線)
162 下辺(特徴線)
163 特徴点
S1 変形前構造モデル取得工程
S2 初期メッシュモデル取得工程
S3 変形後構造モデル取得工程
S4 仮想変位メッシュモデル取得工程
S5 逆解析工程
S6 判定工程
S7 仮想変位メッシュモデル更新工程
S8 ひずみ分布確定工程
P1 初期節点位置
P2 仮想節点位置
P3 更新節点位置
Sr 非弾性ひずみ分布
St 仮想ひずみ分布
Q 単位領域

Claims (5)

  1. 変形前の機械部品の形状に対応した変形前構造モデルを取得する変形前構造モデル取得工程と、
    前記変形前構造モデルに対して、初期メッシュを適用することで、前記変形前構造モデルが複数の要素に分割された初期メッシュモデルを取得する初期メッシュモデル取得工程と、
    変形後の前記機械部品の形状に対応する変形後構造モデルを取得する変形後構造モデル取得工程と、
    前記変形後構造モデルに対して、前記初期メッシュに対応する仮想変位メッシュを適用することで、前記変形後構造モデルが複数の要素に分割された仮想変位メッシュモデルを取得する仮想変位メッシュモデル取得工程と、
    を含み、
    前記初期メッシュモデルの特徴線上の節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した初期節点位置とされ、
    前記仮想変位メッシュモデルでは、前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記仮想変位メッシュモデルの特徴線上の節点が、前記初期節点位置に対応する分割比で該特徴線を分割する仮想節点位置に配置されており、
    前記初期メッシュモデルの各要素に任意の非弾性ひずみを入力して取得されるメッシュモデルのうち、前記仮想変位メッシュモデルとの変位差が最小となるメッシュモデルである逆解析メッシュモデル、及び、該逆解析メッシュモデルの各要素の非弾性ひずみの値である仮想ひずみ分布を取得する逆解析工程と、
    前記逆解析工程の後に、収束条件を満たしているか否かを判定する判定工程と、
    を含み、
    前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記逆解析メッシュモデルの特徴線上の各節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した更新節点位置とされ、
    前記判定工程で前記収束条件を満たさないと判定された場合に、前記仮想変位メッシュモデルの前記仮想節点位置を、前記更新節点位置に対応する分割比で前記特徴線を分割する位置に更新する仮想変位メッシュモデル更新工程を含み、
    前記仮想変位メッシュモデル更新工程の後に、前記逆解析工程及び前記判定工程が繰り返し行われる機械部品のひずみ分布推定方法
  2. 記判定工程で前記収束条件を満たすと判定された場合に、前記仮想ひずみ分布を前記機械部品の非弾性ひずみ分布として確定するひずみ分布確定工程を含む請求項1に記載の機械部品のひずみ分布推定方法。
  3. 前記初期節点位置は、前記初期メッシュモデルの前記特徴線上の節点が、該特徴線を等分割する位置である請求項1又は2に記載の機械部品のひずみ分布推定方法。
  4. 前記逆解析工程は、前記初期メッシュモデルにおける互いに隣接する複数の要素からなる単位領域に、一様な非弾性ひずみを入力することで行われる請求項1から3のいずれか一項に記載の機械部品のひずみ分布推定方法。
  5. 変形前の機械部品の形状に対応した変形前構造モデルを取得する変形前構造モデル取得部と、
    前記変形前構造モデルに対して、初期メッシュを適用することで、前記変形前構造モデルが複数の要素に分割された初期メッシュモデルを取得する初期メッシュモデル取得部と、
    変形後の前記機械部品の形状に対応する変形後構造モデルを取得する変形後構造モデル取得部と、
    前記変形後構造モデルに対して、前記初期メッシュに対応する仮想変位メッシュを適用
    することで前記変形後構造モデルが複数の要素に分割された仮想変位メッシュモデルを取得する仮想変位メッシュモデル取得部と、
    を含み、
    前記初期メッシュモデルの特徴線上の節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した初期節点位置とされ、
    前記仮想変位メッシュモデルでは、前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記仮想変位メッシュモデルの特徴線上の節点が、前記初期節点位置と同一の分割比で該特徴線を分割する仮想節点位置に配置されており、
    前記初期メッシュモデルの各要素に任意の非弾性ひずみを入力して取得されるメッシュモデルのうち、前記仮想変位メッシュモデルとの変位差が最小となるメッシュモデルである逆解析メッシュモデル、及び、該逆解析メッシュモデルの各要素の非弾性ひずみの値である仮想ひずみ分布を取得する逆解析を行う逆解析部と、
    前記逆解析部が前記逆解析を行った後に、収束条件を満たしているか否かを判定する判定部と、を含み、
    前記初期メッシュモデルの前記特徴線に対応する前記逆解析メッシュモデルの特徴線上の各節点の位置が、該特徴線を所定の分割比で分割した更新節点位置とされ、
    前記判定部が前記収束条件を満たさないと判定した場合に、前記仮想変位メッシュモデルの前記仮想節点位置を、前記更新節点位置に対応する分割比で前記特徴線を分割する位置に更新する仮想変位メッシュモデル更新部を含み、
    前記仮想変位メッシュモデル更新部が前記仮想設定位置を更新した後に、前記逆解析部による逆解析及び前記判定部による判定を繰り返し行う機械部品のひずみ分布推定装置。
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